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-高齢者と若年者の比較-

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Academic year: 2021

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(1)

A study of illumination suitable for reading

-For elderly people compare to young people-

Akimasa OSHIMA and Yoshinori HORIE 読書に適した照度の研究

読書に適した照度の研究 読書に適した照度の研究 読書に適した照度の研究

-高齢者と若年者の比較-

-高齢者と若年者の比較-

-高齢者と若年者の比較-

-高齢者と若年者の比較-

日大生産工(院) ○大島 彰将 日大生産工 堀江 良典

11 1

1. . . はじめに . はじめに はじめに はじめに

現在, 我が国は超高齢社会になっている. 2015 年には日本の全人口の約 3 人に 1 人が高齢者とい う社会になることが予測されている

1)

.

老化により様々な機能が低下するが, 中でも視 覚系は機能低下が比較的早期から起こるといわれ ている. 多くの人に訪れる老眼は,40~50 歳ぐらい から症状が現れ始め,60 歳を過ぎると急激な視力 の低下が始まり,70 歳代になる頃には視力が若年 者の 2 分の 1 まで低下する.

視覚系の機能低下を補うものの1つに照明があ る. 照明は居住環境を構成する一要素に過ぎない が, 生活をしていく上で無くてはならない存在であ る. 特に若年者に比べて視覚機能が低下している 高齢者に対しては眼への負担が軽い照明が必要 とされる. 一般的には高齢者の視覚系機能の低下 を補うには, 若年者よりも照度を 2~3 倍程度高く する方法が良いとされている

2)

.

JIS が推奨する住宅居間の読書行為に対する照 度は, 教室に適した照度と同じ 300lx~750lxであ るが, 高齢者の特性を考えると必ずしもこの数値 が適したものとは言えない. 岩井の高齢者に適し た照度の基礎的な研究においては, JISが推奨し ている 300lx~750lxよりも高い照度に高齢者の読 書に適した照度があるのではないかと結論づけて いる

3)

. そのため従来の JIS 等の基準では高齢者 が不便を感じている可能性がある.

しかし, 安易に照度を高くすると, 高齢者は明る い環境から暗い環境へ移動したときの視認性回復 力が若年者に比べて劣るため, 事故に繋がる可能 性が高まってしまう. このような事故を軽減するため, 高齢者には全般照明の他に補助照明などを用い 照度を整え, 作業に合わせて個別の照明を設置 する方法であるタスク&アンビエント照明が推奨さ れている. すなわち高齢者の読書に適した照明環 境を作るには, 読書用の照明としてデスクライトを 用いることが望ましい.

2 22

2. . . . 研究目的 研究目的 研究目的 研究目的

タスク&アンビエントの照明による「読みやすさ」

と「視覚負担」という二つの視点から実験的に考察 し, 高齢者の読書に適した照度を提案する.

3 33

3. . . . 実験 実験 実験 実験 3 33

3- -- -1 11 1 実験概要 実験概要 実験概要 実験概要

被験者に, 後述の 4 パターンの照度の下で 45 分間新聞を読ませた. 主観的な疲労感の訴え を,独自に作成した自覚症状調べにより

4)

,毎 回実験の前後に実施した.快適性については読 みやすさに関するアンケートを各照度実験後 の計 4 回実施した. 視覚負担はアコモドポリレ コーダーにより測定した.

3 33

3- -- -2 22 2 実験環境 実験環境 実験環境 実験環境

温度を一定にし, 外光が入らないようにし た部屋を使用した.読書面の設定照度は, JIS が 推奨する最高照度である 750lx を基準として約 1.5 倍 ずつ に し た 4 パ タ ーン で あ る 750lx, 1150lx, 1700lx, 2550lx とした. 約 1.5 倍とし たのは人間の眼が感知できる最小の照度幅が 約 1.5 倍程度とされているからである

5)

. また,実験では全般照明は一定に保ち,照度 は補助照明を変化させた.タスクライトは新聞 サイズ(60cm)をワイドに照射できる Panasonic の SQ890S を使用した.

