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SYSTEMS BIOLOGICAL APPROACHES FOR UNDERSTANDING SPORULATION MECHANISM OF BACILLUS SUBTILIS

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Academic year: 2021

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主 論 文 要 旨

報告番号 甲 乙 第 号 氏 名 諸橋 峰雄

主 論 文 題 目:

SYSTEMS BIOLOGICAL APPROACHES FOR UNDERSTANDING SPORULATION MECHANISM OF BACILLUS SUBTILIS

(枯草菌の胞子形成期における双安定性メカニズムとメタボローム解析)

(内容の要旨)

近年、生物学の分野において「システム生物学」という情報科学と生命科学の複合領域が注目されている。システム生物 学の方法論は、2 つのアプローチに大別できる。ゲノムなどの「オーム」データを利用するアプローチと、現象の一側面 を抽象化し、その本質を抽出、理解しようとするアプローチである。これらのアプローチは、生命を理解するための相補 的な手段といえる。しかしこれら 2 つのアプローチを縦横に用いた研究はいまだ十分には行われていない。そこで本論で は「枯草菌の胞子形成期」を対象として、双方のアプローチからの解析を行った。

第一章では、システム生物学を概観し、特にコンピュータ解析という視点でこれまで行われてきた研究や課題についてま とめた。具体的には解析基盤の研究開発の現状や理論解析の発展について述べるとともに、本論の立脚点について詳述し た。

第二章では、モデリング、シミュレーションをする上で重要なソフトウェア基盤 CellDesigner の設計と開発について説 明した。モデルを構築する際、従来は 1)ネットワーク表現の定義が曖昧、2)ネットワーク描画と、数式モデルが同一で ない、3)解析ツールごとにモデル形式が異なる、といった問題があった。これらの問題を解決するために、遺伝子・代 謝ネットワークエディタ CellDesigner の設計、開発を行った。モデル記述言語 SBML (Systems Biology Markup Language) を利用することで各種ツールとの連携もできる。ここで開発した CellDesigner は、第四章においてメタボロ− ム解析実 験に応用した。

第三章では、細胞内でのシグナル伝達系やリン酸化過程についてシミュレーション解析を行う際に、そのモデル妥当性の 評価をする判断指標を提案した。アフリカツメガエルの細胞周期を対象とし、2 つの異なる生化学ネットワークモデルを 比較・検討した。その結果、知見の蓄積に伴って詳細なモデルを改善、構築していく際、頑強性(robustness)がその妥 当性を評価する一つの指標になることを示した。本方法論は、第五章における枯草菌の胞子形成期におけるモデル改善に 応用できることを示した。

第四章では、メタボローム解析をする上で必須の新規解析手法の提案、開発について述べた。これまでゲノム、トランス クリプトームなどの解析は多く行われているものの、表現型を理解するうえではメタボローム(代謝物質の総称)が最適 である。そこで、メタボローム解析に焦点を絞り、キャピラリー電気泳動・質量分析装置を用いたメタボローム解析技術 を利用して、解析を進めていくために必要な手法 P-BOSS を開発した。マススペクトルから物質に該当する候補ピークを 抽出した後に、そのデータに対してフィルタリング処理を行う手法である。抽出効率を検証した結果、全ピークの 65%を P-BOSS で削除できることを確認し、有意ピークのスクリーニング精度が高いことを示した。

第五章では、前章までの結果を利用して、枯草菌の胞子形成期のメカニズムについて解析を行った。胞子形 成に重要な転写因子 Spo0A を中心とした正と負のフィードバックを持つネットワークをモデル化し、シミュ レーション解析を行った。この結果、負のフィードバックがシステムの振る舞いを主に支配していることが 分かり、実験でも検証した。また、胞子形成期についてメタボローム解析を行った結果、胞子形成のステー ジごとに明確に代謝レベルで変動があることが分かった。今までの知見を検証した他、新たな発見として、

ヌクレオチド類について ATP レベルの変動に大きな違いがあることが分かった。

第六章では、本論の結果をまとめ、貢献した成果、および今後の課題について言及した。

参照

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