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地域福祉計画評価へのソーシャル・キャピタルの活用

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(1)

地域福祉計画評価へのソーシャル・キャピタルの活用

―A市におけるアンケート調査の結果から―

髙 瀨 慎 二  長谷中 崇 志 

Ⅰ.はじめに

 地域福祉計画策定が2003年より施行されて10年 以上経ち、多くの地域福祉計画研究が行われてき ている。これまでの地域福祉計画に関する先行研 究の多くは、①地域福祉計画の策定方法に関する もの、②計画内容に焦点をあてて検討したもので

あり1)−2)、地域福祉計画の評価に関する研究が今

後の課題となっている3)。現在、各自治体におい て地域福祉計画策定が進められている中で4)、「市 町村行政にとって地域福祉計画の必要性や有用性 は、依然として明確になっているわけではない」

現状5)を克服していくためには、地域福祉計画の 評価方法論の確立にむけた実証研究の蓄積が必要 である。

 地域福祉計画の評価法に関する科学的な根拠の 確立が求められている中で、安全・安心な地域社 会に影響を与える社会的要因の一つとして、ソー シャル・キャピタルが学際的に注目され6)−9)、地 域福祉分野への応用が期待されている10)−11)。ソー シャル・キャピタルに関する研究は、社会学、政 治学、経済学など様々な分野において行われてき ているが12)、とりわけ近年、ソーシャル・キャピタ ルと健康の関連を検討する研究が増えている13)。 海外だけでなく日本においても注目され、ソー シャル・キャピタルと健康との間に関連がみられ ることを実証する研究が蓄積されてきている14)−16)。 ソーシャル・キャピタルの定義や測定指標につい ては、研究の文脈によって異なっており、必ずし も定まっていないが17)、ソーシャル・キャピタル に関する研究において健康分野は「最も実証分析 が進んだ領域の一つ」とされており18)、「この10 年あまりの間に、海外だけでなく日本においても、

ソーシャル・キャピタルが豊かであることが健康 にとって好ましいことを示唆する研究が蓄積され てきた」19)ことをふまえれば、ソーシャル・キャ

ピタルと健康との関連に着目して地域福祉計画評 価への活用の有効性を検討することは有用である と考えられる。

 本研究では、地域福祉計画の評価におけるソー シャル・キャピタルの活用可能性を検証するため の基礎的分析として、A市におけるアンケート調 査を素材とし、ソーシャル・キャピタルと健康と の関連について検討する。

Ⅱ.方法

 (1)調査対象と方法

 本研究で用いるデータは、A市第 1 期地域福祉 計画策定(地域福祉活動計画と一体的に策定)に むけて実施されたアンケート調査である。具体的 には、住民基本台帳より無作為抽出された20歳以 上の男女2,000人を対象として、2011年 9 月に市 役所を通じた郵送配布回収調査を行った。回収数 は871票(回収率43.6%)であった。A市の概要は 以下の通りである。人口約 5 万人の地方都市で約 20,000世帯、高齢化率約21.0%、 5 小学区、 2 中 学校区である(2013年 3 月現在)。

 ソーシャル・キャピタルの定義や測定指標につ いては統一化されていないため、先行研究20)−22)

をふまえ、本研究では、ソーシャル・キャピタル の主な構成要素とされている「信頼」「規範」「ネッ トワーク」に焦点をあてて分析を行った。

 (2)調査項目

 ソーシャル・キャピタルの構成要素「信頼」「規 範」「ネットワーク」を調査するために選択式の 調査項目を設けた。同様に心身の「健康」につい ての調査項目も設けた。

(2)

