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ナノ粒子のサイズ・形態制御と 構造敏感型触媒プロセスへの応用

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(1)

環境表面科学講義

村松淳司

(2)

ナノ粒子と触媒機能

(3)

3 ナノ粒子 ナノ粒子 1m 1m 10cm10cm 1cm1cm 1mm1mm 100 μ m 100 μ m 10 μ m 10 μ m 1 μ m 1 μ m 100nm 100nm 10nm10nm 1nm1nm 1 Å 1 Å 光学顕微鏡 光学顕微鏡 電子顕微鏡電子顕微鏡 ソフト ボ ー ル ソフト ボ ー ル 硬貨 硬貨 パチンコ玉 パチンコ玉 小麦粉 小麦粉 花粉花粉 タバコの煙タバコの煙 ウィルスウィルス セロハン孔径セロハン孔径 100 μ m 100 μ m 10 μ m 10 μ m 1 μ m 1 μ m 1nm 1nm 100nm 100nm 10nm10nm 微粒子 微粒子 超微粒子超微粒子 クラスタークラスター サブミクロン粒子 サブミクロン粒子 コロイド分散系 コロイド分散系

粒子径による粒子の分類

粒子径による粒子の分類

(4)

4

(5)

5

ナノ粒子

„

10

−9

m = 1 nm

„

10億分の1

m

の世界

„

原子が数~十数個集まった素材

„

バルクとは異なる物性が期待される

„

バルク原子数と表面原子数に差がなく、

結合不飽和な原子が多く存在する

(6)

6

粒子径による粒子の分類

100 μ m 1m 10cm 100 μ m ソフト ボ ー ル 硬貨 パチンコ玉 小麦粉 1cm 1mm 10 μ m 1 μ m 100nm 10nm 1nm 1 Å セロハン孔径 光学顕微鏡 電子顕微鏡 花粉 タバコの煙 ウィルス 10 μ m 1 μ m 1nm 100nm 10nm 微粒子 超微粒子 コロイド分散系 サブミクロン粒子 ナノ粒子 クラスター

(7)

7

地球とソフトボール

地球上にあるソフトボールを拡大!

地球上にあるソフトボールを拡大!

10

8 倍

(8)

8

ソフトボールを拡大

ソフトボールの中を拡大!

ソフトボールの中を拡大!

10 8 倍

1 nm

1億倍

(9)
(10)

10

触媒

„

工業触媒

„ 活性、選択性、寿命、作業性 „

触媒設計

„ 表面制御 „ バルク制御 „

表面制御

„ 金属触媒→金属種、価数、組成、粒径など „担体効果、アンサンブル効果、リガンド効果

(11)

11

活性

„

活性点1つあたりの

turnover frequency

„ 1サイトあたりの表面反応速度 „

触媒材料全体としての活性

触媒全体の活性は全表面積に依存

しかし、構造に強く依存する場合もある(後述)

(12)

12

寿命

„

触媒寿命

„ 同じ活性選択性を持続する „ 工業的には数ヶ月から1年の寿命が必要 „ 失活 „主にシンタリングや触媒物質自身の変化

(13)

13

選択性

„

特定の反応速度だけを変化させる

„ CO の水素化反応 „ Cu: CO + 2H 2 → CH 3 OH „ Ni: CO + 3H 2 → CH 4 + H 2 O „

Co, Fe: 6CO + 9H

2 → C 6 H 6 + 6H 2 O „ Rh: 2CO + 2H 2 → CH 3 COOH „ Rh: 2CO + 4H 2 → C 2 H 5 OH + H 2 O „ 反応条件にも左右される

(14)

14

酸化状態の制御の例

„

Mo/SiO

2

触媒

„ CO の水素化反応→炭化水素、アルコール 合成 „Mo (金属状態)→低級炭化水素を生成 „ Mo 金属上で CO は解離し、アルコールは生成しない „ Mo (4+ )→低活性で極僅かにメタノールを生成 „ Mo(4+) 上では CO は非解離吸着し、 -CO 部分を保持 „ Mo (金属)と Mo (4+ )→混合アルコールを生成 „ 解離した CO から炭素鎖を伸ばす -CH 2 が生成 „ 末端に -CO が付加し、水素化されてアルコールに

(15)

15

サイズ制御

„

比表面積を大きくし全体の触媒活性を増

„

TOF (Turnover Frequency)

がサイズに依

„

(16)

16

は密度

比表面積

d

d

r

d

V

S

SSA

r

S

r

V

3

4

3

4

2 3

=

=

=

=

π

π

半径が小さくなるほど、比表面積は大きくなる!

(17)

17

触媒設計

„

表面情報の正確な把握

„

精密な表面機能制御

„

局所構造制御と評価が重要

(18)

18

触媒の分類

„

均一系触媒

„ 反応物、生成物と同じ相 „ 例: 酢酸合成のロジウム触媒 „ 液相均一系 触媒も液体 „

不均一系触媒

„ 相が違うもの „ 例: 固体触媒 „ 担持触媒 、無担持触媒

(19)

19

担持金属触媒

担体

触媒金属 „

担体物質

上に、触媒

金属が担

持されてい

„

担体は粉

体か、塊状

態である

(20)

20

担持金属触媒

„

担体

„ 金属酸化物が多い „ 細孔が発達しているものが多い „ 機械的強度に優れている „

触媒金属

„ 担体上に担持、分散 „ 数 nm 程度の大きさが理想とされる „ 実際は 5 ~ 50nm 程度の場合が多い

(21)

