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<研究ノート>株式市場再生の意味に関する疑問と再生策の誤り 利用統計を見る

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(1)

生策の誤り

著者

宮村 健一郎

著者別名

Miyamura Ken-ichiro

雑誌名

経営論集

41

ページ

99-110

発行年

1995-02-28

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00005689/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

株式 市場 再 生 の 意 味 に 関 す る疑 問 と 再生 策 の誤 り99

株 式 市 場 再 生 の 意 味 に 関 す る 疑 問 と 再 生 策 の 誤 り

健一郎

1 2 3 4 はじめに 株式市場再生の意味 株式市場再生策の誤り おわりに

1

は じ め に

冰 稿は、現在採られている株式市場再生策の問題点を さまざまな角度から

明らかにする。 また、わが国に通常見られる ような株式持ち合いが企業買 収

を困難にしてい る場合に、伝統的な株式時価総額決定式が修正 される必要が

あることを示 し、それに関連して株式持ち合いに関する従 来見逃されて来た

効果を明らかにする。

2

株 式 市 場 再 生 の 意 味

はじめに 明らかにすべきことは、株価の上昇と株式売買 の再活発化を指す

と思われる[株式市場再生]

、特に何らかの人為的介入に よってなされる再生

が、国民経済的観点から果たして望ましいことなのか、とい う点である。理論

的に、自由な価格決定に対する介入や規制に よってもたらされる損害は経済:

的非効率である。株式市場の場合で具体的 に考えてみると、①敗者となった

投資家 の温存、②本来あるべき実勢 より時価が高い ことに よってエクイテ ィ

・フ ァイ ナンスが困難になることに より、 株式 市場 が企業 の資金調達の場と

して機能しに くくなること、③株式 市場お よびそ の周辺で活動する過剰生産

要素(労働者や固定資本)の温存、④主要国 の中で は低い配当収益率を特徴と

してきたわが国企業 め配当政策(この是非につい ては後述) の温存、である。

一方、株式市場の再生が社会的に望 まれでい るのは、 ⑤証券会社経営危機

の回避、そして⑥銀行のBIS 規制 クリアを容易にし、いわゆる[貸し渋 り]

が生じやす くなることの回避、 さらにつけ 加えるのであれば⑦株価 が下落し

(3)

だことに よる、いわゆる 「逆資産効果」による景気悪化 加速 の回避、 ⑧一般

企業や銀行に よる過去に大量に行われたエクイティ:

・フ ァイ ナンスがもたち

した問題の回避、 ⑨い わゆ る「フ ァントラ・特金」 などの運用で含 み損が出

た中小金融機関 の破綻 の回避、であろ う/

よって、

「株式市場の再生」政策が是認されるためには、自由な市場に対す

る介入に よって もたらされる損害である①∼④ よりも⑤∼⑨の メリットが上

回ること、さらに⑤∼ ⑨の メ=

リ ッ土を生じさせるための よりよい 政策手段が

他に存在しない ことを示す必要 がある/

(1)株式売買増加に よる証券会社経営安定化の問題点

この問題については、株価が上昇す ることによって将来的に株式売買 が増

加すれば、証券会社 の手数料 は増加するで あろダ

うから、証券会社の経営 が現

在の規模のままで も安定するのは明白である‥ しかしここで問題 となるのは、

もし1 日あた力 数億株の株式取引の水 準で各投資家 のポこトフ ォリ オ調整が

完 結しているならば、 わざ わざ1 日あた り10億株以上 の取引を発生 させて、し

労働者を証券市 場従事者 とし て温存 しておくよりも、モノづ べりの産 業や他

のサービ ス産業に 移動 させた方が望 ましいであろ う、とい うことであ るノ

さらに、証券 デ ィーリン グは、

(利息分を除けば)

∧長期的4 また ヤク∇

徊経済

的観点から。

は:

