• 検索結果がありません。

1 はじめにここ数年 若者の 離れ という記事が多く見られるようになった アルコール離れ クルマ離れ など, 上記の にはさまざまな言葉を入れることができる アルコール飲料や乗用車だけでなく若年層の需要が低迷している業界は多くあり, 嫌消費 といった言葉まで登場しているほどである ( 松田, 200

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "1 はじめにここ数年 若者の 離れ という記事が多く見られるようになった アルコール離れ クルマ離れ など, 上記の にはさまざまな言葉を入れることができる アルコール飲料や乗用車だけでなく若年層の需要が低迷している業界は多くあり, 嫌消費 といった言葉まで登場しているほどである ( 松田, 200"

Copied!
15
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

シリーズ 第96 回

現代アートの島「直島」

~非日常性と経験価値のインタラクション~

〔直島〕

八島明朗

● 早稲田大学 商学学術院 助手

守口 剛

● 早稲田大学 商学学術院 教授

恩藏直人

● 早稲田大学 商学学術院 教授

松本大吾

● 千葉商科大学 サービス創造学部 専任講師

石田大典

● 早稲田大学 商学学術院 助教

石井裕明

● 千葉商科大学 サービス創造学部 専任講師

(2)

はじめに

   ここ数年「若者の○○離れ」という記事が 多く見られるようになった。「アルコール離れ」 「クルマ離れ」など,上記の○○にはさまざま な言葉を入れることができる。アルコール飲 料や乗用車だけでなく若年層の需要が低迷し ている業界は多くあり,「嫌消費」といった言 葉まで登場しているほどである(松田 , 2009 など)。  旅行業界も,若者の消費低迷が危惧されて いる業界の一つだ。「旅行者動向 2007」(財団 法人日本交通公社)によれば,若年層におけ る「過去 1 年間に国内宿泊旅行をした人の割 合」は減少傾向にあり1),特に若年層男子の 旅行参加率が同年代女子と比較して低いこと が指摘されている。かつては 「 清里 」「伊豆 諸島」「苗場」など,シーズンともなると若者 たちで溢れかえる場所があった。ところが今 日,若者が殺到するような旅行先はほとんど 見当たらない。  その一方で,一部の若い人々によって熱い まなざしを向けられている場所もある。本稿 で取り上げる直島(なおしま)はその一つで ある。直島は瀬戸内海の小さな離島であり, 人口は 3,283 人にすぎない(2011 年 4 月 1 日 時点:香川県政策部統計調査課による)。この 小さな島への旅行者数が近年大きく増加し, 2011 年にはのべ 40 万人を超える人々が直島 各地を訪れている。2)  後に詳しく検討するように,直島の魅力の 源泉は現代アートである。ただし,単に多く の現代アートがあることだけが直島の魅力を 形成しているわけではない。船で行く離島で あることなどによって旅行者が感じる非日常 性,直島の文化や風景と一体化したアートを 体感するという経験価値,この2つの相互作 用によって,直島は旅行者に対する魅力と満 足をもたらしていると考えられる。  それでは,瀬戸内に浮かぶ小さな島は,ど のような経緯を経て上記のことを実現し,ど ういった効果につながったのだろうか。本稿 では,直島で実施されてきたさまざまな施策 を整理した上で,直島が若者を惹きつけてい る理由を検討しよう。

直島の特徴と観光客数の推移

 直島は香川県香川郡直島町に属する瀬戸内 海の離島である。本州および四国とは橋でつ ながっておらず,船で渡らなければならない。 直島は香川県の島であるが,地理的には岡山 県により近く立地している。そのため,香川 県と岡山県からのアプローチが可能であり, 船での所要時間は高松港(香川県高松市)か らは約1時間,宇野港(岡山県玉野市)から は約 20 分である。船の便数は比較的多く,高 松港からは 1 日 6 往復程度,宇野港からは 1 日 20 往復以上の便が出ている。離島といって も,決して隔離された場所ではない。  高松港あるいは宇野港までのアクセスも比 較的良好だ。高松港は JR 高松駅,宇野港は JR 宇野駅とそれぞれ隣接しており,関東や関 西などのエリアからの飛行機,新幹線,高速 バスは便数も多い。深夜バスや寝台特急を利 用すれば,東京から宿泊せずに行き帰りする

(3)

