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ブレインストーミングを用いたリスク評価手法の試み

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Academic year: 2022

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(1)6-317. 土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月). ブレインストーミングを用いたリスク評価手法の試み 国土交通省国土技術政策総合研究所. 正会員. 後藤. 忠博. 前国土交通省国土技術政策総合研究所. 正会員. 荒井. 竜司. 国土交通省国土技術政策総合研究所. 正会員. 伊藤. 弘之. 前国土交通省国土技術政策総合研究所. 正会員. 山口. 真司. 1.はじめに 公共事業のリスクマネジメントを実施する上でのリスク抽出とリスク評価の手法としてブレインストーミ ングを用いたワークショップ形式のリスク検討会を提案し、試行した結果を報告する。. 公共事業は計画から供用までの間に時間を要するため、様々な不確実要因にともなうリスクが顕在化 し、事業期間の長期化や事業費の増大に影響することが多い。そのような状況下でのリスクマネジメン トは、現場担当者の手腕に委ねられていることが多く、リスクの顕在化に対し、そのとき取ることので きる最良の対応策により対処しているが、事前にリスクを体系立てて整理しマネジメントを行った方が、 より効率的な事業執行が可能になる。また、現場担当者の意識として、不確実性の下、リスクが顕在化 した段階での対応はやむを得ないといった考えもある。しかしながら、昨今の公共事業のおかれている 厳しい状況のなか、リスク発生に伴う供用時期の遅延や事業費増といった当初計画内容からの乖離に対 して、効率的な事業執行やコスト縮減、アカウンタビリティ向上等の観点から、担当者全員で取り組む 適切なリスクマネジメント手法の導入が求められる。 2.リスク評価手法. リスクマネジメントをする上では個々のリスクの発生確率とその影響度の評価を行うことが重要と なる。その手法として、データの蓄積による定量かつ客観的な評価を行う手法と、担当者のランク付け 等による定性的、主観的に評価を行う手法が考えられるが、前者のデータ蓄積による評価は現状では定 量分析に耐えうるデータほとんど整備されていないことから、当面、後者のランク付け等の定性的、主 観的な評価手法を主体的に検討していく必要がある。 定性的なリスク評価については、先進諸国では様々な事例がある。社会資本整備に適用した例として は、英国ハイウェイエージェンシーの Value for Money マニュアル 1)があり、リスクに関するワークショ ップによってリスクマネジメントの方向性が議論されている。これらは、事業のリスクに対して完全に定量化 を行うことが困難な場合においても、関係主体が合議によりそれぞれ保有するリスク情報を統合することで概 リスク検討会の範囲. 略のリスク状態を分析・共有化しようとするものである。 日本の公共事業の現場におけるリスクマネジメントは、事前に体系立て. て行われることはそれ程多くなく、 現場担当者に委ねられることが多い。 したがって、英国のような会議形式でのリスク抽出・評価は手法を参考に、 まちづくり研究会等で実施されているKJ法によるワークショップ手法を リスクの抽出・評価と対応策抽出に援用した担当者全員参加によるリスク検. ①リスク要因の抽出 ②リスク要因のグループ化 ③リスク要因構造化 ④リスクを発生確率と影響度で評価 ⑤対応策の抽出. 討会を提案した。 3.ブレインストーミングを用いたリスク検討会の手順作成 リスク検討会の手順は次の通り作成した。フロー概要を図―1に示す。. 各担当課で実施 ⑥対応策検討. a)リスク要因の抽出:①調査設計協議、②用地補償、③工事、④維持管理、 ⑤社会情勢の変化 の項目ごとに考えられるリスク要因をブレインストー キーワード 連 絡 先. リスクマネジメント,ブレインストーミング、ワークショップ 〒305‑0804 茨城県つくば市旭1番地 国土交通省国土技術政策総合研究所. -633-. 図−1 リスク検 討 会 の手. TEL029‑864‑423.