ゼ ロサ みゲレ ムであるから、 極端にいえば、投資家に対し 「1

年 に1 回しか証券の売買唸 できない」とい うノVールを遵守させ、それに よっ

て失業 した証券関連従事者を他の産業に 移動さぜる方が社会全体としては 日=

本人が消費できるモ ノの量/が多 くなるであろうよ キャ ヅチ ボールの よう な毎

日の証券売買 に よっ て生 じたGNP

は 日/

本 人 の実 質的 豊 か さ ( これ は金 融

サービス以外の財 ・サ ービスの消費量 のこ とであると考 える) への貢献はゼし

ロであるとい って よい。ただ、現在の公的資金な どに よる人為的な株価の維

持 のもとでは、取引が枯渇す る傾向かあるため、証券関連生産要素 の淘汰、

整理はか文 って進むと思われるのでレ 皮肉なことに、余剰資源 の移転の妨害・

とい う問題は少なくなっているか もしれない。 ニ\

昨今 のOA 化 の進展や、今後 のリテールまで の情報 本ツト ワ¬ クの進展 と

個人投資家 の世代交代 が進むにつれて、金融機関との取引 はパソ コヅ を使っ

た低コストの通信で行 われることになるであろ う七 、金融業 は他の多 くの産

(4)

株式市場再生 の意味に関する疑問と再生策の誤り101 業 の 中 で 、 通 信 を 最 も 効 率 的 に 利 用 で き る 産 業 の1 つ で あ る と 考 え ら れ る の で 、リ テ ー ル 分 野 で の ネ ッ ト ワ ー タ の 本 格 的 利 用 に よ っ て も た ら さ れ る 今 後 の 金 融 業 に お け る 生 産 性 の 上 昇 に 伴 い 、 一 般 事 務 職 員 は か な り 減 少 す る 可 能 丿陸 が あ る1)。

(2)銀行のBIS 規制ク リア容易化のための株価上昇政策の問題点BIS

に よる自己資本比率規制の計算に用い られる自己資本に株式 含 み益 の

一 定割合(時価の42%)を 加え ることがで きるので、株式含 み益を含めた 自

己資本比率が基準値(?> %)ぎ りぎ りの銀行に とって、 株価の下落は自己 資

本比率の8 %割れを 引き起 こすであろ う。 その 上うな銀 行が8 %を回復する

ために貸出債権を 減らす行動に出るのは自然であるから、株価の下落は貸し

渋 りを引 き起こし、 景気低迷に拍車を かけ る可能性があ る、とい う話の筋は、

た とえ実証的には明らかになってい ないにして も、論理的に正しし≒

このような状況下、劣後 ローン、 永久劣後債などに よって各銀行は自己資

本比率の上昇を図り、そ の結果、期限 の93年3 月 末には最終ベ ースで8 % の

基準を達成で きた。しか七ながら、銀 行経営基盤の強化(その他にも 目的は

あるが)を狙ったこの 「自己資本比率規制」とい う装置 乱 それが拠って立

つ 自己資本が不自然な形で 水増し されるのであれば当初の 目的を果たすこと

はできない。 基準を満足 させるために株価 の維持を図る ようなことが慣行化

してしまうことは、この規制を形骸化させ、将来に禍根を残すであろ う。

もし、株価の変動 が激しいから自己資本比率が変動し 易いことが問題であ

るというのであれば、株価を支持するのではなく、自己資本に含まれる株式

含 み益とし て、たとえ ば 「過去L 年 間の株価の平均から計算した含み益」 と

いった方向に制度を変 更する方が望 ましい であろ ‰ 根本的には、現時点 で

は無理として も、今後、この ような株価を通 じた景気低迷 ・過熱の加速を 断

ち切るために、段階的に 株式含 み益を算入しない ようなルールに変更するこ

とが必要であろう。

そもそ も株式含み益を含 めた 自己資本比率規制とは、景気に 対しては、 し

ばしば指摘されてし る ように人工的に作られた「自動不安定化装置(ビルト

・イ ン・ アンスタビライザ ー)

」である。なぜならば、景気低迷(過熱)が株

価下落(上昇)を引き起こすと自動的に銀 行が貸し渋り(貸し込 み)を 行い、

(5)

さらに景気を 低迷(過熱)させるからであ る3)

