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目 次

センターレポート

6

1.巻頭書

情報あぶれ者 保 田 正 人 ・・・・・・・ 1

2.随想

情報処理センターに関する

ユーザーとしてのー私見・. . . 守 山 正 樹 3 合金の状態図とコンピ且ータ・. . 有 働 公 一 6 教養部における情報処理教育について・. 寺 崎 康 博長崎・テレトピア構想に考える・. . . 小 坂 光 男

3 .

講漬会から

機械翻訳研究の変遷と動向・. . . 田 町 常 夫 11  科学技術庁のMuプロジェクト・. .  坂 本 鶴 行 • 32  海外における機域翻訳の研究・. 野 村 浩 郷 42 

4 .

技術解説

PC‑9800TSSインテリジェントターミナル用プログラム (MS ‑DO S版)への移植と 2400bpsモデムの使用感

金丸邦康、 杉本直、 内 田 勝 徳 ・・・・回 統計データ処理パッケージANALYSTについて

桜井尚子、 西原純、

内本佳彦、 阪上直美、 山 口 正 道 ・・・・7I

5 .

センター概要

センターの目的、業務 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 112 センター内システム構成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 113 ネットワークシステム構成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 114 大学問コンピュータネットワーク ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 115

(3)

6 7 8  

E4EA'A

6 .

端局紹介

工学部電気・電子工学科 アナログデータ処理システム・・・・・・・ 121

7 .

資料

センターニュースより ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 128 全国共同利用大型計算機センター広報物目次一覧・・・・・・・・・・・ 168

6 8 A m  

n u v A u r

L E q

n δ  

来訪者一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・209 センタ一利用状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 210 計算機稼動状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・212 昭和

60

年度申請課題一覧表 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・219

9 .

諸規程

長崎大学情報処理センタ一規則 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 235 長崎大学情報処理センター利用規程 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 236 長崎大学情報処理センター情報処理教育利用内規 ・・・・・・・・・・239

1  O .

名簿

情報処理センター運営委員会名簿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・241 プログラム相談員名簿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・241 情報処理センター職員名簿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・242

編集後記 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・243

(4)

. 巻 頭 昌

情報あぶれ者

学 長 保 田 正 人

情報不足で損をし,ほぞをかんだことが研究生活30年の聞に何回かあった。外国文献を見 落として発表に後れをとったこと,戦前より続けていた仕事が,戦後のどさくさで情報が取れ ず,結果的にほ批海道の研究者に先をこされて学位論文を作りなおしたこと.次の学会で私の 研究の先報に続く内容が横取られて発表されているといった不愉快なことに出会った。工学や 医学程に固まぐるしくない分野だけに,わりとおっとりと研究を楽しむことができ,独創的な 考えや手1去を生かすことができた。

コンビューターの発展も,字宙開発時代にはいって,何と便利なものがとは思ったが,全く 身近かに感じたこともなく,相も変わらずタイガーの手廻し計算機で,推計学の初歩的考察を やっていた。それがある時点で気付いてみたら,パソコン時代に突入していた。こうなるとも うどうにも手をつける気になれず,プリンターから打ち出される紙片の訳のわからぬ数字が頭 を悩ますだけで,見事にパソコンアレルギーにかかってしまった。それでも気の強さだけは残 っていて,教務係の学生の成績なんか訳なく整理できると聞いて,文部省に出かけた。ぐずぐ ず学部改組とコンピューターの効能を並べたてていたら,たしか600万円の金をぽんとくれ た。恐らく聞かされる方も当時はズブの素人で,日頃うるさい奴が訳のわからん事をしゃべり たてるし,判らぬとも言えず,総会屋撃退よろしく面倒だからくれたのだろうと,今にして思 いあたることである。これが失敗の最たるもので,業者の甘言通り購入したものの,当時はオ ペレーターになるような器用な事務官は皆無。係長は逃げてまわるし結果はただのl回も使 わないまま,私の教室に引き取った。ここでもソフトのプログラムが駄目で役に立たず,ただ みてくれがいいので,今も室に飾っている。

それが近頃は全講座といってよい程パソコンやワープロがはいり,若い研究者,学生や事務 官が楽しそうに扱っている。全く痛の種だが,管理職の辛さ,おおように「どうだね,わかる かね」と声をかけている

日本の繁栄は,良く高レペルの技術者集団と,その技術を現場で生かす優秀な労働者群で支 えられ.それに僅かな創造的人材が加わっていると云われる。このような人材構成が.日本の 将来にどう響くか予測はむずかしい。今の大学のシステムが学ぶ教育中心で.ややもすると創 造性の芽をつぶしているのではないかと危慎している。院生や学生の論文をみても,創造的研 究の成果が少な,殆ど手法や内容が先人の槙倣のように思えてならない。臨教審も教育の情 報化に対して,極度の機械化は人間同士や人間と自然とのつながりを減少させ,社会の求心力

(5)

が失われる恐れのあることを指摘している。といって私は情報システムを軽視するわけではな い。むしろ情報過多を上手に整理し,無駄をはぶいて創造を教育する足場として上手に利用し てもらいたい。

山田センター長の熱意はたいしたものだ。センター将来構想について貴重な意見を拝聴した。

申し訳ないが,私の説明を聞いた文部省の事務官以上に理解するのに苦しんだ。とiこかく大切 なものだとの認織で整備拡充には万全の努力を払うつもりでいる。

世の中コンピューターやカード時代と言われながら,給料まで銀行振込みで,妻に管理が移 り,自らの支払い能力を知るすべもない。後払いシステムのカードは財産菅理ができないとヤ パイものだと信じこんでいる私は,今使っているのが1.

