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Vol.30 , No.2(1982)106榎本 文雄「雑阿含1299経と1329経をめぐって」

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(1)

雑 阿 含1299経

と1329経

を め ぐっ て

Gandhari Dharmapada 343-344とTurfan出 土 梵 文

写 本No. 50の 同 定 とMahabharata 13. 132の 成 立

榎 本 文 雄

§1雑 阿 含1299とGanhri Dkarmapada 343-344, Mahhrata 13. 132 雑 阿 含1299経1)は, パ ー り三 蔵 に 対 応 す る 経 典 を 見 出 し え な い が, 韻 文 で 十 善 業 を説 く経 と して, ま た チ ベ ッ ト大 蔵 経 中 に 対 応 経2)が 含 ま れ る も の と し て 重 要 な 経 で あ る。 こ こ で は, こ の 経 とGandhari Dharmapada(=G. Dhp)343-344と Mahabharata(=MBh)13. 132が 互 い に共 通 す る 原 伝 承 に 基 い て 成 立 し, そ の 中 で 雑 阿 含1299が 最 も原 伝 承 に 近 い も の で あ る こ と を 論 述 し て み た い。 J. Brough教 授 校 訂 のG. Dhpの 写 本 に は, G. Dhp自 身 に は 属 さ な い 二 偶 が 含 まれ て い る。 同 教 授 に よ る と, そ れ ら はG. Dhpの 本 文 と は 異 な つ た 書 き手 に よ っ て 後 代 付 加 さ れ た も の で あ る と い う3)。 そ の 二 偶 の 内, 後 者(344)へ の パ ラ レ ル と し て 同 教 授 はSuttanipata(=Sn)3244)を 掲 げ て お ら れ る が, pada cdは 一 致 し な い。 む し ろ, 雑 阿 含1299の 方 が は る か に よ く一 致 し, し か も 二 偶 全 体 に 対 応 す る。 ま ず, そ の 二 偶 と雑 阿 含1299の 前 半 部 分 を 以 下 に 掲 げ て み よ う。

adikradaya ratri/

devada uvasagrami/

vaditva muninu pada/

imi prasana pradiprocha//

kisila kesamacara/

keguna kena karmana/

kehi darmehi sabana/

ke jana spargagamiyu// (343-344)

夜 が更 け る頃, あ る天 神 が近 づ き沈 黙 の聖 者(世 尊)の 両足 を拝 ん で 次 の こ とを尋 ね た。 「ど ん な生 活 習 慣 で, ど ん な正 しい 行 為 を し, ど ん な徳 を もち, ど ん な性 質 を 備 え た ど の よ うな人 々 が, ど ん な業 に よ って 天界 に 行 くの か。」 如 是 我 聞。 一 時 仏 在 舎 衛 国舐 樹 給 孤 独 園。 時 彼 天 子容 色 絶妙。 於 後 夜 時 来 詣 仏 所。 稽 首 仏 足 退 坐 一 面。 其 身 光 明遍 照 祇 樹 給 孤 独 園。 時 彼 天 子説 偶 問仏 何 戒 何 威 儀 何 得 何 為 業 恵 者 云 何 住 云 何 往 生 天(大 正2. 357b) こ の 内, 散 文 部 分 は, Sayuttanikaya(=SN)のDevatasarpyuttaに 対 応 す る 雑 阿 含 の 各 経 の 序 文 に 相 当 し, 天 神(天 子)が 世 尊 と対 論 す べ く=登場 す る 次 第 を 描

(2)

