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小学校生活科における 「生活 と栽培」の実践

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(1)

Bu l l e t i no fFa c u l t yo fEd u c a t i o n , Na g a s a k i Un i v e r s i t y: Cu r r i c u l u ma n dTe a c h i n gNo .

48(2008)71‑80

小学校生活科における 「 生活 と栽培」の実践

一 授業評価からみた学習効果の検討 ‑

古谷 吉男 末弘百合子 糸山 景大

(2007年 10月 31日受理)

Pr ac t i c eo f" Li f eandCul t i vat i o n"i nt heLi f eEnvi r o nme ntSt udi es

‑Exami nat i ono fLe ani ngLe ve lbas edont heCl as sEval uat i o n‑

Yos hi oFURUYA Yur i koSUEHI RO Kage hi r oI TOYAMA

1.はじめに

栽培学習は,その教育的意義や体験学習の重視か ら,既 に,多 くの小学校 において 「生 活科」や 「総合的な学習の時間」の取組みの中で実践 されている しか し,前報 1)で も指 摘 した ように,学習指導要領お よび教員養成 カリキュラムの中では,積極的な位置づけは なされてお らず, さらに,準備や指導のための時間,あるいは,実施場所の確保の困難 さ や指導者 (担当で きる教員)の不足等の要因のため,その実施内容の実情 は必ず しも十分 であるとはいえない。 この現状 を改善す るための方策の一つ として,教員養成カリキュラ ムにおける栽培教育の充実が挙げ られる

本学部では,これまで,中学校 「技術」の教職免許取得 をめ ざす学生 に対 しては,「栽培 学」 (2単位) と 「栽培学実習」 (1単位)の授業 を,栽培の特質を考慮 し,年間を通 して 同時 (平行)開講 して きた。 しか し,初等教育に関わる教員養成 カリキュラムにおいては, 栽培教育の必要性 を認識 しつつ も,十分 に対応で きていない状況であった。

小学校 「生活科」2)への対応 に関 しては,授業科 目 「小学校生活科」が開設 された当初 か らオムニバス方式の 「生活 と技術」 を開講 し,栽培 を除 く技術 の各領域 (4‑ 5領域)

を領域別に班分け実施 して来た。 しか し,将来,教師 となる学生たちが教育現場 における 栽培学習実践の現状 に対処 し,かつ,その改善 を図るためには,教員養成カリキュラムの 中で栽培 に関わる諸事象への共感 を得 させ ることが欠かせ ない。そ こで,平成

1 8

年度後 期 より,「小学校生活科」 を履修する学生 (前後期,各

1 5

名程度) に,基礎 的な栽培の知 識,指導能力 を付与す るために 「生活 と技術

に 「生活 と栽培」の領域 を加 え,他の領域

と同時開講 (前後期,各 2‑ 3回)す ることに した。

本稿では,「小学校生活科」における 「生活 と栽培」領域の意義,お よび,授業内容 と学 習内容の確認, さらには,短期開講時の授業改善‑の指針 を得 るために,糸山 らの 「連想 法 を用いた情意ベ ク トルによる授業評価法」3)を用いた授業評価 を試みるとともに,その

長崎大学教育学部生活健康講座

(2)

評価結果 と事後 に提 出 させ た レポー ト内容 とか ら学習効果 についての検証 を試みた。

2.

「生活 と技術」における 「生活 と栽培

の教育的意義

生活 は,その中で数限 りない技術 ・技能的要素が駆使 されて成 り立 っている 一般 には, それを確認 しなが ら生活す ることはないため,ほ とん ど認識 されていないのが普通である

しか し,子 どもの成長 ・発達 には,その技術 ・技能的要素 をどれだけ多 くの生活 (遊 び)の 中で使い,習熟 してい くかが大 きく関与 して くる その ような立場か ら,本学部では,教 師 を目指す学生 たちへ小学校生活科 の中で 「生活 と技術」の学習の場 を提供 して きた。

近年,都市化が急速 に進み,一方で農業が衰退す る中で,子 どもたちだけでな く,学校 現場の教 師において さえ も,都市 ・農村部 に関係 な く自然か ら隔離 され,植物 を栽培する機 会 を奪 われて きた。前報 1)で指摘 した ように,農業体験学習 をすでに実施 している小学 校 は,全 国で78.5%の割合 を占めているが