500

円の電卓

1

台と安全な先払い 式のテレホンカードのみである。そして若かりし頃,唯一のそして人間味のある情報源であっ た赤ちょうちんネットワークを今もって大切にしている。でも悪い時代で車の運転だの健康管 理だのと言って,このネットワークの輸がじわじわと締められている。そのなかで,近代情報 あぶれ者同士が世をはかなみながら,毎夜のように杯を傾けて,ったない情報交換を行ってい

(6)

2 .

随 想

情報処理センターに関するユーザーとしてのー私見

医学部公衆衛生学教室 守 山 正 樹

医学部を卒業して公衆衛生学に進んでから

11

年目、長崎大学で助手として勤めはじめてか 5年目になります。その問、年を追って大型計算機に依存して仕事をする機会が増え、いま や大型計算機のない研究生活は信じられない処にまで至ってしまいました。パソコンが家庭に まで行き渡ってしまった昨今ですが、大型計算機の必要性についての考えかたは人さまざまな ように感じます。一個人の限られた計算機使用体験をもとに考えるセンターの在りかたが、偏 見に満ちたものであることは当然かもしれませんが、少しでも大型計算機に興味をもっ仲間を 増やし、在るべき計算機センターの姿について検討を進めるためにも、この場で私見を述べる

ことを許して戴きたく思います。

東北大の医進課程に在学した折は、まだ学生実習では手回しの計算機を使う時代でした。そ の後、大学院にはいってからは、学内のセンターの使用を試みましたが、 SPSSBMDP などの汎用パッケージはまだ導入されておらず、計算機センターの敷居の高さに驚いたことが あります。

始めて本格的に大型計算機に接したのは、大学院終了後

1979‑81

年にかけてのテキサ ス大学オースチン校人類学部在学中でした。大学の中心iこそびえる時計台の地下には広大な計 算センターがあり、学内の何ケ所かには、それぞれ数十台のTSSをもっディスプレーセンタ ーがあり、さらに学内のあちこちに散在していた端末も含めてサイバーという計算機システム を中心に稼動していました。それだけ端末の数も多かったのに、それを上回る教の利用者がい たため、学期の終わりには使用の順番を確保するのが大変で、また故障のために計算サービス が中断されることもしばしばありました。しかし朝

7

時から夜

12

時まで利用できる計算セン ターの存在は、それとほぼ同じ時間帯に使用ができ、さらに学期末は

24

時開通して開館して いた図書館と合わせて、そこへ行けばいつ何時でも誰かが頑張って仕事をしているのに会える、

という安心感、信頼感のようなものを与えてくれました。

テキサス大学の計算センターで始めは恐る恐るTSSにさわり始めましたが、センター自身 で常にさまざまな入門コースを聞いており、さらに'はじめてTSSを使用する人のために¥

'対話型SPSSの利用法'といったトピック別の数ページからなるミニパンフレットが豊富 にそろっていて自由に利用できたため、敷居の高さは感じませんでした。しばらくたち、目的 に合わせてセンターを使い始めてからは、心理学のローリン先生が開講していた多変量解析の

(7)

コースが大きな助けになりました。大型計算機に触れ始めたばかりで、それまでは多変量解析 といっても2変数の重回帰しか知らなかったため、十分に理解できるかどうか最初は随分,己、配 しましたが、実際に始まると心置は消えました。第1時閉めは初歩の行列の加減乗除を疎習し、

2

時間目には行列式を計算するための道具としてt.lini‑tabの使用法を習いました。t.lini‑tab は平均値、標準偏差値や行列の計算ができる計算機言語の一種で、マニュアル自体も計算機か

ら出力させることができ、数個の命令を覚えるだけで使いこなせるように設計されています。

3

時間目から数時間は簡単な例題を行列式に書き表わした上で、t.lini‑tabで計算をする作 業が宿題になりました。多重回帰、判別分析、主成分分析と進んだところで、突然今後の問題 解決においてはt.lini‑tabの他にSPSSを同時に使用し、両者の結果を必ず比較検討するよう に、との指示が出ました。そして、いつの間にか大型計算機に対する抵抗が消え、それなしで は仕事が出来ない、と思い始めていることに気がつきました。