21

担体:

(22)
(23)

23

担体の例:

活性炭

„

ヤシガラ活性炭

石炭系活性炭

„

木炭系活性炭

(24)

24

(25)

25

(26)

26

担持金属触媒

„

担体

„ 金属酸化物が多い „ 細孔が発達しているものが多い „ 機械的強度に優れている „

触媒金属

„ 担体上に担持、分散 „ 数 nm 程度の大きさが理想とされる „ 実際は 5 ~ 50nm 程度の場合が多い

(27)

27

(28)
(29)

29

(30)

30

(31)
(32)

32

構造敏感・構造鈍感

„ 構造鈍感 „ 表面積が大きくなる効果の み現れる „ 構造敏感 „ 触媒活性は粒径に依存 „ 粒径が小さいほど大きい „ 粒径が大きいほど大きい „ ある粒径で最大となる

(33)

33

(34)

34

(35)

35

(36)

36

(37)
(38)

38

ナノ粒子(超微粒子)合成法

„

物理的方法

„

化学的方法

„ 液相法 „ 気相法

(39)
(40)
(41)

41

ナノ粒子(超微粒子)合成法

„

物理的製法

„

化学的製法

„ 液相法 „析出沈殿法など水溶液からの製法 „液相還元法(電解法、無電解法)

(42)
(43)

43

(44)
(45)

45 調製法と分散度の関係 H, CO 吸着量は表面原子 数に比例する。 H, CO 吸着量が大きい ↓ 活性表面積が大きい 右の図の例では、 Pt 担持量 が一定以上になると表面積 が変わらなくなる →金属粒径が大きくなる

(46)
(47)

47

分散度(金属粒径)の制御

„

従来の触媒調製法の問題点

„ 分散度を大きくする(=粒径を小さくする)に は、担持量を少なくせざるを得ない „ 理想とされる数 nm にするには、たとえば Pt の場合、担持量を 3~5% 程度に制限せざるを 得ない。 „ 触媒全体の活性は、一般に、担持量に比例 するので、担持量を多くしたい。

(48)

48

粒径はそのままで担持量を多くしたい

担持量を多くすると粒 径が大きくなるだけ

従来

(49)

49

担持触媒(工業触媒)の限界

„ 再現性 „ 同じ方法で調製した触媒の活性、選択性の違いや 安定性の問題 „ 逐次反応による選択性の低下 „ 細孔が発達し、生成物が出口まで出てくる間に逐次 反応を受ける可能性がある „ 細孔閉塞 „ 出口で閉塞が起こると、急激な活性低下に „ 高担持量・高分散性の両立は無理

(50)
(51)

51

吸着が始まり

„

物理吸着

„ 弱い吸着: 必 ず自然界にある „

化学吸着

„ 強い吸着: 化 学結合を伴う

(52)

52

Table

化学吸着と物理吸着

吸着特性 化学吸着 物理吸着 吸着力 化学結合 ファン・デル・ワー ルス力 吸着場所 選択性あり 選択性なし 吸着層の構造 単分子層 多分子層も可能 吸着熱 10 ~ 100 k cal/mol 数 kcal/mol 活性化エネルギー 大きい 小さい 吸着速度 遅い 速い 吸着・脱離 可逆または非可逆 可逆 代表的な吸着の型 ラングミュア型 BET 型

(53)

53

(54)

54

(55)

55

(56)
(57)

57

(58)
(59)

59

触媒反応

„

物理吸着

„

化学吸着

„

表面反応

„

脱離

ここで終わったら、

単なる吸着現象

(60)

60

例:

メタノール合成反応

„

合成ガスからメタノールを合成する反応

CO + 2H

2

CH

3

OH

ポイントは

C=O

間の非解離。

H-H

の解離

(61)

61 可逆 可逆 不可逆

物理吸着

→化学吸着

CH 3 OH

表面反応

(62)

62

表面反応

„

不可逆過程が多い

„ 逆反応が圧倒的に不利な場合 „

表面反応が律速段階になる場合が多い

„ 表面反応にも多くの段階がある „ どこが律速段階か、は、アレニウスプロット で知ることができる

(63)

63

例:メタノール合成

„ 合成ガスからメタノールを合成する反応 CO + 2H 2 → CH 3 OH CO ガス→ CO (化学吸着) H 2 ガス→ H 2 (化学吸着)→ 2H (解離吸着) CO (吸着) +H → CHO ( 吸 着) <律速段階> CHO (吸着) +H → CH 2 O (吸着) CH 2 O (吸着) +H → CH 3 O (吸着) CH 3 O (吸着) +H → CH 3 OH (吸着) CH 3 OH ( 吸 着)→(脱離) CH 3 OH

(64)

64

活性化エネルギー

„ アレニウスの式 „ ここで, A は頻度因子, E は活性化エネルギーである.この式は異 なる温度での速度定数がわかれば,活性化エネルギーを求めるこ とを示している. „ アレニウスの式は,ボルツマン分布の式と同じ形をしていることが 重要である.活性化エネルギーは,反応が起きる途中の,中間体 になるためのエネルギーであるが,その中間体の存在する割合が, 反応速度を支配していると言うことを示している. „ 反応速度の解析は,様々な物質が共存するような反応において, 反応のメカニズムを解明する上で,重要となる       − = RT E A k a exp

(65)

65

見かけの活性化エネルギー

„

実験データから、

ln

(k)

y

軸、と

1/T

x

のプロットをすると、傾きが

Ea

=活性化エ

ネルギーとなる

ln

(k)

1/T

傾きが

E

a

(66)

66

触媒の働き

A

触媒

B

触媒

B 触媒の方が活性化エネルギー が小さいので有効と判断される

ln

(k)

1/T

(67)

67

活性化エネルギーが変わる?