Ⅲ.結果

 (1)アンケート回答者の基本属性

 アンケート調査の回答者の性別は男性が352名、

女性が509名、未記入が10名だった。年代別の回 答者の分布を図1に示した。若年層や高齢層から の回答は少なく、30~70代からの回答が多かった。

 (2)信頼と健康

 ソーシャル・キャピタルの構成要素の1つと考 えられている「信頼」と心身の「健康」に関連す る4種の項目(日常的な精神疲労、不安度、主観 的健康度、くらしに対する主観的満足度)との関 係について検討した。信頼の程度については、 5 段階で点数化し( 5 :信頼しあっている~ 1 :信 頼しあっていない)、「信頼しあっている」と「や や信頼しあっている」をまとめて「信頼あり」と し、「やや信頼しあっていない」と「信頼しあっ ていない」をまとめて「信頼なし」として集計し た。日常的な精神疲労、不安については数値が高 いほど、精神疲労、不安を強く感じていることを 意味し、主観的健康度、主観的満足度について は、数値が低いほど健康やくらしに対する満足度 が低いことを意味する。近隣住民への信頼と心身 の「健康」に関する4項目との関係をまとめたも のを図2に示した。信頼の程度(信頼あり、どち らでもない、信頼なし)を要因とする一要因分散 分析(ANOVA)の結果、4項目(日常的な精神 疲労、不安度、主観的健康度、くらしに対する 主観的満足度)のすべてにおいて、有意差が認め られた(日常的な精神疲労:

F

2,825=11.51,

p

<.01、

不安度:

F

2,825=7.37,

p

<.01、健康状態への満足度:

F

2,816=4.84,

p

<.01、現在のくらしの満足度:

F

2,817

=18.65,

p

<.01)。それぞれの項目についてテュー キー法を用い下位検定を行った。全体的に近隣住 民に対する信頼度が低い人は、精神的・身体的な 健康度が低い傾向にあり、くらしの主観的満足度 も低くなっていた。

 こうした近隣住民への信頼度を年代別に比較す ると、年齢が高くなるにつれて「信頼しあってい る」、「やや信頼しあっている」といった回答の割 合が多くなっていくことがわかった(図3)。

0 50 100 150 200 250

20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代 90代 未記入

年代

61

134 134 144 144 121

205 143

143 43

43 8

12

回答者数

0%

1.7% 3.3%

16.7%

12.1%

9.2%

13.0%

16.9%

22.4%

27.1%

22.7%

33.1%

30.4%

30.8%

38.8%

35.4%

20代 6.7%

30代 40代 50代 60代 70代 80代以上

3.0%

2.8%

4.3%

3.6%

5.2%

2.1%

71.7%

60.6%

54.9%

50.4%

47.7%

31.3%

31.3%

20% 40% 60% 80% 100%

1.5%

1.5%

0.0%

0.0%

1.7%

1.0%

2.2%

4.2%

1.7%

1.0%

2.2%

4.2%

信頼しあっている やや信頼しあっている やや信頼しあってない 信頼しあってない

どちらとも言えない

図1 年齢別の回答者の分布

図3 年代別の近隣住民への信頼度の違い

1 2 3 4 5

3.37

3.34

3.35 3.13

3.36 3.23

3.73 3.73 3.00

3.72 3.80

※ ※ 3.59

3.78 3.78 3.80

信頼あり 日常的な精神疲労

不安度

健康状態への満足度

現在のくらしの満足度

どちらとも 言えない

信頼なし 3.72

図2 近隣住民への信頼と精神的・身体的な健康度、くら しの満足度との関係

注:図中のアスタリスクは 5%水準で有意差が認め られたことを示す。

 次に、人に対する一般的な信頼の程度と先述の 4種の項目との関係について検討した。結果は図 4に示した。信頼の程度(信頼あり、どちらでも ない、信頼なし)を要因とする一要因分散分析の 結果、4項目(日常的な精神疲労、不安度、主観 的健康度、くらしに対する主観的満足度)のすべ てにおいて、有意差が認められた(日常的な精神 疲労:

F

2,839=10.87,

p

<.01、不安度:

F

2,838=10.97,

(3)

p

<.01、健康状態への満足度:

F

2,830=12.47,

p

<.01、

現在のくらしの満足度:

F

2,831=28.31,

p

<.01)。一 般的な信頼度が低い人は、精神的・身体的な健康 度が低い傾向にあり、また、くらしの主観的満足 度も低くなっていた。

1 2 3 4 5

3.33

3.30

3.44 3.16

3.46 3.05

3.79 2.86 2.86

3.65 3.81

3.54

3.83

信頼あり 日常的な精神疲労

不安度

健康状態への満足度

現在のくらしの満足度

どちらとも 言えない

信頼なし 3.81

3.83

3.79

0%

96.7%

68.7%

50.7%

38.8%

49.5%

52.5%

70.0%

20代 3.3%

30代 40代 50代 60代 70代 80代以上

1.5%

2.1%

4.1%

4.4%

7.8%

10.0%

26.9%

45.1%

53.7%

42.2%

35.5%

20.0%

20% 40% 60% 80% 100%

まったくない 1〜9回 10〜19回 20回以上 3.0%

3.0%

2.1%

2.1%

13.3%3.3%3.3%

3.9%

3.9%

4.3%

図4 一般的な信頼と精神的・身体的な健康度、くらしの 4.3%

満足度との関係

注:図中のアスタリスクは 5%水準で有意差が認め られたことを示す。

図5 年代別の町内会・自治会の人々と共通する課題につ いて取り組んだ経験

 (3)規範と健康

 ソーシャル・キャピタルの構成要素「規範」に ついて検討した。この数年間のうちに町内会・自 治会の人々と共通する課題について取り組んだ経 験があるかについて小学校区別に検討した(表 1)。一度でも経験があると回答した人の割合に は地域差があり、経験があると回答した人の多い 小学校区では心身の「健康」に関連する「近隣住 民への信頼度」、「一般的な人への信頼度」の評 定値も高くなる傾向にあった(共通課題への取 り組みと近隣住民への信頼度との相関:

r

=.87,

p

<.10、共通課題への取り組みと一般的な人への 信頼度との相関:

r

=.94,

p

<.05)。

小学校区 共通課題への 取り組みの経 験が一度でも ある人の割合

(%)

近隣住民へ

(平均値)の信頼度

一般的な人 への信頼度

(平均値)

A小学校区 30.0 3.43 3.00 B小学校区 40.1 3.44 3.16 C小学校区 44.9 3.52 3.28 D小学校区 47.1 3.59 3.31 E小学校区 48.3 3.56 3.23

表1 「規範」と「信頼」の関係

 年代別に町内会・自治会の人々と共通する課題 について取り組んだ経験があるかについて検討し た(図5)。50代を中心に共通課題への取り組み が多くなっており、若年者層と高齢者層では少な かった。高齢者層で取り組みへの経験者の割合が 少なくなっているのは、質問項目において、「こ の数年のうち」での共通課題への取り組みについ て回答を求めていることが原因となっていたかも しれない。

 (4)ネットワークと健康

 ここではソーシャル・キャピタルの構成要素の 1つである「ネットワーク(つきあい)」と心身 の「健康」との関連について検討した。

 回答者とさまざまな関係にある人について、つ きあいの種類・その有無と日常的な精神疲労、不 安度との関係について表2にまとめて示した。数 値が高いほど精神的疲労や不安を強く感じている ことを意味する。他人と質問項目にあげた関係が ないと回答した人は、日常的な精神疲労について はすべての場合において、不安度も多くの場合で つきあいがあると回答した人よりも高くなってい た。

(4)

 次に、回答者とさまざまな関係にある人につい て、つきあいの種類・その有無と主観的健康度、

くらしに対する主観的満足度との関係をまとめた ものを表3に示した。数値が低いほど健康やくら

しに対する満足度が低いことを意味する。他人と 質問項目にあげた関係がないと回答した人は、主 観的満足度についてはすべての場合において低く なっており統計的な差も認められた。また、主観 的健康度についても多くの場合で関係がないと回 答した人は関係がある場合よりも低くなってい た。

Ⅳ.考察

1.結果のまとめ

 本研究では、ソーシャル・キャピタルの主な構 成要素とされている「信頼」「規範」「ネットワー ク」の3種の構成要素に焦点をあて、それらと心 身の「健康」との関連について検討を行ってきた。