長崎大学に来てからこの方、とくに昨年医学部図書館に端末が移動されてからは、端末が置 かれている環境は確かに良くなりました。梅雨時には雨漏りのためにTSSが水に浸かり、湿 気のためにプリンター用紙がふやけて破けてしまい、冬は隙間風のために震えながらキーボー ドをたたいていた状態から比較すれば、今は夢のようです。しかし、必要なときにいつでも直 ぐ身近にあって利用できる、という思想から言えばまだまだです。例えば、稼勤時間帯を取り 上げても、せめて九大なみにして戴けないでしょうか。最近、臨床の先生方の聞で自分の研究 のためにパソコンを購入する方が多いと聞きます。日中に診療を行い、夜に自分の研究を進め るという生活パターンからすれば、せいぜい7時までしか利用できない計算センターに対して、

積極的な需要が起きないのは当然です。統計パッケージにしても、国際的に適用する汎用パッ ケージを少なくとも

2

つは常時使用可能な状態にし、利用者が必要に応じて二つの結果を比較

し、計算の精度菅理ができるシステムを早期に作り上げるべきだと考えます。できるだけ純度 の高い新鮮な試薬をつか勺て、あるいは最新の機器をつかって、実験室あるいは野外で得た大 切なデータを、その最後の段階において、時代遅れの、あるいは一地域でしか通用しない統計 パッケージで整理したり、精度管理の十分でないパソコンのソフトで処理するしか方法がない、

としたら残念なことです。しかし上述した問題点は、豊富な予算の裏付けがあれば、比較的簡 噂に解決できるように思います。それに対して、ユーザー自身が抱える問題はより解決が困難 であるような気がします。

テキサス大学にいる問、新入生からスタッフまで多様な人々が自分の水準に合わせて計算セ ンターを使いこなしていたことが、印象的でした。例えば、二年前に若くして交通事故で亡く なってしまった助教授のエレンは、当時野外調査が終わると寝袋をもって長いこと計算センタ ーに泊まり込み、データの整理をしていました。主任のマリーナ教授がもっていたデータファ イルは原則としてオープンであり、何人もの院生は自分の調査のデータを分析して論文を書く

(8)

一方で、興味の範囲によっては教授の持つデータを独自に分析し、教授と共著で論文を書く場 合もありました。また他の集団の調査と比較のために、国内で同様のテーマで仕事をしている 研究者とよくデータの入った磁気テープを航空便でやり取りしている光景も見かけました。自 分と違った風に大型計算機を使っている多くの人々と接触できたテキサスでの2年間と比較す ると、今は討論する相手も限られ大型計算機の使用に関するかぎり、ひどく狭い世界に落ち込 んでしまったような感じがします。

取りあえず現状を変えていくとしたら、特に大型計算機という方法を共有して仕事を進める 仲間を少しでも増やすとしたら、医学教育においてもある隈られた期間でいいから、学生が自 由に大型計算機を使える機会を作ることが是非必要であると思います。これまでの隈られた公 衆衛生の実習の中でも、そうした機会を一時的に持つことのできた少数の学生は、多変量解析 に強い興味を示し、数日の聞にSASBMDPを一応使いこなせる水準まで到達していまし た。しかしこちらの側に彼らと一緒に計算機に付き合うだけの時間的、並びに経務的余裕を持 てない現状では、できることは限られてしまいます。

いずれにしても、よりよい計算センターを作るためには、設備の拡充とともに興味の赴くま まに計算機を使い、得られた結果を互いに討論できるような雰囲気を作り出すことが早急に必 要だと考えます。フォートランという言葉すら知らない初心者であっても、自分のデータにつ いて行いたい計算の顕要を論理的に並べることさえできれば、 SASなどの汎用統計パッケー ジをつかって多変量解析を駆使できるという現状を、多くの人々に知ってもらうことにより、

大型計算機に全く縁がない、と信じている多くの潜在的ユーザーを掘り起こすことも必要な作 業だと考えます。特に社会医学、臨床医学の分野の研究者にとって、自己の持つ多変量のデー タに内在する情報量を様々な方法で抽出し、さらにグラフィックスを使ってそれを視覚化して いく作業を日常的に行うことは、計算・作図に従来かかっていた時閣を物理的に短縮するだけ でなく、物の見方、考え方にまで影響を与えるのではないでしょうか。

時代は速く動いているようです。パソコンのハードもソフトもいいものが次々に出回ってお り、いずれ現在の形の計算センターは無用の長物と化すのかもしれません。しかし、大切なの は今最も効率のよいものを正当に評価して、それを最大限に利用することだと思います。少な くともハードに関しては長崎大学情報処理センターのシステムは、相当の能力を持った素晴ら しいものであり、またそうした高度なシステムを維持するために、センターの方々が並々なら ぬ努力をしておられることは、ここで改めて言うまでもないと思います。しかし、そうした高 度なシステムの能力が十分に生かされていないのが現状ではないでしょうか。

(9)

合金の状態図とコンピューター

歯学部

有 働 公 一

金属材料は、特殊な場合を除いて純金属では使用されず、数種類の金屠からなる合金として 使用されています。それは、合金のほうが、機械的、化学的性質が優れていることが多いから です。これらの性質は、合金を構成する元素自身の持つ性質のみならず、合金の結晶学的状態 によっても左右されます。合金の結晶構造は、組成、温度、圧力によって変化しますが、これ を一目でわかるようにしたのが状態図と言われるものです。状態図は、金属材料を設計するう えで、最も重要な情報のひとつであるといえます。状態図に関する著名な研究者のひとりであ D.de. Ponta i ne は次のような事を言っています。

