中国における有限会社の株式譲渡制限の方法(二・
完) : 日本法との比較
著者 黄 暁林
雑誌名 同志社法學
巻 60
号 8
ページ 111‑136
発行年 2009‑03‑31
権利 同志社法學會
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000011703
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一一一同志社法学 六〇巻八号中国における有限会社の株式譲渡制限の方法(二・完) ―日本法との比較
黄 暁 林
(四三八三)
目 次はじめに第一章 中国と日本における株式譲渡制限の展開 第一節 中国における株式譲渡制限の展開 第一款 一九九三年会社法:株式譲渡制限の採用 第二款 二〇〇五年会社法:株式譲渡制限の充実 第二節 日本における株式譲渡制限の展開 第一款 株式譲渡制限の採用 第二款 昭和二五年以降の株式譲渡制限の充実
第三節 中国と日本の制度の比較の可能性 第一款 比較可能な株式譲渡制限
第二款 法律概念の統一第二章 中国における株式譲渡制限の方法 第一節 株主間の譲渡 第二節 非株主への譲渡に対する制限 第一款 承認決定機関 第二款 譲渡の承認が得られない場合の譲渡株主に対する救済
―
反対した株主の買取義務 第三款 譲渡が承認された場合の既存株主の先買権 第四款 他の株主の承認を得ていない株式譲渡の効力中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一一二同志社法学 六〇巻八号(四三八四)
第三節 株式譲渡制限に関する定款自治の範囲 第一款 株式譲渡制限に関する定款自治の沿革 第二款 定款自治の範囲に関する課題 第四節 特殊な株式譲渡に対する制限 第一款 競売 第二款 株式質入 第五節 株式売買価格の決定 第一款 株式売買価格の決定方式 第二款 株式売買価格の決定手続き 第六節 株式譲渡の対抗要件 第一款 定款の変更 第二款 出資証明書の発行 第三款 株主名簿の名義書換 第四款 商業登記の変更 第五款 複数の手続きを簡素化する必要性第三章 日本における閉鎖型会社の株式譲渡制限との比較 第一節 日本における閉鎖型会社の株式譲渡制限方法
第一款 株主間の譲渡に対する制限 第二款 非株主への譲渡制限
第三款 株式譲渡制限に関する定款自治の範囲 第四款 特殊な株式譲渡に対する制限 第五款 株式売買価格の決定 第六款 株式譲渡の対抗要件 第二節 中国と日本における株式譲渡制限方法のフロー・チャート 第一款 株式譲渡手続きの概要 第二款 株式譲渡制限の諸方法の比較第四章 中国における株式の譲渡制限方法を改善するための提言
第一節 中国の譲渡制限に関する問題点 第一款 譲渡制限に関する二つの問題 第二款 株式譲渡制限における投資回収の確保 第二節 譲渡制限制度を改善する方法 第一款 譲渡制限の簡素化 第二款 整備のためのその他
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一一三同志社法学 六〇巻八号(四三八五)
第三章 日本における閉鎖型会社の株式譲渡制限との比較 第一節 日本における閉鎖型会社の株式譲渡制限方法
本節では、中国における株式譲渡制限との比較をするために、日本における閉鎖型会社の株式譲渡制限方法について
概観する。
第一款 株主間の譲渡
有限会社の場合、株主間で自由に譲渡することができる(旧会社法第一九条)。定款で制限を定めることができない
(整備法第九条二項)。株式譲渡制限のある株式会社の場合は、原則として譲渡が制限されているが、定款で譲渡は自由であると定めることもできる(会社法第一〇七条二項一号)。
第二款 非株主への譲渡制限 一 承認機関
(一) 法定の承認機関
特例有限会社の場合は社員総会(旧有限会社法第一九条二項)、株式会社の場合は株主総会、または取締役会が、譲
渡承認請求に対する決議をする(日本会社法第一三九条)。
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一一四同志社法学 六〇巻八号(二) 定款で承認の決定機関を定めることができる
譲渡制限のある株式会社の場合は、定款で法定の機関以外の承認機関を定めることができる(日本会社法第一三九条一項)。特例有限会社の場合、旧有限会社法第一九条によれば、定款をもって株主総会以外の承認機関を定めることが
できない。
(三) その他の承認方式
法定の承認機関としての社員総会(旧有限会社法第一九条第二項)または定款で定めた承認機関としての取締役会(旧
商法第二〇四条但書)の承認を得ずに、譲渡株主以外の株主全員に承認された株式譲渡は有効であるかどうかが争点となった事件があった。裁判所はこのような株式譲渡は、株主間の緊密な関係を維持するという立法趣旨に合致しており、
会社に対しても有効であるとした(東京高裁平成二年一一月二九日第四民事部判決判例時報一三七四号一一二頁)。
