• 検索結果がありません。

北九州市文化振興計画

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "北九州市文化振興計画"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Ⅰ  現状認識、課題、今後の方向性 

1  なぜ文化振興計画が必要なのか 

人間が人間らしく心豊かに生きていくために、芸術・文化はなくてはな らないものです。市ではこれまでも、市民が主体となった地域文化の振興 を目指して、さまざまな施策に取り組んできたところです。

そして、これからも芸術・文化の振興を通じて、「元気発進!北九州」プ ランのまちづくりの目標である「人と文化を育み、世界につながる、環境 と技術のまち」を実現していきたいと考えています。

しかし、現在の北九州市は、芸術・文化の分野で特に有名な都市という わけではありません。全国的な知名度ばかりでなく、最近の市民アンケー トでも、北九州市が「文化の薫るまち」とは感じないと回答した人が多く いました。

「街に魅力がない」、「楽しいイベントや興行が少ない」などの理由で、

市外に足を伸ばして余暇を楽しむ人(特に若年層)もいます。

これらの様々な現象を、街の魅力を支える要素である芸術・文化の力が 不足している結果と見ることもできます。

このような風潮が広がることで、市民が自信を失い、街から活気が消え てしまうことが心配されます。

今こそ、自分たちが住む街を誇りに思える状況をつくっていかなければ なりません。そのために「芸術・文化」が持つ力をまちづくりに活かし、

活性化につなげるための指針となる計画が必要とされています。

2  芸術・文化で何が変わるのか 

これまで本市では、まちづくりや活性化のために、

*空港、港湾、道路、上下水道などのインフラ整備 *企業誘致

*新産業・新分野産業の育成 などに積極的に取り組んできました。

その結果、都市インフラは他の政令指定都市と比べても遜色ないレベル となっています。企業誘致や新産業の育成の面でも成果が出ており、地域 経済への好影響が期待されます。しかし、今後の北九州市の繁栄を考えた とき、それだけでは不十分です。

不況の影響による雇用不振や高齢化社会の進展に伴う社会保障費の増大 など、市が抱える問題は多くありますが、とりわけ、若い世代が首都圏な どに流出する状況は、北九州市の未来にとって深刻な問題です。

若者を引き留める魅力が北九州市に不足しているとは考えられないでし ょうか。

(2)

企業誘致などで地域経済が活性化しても、すぐに街の魅力回復につなが るわけではありません。今後の街づくり・魅力づくりの主役である若者が 流出する現状を変える必要があり、それを可能にするのが、芸術・文化の 力なのです。

たとえば、すばらしい舞台やコンサート、展覧会などが日常的に開催さ れる都市であれば、それを目当てに市外から多くの人が訪れるようになり ます。自然に芸術・文化関連の産業が盛んになり、芸術系の大学が集積す るような展開も考えられます。そうなれば、大勢の若者を街に呼び込むこ とが可能となります。

もし、北九州市がそんな街になれば、地元に残りたいと考える若者も増 えるに違いありません。

もちろん、これは一つの成功イメージであり、そのようなまちづくりが 一朝一夕に進むものではありませんが、実は北九州市には、大きなポテン シャルが眠っています。

3  本市における芸術・文化の歴史  

北九州市は、小倉藩の城下町や長崎街道の宿場町として栄え、明治以降 は官営八幡製鐵所の創業を機に、工業都市として顕著な発展を遂げました。

学校の教科書などでは、かつては日本の四大工業地帯の一つとして、そし て最近では公害の克服に成功した環境都市として紹介されています。

全国的には、いまだに鉄の街、重工業都市としてのイメージが根強いよ うです。

しかしながら本市には、大陸貿易の重要な拠点である門司港と官営製鐵 所を中心に形成された国内有数の工業地帯があったことで、大陸や首都圏 から人や情報が流れ込む「文化先進地」として栄えた歴史があります。

また、八幡製鐵所をはじめとする企業集積地ならではの「会社」を軸と した文化活動(会社内のクラブ活動や社宅つながりの同好会活動など)が 広がりを見せたことも本市の文化・芸術の発展に大きな影響を及ぼしまし た。