ある温度領域で

反応パスが変わったと

理解すべき

ln

(k)

1/T

(68)

68

反応のパス

B

A

D

C

律速段階が変わると活性化エネルギーは変わる

(69)
(70)

70

環境触媒とは何だ?

„

脱硝触媒

„

光触媒

„

脱硫触媒

など

(71)

71

環境触媒って何?

„

20世紀の負の遺産というべきか、地球環境問

題の深刻化。非難の矛先はいつも「化学」だけ ど「化学」の恩恵をありったけ受けているのは人 間サマなのですぞ。それは兎も角、蒔いた種は 自分で刈るわけで「化学」の21世紀の任務は "Save the Earth"

。汚染物質を浄化するには、触

(72)

72

環境触媒

„ 自動車排ガス浄化触媒( NOx 、 CO 、 HC ) „ 脱硝触媒(火力発電所などの NO x) „ ディーゼルパティキュレート浄化触媒 „ ダイオキシン分解触媒 „ フロン分解触媒 „ 環境光触媒( NOx 、 VOC 、有機成分など) „ VOC 分解触媒(揮発性有機成分、 sickhouse 症候群の原因) „ オゾン分解触媒 „ 脱臭触媒 „ 自動車をはじめ、身の水浄化触媒(硝酸イオン、アンモニアなど) などなど

(73)

73

環境触媒

„

触媒は、それ自体は反応を起こさずに、

気体や流体などが化学反応を起こすのを

助ける物質です。これまでも石油の精製

や自動車の排ガス浄化に使われてきまし

たが、最近は環境問題に対する関心の高

まりとともに、

21

世紀の快適環境を創造す

る切り札として「環境触媒」が注目を集め

ています。

(74)

74

環境触媒

„ これは、日本が世界に先駆けて提起した技術発想で、 1) 水処理、 2) 脱臭、 3) 排ガス浄化、 4) 防汚・抗菌・殺菌の4 分野を中心に、生活・社会・産業環境のクリーン化に役 立つ高機能の触媒を指します。現在の市場は推定で約 2000 億円ですが、 2005 年には 10 倍の2兆円規模に急成 長すると予測され、多種多様な応用開発が進んでいま す。とくに、光をあてるだけで反応活性を示す「光触媒」 は、高温超伝導体の実用に比較されるほど革新的な触 媒で、日用品から燃料電池まで幅広い用途で環境問題 の解決に貢献すると期待されています。 „ (広告577,平成12年2月4日掲載)

(75)

75

●環境触媒の用途と市場予測

„

三菱総合研究所の調査によると、触媒を

組み込んだ装置などを含む環境触媒の市

場は、全体で約

2000

億円に達し、うち光触

媒が約

400

億円を占めると推定されます。

これが

2005

年には、全体で

10

倍の2兆円。

なかでも光触媒は

20

倍の1兆

1000

億円強

に急拡大すると予測されています。

(76)

76

●環境触媒の用途と市場予測

„

分野別の予測は次のとおりです。

1)

下水

し尿処理、水殺菌処理など水処理分野で

3500

億円、

2)

冷蔵庫や石油暖房機などの

脱臭、消臭・抗菌繊維など脱臭分野で

9100

億円、

3)

自動車エンジンや船舶用

ディーゼルエンジン、ダイオキシン除去装

置などの排ガス浄化分野で

4000

億円、

4)

建材・インテリア用品・トイレなどの防汚・

抗菌・殺菌分野で

2400

億円。

(77)

77

●脱硝触媒

„ 脱硝触媒は、光触媒と並ぶ主要な環境触媒で す。NO x( 窒素酸化物 ) の分解反応を助けて、無 害な窒素ガスと酸素ガスにします。HC、CO、N Ox の3成分を同時処理する三元触媒など、反 応活性の高い脱硝触媒の開発が進んでいます。 すでに自動車排ガスの触媒燃焼に活用されて いますが、今後はディーゼルエンジンを搭載し たトラックや船舶の排ガスに含まれるNO x の低 減化への応用が強く望まれています。

(78)

78

脱硝触媒といっても2種類ある

„

ボイラー、自家発電装置、燃焼炉等各種

固定燃焼装置、金属エッチングなどから

発生する窒素酸化物(NO

x

)の除去。還

元剤としてアンモニアを使用する選択的

還元法触媒。

„

NO

x(

窒素酸化物

)

の分解反応触媒。炭

化水素(HC)、CO、NO

x

の3成分を同時

処理する三元触媒

自動車触媒

(79)

79

脱硝触媒

4NO + 4NH 3 → 4N 2 + O 2 + 6H 2 O

(80)

80

自動車触媒

„ 現在、アルミナをベースとし白金、パラジウム、 ロジウムを加えた三元触媒が主。 „ ロジウムは窒素酸化物(NO x )の還元能力が高 く、白金とパラジウムは炭化水素(HC)と一酸化 炭素(CO)の酸化能力が高い。 „ ガソリンエンジンの排ガス組成ではHC、CO、N Ox のバランスがとれているため、HCとCOの酸 化反応とNO x の還元反応を同時に行わせるこ とができる。