3 33

3- -- -3 33 3 実験参加者 実験参加者 実験参加者 実験参加者

視機能正常な高齢者 5 名(平均年齢 69 歳) 視機能正常な若年者 5 名(平均年齢 21. 6 歳) 3

33

3- -- -4 44 4 実験手順 実験手順 実験手順 実験手順

自覚症状調べ 調整時間の測定アコモドポリレコーダーによる 作業45分間 自覚症状調べ

調整時間の測定

アコモドポリレコーダーによる 読みやすさアンケート

図 図

図 1. 1. 1. 1.実験手順 実験手順 実験手順 実験手順

−日本大学生産工学部第42回学術講演会(2009-12-5)−

― 41 ―

6-12

(2)

44 4

4. . . 結果 . 結果 結果 結果及び考察 及び考察 及び考察 及び考察

図 2-1, 図 2-2 共にアコモドポリレコーダーにより 測定した実験後の眼の調節時間の平均増減率で ある. 実験前後の数値を比べ, その増減率の大き さを視覚負担と見ることができる. つまり増減率が 高いほど視覚負担が大きいと言うことができる. グ

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

750lx 1150lx 1700lx 2550lx

増減率(%)増減率(%)増減率(%)増減率(%)

高齢者 若年者

図 図 図 2 図 22 2- -- -1 11 1. . . . 調節緊張時間の平均増減率 調節緊張時間の平均増減率 調節緊張時間の平均増減率 調節緊張時間の平均増減率(n=5) (n=5) (n=5) (n=5)

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

750lx 1150lx 1700lx 2550lx

増減率(%)増減率(%)増減率(%)増減率(%)

高齢者 若年者

図 図 図 2 図 22 2- -- -2 22 2. . . . 調節弛緩時間の平均増減率 調節弛緩時間の平均増減率 調節弛緩時間の平均増減率 調節弛緩時間の平均増減率(n=5) (n=5) (n=5) (n=5)

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

750lx 1150lx 1700lx 2550lx

得点

高齢者 若年者

*

*

*

* * * * *

*

* *

* *

*

*

*

図 図 図 図 3 33 3. . . . 読みやすさ評価の平均得点 読みやすさ評価の平均得点 読みやすさ評価の平均得点(n=5) 読みやすさ評価の平均得点 (n=5) (n=5) (n=5)

-5 0 5 10 15 20 25 30

訴え数

高齢者 若年者

****

**** ****

****

****

****

750lx 1150lx 1700lx 2550lx

750lx

図 図 図 図 4 44 4. . . . 自覚症状調べの平均訴え数 自覚症状調べの平均訴え数 自覚症状調べの平均訴え数(n=5) 自覚症状調べの平均訴え数 (n=5) (n=5) (n=5)

ラフから若年者と高齢者の視覚負担に違いが 見られた. 若年者は 2550lx の時には調節緊張 時間・調節弛緩時間とも増減率が高齢者の約 5 倍となった. しかし高齢者は照度が高くなる ほど眼の負担が少なくなり, 2550lx が最も視覚 負担の少ない照度という結果になった.

図 3 は数値が高いほど被験者が読みやすいと 感じていると言うことができる. 若年者の場 合は 750lx が最も得点が高く, 高齢者の場合は 1700lx が最も得点が高い.

図 4 では数値が高いほど被験者が主観的負担 を訴えていると言える.若年者の場合 750lx, 1150lx, の間と 1700lx, 2550lx の間に有意な 差があることがわかった. 若年者は 1700lx 以 上の照度では視覚負担が重いと訴えている.

また,以上全ての結果から高齢者は若年者に 比べて個人差が大きいことがわかる.

5 55

5. . . . まとめ まとめ まとめ まとめ

実験結果から従来の JIS 基準では高齢者に対 する配慮が足りないと言える.

若年者については JIS 基準が適しているのに 対して, 高齢者に適した照度は読みやすさか ら見ると 1700lx, 主観的な負担感では 1150lx, 客観的な視覚負担の評価では 2550lx が適した 照度となった.

高齢者は若年者に比べ, 個人差が大きいの で一概には言えないが, 読みやすさと視覚負 担という二つの視点から考察すると高齢者の 読書時に適した照度は 1700lx 前後である.

1700lx は全般照明を点灯し,一般的なデスク ライト(27w の蛍光灯を 2 本使用)を点灯するこ とで実現できる.

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<参考文献 参考文献 参考文献 参考文献> >> >

1)国立社会保障・人口問題研究所:日本の将来推 計人口(平成 18 年 12 月推定),2006.

2)横田健治:高齢者配慮の住宅照明の考え方, 松下電工技法,No.55,p.8‐13,1996 3)岩井彌:高齢者の視覚特性を考慮した照明方法,

松下電工技報, Vol. 82, p. 16-23, 2003.

4)日本産業衛生学会・産業疲労研究会編集委員 会 1 編:産業疲労ハンドブック p.362-363, 1995.

5)岡嶋克典:時間的照度変動の検出方法,平成 14 年度照明学会第 35 回全国大会,p.231

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参照

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