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アサザ種子の「翼」の機能を探る 共生のひろば 12号 兵庫県立 人と自然の博物館(ひとはく)

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Academic year: 2018

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共生のひろば 12 号(2017)

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写真 アサザの種子

アサザ種子の「翼」の機能を探る

岡田遼太郎・木谷亮太・山田愛子・市原晨太郎・山本楓・前田笙・田村統 (兵庫県立大学附属高等学校 自然科学部生物班)

はじめに

年に相生市で部員が発見したアサザについて研究した。これまで アサザは、めしべの長さの異なる花型間でのみ結実するとされてきた。し かし、野外調査や人工交配実験の結果、めしべの短い短花柱花のみで、正 常に結実し、発芽能力のある種子が得られることがわかった。

アサザの種子の周辺には、特徴的な突起があり、われわれは「翼」と名 付けて、この「翼」の機能を解明することにした。

アサザの生態

アサザは多年生の水草である。種子は水面を漂い、陸地に漂着した場合に発芽し、成長とともに水 中に移動する。水底に沈んだ種子は、土壌シードバンクを形成する。

アサザの生態をもとに、種子の「翼」の機能について、次のような仮説をたてて実験した。

仮説1 浮力を高める 仮説2 付着力を高める

仮説3 水面の移動効率を高める 仮説4 漂着後の移動を妨げる

実験方法

実験1 浮力を高めるか 紙皿やアルミカップの周辺に、「翼」に似せるために切り込みを入れた

モデルをつくり、翼の有無や数による浮力の変化を調べた。

実験2 付着力を高めるか タオル(綿・麻・絹)、フェルト、カモの翼や羽毛、生きたアイガモを

もちいて、「翼」の付着力を調べた。

実験3 水面での移動効率を高めるか 水平に雨樋を設置して水を張った。水面に種子を浮かべて、

送風したとき「翼」の有る種子は「翼」の無い種子よりも、移動速度が速くなるか調べた。

実験4 陸に漂着後、移動を妨げるか 雨樋の底にフェルトをはり、緩やかな傾斜をつけて設置した。

フェルト上に種子をおいた後、上流方向から水を ずつ各 回流して、「翼」の有無による移

動距離の違いについて調べた。

結果と考察

モデル実験の結果、種子周辺の「翼」は、浮力の 向上に効果があるという結果は得られなかった。付 着力に関しては、「翼」がない場合よりは、確実に 付着力は向上した。ただし、水中では簡単に脱落し た。羽繕いや水浴びをするカモに付着して、分布を 拡大することはかなり困難であると判断された。 「翼」が水面で浮遊する種子の帆になるか、実験し たところ、水中での抵抗の方が大きく、むしろ「翼」 がないほうが水面の移動はスムーズであった。

雨樋を使った流下実験では、「翼」がある種子は、ない種子よりもあきらかに流されにくかった。 このことから、種子の周辺突起のはたらきは「陸上でないと発芽できない種子が水中へ流されない ためのアンカー」であることがわかった。

参照

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