ことも可能である。  直島の基幹産業は非鉄金属加工である。大 正6年に(株)三菱マテリアルの製錬所が設 立され,経済的にもその影響を大きく受けて きた。現在でも,住民の多くがこの製錬所の 関係者である。  先述したように,直島への観光客は年々増 加傾向にある。観光客数は 2003 年までは年間 5 万人程度で推移していたが,04 年に地中美 術館が開館して以降に急速に増加し,09 年に は 36 万人に達した。また,2010 年に開催さ れた瀬戸内国際芸術祭における直島の入場者 数は,開催期間の 105 日間で約 30 万人にのぼっ た(実行委員会発表による)。このこともあり, 10 年の直島の観光客数は 67 万人と大幅に増 加した。瀬戸内国際芸術祭後となる 11 年の観 光客数は 10 年よりも減少しているが,それで も 40 万人に達しており,09 年に比して 10% 以上伸張している。  このように,直島の観光客数は近年大幅に 増加しているが,観光客の属性にも大きな特 徴がある。瀬戸内国際芸術祭実行委員会は, 芸術祭期間中の来場者 11,476 名を対象とした 調査を実施している。この結果によると,関 東と関西からの来場者がそれぞれ 2 割で合計 4 割を占めている。香川県と岡山県からの来 場者の割合も合計で 4 割となっており,近隣 と遠方の双方から訪問者があることが分かる。 また,来場者の約 7 割が女性であり,年齢別 に見ると 7 割が 10 ~ 30 代で,特に 20 代が 4 割を占めている。  芸術祭の会場は,直島を含む瀬戸内海の 7 つの島と高松港周辺であったため,上記の調 査対象者には直島以外の会場を訪れた人も含 まれている。しかし,後述するように会場別 の来場者数をみると直島の数値が圧倒的に高 く,また芸術祭のコンセプトは基本的に直島 におけるアート活動と連動するものであるた め,上記の数値は直島への旅行者のプロフィー ルに近いものだと推測される。関係者の実感 としても,若年層の旅行者が多い事が指摘さ れている(笠原 , 2009)。  このように,直島は若年層をコアとしなが ら,近年観光客数を大きく伸ばしている。そ して,若者達の直島に対する魅力の源泉になっ ているのが現代アートであることは間違いな い。そこで次に,直島におけるアート活動の 概要と特徴を整理しよう。 

直島におけるさまざまな取り組み

1.ベネッセアートサイト直島  直島におけるアート活動については,ベネッ セの存在を抜きにして検討することはできな い。直島の多くの施設とアート作品は,株式 会社ベネッセホールディングス,財団法人直 島福武美術館財団,そして福武總一郎氏個人 (以下では,ベネッセ関係団体と関係者をベ ネッセと総称する)によって建設,所有され ているからだ3)。ベネッセが直島とその周辺 の瀬戸内海の島々で展開しているアート活動 は,「ベネッセアートサイト直島」と総称され ている。以下では,その活動内容について整 理しよう。  直島のアート作品は一貫して現代アートが 選ばれており,直島の代名詞にもなっている。 島内にある複数の美術館には数多くの現代

(4)

アートの作品が展示されている。しかし,直 島の現代アートは美術館の中だけにとどまら ない。後述する「家プロジェクト」をはじめ として,島のいたるところに作品が置かれて いるし,美術館とホテルが一体となった施設 「ベネッセハウス」の敷地内にも多くの現代 アート作品が展示されている4)  「直島町史」(直島町史編集委員会編,1990) によれば,ベネッセが直島に土地を取得した のは 1987 年である5)。それまでは,藤田観光 によって開発が行われていたが,オイルショッ ク後の景気低迷などの影響を受けて中止され たため,ベネッセ(当時は福武書店)が土地 を買い取り,開発を行なうこととなった。  最初に建設されたのは,1989 年にオープン した「直島国際キャンプ場」である。このキャ ンプ場は,著名な建築家である安藤忠雄氏が 監修し,敷地内にはカレル・アペルの屋外彫 刻「かえると猫」が現代アート作品として最 初に常設された6)。92 年には,安藤忠雄氏の 設計によるベネッセハウスが開館した7)。先 述したように,ベネッセハウスはホテルと美 術館が一体となった施設であり,館内に多く のアート作品が展示されている。さらに,94 年には,海辺を舞台とした企画展「Open Air '94 OUT OF BOUNDS ― 海景のなかの現代 美術展」が開催された。この企画展では,作 品の多くが現地制作され,その後の屋外での 常設につながっていった。  この企画展は,ベネッセアートサイト直島 の基本的理念である「サイトスペシフィック・ ワーク」が確立していく契機となった。サイ トスペシフィック・ワークとは,直島の自然 に合わせて選定したアーティストを招き,美 術館や周囲の海岸・自然を見て設置場所を選 んでもらい,その場所のためにプランを立て 制作し,完成後は永久展示するという手法で ある(長畑・枝廣 , 2010)。サイトスペシフィッ ク・ワークによって,直島のアート作品は, 直島の風景や文化とより密接に結びつくこと になる。  98 年には,このような直島でしか成立しな い作品の発展形として,「家プロジェクト」が はじまった。これは,直島の本村(ほんむら) 地区の古い民家を現代アート作品とするプロ ジェクトである。例えば,家プロジェクトの 第一号作品の「角屋」は,200 年ほど前に建 てられた家屋を舞台に,外観を元の姿に復元 するとともに,家の中の空間そのものを作品 化したものだ(図−1)。角屋は宮島達男氏の 作品であるが,地元住民も作品づくりに参加 している。  その後,04 年には「地中美術館」が開館した。 これは,ベネッセハウスに次ぐ直島の中核施 設として建設されたものであり,04 年の開館 以降急速に来島者が増加した。それに合わせ, ■図——1 家プロジェクト第一号の「角屋」 家プロジェクト「角屋」 写真:上野則宏