"A  material  scientist attempting to  determine optimal  compositions and optimal  thermal  and mechanical processing of  a geven alloy system for  the purpose of  maximizing properties without knowledge of  tfle  phase diagram  is  like  a tourist  attempting to  get most  out  of  a foreign city without consulting the map. " 

状態図を決定する最も確実な方法は、ある合金系において、組成の異なる多数の試料を作製 し、一つ一つX線回折装置や透過型電子顕微鏡を使って調べていく方法です。しかし、この方 法は非常に時閣を要します。合金元素が三種類とか、四種類とかになると気の遺くなるような 時聞がかかります。もし合金の状態図が計算によって決定することができれば、実験的に決定 するよりもはるかに少ない時間ですみますし、少ない実験データより多くの情報を得ることが できます。さらに、計算式に近似の次数が高いものを使えば、通常は実験が困難な低温や高温 の状態も、測定可能な温度範囲の状態を外挿することによって知ることができます。

私達が用いている計算方法はクラスタ変分法といわれる方法で、統計熱力学的に導出された 方法です。これは他の方法に比べて計算式の物理的意味が明確である、エントロビー項の計算 が正確であるという特徴があります。この方法を用いて、任意の組成、温度で種々の結品構造 をとった場合の自由エネルギーを求めれば、それらを比較して最も自由エネルギーが低い結晶 構造が安定であることになります。自由エネルギーを計算する過程では逐次近似法を用います。

一般によく知られている逐次近似法はNewton‑Rapson法ですが、この方法は収束は速いのです が、初期値の選び方によっては、求める値に収束しないという欠点があります。クラスタ変分 法では数十個の変数がありますので、この欠点は致命的です。 Newton‑Rapson法の欠点をなく

した逐次近似法に、自然逐次近似法(Natural lteration Method)があります。この方法は、初

(10)

期値の選び方には鈍感で、必ず求める値に収束しますが、収束が遅いという欠点があります。

収束するまでの操り返し数が時には1万数千四に及ぶことがあります。こうなると大型計算機 に頼らざるを得なくなります。マイクロコンビューターをつかっても計算できない事はありま せんがコンパイラ型の言語を使っても数時間もかかってしまうため実用になりません。

現在はマイクロコンビューターを大型計算機のインテリジェントターミナルとして使用して います。時聞のかかる逐次計算だけを大型で計算し、他はすべてマイクロコンピューター側で 処理しています。こういった使い方をするうえで、センターレポート第

4

号に掲載されたイン テリジェントターミナル用プログラムは非常に便利で、使い易いプログラムだと思います。こ のプログラムを作製され、プログラムのコピーを快諾してくださった工学部の金丸邦康先生に この場を借りて感謝いたします。

教養部における情報処理教育について

教養部

寺 崎 康 博

今年度から装いも新たに教養部において情報処理教育を開始した。当教養部では10年以上 も前から総合科目のーっとして情報科学の名のもとに情報に関する基礎的な講義を開設し、成 果をあげてきた。今回担当講師の交代を機に、 「コンピュータによる情報処理に関する様々な 問題の考察」を中心テーマに置き、講義名も情報処理として始めることにした。内容をこのよ うにしたのにはもちろん理由がなければいけない。まずその第ーは高度情報社会と形容される 社会環境である。そして、第こにはこの科目の専任スタッフを持たない教養部としては担当講 師のカバーできる範囲が限定されるということがある。

まず、最初の理由については講義の開設主旨とも関連するので少し述べておくことにする。

新聞、テレビ、雑誌、あるいは書籍を通じて高度情報社会に関する記事を見ない日はないほど の情報洪水である。実際、その背後では生産現場や金融機関、あるいは事務所でのコンピュー タの高度な利用や、ネットワークの形成が我々の想懐以上に進んでいる。また、地域社会にと ってこのような中でどう対応したらよいのかを研究、あるいは実験を重ねている現状がある。

そのための予算も様々な形で確保されている。さらに、ワーフ.ロ、パソコンが家庭にまで普及 し始めている。どちらかというと現実の方がリードしていて我々はやや振り回され気味といえ ょう。

(11)

このような環境の中で健全な判断力を持つためにはやはりコンビュータに関する基磁的な知 識が必要になる。無知あるいは過度のブラックボックス化は、極端な蔑視か崇拝という危うい 方向に行きがちになるからである。そこで一番効果的な方法は何かとなると、月並みながら実 際にコンピュータを操作してみるという実習教育にたどり着く。しかし、我々の経験に照らし ても、この講義のために調べた他大学の方法を見ても、いきなり実習では視野が狭くなりがち であるし、拒絶反応を示す者も出てくる。コンピュータはもはや研究室や計算機室の中だけで 議論する時代ではないし、工学部の学生に限らず、他の全ての学部の学生にとってもかかわり を持つものになっている。そのため観論と実習というこ本立てで出発することにした。