く も の で あ る。SNのDevatasalpyutta, そ れ に 相 当 す る 雑 阿 含, 別 訳 雑 阿 含 の い ず れ に お』い て も こ の 部 分 は 常 に 散 文 で 叙 述 さ れ て い る。Devatasalpyuttaを 含 む SNのSagathavaggaで は, こ の よ う に, 語 ら れ た 内 容 以 外 の 部 分 が 韻 文 で 記 さ れ る こ と が ま れ に あ る が, そ れ ら は, 対 応 漢 訳 阿 含 で は 散 文 で あ っ た り5), 注 釈 者 が 後 の 付 加 で あ る と 述 べ て い た り6)し て, 二 次 的 な 改 作 で あ る 場 合 が ほ と ん ど で あ る。G. Dhp 343は, こ の 種 の, 雑 阿 含 で は 散 文 で 描 か れ る 部 分 に 相 当 す る。 次 に, G. Dhp 344は, 雑 阿 含 の 天 神 の 質 問 と 一 致 す る。pada bcが 若 干 異 な る か に 見 え る が, 対 応 す る 別 訳 雑 阿 含(=別 雑)で は 「有 何 功 徳 力……具 足 何 等 法7)」 と あ り, さ ら に, 雑 阿 含1161に 含 ま れ る 平 行 偶 で は 「云 何 為 功 徳……成 就 何 等 法8)」 と あ る。 ゆ え に, 雑 阿 含1299の 「何 得……恵 者 云 何 住 」 は 伝 承 が 乱 れ た た め で あ り9), 本 来 はG. Dhp 344と 全 同 で あ っ た と考 え ら れ る。 と こ ろ が, G. Dhpで は, こ れ に 続 く偶 が な く, 答 え の 部 分 が 記 さ れ て い な い。 一 方, 雑 阿 含 で は, 後 述 の 如 く世 尊 に よ る答 え の 部 分 が こ れ に 続 く。 質 問 の 部 分 の み のG. Dhpは い か に も不 自 然 で あ る。 以 上 の 諸 点 を 総 合 す る と, G. Dhp 343-344は, 雑 阿 含1299の 如 き単 経 の 序 文 を 韻 文 に 改 め, さ ら に 質 問 の 部 分 の み を 抽 出 し た も の と 推 定 さ れ る。 な お, G. Dhpは, 法 蔵 部 所 伝 の 可 能 性 が 濃 く10), 典 拠 で あ っ た 単 経 も, 根 本 説 一 切 有 部 所 伝 の 雑 阿 含11)に 相 当 す る 法 蔵 部 の 単 経 で あ っ た 可 能 性 が 強 い。 次 にMBhの パ ラ レ ル に 目 を 移 し て み よ う。MBhは, ジ ャ ィ ナ 経 典 に 劣 ら ず, 仏 典 と の パ ラ レル を 多 く示 す 文 献 で あ る が12), 本 稿 で 取 り上 げ る の はMBh 13. 132で あ る。 こ の 章 は, い わ ゆ るUmamahevarasarpvada(シ ヴ ァ とそ の妃 ウマ ー の対 話)の 一 章 で あ る が, 直 前 の 第131章 で は, 婆 羅 門 な ど の 四 姓 は 生 ま れ に よ る の で は な く行 為 の 如 何 に よ る13)と い う仏 典 や ジ ャ イ ナ 経 典 と共 通 す る思 想 が 説 か れ て い る。 こ の よ うな 章 の 直 後 に 位 置 す る第132章 で は, 天 界 や 地 獄 へ 人 を 導 く業(karman)が こ と細 か く述 べ ら れ て い る。 そ れ は, ウ マ ー の 問 い か ら始 ま る。

kena silena va deva

karmana kidrsena va/

samacarair gunair vakyaih

svargam yantiha manavah//

(3)

神 よ, どん な 生 活 習 慣 に よ って, ま た どん な 業 に よ って, (ど ん な)正 しい 行為 ・徳 ・言 葉 に よ っ て こ の世 の人 々 は天 に行 くのかo さ さ い な 語 順 の 異 同 な ど を 除 け ば, こ の 偶 はG. Dhp 34414)や 雑 阿 含1299の 天 神 の 問 い と共 通 す る。 こ の ウ マ ー の 質 問 に 対 し て シ ヴ ァ は 身 口 意 の 三 業 に 分 け て 生 天 の 道 を 示 す。

