平成17年度
ITを利用したクリエイティブ都市に関する調査・研究
―堺・泉北ニュータウンにおける地域活性化に向けての調査・研究―
報 告 書
平成18年3月
情報化未来都市構想推進協議会
KEIRIN
この事業は競輪の補助金を受けて実施しました。
本報告書は、平成17年度に実施した「ITを利用したクリエイティブ都市に関する 調査研究―堺・泉北ニュータウンにおける地域活性化に向けての調査・研究―」の検 討結果を取りまとめたものである。
泉北ニュータウンは、昭和40年代に誕生した大規模ニュータウンの一つだが、開発 から約40年が経過し、当時計画された近隣住区理論に基づく都市基盤や都市施設の老 朽化が進み、またコミュニティも高齢化する等、様々なまちの機能の見直し、つまり
「ニュータウンの再生」の時期が到来している。
本調査では、こうした泉北ニュータウンの現状把握を経て、まずは、近隣住区理論 に基づく都市施設の一つである近隣センターの再構築を通して、地域の安全と活発な コミュニティを実現する方向性を見出し、次に“若者(子育て世代含む)が集まるま ちの創出”、“心と体の健康づくりサービス”という2つのニュータウン再生に向け たコンセプトの整理を行った。また、過去の近隣住区理論を見直し、ネットワーク型 で個性的な近隣センターとして再構築する「ニューライフサポートセンター」を構築 し、2つの実現モデル(若者(子育て世代含む)が集まるまちの創出<抜本的建て替 え型>、心と体の健康づくりサービス<既存ストック型>)を提示した。ここでは、
その担い手として、住民による住民のための新しい地域自治のあり方、新しい「公」
という概念を打ち出した。
このネットワーク型「ニューライフサポートセンター」は、現在の住民のニーズを 考慮し、安全で利便性が高く快適なコミュニティの拠点とするためにはIT基盤の充実 が不可欠であることは言うまでもない。ニュータウン再生という大きな課題の中にあ って、“近隣センターの見直し”という地道な出発点ではあるものの、全国のニュー タウンに共通する課題であり、実現されれば先行モデルとなりうるものであると考え ている。
本報告書は、大阪府立大学増田昇氏を委員長、桃山学院大学竹中英紀氏を副委員長 に、当協議会会員企業が委員として参画し、近畿経済産業局・大阪府・堺市をはじめ 地域関連団体にオブザーバとして協力いただき、研究会・ワーキンググループでの検 討を経て取りまとめたものである。最後に、本調査の実施にあたり、大所高所よりご 指導いただいた委員長をはじめ委員およびオブザーバ各位に感謝の意を表するととも に、本調査研究が平成18年4月に政令市としてスタートする堺市の「泉北ニュータウ ン再生」への取り組みの一助となれば幸いである。
平成18年3月
情報化未来都市構想推進協議会
■■■ 目 次 ■■■
TU
第1章 調査の趣旨と概要
UT... 1
TU
1−1.
調査の背景・趣旨
UT... 1
TU
1−2.
調査の体制
UT... 4
TU
1−3.
調査の進め方
UT... 4
TU
第2章 泉北ニュータウンの現状とニュータウン再生コンセプト
UT... 7
TU
2−1.
泉北ニュータウンの現状
UT... 7
TU
2−2.
ニュータウン再生に向けた動き
UT...20
TU
2−3.
泉北ニュータウン再生の方向性(コンセプト)
UT...24
TU
第3章 “ニューライフサポートセンター”の構築
UT... 27
TU
3−1.
ニューライフサポートセンター整備ビジョン
UT...27
TU
3−2.
ニューライフサポートセンターのサービス対象・担い手
UT...29
TU
3−3.
ニューライフサポートセンター機能提案
UT...30
TU
第4章 “ニューライフサポートセンター”展開イメージ
UT... 43
TU
4−1.
ニューライフサポートセンター構築に際しての留意点
UT...43
TU
4−2.
実現イメージ
UT...44
TU
第5章 プロジェクト実現に向けて
UT... 47
TU
5−1.
プロジェクト実現をバックアップする仕組み
UT...47
TU
5−2.
行政に期待される役割
UT...49
TU
別添資料
UT... 51
TU
近隣センター視察記録
UT...51
TU
自治会連合会、NPOヒアリング記録
UT...60
TU
研究会メンバからのプロジェクト提案一覧
UT...70
TU
講演録「ニュータウン再生:ヨーロッパの動向」
UT...73
TU
参考資料
UT... 79
TU
堺市総合計画「堺21世紀・未来ビジョン」【抜粋】
UT...79
TU
自由都市・堺 ルネサンス計画(案)【抜粋】
UT...83
TU
統計資料
UT...86
TU
堺・泉北ニュータウン地区研究会 委員名簿
UT...91
第1章 調査の趣旨と概要
1−1. 調査の背景・趣旨
1−1−1. 背景
高度経済成長期に都市周辺部において整備されたニュータウン地域では、開発から 30〜40年が経過した現在、ハードウェア面での都市基盤老朽化が進展していると言わ れている。国においても、国土交通省を中心に、インフラ整備面での抜本的な規制緩 和を含めた全国的なニュータウン再生計画が検討されはじめている。
泉北ニュータウンは大阪府南部、堺・和泉両市にまたがる泉北丘陵に位置し、昭和 40年度から開発が行われた、わが国でも多摩や千里と並ぶ有数の規模を誇るニュータ ウンである。現在、15万人、5.3万世帯が暮らしている。
泉北ニュータウンの宅地開発にあたっては、近隣住区理論に基づき都市施設を含め たマスタープランが策定され、これを受けた道路網、宅地、学校、公園、コミュニテ ィ施設などの配置計画や設計が行われた。また、ニュータウン周辺部は今なお田園・
緑地帯が広がり、他のニュータウンと比較して、自然と触れ合える良好な居住環境が 維持されていることが特徴である。
しかしながら、開発からほぼ40年が経過し、コミュニティ施設など都市基盤の老朽 化が進展し、モータリゼーションの成熟とともに求心力も郊外型店舗に奪われつつあ る。また少子高齢化のなか、堺市他地域との比較では高齢化率は低いが(市平均 17.0%、ニュータウン部14.8%)、成熟した都市環境の中で予想外に転出入が少なく、
今後は急速に高齢化が進むと予測される。現実に地区内の自治会への加入率の低下や、