二 指定買取人の先買権(一) 買取人の指定
会社が株式譲渡を承認しない旨の決定したときは、その譲渡制限株式を買い取り、あるいは買取人を指定しなければならない。会社あるいは買取人は先買権を有している(会社法第一四〇、一四一、一四二条)。
(二) 先買権の行使手続き
旧有限会社法、会社法において、株主以外の者への株式譲渡が承認されない場合、会社あるいは買取人が、買取の請
(四三八六)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一一五同志社法学 六〇巻八号 求をする手続が規定されている。たとえば、会社または指定買取人は、法定の期限を過ぎても譲渡株主に買取る旨を通知しなければ、譲渡を承認したものとみなされる。さらに、会社または指定買取人は担保として、一株当たりの純資産額に譲渡株式の数を乗じて得た額を供託しなければならず、そうしなければ、売渡請求は無効となって、譲渡株主は当初の譲受人に譲渡できることになる。
三 会社の承認を得られない株式譲渡の効力
会社の承認を得られずに、譲渡制限のある株式を譲渡した場合、株式譲渡は、譲渡人と譲受人との間では有効であるとされる。しかし、相対的無効説 (
二高小法廷判決、最裁第判所民事判例集二日裁五つ判例(最高昭に和四八年六月一た 1)
七巻六号七〇〇頁)からいえば、譲渡は会社との関係では無効であるので、会社側は譲受人を株主として取り扱う義務はない。譲渡人は会社に対して株主権を行使できる。
第三款 株式譲渡制限に関する定款自治の範囲
旧商法においては、株式譲渡に対して、定款で取締役会の承認を要する旨を定めることができるとされていた(商法
第二〇四条一項)。定款でこれ以外の制限ができるか否かは明らかではなかった。新会社法は、これを明確化し、承認機関、株主間の譲渡、先買権等につき定款で定めることを容認している(会社法第一〇七二項一号ロ、第一三九条一項、
会社法第一四〇条第四、五項)。
特例有限会社の場合は、株式の譲渡制限は法律上の制限であり、定款をもってしても変更を加えることはできない(整
備法第九条二項)。
(四三八七)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一一六同志社法学 六〇巻八号第四款 特殊な株式譲渡に対する制限 一 競売における譲渡制限
競売、公売による取得は、会社の事前の承認なしになされた譲渡制限株式の取得とみなされるであろう (
。会社の事前 2)
の承認なしになされた譲渡制限株式の譲渡は、会社に対する関係では効力を生じないが、譲渡当事者間では有効である。譲受人(競落人)が、株主として取り扱われるためには、会社の承認を得なければならない(最高裁第三小法廷昭和六
三年三月一五日判決 判例タイムズ六六五号 一四四頁)
二 株式の質入
日本においては、昭和四一年以前、株式質入は株式譲渡の規定を準用していたが(昭和一三年有限会社法第二三条二項、大審院昭和六年五月八日判決、新聞三二七二号一八)昭和四一年以降、有限会社でも、株式譲渡制限のある株式会
社でも、株式質入を設定する際には、株式譲渡の規定を準用しないとした。他方、質権を実行する(他人が競売により株式を取得する)際には、株式譲渡の手続きに従わなければならない。
(一) 株式質入の成立要件
株券発行会社の株式の質入れは、株券を交付しなければ、その効力を生じないとされている(会社法第一四六条二項)。株券不発行会社の株式質入の成立要件は明文化されていないが、一般的に言えば、質入しようとする株主と債権者とが
合意に達すると、質入が成立し、双方当事者間で効力が発生する (
。 3)
(四三八八)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一一七同志社法学 六〇巻八号 (二) 株式質入の対抗要件株券不発行株式会社と有限会社の株式質入は、株主名簿に記載されなければ、会社および第三者に対し対抗できない
(旧有限会社法第二〇条)。株券発行株式会社の株式質入は、株主名簿に記載すれば、登録株式質になって、対抗力が生じる(会社法第一四七条一項)。株主名簿に記載しない略式株式質の場合は、株券を継続して占有することによって、
会社および第三者に対抗することができる(会社法第一四七条二項)。
第五款 株式売買価格の決定 一 売買価格の決定方式
日本において、株式の売買価格を決定する際、純資産、収益、配当、類似業種比準等による評価の方式が併用されることがある。各種の方式の平均値を採用した例(千葉地決平三年九月二六日、判タ七七三号二四六六頁)もあり、ある
方式に重きを置く比率を用いた例もある(札幌高裁平一六(ラ)第八八号、判例タイムズ一二一六号)。
二 売買価格の決定手続
譲渡株主と買取人は、被指定者による株式売渡の請求の日から二〇日内に裁判所に対して売買価格の決定の申し立てをすることができる(会社法第一四四条)。裁判所は非訴手続きにより決定する。二〇日以内に裁判所に申し立てがな
ければ、﹁一株あたり簿価純資産×対象株式数﹂を売買価格とする。