(3)

-962-殺 生 を つ つ し み(prapatipatad virata), (正 しい)生 活 習慣 を もち(ilavat), 同情 心 を備 え, 敵 も友 も平 等 に扱 い, 自制 あ る人 々 は業 の束 縛 か ら解 き放 た れ て い る。(8)

あ らゆ る生 物 に対 して 同情 を もち, あ らゆ る生 物 に 信 頼 され, 害 す る こ と(hsa)を す' て, 正 し く振 舞 う人 々 は天 に 行 く(te narah svargagamina。(9)決 し て他 人 の財 産 を所 有 し よ うとせ ず, 他 人 の妻 を さ け, 正 し く得 られ た もの を享 受 す る人 々 は天 に行 く。(10)常 に他 人 の妻(paradara)に 対 し て母 ・妹 ・娘 の よ うにふ る ま う人 々 は天 に 行 く。(11)決 して盗 み をせ ず(stainyan nivrtta), 自 己 の財 産 で 満 足 し, 分 に 安 ん じて 生活 す る人 々 は天 に 行 く。(12) 自己 の妻 を 愛 し(svadaranirata), (適当 な 時 に 交 わ り, 交 わ りを 享楽 しな い 人 々 は天 に 行 く。(13)他 人 の妻 に対 して, 常 に正 しい 行 為 を も って 目を お お い, 感 官 を制 御 し, 正 しい 生 活 習 慣 に 専 心す る 人 々 は天 に 行 く。(14) 自分 の 為(atmahetu)で あ ろ うと, 他 人 の 為(parartha)で あ ろ うと, 戯 れ や笑 い に よ って で あ ろ う と, この 世 で うそ を つ か ない(na vadanti)人 々 は 天 に 行 く。(18) 生 活 の 為 で あ ろ う と, 道 徳 の 為 で あ ろ う と, 欲 望 の 為 で あ ろ うと, うそ をつ か な い 人 々 は 天 に 行 く。(19)柔 らか(slakspa)で, 傷 つ け る こ と な く, 甘 く, 罪 の な い 言 葉 を 歓 迎 の 心 で 語 る人 々は 天 に 行 く。(20)辛 辣 で, 荒 々 し く(parua), 冷 酷 な 言 葉 を 語 らず, 中傷 を楽 し み に し ない 正 しい 人 々 は天 に 行 く。(21)友 達 同士 を 仲 違 い さ せ る (mitrabhedakara)中 傷(piuna)を せ ず, 真 実 の, 慈 し み の あ る こ とを語 る 人 々 は 天 に行 く。(22)常 に, 他 人 を傷 つ け る, と げ の あ る言 葉 を さ け, あ らゆ る生 物 を平 等 に 扱 い, 自制 あ る人 々 は天 に行 く。(23)偽 りを 語 る(pralapa)こ とを つ つ し み, 人 に 逆 ら う こ とを さ け, 常 に快 い こ とを語 る人 々 は天 に 行 く。(24)怒 りの為 で あ ろ うと人 の心 を裂 くよ うな言 葉 を発 せ ず, た とえ怒 って も快 い こ とを語 る人 々 は天 に行 く。(25) 無 人 の荒 野(arapya)に 落 ちて い る他 人 の 財 産(parasva)を 見 て も, 心 で す ら(そ れ を)欲 し ない 人 々 は天 に行 く。(30)村(grama)で あ ろ うと, 家 の 中で あ ろ う と, 人 の い な い所 に あ る他 人 の物 を決 して 望 ま な い 人 々 は天 に 行 く。(31)ま た, ひ とけ の な い所 に い る放 縦 な他 人 の妻 に 対 して 心 で す ら犯 さな い 人 々 は 天 に 行 く。(32)敵 で も友 で も会 え ば 常 に 平 等 の 心 で遇 す る人 々は 天 に 行 く。(33)学 識 が あ り, 同情 心 が あ り, 清 浄 で, 約束 を 守 り, 自己 の財 産 で 満 足 す る人 々は 天 に 行 く。(34)恨 み を もたず, 苛 立 つ こ とな く, 常 に 慈 しみ の 心(maitracitta)を 専 ら もち, あ らゆ る生 物(sarvabhta) に 同 情 心 を もつ 人'々は天 に 行 く。(35)信 心(raddha)が あ り, 同情 心 が あ り, 誠 実 で, 誠 実 な 人 を 好 み, 常 に 善 悪 を 知 る人 々は 天 に 行 く。(36)善 悪 の 業 の 結 果(karma pa Phala)が 積 み重 な っ た報 い(vipaka)を 知 る人 々 は天 に 行 く, 妃 よ。(37) 一 方, 雑 阿 含1299で は, 先 の 天 神 の 質 問 に 対 して 世 尊 は 以 下 の 十 善 業 を 説 く。 不 殺 生, 不 楡 盗, 不 邪 婬, 不 妄 語, 不 両 舌, 不 悪 口, 不 綺 語, 不 食 欲, 不 瞑 志, 正 見 の 十 種 の 善 行 で あ る。