(81)

81

排ガス規制

(82)

82

排ガス規制

(83)

83

(84)

84

燃料中の硫黄分とガソリン車の

NOx

排出量との関係(

10

・15

モード)

*ストイキオ=理論空燃費: ガソリン1 g に対して、空気 14 gの割合で燃やすのがもっとも理想とされて いる比率。ス ト イキとも 言う。

(85)

85

今後の自動車排ガス対策

I. デ ィー ゼ ル自動車の排出ガス低減対策(新長期目標) (目標値) ○浮遊粒子状物質(SPM)、二酸化窒素(NO2)等の大気汚染状況が厳しい中、 デ ィーゼル自動車から排出される 粒子 状物質の健康リスクが高いことが明らかになってき たことから 、窒素酸化物(NOx)等を低減しつ つ 、粒子状物質(PM)に 重点をおいた対策を行う。特に、重量車(車両総重量 3.5 t超)は、PM をより大幅に低減する。 なお、一酸化炭素(CO)については、環境基準を達成している こ と 等から、新短期規制値に据え置く。 ○新長期目標以降の自動車排出ガス低減対策(新たな低減目標)を検討する。その際、軽油中の硫黄分の低減等、燃料 対策も併せて検討する 。 (備考)達成時期については、「平成 17 年末まで」と第四次答申(平成 12 年 11 月)に お い て 答 申さ れてい る 。 II . ガ ソ リ ン自動車の排出ガス低減対策(新長期目標) (目標値) ○排出ガス 低減対策と二酸化炭素低減対策の両立に配慮しつ つ 、NOx等を低減する。 なお、一酸化炭素(CO)については、環境基準を達成している こ と 等から、新短期規制値に据え置く。 ○新長期目標以降の自動車排出ガス低減対策(新たな低減目標)を検討する。その際、 ガソリン中の硫黄分の低減等、 燃料対策も併せて検討する。 (達成時期) ○乗用車等は平成 17 年末までとする。但し、軽貨物車は、平成 19 年末までとする 。 (蒸発ガス対策) ○燃料蒸発ガスはSPMや光化学オキシダン ト 等の前駆物質であり、特にSPMの環境基準達成に向け、自動車対策と固 定発生源対策をあわせた総合的な 対策の検討を進めていく こ とが必要である。 (その他) ○低排出ガス認定制度等により、 引 き続き、低排出ガス 自動車の普及を図ることが適当である。

(86)

86

自動車触媒のリサイクル

(87)
(88)

88

同和鉱業の取り組み

„ 同和鉱業は、これまで廃棄物とされていたものを資源と見な し、これをリサイクル(再資源化)することにより、世界に偏在す る希少金属の安定供給をはかり、循環型社会の実現をめざし て金属リサイクル事業に積極的に取り組んでいます。 „ 1991 年には、自動車用廃触媒からの Pt 、 Pd 、 Rh の回収を目 的とする㈱日本ピージーエムを田中貴金属工業㈱との合弁で 設立しました。現在、廃触媒処理での国内シェアは、ほぼ 100 %、世界シェアでは 25 %を占めています。今後海外集荷を 強化、増強しリサイクルを進めていきます。 „ また、 1995 年に、小坂製錬所における鉛バッテリー処理と、同 和ハイテックにおける液晶製造工程のスクラップからの In 回収 事業を開始しました。さらに、 1998 年には、 Ga 、 Ge のリサイク ルも事業化しています。

(89)

89

同和鉱業の取り組み

„ 小坂製錬所で現在処理 している使用済み製品 等は、従来からの故銅 に加え、フィルム、酸化 銀電池、電子基板、 GaAs 半導体、携帯電話 と多岐にわたり、処理原 料に占める二次原料の 比率は、右のグラフで示 す通り Pd90 %、 Pb20 %、 Ag15 %、 Cu12 %となっ ています。

(90)
(91)

91

光触媒の特異性

„

電子と正孔の生成

„ 光励起はバルクの役割 „

電子+プロトン→水素生成

„ 水素生成は表面触媒機能 „

表面機能とバルク機能の両方の制御が

必要

(92)

92

本多・藤嶋効果

水→水素発生

解説

光利用効率を上げることが必須

光利用効率を上げることが必須

(93)

93

1.光触媒とはなにか

„

触媒は「それ自身は変化することなく化学

反応を促進する物質」と定義

„

光触媒はこれに「光照射下で」という条件

が付加

„

身近に見られる光触媒の例:

植物の光

合成で重要な働きをしている葉緑素(クロ

ロフィル)

(94)

94

図1

(95)

95

光触媒の用途別マスコミ発表件数

„ 空気清浄機、脱臭フィルター等 52 „ 外壁、外装、建材、テント等の防汚 36 „ 抗菌・脱臭用繊維および紙 15 „ 蛍光ランプ、街路灯関連の防汚 14 „ 浄水・活水器 14 „ 防汚・抗菌タイル(内装、外装) 10 „ 道路、コンクリート、セメント 10 „ キッチン関連の防汚・抗菌 10 „ 自動車の防汚コーティング 3 „ 防藻 3

(96)