(5)

ベネッセハウスも数回にわたり拡張されてい る。また直島以外の島への進出,拡大も進ん でいる。2008 年には岡山県の犬島にも銅製錬 所の遺構を保存・再生した美術館「犬島アー トプロジェクト精錬所」が開館し,2010 年に は香川県の豊島(てしま)に「豊島美術館」 が開館した。主な施設の開設については表− 1 のように整理できる。 2.行政などによる取り組み  直島町には,古くから三菱マテリアルの精 錬所が基幹産業として存在している。そのた め,観光協会は設立されたものの,現在に至 るまでさほど熱心に観光誘致に取り組んでき ているわけではない。NPO 法人直島町観光協 会事務局長の濱口敏夫氏によれば,過去にお ける直島町の観光誘致は,町長による個人的 な 取 り 組 み が 中 心 で あ っ た と い う。 特 に, 1995 年まで連続 9 期 36 年もの長期にわたっ て町長を務めた三宅親連氏によるところが多 く,藤田観光および福武書店の誘致も,当時 の町長である三宅氏の主導によって行われた8)。  一方で,意外なことにアートと関係する取 り組みの歴史は古く,ベネッセの進出以前か らアートを意識した公共建築物が多く建設さ れている。これらのうち最初に建設されたの は直島小学校であり,当時の若手建築家石井 和紘氏の設計によって 1971 年に竣工した。そ の後も,石井氏の設計によって幼稚園(1974 年竣工),中学校(1979 年竣工),直島町役場 (1983 年竣工)など多数の施設が建設された。 これらは,公共建築物としては大変ユニーク な外観を有している(図−3参照)。  観光客の増加に伴い,近年は以前よりも活 ■図——2 地中美術館の作品の1つ ウォルター・デ・マリア「タイム / タイムレス / ノー・タ イム」2004 写真:Michael Kellough ■表——1 直島とその周辺の主な施設と開設年 出所:ベネッセアートサイト直島ホームページをもとに作成 1989 2006 1992 1998 2004

(6)

発な取り組みも行われている。直島町の観光 協会は 2003 年から案内業務を開始し,2008 年には NPO 法人となった。現在は 2005 年に 建設された「海の駅なおしま」における案内 業務を中心に様々な取り組みを行っている。  例えば,「直島銭湯 I ♡湯」(アイラヴユ) の運営は,観光協会による取り組みの一つだ。 この施設は,建設は直島福武美術財団が行っ たが,運営を観光協会と地元の宮浦自治会が 行っている。契約上は直島福武美術財団から 無償で建物とアート施設を借り受けて運営す る形となっており,地元住民,特に高齢者を 中心に管理人を雇用している。  行政による,直島に関係する取り組みのな かで,近年で最も大きなものは 2010 年 7 月 19 日から 10 月 31 日までに開催された「瀬戸 内国際芸術祭 2010」である。この芸術祭は香 川県が中心となって設置された瀬戸内国際芸 術祭実行委員会が主導し,香川県内の自治体 や主要企業が構成団体となって,直島を含む 瀬戸内海の7つの島と高松港で開催された9) 直島福武美術館財団や直島町なども構成団体 の1つであり,福武總一郎氏が総合プロデュー サーに就任した。  開催期間中の8つの会場の入場者数の合計 は約 94 万人であり,これは当初予定の 3 倍を 超える値である。また,各会場の入場者数を 比較すると直島の数値が圧倒的に高く,全体 の 3 割を超える約 30 万人となっている。瀬戸 内国際芸術祭は,多数の入場者を集め好評で あったため,13 年に第 2 回の開催が予定され, その後 3 年おきに開催される計画になってい る。上述したことから,芸術祭の成功にも, ベネッセアートサイト直島の活動が大きく寄 与していることが分かる。   3.カフェやドミトリーの増加  以前は直島には飲食店が極めて少なく,中 心地域のひとつである本村地区でさえ飲食店 が全く存在しなかった。そうした状況の中で, 2004 年に「カフェまるや」が本村地区で開業 され,その後飲食店が少しずつ増えてきた。 現在,本村地区と港がある宮浦地区などで, 20 店を超える飲食店が開業している。これら ■図——3 直島小学校 出所:直島町ホームページ

(7)