このような歴史を背景に、本市では、演劇、文学、音楽、美術、伝統芸 能、生活文化など幅広いジャンルにおける文化活動が活発に行われたもの であり、今に続いているものもあります。

たとえば、演劇では、長い歴史を持つ「劇団青春座」や全国的にも評価 の高い「飛ぶ劇場」などのレベルの高い劇団が多くありますが、これも地 域の伝統を受け継いだものと言えます。平成5年には、市内の演劇関係者 が中心となって北九州演劇祭がスタートし、「演劇のまち北九州」として市 内外から注目されるところとなり、やがて、この演劇祭を支えてきた人々 の熱い思いが、平成15年の「北九州芸術劇場」のオープンへとつながり ました。

(3)

演劇以外の、文学、音楽、美術、伝統芸能、生活文化などの分野におい ても同様な状況があり、市民の熱心な芸術・文化活動が、「響ホール」、「大 手町練習場」、「自然史・歴史博物館」、「文学館」、「松本清張記念館」など の、それぞれに特徴的な文化施設の開設につながりました。

また、さまざまな文化団体やNPO法人などを通じて、あるいは個人的 に芸術・文化に積極的に取組む人々が多く、さらには「松永文庫」、「火野 葦平資料館」、「小倉城庭園」といった、本市ならではのユニークな文化施 設も存在します。

このように北九州市には、長い年月を経て芸術・文化に親しむ土壌が培 われてきたところであり、何かのきっかけで大きく花開く可能性を秘めて いると言えます。

4  「芸術・文化の街」に向けて  

現時点で本市が「芸術・文化の街」とは言いがたいとすれば、「芸術の都、

文化の街」と呼ばれるような都市とはどのようなものであり、北九州市と はどこが違うのでしょうか?

20世紀前半のパリでは「コクトーが台本を書き、ピカソやローランサ ンが美術を担当し、シャネルが衣装をデザインし、ストラヴィンスキーや サティが作曲し、ディアギレフのロシア・バレエ団が演ずる。」と言われる ように、無名時代の大物芸術家が一堂に会し、芸術・文化の交流がダイナ ミックに行われた時期がありました。

一見、北九州市とは無関係のようですが、ここで言いたいのは、その時 代のパリには、「芸術・文化におけるあらゆる分野の人材が豊富に揃い、異 分野の人々が自然に交流し、融合できる状況があった」ということです。

近年、「芸術・文化によるまちづくり」という視点が注目を集め、「創造 都市」(文化と創造性によって発展する都市)という言葉に象徴される新し いまちづくりを目指す自治体が増えています。これは、「魅力あるまちづく り」を進めていく上で、産業の振興だけでは十分でない部分を、芸術・文 化を通じて行おうとする考え方です。

市が目指す「芸術・文化の振興」も、基本的にはこの考え方に沿ったも のです。パリの事例に見るように、「人材の育成」に努め、その上で「芸術・

文化にかかわる人々が自由に交流し、お互いの存在を高めていくことがで きる環境」の形成を目指します。

5  文化振興計画の方向性 

本市に「芸術・文化」に親しむ土壌があることは、これまでに芥川賞作 家や直木賞作家、音楽家や漫画家など、国内外で活躍する人材を多数輩出 してきたことからも明らかです。

(4)

今後さらに優れた人材が集まるように、また、新たな才能の芽生えを促 すために、

・市内で行われる芸術・文化イベントの発信力を高めることで「芸術・文 化の街」を市内外にアピールする。

・市民が芸術・文化に接する機会を充実・拡大して、市民一体となった文 化振興の取組みを進める。

・本市に根付く「芸術・文化」に親しむ風土を引き継ぎ、さらに大きく育 てることで市民の間に地域への愛着やプライドを醸成する。

の3つを主眼として、本市に、「芸術・文化」に係わるあらゆる世代、ジャ ンルの人が交流・融合できる環境づくりを行っていきます。

そのためには、北九州芸術劇場、現代美術センター・CCA北九州、門 司港アート村、響ホールといった本市の芸術・文化における拠点施設、さ らには図書館、美術館、自然史・歴史博物館、松本清張記念館、文学館など の社会教育施設を有効に活用し、魅力ある「まちづくり」を担う「人材」

の育成に努める必要があります。

(5)

Ⅱ  計画のコンセプト 

1  計画の理念 

この計画の理念として、北九州市基本構想・基本計画(以下、「元気発進!