結果は以下のようにまとめられる。

 (1)信頼と健康

 近隣住民への信頼度、一般的な人々への信頼度 に関わらず、それらが高い場合には、日常的な精 神疲労、不安度が低く、主観的健康度、主観的満 足度が高かった。また、年代別にみると、近隣 住民への信頼度は年齢が高いほど高く評価してい た。これは、地域の共通課題などへの取り組みを 行った経験がある人の割合が年齢が高くなるほど 多くなる傾向と関連している可能性がある。地域 の住民同士で共通課題に取り組むことを通して、

近隣住民間での信頼度や絆が強まることを意味し ているかもしれない。

 (2)規範と健康

 町内会・自治会といった地域での取り組みに経 験したことがある人は少ない。しかし、一度でも 経験したことがある人の割合が多い地域(小学校 区)では、健康と関連している「信頼」の評定値 も高くなっており、共通の課題への取り組みによ り地域での絆が形成されることが、地域の全体的 な「健康」と関連していることが示唆された。ま た、年代別にみると、若年層と高齢層では地域で の取り組みを経験した人の割合は少なくなる傾向 が見られた。

 (3)ネットワークと健康

 別居家族、友人、近所の人、グループの人といっ 表3 つきあいと主観的健康度、主観的満足度との関係

主観的健康度 主観的満足度

ある ない ある ない

別居家族 電話をかける・かかっ

てくる 3.25 2.94* 3.54 3.04**

訪ねる・訪ねてくる 3.26 2.96* 3.55 3.10**

買い物等を手伝う・

手伝ってもらう 3.29 3.14 3.58 3.37

友人 電話をかける・かかっ

てくる 3.26 2.93** 3.55 3.25**

訪ねる・訪ねてくる 3.26 3.15 3.59 3.29**

買い物等を手伝う・

手伝ってもらう 3.30 3.20 3.57 3.46

近所の人 電話をかける・かかっ

てくる 3.20 3.23 3.57 3.45

訪ねる・訪ねてくる 3.24 3.18 3.59 3.40**

買い物等を手伝う・

手伝ってもらう 3.21 3.22 3.57 3.47 グループの人 電話をかける・かかっ

てくる 3.35 3.17 3.68 3.40**

訪ねる・訪ねてくる 3.28 3.21 3.62 3.44*

買い物等を手伝う・

手伝ってもらう 3.39 3.22 3.86 3.45**

表2 つきあいと日常的な精神疲労、不安度との関係

日常的な精神疲労 不安度

ある ない ある ない

別居家族 電話をかける・かかっ

てくる 3.57 3.85* 3.50 3.73 訪ねる・訪ねてくる 3.58 3.78 3.51 3.63 買い物等を手伝う・

手伝ってもらう 3.60 3.62 3.58 3.47**

友人 電話をかける・かかっ

てくる 3.57 3.68 3.47 3.78**

訪ねる・訪ねてくる 3.56 3.67 3.44 3.72 買い物等を手伝う・

手伝ってもらう 3.54 3.64 3.51 3.54

近所の人 電話をかける・かかっ

てくる 3.43 3.69** 3.49 3.54 訪ねる・訪ねてくる 3.44 3.75** 3.45 3.58 買い物等を手伝う・

手伝ってもらう 3.39 3.64 3.53 3.53 グループの人 電話をかける・かかっ

てくる 3.46 3.68** 3.32 3.62 訪ねる・訪ねてくる 3.46 3.66* 3.38 3.58 買い物等を手伝う・

手伝ってもらう 3.41 3.63 3.31 3.55

注:表中のアスタリスクは

t

検定の結果、統計的に有意で あったことを示す(*,

p

<.05;**,

p

<.01)。

注:表中のアスタリスクは

t

検定の結果、統計的に有意で

あったことを示す(*,

p

<.05;**,

p

<.01)。

(5)

