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会計基準の国際的収敵に関する再検討

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Academic year: 2021

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修士論文要 旨 「会計基準の国際的収数の再検討

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会計基準の国際的収敵に関する再検討

AReconsiderationforthelntemationa】ConvergenceofAccountlngStandards.

神奈川大学大学院 経営学研究科 国際経営専攻 博士前期課程

田 中 文

要 旨

21世紀 を迎 えた今 日、"会計 は環境 の産物 であ る" と形容 されるように、先進国をは じめ とす る 会計制度 ・会計実務 は国ごとに異 なっている。 こ れは、会計が各国の経済の一部 として機能 してい る場合、それぞれの経済社会が会計 に求めている 役割や実際 に果 た している機能が異 なることに起 因 している と考 えられる

しか し、 この ように各国の会計環境上の相違が 存在 しているのに もかかわ らず、国際会計基準審 議 委 員 会 (InternationalAccountingStandards Boards、IASB)の体制下で、"資本市場 の グロー バ ル化 に適応 す るため" とい う題 目に基づ いて、

会 計 の 調 和 化 (harmonization)か ら収 赦 (convergence)へ と変革が急速 に進行 しつつある

国際会計基準 の是非 を参加 国の判断で検討す ると い う意味合いは消 え、国際会計基準‑の批准が当 然の義務 として基準 の全面的遵守が求め られるこ とになる。 この ような潮流 において、各国におけ る選択肢が狭 め られる可能性が出て きてお り、会 計 とその他 の経済 システム との間に何 らかの歪み が生 じる危険性がある といわ ざるを得 ない。

本稿の主 目的は、会計基準の国際的収数 に到 る 潮流 に着 目 し、会計基準 の設定のあ り方 について 検討 を加 える ところにある。そ して、国際的な会 計基準 に求め られる本来の意義や本質 を問い直す こ とに よって、現行 のIASBが推 し進 め て い る

"会計基準 の収敷" とい うハ ー ド ・ラ ンデ ィング に対す るデメ リッ トを指摘 し、会計基準設定 に関 し現段 階においては、完全 な収赦ではな く条件別 収蝕の必要性 を提示す ることにある

本稿 の構成 は以下 に示す通 りである。

第一章では、経済活動の国際化の状況 について 示 し、国際的な会計基準設定の潮流 についてその 歴史的経緯 を概観 している。会計基準が国際社会

において重要 な問題 として認識 されている ととも に、会計基準の国際的収蝕 とい う方向性が大 きな 史的潮流 となる可能性 を示 している。 また、会計 基準設定 において、アメリカの会計環境が国際会 計基準 に大 きな影響 を及ぼ していることを確認 し ている。

第二章 で は、国際的収敵 の基礎 となってい る IASBについて論述 している。現行のIASBにおけ る会計基準設定 は、論拠不詳の まま現実の決定 だ けが既成事実化 されてい る印象が強 い。そ こで、

現代 における "国際会計基準論議" を整理す る意 味 で、会計基準設定主体 であるIASBの位置づ け を示す とともに、IASBが定款 に示 してい る質の 高い比較可能性 とは何か と言 う問題 を含め比較可 能性の基礎概念 に言及 し、現行の会計基準設定 に 対す る課題 を明示 している。複雑 な会計環境 を改 善す るためには当然簡素化 とい う作業が必要であ り、企業 間又各国における相違 は、有用 な情報の ため にはある程度無視 されなければな らないが、

中には無視で きない重要 な相違があることを指摘 し、現段階において、会計基準 を収赦す ることは 早計 であることを示 している

第三章では、会計基準の国際的収蝕の本質的要 素 を明 らかに し、国際的な会計基準設定のあ り方 について考察 している。 この議論 については、企 業結合 に関す る代 替処理案排 除の問題 を取 り上 げ、過度 な会計基準 の収数 によって生 じる会計情 報の歪みについて比較可能性の見地か ら論 じてい る。比較可能性 に関す る2つの見解 を明示 してい るが、"会計 は環境 の産物"である とい う歴史的 な背景 を踏 まえ、財務報告 における質の高い比較 可能性 を追求す るためには、 まず何 よ りも財務諸 表 に真実 に企業実態の写像が なされることが重要 である。企業結合 にみ られる会計理論や実務 との 整合性が明 らかにされない とい う状況 において無 理 な収蝕 を行 うことは、企業実態の写像 を伴 わず 形式的な比較可能性 の域 をでることはない。国際

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166 研究年報 第7号

的な会計基準 の設定 においては収蝕の限界 を認識 すべ きであ り、条件別収敦 を目指す ことが望 ま し いことを示 している。

現在、展開 されている収敵の議論 は、その是非 は別 にす ると、会計 デー タの "比較可能性"が強 気 に意識 されて きている しか し、各国会計 デー タの比較可能性 は、会計基準の共有 とい う条件の みでは達成す ることは難 しく、 また、各国でそれ ぞれに会計基準の弾力性 の除去が行 われる とい う 条件のみで も国際的調和 は達成 されない。

本稿 において強調 したい ことは、過度 な収敵 は、

代替的処理方法 を過度 に利用す ることによって生 じる会計情報の歪み と同 じぐらい、 もしくはそれ 以上 に比較可能性 を欠いた情報 を生み出す危険性 を学 んでいる とい うことである

会計基準 はあ くまで 自律的な ものであることに 間違いないが、経済活動が グローバルに展 開 され ている今 日においては、国際会計基準 との東経 は 許 され ない状況 に置 か れてい る こ とも確 かであ る。今後 は、大国アメ リカの思考 に押 し流 される ことな く多 くの国が会計基準設定 に携 わ り、国際 的な会計基準 の基礎 となる会計理論 の是非 につい て議論 されることが望 ま しく、同時 に、 自国の固 有の経済環境 を会計基準設定 に反映 させ るための 働 きかけが重要であると考 える

参照

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