北九州」プランという。)のまちづくりの目標である「人と文化を育み、世界 につながる、環境と技術のまち」を掲げます。

 

2  計画の目的 

この計画は、本市の文化振興施策を具体的・計画的に行っていくための 方向性を示すことを目的に策定するものです。

 

 

3  計画の位置づけ 

この計画は、「元気発進!北九州」プランの分野別計画と位置づけます。

                                     

本計画

(6)

4  目標年次 

この計画の目標年次は、「元気発進!北九州」プランと同じく2020年 度(平成32年度)とします。

5  計画の見直し 

    「元気発進!北九州」プランの見直しに合わせ、社会経済環境や市民意 識の変化、施策の進捗状況などを踏まえ、おおむね5年間で計画の内容を 見直し、必要に応じて変更します。

 

6  用語の定義 

「元気発進!北九州」プランにおける「芸術・文化」と文化芸術振興基 本法における「文化芸術」は同じ意味です。この計画においては、同プラ ンに合わせ、表記を「芸術・文化」に統一します。

また、この計画において「文化施設」とは、北九州市芸術文化施設条例 に定める全ての芸術文化施設と北九州市教育施設の設置及び管理に関する 条例に定める施設のうち、図書館、美術館、博物館、文学館及び史料館と し、具体的には以下のとおりです。その他の関連施設(小倉城庭園、文書 館、大学など)を含める場合は、「文化施設等」と標記します。

       

Ⅰ  芸術文化施設(開設予定施設含む) 

  (1)劇    場  北九州芸術劇場 

(2)音 楽 堂  響ホール 

(3)市民会館  門司市民会館(松永文庫を含む。)、若松市民会館(火 野葦平資料館を含む。)、八幡市民会館、戸畑市民会館、

大手町練習場、旧百三十銀行ギャラリー、アルモニー サンク(旧九州厚生年金会館)北九州ソレイユホール、

黒崎文化ホール、北九州市漫画ミュージアム   

Ⅱ  社会教育施設(開設予定施設含む) 

  (1)図 書 館  中央図書館、国際友好記念図書館、門司図書館、若松 図書館、八幡図書館、戸畑図書館、八幡西図書館 

(2)美 術 館  美術館 

(3)博 物 館  自然史・歴史博物館 

(4)文 学 館  松本清張記念館、文学館 

(5)史 料 館  長崎街道木屋瀬宿記念館   

                                 

参照

関連したドキュメント

原価計算の歴史は︑たしかに︑このような臨時計算としての原価見積から出発したに違いない︒﹁正式の原価計算 1︵

 小規模演劇やミニコンサート、講演会などさまざまな利用に対

ロボットは「心」を持つことができるのか 、 という問いに対する柴 しば 田 た 先生の考え方を

 チェンマイとはタイ語で「新しい城壁都市」を意味する。 「都市」の歴史は マンラーイ王がピン川沿いに建設した

福岡市新青果市場は九州の青果物流拠点を期待されている.図 4

北とぴあは「産業の発展および区民の文化水準の高揚のシンボル」を基本理念 に置き、 「産業振興」、

また、同法第 13 条第 2 項の規定に基づく、本計画は、 「北区一般廃棄物処理基本計画 2020」や「北区食育推進計画」、

・KAAT 神奈川芸術劇場が実施した芸術文化創造振興事業は、30 事業/56 演目(343 公 演) ・10 企画(24 回)・1 展覧会であり、入場者数は