理由の第二に関しては、情報関連の専任教官を持たないため私が世話役をおおせっかった。

しかし、経演統計を専門とする者にとって幅広い知識を要する甑論教育は手に余るため、講義 の企画段階から情報処理センターに全面的に応援をしていただいた。幸い、センター長の講義 も一回得ることができ、好評のうちに終わったようである。その槙拠は選択制の科目で、しか

250

名近くの多人数教育ながら出席、レポート、試験と厳しく対処したにもかかわらず、

9

割近くの者が最後まで熱心に講畿を聞いていたからである。

さて、レポートを読んでみて気の付いたいくつかを参考のため記しておきたい。各学部でも 情報処理教育が盛んに行われているが、情報交換のためにも機会を見て詳しい教育報告をする つもりであるので、とりあえず読んだ印象であることをお断りしたい。学生が興味を持って調 べた話題は多岐にわたるが、グループ分けすると1)コンピAータの将来について、

2 )

テク ノポリス等の政策について、 3)プライパシ一等の社会問題について、 4)情報自体の意味に ついて.

5 )

プログラミングについて、

6 )

ハードウェアについてとなる.もちろんこれは講 義の内容を反映しているが、主として工学部の学生には大学での学問に対して大きな動機付け の役割を果たしているようであった。また、他の学部の学生にとってもコンビュータに関連す る様々な問題の所在を知ることができ有意義であったようである。

先に実習を望も合学生もいたが、大多数は概論により幅広く問題を見ることができたと記して いる。マスコミ1から流れる情報量の割には学生はこの問題に関して具体的にはほとんど知らず、

講義によって初めて知った者が多かったように思われる。レポートを書く段になり再考して理 解が進んだと報告するものもかなりいた。概論教育の必要性を裏付けた形になっている。また、

後半の実習に期待している学生が多いことも付け加えておくことにしよう。

今回の講韓は内容の検討は早い段階から始めたが、開設に関しての広報はいっさい行わなか った。学生は数多い授業科目一覧の中からこの科目を見いだし、しかも時間帯の重なり合う他 の科目と比較検討して履修したことになる。次年度からは履修希望者が増加する可能性は高い。

教養部ではどの時間帯をとってもどこかの学部の必修科目があり、ーコマの開設では全学部の 学生に履修の機会を与えることができないのが現状である。しかし、専任スタッフを持たない

(12)

現在ではこれ以上の学生を受け入れることもまた難しい。実習教育は概論履修者の3分の2 予定しているが、これ以上の学生が殺到するとまた困ったことになる。最後に、情報処理セン ターの協力に感謝を申し上げ、また全学の関係者にご理解とご協力をお願いして締めくくりと

したい。

長崎・テレトピア構想に考える

熱帯医学研究所環境生理 小 坂 光 男

長崎大学の付属図書館および医学分館運営委員と情報処理センター運営委員を数年に亘って 併任して、意外に感じている事は、従来の図書館情報システムと新たなコンピュータ情報処理 システムの相互乗り入れに、多くの大学人が戸態い、現代の高度情報化社会の急進展に追随で きず悩んでいる姿である。大学のこんな体質を民目に、つい先日の新聞は長崎にもテレトピア 構想が実現する運びとなった事を報じている。以下をの一部を抜粋して紹介すると、郵政省が 昭和

58

年に提唱したこの構想はテレコミュニケーション(電気通信)とユートピア{理想郷) を組み合わせたもので未来型のコミュニケーションモデル都市づくりを意味するとの事。高度 情報化社会の基盤を構築するには地域高度情報通信システムが核となり昭和70年にはNTT によってこのシステムは完成されるという。長崎県は離島の数でも臼本有数。長崎、大村、福 江の三つの市、五島、壱肢、対馬の

22

町を対象に本土と離島を結ぶ情報システムの導入をこ のテレトピア構想に乗せることが認められ、今度のモデル都市の指定を受け、

10

28

日に

発足したことは喜ばしい。とζろで、テレトピアが一体何を目指しているのか? 第一は上述 の対照地域の各学校にパソコンを導入し、コンピュータに強い人材育成のほか、コンピ昌一タ 活用で教育の充実を図る「地方教育情報システム」。第二は図書館に対する要望が多様化、専 門化しているため、県中央の図書館にコンビュータを導入、図書館情報システムを確立し、対 象地域の図書館サービスの向上を図る…とある。さて、長崎大学の情報システムの現状はどう か ? 現在は、図書館情報以外に大学の教官が専門知識を平易に一般市民に講ずる開放構塵が 盛んで、

NHK

教育講鹿に似て、長崎大学でも数年前から

2 0

以上の公開講座が開催され市民 から好評を受けているのは事実である。さらに情報処理センターの先生や職員の皆さんの努力 によって、全国

7

ブロックを拠点とする大型コンピュータの相互利用によって学術図書情報の 収集は随分と様変りしてきでいる。

長崎大学が総合大学化の道を歩んだ過程での、各学部の生い立ちの違いや、本部、坂本、片

(13)

淵の三地区の地理的条件から夫々の教育図書館や研究図書館、さらにその分室に散在する学術 図書情報を一点に集約する事は、図書館の事務機構の一本化以上に難問である事は百も意知で ある。したがって、今、長崎大学の情報システム改良に要望されるものは何か? 学内の学術 図書の開放・整理、他大学との文献交換の迅速性をはかりつつ、市井に先行された今度のテレ トピア構想を見て、長崎大学の情報処理センター機能を極度に高める事が急務と考えている。

(14)

3 .  