(4)

遠 離 於 殺 生 持 戒 自防 楽 害 心 不 加 生 是 則 生 夫 路 遠 離 不 与 取 与 取 心 欣 楽 断 除 賊 盗 心 是 則 生天 路 不 行 他 所 受 遠 離 於 邪 婬 自受 知 止足 是 則 生 天路 自為 己及 他 為 財 及 戯 笑 妄 語 而 不 為 是則 生天 路 断 除 於 両舌 不 離 他 親 友 常 念 和 彼 此 是 則 生天 路 遠離 不 愛 言 軟 語 不 傷 人 常 説 淳 美 言 是 則 生天 路 不 為 不 誠 説 無 義 不 饒溢 常 順 於 法 言'是 則 生 天 路 聚 落 若 空 地 見 利 言 我 有 不 行 此 食 想 是 則 生 天 路 慈 心 無 害 想 不 害 於 衆 生 心 常 無 怨 結 是 則 生 天 路 苦 業 及 果 報 二 倶 生 浄 信 受 持 於 正 見 是 則 生 天 路 如 是 諸 善 法 十 種15)浄業 跡 等 受堅 固持 是則 生 天 路(大 正2. 357bc) MBhと 雑 阿 含 を 比 較 して み る と, 雑 阿 含 の 十 種 の 善 行 は す べ てMBhに 収 め られ て い る こ と が わ か る。MBhの8, 9は 不 殺 生, 10の 一 部 と12は 不 倫 盗, 10 の 一 部 と11, 13, 14は 不 邪 淫, 18, 19は 不 妄 語, 21の 一 部 と22は 不 両 舌, 21の 一 部 と20, 23, 25は 不 悪 口, 24は 不 綺 語, 30, 31, 32は 不 貧 欲, 33, 35は 不 瞑 志, 36, 37は 正 見 と 以 上 の 如 く対 応 す る か ら で あ る。 しか も, MBhの 同 じ 第13篇 に は, 仏 教 と 同 様 の 十 業 道(daa karmapatha)を 明 言 し て い る 箇 所 も あ る16)。 さ ら に, MBhの 訳 文 にSkt. の 原 語 を 補 っ た 箇 所 な ど で は, MBhと 雑i阿含 が 共 通 な 原 語 を 用 い て い た こ と が 知 れ る。 こ の 点 は, 雑 阿 含1299に 相 当 す る チ ベ ッ ト 訳Alpadevatastraを 見 れ ば 一 層 明 確 に な る。 ま た, MBhの9以 後pada dは 同 一 句 が 繰 り返 さ れ る が, こ れ も雑 阿 含 と 共 通 す る。Alpadevatastraで は, skye bo de dag mtho risgro17)と あ る ゆ えMBhと ほ ぼ 同 一 の 原 語 だ っ た で あ ろ う。