単位自治会の解散など、地区毎のコミュニティの維持が大きな課題となっている。さ らに治安面においても、地区内の車上狙いやひったくり等の犯罪が増加している状況 にある。
これらの問題を解決し、泉北ニュータウンの再生を図るためには、大きく2つのアプ ローチがあると考えられる。ひとつは既存住民の社会的・空間的な価値観の変化に対 応した、施策の導入である。特定の世代に偏ることなく幅広い住民層に対して認知さ れる新しいライフスタイルの提案と、そのライフスタイルに合ったまちづくりの推進 が必要である。もうひとつは転入者を増加させるほどの地域的ステータスの獲得であ る。泉北ニュータウンには良好な居住環境がありながら、千里や多摩と比較して知名 度で劣る。国土軸から遠いためでもあるが、良好な街並みやユニークな施策及び地域 のポテンシャルを広くアピールすることで、域外の住民にとっても住みたくなるほど 知名度を高める必要がある。
これらのアプローチを具現化するためには、街区や住宅・コミュニティ施設などの 都市基盤の再整備、施策を具現化する手段としてのIT基盤の整備、そして両基盤を運 用・活用していく人的コミュニティの醸成などの、多面的な検討が必要となる。
堺市は、「自由都市」「自治都市」として栄えた歴史伝統をもつ都市であり、現在 は、大阪、京都、神戸に次ぐ近畿圏の一翼を担う都市としての発展を目指している。
具体的には都市再生緊急整備地域の指定などにより、「堺東駅西地域」など都心・中 心市街地の活性化や、「堺臨海地域」、「堺鳳駅南地域」での市街地整備を進めてい るほか、地域再生「『自由都市・堺』再生計画」の認定を受け、都心地域の活性化や 市域全体の経済の再生を図っていくこととしている。また、平成18年4月には政令指定 都市へ移行することが決定しており、まちづくり面でも市の裁量の度合いが高まると 期待される。
本調査は、泉北ニュータウンを対象として実施するものであるが、当地域は、高度 経済成長期から成熟社会に至るわが国社会のモデルとして位置付けられる地域である。
調査の結果は、現在、堺市が進めているまちづくりはもとより、同様の課題を抱える 全国の「ニュータウン」やそれぞれの地域のまちづくりに活用されれば幸いである。
1−1−2. 調査の目的
本調査では、実現可能性の高い都市基盤及びIT基盤の検討、そして多様な世代の 自主的な交流によるまちづくりという観点から、具体的な施策について検討し、また 施策が具現化されたフィールドとしての施設のありかたを提案するものである。
調査のフレームとしては、ITを活用した高機能なまちづくりのあり方について、
幅広い住民層に対して認知される新しいライフスタイルを提案し、そのライフスタイ ルに適した形でのニュータウンのコンセプト作りを目的とする。その具体的な切り口 として、基盤施設の改善によるニュータウンの住環境の質的向上、IT基盤の整備に よるコミュニティ活動の活性化、そして住民の集積地の再構築による住民主体のまち づくりの気運創出を挙げ、これらの実現により泉北ニュータウンのポテンシャルを高 め、ニュータウンを再活性化することを目標とする。
その結果として、特定地域の課題解決や子育て・介護などこれまでの私的領域など を担うべき、住民主体の新しい「公」の機能を創出する空間を定義していきたい。そ のための本調査のフィールドとして「近隣センター」が考えられる。泉北ニュータウ ンには、住区の中心的な機能として、商業施設等を中心とした16箇所の近隣センター が整備され、従来から住民への利便性の提供や地域コミュニティの活性化の機能を果 たしてきた。しかし、近年のライフスタイルの変化(自動車中心の生活、コンビニ等 の定着等)に伴い、近隣センターの商業機能が衰退し施設の空洞化が進んでいる。同 時に、世代の高齢化による自治会等の地域コミュニティの参加率が悪化し、住民同士 のコミュニティ意識が低下しているとみられる。ひいては、近隣センター周辺の往来 減少による治安の悪化など、近隣センターの衰退がニュータウン自体のポテンシャル に悪い影響を与えているものと考えられる。
しかし、近隣センターの再生のためには、単なる商業・集客施設の強化やモータリ
ゼーションへの迎合ではなく、渋滞や移動コストに見られるモータリゼーションの限 界性や「歩く」等の交通手段の最適化など、時代の変化に伴う近隣センター機能の質 的変化についても深く検討した上で、新しい近隣センターのあり方や機能について提 示する必要がある。こうして整備された新しい近隣センターが、住民主体の新しい
「公」の機能を創出する空間となりうるものと考えられる。
図 1-1 行政の担うべき役割の重点化と「新しい公共空間」の担い手の多元化
(「分権型社会における自治体経営の刷新戦略」(総務省、平成17年3月)より抜粋)
1−2. 調査の体制
本調査においては委員会を設け、調査内容の検討にあたった。また、主たる調査内 容として施設インフラと情報インフラを設定し、専門的に調査検討を行うためのワー キンググループ(WG) を設置した。
委員会
都市環境整備 WG コミュニティ検討WG
プロジェクト全体の検討 WG検討結果の調整
泉北NTの再生のために必要な施設ならびに 機能について検討を行う
泉北NTに適したライフスタイルやコミュニ ティについて検討し、そのために整備すべ きネットワークや情報機器、アプリケーショ ンについて検討を行う
※ WGは委員会メンバーの中から希望される企業・団体で構成する
1−3. 調査の進め方
1−3−1. 調査の進め方
本調査では、文献等の調査をはじめとし、ニュータウン再生についての動向を踏ま え、泉北ニュータウンの再生に向けたコンセプトの整理の中で、新しい「公」という 一つの大きな概念を打ち出した。
また、現在は設置当初の目的を果たせていない「近隣センター」についても新しい
「公」実現のステージとして、住民のニーズに見合った新しい活用のあり方について 検討してきた。
さらに、住区ヒアリングを経て実情を把握した上で、泉北ニュータウンの再生にか かるモデルプロジェクト展開イメージを提示するとともに、実現に向けた課題につい て整理を行った。
泉北NT現状把握
(文献、データ、住区 ヒアリング結果等)
ニュータウン再生に関する 動向把握
泉北NT再活性化 コンセプトの整理
泉北NT再活性化 アイデア提案
新しい「公」の概念が支える 近隣センター活用
近隣センターでの サービス展開検討