講 演 会 か ら

機械翻訳研究の変遷と動向

九州大学大学院総合理工学研究科

iTime f]ies  like an  arrowJという英語の文章を日本語に訳すことについて考えてみます。

人がみれば、これはすぐに何の疑いもなく、 「光陰、矢の如し

J

と訳すと思いますが、これは 機棋翻訳40年の歴史を通じて最初から問題であり、今でも問題である一つの例です。

ι

1)

2)‑LD 

心すJt

a l

以子旦

葉忠?のように

l ノ ヘ 3

05 

時間ばえ

時間飛行

y

3 )   0 

Vt 

4 )   0 

Vt 

NJV~

一」

矢を好む。 ノヘ

l

矢のように はえを計れ。

矢のような はえを計れ。

矢を好むはえを計れ。

~b   : b

20

03

05 

(15)

ただ、いろいろ見解が変わってきて、これを日本語に訳すと、だいたい10通りくらいの訳が でできます。もしも非常に忠実な翻訳を主としてするなら、たくさんの訳が出てきて当然です。

しかし、もし一つだけ出してきたとしたら辞書が不備で一つしか出てこないのか、よく考えに 考えた末に、一つしか出てこないのかわかりません。機械翻訳システムを使ってみるとわかり ますが、まず fflyjを動調とみると「時は矢のように飛ぶ」という

l

番目の訳が出てきます。

flikejを動詞とみると、 fTime f1iesjを名調旬とみて fTimefl iesというものが矢を好む」

無理に訳せば「時間ばえは矢を好む

J

というふうになります。これは文法的に間違いではあり ません。

f

時間ばえ」などというものは無いということが意味の上で分れば出てきません。も う一つはrTimejを動調とみると、時聞を計るという意味がありますので、構文的には三通り 考えられます。前置調句の flikean  arrowjfTimejにかかれば、 「矢のようにはえを計 れ」となり、 ff1iesjにかかれば「矢のようなはえを計れ」という意味になります。もう一 つは関係代名詞が略されていて「矢を好むはえを計れ」となります。言われてみると文法的に 誤りはないのですが、人がこの文を見ても他のことは予想もせず、

l

番目の訳を選ぶでしょう。

これが人聞と機械の遭いで、大きな問題なめです。機械の客観性を重視するならば、

2

番目以 降の訳も可能な場合がありますから、全部出してこなければいけません。その意味で一つしか 訳が出ないのなら知識不足ということになります。しかし、機械が前後の文章を考えたり人間 らしい判断をした末に訳が一つだけ出てくるのであれば、それは人間らしい翻訳ということに なります。その辺が非常に難しいところで、知識だけが豊かになると、いわゆる教養が邪魔を

し、いくらでも可能性を探って、素直な答が出てこないということがあり得るわけです。

コンピュー夕、つまり電子計算機と称するものが出てきたのは

1946

年頃で、真空管を使 った、いわゆる第

l

世代のものが作られました。そしてこの頃かちすでに、機繊で言葉を翻訳 させようという切実な要求がありました。第2世代、第3世代と進むにつれて、計算機はハー ドウェア的にもソフトウ且ア的にも進歩し、現在では電子計算機のメモリの中に日本中の図書 館の図書の情報を全部つめ込むことも可能な時代になっています。しかし言葉を翻訳させると なるとまだできておらず、ょうやく第

5

世代のコンピュータの機能としてそういうことが要求 されるようになっています。機能として要求されるのは、問題解決の機能、学習・認知・理解 の機能、言語の解釈・理解の機能、知的対話の機能といったようなことで、このようなことが できるアーキテクチャーを考えようということが主題となっています。現在の情報関係の進展 の方向をみるとコンビュータを中心にソフトウェアの進展、ハードウエアの基本である情報素 子の進展、通信などの応用分野の進展があります。それともう一つ、人工知能に代表され、

197 0

年代頃から急速に発展してきた知識科学と呼ばれる分野があり、自然言語等の非数値 的な処理の中での人聞の記憶、判断等のメカニズムへの挑戦が行われています。

(16)

l i

i E

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川真ト集大集超

 

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5

世代に期待する機能

決認解話解・の対題習語的

お即日ter Science 

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1 ‑ +  

罰百ents

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5  0

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100

Science 

知識科学j

合 然 鶴 二 j )