,

学校 や教師の農業 に関す る技術や知識,情報 の不足」 をあげている学校が

4

割前後 に ものぼ り,十分 に対応 で きる教員が少 ない現状 を 示 してい る4)。 これ を補 うため,栽培学習 の実践 において,教育現場 では地域 の人々の ボランティア活動 に頼 らざるを得ず,その内容 も種 まきまたは植付 け と収穫 のみ といった 断続的な体験学習 となっている

本来,栽堵 は,育成環境 の整備 (土づ くり)か ら種 まきまたは植付 け,施肥,生育管理 を経て収穫 に至 るまでの一連の過程 を体験学習 して こそ意味 を持つ ものである 多 くの教 育的要素 はその過程 に内包 している この ことは,直接 的体験 を重視 した学習活動 を展開 し,意欲 的 に学習や生活がで きることを重視 した 「生活科

の 目的 と合致す る とともに, こころ豊かな人間性 の滴菱 に繋が る そ こで,本学部の 「小学校生活科」 における限 られ た 「生活 と技術」の実施 回数 を考慮 し

,

生活 と栽培」開講の基本的位置付 け として,将来, 学生たちが栽培教育 を進める際の導入 とな り得 る授業体験 を通 して,栽培 による教育的な 効果や意義 を実感で き得 る内容 を重視 した。

3.「生活 と栽培」の内容

本学部の小学校生活科 (必修科 目)はオムニバス方式で実施 されてお り

,

生活 と技術」は

3

回 (全

1 5

回)の実施である 学生は,「生活 と技術」の

5

領域の うちか ら 1領域 を希望に よ り選択 し,受講する

生活 と栽培」の受講者数は,実習 を伴 うため

1 5

名以内に限定 した。

1

の ように, まず,第 1週 目の講義で,栽培計画 を行 うにあた り,栽培 の基本構造 と なる春 ・夏作 ,秋 ・冬作 の二作構造 な どの説明 を行 った。その上で,第

1

,

2

週 目の

2

回 に分けて,種 まき,定植,間引 きな ど,栽培 を行 う上で最低 限必須 となる基本的栽培技術 を分か りやす く概説 した。 さらに第

3

週 目に,実習形態でサ ツマイモの収穫 を実施 した。

サ ツマイモな どのイモ類 の栽培 は,全国の小学校 での学校 園において,

8

割 を超 える割 合 で取 り組 まれ,教材 として主要 な作物の一つである 今 回の授業では,栽培 を行 う上で の 目的であ り,作業 の最終工程 にあたる収穫作業 を行 った。収穫作業 を実践す るこ とに よって,満足感や達成感 を得 ることは,栽培 の教育効果 をも得 ることにつ なが る また, 本農園では芋の肉色 にア ン トシアニ ン色素やカロチ ン色素 を多 く含 む ものなど,

5

品種 を 栽培 してお り,それぞれ品種 によって食感,食味が異 なる そ こで,収穫作業後,それ ら

を焼 き芋 に して食べ比べ,それ らの違い も体験 して もらうことに した。

(3)

古谷吉男 末弘百合子 糸山景大 :小学校生活科における 「生活と栽培」の実践一授業評価からみた学習効果の検討‑ 73

表 1.授業 内容 第1週 目 ・小 学校 の現状

(第1回) ・栽培 計 画 にあ た って

・主 な栽培 技術 と作 業 のね らい (そ の1) 栽培 す る作 物 の順 序 や組 み合 わせ 作 物 の選択

作付 け準備 (耕 地 の改 良,耕 うん,施肥 ,種 ま き) 第

2

週 目 ・主 な栽培技術 と作 業 のね らい (その2)

(第

2

回) 定植

成 長期 の管理 (間引 き,誘 引, 除草 ,追肥 ,水 や りな ど) 第3週 目 ・サ ツマ イモの収穫 (実習)

(第

3

回) 道具 (鎌 , シ ャベ ル な ど) を使 用 して収穫

4.