の飲食店のほとんどは島外の人によって開業・ 運営されている。業態も特徴的であり,若者 に人気があるカフェ形式の店が非常に多い。  上述した「カフェまるや」が民家を借りて 営業している(図−4)。オーナーの大塚ルリ 子氏によれば,当初は「民家をそのまま使っ て出店をするというのは地元で驚かれた」と いう。ところが,その後開業したほとんどの 店舗も,住民から空き家を借りて外見は民家 そのもののままという形態をとった。カフェ という業態が多いことも含めて,初めての飲 食店として開業した「カフェまるや」の影響 が大きかったことが伺える。なお,直島町観 光協会の濱口氏によれば,現在も飲食店の開 業希望者は多いが,物件がなかなかない状態 だという。  変わったスタイルのカフェも登場している。 その一つが,本村地区にある「和カフェぐう」 だ。このカフェは土日祝日のみの営業であり, 運営のすべてを香川大学の学生が行っている。 直島のカフェの経営は総じて順調のようであ る。「カフェまるや」の大塚氏も,周辺に競合 するカフェが増えて尚経営は順調であると, 筆者らのインタビューで答えている。現状は, 直島への旅行者数の伸びが,カフェを中心と する飲食店数の増加を上回っているのだと考 えられる。こうしたことを背景として,カフェ 同士で連携し,広告を出すといった取り組み も実施している。  近年は宿泊施設の増加もみられる。主要な 宿泊地は現在でもベネッセハウスであるが, 比較的ハイクラスであり宿泊料金も高価であ る。より安価な宿としては,以前から小さな 民宿がいくつかあるが,数は多くない。また, 以前は上述した国際キャンプ場があったが, 2006 年に廃止されている。  このような状況の中,特に若年層の旅行者 数が増加してきたのに呼応し,ここ数年は民 ■図——4 民家を利用した「カフェまるや」の外観 筆者撮影 ■図——5 香川大学の学生が運営するカフェ「和カフェぐう」 出所:「和カフェぐう」ホームページ

(8)

宿やドミトリーなどの低価格の宿泊施設が増 えつつある。これらの施設は素泊まりや相部 屋などの方式をとるところが多く,若者を主 要な顧客層としている。そして飲食店同様, 民家をそのまま宿泊施設として使用している ケースが多い。このように,直島で近年開業 した飲食店,宿泊施設は,来島者の中でも若 者を主なターゲットとしていることが大きな 特徴である。

若年層にとっての直島の魅力

   直島に多くの若者が集まるようになったの は,実のところ関係者が意図した結果である とは言い難い。福武總一郎氏は「都会の若者 に島の方々と交流してほしい」という趣旨の 発言を行っている(福武 , 2011)。しかし,若 年層をターゲットとした具体的な施策が実施 されているわけではない。ベネッセや直島町 観光協会の関係者も,「若年層の旅行者が多い」 という事実は口を揃えて認める一方で,「若年 層を集客することは特に意識していない」と も語っている。  例えば,直島の中核施設の一つであるベネッ セハウスは宿泊料も食事代もかなり高価であ り,主として中高年層をターゲットとしてい る施設だと考えられる10)。先述したように, 近年になって民宿やドミトリーなどの安い宿 泊施設が増加しているが,このことは若年層 の旅行者が多いことに呼応した現象である。  このように,意図的な施策による結果では ないにせよ,事実として多くの若者達が訪れ ている以上,直島には若年層の旅行者を引き つける要素があるはずだ。そこでここでは, 質問紙調査の結果を用いて,若年層の旅行者 の直島に対する意識と行動について考察しよ う。  調査はマクロミル社のインターネットパネ ルの中から,直島に行ったことがある関東圏 と関西圏に住む 20 ~ 30 代の男女を抽出して 11 年 2 月に実施した。調査回答者は 208 名で あり,そのうち 61%が女性である。  まず,直島への訪問回数をみると,回答者 の 75.0% が 1 回,残りの 25.0%が 2 回以上となっ ている。また,直島訪問の 34.1%が日帰り, 41%が 1 泊,残りの 25%が 2 泊以上である。 宿泊者の 45.7% が直島に泊まっており,民宿・ ドミトリーを利用した人(24.5%)が,ベネッ セハウス(17.0%)を上回っている。  回答者の 9 割以上が直島への再訪問意向を 持っており,多くの人が直島での経験を他の 人に話している。直島の魅力については,大 半の回答者が美術関係を選択しているが,自 然環境の美しさ,町並み,住民の優しさや人 当たりの良さをあげた回答者も多くいる( −6参照)。また,「魅力だと思うものはない」 を選択した回答者は皆無だった。  調査では,「船でしか行けない離島であるこ と」をどう思うかを尋ねている。この点につ いては,回答者の 41.0%が「魅力的である」 と答えている。さらに,「直島へのアクセス方 法が船しかないこと」について自由記述で回 答を求めたところ,67.8% の人がポジティブ な感想を記述した11)。これらの結果から,若 年層の旅行者は,船でしか行けない離島であ ることを,むしろポジティブに捉えているこ とが伺える。自由記述の内容もあわせて考察