。ただ、景気低迷 時に貸出を抑

制 させることを 通じて銀行の不良債権の発生を防 ぎ、銀 行の経営悪化を予防

す るとい う効果 は存在するだろ う。結局、株式含 み益を 含むBIS 規制は、経

済 の安定化を 犠牲にして銀行の安定性を保つ とい う規制であ り、株式含み益

を含む規制 が望 ましいとするならば、 これによる景気の不安定化に対しては、

通常の財政 ・金融政策を用いて景気安定化を図れば よい 。

この ように 考え てみると、銀行にBIS 規制を クリアし 易くさせ るために株

価を 上昇 さぜ ようとい うのは当面 の方策と七 ては許 され るとして 乱 制度自

体、 特に株式含 み益を繰り入れるとい うルールを修正することが根本的な解

決策 であることが わかるであろ う。

(3)逆資産効果を抑えることによる景気悪化防止策の問題点

株価、土地 の上昇局面では、 わが国 の株式時価総額、 土地時 価総額も上昇

し、人 々はそ の上昇 分の一部を 「所得」 とみなして消費を 拡大し たのであれ

ぼ、下降局面では消費 が下落するのは当然である。 株式や土地 の原則自由な

売買 が認められることは資本主義社会の原則であ り、 自由な売買 が認められ

るためには価格 が市場で決定 されることが基本である。そ れに よって社会的

に問題 が生じる(外部不経済が発生する) と考えられるときは政府による介

入が認められるが、上地政策はともか く、株式 市場に政 府が介入することは、

金融 自由化、金融 のグローバル化 の潮流に逆行し ているし、さらに金融機関

に対して株式 の売却を抑制する よう指導するとい った よ うな行政指導は、株

式 市場 の流動性を減少 させ、国際的に見ても東京 市場 の評判を落とすであろ

う。 さらに、 金額的に みても、時価から計算した各年における株式 の含み益、

含 み損 の総計は土地 の含み益、含 み損の総計 よりもかな り小さいと考えられ

るので、負の資産効果を防止するためには株価 の維持 よりも地価 の維持の方

がより効果的 であ る。 さらに景気刺激策 としては、本来√財政・金融政策が

望 ましい であろ う。

(4 ) 株価 下落 に よ って 浮き 彫り に なった 過 去の 大量 エ ク イテ ィ ・フ ァイ ナ ン スの問 題点 こ の 問 題 は 企 業 側 ( 資 金 調 達 者 側 ) の 問 題 と 投 資 家 側 ( 資 金 運 用 者 側 ) の 問 題 と に 分 か れ る で あ ろ う が 、 基 本 的 に は 資 本 主 義 社 会 に お け る 自 己 責 任 原

(6)

株式市場再生の意味に関する疑問と再生策の誤り103 則 の もとで は 無 視 で きる問 題 で あろ う。 企 業 は エ クイ テ ィ絡 み に よって結 果 的 に非常 に 低 コス トな資 金 調 達 が で きた た め に 収 益 性 の 極め て 低い プ ロ ジ こ、こ タトに投 資 し、 ワラ ント の行 使 や転 換 社債 へ の転 換 が進 まない まま借替 時 期 に な った ら 当 初 より も金 利 が 高 く な った こ とで 困 難 に 陥 った。 しか し なが ら 現 在 の長 期 金 利 は歴 史的 に み て も 極 め て低 水 準 で あ り、 より低 金利 のエ クイ テ ィ絡 み の資 金 調達を 行 え ない とい っ て も、 企 業 に と っ てそ れ ほ ど不利 な 状 況 ではな い 。 またプ ロジ ェ クト の期 間 と資 金 調 達 期 間 の ミスマ ッチはそ の企 業 の財務 戦 略 の誤 りで あ り、そ の誤 りに よって 生 じた 困難を 株 価 の再上 昇 に よって証 券 市 場 に救 済 して も ら うとい うのは 、 発 行 者 の立 場 と し ては理 解 で き るが、 や は り経済 全 体 とし て は 問題 であ る。 つ ま り、 エ クイ テ ィ物 の発 行 者 に とって は 、 株価 が 高い方 が (1 株 当た り の配 当 が 不変 で あ れば )低 コス ト資 金調 達 が 可 能 であ るが 、逆 に投 資 家 か ら み れば こ れ は不利 な 状況 であ る。 す な わち 、 株 価 が 高け れば いい とい う ような 考 え 方 は、 わ が国 で しば しば 見 ら れる、 関 係 者 間、業 者 間 の み の 主張 で あ る。 す な わ ち 既存 株 主 、企業 、 金 融 機 関は 一 致 し て株 価 が高 い方 が よい と考 え て い るだろ う。 し か しな が ら、 こ れから 株 式 に投 資 し ようと 考 え て い る投 資 家 や 信 用 売 りを 行 ってい る投 資 家 に と って は 、買 い 値 が低 い方 が 高利 回 り とな る ので あ る。 次 に特 に 大 きな 損 失を 被 っ た投 資 家 には ど の ような 者 がい るかを 考 え て見 る と、バ ッ クフ ァ イ ナン ス付 き で特 金 ・ フ ァ ソ ト ラ運 用を 行 った一 般 企業 、 貸 出 額の 低 迷 に 悩 んでい た 中 小 金融 機 関 に よる特 金 ・フ ァソ ト ラ、そ し て個 人 な どで あ ろ う。 こ のうち 、一 般企 業 と個 人 投 資 家 に つ い ては 、投 資 家を 保 護 す るた め に 不 公正 な 商慣 行を 廃 す る こ とは 重 要 であ る が、 手 数 料 自由化 に よ って [暗 黙 の株 式 のフ ット オプ シ ョン契 約 ] であ る 「握 り」 を 防 ぎ、取 引 の 透 明性を 図 る こ とが もっ と も重 要 で あ る。 仮 に 「絶 対 に儲 か る」 といわ れ て 個 人が買 った 株 式 や ワ ラン ト で受 げ た損 害 に つ い て も 、 自己 責 任原 則か ら み て、 基 本的 に 証 券 会社 が 救 済 す べ き で はな い し、 この ような 救 済は わが 国 投 資 家 へ の 自己 責 任 原則 の 浸 透 に悪 い 前 例を 残 す ノ そ れ より も、 今後 の経 済 の一 層 の 高度 化 、 高齢 化 に よる 金融 資 産 蓄 積 の進 展 、 ネ ット ワ ー クの発達 を 考 え れば 、一 般 法 人投 資 家 、 個 人投 資 家 に 対 す る教 育 や 、今 後 の投 資 家 とな る 高 校生、 大学 生 な どに 証 券 ・ 金融 取 引に 関 す る基 本 的 教 育を 地 道に 行 わな い 限 り、 こ の種 のト ラブ ル はい つ ま で も減 少 しな い で あ ろ う。 最近 、 わ が国

