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静岡大学・富士市教育委員会連携事業の成果と今後 の展望

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静岡大学・富士市教育委員会連携事業の成果と今後 の展望

著者 石上 靖芳

雑誌名 教職大学院・教育委員会・公立小中学校の互恵関係 による校内研修向上プログラム『協働校内研修静岡 大学‑富士市モデル』調査報告書B

ページ 14‑15

発行年 2012‑03

出版者 静岡大学大学院教育学研究科教育実践高度化専攻

URL http://hdl.handle.net/10297/7298

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静岡大学・富士市教育委員会連携事業の成果と今後の展望

静岡大学教職大学院 石上靖芳 富士市教育委員会と静岡大学との連携は、平成 19年度から始まり 5年目を迎えている。当初は、

富士市教育委員会の事業の一環である市内小中学校への計画訪問へ同行し助言するという形でス タートをきった。これは、地方分権化の流れが加速する中、静岡県教育委員会事務局の指導主事 訪問がなくなり、 富士市教育委員会にその業務が委譲されたのを契機に静岡大学教育学部との連 携を図り、教員研修の質的充実を目的としたもので、あった。また、その 1年前の平成 18年から、

静岡大学教育学部教員養成プログラム「連携協力校との協働による教員養成・研修

J

において教 員養成G Pの一環として県内小中学校6校を連携協力校として提携し、教員養成及び教員研修の 充実が進められはじめた。その内の

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校が富士市立富士中央小学校で、あった。このプログラムで は、その地域に在住する学生を長期のボランティアで派遣することにより、学校現場の体験を通 して、大学との学びを往還させるという取り組み内容であった。また、連携校の校内研修へ関わ っていくことにより、養成・研修を点から線につなげるという視点から

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年間にわたり実施され、

教員養成段階における現場体験を重視したカリキュラムの抜本的な見直しや、教職現場と大学で の学びを往還させる、校内研修に継続的に関わるとし1うな質的な充実を生み出し、 一定の成果を 納めている。

平成

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年度から、静岡大学大学院に教職大学院が設置されるに伴い、これまでの富士市教育委 員会や連携校との実績を踏まえ、富士中央小学校、鷹岡小学校、富士中学校の3校において実習 を行う連携協力校として提携し、教員研修の視点から協働で行う校内研修のあり方を模索し始め た。当初は、年数回の校内研修へ公開される研究授業の分析を中心に行い、 子どもたちの振る舞 い等の分析を報告書としてまとめ、連携校へ返すという取り組みを実習の一環として行ってきた。

数年の取り組みを経て、連携校の要望や大学院生のさらに実習を有意義なものにしたいという双 方の思惑から、昨年度から、大学院側の現職院生が、教育方法学的な視点から単元と授業を構想 した上で提案授業を行い、そこに連携校の職員、大学院生が参加し校内研修における授業研究を 進めた。昨年度は、 富士中央小学校において、グループ。学習の 1つである「ジグゾー学習法」を 位置づけ、公開した授業における抽出児を追うことを通して個々の子どもの学びには相違がある ことを具体的な分析を通して明らかにして理解を深めた。本年度からは、昨年度の実績を踏まえ、

鷹岡小学校では、社会科における「パフォーマンス課題を位置づけた単元開発とパフォーマンス 評価の実際」を提案し、事後研修会では、実際に子どもたちのパフォーマンス(作品)から評価 を行い、その難しさを実感することを通して、先生方のパフォーマンス評価への強い関心を引き 出すにいたっている。同様に富士中央小学校で、は、理科において「工作的発問」を提案すること で、新しい授業構成の方法を提案し、 一緒に研修に取り組んできている。また、 夏休みには、連 携校の校内研修に参加することにより、これから先にやる単元や授業案を連携校職員と大学院生 が一緒に検討し、協働して授業を構想するとしづ形態を採り入れることにより、大学院生と連携 校職員との関係が近い存在となり、校内研修における質的な充実を生み出している。このように 連携協力校と教職大学院が協働して教職研修を実施し、双方にとって有益である互恵的な関係