(9)

すると,船でいくことが旅行者の非日常感の 向上につながり,そのことが旅行の魅力を高 めていると考えられる。この非日常性につい ては,後に検討する。

直島はなぜ若者を惹きつけるのか

 上述してきたことを踏まえて,ここでは, 何故直島が若年層の旅行者を惹きつけている のか,その理由について考察しよう。直島の 魅力はさまざまな要因が複合して形成されて いるはずだが,主なものとして,現代アート を体感するという経験価値,離島であること などを理由とする非日常性,そして若年層の 旅先としての独自のポジション,という3つ をあげることができる。順を追って説明しよう。   1.現代アートを体感する経験価値  直島の魅力の源泉が,現代アートにあるこ とは間違いない。一方では,多くのすばらし い現代アートを鑑賞できるということだけで は,直島の魅力を説明できない。直島のアー トは,直島でなければ体験できない価値を提 供しているからこそ直島の魅力の源泉になり 得ているのだ。  このことに大きく寄与しているのが,サイ トスペシフィック・ワークという手法だ。屋 外に展示された作品や家プロジェクトのよう に,直島のアートは美術館の中だけにとどま らない。さらに言えば,美術館の中に展示さ れた作品の中にも,窓の外の風景と一体化し たものがある。このように,直島のアート作 品の多くは,その土地の風景や文化と結びつ いており,島を訪れなければ,観たり体験す ることができない。図−7は,草間彌生氏に よる「赤かぼちゃ」という作品である。この 例からも,アートと風景とが一体化している ことが分かる。  サイトスペシフィック・ワークという手法 を根幹にすえることによって,直島の現代アー トは,観るだけではなく体感するものになっ ている。このように,直島を訪れなければ味 わうことができない経験価値の提供が,直島 ■図——6 直島の魅力(複数回答:%) アンケート調査より作成

(10)

の大きな魅力につながっている。  この特徴を活かすための広報活動も工夫さ れている。財団法人直島福武美術館財団広報 担当の占部隆子氏によると,アーティストや 建築家の意向も踏まえながら,広報に利用す る写真の構図を特定し露出を制限していると いう。例えば,図− 2に示されるウォルター・ デ・マリア「タイム / タイムレス / ノー・タ イム」(地中美術館)という作品は,図の方向 からの写真しかメディアには登場しない。し たがって,写真とは別のアングルから作品を 観る事は,実際に現地に行かなければかなわ ない。占部氏によると,これらの工夫は,顧 客の感動体験をより深め,顧客との関係をよ り深化できるように,調査研究した上で行っ ているということである。  もう一つ,直島における旅行者の経験価値 の向上に寄与しているのが,住民との触れ合 いだと考えられる。直島住民の,旅行者に対 する対応の良さはしばしば指摘されている。 「船に乗り遅れそうになった際,住民が港まで 車で送ってくれた」「道を尋ねたら親切に教え てくれた」といった話が多く存在している。 また,住民の自宅トイレを旅行者に貸し出す 「トイレ提供ボランティア」という活動も広く 行われている。   筆 者 達 が 直 島 の 関 係 者 に 対 し て イ ン タ ビューを行った際も,類似したエピソードが 多く聞かれた。また,島外から来て飲食店や 宿泊施設を開業する人達に対しても寛容であ り,「よそ者」を追いだそうといった行動も見 受けられない12)  この理由としては,島の住民の昔からの気 質ということの他に,香川県が属する四国が お遍路の地域であり,旅人に対して世話をす る文化があることもあげられるだろう。また, 直島には他に「本業」ともいえる基幹産業が あるため,旅行者を相手に商売をしようとす る意識が低いことも考えられる13)。さらに, 上述したように,以前から公共施設に芸術的 建築物が使用され,アートに対して寛容であっ たこともあると思われる。いずれにしても,  旅行者が住民と接して上記のような経験を することも「直島ならでは」であり,彼ら・ 彼女らの経験価値向上に少なからず寄与して いると考えられる。   2.直島滞在の非日常性  上述した経験価値とも関連するが,旅行者 にとっての直島の魅力を向上させている要素 の一つとして,「非日常性」をあげることがで きる。直島への旅行者が感じる非日常性に, 船で訪れるというアプローチが大きく影響し ていることは間違いないだろう。  船で離島に行くことは,そこが日常生活か ら切り離された場であることを,旅行者が強 ■図——7 風景と一体化した作品の例 草間彌生"赤かぼちゃ" 写真:渡邉修

(11)