96

光触媒

„ 残念ながら光合成をできる光触媒を人類はまだ 作り出していない。 „ 光によって機能する半導体素子(デバイス) „ 太陽電池、光ダイオード、光トランジスターな ど „ 光→電気変換、光→電気信号制御 „ 光→化学反応制御 „ 半導体光触媒の一般的機能: 脱 臭、抗菌・ 殺菌、防汚、有害物質の除去、ガラス・鏡の 曇り防止、など

(97)

97 図2 光触媒を応用した商品の例 (a) 空気浄化用疑似観葉植物、 (b) 蛍光灯、 (c) 自動車サイドミラー用水滴 防止フィルム、 (d) 自動車のコーティング、 (e) 光触媒をコートしたテント(右側は未処理)、 (f) 光 触 媒コートしたビルの 壁面、 (g) 街灯のカバー、 (h) コップ

(98)

98

光触媒特許件数の推移

(99)

99

(100)

100

2.光によって起こる反応

„ 光化学反応 „ 光触媒によって起こ る反応(光触媒反応) も一種の光化学反応 „ 従来の光化学反応と はメカニズムが違う

(101)

101

3.光のエネルギー

„

光化学反応でも光触媒反応でもすべての

光が使えるわけではない

„

あるエネルギー以上の光だけしか使えな

„

光のエネルギーは波長が短いほど高くな

„

光のエネルギー(

eV,

電子ボルト)

=(プランクの定数)×(光の速度)÷波長

(nm

、ナノメートル)

1240

÷

波長

(nm

(102)

102

図4

(103)

103

太陽光

(104)

104

4.半導体の光励起と光触媒反応

„

二酸化チタン(

TiO

2

、チタニア)

„ n型半導体に属す „ 電子によって電気を通すタイプの半導体 „ 酸化チタンにあるエネルギー以上の光が当たると、 酸化チタンを構成している電子(価電子帯電子)が 励起して、上のレベル(伝導帯)の電子になる „ これが半導体の光励起状態 „ 価電子帯(下のレベル)と伝導帯のエネルギー差 をバンドギャップエネルギーという „ 酸化チタン(アナタース型) =3.2eV (= 約 390nm)

(105)

105

図5

(106)

106

5.本多―藤嶋効果と光触媒

図6 (a) 光電気化学セル、 (b) 光化学ダイオード (c)Pt 担持光触媒

(107)

107

図7

酸化チタン薄膜についた水滴は光照射に

(108)

108 表 1 金属 酸化物 半 導 体 半導体 バンドギ ャッ プ 半導体 バンドギ ャッ プ Fe 2 O3 2.2 Ti O2 (rutile ) 3.0 Cu 2 O 2.2 TiO 2 (anat ase) 3.2 In2 O3 2.5 Sr T iO3 3.2 WO 3 2.7 Zn O <3 .3 Fe 2 TiO 3 <2. 8 Ba T iO3 3.3 Pb O 2.8 CaTiO 3 3.4 V2 O5 2.8 KT aO 3 3.5 FeTi O3 2.8 Sn O2 3.6 Bi2 O3 2.8 ZrO 2 5.0 Nb 2 O3 3.0

(109)

109 表 2 単体 半導体 およ び金属酸 化 物 半導体 以外の 化 合物半 導体 ( 指 定のない も の はn ,p 両型 あり) 半導体 バンドギャップ Si 1.1 Ga As 1.4 Cd Se , n 1.7 Ga P 2. 25 CdS , n 2.4 ZnS, n 3.5

(110)

110

(111)
(112)

112

可視光化は永遠の課題?

„ 第9回シンポジウム「光触媒反応の最近の展開」 „ 2002年12月2日(月)9:00~20:00 „ 東京大学安田講堂など „ P-1. 窒素ドープ酸化チタン薄膜の親水化特性に対する窒素置換量依存性 „ ○入江 寛、鷲塚清多郎、橋本和仁 東大先端研 „ P-2. 窒素ドープ酸化チタン薄膜のバンド構造と親水化特性の相関 „ ○鷲塚清多郎、入江寛、橋本和仁 東大先端研 „ P-3. 窒素ドープ酸化タンタルの光触媒活性評価 „ ○村瀬隆史、入江寛、橋本和仁 東大先端研 „ P-4. 窒素ドープした酸化チタンのゼータ電位と光触媒特性 „ ○宮内雅浩、池澤綾子、亀島順次、島井 曜、飛松浩樹、橋本和仁 * 東陶機器㈱、 東大先端研 * „ P-5. 窒素ドープ酸化チタン粉末の光触媒活性に対する N ドープ量依存性 „ ○渡邊裕香、入江寛、橋本和仁 東大先端研 „ P-6. 可視光応答型光触媒材料:硫黄添加二酸化チタン „ ○梅林 励、八巻徹也、田中 茂、浅井圭介 東大工、日本原子力研究所高崎研 „ P-7. 硫黄ドープ型二酸化チタン光触媒の調製と可視光照射下での反応活 性 „ ○横野照尚、満居隆浩、松村道雄 阪大太 陽エネルギー化学研究センター

(113)

113

可視光化は永遠の課題?