以 上 の 諸 事 実 を 総 合 す る と, MBh 13, 132と 雑 阿 含1299は 両 者 に 共 通 す る 単 独 の 原 伝 承 に 基 い て 成 立 して い る と 言 え る。 た だ, MBhの 方 が 雑 阿 含 よ り 増 広 さ れ て い る 点 や, 婆 羅 門 教 に お け る 生 天 の 要 因, 祭 祀(yaj且a)が 言 及 さ れ ず, 布 施(dana)や 苦 行(tapas)も 強 調 さ れ て い な い18)点 は, そ の 原 伝 承 が 婆 羅 門 教 的 な 色 彩 が うす く, 雑 阿 含 に よ り近 か っ た こ と を 示 唆 す る も の で あ ろ う。 と も か く, こ れ ま で 言 わ れ て き た よ う な 単 な る徳 目 の 類 似19)の み な らず, 十 薔 を テ ー マ に し た 共 通 の 伝 承 す ら仏 典 とMBhと に 存 在 す る こ と は, 仏 教 と婆 羅 門 教 の 十 善 ・十 悪 の 関 係 を 考 察 す る上 に 貴 重 な 資 料 と な る で あ ろ うが, そ れ は 別 の 機 会 に 譲 る。 §2 雑 阿 含1329とTurfan出 土 梵 文 写 本No. 50 雑 阿 含1329経20)はSnのHemavatasuttaに 相 当 し, こ こ に は §1で 触 れ た 十

(5)

-960-善 業 の 原 型 の 如 き も の21)と 考 え ら れ て い る も の も 含 ま れ て い る。乏 こ ろ が, 最 近 刊 行 さ れ たTurfan出 土 の 梵 文 写 本 目 録 のNo. 5022)に 雑 阿 含132gに 相 当 す る 梵 文 の 断 片 が 含 ま れ て い る こ と に 気 が っ い た。 同 目録 の 作 成 者 は, こ の 点 に 気 づ か ず そ の 一 部 にparayaastraと い う標 題 を 与 え, 他 の 部 分 は 同 定 す ら行 な つ て い な い の で, こ こ に 訂 正, 並 び に 復 元 ・同 定 を 試 み た い。 ま ず, 誤 ま つ てparaya-pastraと 比 定 さ れ た 断 片 と雑 阿 含1329の 対 応 部 を 掲 示 し て み る。 な お, 丸 カ ッ コ の 部 分 は 目録 作 成 者 の 補 足 で あ り, 注 記 も 目録 作 成 者 の も. の で あ る。

U U (kama)guna

loke

manahsasth(a)

U-

U U

U U U U prahayeha

sarvvaduhkhat(1) pramucyat(e)

(23)

eta(2) duhkh(a)sy(a)

ni(r)yyanam

eva duhkhad(3) vimucya(te)

nirmoksam eka(4) tad acakse

yatraitad uparudhyate

24

(nirvva)rttate

kutra sarah

kutra vatma(5) na varttati

kutra d(uhkham

etat) sarvvam

asesam uparudhyate

25

caksu srotram to - U U

U U (ka)yas

tatha manah

namarupam

tatha sarvvam.

r U U U

U-

U. m 26

vi jnanasya nir (o) dhena

tat sarvvam up (ar) u(ddhyate)

(ni)rvvarttate

tatra saras

tatra vartma na varttate

tatra duhkh(am eta)d arvvam(6)

asesam uparudhyate

27

kuto laukah(D sa mutpann(a

k)urute samstavam kuha

kin ca lokam upadaya

kutra loko (v)ihanyate

28

sad (bh) i lokas(a) m(u) tpannah

kurute sattsu samstavam(

1) read -duhkhat (2)

for etad ? (3)

read evar

duhkad (4)

for ekam ? (5) read

varima (6)

read sarvvam (6)

read lokah

世五欲功徳 及説第六 意 於彼欲貧 無 解脱一 切苦

如是従苦 出 如是解脱苦 今答汝所 問 苦従此而 滅

泉従何転;還 悪道何不転 世 間諸苦楽 於何而 滅尽

眼耳鼻舌身 及以意:入

処 於彼 名及色 永 滅尽無余

於彼泉転還 於彼道不転 於彼苦及楽 得 無余 滅尽

世間幾法起 幾法世和合 幾法 取受 世 幾 法令世 滅

六法起世 間 六法世和合(大 正2, 366c)