(7)

の教育に消費 者とし ての教育を導入す るととが必要であ るとい われてい るが、

金融取引に関す る教育 も合めるべきである。

株価下落に よる中小金融機関の苦境についてぱ、い わゆる「金融秩序の維

持」とい う点てしばしば別扱いされる。もし、

「金融 秩序 の維持」のために支

援を行 うとい うのであ れば、できうるならば、株価を 支えること よりも直接

的な支援策を講 じる方 が透明性が高いであろ う。この場 合は問題のある経営

者を淘 汰す ることがで きる。株価の買い支えに よる間接 的な支援策 は、投資

失敗の責任を不明確にし、 かつ問題 のあ る経 営 者を 温 存 す る こと に な る。

よって、公器であ る金融秩序を維持するために財政に よる直接的支援を行い、

同時に、経営責任等を 明確化すべきであ る。中堅規模以上 の銀行を支えるた

めには預金保険機構な どに よる支援には限界があるが、 だから とい って、国

内の問題のために国際化された株式市場に介入するとい った ようなことは、

長い 目でみれば日本市場に対する海外投資家 の信頼を損 なってしま うとい う

点て√やは り問題があろ うレ

以上 の観点 から、株式市場 の再活性化 が当面セカンド 。ベ ストであるとす

るならば、そ の理由 として①証券会社の業績が急激に悪化す るこ とは短 期的

に失業、金融制度の混乱を もたらすため、当面支える必 要があ るが、公的な

補助金を投人するわけ にもい かないため、株式市場の活 性化で代用する、②BIS

規制のルール自体ぱ当面変 更不能であるため、銀行 経営を安定 化 させ る

ためのBIS 規制が持つ 経済の不安定化効果に対しては株価刺激に よって対 応

する、③逆資産効果に対して財政拡大などの政策を とれ ない ため、金融緩和、

株価刺激に よって代用する、④企業の過去のファイ ナンスの借替や企業や個

人、中小金融機関の損失についてのソフトランデ ィングを 目指す、⑤金融機

関 の倒産な どに よって当局 の対金融機関監督政策等の失敗が明確になった場

合の政治的、 行政的 混乱、責任問題を回避す る、などがあげ られる。しかし

ながら、これらの全 ての項 目について別の本質的な改善策 が必 要であること

は今述べてきた通りであ る。

3

株式 市 場 再 生 策 の 誤 り

次に百歩譲って株式 市場 再活性化が必要であるとして、そ のための方策を

考えて みよう。

(8)

