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高齢者のロコトレ継続のための,ロコトレ支援ロボットの開発

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Academic year: 2022

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人間科学研究 Vol. 29, Supplement(2016)

修士論文要旨

高齢者のロコトレ継続のための,ロコトレ支援ロボットの開発

The Development of Locomotion‐training

Support Robot to keep motivation of training for elderly people

小野田 麻衣子(Maiko Onoda)  指導:可部 明克

1.研究の社会的背景と問題意識

 超高齢社会の日本では,入院や介護を受けずに日常生活 を過ごすことができる健康寿命の平均が男性71.19歳、女性 74.21歳であり,何らかの介護が必要とされている不健康 は期間の平均が男性で9.02年,女性で12.4年である.ロコ モティブシンドローム(略称:ロコモ)は,日本整形外科 学会が2007年,運動器の障害による要介護の状態や要介護 リスクの高い状態を表した概念である.ロコモを予防する ための運動として考案されたロコモーショントレーニング

(略称:ロコトレ)は主にスクワットと開眼片脚立ちの2種 類である.簡単な運動であるが継続して取り組む高齢者は 少ないことが問題である.

2.研究目的

 高齢者が自宅で簡単にロコトレを継続し習慣化するため の支援ロボットを開発し,その効果の評価・検証を行う.

(1) ロボットと一緒に運動することで生じる「楽しみ」や

「親しみ」等から毎日の運動を飽きることなく継続で きるようになること.

(2) ロボットの支援により運動することで自己の身体的変 化や運動能力・運動量を客観視するきっかけとなり運 動意欲が向上すること.この二つの変化がロボットの 介入により起きることを仮説とした上で,その可能性 について試作と評価を行い検証した.

3.ロコトレ支援ロボット「Loco-Pyon」

 Loco-Pyonは,高さ 30㎝,重さ1016g,駆 動部は本体のモーター による上下運動のみで、

そこに取り付けた人形 が 膝 を 屈 伸 さ せ ス ク ワットを実践してみせ る.本体下部(全面・

両サイド)に人感セン

サが3個,本体下部の全面にマイク・スピーカーを搭載.設 定した時間で動作を開始し,被験者に声をかけ,本体に近

づいたらクスワットを促す.スクワット回数は被験者の希 望や体調に合わせて変更でき,Loco-Pyonに希望回数を聞 かれたら、回答すると,その回数だけ一緒にスクワットを してくれる.ロボット本体は旭光電機株式会社様の協力で 製作し,装着されているウサギ型人形はスクワットしやす い人形を入れて作製した.

4.機能評価

① 愛知県北設楽郡設楽町で暮らす70歳代以上の高齢者を対 象に支援ロボットと一緒にロコトレ(スクワット)を体 験してもらい,アンケート及び,実施回数記録,聞き取 り調査結果を分析した.

② 2015国際ロボット展に出展し,来場者の反応や口頭によ る聞き取り調査やコメントをまとめた.

5.結論

 愛知県設楽町での実施試験において,ロボットは好意的 に受け止められていることを示唆する結果となった.今回 開発したロボットは,発話機能を有し,利用者と共にスク ワットをすることで,飽きることなく楽しみながら継続で き,モチベーションの向上の結果を示した.

 ロボットの機能面で課題があるものの,利用者によるロ ボットに対する好印象や,高い継続率,利用者が感じる運 動能力の変化から,ロコモコールをしてくれるロボット

「Loco-Pyon」は,高齢者が自宅で飽きることなくロコト レの習慣化を支援する可能性が示唆された.

6.今後の課題

 今後は「Loco-Pyon」を実用化させるために更に開発を すすめたいと考えている.まず,高齢者でも聞き取れるス ピーカ機能の向上を検討しなければならない。また,利用 者の発話を確実に聞き取る音声認識機能の向上も必要であ る.この2点においては,改善が急務であると考える.ま た,利用者がロコトレ終了時に指定者へ送られる「安否確 認メール機能」も搭載しているが,現在は試作段階である ため,早急に利用できるようにしたいと考えている.

図1.ロコトレ支援ロボット

参照

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