実現に向けた課題
モデルプロジェクト展開イメージ IT利活用
1−3−2. 調査の検討経緯
日時 場所 摘要 概要
平成17年7月27日 15:00〜17:00
さかい新事業創造
センター会議室 第1回研究会
本研究会の目的及び調査概 要、泉北ニュータウンの現 状等について議論
平成17年8月30日 15:00〜17:00
堺商工会議所 会議室
第1回WG
(2WG合同開催)
近隣センター視察報告 検討にあたっての前提条件 整理等
平成17年10月13日 13:30〜15:45
堺商工会議所 会議室
第2回
都市環境整備WG
全体コンセプトの確認 WGメンバからのプロジェ クト提案整理
平成17年10月13日 16:00〜17:00
堺商工会議所 会議室
第2回
コミュニティ検討WG
全体コンセプトの確認 WGメンバからのプロジェ クト提案整理
平成17年11月14日 15:00〜17:00
さかい新事業創造
センター会議室 第2回研究会 中間報告
今後の進め方検討
平成17年12月13日 10:00〜12:00
堺商工会議所 会議室
第3回WG
(講演会として開催)
「ニュータウン再生:ヨー ロッパの動向」
平成17年12月13日
13:30〜18:00 泉北ニュータウン 住区ヒアリングその1 住区A、住区B
平成17年12月20日
13:30〜18:00 泉北ニュータウン 住区ヒアリングその2 住区C、地元NPO団体
平成18年1月25日 14:00〜16:00
堺商工会議所 会議室
第4回WG
(2WG合同開催)
住民ヒアリング結果報告 最終報告書素案の審議
平成18年2月22日 14:00〜16:00
(財)関西情報・産業 活性化センター
会議室
第1回コアメンバ会議 最終報告書まとめ方針の検 討
平成18年3月10日 15:00〜17:00
(財)関西情報・産業 活性化センター
会議室
第2回コアメンバ会議 最終報告書まとめ方針の検 討
平成18年3月29日 15:00〜17:00
堺商工会議所
会議室 第3回研究会 最終報告書案の審議
※上記の他、委員・オブザーバ等との打ち合わせを随時実施
第2章 泉北ニュータウンの現状とニュータウン再生コンセプト
本章では、泉北ニュータウンの特徴と課題を把握するとともに、国及びヨーロッパ におけるニュータウン再活性化の動向やコミュニティ活性化トピック等を整理する。
2−1. 泉北ニュータウンの現状
2−1−1. 泉北ニュータウンの地勢
泉北ニュータウンは、堺・和泉両市にまたがる泉北丘陵に、道路、公園、上下水道、
商業施設、交通施設などの都市施設を含めたマスタープランのもとに、大阪府企業局 が事業主体となって開発されたニュータウンである。開発面積は1,557ヘクタール、事 業期間は昭和40年度の着工からから昭和57年度まで17年余りに上る。千里ニュータウ ン等(事業期間10年)と比較しても、非常に長期的な開発が行われた。現在でも緑豊 かな住宅都市として、5万3千世帯、約15万人が暮らす、良好な住宅地となっている。
泉北ニュータウンは大阪都心部から20〜25km圏に位置し、最寄駅から都心まで泉北 高速鉄道、南海高野線を乗り継いで約40〜50分の距離である。鉄道に関しては、複数 社を乗り継ぐため運賃が割高になること、乗換駅での動線距離が長いこと等により、
「不便である」との評価が一般的である。一方、広域自動車交通に関しては、平成3年 に阪和自動車道(松原J.C.T.〜海南I.C.)と堺I.C.が開設され利便性が高まった。また、
平成6年に開港した関西国際空港とは同自動車道を経由して約30分で結ばれている。
泉北ニュータウンは市境界をはさんでトリヴェール和泉(和泉市)、狭山ニュータ ウン(大阪狭山市)と隣接しており、一つの生活文化圏を形成している。これら周辺 ニュータウンを含むエリアには、桃山学院大学、帝塚山学院大学、プール女学院大学 等の高等教育施設、府の福祉系施設、近大附属病院等の総合病院、文化施設やスポー ツ・レクリエーション施設、大規模商業施設等が立地しており、泉北高速鉄道、路線 バス、自家用車等を介して市域を越えた施設の相互利用が活発に行われている。
また、大阪府立大型児童館「ビッグバン」や、国際障害者交流センター「ビッグア イ」(厚生労働省)を中心として、泉ヶ丘駅周辺において「人にやさしいまちづくり 事業」が展開されており、泉北ニュータウンのまちづくりは新たな局面を迎えている。
1km
1km
0 1km
1/60,000
泉北ニュータウン 1557ha 泉ヶ丘地区
栂地区
光明池地区
こうみょういけ
とが・みきた
いずみがおか
(1) 土地利用・公共施設等 近隣住区理論に基づく施設配置
開発後相当期間を経て施設・設備が老朽化→建て替え需要 小規模校の再編整備事業(はるみ小)
地域会館未整備の地域がある(2校区)
公共施設の老朽化が同時期に訪れる
(例:泉北51橋中48橋に補修の必要)
公共施設の補修・再生に膨大な経費が必要
和泉市
堺市
大阪狭山市
河内長野市 阪和第一泉北病院
府文化財調査 研究センター 泉北郵便局 泉北消防署 堺市生活衛生センター
府立泉北考古資料館 国際障害者交流センター
ビッグアイ
大阪府立大型児童館 ビッグバン 市立泉ヶ丘市民センター
市立泉ヶ丘図書館 パンジョ(泉北高島屋)
ミドリ電化泉北店 エバーグリーン泉北
特別養護老人ホーム よしみ会泉北園百寿荘
プール学院大学、大学院 帝塚山学院大学
(泉ヶ丘キャンパス)
特別養護 老人ホーム槇塚荘 パル芽淳の里
軽費老人ホーム ケアハウスセットンの家
特別養護老人ホーム 故郷の家
近畿大学医学部 堺病院
泉北郵便局 ダイエー栂店 泉北警察署
市立栂文化会館 市立泉ヶ丘図書館 栂分館 堺市役所 堺市水道局 南部サービスセンター
国立大阪南病院附属泉北看護学校 府立泉北養護学校
府立特別養護老人ホーム光明荘 老人デイサービスセンター
スポーツクラブ エル・エスト泉北
市立鴨谷台体育館 市立泉ヶ丘図書館美木多分館 せんぼく障害者作業所
コスモスデイサービスセンター ふれあいの里かたくら
クロスモール
光明池運転免許試験場 府立母子保健総合医療センター
労働者大阪労災特別介護施設 ケアプラザ堺
泉北メモリアルホール サンピア
ダイエー光明池店 カルフール光明池
さつき会軽費老人ホーム延命荘 府立女性自立支援センター
市立こども
リハビリテーションセンター
老人保健施設美樹の園 和泉市立