株式市場再生の 意味に 関する疑 問と再生策の誤 り1)5 本 稿 で は(1) 株 式 持 ち 合 い 制 度 と 株 価 め 関 連 ぐ(2) 個 人 投 資 家 の 拡 大 策 の 問 題 点 、 に つ い て 言 及 す る . .一 犬 ・ .♂・ .♂

(1) 株式持ち合い制度の株価に及ぼ す効果

本節では √株式持ち合いなどに よって安定株主のソ 土アがほとんどめ企業

でbo %超のため企業買収がほぼ不可能なわが国において は、

「企業 の時価総額

ぱ企業価値に等しい」 とい うような伝統的な恒等式 が成立しないことを示す。

一般に、あ:る企業について、そ の企業 が買 収可能(安定株主に よって所有

される株式が全発行済株式の50%未満)であれば、時価総額 と企業価値に格

差 が あ っ た 場 合 は 直 ち にTOB な ど に よ り 買 収 さ れ 、 と き に は 分 割 さ れ た り 清 算 さ れ た り す る で あ ろ う か ら 、 時 価 総 額 と 企 業 価 値 は ほ ぼ 等 し く な る で あ ろ う 。 す な わ ち 次 式 が 成 立 す る 。 犬 十 二 発 行 済 株 式 の 時 価 総 額 (= 株 価 × 発 行 済 株 式 数 ) ― 企 業 価 値 (D 次 に 、 企 業 価 値 は 、 無 限 将 来 ま で の 税 引 き 後 利 益 の 現 在 価 値 の 合 計 、 ま た は 現 在 の 資 産 ( 現 預 金 や 不 動 産 ) の 総 価 値 の う ち の ど ち ら か 大 き い 方 で あ る 。 企 業 価 値 ニ1 。11111 ` ● 。 ・ 。 ・ = 今 年 の 税 引 き 後 利 益 十 (1/ (1 十r ))× 来 年 の 税 引 き 後 予 想 利 益 十 十 (1/ (1 十r ) )× 再 来 年 の 税 引 年 後 予 想 利 益 十 ‥ 。 ヶ づ2a ) ま た は 、 ▽ ‥ ‥‥ ‥‥ ‥‥ = 現 在 の 現 金 預 金 や 不 動 産 等 資 産 の 総 時 価 評 価 額 一 負 債 (2b ト 白 ‥‥ ‥ しr : 各 時 点 ま で の 長 期 金 利 )■ そ の 結 果 、べ2a )に お い て は 、 株 価 に 影 響 す る も の は 将 来 の 企 業 の 予 想 利 益 と 長 期 金 利 の み で あ: り √ く2b )に お ト て は 将 来 変 数 は 企 業 価 値 に 全 く 影 響 を 与 え ず √ 企 業 の 配 当 性 向 の 大 小 は そ の 企 業 の 株 価 に 影 響 し な い こ と が わ か る 。 す な わ ち 、こ配 当 性 向 か 低 ぐ て も 内 部 留 保 と し て 企 業 内 に 残 っ た 資 金 の 所 有 権 は 株 主 に あ る か ら で あ るJ い わ ゆ るPER ( 株 価 収 益 率 ) や 、PBR ( 株 価 純 資 産 倍 率 )、Q レ シ オ は こ の よ う な 基 準 か ら 株 価 を 評 価 す る 方 法 と し て 使 用 さ れ る 。 企 業 が 買 収 可 能 で あ れ ば 、 仮 に こ の よ う な 算 式 で 計 算 さ れ た 企 業 価 値 よ り も 株 式 時 価 総 額 が 小 さ く な れ ば 、 自 然 と 買 収 ( 含 み 益 を 狙 う 場 合 は 買 収 後 に 清 算 ・ 売 却 を 伴 う ) が 行 わ れ る で あ ろ う か ら 、 株 式 時 価 総 額 が 企 業 価 値 と ほ ぼ 一 致 す る 点 で 株 価 が 決 定 さ れ る で あ ろ う 。・

(9)