く認識することにつながるはずだ。非日常性 は旅行者にとっての大きな魅力の一つだと考 えられ,調査結果からも,船でしか行けない ことが,直島に対しするポジティブな魅力に つながっていることが示唆されている。  島全体が美術館だと言えるような直島の特 徴も,旅行者が非日常性を感じることに大き く寄与していると思われる。アートが好きな 人であれば,美術館に行って作品を鑑賞する ことは日常的な行為かもしれない。しかし, 直島の風景や文化と一体となったアートを体 感することは,ほとんどの人にとって非日常 性を感じる経験になると思われる。さらに, 都会からの旅行者にとっては,直島の町並み や住民との触れ合いも普段の生活では接しに くいものである。これらのことがあいまって, 直島を訪れた旅行者は非日常性を強く体感す ることになると思われる。  非日常性の提供は,都会にはないものを提 供するというベネッセのコンセプトとも関連 している。これは,福武總一郎氏の意図によ るものであり,直島福武美術館財団の金代氏 も,直島におけるアート活動のコンセプトに ついて,「完全にアンチ東京であり,東京とか 大都市にないものを福武氏が設置しようとし ている」と語っている。  この点に関連した一つの小さな例をあげる と,ベネッセハウスの客室にはテレビが設置 されていない。直島への旅行者の多くが関東 や関西などの都会から来ることを考えると, アンチ東京というコンセプトも,非日常性に つながる大きな要因になっていると思われる。  船によるアプローチ,周囲を海に囲まれた 島そのものが美術館であるような直島の雰囲 気や町並み,これらの要素があいまって非日 常性という旅行者にとっての大きな魅力を, 直島は提供しているのだと考えることができ るだろう。  上述した「経験価値」と「非日常性」とい う2つの要素は相互に強く関連している。非 日常的な空間であるからこそ,そこでの経験 が特別なものと感じられ経験価値が向上する。 一方では,高い経験価値を感じることは日常 生活ではなかなかないことであり,それ自体 が非日常感の向上につながるはずだ。このよ うに考えると,非日常性と経験価値の2つは, 図−8のような相互作用関係にあると捉える ことができる。直島の魅力は,非日常性と経 験価値のインタラクションによって形成され ていると言っても過言ではないだろう。 3.若者の旅先としての独自のポジション  国内における若年層の旅行先として一般的 な場所としては,海,山,高原などスポーツ を楽しめるところや,大規模なテーマパーク があげられる。これらは,若者がグループで 訪れてにぎやかに遊ぶという,アクティブな 目的にかなった場所だ。この目的にあった旅 行先は,国内にも数多くあるだろう。 ■図——8 非日常性と経験価値の相互作用効果

(12)

 その一方で,1人または少人数で訪問し, 文化的要素に触れて知的好奇心を満たすとい う目的に合致する旅行先は限られている。こ の目的に対応する旅行先としては,京都,金沢, 鎌倉などの古都が真っ先に思い浮かぶが,そ れ以外の土地をあげることはそれほど簡単で はない。また,古都は若者にも人気があるが, どちらかと言えば年配者の支持がより高いと 思われる。このように考えると,若者の知的 好奇心を満たすような国内の旅行先は非常に 限定されていることが分かる。  現代アートを島のさまざまな場所で体感で きる直島は,文化的要素に溢れ,知的好奇心 を満たすことのできる場所である。直島の関 係者が意図したことではないだろうが,若年 層をターゲットとした「知的好奇心を満たす 旅先」という,空白地帯とも言えるポジショ ンにぴったりと当てはまるのである。  以上のように,直島は若年層の旅先として 極めて独自性の高いポジションを得ており, そのことが若年層にとっての魅力にダイレク トにつながっている。さらに,実際に直島を 訪問した旅行者に対して,上述したようなイ ンタラクションが機能することで高い満足を 提供している。このことはもちろん,評判や クチコミを通じて新しい旅行者を誘引するこ とにつながっているはずだ。直島が若年層を 中心とした多くの旅行者を惹きつけている理 由は,このように整理することができるだろう。

むすび

   ・「フェリーに乗る機会なんてなかなかない し,あの時間はとても楽しみ。直島に向かう フェリーに乗るといつも,『ああ,来たなあ』 と感じます。(関東・20 代・女性)  ・「陸続きだと,なんか特別感が減ってしま う。」(関西・30 代・女性)」  ・「船を使用しない現在において,日常とか け離れている非日常を感じる。船でしか移動 できないことは,特別な意味合いがあり,よ いと思う。」(関西・30 代・男性)」  これらの意見は,上述したインターネット 調査における「船でしか行けない離島である こと」に関する自由記述の具体例である。い ずれの記述からも,船で行くことによって旅 行者の非日常感が高まる様子がみてとれる。  先に考察したように,非日常性と経験価値 のインタラクションは,直島の魅力形成に大 きな役割を果たしていると考えられる。直島 は,船で訪れる離島であり,島全体で現代アー トを展開しているという特殊性も有している。 しかし,こうした特殊な要素がなければ上述 したインタラクションが発生しないというわ けではない。  直島と同様,若者に人気のある東京ディズ ニーランド(以下,TDL)のケースを考えて みよう。TDL は,来園客が日常生活を忘れて 非日常空間を楽しんでもらうための多くの工 夫をしていることで知られている。例えば, 園内から外側を見ることができないようにし ていることも,非日常性を保つための工夫の 一つである。また,TDL には総延長 600 メー トルの地下通路があり,園内で販売される商 品の運搬や勤務交代のキャスト14)はこの地下 通路を利用することで,荷物の運搬などの現 実的かつ日常的な姿を園内で見せないように

