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(1)

サービスエクセレンスの国際標準( ISO )

〜顧客満足から顧客デライトへ〜

東京⼤学 ⼤学院⼯学系研究科

品質・医療社会システム⼯学寄付講座 主幹研究員 原 ⾠徳

本⽇の講演のうち、エクセレントサービスの設計に関する規格案(技術仕様案)は、

ISO TC312

での投票を経た ものではなく、⽇本側が主導する

WG2

で作成しているワーキングドラフト

ISO/WD 24082

に基づくものです。

また、

ISO

の委員会及び

WG

⽂書は外部とは共有してはならず、いかなる開発段階の規格案であっても委員会外 での使⽤のために内容を複製⼜は配布することが許可されていません。そのため、⼀部の図については改訂を しています。

2020 年 8 ⽉ 27 ⽇

SPRING フォーラム 2020

(2)

原 辰徳の自己紹介

1981

7

25

⽇(某 原⾠徳の⼊団

1

年⽬・新⼈王の年)

サービス科学/⼯学/学と呼ばれる領域での研究に従事。中でも、サービスシステム、

サービスデザイン、製造業のサービス化、観光情報、接客サービス、データ政策などが専⾨。

ISO/TC312 WG2

プロジェクトリーダー

, ISO/TC312

国内審議委員会 委員

【学会】サービス学会

(

理事

)

、観光情報学会

(

理事

)

、精密⼯学会、⽇本機械学会、

情報処理学会、⽇本品質管理学会、地域デザイン学会、

CIRP(

国際⽣産⼯学アカデミー

)

年・⽉ 経歴

2004.3 東京⼤学 ⼯学部 システム創成学科卒業(知能社会システムコース) (下村芳樹助教授)

2006.3 同⼤学院 ⼯学系研究科 精密機械⼯学専攻 修⼠課程修了 (新井⺠夫教授)

2009.3 同専攻 博⼠課程修了 博⼠(⼯学) (新井⺠夫教授)

【学位論⽂】サービスの機能とその提供プロセスの統合表現

2009.4~ 同専攻 助教 (新井⺠夫教授)

2011.4~ 同⼤学 ⼈⼯物⼯学研究センター デジタル価値⼯学研究部⾨ 講師

2013.4~ 同⼤学 ⼈⼯物⼯学研究センター ⼈と⼈⼯物の相互作⽤研究部⾨ 准教授

2019.4~現在 同⼤学院 ⼯学系研究科 品質・医療社会システム寄付講座 主幹研究員

⼈⼯物⼯学研究センター 協⼒教員(*6⽉~)

慶應義塾⼤学⼤学院 政策・メディア研究科 特任准教授(兼務)

2019.12〜現在 内閣官房 情報通信技術(IT)総合戦略室 IT参与

IT戦略調整官(兼務)

(3)

ISO におけるサービス規格

(4)

国際標準の対象と分野は拡大している

モノ

品質・企業活動

社会課題解決のための標準・ルールづくり

上原英司(経済産業省), ”有事に役⽴つ標準整備を推進, 組織でのリスクマネジメント規格活⽤に期待”アイソス, 2020年9⽉号

(5)

サービス規格の分野・対象は未だ限定的である 5

サービスのバックステージ(舞台裏の業務やインフラ)に関するものが多く、フロントス テージ(顧客との関わり)を扱う規格は少ない。それらもツーリズムと

ICT

システムに偏る

サービス全般 × フロントステージで これら以外の現在進⾏形プロジェクト

サービスエクセレンス

シェアリング・エコノミー

ツーリズム関連が

7‐8

ICT

システムが⼤半

R. Weissinger, サービス規格のニーズ決定⽅法 https://webdesk.jsa.or.jp/pdf/dev/md_4821.pdf

Translation from the proceedings of 24thEURADS Annual  Standardization  Conference: Standards for a Bio‐Based Economy, 2019.

(⽇本規格協会のHP上に掲載された⽇本語訳版を参照)

(6)

サービスサイエンスはサービス規格づくりに貢献できるはず

国際標準でのサービスの⽤語定義は

68

種類もあるらしい︕(

2018

3

⽉時点)

近年のサービス研究にみられる「共創としてのサービス」などの考え⽅は殆ど含まれない

現時点では、サービスサイエンス研究がサービスの規格づくりに貢献しているとはいえない

サービス規格と標準化 サービスサイエンス サービス産業の

実世界の⾒⽅を誘発

より強い顧客指向と共創指向を誘発

異分野の規格間での不整合の回避・低減

サービスシステムに 関する共通の概念的 枠組みと⾔語を開発 通常はボトムアップの

アプローチで、特定分 野の実務者により推進

Weissinger R., Kwan S.K. (2018) Service Science Research and Service  Standards Development. In: Satzger G., Patrício L., Zaki M., Kühl N.,  Hottum P. (eds) Exploring Service Science. IESS 2018. Lecture Notes in  Business Information Processing, vol 331. Springer, Cham.