た回答者との関係に関わらず、多くの場合でそれ らの人と関係がある場合には、日常的な精神疲労、

不安度が低く、主観的健康度、主観的満足度が高 かった。また、地区別にみると関わりが「ある」

と回答した割合が多い地域は、「信頼」が高く、「規 範」の地域活動への参加経験をした人が多い地域 である傾向が明らかとなった。

2.地域福祉計画の評価指標としてのソーシャル・

キャピタル

 我々の研究によって、ソーシャル・キャピタル を構成する「信頼」「ネットワーク」「規範」の3 要素が心身の「健康」と密接な関連があることが 示され、ソーシャル・キャピタルと健康との正の 関連性を報告する先行研究23)−27)を支持する結果 が得られた。このことは、地域福祉計画の実施前 と実施後にソーシャル・キャピタルの3要素を調 査することで、地域福祉計画の効果を地域住民 の「健康」という観点から客観的な指標で評価で きることを意味している。また、地域の現状を数 値として把握することができ、異なる地域間での ソーシャル・キャピタルおよび健康度の違いを比 較し、地域の問題点を明確にすることが可能とな る。

Ⅴ.おわりに

 本研究では、地域福祉計画の評価におけるソー シャル・キャピタルの活用可能性を検証するため の基礎的分析として、A市におけるアンケート調 査を素材とし、ソーシャル・キャピタルと健康と の関連について検討した。

 その結果、以下の 2 点の知見が得られた。①ソー シャル・キャピタルの主な構成要素とされている

「信頼」「規範」「ネットワーク」の 3 要素が健康 と関連している可能性が示唆されたこと。②ソー シャル・キャピタルを地域福祉計画の評価におい て活用することにより、地域住民の「健康」とい う観点から定量的な地域診断が行える可能性が示 唆されたこと。

 今後の課題として、マルチレベル分析を用いて、

ソーシャル・キャピタルと健康との関連について 詳細な分析を行う必要がある。また、本研究の分 析対象は一自治体であるため、一般化するには限

界がある。他地域との比較を進めていくことが求 められる。

注・引用文献

1)平野隆之・原田正樹(2007)「地域福祉計画研 究の論点整理」牧里毎治・野口定久編『協働と 参加の地域福祉計画―福祉コミュニティの形成 に向けて―』ミネルヴァ書房,pp.71-87.

2)木下聖(2007)『地方分権と地域福祉計画の実 践―コミュニティ自治の構築へ向けて―』みら い,pp.14-24.

3)和気康太(2007)「地域福祉実践研究の方法論 的課題―地域福祉計画の研究・開発と評価研 究を中心にして―」『日本の地域福祉』No.20,

pp.15-30.

4)日本地域福祉学会は,全国の市区町村を対象 とした「地域福祉計画策定・実施状況に関す る実態調査」を2004年 2 月(全3,199市区町村,

有効回答数2,005),2006年 2 月(全2,114市区町,

有効回答数1,007)に実施している.それによ れば,前者では,「地域福祉計画を策定してい る」371自治体(策定率18.5%),「地域福祉計 画を策定する予定がある」456自治体(策定率 22.7%),後者では,「地域福祉計画を策定して いる」414自治体(策定率41.4%),「地域福祉 計画を策定する予定がある」221自治体(21.9%)

であった.厚生労働省「全国の市町村地域福 祉計画及び都道府県地域福祉支援計画等の策 定状況について(2012年3月31日時点の状況調 査結果)」(全1,742市区町村)では,「地域福祉 計画を策定済み」1026自治体(策定率58.9%),

「地域福祉計画を策定予定」202自治体(策定率 11.6%)となっている.

5)平野隆之・朴兪美・澤田和子(2013)「地域福 祉計画における進行管理と地域福祉行政の形成

―市町村第2期地域福祉計画調査の結果から―」

『日本の地域福祉』No.26,pp.41-51.

6) Putnam,R.D.(1993)Making Democracy Work: Civic Traditions in Modern Italy, Princeton University Press, New Jersey.

7)Putnam,R.D.(2000)Bowling Alone: The Collapse and Revival of American Community, Simon & Schuster.

(6)

8)内閣府国民生活局編(2003)『ソーシャル・キャ ピタル:豊かな人間関係と市民活動の好循環を 求めて』国立印刷局.