と ころ が、 絶 対 に 安 定 的 な 株 主 の保 有す る 株式 のシ ェ ア が50 %を 超え る と き、 上 で示 し た 伝 統 的 な 株 価 決定 式 、 す な わ ち フ ァ ン ダ メ ン タ ル ズ ・ アプp ーチ4)は成 立 し な い 。 こ れは(2a) また は(2b) が成 立し てい て も(1) が成 立 し な くな るか ら で あ る。 す な わ ち、 安定 株 主 の存 在 のた め に 買 収 に よっ て利 益 を 得 る こと が もは や 不 可能 であ れば、 投資 家 の株 式 選 択 基 準 は 実 際 に 支払 わ れ る無 限 将来 ま で の 配当 と長 期 金利 のみ に依存 す るであ ろう か ら で あ る。 同 時 に 、 配 当に 回 ら な か っ た 企業 の 内部 留保 に対 す る所 有 権 は、 事実 上 投 資 家 か ら 企業 経 営 者 お よび 労 働 者 に移 転 し てし ま ってい る。 わ が 国企 業 の実 態 は 大 体 に おい て こ の よ うな 状 況 であ ろ う。 今 、不 確実 性 の問 題 は 捨 象 す る と、 上 記 の 内容 は次 式 で表 す こ と がで き る。 こ 発 行 済株 式 の時 価 総 額 こ 今年 分 の配 当 総 額 十(1/(1 十r)) ×来 年 の時 価 総 額 = 今年 分 の配当 総 額 十(1/(1 十r)) ×来 年 分 の配当 総 額 十(1/(1 十r)) × 再来 年 の 配当 総 額 十‥ 。 十(1/(1 十 律)xn 年 後 の 配当 総 額 十 …(3) そ の結果 、 株 価 は無 限 将 来 まで の企業 の 配当 と長 期 金利r の み に 影 響 さ れ る こ とにな る。 す な わ ち 、 絶 対 に安 定 的な 株 主 が保 有 す る 株式 の シ ェア が50 % を 越え る企業 に つ い ては 、「時 価総 額 = 企業 価 値」 とい う長 期 的 な 均 衡 条 件 が通 用 し ない の であ る。 こ れ は、「企業 価値 ≠ 無限 将 来 ま で の 配 当 の現 在 価 値」 が 成立 す るた め で あ る 。 ‥ 一 般 的な 場 合 、 現 在 安 定 株 主 が保 有 す る株 式 のシ ェア が50 % 以 上 の企 業 で あ っ て 乱 最近 し ば し ば 見 ら れ る株 式 持 ち合 い の解 消 の ケ ー ス の よ うに、 必 ず し も無 限将 来 ま で安 定 株 主 に よ る保 有 が50 % 以上 を維 持 で き る か は不 確 定 で あ る。 よっ て、 現 時 点 に おい て、安 定 株 主 に ょっ て50 % 以上 株式 が 保 有 さ れ てい る企 業 の時 価 総 額V は 、 投資 家 が 考 え る安 定 株主 のシ よア が将 来50 % を 割 り込 む 確 率 α を ウ ェイ ト とす る、(2) と(3) の 加重 平 均 で あ ろ う 。(2) と(3) に よる時 価 総 額 を そ れ ぞ れV, 、しVよ す れば、 ・Vi ≧Vz であ り、 次式 が成 立 す る。V =a:V,十(l − α)V,(4) こ の式に お い て 、 持 ち 合 い 構 造 が壊 れ る こ とに 関 す る投 資 家 の主 観 的 確 率

(10)