(7)

本日お話しするサービスエクセレンスの標準化 7

 特定の業種に限らないサービス全般を対象に、

顧客との関わりを扱うフロントステージにも注⽬して、

共創( Co-creation )の考え⽅も取り⼊れて、

顧客デライトを実現する、ひとつ上のサービスを⽬指すもの

 サービスサイエンス研究者も積極的に関わっている(いきたい︕)

ここでのサービスとは・・・

 いわゆる第 3 次産業(広義のサービス産業)による活動に限らず、

製造業が⼿がけるサービス事業や、モノの使⽤を通じた機能提供も含む

 「モノかサービスか」という⾒⽅ではなく、サービスという⽤語に潜む

⽅向性(体験、継続性、共創の重視)を汲み取っていただきたい

(8)

顧客デライト

(9)

サービスエクセレンスの国際標準づくりの年表 9

2009 JST RISTEX問題解決型サービス科学研究開発プログラムの発⾜(2016年まで)国内のサービス科学コミュニティ

2011 DIN SPEC77224: Achieving Customer Delight Through Service Excellence 2012 サービス学会(Society for Serviceology)の設⽴

2015 CEN/TS 16880:2015: Service Excellence‐ Creating Outstanding Customer Experiences Through Service Excellence 20164 サービスのQ(品質)計画研究会(⽇本品質管理学会、⽇本規格協会、サービス学会の合同委員会)

20174 サービスのQ計画研究会の成果を受け、サービス標準化委員会を発⾜(事務局︓⽇本規格協会)

9 ISO/TC312Excellence in Service”の設置

20182 ISO/TC312Excellence in Service”の国内審議委員会が発⾜

3 ISO/TC312Excellence in Service”の第1回総会をドイツ・ベルリンで開催 サービス標準化委員会B規格「エクセレント・サービス規格開発の指針」

11 ISO/TC312Excellence in Service”の第2回総会をドイツ・ベルリンで開催 20195 ISO/TC312Excellence in Service”の第3回総会をイギリス・ロンドンで開催

WG1: Principle and model, WG2: Design of Excellent service, WG3: Metricsの活動本格化

6 JSA規格JSA‐S 1002:2019「エクセレンスサービスのための規格開発の指針」

20197 JIS法改正 ⼯業標準化法産業標準化法、⽇本⼯業規格⽇本産業規格 10 ISO/TC312Excellence in Service”の第4回総会を東京で開催

20202 ISO/TC312Excellence in Service”の中間会議(WG1WG2)をドイツ・エッセンにて開催 5 ISO/TC312Excellence in Service”の第5回総会を開催(オンライン)

7 ISO/TC312Excellence in Service”の中間会議(WG2)を開催(オンライン)

2021 ISO 23592 “Service Excellence – Principles and model”を発⾏予定

ISO/TS 24082 “Service Excellence ‐ Designing excellent services to achieve outstanding customer experiences”を発⾏予定

(10)

顧客満足度だけでは、顧客ロイヤルティにつながらない

 顧客満⾜度は主要な事業⽬標になったが、それだけでは顧客を維持できない

顧客満⾜ 顧客

ロイヤルティ

市場での 成功

経済的な 成功

調査によれば、満⾜を感じた顧客であっても、

その60-85%がサービスを乗り換えている

(例えばReicheld 1996)

Matthias Gouthier,“VISION AND UP-TO-DATE INFORMATION ON ISO/TC 312”, 第3回サービス標準化フォーラム, 2019. の講演資料を元 に作成

(11)

デライトは顧客ロイヤルティを促進する上で重要 11

顧客デライトが通常の満⾜を超えて⼝コミを誘発し、ロイヤルティを強化するような⻑期的 効果を及ぼす(⼩野

2010

機能⾯だけでなく感情的な側⾯において顧客に強い印象を与えることが必要

顧客満⾜

+

デライト

顧客 ロイヤルティ

市場での 成功

経済的な 成功

Matthias Gouthier,“VISION AND UP-TO-DATE INFORMATION ON ISO/TC 312”, 第3回サービス標準化フォーラム, 2019. の講演資料を元 に作成

(12)

顧客デライトは、良い顧客行動をもたらす

デライトを感じた顧客は伝播的忠誠者になり、友⼈などに企業のことを推奨し、

また⾼い料⾦を⽀払ってでも継続する利⽤する可能性が⾼い(

Schneider & Bowen 1999

J.D. Power: Achieving Excellence in Customer Service: The Brands That Deliver What U.S. Consumers Want, 2011.

(13)

日本国内の JCSI でも、顧客満足度と別に扱っている 13

 JCSI

では、顧客満⾜を中⼼とした6指標の他に、感情指標(感動指標、失望指標)の設問を準備

以下は

2019

年調査の年間順位。別々に集計。

+

びっくり、うれしい、

楽しい、興奮した びっくり、うれしい、

楽しい、興奮した がっかり、いらいらした、苦痛に 感じた、つまらない、腹⽴たしい がっかり、いらいらした、苦痛に 感じた、つまらない、腹⽴たしい

(14)

顧客ロイヤルティの高さからデライトを推定する見方もある

ネットプロモータスコア(

Net Promoter Score: NPS

®

顧客ロイヤルティを定量的に測る指標

推奨者の割合

% of Promoters

批評者の割合

% of Detractors NPS

Net Promoter Score

全くそう思わない

Not at all likely

0       1 2 3 4    5       6 7       8 9      10

どちらでもない

Neutral

⾮常にそう思う

Extremely likely

Detractors

批評者 中⽴者

Passives

推奨者

Promoters

回答結果から「推奨者

(9‐10)

」「中⽴者

(7‐8)

」「批評者

(0‐6)

」に分類し

NPS

を算出

ー =

Q. 

