人工海浜「いなげの浜」で望まれるイベントに関する意識調査
千葉工業大学 生命環境科学専攻 学生員 ○安東 大地 千葉工業大学 生命環境科学科 学生員 社田 裕美 千葉工業大学 生命環境科学科 フェロー 矢内 栄二
1.はじめに
いなげの浜は,東京湾奥部に位置するレクレーシ ョン目的とした国内初の人工海浜である.この浜は,
海岸ゴミ処理費の増加などさまざまな問題を抱えて いる.特に利用者の減少は著しく早急な利用者増加 対策が求められている.そこで本研究では,利用者 がどのようなイベントを望んでいるかを調査し,利 用者への意識調査をもとに利用者増加対策を検討し た.
2.調査概要
利用者が望むイベントを調査するために,海岸利 用者を対象にアンケート調査を行った.調査海浜は,
図−1 に示す千葉県千葉市に位置するいなげの浜で ある.調査期間は2007年4月〜2008年3月までの1 年間とし,利用者の多い午前11時〜午後2時に実施 した.調査日の対象者数,天候および気温は表−1 に示したとおりである.対象者内訳を表−2に示す.
アンケート内容は,利用目的,利用頻度,海岸ゴミ に対する評価と関心度,いなげの浜の印象,将来的 にいなげの浜をどうしたいか,将来的に実施したい イベントなど20項目とした.実施したいイベントに ついては,他の海岸等で実施されているイベントか ら図−2に示す8つを選び,利用者に8つの中から実 施したいイベント(複数回答可)を選んでもらった.
3.結果と考察
3.1 望まれるイベント
図−3は,利用者が望むイベントについて示したも のである.どのイベントも季節に関係なくほぼ一定 の支持を集めており,年間を通して「ビーチバレー」
と「宝探し」の人気が高く,「うっぷんを叫ぼう大会」
の人気は低いことが分かる.
図−4 は各年代における利用者が望むイベントに ついて示したものである.10〜20代の「ビーチバレ ー」を,30代は「BAY-FM」,50代は「漂着物展」, また,30代以上は「綱引き」を望む傾向にあること
表−1 調査日の回答者数,天候および気温 図−1 いなげの浜
イベント アンケート 人工海浜 利用者増加
〒275-8588 千葉県習志野市津田沼2-17-1 千葉工業大学 大学院 生命環境科学専攻
表−2 対象者内訳
図−2 イベント用紙
気温(℃)
調査日 対象者数
(人) 天候
最高 最低 平均
2008/3/29 25 晴後一時曇 16.5 7.8 11.6
2007/4/28 45 薄曇後一時雨,雷を伴う 21.5 12.2 15.1 春
2007/5/5 54 晴後薄曇 25.5 18.6 21.7
2007/6/16 50 快晴 31.4 18.3 23.8
2007/7/28 47 晴れ 31.2 23.4 27.3
夏
2007/8/18 27 曇り 27.6 23.9 25.2
2007/9/24 46 曇一時雨 24.7 21.1 22.3
2007/10/13 35 曇一時晴 2.19 17.4 18.8
秋
2007/11/24 40 快晴 14.1 3.2 9.1
2007/12/8 13 晴時々曇一時雨 14.3 7.3 10.3
2008/1/26 35 晴れ 8.4 -0.3 3.4
冬
2008/2/16 15 晴れ 9.3 1.4 4.9
男性 女性
年齢 家族 友達 一人 その他 家族 友達 一人 その他
〜19 歳 1 16 2 1 5 10 0 0
20〜29 歳 6 22 5 5 12 19 0 4
30〜39 歳 52 11 4 2 80 12 1 0
40〜49 歳 28 8 2 1 30 5 1 0
50〜59 歳 12 2 3 0 21 5 1 0
60 歳〜 16 1 7 1 20 3 2 4
計 115 60 23 10 168 54 5 8
総計 208 235
2-064 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)
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から,若い世代は自分も参加できるスポーツイベン トを, 30代以上は見ても楽しめるイベントの実施を 望んでいることが分かる.また,どの世代も季節に かかわらず「ビーチバレー」と「宝探し」の実施を 望んでいる.
3.2 利用者増加対策
いなげの浜の利用者は30代が中心であり,特に女 性客の利用が顕著である(表−2).また,30代の利 用者の多くが家族連れであることから,30代の家族 連れを対象としたイベントが最も集客力が高いと考 えられる.図−4(c)より,30代の利用者はどのイ ベントに対しても幅広く興味を示していること,ま た,家族連れの女性客が多いことから(表−2),家 族で楽しめ女性も気軽に参加できるさまざまなイベ ントの実施を望んでいることが示唆される.このこ とから,夏季に「宝探し」と「ビーチバレー」を,
秋季に「BAY-FM」といった季節ごとの対策を講じる ことが利用者の増加に繋がると言える.