(13)

している(岩田 2006)。  TDL は,顧客に対して高い魅力と満足度を 提供している。このことも,上記を含めたさ まざまな工夫による非日常性と経験価値との インタラクションが働いてもたらされている と理解することができるだろう。  より日常生活に近い企業の例として,イケ アを考えてみよう。イケアはスウェーデンを 本拠とする家具の小売チェーンであり,日本 でも現在5店舗を運営している。イケアで買 物をした多くの人は楽しいという感想を持つ という。このことには多くの要因が寄与して いると考えられるが,理由の一つはイケアが 非日常的とも言える独特な買物空間を提供し ていることに求められる。  そのための一つの工夫が売場へのアプロー チにある。イケアでは,1 階からエスカレー タに乗って 2 階の売場に入っていく仕組みに なっている。多くの買物客は,一階に置いて ある買物袋,メジャー,鉛筆という 3 点セッ トを取り,それを持ってエスカレータで 2 階 の入口に向かう。このようなアプローチがあ ることによって,これからイケアの売場空間 に向かっていくのだという気分が醸成される。 イケアの買物客の中には,エスカレータによ るアプローチによって,まるで TDL に入って いくようなワクワク感を覚えるという人も少 なくないという15)。  船によるアプローチやサイトスペシフィッ ク・ワークという手法などを考えると,直島 の事例は,非日常性と経験価値のインタラク ションが機能している特殊な事例だととらえ られるかもしれない。しかし,上述した TDL やイケアのケースを考えると,実はさまざま な業界や企業においても,このようなインタ ラクションが機能する可能性があることが分 かる。    若年層の需要低迷に悩んでいる業界や企業 は多くある。若年層にとって独自性のあるポ ジションを獲得し,非日常性と経験価値のイ ンタラクションによって魅力度と満足の向上 を果たした直島の事例は,若年層の需要低迷 に苦しんでいる業界・企業に対して,多くの 示唆を与えてくれると思われる。    謝辞  本研究は観光庁による「観光経営マネジメ ント教育推進ワーキンググループ」における 「産官学共同研究成果に基づいた観光経営マネ ジメント人材育成のためのカリキュラムモデ ル作成事業」の一プロジェクトとして実施さ れた。研究に際しては,研究プロジェクトメ ンバーであった株式会社 ANA 総合研究所の 江口武氏,森登氏,株式会社全日本空輸の今 西祐介氏,財団法人日本交通公社の堀木美告 氏,柿島あかね氏から多くのアドバイスなど をいただいた。  また,NPO 法人直島町観光協会事務局長濱 口敏夫氏,財団法人直島福武美術館財団事務 局長金代健次郎氏,財団法人直島福武美術館 財団広報担当占部隆子氏,カフェまるやオー ナー大塚ルリ子氏,和カフェぐう(香川大学) 佐藤裕衣子氏には,ご多忙の中インタビュー にご協力いただいた。さらに財団法人直島福 武美術館財団広報担当の川浦美乃氏にはいく つか事実関係などで確認ご指摘をいただいた。  ここに記して謝意を表する次第である。

(14)