(四三八九)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一一八同志社法学 六〇巻八号第六款 株式譲渡の対抗要件 一 株主名簿の名義書換
株式が譲渡される場合、株主名簿の名義書換をしなければ、当該譲渡は会社、その他の第三者に対抗できない(旧有
限会社法第二〇条、会社法第一三〇条一項、第一三三条、第一四七条一項、第一四八条)
二 名義書換の手続き
株主名簿に関する事項は詳細に定められている。記載事項、取締役の責任、名義書換の請求、名義書換の証明書請求
権、名義上の株主に対する通知、名義書換の効果、株主名簿の閲覧、株主名簿の管理人等について規定されている(旧
商法第二〇六条ノ二三項、会社法第一二二、一二五、一二六条)。
第二節 中国と日本における株式譲渡制限方法のフロー・チャート
両国の株式譲渡制限方法のまとめを、以下の図および表で示す。
第一款 株式譲渡手続きの概要 一 中国における譲渡手続きの概要(図三)
第二章のように、中国において、有限会社の株式を非株主に譲渡しようとする場合、譲渡株主は他の株主に譲渡承認
を請求し、他の株主の過半数の承認を得なければならない。譲渡人以外の株主の過半数の承認を得られない場合、承認しない株主はその株式を買い取らなければならない。買い取らなければ、同意したとみなされる。承認が得られたとし
(四三九〇)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一一九同志社法学 六〇巻八号通知なし
(同意の株主が 買取なし
譲渡株主以外の株主の 過半数を超過すると、
承認になる)
同意があったものとみなす
定款の変更 出資証明書の発行 株主名簿の名義書換 商業登記簿
【図三】 中国における株式譲渡手続きの概要 価格の決定(決定の手続きが規定されていない)
承認・不承認の通知 (請求から30日以内)
譲渡株主は他の株主に対し株式譲渡を承認をするか否かにつき回答するよう請求
他の株主の過半数の承認を得た場合 他の株主の過半数の承認を得られない場合
既存株主の先買権(先買権の行 使期限、方式、行使担保、行使 効果などは規定されていない
不同意の株主の買取義務(義務の履行 期限、方式、効果等は規定されていな い)
ても、既存株主は同等の条件で、譲渡される株式を優先的に
買い取る権利を有する。株式譲渡に関する事項は、定款、株主
名簿および商業登記簿に記載されなければならない。また、新
たに出資証明書が発行される必要がある。譲渡手続きの概要は
図三の通りである。
二
日本における譲渡手続きの概要(図四)
第三章のように、日本におい
ては、株式を非株主に譲渡する場合、譲渡株主あるいは譲受人
は会社に承認を請求する。株式譲渡制限のある株式会社の場合
は株主総会または取締役会、特
(四三九一)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一二〇同志社法学 六〇巻八号
通知なし
(買受人が指定買取人の場合) (買受人が会社の場合)
請求なし 請求なし
協議が調った場合
裁判所への請求ない場合
供託価格を売買価格とする 価格決定
承認した
【図四】 日本における株式譲渡手続きの概要 株主名簿の名義書換 譲渡承認があったものとみなす 譲渡株主(譲受人)会社に対し株式譲渡を承認をするか否かにつき回答するよう請求
会社は請求者に対し、譲渡を承認しない旨の通知をする
(請求から 2 週間以内)
価格の協議
裁判所への価格決定請求(請求から 20 日)
株主総会特別決議により指定買 取人とされた買受人から譲渡株主 に売渡請求(通知から10日以内)
(先買権の行使)。買受人はx円を 供託し、それを証する書面を添付。
会社が買い受ける旨の株主総会 特別決議を経て譲渡株主に売渡 請求(通知から40日以内)(先買 権の行使)。買受人はx円を供託 し、それを証する書面を添付。
例有限会社の場合は社員総会
で、譲渡を承認するかどうか決定する。承認しない場合、会社
はその株式を買い取るか、あるいは会社にとって好ましい者を
買取人に指定して買い取らせることができる。株式の売買価格
は当事者間の協議による。また、裁判所に株価決定の請求す
ることができる。所定の期間以内に、裁判所に対する申立てが
ないと、会社または指定買取人の供託額を売買価格とする。株
式の譲渡は、そのことが株主名簿に記載されなければ、会社お
よび第三者に対抗できない。譲渡手続きの概要は図四の通りで
ある。
(四三九二)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一二一同志社法学 六〇巻八号 第二款 株式譲渡制限の諸方法の比較次の表は、両国における株式譲渡制限方法の比較について示している(表一)。
【表一】両国における株式譲渡制限方法の比較 国 家
事 項
(有限会社)中 国
日 本 特例有限会社 譲渡制限のある株式会社
⑴株主間の譲渡 会社法 自由 自由 制限