次 に, 未 同定 の小 断 片 の一 部 も同 じ経 に相 当 す る こ とを 示 そ う。上 掲 目録 のP.

239に

はh, i, jと い う記 号 を付 され た 小 断 片 が載 せ られ て い るが, 順 序 や表 裏

が乱 れ て い る。本 来 の位 置 に復 元 し, 目録 作 成 者 以 上 の補 足 を行 な うFど

以下 の よ

(6)

う に な る。 対 応 す る雑 阿 含 と比 較 さ れ た い。

U U U U U U U U

vraji.

U U

(duh) khaprahanaya

UUU

U U-U

h

2

du(hkham

d)u(hkha)samutpadam

duhkha(sya samatikramam)

U pyD n(1)D

ca(st)angikam

marg(gam)

d(u)hkhopasama(gaminam)

(3)

U UUU

U U U U

(sa)rvvabhuta-tay(i)nah

kaccid istas ta(thanistah

samkalpa-

U va)sam gata-.

(mana)h pranihitam

ta(sya)

U U U U U. yibha.(2)

U U U stas tathanistah

sam(kalpa-Uvasam

gata-)

(1) read aryan (2)

read tayinah

今 日仏 世 尊 在 摩 蜴 勝 国 住 於 王 舎 城 迦 蘭 陀 竹 園 演 説 微 妙 法 滅 除 衆 生 苦 苦 苦 及 苦 集 苦 滅 尽 作 証 八 聖 出苦 道 安 隠趣 浬 繋 当往 設 供 養 我 羅 漢 世 尊 彼 有 心 願 楽 慈 済 衆 生 不 彼 於 受 不 受 心 想 平 等不 彼 妙 願 慈 心 度 一 切 衆 生 於 諸 受 不 受 心 想 常 平 等(大 正2. 365c-366a) こ こ で 注 目 す べ き は 第3偶 で あ る。 こ の 偶 はUdanavarga(=Uv)27・34な ど と 共 通 し, そ のpada dは, 中 央 ア ジ ア 有 部 伝 のUvで は 古 い 伝 承 が 保 持 さ れ て い る が, 根 本 有 部 系 のUvな ど で は 改 め ら れ て い る。 前 者 で は 上 掲 の 断 片 通 りで あ る が, 後 者 で はkema(m)nirvapagaminarpと な り雑 阿 含 と 一 致 して い る。 ま た, 先 に 掲 げ た 断 片 の(第26, 27偶 に は, 雑 阿 含 に な い 識 の 消 滅 に 関 す る句 が 挿 入 さ れ て い る。 こ れ は, 目 録 作 成 者 も注 記 して い る よ う に, Sn 1036-1037に あ た る 自 派 の 偶 か ら 抽 出 さ れ た も の で あ ろ う。 そ の 理 由 は, 断 片 の 第25偶 に お い て も, Sn 1034-1035に お い て も 「泉 」 や 「流 れ 」 を せ き 止 め る と い う類 似 の 思 想 が 述 べ ら れ て い た た め と考 え られ る。 以 上, 中 央 ア ジ ア 有 部 と 根 本 有 部 の 伝 承 の 違 い を 反 映 して か, 若 干 の 異 伺 は 伴 う に せ よ, 以 上 の 二 断 片 が 雑 阿 含1329に 相 当 す る こ と は 明 ら か に 出 来 た と 思 う。 1)別 雑297(大 正2. 475c∼)に 対 応 す る。