この企業(製品/サービス/ブランド)を友⼈や同僚に薦める可能性は、どれ位ありますか︖

(15)

デライト(強い歓び、感動)とは何か 15

 顧客が感じる、⼼理的な覚醒を伴ったポジティブな感情

 「⼤切にされている」という強い感覚や期待以上の評価から⽣じる

補⾜︓良い意味での驚きや感動などの更なる感情が、感じ⽅を増⼤させる(

Wow!

(16)

デライト(強い歓び、感動)とは何か

 製品開発で知られる狩野モデルの魅⼒的品質( attractive quality )に近い

 以下の2つは、狩野モデルを少し改訂したバージョン

縦軸︓顧客満⾜度

顧客体験の度合いにしている

良い顧客体験

悪い顧客体験

充⾜

未充⾜

驚き品質

surprising quality

望まれる品質

desired quality

期待された品質

expected quality

サービス属性の 充⾜度合い

良い顧客体験

悪い顧客体験

充⾜

未充⾜

魅力的品質

delighter

⼀元的品質

satisfier

当たり前品質

dissatisfier

サービス属性の 充⾜度合い

不満

満⾜

デライト

不満

満⾜

デライト

(17)

17

AROUSED

ASTONISHED

EXCITED

DELIGHTED HAPPY

PLEASED GLAD

AT EASE RELAXED SLEEPY

TIRED BORED

DEPRESSED SAD MISERABLE

FRUSTRATED DISTRESSED

AFRAID

ANGRY ALARMED

TENSE

Valence

(覚醒)

(眠気)

(不快) (快)

Arousal

覚醒を伴うポジティブな感情?

High‐Arousal, Positive‐Valence

Low‐Arousal, Positive‐Valence High‐Arousal,

Negative‐Valence

Low‐Arousal, Negative‐Valence

Russell

の感情⼆次元モデル 覚醒を伴うポジティブな感情

[Russell 1980]

を元に作成

(18)

脳波計測を用いたリアルタイムの感情推定例

簡易脳波計測器と分析ソフトウェア(電通サイエンスジャム製)を 使⽤した、ネットスーパーでの購買体験に関する実験での計測例

客観的な⽣理計測と感情、特にデライトとの関係の応⽤研究は発展途上

全点表⽰(

1

秒ごと、

30

1,800

個) 各点表⽰の動画(

10

倍速)

浦⽥ 康快, 原 ⾠徳, 川中 孝章, 太⽥ 順, ホー バック, 加藤 尚志, 丸尾 拓也, ⼤岩 將⼈: 利⽤⽂脈を考慮した購買 に関する顧客体験のモデル化に向けた⽣理計測の活⽤, Designシンポジウム2019発表概要集, pp.217‐223, 2019.

(19)

サービスエクセレンスの国際標準づくり

(20)

理解はできても、デライトの達成には困難さがある

 70% 強の企業が「デライトはとても重要」と認識する⼀⽅で、

「よく達成できている」と答えられる企業は 10% ( Gouthier 2016 )

 その標準化の試みに対しても、以下の様な典型的な先⼊観が存在する

「顧客デライトの実現は⾼コストだし、品質とコストの負のスパイラルに陥るだけ。

だから、標準化しても意味がないよ︕」

「エクセレントサービスは個別対応のサービス。だから、標準化をするなんて無理︕」

「サービスエクセレンスは、それぞれの企業固有のアプローチ。標準化されてしまったら、

競争⼒を無くしてしまう。だから、そんな標準なんて企業の役に⽴たないよ︕」

これらを解消すべく、サービスエクセレンスの国際標準づくりが進められている

(21)

サービスエクセレンス・ピラミッド 21

 Level1 と 2 については、 ISO9001, 10002 をはじめとして様々な規格がある

 Level3 と 4 を対象とした標準化が必要︕ 独規格( DIN )  欧州規格( CEN )

Level 3

Level 2

Core value proposition Level 4

Complaint management

Level 1

Individual service Surprising

service

ISO 9001 ISO 10002

Service excellence

Service excellence

CEN/TS 16880を元に作成

サービス品質/

品質管理・

TQM

サービス品質/

品質管理・

TQM

エクセレンスサービスサービス エクセレンス

(22)

ISO/TC312: Excellence in service

 2017 年にドイツが ISO に TC312 設置を提案

業務範囲︓サービス分野のエクセレンスに関する標準化

国際幹事︓ドイツ(

DIN

参加国 ︓

P

メンバー(

16

か国︓⽇本を含む)

, O

メンバー(

18

か国)

特に

ISO 23592

では欧州規格(

CEN

)を⼟台に改訂し、

現在は最終投票段階にある

WG 規格番号 標題/和⽂はいずれも仮訳

WG1 ISO 23592 Service Excellence - Principles and model

(サービスエクセレンス̶原則及びモデル)

WG2 ISO/TS 24082 Service Excellence - Designing excellent services to achieve outstanding customer experiences

(サービスレクセレンスー卓越した顧客体験を創出するエクセレントサービスの設計)

WG3 ISO/TS 23686 Service Excellence - Measurement and evaluation

(サービスエクセレンスー計測と評価)

(23)