授業の展開

平成

1 8

年度後期 の 「生活 と栽培 」 は,初 等選修 の 1学 年 の学生 を中心 と した

1 3

名 に対 し,11月か ら12月 にか けて3回の授 業 を行 った。

栽培 は, 自然 を相 手 に,生 き物 であ る植 物 の持 つ機 能 を生 か しなが ら生産 を行 うこ とで あ る よって,栽培 計画 を立 て るにあ た って は,栽培 を行 う時期 ,す なわち季 節 を考 える こ とが栽培 の基 本構 造 とな る その上 で,場所 ,種 類 を選択 し,選択 した植 物 の能力 を十 分 に発揮 させ るため に,栽培技術 を活用 す る こ と とな る 栽培 技 術 とは, 「人 間 の 目的 に そ って,作 物 の栽培 環境 を どの ように管理 す るか」を問 う作物保護対 策 を中心 に据 える こ とに よ り確 立 した技術 の こ とであ る5)。す なわち,種 ま き,定楓 間引 きか ら収穫 に至 る までの一 連 の作 業 が これ にあ た る

今 回の授業 で は,最初 に栽培技術 の全体像 の説 明 を行 い,それぞれ相互 に有機 的 に結 びつ い てい る個 別 の栽培技術 につ いて

2

回 に分 けて説 明 を行 った。 また,栽培技術 にお い ては, 表

2

の よ うに, "なぜ なのか ?", "どう して だろ うか ?" とい う観 点 か らの解 説 を含 めた。

表2.栽培技術 にお け る疑 問 とその解 説

授 業 内 容 疑 問 の 事 例 解 説 内 容

栽培 す る作 物 の順序 同一 、 あ るい は同 じ科 を連;院 して 連作 障害 や組 みわ せ 栽培 す る とどうなるか ? 輪作 の必要性

作 物 の選択 アサ ガオの種 を秋 に まい てくだ ろ うか ? 花 が 咲 作 期 の確 定 と適 地適作

付準価け 耕 地 の改 良 よい土 とは どうい う ものか ? 土壌 の構 造土壌この酸 度調整 の必要性 耕

ん 土 をたがやす の はなぜ だ ろ うか ? 排水怪 .通気性 .保水性の変化 施 肥 肥料 はなぜ 必要 か ? 肥料 の三要素 とその効 果

う ね 立 て うね を立 て るの は なぜ なのか ? 表面積 と地温 の変化 種 種 に土 をか け るの は なぜ なのか ? 種 の ま き方種 の重 さは どれ くらいだ ろ うか■? 種 袋 の見方

定植 なぜ 間隔 をあ けて植 えるのか ? 栽植 密 度 と収量

せっか く発芽 した芽を抜 くのはなぜ ? 発 芽 率境 変イヒに よる リス クの分散 水 や り はい けない の はなぜ か ?日中 に、水 を植 物 の上 か らか けて 生 育 時期 と蒸散

(4)

これ らの項 目は,教育現場 において子供 たちに指示 を出 した とき,尋ね られ る ような質 問であ り,わか った ようなつ もりでいて もわか っていない可能性が高い と想定 され る こ の ような質問 を想定す ることによって, よ り栽培技術‑ の理解 が深 まる と考 えた。

写真

1

,

2

は今年度 の 「生活 と栽培」の授業風 景の一例である

写真 1.ホウレンソウの種 まき 写真2.ハ ッカダイコンの収穫

サ ツマ イモの収穫作業 にあたっては,収穫物 にあたる芋の質的な, または量 的 な損失 を 防 ぐため に,道具 を利用 して精度の高い作業 を行 うことが求め られ る 作業方法が適切 で ない と,作業効率が悪 く,芋 に傷 をつ けて しまい意欲 の低下 を招 いて しまう そ こで,実 習では作業工程 を細分化 し,表3の ように,順序 ごとに行 うよう指導 した。

表3.サ ツマイモ収穫作業 の順序

作 業 活 動 指 導

鎌 を使 ってサ ツマ イモの蔓 を切 り取 る ・鎌 の使 い方

・蔓の効率 的な取 り除 き方

複雑 に絡み合 った蔓 を地際の株元か ら切 る 各 うね ごと蔓 を取 り除 くようにす る

(運 びやす くす るため) シ ャベル を使 って芋 を掘 る ・シャベ ルの使 い方

芋 を傷つ けない よううね溝 か ら掘 る 掘 った芋 をコンテナにいれ運 び出す ・芋の保管方法

焼 き芋 をつ くる ・火をおこし、焼 き火を作 ってお く (・芋 を洗 う 授業開始前)

・湿 った新 聞紙で包 んだ後 アル ミホイルで密封 (芋が焦 げるのをさけるため)

5.