(W

in‑Win

モデ、ル)ができつつあるが、今後も双方のニーズを踏まえ、さらに発展させていく必要

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があることを痛切に感じている。これらの取り組みは、学会や大学主催の研究会等でも発表され、

他教職大学院からも注目を浴び高い評価を得ている。

さらに大学と富士市教育委員会との連携に関して公開講座のことに関して触れておきたい。こ の公開講座は、平成

2 1

年度から夏休みの2日間にわたり実施してきているものである。教職大学 院で実施してきている教育方法開発領域の授業科目の一部を「授業実践を深める」と題して「校 内研修の活性化方略J1 P 1 S A型学力J1効果的な学習形態J1単元デザイン」等を軸に講義・演 習を組み込み実施している。参加者は、若手教員 (初任者教員を含む)から校長までと幅広く、

夏休みお盆期間の実施にも関わらず、毎年15名から 26人の参加者があり、世代を超え教職の 専門性を高めようとする意欲的な受講生で溢れている。参加者の受講後のアンケートでは、

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学 期からの授業や研修にすぐに活用できる」、

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日間に非常に内容がよかったj との内発的な動機 を高めている感想が述べられており、研修の効果を確認できる。この公開講座は、希望研修であ り、このような意欲的な参加者が、富士市内の各学校の教員研修を支えていると考えることがで きる。

以上から現在の静岡大学と富士市教育委員会との連携事業は、計画訪問への同行による指導助 言、教職大学院と連携協力校における協働による教職研修、各種研修会への指導助言、委員会助 言、公開講座、市内小中学校からの校内研修への要請とすそ野が広がり、充実が図られてきてい る。その結果、教職大学院所属の教員を中心に、年間延べ人数

100

人近い大学教員の派遣となっ ている。このような事業モデルは全国的にも例がなく、今後、大学、行政と学校との3者間の連 携による教員研修の充実を図るモデルとして全国的に参考にされることは疑う余地がなく、今回 の調査による本事業の成果のまとめは、 貴重な報告になるものと考えられる。

最後に本事業の今後の展望に関して触れておきたい。第一に、大学所在地が静岡市にあり、同 じ県内にあるもの富士市との距離があることである。双方にとって気軽に情報交換や共同による 研修プログラム等の開発などの機会を増やし、質的な充実を図っていくためには、この物理的な 距離を工夫により縮める必要がある。この物理的な制約に関しては、コンビュータネットワーク 等の活用を進めることによって質的な充実を生む可能性が聞かれる可能性がある。第二に、教育 センターの設置により教員研修のあり方をこれまでの大学との連携を踏まえ、悉皆研修、希望研 修、教育課題研修などの各研修の課題を再考し、再構築を図っていく必要があるだろう。そのた めには、教育センターの研修プログラムの開発やデザインを共同で開発していくなどの連携が必 要であり、教育学部、教職大学院とのさらなる連携が鍵を握っていると考える。このように中長 期の展望にたった上で、物理的制約を超え、大学、行政、学校との連携関係の充実を図っていく

ことが今後の連携に求められるといえるだろう。

謝辞本調査を進めるにあたり多大な協力を頂いた富士市教育委員会 奥園好文 教育指導室長、鷹 岡 小 学 校 森 口 康 裕 校 長 、 富士 中 央 小 鈴 木 紀 久 子 校 長 、 吉原 北 中 渡 遺 利夫 校長の各先 生に感謝申し上げます。また、短期間としづ制約のなか、冊子作成に関して本教職大学院の小笠 原 忠 幸 先 生 、 三上 聡 先 生 、 速 水 二 葉 先 生 、 神 田憲興 先 生 、 山 崎 健 史 先 生 、 相 津 秀 篤 先 生 、 後 藤 聡 先 生 、 小 川 ま ゆ さん、黒柳友義 さんたちの精力的かっ献身的な働きによって完 成することができました。ここに記して衷心より感謝を申し上げます。

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参照

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