まずは紛らわしい二つの用語の違いを理解しましょう 23

エクセレントサービス(

Excellent Service

)︓卓越した顧客体験とデライトをもたらす⾏為

サービスエクセレンス(

Service Excellence

)︓その源となる組織能⼒

ものづくりの組織能⼒(例えば

[

藤本

2001]

エクセレント

サービス 卓越した

顧客体験 顧客の

デライト エクセレンス サービス

の実装

ロイヤルティ 顧客

⾦銭・⾮⾦銭より⾼い での便益

Fig. Service Excellence Effect Chain

組織能⼒

組織能⼒ 深層の

競争⼒

深層の 競争⼒

表層の 競争⼒

表層の 競争⼒

利益の パフォーマンス

利益の パフォーマンス

QCD+F

・・・・触れる 顧客の目に ・・・・直接触れない

4P( Product, Place, Price, Promotion)

WG1 WG3 WG2

(24)

ISO/DIS 23592  サービスエクセレンス・モデル

サービスエクセレンスのリーダーシップと戦略

サービスエクセレンスのビジョン、ミッション、戦略

リーダーシップと経営コミットメント

サービスエクセレンスの⽂化と従業員エンゲージメント

サービスエクセレンスの⽂化

従業員エンゲージメント 卓越した顧客体験の創出

顧客ニーズ、期待、

要望の理解

卓越した顧客体験の構成と刷新

サービス・

イノベーション・

マネジメント サービスエクセレンスのオペレーション

顧客体験に関わる効率的で効果的なプロセスと 組織構造のマネジメント

サービスエクセレンスの活動と結果のモニタリング

顧客デライト の実現

ISO/DIS 23592を元に作成

(25)

エクセレントサービスの基本と設計原則

(26)

エクセレントサービスとは?

 卓越した顧客体験の創出を通じて、満⾜ではなくデライトをもたらすもの

ISO/WD 24082を元に作成

エクセレンス サービス エクセレント

サービス

基本サービス

コアサービスの提供 顧客フィードバック

マネジメント 個別的なエクセレント

サービスの提供 驚きをもたらす

エクセレント サービスの提供 レベル 3

レベル 2

レベル 4

レベル 1

顧客満⾜

デライト 顧客の 顧客体験 卓越した

顧客体験 通常の

組織 サービス 顧客

レベル3とレベル4の実現だけでなく、

下部にある基本サービスを内包する 各レベルのラベルが

CEN/TSから若⼲変更

(27)

ここで、一般的なサービス設計の原則 27

よく知られているサービスデザイン思考の

5

原則(

2010

年)

https://magazine.startus.cc/marketing‐vs‐design‐thinking‐lessons‐learned/

(28)

一般的なサービス設計の原則(改訂版)

2010

2017

ユーザ中⼼

User‐centered

⼈間中⼼

Human‐centered

サービスによって影響を受ける全ての⼈々の経験を検討すること が望ましい。

共創

Co‐creative

共働

Collaborative

様々な背景と職務を持った利害関係者がサービスデザインの過程 に積極的に関わることが望ましい。

反復

Iterative

サービスデザインは、探索的、適応的、試⾏的な⽅法でなされ、

サービスの実装に向けて何度も繰り返されることが望ましい。

インタラクション の連続性

Sequencing

連続性

Sequential

サービスは、相互に関連した活動の流れとして視覚化され構成さ れることが望ましい。

物的証拠

Evidencing

リアル

Real

ニーズは現実の中で調査され、アイデアは現実の中でプロトタイ プされ、無形の価値はフィジカルもしくはデジタルな現実として

⽰されることが望ましい

全体的な視点

Holistic

全体的な視点

Holistic

サービスの環境全体が考慮されるべき

*設計の側⾯から限定

Written in "This is Service Design Doing”

(29)

日本が併行して進めてきた独自規格: JSA‐S1002 29

エクセレントサービスのための規格開発の指針

2019.6.6

発⾏)

サービス規格開発者、エクセレントサービスの提供 組織、あるいは提供を計画している組織、サービス 提供者などの研修教育する組織、エクセレントサー ビスとは何かということに関⼼のある⽅が対象

エクセレントサービスの標準化推進に必要な原則

これらに基づく個別サービス規格開発のための指針

ISO/TC312

に対する⽇本側の思い

 JSA-S1002

の様に「良く準備された共創環境と そこでの共創を通じて強化される、エクセレント サービスの設計」としたい

(30)

2019 年 10 月の第 4 回総会で受けた指摘

これらのサービスデザイン思考の原則を使いつつ(規格に含めつつ)、

弱まった共創の側⾯を再度追加する⽅針でいたところ・・・

“⼀般的なサービス設計の記述と、

エクセレントサービスの設計の記述と

が混在している︕特化すべき︕”

(31)

31

エクセレントサービスのための設計とは?

個別的なサービスと驚きをもたらすサービスによって、卓越した顧客体験を創出していく ための設計・開発に関する体系的なアプローチ(

DfM, DfE

などと同じく特化したアプローチ)

単独で完結する設計⼿法でなく、社内でのサービス設計・開発プロジェクトに組み込むもの

ISO/WD 24082

を元に作成

エクセレント サービス

サービス 基本

レベル 3

レベル 2

コアサービス の提供

レベル 4

フィードバック顧客 マネジメント

レベル 1

エクセレント個別的な サービスの提供

驚きをもたらす エクセレント

サービスの提供 エクセレントサービスのための設計

(Design for Excellent Service: DfES)

サービスデザイン(⼀般的)

・・・

(32)

エクセレントサービスのための設計( DfES )の原則

1. 