(2) 6-317. 土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月) 発生確率. ミングによりできるだけ多く抽出する。複数の項目に属するリスク要 大. 因は両方に記載する。. リスク対応策を検討. b)リスク要因のグループ化:抽出したリスク要因を内容の類似性等に 着目してグループ化し、グループ名を付ける。グループ名は、評価対. 中. 象のリスク項目としても活用する。. Ri s ktake. c)リスク要因の構造化:グループ内やグループ間の項目の関係(期間 の前後、要因の従属性、概念のつながり等)を矢印などで示す。時間 関係やリスク間に影響が表現される。 d)リスクを評価:グループ化しグループ名を付けたリスク項目につい. 小 小. 中. 大 影響度 (事業費or期間). 図−2 リスクマトリックス. て発生確率と影響度を評価しリスクマトリックスに配置する(図―2)。評価位置により対応策が必要なリス クが選定される。影響度は、事業費と期間の2軸があることから、事業目的に応じてどちらの軸で評価する か、あるいは両方で評価するか決めることになる。 e)対応策の抽出:リスク対応が必要なリスクグループに対し、グループ内のリスク要因に対する対応策をブ レインストーミングにより抽出する。 f)リスク対応策検討:抽出した対応策について、実行可能性を精査する。対応策は、実施時期が重要となる ことから、実施時期等に関して時間軸で整理することが望ましい。また、リスク対応策検討は専門的な技術 的検討が必要となるため、各専門担当部署で行う方が望ましい。 4.試行結果 リスク検討会の試行は直轄河川事務所の河川築堤事業を対象として研究室内で実施した。リスク要因や対応 策を抽出するブレインストーミングは、付箋紙をホワイトボードに貼り付ける形式で実施した。また、項目別 (前記①〜⑤)の要因は、色別の付箋あるいは色マジックの組合せにより区分した。工事リスクをグループ化、 構造化した結果を図―3に、に示す。リスクマトリックスによる評価から対応策が必要なリスクとして、「盛 土材の確保」、「地質条件」、「施工時期の制約」が選び出された。 5.おわりに 今回の試行ではリ スクマネジメントの リスク抽出をリスク 評価としてブレイン ストーミングを用い. 盛土材の確保. 地下埋設物 光ケーブル の 移設の遅れ. 盛土搬入後の 材質不良判明. 光ケーブル の切断. 発注者の問題. 受注者の問題. 漁業組合との調整. 職場の事務手続 の遅れ. 近隣構造物への影響. 漁業組合との 施工時期協議. 工時発注の遅れ 流用土の使用予定 数量の確保不可 良質な盛土財の 確保不可 盛土材の 発生元の遅れ. 工事事業者の瑕疵. 地下埋設物の存在 発注者の人事 異動による混乱. 地質条件 盛土のすべり破壊. 工事損失補償費 の増大. 盛土材の調整遅れ. 工事責任者 が不明確 盛土材運搬ルートの 舗装損壊(一般道) 工事騒音の苦情. たリスク検討会が有. 軟弱地層の存在. 効であることが確認. Br調査との不整合. ほこりのクレーム. 地質条件の 想定違い. 施工時期の制約. できた。詳細は講演. 施工による 河川の汚濁. 時に譲る。今後は工 事担当の事務所にお. 人身事故. その他の事故軽微. 第3者事故. いて、リスク検討会. 第3者への事故. を実施しリスク検討. 工時事故への対応. 自然災害による 工事事故. 会の手法の検証を行. 完成前の異常 出水による破堤. 施工中の異常出水. 工事中の事故. 苦情対応. 地元対応. 設計不適合. 関係機関との調整. 第3者からの クレーム. クレーム対応 が遅い. 設計成果の瑕疵. 関連工事との調整. 文化財 埋蔵文化財の出土. 工事車両のルート (通学路への影響) 地元要望の対応. いたい。. 図−3 工事リスクの構造化の事例. 参考文献 1)UK Highway Agency : THE VALUE FOR MONEY MANUAL / Part 4 RISK ANALYSIS AND MANAGEMENT、1996.6 2)土木学会建設マネジメント委員会 PFI 研究小委員会:道路関係 PFI 事業のリスクに関する分析報告書,2004 -634-.

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参照

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