4.まとめ
本研究では,利用者が望むイベントの調査結果を もとに利用者増加対策を検討した.結果,年間を通 して「ビーチバレー」と「宝探し」の人気が高く,
若い世代はスポーツイベントを,30代以上は見ても 楽しめるイベントの実施を望んでいることが分かっ た.また,30代家族連れの利用者が多く,女性客の 利用が目立つことから,利用者増加対策として,家 族で楽しめ女性も参加できる季節ごとのイベントの 実施を提案した.
謝辞:本研究を進めるに際し,千葉市美浜公園緑地 事務所には調査の協力をいただいた.記して謝意を 表する.
参考文献
1)矢内栄二・米田規幸・矢島秀二:人工海浜「いなげの浜」
の維持管理における問題点とその要因,海岸工学論文集,
第51巻,pp.1256-1260,2004.
2)矢内栄二・矢島秀二・並木勇輔:人工海浜の海岸ゴミに 対する利用者意識の変化,海洋開発論文集,第 21 巻,
pp.205-210,2005.
綱引き ビーチ バレー 宝探し
漂着物 展 BAY-
FM Tシャツ
アート ビーチ フラッグ うっぷん
春
綱引き ビーチ バレー 宝探し
BAY- FMTシャツ 漂着物 アート
展
ビーチ フラッグ うっぷん
夏
綱引き ビーチ バレー 宝探し BAY-
FM うっぷん
ビーチ フラッグ Tシャツ 漂着物 アート
展
秋
綱引き ビーチ バレー 宝探し
BAY- 漂着物 FM
展 Tシャツアート ビーチ フラッグ うっぷん
冬
図−3 利用者が望むイベント
宝探し ビーチ バレー 春
ビーチ 宝探し バレー
Tシャツ アート
秋 宝探し
ビーチ バレー 漂着物
展 Tシャツ 冬 アート 宝探し
ビーチ フラッグ
うっぷん
ビーチ バレー
夏 ビーチバレー
Tシャツ アート BAY-
FM 宝探し綱引き
ビーチ フラッグ 漂着物
展 うっぷん
夏
綱引き ビーチ バレー 宝探し 漂着物
展 ビーチ フラッグ うっぷん
BAY- FM
Tシャツ アート
秋 ビーチ バレー Tシャツ
アート BAY-
FM 宝探し
漂着物
展 ビーチ
フラッグ 綱引き 春
ビーチ 宝探し バレー
うっぷん 冬
ビーチ 宝探し バレー
綱引き
ビーチ フラッグ うっぷん
BAY- 漂着物 FM
展
Tシャツ アート 夏
綱引き ビーチ バレー Tシャツ
アート BAY-
FM 宝探し うっぷん
漂着物
展 フラッグビーチ 秋
綱引き ビーチ バレー BAY-
FM
宝探し ビーチ
フラッグ うっぷん
Tシャツ 漂着物 アート
展 春
綱引き ビーチ バレー 宝探し BAY-
FMTシャツ アート 漂着物
展
ビーチ フラッグ うっぷん
冬
BAY- FM 宝探し ビーチ
バレー ビーチ フラッグ 綱引き
漂着物 展
Tシャツ アート 夏 綱引き
宝探し ビーチ バレー
Tシャツ アート 漂着物
展 うっぷん
ビーチ フラッグ BAY-
FM 春
ビーチ バレー 漂着物
展 宝探し
綱引き
BAY-
FM Tシャツ
アート うっぷん
ビーチ フラッグ 秋
綱引き ビーチ バレー BAY-FM 宝探し冬
宝探し綱引き ビーチ バレー 漂着物
展 ビーチ フラッグ
春
綱引き 宝探し
ビーチ バレー 漂着物
展 BAY-
FM ビーチ フラッグ
夏
綱引き
漂着物 展 宝探し BAY-
FM
ビーチ バレー
Tシャツ アート うっぷん
秋 ビーチバレー Tシャツ
アート 漂着物
展 宝探し綱引き BAY-
FM
ビーチ フラッグ 冬
綱引き ビーチ バレー 宝探し夏
宝探し 綱引き
ビーチ バレー うっぷん
漂着物 展 ビーチ
フラッグ BAY-
FM Tシャツ
アート 秋
綱引き ビーチ バレー 宝探し
Tシャツ アート 漂着物
展 うっぷん
ビーチ フラッグ 冬 綱引き
宝探し ビーチ バレー
ビーチ フラッグ BAY-
FM 春
(a)10 代 (b)20 代
(c)30 代 (d)40 代
(e)50 代 (f)60 代
図−4 利用者が望むイベント(年代別)
2-064 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)
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