感情的

Emotional

エクセレントサービスは、顧客に対してポジティブな感情をもたらすよう設計すべき

顧客のデライトは、「このサービスは⾃分に個別化され⾃分に適している」や「⾃分は

⼤切にされている」などと顧客が感じる時に抱くポジティブな感情によって達成される

良い意味での驚きはポジティブな感情のひとつであり、デライトを増⼤する

2. 

適応的

Adaptive

エクセレントサービスは、組織が様々な変化に適応し素早く対応できる仕組みを伴った ものとして設計されるべき

サービスの提供過程と継続的な改善の双⽅について同様にあてはまる

3. 

顧客との共創

Co‐creative with customer

エクセレントサービスは、設計過程とサービス提供過程の双⽅において顧客が積極的に 関与できるよう設計すべき。顧客は価値共創における本質的なパートナー

顧客とサービス提供者間の共創は、デライトを増⼤させ、維持し、またロイヤルティを

⾼める 4. 組織・顧客視点との整合

Consistent with the  organization and customer perspective

エクセレントサービスは、組織の能⼒および顧客の視点と整合するように設計すべき

エクセレントサービスの闇雲な指向は避けるべきであり、まずは現在の組織能⼒がどの レベルにあるかを、サービスエクセレンスピラミッドを元に正しく把握する必要がある

(33)

エクセレントサービスの設計活動

(34)

2019 年 10 月の第 4 回総会で受けた指摘 再

エクレセントサービスがどのように構成されているかという、

構造的+静態的なモデルを中⼼に規格を組み⽴てようとした ところ・・・

“理解のための概念図じゃなくて、

具体的に何をすべきかという組織に とっての⾏動を中⼼に書くべき︕”

Customer delight

インタラクション (顧客接点)

Touch points)

( 通常の)

顧客経験

共創環境( =共創を促進する環境)

データ取得点

Data points)

卓越した 顧客経験

継続的な使とサービス提供

次の設計と管理活動

(35)

人間中心設計アプローチでの設計活動の例 35

 Human-centred Design Processes for Interactive Systems

JIS Z 8530:2000 −

インタラクティブシステムの⼈間中⼼設計プロセス)

, ISO 9240-210

その設計アプローチを実現する上で必要な設計活動とその説明が多く書かれている

出典︓⼈間中⼼設計機構HP

(36)

DfES は、 5 つの主要設計活動から構成される

ステップではなく⼊出⼒の関係である点に注意

E) エクセレントサービス のための設計案の評価

C) 卓越した顧客体験を 顧客接点とデータ取得点と

⼀緒に企画する

D) 共創を促進する 環境を設計する

エクセレントサービス とその提供

B) 設計の問いを定め、

独⾃の価値提案を⽰す

A) 顧客を理解し共感する

適切な場所に 戻り、実施 例)

顧客プロフィール 顧客の声(VoC)

顧客インサイト

How might we(HMW)の問い 独⾃の価値提案

例)新たな顧客ジャーニー 顧客接点、データ取得点 サービスブループリント

例)

顧客による積極的な参画

サービス提供者による顧客中⼼の活動 フィールド 共創環境

データ 評価レポートを

含む設計結果

顧客のニーズ、期待、要望を理解する

顧客に対する深い共感を築く

顧客インサイトを元に設計の問いを設定する

独⾃の価値提案をつくる

サービス提供者の顧客中⼼性を奨励する

顧客による積極的な参加を奨励する

両⽅を総合化し、顧客接点において緊密な 協⼒関係を築く

顧客視点から評価する

実現可能性を評価する

持続可能性を評価する

卓越した顧客体験を企画する

感情に働きかける顧客接点を構築する

効果的なデータ取得点を構築する

ISO/WD 24082

を元に作成

エクセレントサービスに関する 設計プロジェクトの企画

(37)

参考) ISO/DIS 23592  と ISO/WD 24082 の関係 37

卓越した顧客体験の創出 顧客ニーズ、期待、

要望の理解 卓越した顧客体験の 構成と刷新

サービス・

イノベーション・

マネジメント

4. エクセレントサービスの設計の原則

感情的(Emotional)

適応的(Adaptive)

顧客との共創(Co-creative)

組織と顧客視点との整合(Consistent with …)

5. エクセレントサービスの設計活動

エクセレントサービスの設計プロジェクトの企画

A) 顧客を理解し共感する

B) 設計課題と独⾃の価値提案を設定する

C) 卓越した顧客体験を顧客接点とデータ取得点を

⼀緒に企画する

D) 共創を促進する環境を設計する

E) エクセレントサービスに向けて設計案を評価する

(38)

サービスデザインに関連したツールセットは山ほどある

 デザイン思考やビジネスモデル開発のツールと⼀部は重複する

 これらのうち、デライトと主要設計活動に深く関わる代表的なものを利⽤

http://www.bnn.co.jp/books/10251/

https://designscapes.eu/resources/

DesignScapes Toolkit

(39)