コミュニティ体育館
特別養護老人ホーム デイサービスセンター 美樹の園 ファインプラザ大阪
府立障害者交流促進センター
大阪障害者職業能力開発校 介護老人保健施設カロス
堺あけぼの園
堺市クリーンセンター南工場
市立南老人福祉センター せんぼく苑
帝塚山学院大学
(狭山キャンパス)
近畿大学医学部
ハーベストの丘 堺公園墓地 光明池地区
栂地区
泉ヶ丘地区
プール学院大学短期大学部 堺市南保健センター
堺市泉北急病 診療センター
エコールいずみ北館 エコールいずみ
和泉シティプラザ
(平成15年4月開設)
文化ホール・図書館・
保健福祉センター・生涯学習センター・
男女共同参画センター・市役所出張所 桃山学院大学
フォレストガーデン
0 500m
(2) 交通
鉄道駅から1km圏外の地域が多い 公共交通機関の利用者が、減少している 泉ヶ丘 H10 57千人→H14 50千人 栂・美木多 30千人 26千人 光明池 40千人 37千人
(3) 緑・環境
多面的効果と種々の弊害による多様な住民ニーズへの対応が困難 樹木の生長に伴い管理経費が嵩む
(4) 住宅
公共賃貸住宅の老朽化・空家化(府営7.3%)
戸建住宅の敷地分割や空家・空地化 用途の複合化による居住環境の悪化が懸念
低層住居専用地域隣接地における開発計画に対し、地元とトラブルになるケースが増 加している
(住区別)泉北NT内公的住宅戸数
堺市資料より作成
1,351 4,154
2,806
1,827 2,685
1,412 2,266
1,240 1,990
3,901
1,660
170 1,358
862 1,3251,519 189
287
119 284
533 172
843 551
501
489
1,526 578 1,707
569 381 34
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000
宮 山 台
竹 城 台
三 原 台
高 倉 台
茶 山 台
若 松 台
晴 美 台
槇 塚 台
桃 山 台
原 山 台
庭 代 台
御 池 台
赤 坂 台
新 檜 尾 台
鴨 谷 台
城 山 台 公的分譲住宅 公的賃貸住宅
(戸)
平成16年4月時点
(小学校区別)全世帯数に占める泉北NT内公的住宅の割合
【公的賃貸住宅の割合で並べ替え、小学校区別高齢化率付加】
(「域内全戸数」を「全世帯数」で近似。
桃山台は公的住宅戸数が全世帯数を上回る)
堺市資料より作成
56.0%
89.6%
83.8%
74.4%
70.3%
64.0%
60.8%
52.9%
50.4% 48.9% 47.7%
44.7%
39.6%
36.8%
22.9%
5.2%
16.1%
24.8%
8.9%
0.6% 9.0%
4.9%
6.2%
13.3% 19.0%
14.4%
6.7%
2.9%
26.9%
15.6% 45.4%
47.1%
28.0%
7.4%
25.0%20.7%
31.1% 32.9% 33.9% 30.6%
36.6%
45.6%
52.4%
33.6%
47.6%
31.7%
47.7%
11.4%
12.1%
17.9%
21.5%
18.1%
18.8%
18.1%
19.7%
11.3%
16.3%
19.7%
13.8%
18.0%
17.8%
16.1%
16.6%
0.0%
10.0%
20.0%
30.0%
40.0%
50.0%
60.0%
70.0%
80.0%
90.0%
100.0%
平 均
桃 山 台
茶 山 台
竹 城 台
原 山 台
晴 美 台
三 原 台
城 山 台
若 松 台
庭 代 台
宮 山 台
高 倉 台
槇 塚 台
赤 坂 台
新 檜 尾 台
御 池 台
0.0%
5.0%
10.0%
15.0%
20.0%
25.0%
30.0%
その他 公的分譲住宅 公的賃貸住宅 高齢化率
(5) 安全・安心
幼児児童生徒を狙った不審者の頻発 住区内の迷惑駐車、犯罪増加
車上狙い H11 495件→H15 1016件 車両盗難 602件→ 680件 ひったくり 21件→ 42件
(6) 近隣センター
近隣センターの機能が低下、空き店舗の増加 販売額 H3 25億円→H14 13億円(▲48%)
店舗数 228店→ 131店(▲43%)
近隣センター商機能の低下
郊外型大型ショッピングセンターの影響、自家用車モビリティの増加
近隣センターの建て替え・リニューアルに伴う建物の高層化、高密化による景観の変 化
住区 立地と現地調査時の状況 核店舗
一般店舗 等数(空
き店舗 数)
リニューアル履歴等
宮山台
幹線道路に面して立地し視認性、
自動車アクセスは優れている。施 設の老朽化が進み、店舗壁面への 落書きが目立ち廃れた印象。
愛彩館
(スーパー) 22(5)
・市場がリニューアル(平成6 年)
→スーパー
(平成14年に閉店後平成14年9 月に再オープン)
・浴場建替
→ガソリンスタンド
竹城台
幹線、住区幹線道路に面していな い上、道路と施設との間に高低差 があり視認性、アクセス性が悪 い。市場がリニューアルされ、人 出はあった。
パスト (スーパー)
(H17.12 閉
店)
12(0)
・市場建替
→マンション(9F)+スーパ ー
・浴場建替
→マンション(14F)
三原台
住区幹線沿いに立地し、視認性、
自動車アクセスは優れている。市 場がリニューアルされ、人手はあ った。個店側に中高生がたむろし ていた。
パスト
(スーパー) 12(0) ・市場リニューアル
高倉台
住区幹線道路沿いに立地するが、
道路と施設との間に高低差があ り、視認性が悪い。スーパーがリ ニューアルされているが人出がほ とんどない。住区幹線道路沿いの 住宅地にコンビニ等商店が立地 し、近隣センター内からの移転も 見られた。
愛彩館
(スーパー) 10(1) ・スーパーリニューアル
・一時預保育園有り
茶山台
住区幹線道路沿いに立地し、視認 性、アクセス性は良い。個店には 人出がほとんどなかった。
大丸ピーコ ック(スーパ ー)
11(0)
住区 立地と現地調査時の状況 核店舗
一般店舗 等数(空
き店舗 数)
リニューアル履歴等
若松台
スーパーがマンションに建て変わ り、核店舗がない状況。廃れた感 じはなかった。
− 11(2)
・スーパー(近商ストア)建替
(平成12年)
→マンション(10F)+スーパ ー(サンエー)