定款 制限される 制限されない 自由
⑵非株主への株式譲渡に対する制限
①承認機関
法定 他の株主の過半
数の承認 株主総会 株主総会また は取締役会 定款 定められる 定められない 定められる 他の方式 規定ない 他の株主の全員の承認
(裁判例)
② 不承認の 場合の譲渡株主の 救済
救済方法 支持しない株主
の買取義務 買取人の指定 買取人の範囲 支持しない株主 会社が好ましい者 関連手続き 不明確 明確
③先買権 生じる場合 承認を得た場合 不承認の場合 関連手続き 規定ない 明確
④ 承認を得 ない株式譲渡の効 力
譲渡当事者に対
する関係 有効 有効
会社に対する関 係
裁判所に当該譲 渡を撤回するこ とができる 無効
⑶特殊な株式譲渡制限
①競売 利益が優先的に
考慮される者 既存株主 最高価の申出人
②株式質入
株式譲渡との関
係 株式譲渡の定め
を準用する
質権設定と質権実行とに分 けられ、株式譲渡の定めを 質権実行に準用する 成立要件 株主名簿への記
載 当事者の合意あるいは株券 の交付
対抗要件 不明確 株主名簿への記載
⑷ 譲渡制限に関 する定款自治 の範囲
何でも定款で定 められて、範囲 が広すぎる
定款で定めら れない
承認の決定機 関、 先 買 権 者、株主間の 譲渡自由
⑸ 株式の売買価 格の決定
決定方式 純資産 各種の方式の併用 決定手続き 不明確 明確
⑹ 譲渡の対抗要 件
種類 定款、出資証明 書、 株 主 名 簿、
商業登記 株主名簿
効力
不 明 確( 定 款、
出 資 証 明 書 )、
会社に対する対 抗 力( 株 主 名 簿 )、 第 三 者 に 対する効力(商 業登記)
会社とその第三者に対する 対抗力
関連手続き 不明確 明確 (四三九三)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一二二同志社法学 六〇巻八号第四章 中国における株式の譲渡制限方法を改善するための提言 第一節 中国の譲渡制限に関する問題点 第一款 譲渡制限に関する二つの問題
中国の株式譲渡制限の問題点は次の通りである。
一 手続の簡素化の必要性
(一) 譲渡承認請求の手続
中国では、有限会社の株式を譲渡する場合、他の株主の過半数の同意を得なければならない。株主は、株式譲渡につ
いて他の株主に承認を求めなければならない(会社法第七二条二項)。承認を求める際には、個別に通知する必要がある。他の株主は、株主総会の場ではなく、他の時点で株式譲渡に対して承認するか否かを表明することになり、承認請求お
よび承認には時間がかかる。他の株主は承認請求を受けた日から一个月以内に承認するか否かについて回答しなければならない。
日本においては、特例有限会社の場合は社員総会(旧有限会社法第一九条二項)、株式会社の場合は株主総会、または取締役会が、譲渡承認請求に対する議決をする(日本会社法第一三九条)。請求者は会社に承認請求をすれば十分で
ある。承認の決定は、二週間以内にしなければならない。
(四三九四)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一二三同志社法学 六〇巻八号 (二) 譲渡の承認が得られない場合の不同意の株主の買取義務、承認が得られた場合の既存株主の先買権他の株主の承認を得られない場合、譲渡に反対した株主はその譲渡株式を買い取らなければならないという定めは、
会社の閉鎖性を維持することになり、立法趣旨としては合理的であると考える。
譲渡に対して承認が得られたとしても、既存株主には先買権が認められている。既存株主が先買権を行使しなかった
場合に、ようやくもとの譲受人に譲渡できる。
(三) 株式質入
有限会社の株式を質入する場合、質入の設定と実行とは区別されず、会社法の株式譲渡に関する定めが準用される(担
保法第七八条三項)。株式質入は、質権設定と質権実行という二つの段階に分けられ、質権実行については、株式譲渡と変わりがないといえる。質権設定の段階では、質権者は株主として会社の運営に参入することができないから(第二
章第四節第二款)、会社の承認を得ることまでは必要ないといえる。会社の承認を得なければならないとすると、株式の質入は困難となり、融資手段としての株式質入を利用しにくくなろう。
(四) 名義書換
株式が譲渡された後、定款、出資証明書、株主名簿、商業登記の記載を変更しなければならない(会社法第二五条一
項四、五号、第三二条一項、第三三条、第七四条)。四つの変更手続きをすべて行うのは、煩雑であるといえる。譲渡当事者は取引コストが増える。会社の管理費用も増大させる。
四つの変更手続きが設けられた理由は、株式取引の安全性が考慮されたためである。一方で、このように複雑な変更
(四三九五)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一二四同志社法学 六〇巻八号手続きが、円滑な取引を妨げることについても留意する必要があろう。