39

B‐1)  顧客インサイトを元に、設計の問いを定める

「○○してはどうか︖」「○○するにはどうすればよいか︖」などの問いかけを考えることで、得られた インサイトを元に、何にアプローチするかというテーマを⽅向付ける(フレーミング)

喜ばせたい⼈の問題点を明⽰する

製品やサービスそのものに焦点を当てすぎない

レバレッジポイントの状況を広めに設定する

取り組みの例)

How might we (HMW)

クエスチョン、設計の問いを⽴てるためのその他ツールを使⽤

例)スイーツ⾷品を⼿がける会社が新しい商品を開発する場合

狭い︓「ポタポタしずくを垂らさず⾷べられる

アイスクリームコーンをつくってはどうか︖」

広い︓「デザートをリ・デザインしてはどうか︖」

適切︓「より持ち運ぶのに便利なアイスクリームを リ・デザインしてはどうか︖」

出典︓デザイン思考ファシリテーションガイドブック http://www.itoki.jp/catalog/special/designthinking/

(40)

B‐2)  独自の価値提案( Unique value proposition )をつくる

そのサービスを通じてもたらされる便益が何で、どのようにして顧客の感情体験(

Emotional experience

が形づくられ、また競合との差異は何であるかを端的に表したもの

この価値提案との⽤語は近年、サービス研究のみならず、実務ツールの中でも⽤いられる

価値提案キャンバス(Value proposition canvas)、ビジネスモデルキャンバス(Business model canvas

取り組みの例)狩野モデルでの魅⼒的品質、上記ツールでのペインやゲインなどに注⽬した分析

Lyft's step-by-step value proposition

Uber's value proposition, offering uber convenience

https://www.wordstream.com/blog/ws/2016/04/27/value‐proposition‐examples

(41)

エクセレントサービスの構造 41

以降の

C,D

を理解するための模式図

特に顧客接点、データ取得点

従来は左から右へフローチャート 形式で書かれることが多いカスタ マージャーニーとサービスの提供 プロセスを円環表記にすることで、

継続性を強調

デライト顧客の

(Touchpoints)顧客接点

*タッチポイント

通常の 顧客体験 共創環境(共創を促進する環境)

データ取得点

(Data points)

顧客体験卓越した

継続的な使⽤とサービス提供

次の設計と管理活動

Hara 2020

を元に作成

ISO/WD 24082

と少し異なる)

(42)

参考) よく使われるカスタマージャーニーマップの構造

https://markezine.jp/article/detail/29298

(43)

43

C‐2)  感情に働きかける顧客接点( Touchpoints )を構築する

サービスには、サービス提供者と顧客が相互にやりとりをする複数の接点が含まれる

通常これらはタッチポイント(

Touchpoints

)と呼ばれ、ここでは顧客接点と呼ぶ

顧客接点は、サービスの直接の利⽤中に限らず、その利⽤前後にも存在し得る

そして、これらは顧客がサービスを体験し感情を抱く主要な箇所となり得るため、⼗分な 注意とリソースをかけるとともに、⼀貫性を持って設計していくことが重要である

物理的な顧客接点だけでなく、バーチャルな顧客接点についても検討する

取り組みの例

包括的な顧客ジャーニーマップをつくることで、顧客の感情的な側⾯と顧客接点を再構成する

顧客接点の中でも、真実の瞬間(Moment of truth)と呼ばれる、顧客ジャーニーの中で影響が 最も⼤きく、持続する印象を残すものを特定する

インターネット、センサ、デジタル技術を⽤いることで、顧客の関わりを⾼める機会をつくる バーチャルなインタラクションの提供の選択肢を幅広く検討する

顧客と組織間の直接のインタラクションだけでなく、顧客接点における様々な類型を理解し、幅 広く検討していく

(44)

C‐3)  効果的なデータ取得点( Data points )を構築する

顧客ジャーニーに沿って引き出される顧客の感情的な体験を観察し測定するための箇所(タイミングと場所)

取得データ)顧客の⾏動やサービスに対する反応に加えて、従業員によるサービス提供⾏動など

いわば

定点観測すべき箇所“であり、顧客接点でのインタラクションとその内容がわかりやすい候補箇所

フィードバック提供、サービスの個別化、改善と学習などを可能とし、感情的・適応・共創の原則に寄与

⼀⽅で、多数設けると⼿間とコストが⾼くなる恐れがあるため、インターネット、センサ、デジタル技術

( Internet, Sensor, Digital Technology: ISDT )

なども積極的に利⽤し、効率良くデータを収集する仕組みが肝要

取り組みの例

顧客接点を含む顧客ジャーニーマップやサービスブループリントを元にして、データ取得点を明確化する

(特に顧客接点における)顧客体験が損なわれないよう、データ取得点とその観測⽅法を適切に構築する

顧客の知覚が⽣じたり、従業員がよく観察したりしているところの知覚にデータ取得点を適切に配置する

低コストでの共有と処理を素早く⾏うため、できる限りデジタルデータとして当初から取得する

パーソナル・データを扱う場合には、プライバシー・バイ・デザインのアプローチを採⽤する

(45)

参考) サービス・ブループリント(簡易版)の例 45

Line of interaction

Line of visibility

物的証拠

Line of internal interaction

提供者の活動

(バックステージ)

サポート業務 提供者の活動

(フロントステージ)