( ス ー パ ー は 平 成13年 に 閉 店)
・浴場建替
→マンション(6F)
晴美台
住区幹線道路沿いに立地するが、
商業施設が奥まって配置されてい るため視認性は良くない。
大丸ピーコ ック(スーパ ー)
10(2)
槇塚台
幹線道路の両側に槇塚台・晴美台 にまたがって立地する。視認性、
アクセス性に優れている。近商ス トアがある晴美台側は人出が見ら れたが、市場が閉店した槇塚台側 は人出が見られず、廃れた印象。
中高生がたむろしていた。
近商ストア
(スーパー) 21(3) ・槇塚台側の市場は閉店(現在
空き店舗)
桃山台
住区幹線道路沿いに立地し視認 性、アクセス性が良い。市場がリ ニューアルしており人出があっ た。中高生がたむろしていた。
ス ー パ ー QA (スーパー)
13(2) ・市場リニューアル
原山台
幹線、住区幹線道路に面していな い上、核店舗が閉店し人出もなく 廃れた印象。
− 7(1) ・ ス ー パ ー ( ダ イ エ ー ) 閉 店
(現在空き店舗)
■ 近隣センターの売場面積の推移 (㎡)
平成3年 平成6年 平成9年 平成11年
宮山台 1,435 (100) 910 (63) 629 (44) 674 (47)
竹城台 772 (100) 1,187 (154) 868 (112) 269 (35)
三原台 910 (100) 1,486 (163) 820 (90) 750 (82)
高倉台 1,293 (100) 1,152 (89) 721 (56) 956 (74)
茶山台 1,254 (100) 1,108 (88) 1,868 (149) 1,056 (84)
若松台 728 (100) 740 (102) 735 (101)
晴美台 1,099 (100) 1,474 (134) 1,176 (107) 1,274 (116)
槇塚台 2,192 (100) 2,071 (94) 1,880 (86) 1,908 (87)
桃山台 1,275 (100) 1,404 (110) 1,094 (86) 1,898 (149)
原山台 1,548 (100) 1,536 (99) 1,507 (97) 307 (20)
庭代台 1,927 (100) 1,933 (100) 1,797 (93) 1,849 (96)
御池台 916 (100) 888 (97) 782 (85) 879 (96)
赤坂台 1,425 (100) 559 (39) 954 (67) 1,404 (99)
新檜尾台 1,243 (100) 1,491 (120) 1,359 (109) 1,259 (101)
城山台 1,628 (100) 1,550 (95) 548 (34) 1,470 (90)
( )は平成3年の売場面積を100とした場合の値
資料)商業統計
■ 近隣センターの年間販売額の推移 (千万円)
平成3年 平成6年 平成9年 平成11年
宮山台 109,288 (100) 101,470 (93) 164,426 (150) 98,120 (90)
竹城台 78,825 (100) 183,585 (233) 90,439 (115) 23,609 (30)
三原台 161,980 (100) 136,834 (84) 104,086 (64) 88,989 (55)
高倉台 87,350 (100) 82,958 (95) 69,230 (79) 150,669 (172)
茶山台 169,927 (100) 159,573 (94) 137,193 (81) 139,707 (82)
若松台 84,190 (100) 78,745 (94) 69,597 (83)
晴美台 124,935 (100) 148,184 (119) 134,084 (107) 110,948 (89)
槇塚台 264,896 (100) 265,435 (100) 287,731 (109) 217,950 (82)
桃山台 140,731 (100) 107,865 (77) 95,269 (68) 51,199 (36)
原山台 122,768 (100) 122,876 (100) 101,068 (82) 18,904 (15)
庭代台 380,454 (100) 392,372 (103) 305,853 (80) 281,983 (74)
御池台 100,184 (100) 79,048 (79) 115,509 (115) 120,846 (121)
赤坂台 164,344 (100) 146,663 (89) 89,614 (55) 94,976 (58)
新檜尾台 256,100 (100) 238,327 (93) 198,428 (77) 168,523 (66)
城山台 295,439 (100) 305,382 (103) 72,876 (25) 253,465 (86)
( )は平成3年の年間販売額を100とした場合の値
近隣センターを含む町丁のデータで近似させている。
宮山台近隣センター:宮山台3丁、竹城台近隣センター:竹城台4丁、三原 台近隣センター:三原台3丁、高倉台近隣センター:高倉台3丁、茶山台近隣 センター:茶山台3丁、若松台近隣センター:若松台2丁、晴美台近隣センタ ー:晴美台1丁、槇塚台近隣センター:槇塚台3丁・晴美台1丁、桃山台近隣 センター:桃山台3丁、原山台近隣センター:原山台4丁、庭代台近隣センタ ー:庭代台2丁、御池台近隣センター:御池台3丁、赤坂台近隣センター:赤 坂台2丁、新檜尾台近隣センター:新檜尾台3丁、鴨谷台近隣センター:鴨谷 台1丁、城山台近隣センター:城山台2丁
(7) 少子高齢化
短期間で急速に高齢化が進むことが確実
(55〜64歳人口比:堺市15.91% 、NT 17.68% ) 14歳以下の子供の比率は、ピーク時の半分以下 (小学生数 S56 23,596人→H16 8,867人)
アップダウンが多く高齢者等交通弱者にとっては移動しにくい
高齢者世帯が多くなっており、団地管理や地域活動等への支障が懸念される 老人集会所の整備がされていない校区が多い
(南支所 23校区のうち8校区のみ整備)
資料)商業統計
大阪市
堺 市
1432
和泉市
1377
北海道
関東
2146 (うち 東京都1041)
京都府
100 滋賀県 113
402 和歌山県 兵庫県
中・四国 48147
九州 398
中部