2

機械語翻訳(Machine translation  : MT )の歴史をふり返ってみると、 1

0

年ごと位の節目 に特徴的な事が起っている事が分かります。 1

946

年に

MT

のアイデアが出され、それから

1  0

年の聞にいろいろな進展があり、

1955

年頃には小規模でありますがデモンストレーシ ョンが行える様になりました。この時代は小規模なシステムの為に小回りがきき、きめのこま かい事が可能でした。次の10年ではだんだん規模を大きくしていき、アメリカ、ソ連、欧州 諸国、中国や日本など全世界的に実験が行われています。この実験にはいろいろな問題を含ん でいるにもかかわらず、実験の反響が非常に大きかったために、その問題点はかき消され、ア メリカはこの研究に莫大な政府の資金を投入しました。しかしその後10年を経過しても目槙 そのものは達成されず、その資金額は

20  0  0

万ドルにも及びました。

1966

年米国科学財 団(National  Science Foundation )の組織した AutomaticLanguage Processing Advisory  Committee( ALPAC )という委員会が、当時の

MT

の研究状況と周囲の状況からみて、近い将来

MT

が有用であると予測できる展望がなく、もっと基礎的な分野の研究を強化すべきであると いう内容のALPACレポートを提出しました。以後アメリカ政府は

MT

に対する資金援助を 打切り、現在もなお政府の資金はほとんど出ていません。一応これが節目となり、この後は沈

(17)

滞気味となり、言語そのものの含んでいる基礎的な問題を研究するようになりました。以上は アメリカの例ですが、カナダやヨーロッパでは多少事情が違っています。

カナダでは公用語が英語と仏語の2ヶ国語、ヨーロッパでは3ヶ国語を公用語とするような 国もあり政府関係の書類はすべて2ヶ国語、あるいは3ヶ国語で作成しなければならず、言葉 の障壁が非常に大きいために積極的iM Tの研究を行っていたのですが、アメリカの影響を受

1  966

年頃からはいわば「再建期」に入り、人工知能 けて沈滞気味になったのは確かです。

(  A I  

)関係の仕事が進展し、またデータペースの検索を自然言語で行うことや、シソーラスの 問題など自然言語の意味を利用する研究が進んできました。言語理論の進展とともに

1970 

年頃からは言葉の意味論的なアプローチが盛んになりました。

1976

年頃からこのことがさ らに進展してきて自然言語処理が多角的に研究されるようになり、現在ではMTIこ対して「楽 観ムード」の状況下にあると言えます。そして今後が実現期と予想されるのではないかと思い ます。

ーー+

→公開実験

ALPAC

レポート

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期期

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機械翻訳研究の変遷

翻翻処処

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レレレレ

期レレレレ案語文味識提単構意知

研究内容

代代代代代年年年年年

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方式

訳翻

接間直る

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特中間ラ

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代代

一 一

第第

3

研究内容についていうと、言葉の処理の段階にほぼ対応して、

19  4  0

年代は提案期、

50 

年代は単語の翻訳のみの時期、

60

年代は構文処理の時期、

70

年代は意味のレペルまで考え る時期、

80

年代には知識レベルの処理の時期というように、進んできていると思います。

機繍翻訳の方式は、大きく分けて特定の

2

ヶ国語で直接翻訳する第

1

世代の方式と、特定の

2ヶ国語にこだわらず中間的構造を経由して間接翻訳する第2世代の方式とに分けることがで

(18)

き、さらに第

2

世代の方式も中間言語方式とトランスファ方式とに大別できます。現実にもの になりつつあるのは第

1

世代の方式で、第

2

世代の方もやがて実現化が期待されます。機械翻 訳の方式についても少し詳しく述べると、まず完全に入力から出力まで自動的にやらせる完全 自動システムがあり、それには直接翻訳と間接翻訳とがあって、前者の代表例としてSYSTRAN 後者の代表例としてカナダのモントリオール大学の TA酬と、フランスの GETAなどがありま す。また完全自動でなく人間支援型(Human ‑aided )のシステムがあり、これは人聞が機 械翻訳を助けるという意味で、会話型システムがその例です。人聞が前編集や後編集をやるこ とを前提にしたもの、さらに途中のプロセスにも関与して、人聞が介入しシステムを改善して これらの考え方は実用システムとして非常に有望で期待が持てます。

いくことも考えられます。

さらに機械支援型翻訳(Machine ‑aided translation )のシステムもあり、これは人聞が翻 ヨーロッパなどでは、情報科学といえば図書館情報学 訳するときの助けとして使うものです。

のことを指すというくらい文献情報が重視されていて、専門の翻訳者がおり、専門用語のデー タベース作成などに積極的に取りくんでいます。翻訳者が翻訳するとき、機械支援型翻訳を用 いてわからない単語やテクニカルな単語の訳を知り効率をあげており、また翻訳者自身がこの

システムを改善していくことができるようになっています。

A

T方方 N E

A G

R

T M

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ルル方

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訳訳訳構意中

翻翻翻 自直間 動接接

牢 ん

機械翻訳の方式

translat  on) 

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(Human‑a i d ed  CULT. MIND  人 間 藷 望 号 要 テ ム