ユーザの⾏動 搭乗する 荷物を収納して座席に

座る

機内誌を読む

ドリンクを 注⽂して飲む

おかわりを 注⽂して飲む

着陸に備える 機内安全ビ

デオをみる

搭乗案内 ドリンクサービス ⾒まわりと

声かけ

シートベルト

機内安全ビデオ

コップ

カート

テーブル

コーヒーを 淹れる

機内誌の発⾏ ドリンクの 補給

⾒まわりと声かけ

カート準備 乗客情報の

共有

⾶⾏前点検機体の

搭乗橋

乗務員の

⾝だしなみ

搭乗券

他乗客の荷物

荷物の棚

座席

離陸の準備

客室の清掃

搭乗準備 忘れ物

着陸の チェック 準備

降りる

挨拶

搭乗橋

機内誌コップ

カート

テーブル

出典︓原⾠徳サービスブループリント(第II, 3章 分析法)⽇本デザイン学会・松岡由幸 編集デザイン科学事典丸善出版, 2019.

(46)

自動化されていないデータ取得点の例

完全なデジタル化は難しくとも、属⼈的になっている データ取得点を明らかにし、サービス提供者間で活かす

以下は、機内サービスでの熟練

CA

での接客過程の分析例

出典: https://happyornot.alohaworks.jp/products‐and‐services/smiley‐terminal/

(1) 乗客⼼理・

要求の推定 (2) 接客⾏動案の検討 乗客の⾏動・仕草

アプローチ受動的な

アプローチ能動的な

ある特定の

接客⾏動

若⼿CA:接客⾏動案が頭に浮かんだとしても、

確証が持てず、躊躇することが多い

(4)接客⾏動/アプローチ と乗客の反応の確認

(3)接客⾏動案を絞り込む ためのアプローチ

(観察、声かけ等)

熟練CA:様々なバリエーションの観察や声かけを 通じて、乗客の情報を上⼿く引き出すことで、

接客⾏動案を絞り込んでいく

知覚

熟練CA:受動的/能動的なアプローチを 短時間に相互に切り替えて接客を進⾏

直感的な顧客満⾜度評価端末など を通じて、顧客体験を損なわずに タイムリーに収集する

原⾠徳: 客室サービスでのおもてなしとはなにか―サービス⼯学を基に客室乗務

員の⾏動と内⾯を探り、⼈材育成に⽣かす‐, ていくおふ, No.147, pp.32‐39, 2017. データ取得点

データ取得点

データ取得点

(47)

47

D) 卓越した顧客体験を促進する共創環境を構築する

共創環境(

Co-creation environment

)=顧客とサービス提供者間の共創を促進する環境

設計に限らず、サービスの利⽤全般にわたる顧客との共創によって利⽤価値(

Value in Use

)を

⾼めていくとの⽅向性は、近年では⼀般的になりつつある。これは製造業にも当てはまる

価値共創を偶然のみに頼るのではなく、「共創が促進される環境」の準備を通じて、その可能性 を⾼める設計をしていくことが重要

価値提案、顧客ジャーニー、サービス提供プロセスの細部が全て事前規定されている訳ではない

熱意のある従業員と顧客が、⼀定の裁量と⾃由度を持って補完と発展を⾏っていく

出典: http://www.buaiso.net/special/20980/2/

(48)

D‐1)  サービス提供者の顧客中心性を奨励する

従業員エンゲージメント

従業員の組織に対するコミットメント

⾃⾝の仕事(ジョブ)に対する熱意や 没頭度合いを⽰す

Level 1 報酬

Level 2 規則

Level 3 顧客からの要請

Level 4 顧客視点での観察

Level 5 顧客への共感

Level 6 ⼼理的なオーナーシップ

サービス提供者(特に個⼈)の顧客中⼼性のレベルとその⾏動規範の例

⾼い帰属意識

受動的姿勢・関与

能動的姿勢・関与

ISO/WD 24082

を元に作成

顧客中⼼性(

customer-centricity

顧客に対して柔軟で個別的なサービス 提供を実現していく上で重要

適切な権限などを与えることで、提供者 が⾃らの⼒を存分に発揮できるよう促進

組織⾯(

ISO/DIS 23592

)でいえば・・ エクセレントサービスでは・・

(49)

49

D‐2) 顧客による積極的な参加を奨励する

顧客エンゲージメント

組織やサービスに対する熱意の度合い

組織やサービスに向けた様々な参加

⾏動の中で⽰される

組織⾯(

ISO/DTS 23592

)でいえば・・

顧客の積極的な参加

その顧客にとっての最⼤レベルのエン ゲージメントを発揮できるよう参加の機 会をつくる

サービスの利⽤中に、顧客に対して適度 な選択肢と⾏動を与える

エクセレントサービスでは・・・

Level 1 受け⼊れ

Level 2 要求の明確な表明

Level 3 効果的・効率的な利⽤

Level 4 状況に応じた適応・⼯夫

Level 5 協働、他者への推薦

Level 6 ⼼理的なオーナーシップ

顧客の積極的な参加のレベル例

ファンになる︕

受動的姿勢・関与

能動的姿勢・関与

ISO/WD 24082

を元に作成

(50)