1)この減少傾向は若年層だけではなく,20 ~ 60 代全 体でもみられる。ただ,若年層の数値は全体より も低い水準にとどまっていることもうかがえる。 また,旅行に行く人と行かない人の二極化がみら れる。 2)直島町観光協会調べ。この数値は島内の主要施設 の延べ訪問者数であり,直島への厳密な観光客数 ではないが,時系列での傾向などを把握すること は充分にできると考えられる。以後,直島の観光 客数についても,上記統計を利用している。 3)所有者は分かれているものの福武總一郎氏の主導 の基で設置されている。なお,福武總一郎氏は現在, 株式会社ベネッセホールディングス代表取締役会 長,財団法人直島福武美術館財団理事長,その他 2 つの財団法人の理事理事長を務めている。 4)ベネッセハウス内の作品には,宿泊者にしか鑑賞 できないものもある。 5)直島における観光開発の歴史に関しては鎌田(2011) も参照されたい 6)国際キャンプ場はベネッセハウスの新たな棟(パー ク,ビーチ)が完成した 2006 年に閉鎖された。 7)安藤忠雄氏は,地中美術館,李禹煥美術館など,直 島におけるベネッセ関連の主要施設の設計を多く 手がけている。 8)三宅町長は「清潔な観光」を信念とし,直島の文 化と自然を最大限に生かした観光振興を追及した (鎌田 , 2011)。 9)岡山県と岡山県内の自治体はオブザーバーとして 参加している。 10)インタビューをした関係者からも「ベネッセハウ スだけは若年層は多くない」との指摘を受けた。 11)自由回答形式で質問した回答を,「ポジティブ」「ネ ガティブ」「ニュートラル」「無関係」の4つに区 分けして集計した。 12)観光協会の濱口氏によれば「最近の開業者はもう け主義だ」と言った意見が上がることもあるもの の,それでも排除するような動きはない,とのこ とであった。 13)三菱マテリアルでは転勤者も多いため,比較的「よ そ者」になれている,という指摘も多くされている。 14)TDL では,園内で働く従業員のことをキャストと 呼んでいる。 15)これらのイケアについての考察は,博報堂買物研 究所所長の長谷川宏氏による教示をもとにしてい る。     参考文献 岩田隆一(2006)「なぜ東京ディズニーランドは人気 があるのか~サービス・マーケティングからの分 析」『筑波学院大学紀要』1,51-59 笠原良二(2009)「地方での独自性の発揮 現代アート がもたらした島の誇りとアイデンティティー」 『Civil engineering consultant 』245, 24-27

鎌田裕美(2011)「直島――観光開発のベスト・プラク ティス」古川一郎編『地域活性化のマーケティン グ』有斐閣 財団法人日本交通公社(2007)『旅行動向 2007』 瀬戸内国際芸術祭実行委員会(2010)「瀬戸内国際芸 術祭 2010 総括報告」 直島町編纂委員会編集(1990)『直島町史』直島町役 場発行(非売品) 長畑実・枝廣可奈子(2010)「現代アートを活用した 地域の再生・創造に関する研究~直島アートプロ ジェクトを事例として~」『大学教育』 7, 131-143 福武總一郎(2011)「瀬戸内海と私-なぜ,私は直島に 現代アートを持ち込んだのか」『不易』Vol.41 古川 尚幸(2010)「瀬戸内海島嶼部における地域活性 化の現状と課題 -- 直島(香川県香川郡直島町)を 事例として --」『香川大学經濟論叢』83(1-2), 89-98 松田久一(2009)『「嫌消費」世代の研究――経済を揺 るがす「欲しがらない」若者たち』東洋経済新報社. カフェまるやホームページ http://cafe-maruya.jp/ 四国汽船ホームページ   http://www1.biz.biglobe.ne.jp/~shikoku/ 豊島フェリーホームページ http://t-ferry.com/ 直島町観光協会ホームページ http://www.naoshima.net/ 直島町ホームページ http://www.town.naoshima.lg.jp/ ベネッセアートサイト直島ホームページ   http://www.benesse-artsite.jp/ 和カフェぐうホームページ   http://www.ec.kagawa-u.ac.jp/~naoshima/goo/index. html

(15)

八島 明朗(やしま あきら)  早稲田大学商学学術院助手 専攻はマーケティング, 消費者行動論。 守口 剛(もりぐち たけし)  早稲田大学商学学術院教授。専攻はマーケティング・ サイエンス,消費者行動論。 恩藏 直人(おんぞう なおと)  早稲田大学商学学術院教授。専攻はマーケティング。 松本 大吾(まつもと だいご)  千葉商科大学サービス創造学部専任講師。  専攻はマーケティング・コミュニケーション,広告。 石田 大典(いしだ だいすけ)  早稲田大学商学学術院助教。専攻はマーケティング 戦略。 石井 裕明(いしい ひろあき)  千葉商科大学サービス創造学部専任講師。専攻は消 費者行動論。

参照

関連したドキュメント

これはつまり十進法ではなく、一進法を用いて自然数を表記するということである。とは いえ数が大きくなると見にくくなるので、.. 0, 1,

( 同様に、行為者には、一つの生命侵害の認識しか認められないため、一つの故意犯しか認められないことになると思われる。

自閉症の人達は、「~かもしれ ない 」という予測を立てて行動 することが難しく、これから起 こる事も予測出来ず 不安で混乱

巣造りから雛が生まれるころの大事な時 期は、深い雪に被われて人が入っていけ

   遠くに住んでいる、家に入られることに抵抗感があるなどの 療養中の子どもへの直接支援の難しさを、 IT という手段を使えば

これからはしっかりかもうと 思います。かむことは、そこ まで大事じゃないと思って いたけど、毒消し効果があ

自然言語というのは、生得 な文法 があるということです。 生まれつき に、人 に わっている 力を って乳幼児が獲得できる言語だという え です。 語の それ自 も、 から

 筆記試験は与えられた課題に対して、時間 内に回答 しなければなりません。時間内に答 え を出すことは働 くことと 同様です。 だから分からな い問題は後回しでもいいので