授業評価 か らみた学習効果の検証

わずか3回の授業 ではあるが,受講生が,将来,学校現場 において栽培 を行 う際,意欲 的 に取 り組 め, 自己成 長 の 出発 点 とな る授 業 とな った のか を も含 め,情 意 ベ ク トル と

(5)

古谷吉男 末弘百合子 糸山景大 :小学校生活科における 「生活と栽培」の実践一授業評価からみた学習効果の検討‑

7 5

レポー トの内容か ら,学習者の知識や概念の獲得状況 を把握 し,確認 を行 うことに した。

5.1 情意ベ ク トルによる授業評価方法

糸山 ら3)・6)は連想法 を用い,情意面の評価 を測定す ることによって,学習者全体の知 識や概念の獲得状況 を把握す る方法 を提案 している それは,「面 白か った こと

」‑

「面 白 くなかったこと」

,

「難 しかったこと

」‑

「や さしかったこと

の二組の対立語 を主要 な刺 激語 とし,刺激語 を組み合 わせ

,

「情意ベ ク トル」によっで情意面の評価 を表現す る方法で あ る この調査 では一般 的 に対立語 を用 い,作 図 した情意ベ ク トルの方向性 と大 きさに

よって学習者がその授業 をどの ように感 じたか を表す ことがで きる とされる

そこで,実習終了時に,この二組の対立語 に

,

「役 に立 った こと」

,

「深 まったこと」の二 つの刺激語 を加 え,それぞれの刺激語 にたい して30秒 間 (刺激語 を提示 した調査 において は 1分の反応時間をとった)で思い起 こす ことがで きた反応語 を,所定の用紙 に書 くよう に指示 し,調査 を行 った。

得 られた反応語は,授業の要因である以下の

5

つのカテゴリーを中心 に分類 を行 った。

(1)教 師が伝 えようとす る知識や概念 (学習概念 :

・ C)

に関す ること (2) 学習者 による作業や活動 (学習活動 :

A)

に関す ること

(3)知識や概念 を伝 えるための具体 的な事例 (学習用素材 :M)に関すること (4)学習のために教 師が設定 した指導法 (学習指導法 :

Ⅰ)

に関す ること

(5) 教 師や他の学習者 あるいは教室の雰囲気 な どの環境 (学習環境 :E) に関すること そ して,各刺激語 におけるカテ ゴリー ごとの反応語の総数 を求めた。

二組 の対立語 に対 しては,カテ ゴリー ごとに,対立す る言葉の反応語総数の差 を出 し, 被験者総数 に対す る割合 を算 出 した。す なわち

,

「面 白かった こと」と 「面 白 くなかったこ

と」,お よび 「難 しかった こと」と 「や さしかった こと」のカテゴリー ごとの反応語の差で ある

「深 まった こと」

,

「役 に立 ったこと」のカテ ゴリーごとの反応語 は,その まま被験者 総数に対す る割合 を算 出 し,それぞれ得た値 を, Ⅹ軸お よび

Y

軸上 にプロッ トし,原点か

ら各点‑の矢印線 を引いた ものを情意ベ ク トル とした。

5.2評価結果

5.2.1〔難 しい/やさ しい) と 〔面白い/面白 くない)の情意ベ ク トル

4

は 〔難 しい

( Di f f i c ul t )

/や さしい

( Ea s y) 〕

と 〔面 白い

( I nt e r e s t i ng)

/面 白 くな い

( Uni nt e r e s t i ng)

〕の情意ベ ク トルの もととなった,各 カテゴリーに対応す る反応語数 を 示 した ものである

1

は,表

4

を もとに作成 した情意ベ ク トルである 目立 った反応の あった

,

「サ ツマイモの収穫作業」の具体 的な活動 に関す る反応 (A)