2)北 京No. 996(§u 267a6∼), 東 北No. 330(Sa 258b7∼)のAlpadevatastra。 3)G. Dhp P. 281。Brough教 授 は触 れ てお られ な い が, G. Dhpの 本 文 に は な いdap4a

が こ の二 偶 に限 っ て付 い てい る こ と も そ の証拠 と な る。

4)

kimsilo kimsamacaro

kani kammani bruhayam/

naro sammanivitth'

assa uttamatthan

ca papun. e//

5)

SN 11.

cc 100

6) SN'4. 3. 5の23や3N 4. 3. 3. の22。

(7)

-958-7) 大 正2. 475c。 8)大 正2. 309c。

9)チ ベ ッ ト訳Alpadevatastraで は, yon tan gah lagsgnas pa ji ltar es rab

gah(北 京Su 267a8)と あ り, 後 半 部 は 雑 阿 含1299と 共 通 の 乱 れ を 示 す。 10) Cf. G. Dhp P. 54。

11) 拙 稿 「Udanavarga諸 本 と雑 阿 含 経, 別 訳 雑 阿 含 経, 中 阿 含 経 の 部 派 帰 属 」(『 印 度 学 仏 教 学 研 究 』28-2, p. 931 f)参 照。

12)本 文 で 取 り上 げ た 雑 阿 含1299の 直 前 の1298もMBh 3. 297. 40-41と 共 通 の 原 伝 承 に 基 づ く。 さ ら に, 雑 阿 含1299に 対 応 す る チ ベ ッ ト訳Alpadevatasotraの 直 前 に 位 置 す るF. Devatastra(北 京No. 995)の5u 266b 2∼はMBh 12. 288. 39-40と 共 通 す る。 こ の 二 偶 は, 大 正15. 124cやSn 1032-1033に も対 応 す る。 ま た, SNのSaga-thavagga関 係 で 未 指 摘 の も の と し て, SN 8. 5とMBh 5. 36. 12, 12288. 38と の 対 応 等 を 挙 げ る こ と が で き る。 以 上 の 対 応 に つ い て は 別 に 改 め て 論 ず る つ も り で あ る。 13) MBh 13. 131. 49。 14) G. Dhp 344とMBh 13. 132. 3の 対 応 はBrough教 授 の 指 摘。 15) 大 正 蔵 経 は 「稻 」 と あ る が, 高(麗 本 や 宋 版 に は 「種 」 と あ る。 大 正 蔵 経 は 誤 植 で あ ろ う。 16)MBh 13. 13. 注(19)四参 照。

17) 北 京Su 267わ2。Cf. Dharmasamuccaya(ed. Lin Li-koung)32. 92d:te jan svargagamina』skye b de ni mtho ris, gro.

18) 第16偶 に 一 度 だ け 言 及 さ れ る。

19)池 田 澄 達 「十 戒 に つ い て 」(『 仏 教 研 究 』3-2, p. 95 ff.)を 始 め 処 々 の 論 文 で 言 及 さ れ て い る。

20)別 雑328(大 正2. 483c∼)に 対 応 す るb 21) 平 川 彰 『原 始 仏 教 の 研 究 』p. 155f.。

22)

Verzeichnis der orientalischen Handschriften

in Deutschland Bd. 10, IV

Sanskri-thandschriften aus den Turfanfunden

Teil IV, by L. Sander and E. Waldschmidt,

Wiesbaden 1980, p. 236 ff.

(補 注)最 近DevatastraとAlpadevatasotra(断 片 の み)の 梵 文 が 公 表 さ れ, 本 稿 に 関 す る 部 分 も 若 干 含 ま れ て い る。A. Mette; Zwei kleine Fragmente aus Gillgit, Stll 7, P. 139ff., 松 村 恒 「DevatasotraとAlpadevatastra」(『 印 仏 研 』30に 所 収 の 予 定) (京 都 大 学 研 修 員)

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