これに対して、日本の制度は次の通りである。①譲渡が承認されない場合は、会社は自己にとって好ましい者を買取人として指定しなければならない。指定された買取人は先買権を有する(第三章第一節第二款)。譲渡の承認が得られ
れば、譲受人に譲渡することができる。②請求者が譲渡承認を求める際、会社に通知すればよい(第三章第一節第二款)。③質権設定は当事者の合意(株券の発行の場合は株券の交付)により成立する。質権実行は株式譲渡に関する定めを準
用する(第三章第一節第四款)。④株式譲渡後、株主名簿の名義書換をしなければ、会社および第三者に対抗できない(第三章第一節第六款)。
二 制度の不十分な点
会社法において、譲渡制限制度について明らかにされていない点も多い。
① 譲渡を承認した場合、既存株主の先買権の行使手続き。
② 承認を得ていない株式譲渡の効力。
③ 株式質入の対抗要件。
④ 譲渡制限に関する定款自治の範囲。
⑤ 株価の決定手続き。
⑥ 株式が譲渡される場合、定款、出資証明書の変更の効力、および四つの手続間の関係。
(四三九六)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一二五同志社法学 六〇巻八号 第二款 株式譲渡制限における投資回収の確保 一 円滑な投資回収に対する妨げこのように、中国の株式譲渡制限制度には、問題点が少なくない。手続きが複雑であるから、譲渡株主には株式取引
の時間、費用がかかるばかりか、投資回収も困難になる。制度に不明確な点があることも投資回収の障害になる。たとえば、他の株主の過半数の承認を得られない場合、不同意の株主は、譲渡しようとされる株式を買い取ることが必要で
あるが、買取の請求、期限、方式等が明らかではない。譲渡に不同意の株主は買い取る期限が明文化されていないことを利用して、買取義務の履行を引き伸ばすことができるかもしれない。また、株式譲渡制限に関する定款自治の範囲は
制限されていないから、大株主は、これを利用して、厳格な譲渡制限を設け、少数株主の投資回収を阻止することができるかもしれない。
二 投資回収の促進による株式譲渡自由の確保
中国における有限会社の株式譲渡制限においては、株主間の関係が非常に重視され、譲渡による投資回収は軽視されている。譲渡制限によって、既存株主間の緊密な信頼関係を維持し、円滑な会社運営ができるように配慮することは必
要である。しかし、株式譲渡が制限されすぎれば、株主の投下資本回収は困難になろう。そうすると、近代市民社会を支える私有財産権の保護が不十分となる。このように、株式譲渡を無制限に制約できるわけではなく、どのように投下
資本の回収を確保すればよいのか考慮される必要がある。
(四三九七)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一二六同志社法学 六〇巻八号第二節 譲渡制限制度を改善する方法
前述のように、中国における有限会社の株式の譲渡制限には、問題点が少なくなく、円滑な投資回収が容易ではない。
憲法における私有財産権保護にも合致せず、二〇〇五年中国会社法における投資の促進および投資者保護の目的が実現されているとはいえない。一方、日本の制度は、投資回収を確保する観点からみれば、中国の制度より合理的な点が多
いと思われる。そこで、本節では日本の制度を参考にして、中国における有限会社の株式譲渡制限制度を改善するための提言をする。
第一款 譲渡制限の簡素化 一 譲渡承認手続き
―
株主総会を法定の承認決定機関に―
中国では、非株主への株式譲渡は、他の株主の過半数の承認を得なければならない(会社法第七二条二項)。日本に
おいては、特例有限会社の場合は社員総会(旧有限会社法第一九条二項)、株式会社の場合は株主総会、または取締役会が、譲渡承認請求に対する議決をする(日本会社法第一三九条)。株主総会の承認という要件は、他の株主の過半数
の承認よりも緩やかな要件であるといえる(第二章第二節第一款)。
さらに、株主総会を開催して株式譲渡について決議をすることには次のような利点がある。
(にるきでがとこるす議論分一十ていつに項事渡譲) 。
(あの確定等様々な要素がる価。これらの事項につい格、二、) 株式譲渡に関しては譲数受人、譲渡される株式のて
個別に株主の承認を求め、他の株主が別々に回答することは、手間がかかる。株主総会において株式譲渡に関する事項について決議することによって、煩雑さを避けることができる。
(四三九八)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一二七同志社法学 六〇巻八号(するきでがとこるく三短を限期認承) 。
株主総会を法定の承認決定機関とすると、譲渡株主は個別に他の株主の承認を求める必要はなくなる。譲渡株主が迅
速に投資を回収することを確保するために、承認期限は短くするべきである。有限会社の株主総会の招集は複雑ではないので、承認期間は日本のように二週間程度で十分であると考える。
二 指定買取人制度の導入および関連する制度の改善