385
東北
80 27
39 北陸
松原市
高石市
河内長野市 483
51 大阪狭山市 431
143
堺市転出入合計(人)
住民基本台帳:平成15年5月〜平成17年7月計
転出入先 2年間計
転 入 転 出 転入超過
総 数 63,675 66,101 -2,820
●北海道 398 371 27
●東 北 365 445 -80
●関 東 4,940 7,086 -2,146
○東京都 1,787 2,828 -1,041
●北 陸 684 645 39
●中 部 2,705 3,090 -385
●近 畿 47,259 46,688 571
○滋賀県 530 643 -113
○京都府 1,398 1,498 -100
○大阪府 37,495 36,491 1,004
・大阪市 13,045 11,613 1,432
・松原市 1,484 1,001 483
・美原町 602 943 -341
・和泉市 3,599 4,976 -1,377
・高石市 1,584 1,533 51
・大阪狭山市 1,612 1,755 -143
・河内長野市 1,567 1,136 431
○兵庫県 4,015 4,631 -616
○奈良県 1,802 1,808 -6
○和歌山県 2,019 1,617 402
●中 国 2,005 2,047 -42
●四 国 1,349 1,354 -5
●九 州 2,504 2,902 -398
●国 外 1,242 1,470 -228
●その他 402 3 399
(8) コミュニティの動向
自治会に非加入世帯が増加し、組織率が低下(全市73.1%、NT69.78%)
単位自治会が解散し、他単位自治会と連合が組織できない校区がある(竹城台東校 区)一方で、まちづくり参加意識の高い自治会もある
2−1−2. 泉北ニュータウン再整備に関する先行調査研究
泉北ニュータウン再整備に関する取り組みとしては、平成14年12月に示された「泉 北ニュータウンの再生に向けた調査研究業務報告書」(財団法人堺都市政策研究所)
が挙げられる(次頁参照)。これは泉北ニュータウンにおけるさまざまな都市基盤や 経済状況、居住者の意識の変化などを網羅的に調査したものであり、これに団地再生 の基本的な潮流を加味することで、泉北ニュータウン再生に向けた基本的な取り組み 方向と施策例を打ち出している。
生 活 を 豊 か に す る サ ー ビ ス が 提 供され、享受でき るまち
NPO・コミュニティビジネス等の育成・支援 生活サービス機能の充実(医療・福祉・保育等)
近隣センターの再構築−活性化・リニューアルの推進
あらゆる世代に配慮した交流空間−居場所(たまり場)づくり 未利用地の活用、土地利用の再編・コントロール
あ ら ゆ る 世 代 が 快 適 に 住 み つ づ けられるまち
分譲マンションの適切な管理運営とリニューアル・建替検討に対する支援 自立型高齢者向け住宅の充実
住み替えシステムの充実 住情報提供の充実
公的賃貸住宅の管理水準の向上とリニューアルの推進
公共交通等移動手段の充実
緑道・公園等の快適性と安全性の確保とネットワークの強化 あ ら ゆ る 人 が バ
リアなく移動し、
交流し、活動でき るまち
バリアフリーの充実
パ ー ト ナ ー シ ッ プ に よ る 持 続 的 な 管 理 運 営 が 行 われるまち
NTの将来プランの検討 − まちづくりフォーラムの開催 住民主導の居住地管理の推進
コミュニティ単位のまちづくり活動の促進 新たな管理運営組織の設立
地 域 の 資 産 を 保 全・継承し、新た な 文 化 を 創 造 す るまち
周辺調整区域の農村環境保全と交流の強化
大学等周辺施設の活用、行政界を越える施設の相互利用促進 新たな文化拠点の創造(栂文化ゾーンの機能強化)
■再生に向けた基本的方向と取り組み施策例
((財)堺都市政策研究所、2002.12)
2−1−3. 住区ヒアリング調査
泉北ニュータウン内の3つの住区において、地域で起こっている問題や活動状況に ついて生の声を集めることを目的に、ヒアリング調査を実施した。ヒアリングの対象 とした住民の属性に偏りがあるため、回答内容が必ずしも地域住民の総意とならない 可能性があることに注意が必要である。
(ヒアリング記録詳細は別添資料参照)
(1) 住区ヒアリング概要
●対象:泉北ニュータウン内3つの住区の自治会長、近隣センター商店会代表
●ヒアリングのポイント:
−現状の地域や生活環境に対する課題認識
−近隣センターの位置付け並びに利活用状況について
−多世代が交流する地域活性化に対する期待について 等
住区へのヒアリング結果は以下のとおり。
ポイント:さまざまな面で課題が多いことがわかり、また住区ごとの違いが浮き彫 りになった。
①現状の地域や生活環境に対する課題認識
・全地域とも、高齢独居世帯が増加している。自治会が中心となって高齢者ケア活動 を行う必要が生じている。
・府営賃貸住宅が多く立地する地区では、低所得者層や外国人が多く入居している。
また府有地売却後に民間マンションが建設された地区では、若者世代の入居も進む など、地域内でコミュニティの分断化が起こりつつある地区もある。
・自治会活動への参加は芳しくなく、「自治会」活動は高齢者中心で行わざるを得な い状況である。また旧来の「老人会」といったくくりでは活動参加を拒否する高齢 者も多いが、そういう人も「コミュニティ喫茶」などには参加することが多い。
・「自分たちのまちは自分たちでしか作れない」の思いを強くし、数十年にわたり地 元での活動を続けているリーダがいる。一方で、(これはヒアリングをした住区で はないが)輪番制の自治会長選定がうまくいかず、結果的に自治会そのものが解散 してしまった住区も存在している。
②近隣センターの位置付け並びに利活用状況について
・特に高齢者にとっては、歩いて買い物に行ける現在の近隣センターは有難い存在だ。
・全ての地域で、近隣センター内施設(自治会館など)を活用した集会、サークル活 動、イベント(コミュニティ喫茶など)を開催している。盛況であり、ほぼ年中稼
働している。
・ 一方、商業活動については、基幹スーパーが撤退することになった地域や、あまり 営利を求めずに営業している個人商店が多い地域などもあり、地域経済の拠点とし ての機能が低下しつつある。しかし地域によっては自治会とも連携の上、積極的に 地元商店を利用するよう呼びかけているところもあり、そこでは売り上げも堅調で ある。