4

現在、各国がどのようなことをやっているかについて少しふれておきます。

アメリカでは大学、研究所、企業の機械翻訳に対する政府機関の援助はほとんどなく、人工 知能の一部として機械翻訳の問題を取り扱うところが多いようです。機械翻訳のデモンストレ ーションを最初に行った Georgetown大学のシステムに改良を重ねて作った Systranを使って Stanford、Yale、

いるところが多くありますが、独自の方法を考えている研究機関としては、

Pennsylvaniaの各大学 IBM等があります。米空軍では Systranを使用し、アポロ・ソユーズ計画の聞はこのシス

M I T

、 111 inois、 Harvard、

NewYork、 Carnegie Melom

Texas、

(19)

テムの前身のものを使用していました。 Systranというシステムは現在 Systran社という会 社が提供しているもので、その他 Weidner社のものはこれとは別なシステムで BrighamYoung  大学等で利用されています。

アメリカ以外の国では政府が力を入れていて、カナダではその援助資金で Montreal大学が TAUMというシステムを開発中で、この中で TAUMMETEOというシステムは天気予報の翻訳を 実用化しています。私共も気象情報を翻訳するシステムを持っていますが、天気予報や気象通 報の文章はあいまいな表現をしないよう厳選されているため、取り扱いが簡単なわけです。そ の他に Mitel社や、 GMCanadaでは Weidnerシステムを使っています。西独では連邦政府言語 局が力を入れており、機械支援型の翻訳システムは古くからあります。さらにもう一つ、ルク センプルグに本部がある欧州共同体では、 EC各国語聞の翻訳をすることを全体的に考えてい ます。 EURONETという国際間のネットワークが通じて、学術情報の交換なども行っているので、

すが、言葉の障壁が一番の難関です。従って翻訳ということを最重点に掲げて EUROTRAとい うシステムを作る研究計画が進められ、 EC各国がこの仕事を分担して行っています。このよ うなことからヨーロッパは切迫感があるのですが、それにひきかえ、かつての日本では、暇仕 事のような感じがしないでもありませんでした。しかし、最近の日本は国際化の披にのり、

「とにかく日本語は外国語に訳さなければ外国がら知られない。」とか「こういう情報戦争の 時代には、何とか大量の翻訳を行わないといけない。」などという社会的、国際的ニーズにた って、非常に積極的になってきています。それからもう一つ付け加えたいのは、 CULTという システムのことです。これは中国(とはいっても香港ですが)のシステムで、中国の数学の雑 誌を英語に訳して出版し、現在実用化されています。注目すべきことは、お国がらの事情が出 ていることです。日本の場合だと省力化は一つの大きな目標に掲げられるのですが、中国では 人的資源が豊富で、翻訳の途中で少しでもひっかかるとすぐ人が訳すというふうに人が介入で きるので、非常に立派なものができます。これは人間支援型翻訳の中で数少ない実用化システ ムの一つであるといえます。

次に我国の現状ですが、政府機関を中心とした代表的なものとしては科学技術庁の JICST があります。 JICST、京都大学、電総研、工業技術院筑波センターの共同で、科学技術情報セ ンターが出している科学技術文献の抄録の日英翻訳システムが作られています。この方式は意 味の問題を追求せず、構文処理の徹底で成功している例です。その他企業等にはいろいろなシ ステムがあって、日英、英日が試行的に作られています。大学では京都大学、九州大学、その 他があります。その他市販の自動翻訳システムが幾つかあり、機械支援型翻訳で出力は後編集 することを前提にし、一応小規模のものとして

16

ピットパソコンで出来るレベルの物が売り 出されています。また、直接翻訳型の自動システムも開発されています。いずれも恥idner Systranなどの日本語への応用と見てよいと思います。

図 12 はその基本的なもので、横軸は時間軸または空間軸です。 Xの作用でYが時間的に変 わらない、また時間的に動いたということを表わしていて、こういう要素を原子概念としてこ れを組合わせるといろんな単語のイメージを記述できます。例えば図 13 の (a) は C a r r y 「運ぶ」のイメージです。 A 6  A e  p  T  T  t 2  ( a )  c a r r y  ( b )  h a n d / r e c e   v e   A g  A b l  q‑‑ ー 寸 q トーーーー
表 3 コマンド一覧(続く) 運用制御コマンド 組 頬 ヨ守シド名 民 明 種 煩 ヨマンド名 観 明 処埋全体に関するハヲメタや条件や OPENDB  PLANNER データベースをオープ 制 SET  環境などの股定や変更走行うヨマ Y ンするヨマンド 3旬 ド PLANNER デ ー タ ベ ー ス を " ー コ CLOSEDB  ーす END  金処理の終了を僧示するヨマンド ズするヨマンド ン データパンタやマタロヲイプ,リな PLANNER データベースからテー ド CHOFlLE 
表 1 基本ライブラリー覧表 f 絞き) ライブラリ名 入口点名 1 f t  能 僚 要 (ロード骨ジ s ール名) (呼出し名) QEOR  QEOR  パイト単位に排地的論照和をとる QERROR  QERROH  QERR01  QERROl 
表 3 サ ー ビ ス ラ イ ブ ラ リ ー 覧 ライブラリ名 │  入口点名
+2

参照

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