,

「連作」に関す る知 識 ・概念

( C)

,その他 の知識 ・概念 に関す る反応

( C ( Ot he r ) )

に対 しては,どの ような反 応語があったか を抜 き出 し, またその数 を表示 した。

4

お よび図

1

よ り,「サ ツマイモの収穫作業」 に関す る反応 は,「面 白い

とい う方向 において,反応語が一人あた り約1.7語 と多 く現れている 特 に 「芋 を掘 る」 ことについ て反応が多 く

,

「芋 を切 らない ように掘 る」ことが難 しく感 じ

,

「芋 を食べ る」

,

「焼 き芋」に ついては,や さしく感 じていることが読み取れる 一方,「連作」 に関す る反応 は,「植物 の科の分類」 について,半分以上の学生が 「難 しい」 と感 じた ようだ。

(6)

表4.生活科(06年,後期);〔難 しい(Difficult)/やさしい(Easy)〕と〔面白い(Interesting) /面白 くない (Uninteresting)〕の各カテゴリーに対する反応語数 (被験者数 :

1 3

名)

Di(」阻cDi)ult Eas(E)y (Di)‑(E) (%) Ⅰnter(Ⅰes)ting Unint(UⅠeres)ting ()‑(UⅠ) (%)

A 7 7 0

0 . 0

22

0

22 169.2

A(other) 1

0

1 7.7 0

0 0

0 .0

A (Total) 8 7 1 7.7 22

0

22 169.2

C 8 0 8 61.5 0

・ 0 0

0.0

C(other) 5

0

5 38.5 7 1 6 46.2

C(Total) 13 0 13 100.0 7 1 6 46.2

E 0 2 ‑2 ‑15.4 ̀0 0 0 0.0

0

1 1 ‑7.7 0 3 ‑3 ‑23.1

0 0 2 ‑2 ‑15.4 0

0

0 0.0

Z 1 2 ‑1 ‑7.7 0 9 ‑9 ‑69.2

A :サ ツマイモの収穫作業」の具体的な活動に関する反応,A(Other):その他の具体的活動に関する反応 C:連作」に関する知識 ・概念,C(Other):その他の知識 ・概念 に関する反応,E:学習環境 に関する反応,

i:学習指導 に関する反応,0:その他

,Z:

無反応

面白かったこと 芋を掘 る(ll)、焼 き芋(5) 芋 を食べ る(4) 鎌で蔓を刈 り取 る(2) や さしかったこと 芋を掘 る(2)、芋を食べ る(2) 焼 き芋(2)、芋 を洗 う(1) 難 しかった こと

芋 を切 らないよ うに掘 り出す(4) 芋の位置を見つ ける(2) 蔓を切 る(1)、板書 を写す(1)

Easy(%)E

Interesting(%)

A(Tota)

面 白かった こと 芋の種類(2)、講義 内容(2) 肥料の意味(1)、水の与 え方 (1)、土の実験(1) 難 しかった こと 講 義 内容 (1)、植 物 の病 気 (1)、難 しい言葉(1)、専門的 な知識(1)、栽培の方法(1)

C(Total)

Uninteresting(0/.)

図 1.生活科(06年,後期);〔難 しい(Difficult)/やさしい(Easy)〕と〔面白い(Interesting) /面白 くない (Uninteresting)

の情意ベク トル (被験者数 :

1 3

名)

5.2.2〔難 しい/やさ しい)と 〔役に立ちそうなこと)の情意ベク トル

図2は 〔難 しい (Difficult)/や さしい (Easy)〕と 〔役 に立ちそ うなこと (Usefu

l ) 〕

の 情意ベク トルである 総合的に知識 ・概念 に関すること(C (Total))の反応語が多 く出て お り,受講生に 「難 しいけど,役 にたつ」 と受け取 られていることが分かった。

(7)

古谷吉男 末弘百合子 糸山景大 :小学校生活科における 「生活と栽培」の実践一授業評価からみた学習効果の検討‑

7 7

Useful(%)

‑40 ‑20 0 20 40 60 80 100 120

図2.生活科 (06年,後期);〔難 しい (Difficult)/や さ しい (Easy)〕 と 〔役 に立 ちそ うな こと (Usefu

l ) 〕

の情意ベ ク トル (被験者 数 :