③多世代が交流する地域活性化に対する期待について
・ 自治会など地域活動は高齢者(60代以上のリタイア層)中心に行わざるを得ない と認識されている。40〜50代、あるいはもっと若い世代が今は「サービスを利 用する」グループとして地域活動に参加し、将来的に担い手グループへと変わって いってくれればよいと考えられている。
④地域活動の状況
・ボランティア活動など、地域活動は総じて盛んである。しかしこれもリーダ層の活 躍状況に左右されている感は否めない。まとめ役がいないと続かない状況である。
・ 無償ボランティアには限界がある。エコマネーの活用やNPO法人による事業化な ど、対価を得て活動するスキームも必要ではないか。
(2) ヒアリング結果総括表(自治会連合会、近隣センター商店会)
住区A 住区B 住区C
ヒアリング日時 2005/12/13、13:30〜15:40 2005/12/13、15:50〜18:00 2005/12/20、13:30〜15:00 ヒアリング応対者 自治会連合会長、自治会連合副会長、近隣
センター商店会代表
自治会連合会長 自治会連合会長、近隣センター商店会代表
自治会活動状況 福祉委員会を中心に、独居高齢者に対する 見守り活動などを行っている。自治会活動 の中で、全世帯の高齢者の把握を行ってい る。
「自分たちのまちは自分たちでしか作れな い」。
自治会連合加入率は8割弱。
子育て支援活動に注力。自治会に加入しな い世帯からの利用もある。
自治会でもいろいろな活動を行っているが、いずれもまとめ 役がいないと続かない。
「自分たちで自分たちの世話をするしか方法はない」。
自治会加入は89%。しかし老人会加入率は14%に留ま る。「自分は老人ではない」。
子ども会入会率も低迷。
ボランティア活動等 の状況
ボランティアグループが福祉活動を行う。
民生委員20数名で要援護者を支援。
非常に盛ん。子育て支援、障害者支援な ど。
ボランティアなど地域活動の担い手は60 代が中心にならざるを得ない。40〜50 代は今は利用する立場で、将来的に担い手 グループとなってもらえればいい。
エコマネーの活用なども重要。無償ボラン ティアの活動範囲には限界がある。
通学路や歩行車道での防犯・事故防止を目的とした安全ボラ ンティアを実施。
地域の課題認識 ほぼ全世帯に高齢者が1名以上いる。
飼い犬に関するトラブルが多発。
小学校統合跡地の使いみちが未定。
府営住宅を中心に低所得者層が入居してい る。一方で戸建て住宅地もあり、地域内で 生活水準にかなりの差がある。
今後府有地が売却され、その後マンション が建設される予定だ。さらに多様な世帯構 成になるのではないか。
府有地の跡地開発に際しては、全てマンシ ョン建設計画であり不満。介護・福祉関連 施設の整備を望んでいる。
新しいマンション入居者は自治会に参加し ない。
中国帰国者コミュニティが形成されてお り、周辺住民との軋轢が深刻な課題になり つつある。
ニュータウンと旧村が混在する地域だ。自治会は別になって いるが、交流は盛んだ。
地域の世帯構成では、10軒中2軒くらいが親子同居、それ 以外は年寄り夫婦。
地域商業の中心であるスーパーが12月末で閉店。
府営住宅入居者の入れ替わりは頻繁ではない。高齢者も引き 続き住みつづけているようだ。
空家は多くない。
住区A 住区B 住区C 情報化関連 自治会なくしては回覧版や市からの広報物
は配布できない。
地方の村役場での有線放送のようなサービ スが、かえって高齢者にはありがたいかも しれない。
手書きでの地域ニュース配布が好評だ。
不審者情報は自治会長あてメール・FAX で共有(堺市全域)。警察との連携も実現 されている。
パソコン、携帯電話の活用は特に高齢者で は難しいが、地域活動でも情報発信等では IT技術の活用が期待される。ノウハウの ある人には地域活動に参加してもらいた い。
自治会での情報共有は回覧版で行っている。
近隣センター、商業 機能等について
近隣センターの売り上げはあまり落ちてい ない。商店街と自治会連合会がお互い協力 し行事などもおこなってきた。これは南支 所内でも珍しい。
ただしあまり営利を追求しているとはいえ ない。
大型ショッピングセンターにはできないサ ービスが実現可能。顧客を大切にしたい。
近隣センターはやはり地域の中心に必要 だ。自治会館で相談コーナーを設けたい が、端部では使いづらい。高齢者ほど近隣 センターが役立つ。
自治会館の利用頻度はきわめて高い。唯一 自治会館内に厨房がある。
地元のスーパーや商店街を積極的に利用す るよう働きかけている。店側の努力もあ り、盛況だ。
コンビニエンスストアは地域ではあまり歓 迎されないのではないか。
近隣センター内スーパーが閉店することとなった(12月 末)。特に生鮮食料品に困る状況だ。
近隣センター開設当初は、各商店が連携して(休日を合わせ るなど)地元に便利なサービスを工夫していたようだが、今 はまちまちだ。
空き店舗には接骨院など医療関係事業者が入居する傾向にあ る。
その他要望等 配食活動の拠点施設を探している。夜間の 集会などにこの近隣センター内自治会館が 使えれば、ついでに買い物もでき便利だ。
自治会役員の世代交代、引継ぎが非常に困 難。
将来的にNPOなどが地域活動の中心にな ると思うが、その活動を支えるのは社会経 験豊富な団塊世代の男性だと考える。NP Oの経営面でもノウハウ活用が期待され る。
地域からの発信を行政が受け止めてもらい たい。
地元を積極的にアピールしたい。若い人が来やすいように、
優遇策、高齢者事業への助成など、行政からの支援を求め る。
2−2. ニュータウン再生に向けた動き
2−2−1. 国内動向
国内においては、昨今、国土交通省が「計画的住宅団地の再生」についての提言や 補助事業を行っている。
1.国土交通省「計画開発住宅市街地の今後のあり方」検討会(「計画開発住宅市街 地の再生に向けて」提言)概要
(1)ニュータウンの目指すべき将来像
与えられた新市街地から、U住民主体の熟成した市街地へ
(2)取り組みの方向
・ストックの有効活用による社会経済情勢に柔軟に対応できる形の機能更新
・仕事と生活のバランスのとれた暮らし方、住民の活動を中心に行政が支援す る形のまちづくり
(3)当面取り組むべき事項