(導買取人制度を入指するべきである定、一主) 反対した株のし買取義務を廃止。
非株主への株式譲渡が承認されない場合、中国では反対した株主には買取義務がある。株主間の緊密な関係を維持す
るために譲渡に反対しようとする株主は、買い取るための資金がなければ、仕方なく承認する可能性もある。また、既存株主は、買取義務の履行手続が不明確であることを利用して、買取を引き伸ばすことができるかもしれない。従って、
反対した株主の買取義務は、株主間の関係の維持および譲渡株主の投資回収に役立たないであろう(第二章第二節第二款)。
日本においては、会社は譲渡を承認しない時、会社自身が買い取るか、会社にとって好ましい者を買取人に指定する
ことができる。買取人は先買権を有している。買取人の範囲が広くて、中国のような資金難による問題がない。(第三章第一節第二款)。
指定買取人制度が導入されることによって、会社にとって好ましい者が株式を買い取ることができれば、株主が投資を回収しやすくなり、株主間の関係を維持することもできる。
(四三九九)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一二八同志社法学 六〇巻八号会社自身が譲渡しようとされる株式を買取ることができるかどうかについては、中国会社法第七五条について検討す
る必要がある。
﹁をて合理的な価格で株式買対い取るよう請求できるしに次主のいずれかの場合、株総社会で反対した株主は、会。
1
が五年連続して配当をしないとき社、会件配当できる条をに満たしているの。
2
渡譲の産財要重びおよ割分、併合の社会。。﹂きとたれさが議決るす続存
3
し満で定款を変更し会社をが総間期業営るめ定で款定会主ま他たは定款で定めるそのの株解散事由了生じたが、がこの条文によれば、有限会社は譲渡しようとされる株式を、買い取ることができないと考えられる。株式会社は、法定の場合を除き、自己の株式を取得してはならない (
考をとるあで難困、はのるす入導度制る取買が身自社会、てっ従。 4)
える。
(を株主の先買権廃既止すべきである存、二る) 譲渡に対す承合認が得られた場。
第二章第二節第三款で述べたように、譲渡承認を得られた場合でも、既存株主には同等条件の下で元の譲受人より優先的に株式を買い取る権利を有していることは、以下の点で譲渡手続きを複雑にすることになる。
1
があるので、同等条件の判断が難しい要必るく価格だけではな、す他の要素も考慮。
2
である。会社法第七二条二項、三項によれば、反対雑が複務反対した株主の買取義と係既存株主の先買権との関した株主は二回の買取機会があるかもしれない。反対した株主はこれを利用して株式譲渡を妨げることができるかもしれない。(第二章第二節第二、三款における裁判例)。
(四四〇〇)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一二九同志社法学 六〇巻八号 日本においては、会社の承認が得られれば、元の譲受人に譲渡できる。中国のような既存株主の先買権制度がない。中国において指定買取人制度が導入されれば、既存株主および会社にとって、好ましい者を買取人を指定し、会社の人的関係を維持することができ、株主の投資回収も確保することができる。既存株主の先買権制度が存在する必要がなくなる。
三 名義書換制度の改善
―
株主名簿を中心に―
株式が譲渡された後は、株式移転を対外的に明確化する手続き、すなわち名義書換が必要である。中国では、定款の変更、出資証明書の発行、株主名簿の記載の変更、商業登記簿の記載の変更という四つの手続きが設けられている。株
主名簿は会社、商業登記は第三者に対して対抗力がある。定款、出資証明書の効力は明らかにされていない。四つの変更手続きがすべて必要であるとすれば、時間がかかって、煩雑であるといえる。譲渡当事者にとって取引コストが増え、
会社の管理費用は増大する。実際に、四つの手続きがすべて行われる場合は少ない(第二章第六節第五款)。日本では、株式譲渡後、株主名簿の名義書換をしなければ、会社および第三者に対抗できない。中国の制度と比べると、譲渡手続
きは簡易であるといえる。そこで、日本の名義書換制度を参考に、中国の法制を簡素化することを提言したい。
(換ていつに力効の書一義名の簿名主株) 。
株式譲渡後、株主名簿に記載されなければ、会社および第三者に対抗することができないとするべきである。名義書
換が円滑に行われるために、株主名簿の備置、記載事項、名義書換の請求、株主名簿記載事項を記載した書面の交付などについても規定する必要がある。
(更るあできべすと要不は変二の載記の簿記登業商) 。
(四四〇一)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一三〇同志社法学 六〇巻八号取引の安全性を保証するために、商業登記簿の記載の変更が必要とされているが(第二章第六節第五款)、このこと