1 3

名)

5.2.3 〔面白い/面白くない)と〔深まったこと), 〔役に立ちそうなこと)の情意ベク トル 図3,4は, 〔面 白い (Ⅰnteresting)/面 白 くない (Uninteresting)

と 〔深 まった こ と (Deepen)〕, 〔役 に立 ちそ うな こと (Usefu

l ) 〕

の情意ベ ク トルであ る

un7note,eS2tOing(%)Oc・E20 40 60 80 loo 120 140In.elr6:stinlg8(?%.) 図3.生活科 (06年 ,後期 );〔面 白い (Ⅰnteresting)/面 白 くない (Uninteresting)〕と 〔深

まった こ と (Deepen)

の情意ベ ク トル (被験者 数 :

1 3

名)

(8)

‑40 ‑20 0 20 40 60 80 100 120 140 Uninteresting(%)

160 180 Interesting(%)

4.

生活科

( 0 6

年,後期);〔面白い

( Ⅰ nt e r e s t i ng)

/面 白 くない

( Uni nt e r e s t i ng)

〕と 〔役 に立 ちそ うなこと

( Us e f u l ) 〕

の情意ベク トル (被験者数 :

1 3

名)

「連作」に関す る知識 ・概念 において

,

「深 まったこと」には全 く反応語が出ていないが,

「役 に立 ちそ うなこと」においては見 ることがで きる これは 「連作」とい う知識 を受講生 が持 ってお らず,今 回の授業 において,初めて知 ることがで きたのではないか と考察 され る 総合 的に知識 ・概念 に関すること

( C ( To t a l

))は,受講生 に 「面 白 くて,深 ま り,役 にたつ」 と受 け取 られていることが分かった。

5.3 レポー トの内容

"授業 を受 けてためになった,学 んだことは何 か ?"とい う内容で受講生 に書 いて もらっ た。以下 は,初等教育の女子学生か ら提 出 された レポー トの内容 の一部である

小学校以来にイモほ り体験 をしましたが,この体験 によって感 じたことは,体験す ることによって,楽 しみなが ら,栽培,収穫の喜 びを感 じなが ら,栽培や生命 につい て学べ るのだろうとい うことです。

将来,私が先生 になれたとして,「い も掘 り」のような体験 を自分 自身が したことあ るとい うことは大 きな財産だと思 う。知識だけを子 どもたちに教 えるとい うことは, 自分が勉強 さえ していれば,出来ることであると思 うが,体験 をさせるのはそ うはい かない。やは り自分が実際にやってみない とわか らないことがた くさんある。知識 と 体験が合わさってやっと子 どもたちに教 えるとい うことがで きると思 うので,今回生 活科での植物の勉強, またそれにともなう体験がで きたことすべてが非常に自分のた めになったと思 う

(9)

古谷吉男 末弘百合子 糸山景大 :小学校生活科における 「生活と栽培」の実践一授業評価からみた学習効果の検討‑

7 9

今 まで,先生に言われた通 りにやって きただけだったこと,種の袋 も裏なんて しっ か り見てなかったけどそこにはた くさんのことが書かれてあることを知 り,自分が教 師になったときには

,

袋のうら,見せてやろう」と思いました。‑‑‑そ して栽培 を実 際体験す ることで, これを通 して植物 に命があること,心が さわやかな気持ちになる こと,自分が育てた ものが大 きくなった時 ・花が咲いた時 ・収穫物があった時のうれ しさなど知ることがで き,それによって人生や心が豊かになる。 これが栽培 を体験す る,小学校のカリキュラム上での行 う意味だろう, と考 えました。

‑‑‑水 の与え方 と連作 についてです。 どちらも知識 として "水 は上か らかけてはい けない" "何度 も続けて同 じ場所 に同 じ科の作物 を植 えるのはよくない" とは知って いました。 しか しこれが どうしていけないのか考えたこともな く,全 く知 らない ・分 か らないことに気づ きはっとしました。子 どもは …〜をしてはいけない" と言われる と,当然 なぜいけないのか先生 に聞いて くるだろうと思います。適当にごまかす こと もで きるか もしれませんが, ここで先生が理由を言 えれば,子 どもの学ぶ意欲 も損な わずにすみます。私は何 より 「どうして水 を上か ら与えてはいけないのか」 と疑問視 で きなかったのか 自分 自身で残念 に感 じました。"どうして ?" と疑問 を持つ ことは 学びで とて も大切 な部分ではないか と思います。