株式市場再生の意味に関する疑問と再生策の誤り107ali ま、安 定株 主 比 率 に 関 す る減 小関 数 、企業 価値 一 時 価 総 額 (す な わ ちV, −v )に関 す る 増 加 関 数 であ る。 な ぜ な らば、 現在 の安 定 株主 比 率 が高げ れば 高い ほど、 企 業 グル ープ の突 然 の再 編 な どに よる持 ち 合 い 構 造 の変 化 な どに よって安定 株 主 のシ ェ アが50 %を 割 り込む 可能 性 は 低 くな るで あ ろ う。 また、 実 際 の企業 価 値 と、 低 位に 抑 え ら れて い る配 当に 起 因 す る時 価 総 額 と の間の 格差 が大 きけ れば 大 きいほ ど、TOB な どに よっ て 得 ら れ る 利 益 が 大 き く な るた め、安 定 株 主 に対 す る株 式買 収 の誘い 等 が生 じ る可 能 性 が 高 くな る であ ろ う。 実際 の株 価 は 市 場に お い て さら にV か ら乖 離 す る か も し れな い 。 この よ うに 考え て 見 る と 、安 定 株 主 比率 が50 %超 の と き、V が フ ァン ダ メ ンタル ズ価 格で、伝統 的 な 「フ ァ ンダ メ ン タル ズ価 格」は 、「フ ァン ダ メン タル ズ価 格 のフ ァン ダ メ ン タル ズ価 格」 とい う関 係に な る。 今 まで見 て 来 た こ と から 、株 式 持 ち 合い が進 んで い る 状 況 で ぱ 、株 式 保 有 の 収 益 であ る 税 引 き後 の 配当 が 高 くな い と、 株式 を 保 有 す る魅 力 がな い 。 よっ て 、 配当 = 税 引後 利 益 火配 当 性 向、 が 時 価に対 し て長 期 的 に 低 い 水 準で安 定 し てい るわ が 国 に おいて は 、 現時 点 で は 不況 の た めに 配 当性 向 は 高 くな って い るに して も 、株 式 保 有 の魅力 はそ れ は どな い とい わ ざ るを 得 ない 。 企業 価 値 が時価 総 額 よ りも十 分に 大 きい に もか かわ らず 時 価 が 上 昇 し ない 企 業 が時 価を 長期 的 に上 昇 さ せ るた め に は、 ① 安定 株 主比 率 を 下 げ 、 買 収 の可 能 既を 生 じ させる こ と、 ま た は ②配 当を 高 くす るこ と ( また は 配当 性 向を 高め る こ と)であ る。また 、持 ち 合い 構 造 が持 続 す る中 で 、市 場 原 理を 歪 ませず に 政府 が 株価維 持 の ため に 行 え るこ と ぱ、 ③ 配 当 の非 課 税 化 ま たぱ 税 率 の引 き下 げ 、 また ぱ法 人税 と の二 重 課税 の回 避 であ ろ うが 、 こ れ は あ ま り現 実 味 はな い。

(2)個人投資家拡大策の問題点

以下の議論 では安定 株主の問題は捨象し、わが国企業には安定 株主 がおら

ず、常に買収可能であ るとし よう。その結果、ファツ ダメソタルズアプ ロ ―チ

が成立し、時価総額 が企業価値(すなわち無限将来 まで の予 想税引後企業利

益の現在価値 の合計)に一致する。 このような場合、多 様な情 報源、価値判

断を‥

持つ多 く の投資家、特に個人投資家 が増加すれ ば、一見した ところ、株

価ぱいままで より適切な価格に 決まりそ うに思え る。す なわち企業 の将来収

益に関する合理的期待値から計算されるような株価 が形成 され、あ る意味で

(11)