„ P-8. 可視光増感型光触媒の開発 „ ○西川貴志、秋田彰一、石灰洋一、二又秀雄 石原産業㈱ „ P-9. 水酸化チタンと尿素との加熱により得た TiO2 粉末の可視光応答 „ 小早川紘一、○村上祥教、佐藤祐一 神大工 „ P-10. 低エネルギーイオン照射による光触媒 TiO2 薄膜の可視光応答化 „ ○岡田昌久、山田保誠、金 平 、田澤真 人、吉村和記 産業技術総合研究所 „ P-11. ゾルーゲル法による遷移金属イオンをドーピングした光触媒の合成と可 視光応答性(1)―― V4+ イオンのドーピング効果 „ ○孫 仁徳、池谷和也 * 、廣田 健 * 、土岐元幸、山口 修 * ㈱関西新技術研究所、 同志社大工 * „ P-12. 光触媒を利用した海水殺菌システムの構築(その2) „ ○野口 寛 *’** 、磯和俊男 *** 、角谷祐公 **** 、橋本和仁 *’***** 東大先端研 * 、 ㈱明電舎 ** 、㈱エコグローバル研究所 *** 、㈱日本フ ォ トサイエ ン ス **** 、 KAST***** „ P-13. 湿式法による可視光応答型酸化チタンの可視光活性と結晶子との関係 „ ○三好正大、井原辰彦、杉原慎一 * 近畿大院工、エコデバイス㈱ * „ P-14. Ti メタルターゲットを用いた反応性マグネトロンスパッタ法による TiOxNy 光触媒薄膜の作製 „ ○石井慎悟、山岸牧子、宋 豊 根、重里有三 青山学院大院理工

(114)

114

自動車由来有害大気汚染物質

の光分解除去

低濃度

NOx

の分解除去から、アルデヒド類、BTX、多環芳

(115)

115

人工光合成システムで可視光による水の完全分解に世界 で初めて成功

(116)
(117)
(118)

118

ヘテロ原子の導入

„

豊田中央研究所のグループ

„ 窒素をドープすることによる可視光化を実現 „

硫黄ドープによってバンドギャップの可視

光化が実現できる

„ 実際に TiO 2 の O の代わりに S を入れること は困難 R.Asahi R.Asahi , , T.Mori kaw a T.Mori kaw a, , T.Ohw aki T.Ohw aki , , K.Aoki K.Aoki , a nd Y. Taga, Sc ie nc e, 293, 269 (2001). , a nd Y. Taga, Sc ie nc e, 293, 269 (2001).

(119)

119

ヘテロ原子の導入

~最近の研

„

Umebayashi

„ 二硫化チタン (TiS 2 )を空気中 500 ℃あるい は 600 ℃でアニールすることにより、硫黄 ドープした酸化チタンを合成 „ この材料の可視光領域での吸収は必ずしも 多くなく、部分硫化は失敗したかに見えた。 „ しかしながら実際にメチレンブルーの光酸化 分解反応に極めて高い活性を示すこ とが 、 同じ著者らによって報告された。 T.Umebayashi T.Umebayashi T.Yamaki T.Yamaki , , S.Tanaka S.Tanaka , and , and K.Asai K.Asai , Chem. , Chem. Lett Lett ., .,32, 330 (2003). 32, 330 (2003).

(120)

120

ヘテロ原子の導入

~最近の研

„

Ohno

„ チタンイソプロポキシドをチオ尿素とともに エ タ ノ ー ル中で1時間混合し、その後エ タノール を蒸発 さ せ る „ 得られた固体を焼き固めることにより硫黄ド ープ 酸 化チタンを得た

(121)

121

ヘテロ原子の導入

~最近の研

„ 温度は 400 ℃~ 700 ℃の範囲で、3~10時 間行った „ この UV スペクトルを見ると、 500 ~ 600nm の可視光領域 に も 吸 収 を も っ た ス ペク ト ル が 得られた „ X 線回折結果から、格子酸素は 700 ℃以上 で完全に S に代わるとしている。 T.Ohno T.Ohno , , F.Tani ga w a F.Tani ga w a, , K.Fujihara K.Fujihara , , S.Izumi S.Izumi , and , and M.Matsumura M.Matsumura , J. , J. Photochem Photochem . . Photobiol Photobiol ., A:127, 107 (1999). ., A:127, 107 (1999). T.Ohno T.Ohno , , Y.Masaki Y.Masaki , , S.Hirayama S.Hirayama , and , and M.Matsumura M.Matsumura , J. , J. Catal Catal ., 204, 163 ., 204, 163 (2001). (2001). T.Ohno T.Ohno , , T.Mitsui T.Mitsui , and , and M.Matsumura M.Matsumura , Chem. , Chem. Lett Lett ., 32, 364 (2003). ., 32, 364 (2003).

(122)

122

硫黄ドープの問題

„ 問 題 は 果 たして格子酸素を硫黄に替えること が 光溶 解安定性を含めた光触媒実用化上の 問 題 解 決 に つ な がるのか „ 水の光分解の場合、触媒表面ではプロ ト ン が 電子 を 貰って水素に、水酸化物イオンが電子を離して酸素に なるが、硫化硫黄構造の格子硫黄が反応に入って し まうと、いわゆる光溶解という現象が起こる „ ア ナ タ ー スかルチル構造を保持したまま酸素と硫黄が 置換した方がいいのかもしれない „ 硫化チタン構造をとらない方が良いのではないか

(123)
(124)

124

TiO

2

の部分硫化

„

アナタース構造をとったまま、酸素と硫黄

を置換させる

„

可視光化

„

最適部分硫化条件の探索

(125)

125

部分硫化

TiO

2

の吸収スペクトル

0 20 40 60 80 100 200 300 400 500 600 700 W av e len g th , n m %R 10 0°C 350° C ST 0 1 150 °C 3 00°C 200°C 400°C 450° C 2 50°C 500 ℃ 吸収スペ クトル