によって取引の円滑性が妨げられているばかりか、株式取引の安全性を保証できないおそれもある。たとえば、上海のA社は商業登記簿の変更をするために、北京の登記所に申請する必要があるかもしれない。また、株主名簿の名義書換
から商業登記簿の変更まで、一个月の期限があるから、この間、株主名簿と商業登記簿の記載が異なる可能性も生ずる。これらの問題点があることから、株式譲渡後、商業登記簿の記載が変更されることは少ない。
。、らめ認てしと主株ばるれあが拠証す示をれ。こ保るなにとこるす護をこ人受譲、はとこのと (権い簿名主株後渡譲式株はる記あ、いなが簿名主株) に載利主を三しているのてしと株さ、もで合場いないてれ有
1
は株主としての権利を有しているという証拠になる載記の資株式譲渡後、定款、出証そ明書の記載があれば、。
2
を行使してきたという事実があれば、株主として認利の権証このような書面による拠てがない場合は、株主としめられるべきである。
四 当事者の合意による株式質入の設定
株式質入は株式譲渡の定めを準用するという規定に従えば、株式を質入するためには会社の承認を得なければならな
い。株式質入は、質権を設定する段階と質権を実行する段階に分けられる。質権実行のためには、株式譲渡の規定が準用されるが、質権実行までの間は、質入した株主は株式を譲渡しておらず、質権者も会社の運営に参画することはでき
ない。従って、会社の承認を得る必要はないといえる。中国の定めによれば、質権設定手続きが困難になり、融資を受けるための手段として利用されにくくなる(第二章第四節第二款)。
日本では、質権設定は会社の承認を得なくても、当事者間では有効である。株券発行会社の株式質入のためには、当
(四四〇二)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一三一同志社法学 六〇巻八号 事者の合意のほかに株券を交付することが必要である。有限会社の株式質入は、質入をする株主と債権者とが合意に達すると、双方当事者の間で効力が発生する。株券不発行の場合は、質入に関することが株主名簿に記載されなければ、会社および第三者に対抗できない(第三章第一節第三款)。
中国の株式質入制度について、改善すべき点は、以下の通りである。
(者るす立成りよに意合の事一当は定設の入質式株) 。
中国において、有限会社は株券を発行していないから、株式質入の設定は、当事者が合意に達すると、成立する。株式質入の実行については、株式譲渡の定めを準用する。
(者会社および第三にば対して対抗できる、れ二定) 株式質入の設はれ株主名簿に記載さ。
株主が質入した株式を勝手に譲渡して、質権者が不利益を蒙ることを防止するために、質入に関する事項を株主名簿
に記載する必要がある。株主名簿に記載されれば、会社および第三者に対して対抗できる。
第二款 整備のためのその他
既存株主が不明な点を利用して株主の投資回収を妨げることを防止するために、次の点を明確化する。
一 先買権の行使手続きの明確化
中国において既存株主の先買権の行使手続きについては、明文の規定がない。既存株主はこのことを利用して(たと
えば、行使期限が定められていないことを利用して)、先買権の行使を引き伸ばして、譲渡株主の投資の回収を妨げる
(四四〇三)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一三二同志社法学 六〇巻八号ことができる(第二章第二節第三款における裁判例)。日本の指定買取人による先買権制度を導入するのであれば、売
渡請求の手続きに関すること、たとえば、請求期間、方式、効果等について明確にする必要がある。
(一) 売渡請求の期限
指定買取人は株主に譲渡しようとされる株式について、一定の期間内に自己に売り渡すように通知しなければ、譲渡
を承認したとみなされるようにすべきである。これによって、二つの利点が生じる。譲渡株主は、指定買取人に買い取るか否かを問い合わせる必要がなくなる。中国では、譲渡株主が何度も買取人に問い合わせた事例もある。先買権の行
使期限が明確にされていないことを利用して、株式の買取を引き伸ばすことを防止し、譲渡株主の投資回収を確保することができる。
(二) 売渡請求の効果
日本のように、指定買取人が売渡請求をしたときは、その者と株主との間に株式売買契約が成立するとすべきである。なお、株主から買取人指定の請求があれば、実質的には、これは会社の指定した者に株式を売却するという趣旨の売買
の申込に当たり、指定買取人による売渡請求はこれに対する承諾に当たるものとみることができる。契約が成立すれば、双方は契約に従わなければならない。そうすれば、株主が投資を回収しやすくなるだけでなく、会社の人的な関係の維
持にも資する。
(四四〇四)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一三三同志社法学 六〇巻八号 (三) 売渡請求をするための要件としての金銭の供託指定買取人が譲渡株主に売渡を請求すること、すなわち譲渡契約が成立するが、売渡請求者が株式代金の支払をする