D‐3) 両方を総合化し、顧客接点において適切な協力関係を築く

下図の様に、顧客による積極的な参加と、サービス提供者の顧客中⼼性を総合的に考える

適切な協調を元に緊密な協⼒関係を築ければ、卓越した顧客体験を⽣み出す共創の可能性が⼤

特に顧客接点の周辺で、顧客と従業員が素早く互いの情報を共有できるような環境をつくる

ISO/WD 24082

を元に作成

サービス提供者の顧客中⼼性 協⼒関係の適切さ

緊密な協⼒関係の強さ = 優れた顧客体験を⽣み出す 共創の余地(Area)

平⾏四辺形の⾯積(Area)

(51)

参考) 製造業のサービス化における共創の例 51

顧客向け保守サービスの向上「⾒守る」

1999

KOMTRAX

による建機の所在地の確認と盗難防⽌

当時︓

KOMTRAX

機能は有料オプション

コマツ内でのノウハウ蓄積

2001

KOMTRAX

のオプションを無料搭載(国内)

運⽤・稼働の⻑期把握

保守管理・稼働管理の⾼度化

顧客の業務の「⾒える化」⽀援

2001

後半)

顧客への⾞両データ提供も開始(

E-

コマツネット)

建機の稼働状況

+

オペレータ勤怠管理に発展

中国

(2004)

での展開を機に、本格的な活⽤開始

省エネ運転⽀援や下取り・保険へと発展 「提案」

(2005

)

蓄積したノウハウを活かし、次なる展開に発展

⼤規模案件での共同開発・運⽤へ

⼤型ダンプの無⼈運転を実現し、鉱⼭会社と

KPI

を共有するこ とで、顧客企業のオペの⼀部を代替

コマツ 顧客

T. Hara, K. Sato and T. Arai: Modeling the transition to a provider-customer relationship in servitization for expansion of customer activity cycles. CIRP Annals -Manufacturing Technology, Vol. 62/1, pp.173-176, 2016.

Design-for-use

Design-of-use

Design-from-use Design-in-use

コマツの

KOMTRAX

=遠隔機械稼働管理システム

*顧客の積極的な参加

*提供者の顧客中⼼性

*提供者の顧客中⼼性

*緊密な協⼒関係

(52)

参考) 対話型観光プランニングサービス [ 倉田・原 2014]

CT-Planner = Collaborative Tour Planner (https://ctplanner.jp/)

推薦プランの提⽰とユーザによる要求追加を繰り返す、対話型推薦システム

ユーザの観光嗜好に基づき、組み合わせ最適化問題を解いて推薦プランを導出

顧客接点 + データ取得点 + 顧客の積極的な参加(設計)を活かした例

(53)

53

E)  エクセレントサービスとして設計案の評価

顧客視点での評価

無形のサービスに形を与えたり体感できるような実験的な⽅法(プロトタイピング)を⾏う

(顧客ジャーニーマップ、ストーリーボード、デスクトップ・ウォークスルーなど)

パーソナルデータを扱う場合には、プライバシー影響評価を⾏う

ビジネスエスノグラフィ(⾏動観察)や回顧的インタビューを実施する

NPSの様な⽀持スコア(advocacy score)を含むフォローアップのアンケートを⾏い分析する

CRMツールやSNSなどの顧客⾏動や声に関する定性的・定量的データの双⽅を分析する

設計したサービスシステムの実現可能性の評価

設計した顧客接点、データ取得点、共創環境の適切さを、それぞれ評価する(次⾴参照)

デジタル技術の利⽤可能性や効果にも注⽬する

持続可能性の評価

経済性、社会性の両⾯から評価する

・・・

(54)

付録

(55)

55

てこの原理(カタパルト=投石機)による共創効果のモデル化

この共創による効果を、⾝の回りにある現象との類推から、より詳しく模式化

作⽤点 ⽀点 ⼒点

(

サービス提供者の荷重 顧客中⼼性のレベル

)

⼒のモーメント

(緊密な協⼒関係の強さ)

顧客満⾜顧客のデライト

x 1 報酬

x 2 規則

x 3 顧客からの要請 x 4 顧客視点での観察 x 5 顧客への共感

x 6 ⼼理的なオーナーシップ

サービス提供者の顧客中⼼性の レベルとその⾏動規範の例

受け⼊れ

要求の明確な表明 効果的・効率的な利⽤

状況に応じた適応・⼯夫 協働、他者への推薦

⼼理的なオーナーシップ

顧客参加のレベル例

1 2 3 4 5 6

ISO/WD 24082

を元に作成

(56)

基本サービスの場合

顧客満⾜顧客のデライト

状態

B-1

状態

B-2

勢いが⼗分でないため、ボールはバーの上に留まり、

上空に⾶ばない

⾼い顧客満⾜度は得られるが、デライトに⾄らない

作⽤点 ⽀点 ⼒点

⼗分でないデータ収集と 利活⽤の仕組み

ISO/WD 24082

を元に作成 緊密でない

×

協⼒関係

(57)

エクセレントサービスの場合 57

作⽤点 ⽀点 ⼒点

ボールの最⾼到達点

(卓越した顧客体験)

顧客満⾜顧客のデライト

データ収集と利活⽤の⼗分な仕組み

ポジティブな感情体験

状態

E-1

状態

E-2

状態

E-3

ISO/WD 24082

を元に作成 緊密な協⼒関係

(58)

ご清聴ありがとうございました

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参照

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