9)稲葉陽二編著(2008)『ソーシャル・キャピタ ルの潜在力』日本評論社.

10)野口定久(2007)「協働と参加による地域福 祉計画」前掲書 1 )pp.243-246.

11)川島ゆり子(2008)「ソーシャル・キャピタ ル論の社会福祉研究への援用―地域を基盤とす る社会福祉実践の展開に向けて―」『日本の地 域福祉』No.21,pp.43-57.

12)稲葉陽二・大守隆・近藤克則他編(2011)『ソー シャル・キャピタルのフロンティア』ミネルヴァ 書房.

13)Kawachi, I., Subramanian, S., Kim,D.(2008)

Social Capital and Health.,Springer Science.

(=2008, 藤 澤 由 和・ 高 尾 総 司・ 濱 野 強 監 訳

『ソーシャル・キャピタルと健康』日本評論社,

pp.9-48.)

14)近藤克則(2005)『健康格差社会―何が心と 健康を蝕むのか―』医学書院.

15)近藤克則編(2007)『検証「健康格差社会」

―介護予防に向けた社会疫学的大規模調査―』

医学書院.

16)近藤克則(2013)「ソーシャル・キャピタル と健康」稲葉陽二・藤原佳典編『ソーシャル・

キャピタルで解く社会的孤立―重層的予防策と ソーシャルビジネスへの展望―』ミネルヴァ書 房,pp.94-121.

17)近藤克則(2006)「社会関係と健康」川上憲 人・小林廉毅・橋本英樹編『社会格差と健康―

社会疫学からのアプローチ―』東京大学出版会,

pp.163-185.

18)Putnam,R.D.(2000)前掲書7).

19)近藤克則(2013)「ソーシャル・キャピタル と高齢者の健康」イチローカワチ・等々力英美 編『ソーシャル・キャピタルと地域の力―沖縄 から考える健康と長寿―』日本評論社,p.46.

20)Putnam,R.D.(1993)前掲書6).

21)稲葉陽二(2011)「ソーシャル・キャピタル とは」前掲書12)pp.1-9.

22)儘田徹(2010)「日本におけるソーシャル・キャ ピタルと健康の関連に関する研究の現状と今後 の展望」『愛知県立大学看護学部紀要』No.16,

pp.1-7.

23)Kim, D., Subramanian,S.V., Gortmaker, S.L., Kawachi, I.(2006)US state-and county- level social capital in relation to obesity and physical inactivity: a multilevel, multivariable analysis, Social Science and Medicine, 63, pp.1045-1059.

24)Kawachi, I., Subramanian, S., Kim,D.(2008)

前掲書13).

25)Ichida, Y., Kondo, K., Hirai, H., Hanibuchi, T., Yoshikawa, G., Murata, C.(2009)Social capital, income inequality and self-rated health in Chita peninsula, Japan: a multilevel analysis of older people in 25 communities, Social Science Medicine, 69(4)pp.489-499.

26)Fujisawa, Y., Hamano, T., Takegawa, S.(2009)

Social capital and perceived health in Japan:

an ecological and multilevel analysis, Social Science Medicine, 69(4)pp.500-505.

27)近藤克則編(2007)前掲書15).

(7)

*Nagoya Ryujo Junior College

An Application of the Social Capital to the Evaluation of Community-based Welfare Plan

Takase, Shinji*

Hasenaka, Takashi*

 本研究では、地域福祉計画の評価におけるソーシャル・キャピタルの活用可能性を 検証するための基礎的分析として、A市におけるアンケート調査を素材とし、ソーシャ ル・キャピタルと健康との関連について検討した。その結果、以下の 2 点の知見が得 られた。①ソーシャル・キャピタルの主な構成要素とされている「信頼」「規範」「ネッ トワーク」の 3 要素が健康と関連している可能性が示唆されたこと。②ソーシャル・

キャピタルを地域福祉計画の評価において活用することにより、地域住民の「健康」

という観点から定量的な地域診断が行える可能性が示唆されたこと。

キーワード:地域福祉計画,評価,ソーシャル・キャピタル,主観的健康感

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