かどうかも重要である。譲渡株主の投資回収を確保すること、すなわち、株式代金支払債務の履行を担保するために、売渡請求者が一定の金銭を供託することが必要である。なお日本においては、供託前になされた売渡請求の通知は原則
として無効である(第三章第一節第二款)。
二 会社の承認なき株式譲渡の効力
(関該株式譲渡は会社との係、では無効である。これ当が一式) 会社の承認のない株譲る渡は当事者間で有効であは
両国において認められている(第二章第二節第四款、第三章第一節第二款)。閉鎖型会社における人的な特徴を考慮し、会社にとって好ましくない者が、株主として会社に対して株主権を行使することを防ぎ、会社運営の安定を図るためで
ある。承認のない株式譲渡は当然に無効とする必要はなく、会社に対し効力を生じないとすれば十分である。
(い主張することができなが権、譲渡株主を通じて、を主二な) 会社の承認が得られい株譲受人は、会社に対して会
社の運営に影響を与えることができるかもしれない。このような場合の解決策について、日本では明らかにされていな
い(第三章第一節第二款)。中国の最高裁判所の見解によれば、会社は裁判所に対して承認しない株式譲渡の撤回を請求することができる(第二章第二節第四款)。この解決策を採用するのであれば、会社は一定の期限を過ぎても撤回す
る権利を行使しなければ、当該譲渡を承認するとみなされ、当該譲渡が撤回される前は、会社は譲受人ではなく、譲渡人を株主として取り扱えばよい。
(四四〇五)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一三四同志社法学 六〇巻八号三 売買価格決定の合理化
(一) 決定方式
中国において広く採用されている純資産方式は簡易ではあるが、会社の運営状況を正確に反映することができないお
それがある。ある決定方法だけを採用すれば、一方の当事者が有利となり、もう一方が不利になる場合もあるであろう。日本の裁判所は、株価を決定する際に、株価に影響を与える要素を斟酌して、各種の方式(純資産、収益、配当、比準)
を併用するときもある。
(二) 決定手続
売買価格決定のための手続を明文化する必要がある。中国の実務は、当事者の合意、あるいは鑑定人の鑑定による。
裁判手続きについては規定されていない。売買価格の決定は複雑であるので、争いが生じるおそれがある。裁判所に申し立てることができるようにする必要がある。裁判所は非訟手続きにより、鑑定を参考にして価格を決定することがで
きる。
四 株式譲渡制限に関して定款自治が妥当する範囲
有限会社、閉鎖型株式会社における人的な特性から、定款で株式譲渡を制限することができるのは、両国において共
通する。しかし、定款による譲渡制限が認められる範囲は異なる。中国では、ほとんどすべての法定制限(承認機関、株主間の譲渡、先買権、譲渡承認手続等)に関して、定款で定めることができる。
定款による譲渡制限の範囲は広すぎるといえる。たとえば、定款で長期間の承認期限が認められた場合、譲渡株主の
(四四〇六)
中国における有限会社の株式譲渡制限の方法
一三五同志社法学 六〇巻八号 投資回収、および譲受人による出資は、順調に進まないであろう(第二章第三節第二款)。日本においては、会社の承認期限(二週間)、会社による売渡請求の期限(四〇日)および指定買取人による売渡請
求の期限(一〇日)よりも短い期限を定款で定めることができる(旧有限会社法第一九条第五項、会社法第一四五条第二号)。定款自治の範囲が制限されれば、中国のような問題が生じる可能性は低くなろう。このように、日本の制度を
参考に、中国の株式譲渡制限における定款自治の範囲を制限する必要がある。
(期、法定期限よりも短い限うを定めることができるによ一よ) 承認期限、買取人にるの売渡請求の期限。前述。
(の認めた上で、定款で他承と認機関、または承認のをこ二が) 承認機関。株主総会株る式譲渡について決議でき方
法を定めることを容認する。日本の会社法第一三九条によれば、承認機関について、定款で自由に定めることができる。法定承認機関(株主総会)の下位機関による承認は、譲渡株主の投資回収を妨げることにならないのであれば、認めら
れる。しかし、法定機関による承認の要件より厳格に、たとえば、定款で全株主の承認を得なければならないとすれば、譲渡は困難になるので、このような承認方式は認められないであろう。
(
1克号三四頁。上柳郎八﹁新版注釈会社五三) 法味村治﹁改正商逐務条解説﹂商事法法
( 商と譲渡当事者間の効力等﹂民法制雑誌七〇巻第四号一二七頁。限渡式株るよに款譲 3、和昭﹂(閣斐有一式六株年)七一。塩田親文﹁定頁
( 2江、。頁九二二)年八〇〇二閣頭) 有﹂(法社会式株﹁郎治憲斐 3) 前田庸﹁新版注釈会社法(
( 14有成頁三七一)年二平限)閣斐有﹂(社会、
4該ただし、次の状況の一つにす当いる場合はこの限りではない。な) は中国会社法第一四三条会社、ら自社の株式を買い上げてはな。
⑴ 会社の登録資本を減少するとき。
⑵ 自社の株式を保有する会社と合併するとき。
(四四〇七)