「サ ツマイモの収穫作業」を,受講生が実際に体験 したことは,収穫することの楽 しさ, 喜び,うれ しさなどを感 じると共 に,"栽培や生命 について学べ る","植物 に命がある"と い う学びがあることがわかる また,種袋や水の与 え方,連作 とい う知識や概念が,"これ まで知 っていた と思っていたことが,本当は知 らなかっだ'とい う気づ きに結びつ き, さ らに深 まっていることが感 じられる そ して, "体験 を自分 自身が したことあるとい うこ とは大 きな財産" とし,授業のすべてにおいて "自分のためになっだ 'としている

このことは,情意ベ ク トルでの

,

「サツマイモの収穫作業」の具体的な活動 に関す る反応 での 「面 白かったこと」, また知識 ・概念 に関す る反応 における,「深 まったこと」,「役 に 立ちそ うなこと」において,大 きな値 を示 していることか らも読み取 ることがで きる

これ らの内容 は,

3

回にわたる授業か ら,それぞれが感 じたことによって,新たな気づ きが うまれ,"教育現場 に立 った ときその知識や体験 をどうす るが 'という出発点‑ と変化 があった ように感 じる これは,意欲的に学習や生活がで きることを重視 した 「生活科」

の教科 目的 とも合致す る

6.

おわりに

「生活 と技術」において,新たに 「生活 と栽培」 を開講 し,栽培 による教育的な効果 を 実体験 させ ることを目的に授業 を実践 した。そ して,受講者の知識や概念 などの獲得状況 を,情意ベク トルによる授業評価 とレポー トの内容 よ り検討 を行 った。その結果,以下の ことが明 らかになった。

(1)基本的な栽培技術 を解説 した上で

,

「サ ツマイモの収穫作業」を行 うことは

,

「面 白い」

と感 じるだけでな く,その体験の中で,新たな学びがあることが分かった。

(2)総合的に知識 ・概念 に関することの反応 は

,

「難 しい」とは感 じているが

,

「深 まった」,

「役 に立つ」 とも感 じてお り,新たな知識 ・概念の習得へ意欲がみ られる

(3)今 回の授業 を受講 した結果, "教育現場 に立った とき,その知識や体験 をどうす るが と主体的な行動‑ と変化 し,教師 としての 自覚の発揚が認め られた。

以上,体験で得た経験や感性への刺激が,知的刺激へ と発展 し, さらに,新たな学ぶ意

(10)

欲へ と繋が り,自ら将来‑ の主体 的行動へ の転化が見 られた。 この ことは

,

「生活科」の本 来の 目的 とも合致 してお り,「生活 と栽培」 の授業 開講の意義 と有効性が確 認で きた。

また,今 回,受講生 の情意ベ ク トル評価 お よび提 出 レポー ト内容 の分析 か ら,受講生の 意欲,関心 と学習内容 の両面 について確 認す ることがで き,両者 の併用 に よ り,学習内容 の検証 を含 めた よ り有意 な授業評価 の可能性 についての示唆が得 られた。

参考文献

1)末弘百合子,中島元夫,古谷吉男 ;教員養成 カ リキュラムにお ける栽培教育 について, 長崎大学教 育学部紀要教科教育学,第

4 7

,p p. 1 0 9 ‑ 1 1 7

,

2 0 0 7

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平 成

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年度 〜平 成

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年 度科 学研 究 費補助 金基 盤研 究

( C)( 2)

研 究成 果報 告書,

2 0 0 6

表 4. 生活科 ( 0 6 年,後期);〔 難 しい ( Di f f i cul t ) /やさしい ( Eas y) 〕と〔 面白い ( I nt eres t i ng) /面白 くない ( Uni nt er es t i ng) 〕の各カテゴリーに対する反応語数 ( 被験者数 : 1 3 名)

参照

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