①都市基盤や住宅等既存の物的資産の最大限活用
U・老朽建築物の再生・建て替え
②地域コミュニティの持つ力の積極的活用
U・地域住民による地域管理の実施U U・コミュニティ・ビジネスの育成
2.その他、関連する国土交通省の取り組み
(1)計画開発住宅市街地の今後のあり方(モデル団地認定、2006/03事業提案発表)
(2)計画開発住宅市街地の再生に向けて(国交省、2005/11/29提言発表)
(3)千里ニュータウンのまちづくり指針(2004/04施行)
(4)地域住宅協議会の設置(多摩ニュータウン、千里ニュータウンで実績)
(5)地域住宅交付金制度の創設(国庫補助1,300億円/5ヵ年)
地方公共団体が作成した「地域住宅計画」に基づき交付 基幹事業(公営住宅整備等)+提案事業(民間事業等)
2−2−2. 海外動向
本節は主に㈱市浦ハウジング&プランニング・佐藤健正氏による講演
「ニュータウン再生:ヨーロッパの動向」の内容をもとに構成した。
ENTPでは、2005年6月、ニュータウンにおける都市再生を考える上で最も基本 的な論点をまとめたレポート、“The Top 8 Specific Challenges for Urban Regeneration in New Towns”(http://www.newtowns.net/newtowns/themesmap/urbanrenewal で公開)を著 し、今後取り組むべき施策の方向性を提示している。
まず、ニュータウンにおける都市再生がこれまでの大都市圏再生とは根本的に異な るという点に言及した上で、それがニュータウンそのものの成り立ちに起因するもの であるとしている。すなわち、戦後の経済成長を支えるために一時期集中的に構築さ れ、かつその後継続的な投資がなされていないこと、そのために都市が一様に老朽化 すること、さらに計画都市であるがゆえ、柔軟な再配置を行う余裕が少ないことなど といった特徴である。
一方で、ニュータウンが必要とされた社会情勢にも大きく変化しつつあるとしてい る。当初ニュータウンでは、子どもを持つ世代に特化した均質な世代構造を前提とし 構築されたものであるのに対し、その後30〜40年が経過する中でその前提が大き く変わってしまっているということである。第一世代は高齢化し、入居当時子どもで あった世代が壮年期として社会の中核となっている。この中核グループの意図として、
継続的にニュータウンに留まりたいか、それとも他地域への転出を希望するかは、ヨ ーロッパと日本とで様相を異とするところである。ヨーロッパの視点では、産業拠点 としての性格が強いニュータウン地域においては世代の循環が発生することから、社 会情勢の多様化やライフスタイルの変化に柔軟に対応していける機能や環境を備える べきである、としている。
ENTPのレポートでは、ニュータウン再生にあたり最も重要であると考えられる 以下の8つの課題を挙げている。後のポイントほど重要度が高いとしている。
(1) 経済ライフサイクルの崩壊
・ 新たな経済成長の担い手、コミュニティの内部からのスモールビジネスの出現、彼 らを受け入れる空間の欠如
・ クリエイティブなクラスの欠如、サブカルチャーの存在する場所の欠如
↓
・ 経済のさらなる成長に向けての、ガレージとオフィスビルの間のギャップ解消
・ クリエイティブ・クラスのためのスペースおよびプラットフォームの形成
(2) 公共施設整備の立ち遅れ
・ 「成熟」し、多様化するニュータウン住民のニーズへの立ち遅れ、「計画都市」の 硬直的構造と変化を受け入れる柔軟性の欠如
↓
・ 公共施設整備のための空間と資金の確保、他のセクターとの共同投資(co-invest)
の促進
・ “投資指向 budget-oriented” から“価値指向 value-oriented” へ、アプローチの転換
・ ニュータウンへの公共投資システムのための新たな政策の推進
(3) 「思春期」にあるニュータウン
・ ニュータウンの特別なステータスの変化、継続的投資、柔軟な投資、予防的投資の 必要性
↓
・ 短絡的思考と行動をブレークスルーすること(長期的な社会便益への投資)
(4) 地域・近隣社会の衰退
・ ニュータウン内のエリア間の競争問題、社会的連帯の乏しい脆弱なエリアの衰退
↓
・ 継続的な投資による既存エリアの競争的ポジションの強化
・ 居住及び労働環境を今日的に保つための空間の改善、社会的結合・ネットワークへ の投資等
(5) アイデンティティ・ギャップ
・ 「機能主義都市計画の産物」としてのニュータウン、アイデンティティ・都市の誇 りの欠如
・ 外部の人々が抱くニュータウンの貧弱なイメージ(退屈で単調。均質)
↓
・ 豊かなアイデンティティと市民の誇りを創りだす都市再生へのアプローチ
・ より多くの象徴(icon)の創出−建物、場所、有名人、より多様なイメージの形成
・ 「明日の建築遺産」への理解
(6) 住民の多様化への対応
・ 全てのニュータウンに共通して進行する社会的多様性と都市空間への幅広い要求
・ 時代変化に対応する機能転換や新しい空間創出の機会の欠如(リジッドな環境)
↓
・ 「様々な要素を混ぜあわせる(shake things up)」ための新しい戦略の発見
・ 社会的、経済的、文化的多様性を取り入れるための、豊かな空間の多様性の創出
(7) 新たな「プロフェッショナル」の必要性
・ 新都市建設とは全く異なる都市再生へのアプローチ(長期戦略、インセンティブ、
小規模な開発の連携など)
・ あらゆる関係者の参加と関与、協働の必要性
・ 社会的、経済的、空間的領域を統合した戦略の必要性
↓
・ 既存の都市エリアの全体論的(holistic)開発のための技術開発と職業訓練
・ 都市投資に向けての新たなパートナーシップの構築
・ ガバメントからガバナンスへのシフトを推進するための新たな技術開発
(8) 地域の「心臓部」の魅力衰退
・ ニュータウンの“心臓部”としてのタウンセンターが時代変化とともに絶えず適合 し、成長し続けるための継続的投資の重要性
・ “動脈”としてのアクセス交通の改善
・ 普通のまちには存在する“移行ゾーン―transition zone―”の欠如
↓
・ 絶えまない心臓部の開発、周辺の住居地域を巻き込んだ「呼吸ゾーン−breathing zone−」創出への取り組み
・ 都市センターの個性化、センターに連絡するインフラストラクチャーの継続的改善