(126)

126 0.0 109 TiO 2 (a) + TiS 2 黒色 500 ℃ 0.0 93 TiO 2 (a) + TiS 2 黒色 450 ℃ 0.0 595 TiO 2 (a) のみ 焦茶色 400 ℃ 4.3 516 TiO 2 (a) のみ 黄土色 350 ℃ 8.5 637 TiO 2 (a) のみ 薄茶色 300 ℃ 9.5 833 TiO 2 (a) のみ 薄茶色 250 ℃ 8.8 743 TiO 2 (a) のみ ベージュ 200 ℃ 6.8 780 TiO 2 (a) のみ 白色 150 ℃ 8.4 745 TiO 2 (a) のみ 白色 100 ℃ 4.0 505 TiO 2 (a) のみ 白色 未処理 可視光 光触媒性能 紫外線 光触媒性能 結晶構造 外観 処理 温度

(127)
(128)

128

ダイオキシン

„

正確にはダイオキシンは1種類

„

(129)

129

ダイオキシン

„

ポリ塩化ジベンゾパラダイオキシンとポリ

塩化ジベンゾフランの総称である。PCBと

同じく塩素のつく位置や数により、多くの

種類があり、種類によって毒性が異なる。

特にダイオキシンの一種である

2

3

7

8

-テトラクロロジベンゾパラダイオキシン

(2

3

7

8

-TCDD)は動物実験でごく微

量でもがんや胎児に奇形を生じさせるよう

な性質を持っている。

(130)

130

(131)

131

(132)

132 2, 3,7 ,8-TCD D OC D D 分子 量 3 2 2 4 5 6 融点 ( °C) 3 0 5 1 3 0 分解 温度 ( °C) > 7 0 0 > 7 0 0 溶解 度 ( ppm ) O-ジク ロロベ ンゼ ン ク ロ ロ ベン ゼン キ シ レ ン ベ ン ゼ ン クロロ ホル ム n-オクタ ノー ル メ タノ ール ア セ ト ン 水 1, 40 0 7 2 0 - 5 7 0 3 7 0 4 8 1 0 1 1 0 0. 07 2 ppb 1, 83 0 1, 73 0 3, 58 0 - 5 6 0 - - 3 8 0 - 蒸発 速 度 (水) cm /d ay 1. 7 ×10 2 - 化学的 安 定 性 通 常 の 酸 酸 化 剤 ア ル カ リ 光 安定 強 酸 化 剤 によ り分 解 安定 分解 安定 安定 条件によ り分 解 分解

(133)

133

2,3,7,8

‐TCDD

の物理化学的性質

„ 分子量: 321.9 „ 融点 :305 ~ 306 °C „ 溶解度:水 2 × 10 -7 (g/l 25 °C) „ メタノール 0.01 (g/l 25 °C) „ クロロホルム 0.55 (g/l 25 °C) „ 0-ジクロロベンゼン 1.8 (g/l 25 °C) „ 最大吸収スペクトル : 310nm (クロロホル ム) „ オクタノール /水分配係数: logKow 5.82 ± 0.02

(134)

134

ダイオキシン問題の歴史

„

1957

年米国ジョージア州で鶏やその雛が

数百万羽突然死する事件が発生した。鳥

の餌に混入された油に微量含まれていた

ダイオキシンのためであることが判明。

„

また

1958

年にはダイオキシンの動物に対

する急性毒性に関して、ドイツの学者が初

めて報告している。

(135)

135

ダイオキシン問題の歴史

„

ベトナム戦争では、米軍は、ベトコンゲリラ

の活動拠点となっていたジャングルを枯ら

すために

7,200

万Lの除草剤

「エージェン

ト・オレンジ」=

2,4-D

をばらまいたが、

その中に

170kg

もの量のダイオキシンが

含有されていた。戦後、米軍の行った「枯

葉作戦」が、ベトナム現地人やこの作戦に

かかわった米軍兵士の子孫に大きな悪影

響を与えたことが判明。

(136)

136 流産 率 先天 異常発 生率 枯葉 剤撒 布前 枯葉 剤撒 布後 枯葉 剤撒 布前 枯葉 剤撒 布後 ルン フ ー 村 5. 22 12. 20 ルン フ ア 村 4. 31 11 .57 タン ディエ ン村 7. 18 16. 05 0. 14 1. 78 マイタ ン村(対照 地 区) 7. 33 7. 40 No d at a 表 2-1 ベトナ ムにおける妊 娠女性に対 す る 枯葉剤の 影響

(137)

137 発生 数 ( 発 生 率 ) タ ン フォン村 被 曝 グ ルー プ ホー チミン市第 10 区 被曝グ ル ープ ホー チミン市第 10 区 非被曝グ ル ー プ 流産 587 ( 8 .0 1% ) 49 ( 16. 67% ) 242 ( 3 .6 2% ) 死産 59 (0 .8 1% ) 1 ( 0 .34% ) 2 ( 0 .03% ) 胞状 奇 胎 54 (0 .7 4% ) 11 ( 3 .74% ) 26 (0 .3 9% ) 新生 児 死 亡 914 ( 12. 47% ) - 31 1 (4 .6 5% ) 先天 異 常 81 (1 .1 1 % ) 1 6 (5 .4 4 % ) 29 (0 .4 3% ) 新生児まで の 死 亡 1614 ( 2 2. 03% ) 61 ( 20. 75% ) 581 ( 8 .6 8% ) 全妊 娠 数 7327 294 6690 表 2-2 ベトナ ムにおける妊 娠女性に対 す る枯葉剤の 影響

(138)

138 先天 異 常 対照群 発 生率 (A ) [% ] さ らされた群 発 生 率 (B ) [% ] B/ A 不妊 1. 20 2. 80 2 .3 早産 0. 61 2. 01 3 .3 流産 9. 04 14. 4 2 1 .6 奇形 児 0. 21 3. 14 15. 0 表3 ベトナム 戦争参加兵 士 の妻の妊娠 異常

(139)

139

ダイオキシン問題の歴史

„

1976

年イタリア・セベソ

の化学工場事故

„ 化粧品や外科手術用の 石鹸の原料になるTCP という化学物質製造中 の事故 „ 不純物としてダイオキシ ン類が混在

(140)

140

日本のダイオキシン問題

„ カネミ精油工場が 1968 年2月はじめに製造した 米ヌカ油に、脱臭工程の熱媒体として使用され ていた「カネクロール 400 」( PCB )が混入したこと が原因で引き起こされたもの。約 2,000 人の認定 患者。 „ 典型的な急性中毒症状である末梢神経症状(し びれ、脱 力など)、ホルモン異常、肝・腎臓障 害など 黒 いにきび(クロルアクネ) 原因物質の 推定:ダイベンゾフラン(ダイオキシン類)

(141)

141

原因物質の追求

„

ポリ塩化ビニルは犯人か?

„

一般焼却炉では何が起こっているのか?

„

塩素は除去できないか?

(142)

142 表3- 10 発 生源別ダイ オ キシン 発 生 量 ( gT EQ /年) 発生 源 ダ イ オキシン 排出 量 備 考 <燃焼 工 程 > 一般廃棄物 焼却 4300 ご み 処理 に 係 るダ イオ キ シ ン 類 発生 防止 等ガ イ ドライン より 産業廃棄物 焼却 547 ~ 707 平 岡京都大学 名 誉 教授より (以 下 の 燃焼行程 は 同 じ) 金属 精錬 250 石油 添 加 剤 ( 潤滑 油) 20 た ば この煙 16 回収 黒 液 ボ イラ ー 3 木材 、 廃 材 の焼 却 0. 2 自動車排 ガ ス 0. 07 (小計 ) (5 14 0 ~ 5300) <漂白 工 程 > 晒ク ラ フ ト パル プ 0. 78 環境庁 試 算 <農薬 製 造 > PC NB 0. 06 環境庁 試 算 合計 5140 ~5300

(143)

143

ポリ塩化ビニル

„

CO

2

排出抑制と石油資源枯渇化を回避す

る優等生

リ塩化ビニル

„

-(CH

2

-CHCl)-モノマー分子量

62.5

„

ポリエチレン

–(CH

2

-CH

2

)-28

に比べて分

子量が大きい

„

単位重量あたりの石油使用量が少ない

„

単位重量あたりの

CO

2

排出量が少ない

(144)

144

ゴミにビニールは含まれていない

„

水+食塩+炭化水素類+触媒

„ この組合せで生成する „ 触媒としては、銅(酸化銅など)+シリカやア ルミナなどが想定される „

犯人は水分の多いゴミ類

論文は語る

(145)

145

ダイオキシン生成は速度論

„

燃焼温度が重要

„

活性化エネルギー

„ 触媒が絡むとダイオキシン生成ルートの活 性化エネルギーが下がる „

生成経路

„ 完全燃焼への経路を確保せよ

(146)

146 表1 燃焼温 度とダイオキ シン類濃度の 関係 燃焼 温 度 C ) 70 0 未 満 70 0 75 0 75 0 80 0 80 0 85 0 85 0 90 0 90 0 95 0 95 0 10 00 未 満 10 00 以 上 平均 値 36 81 77 26 25 17 30 14 中央 値 13 33 11 11 7. 8 7 .8 7 7 最大 値 390 500 1800 600 590 210 480 83 ダイオキ シン 類濃 度 (n g -T E Q /N m 3 ) 最小 値 0 .2 0 .5 7 0 .2 2 0 0 0 0 .0 1 0 検体 数 (合計 111 1) 79 34 43 206 380 234 85 50

(147)
(148)
(149)

149

身の回りのダイオキシン排出抑制

„

生ゴミは出さない

„ 食べ物は残さない „ 無駄なものは買わない、など „

出してもちゃんと水切りをする

„ 燃焼温度を下げないようにする „ 水の供給を避ける „

分別収集に協力する

(150)

150

ダイオキシンか

CO

2

„

ゴミの完全燃焼

„ CO 2 排出増加 „

ポリ塩化ビニルを止める

„ ポリエチレン等とポリアルケン類の使用 „ → CO 2 排出増加

(151)

151

ダイオキシン

神話の終焉

„

渡辺東大教授による殴り込み!

„ リンク1 書評1 書評2 „ リンク2 賛成1 賛成2 賛成3 „ リンク3 中立1 „ リンク4 反対2 反対2

(152)

152

地球環境問題一般に通じること

„

生活が豊かになり排出物増加

„

環境汚染物質は速度論的に言えば、中間

生成物

„

最終的には

CO

2

となる

„

省エネルギー、省資源こそ環境問題を解

決する最終的解決策

参照

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