は 現在 よ り も安 定 す る とい う よ うな 楽 観的 な 議論 が 頭を よぎ るか も しれ な い 。 し か しな がら 、 大 部分 の個 人 は 、 金 融 経 済知 識 に 疎 く (例 え ば、 株 式 保 有 者 のい った い 何% が「 ワラ ン ト」の内 容 を 正 確に 知 っ てい るだ ろ うか )、保 有 株 式 発行 会 社 の経営 分 析 や 経 済 予 測 を多 少 と も独 自にで きる 大 は ま れで あ ろ うか ら、 予 想 値 上 が り益 に 対 す る情 報 は 証 券会 社 や 雑誌 な どか ら得 ざ る を 得 な い。 そ し て 、 同 し 隋報 源 に 基 づ い て 行 動 す る人 々は、 みかげ 上 、 あ た か も ↓つ の グル ープ の ように 一 体 化 し て 行 動 す る こ とに なる 。 そ の結 果 、 株式 市 場 へ の参 加 者 の 数 がい く ら多 くて も 実 質 的 に は ご く 小 数 の 大 口 の 投 資 家 グ ル ープし か い ない とい う状 況 に な っ て し ま うであ ろう 。 こ れ は、 現 在 の よ う に 個人 の代 理 人 とし て の 機 関投 資 家 が 株式 市 場 の主 要な 参 加者 とな っ てい る 状況 と、 実 質 的 にほ とん ど変 わ ら な い。 ノ 実 質 的 意味 で の市 場 参加 者 が 少な い 株 式 市 場 で は 株価 の変 動 は 大 きく、 不 安 定 であ ろ う。 もし 、 個人 投 資 家 の シ ェ ア が高 い 株式 市 場 が安 定 的 で あ る こ とが 実 証 さ れた な らば 、 そ の理 由は1 人1 人 の個 人投資 家 が非 常 に 優 秀で 独 立 に 行 動 し てい るとい う よ りも、 単 に証 券 会 社 な どから の情報 に 対 す る反 応 が 遅 い だけ 、 とい うこ とか もし れな い6 個 人 投資 家 拡 充 策 の 意味 が 、 個人 投 資 家 の 情報 に対 す る反 応 が 遅 い とい う特 性 を 生 か し て株 式 市 場 を安 定 化 す る 、 とい っ た も ので あ れば 、 個 人 を 犠 牲 に し た 株 式 市 場安定 政策 の遂 行 とい え な く もない 。 ‥ た だ 、最 近 で は証 券 不 詳 事 前 とは 異 な っ て 、証 券 アナ リス トが 独 自 の見 解 を 示 す ヶ− スがし ば し ば み ら れ る。 個 人投 資 家 の増 加 問 題 とは 関 係な い が 、 独 自の 分析 結果 が 多 く示 さ れ る 傾 向 が で て き た こ とは 、 株価 安 定 、 適切 な 株 価 決定 に ぱ歓 迎 さ れ る。 次 に、 個 人株 主 の増 加 策を 、 個 人 の金 融資 産 ポ ート フ ォリ オの 中に 占 め る 株 式 の シェ アを 高 め よ うとい う政策 で あ る と す るな らば 、 そ の 具 体的 な 意味 は 、 年 金 や株 式 投資 信 託 が保 有 す る 株式 を 一 定 とす れば 、 持 ち 合:い や 証券 投 資 な ど の目的 で一 般 企 業 、 金 融 機 関 が保 有 す る株 式を 移 転 さ せ るか 、 も し移 転 さ せな い の であ れば 株 価を 上 昇 さ せ るか 、 また ぱ 増資 の際 の受 け 皿 に個 人 を 使 うと い う政 策 であ る と考 え ら れ るが 、 まず 株 式 の保 有 が 個人 投 資 家に 魅 力 的 に な るこ とが肝 要 であ る。 丿 犬 尚 こy 持 ち 合い を 解 消す るこ とが で きなト ので あ れば 、 個人 投資 家 に 株 式を保 有 !II %irr

(12)

株式 市場 再生 の 意 味に 関 す る 疑 問 と 再 生 策 の誤 り109

させるためには、 既に述 べた ことも含まれるが、配当を大きくし、株式保有

の魅力を高めるこ と、さらに、投資家、 またぱその予備軍であ る高校生や大

学生に対する教育を行って 投資家 の資質を高め、独自の判断、 情報網に よっ

て独立した投資態度を持たせ、長期的に個人が保有する株式 のシ ェアを安定

化させることであ る。

4

お わ りに

はじめに みた ように、

株式市場再生自体、

金融市場 の必 要以上 の拡大が国民

経 済的にはマイ ナスであることから、株式市場再生の必 要性は本質的に疑 問

があることがわかる。 必要 があ るとするならば、経済のソフト ランデ ィン グ

のために、またぱ金融機関 の倒産に対する備えが不十分であるために、当面

に限って株価を支 持す ることはそ れな りの意味かおるが、後者 の理由であれ

ば、金融機関経営者 とともに監督当局も政策の失敗に関す る責任が問われる。

株価を上昇させ、市場の売買を拡大するための方策としては、現在の安定

株主制度を今後 も維持する ことを前提 とす るならば 、 配当 ( ま たは 配当 性

向) の引き上げ は絶対不可欠である。

また、このような株価の維持は、株価を発行してし る企業 のためであると

い うより 乱 基本的にぱ第三 者である金融機関、証券会社のために行われて

い るという点て、 金融機関、証 券会社のために公器であ るはず の金融市場 へ

の歪んだ介入となってい るよ うに 思える。もちろ ん、 この点については、 金

融機関の安定なくして金融市場 の公共性が有 り得ない とい う反論 があろ うが、

庶民感情としては、 自分の預か り知らぬところで の公的資金 の導入や、株価

や地価の人為的な支持 とい う間接的な支援を受けた金融機関や証券会社の責

任者に対するペ ナル ティもほと んどない ことに も見られるよ うに、や はり金

融機関、証券会社 の側に偏った政策であ るように感じら れるだろ う。 さらに

もし一般上場企業がこの ような政策から利益を得られる としたら、個人投資

家、機関投資家などの資金運用 者または一般納税者の利益を損なっている政

策であるかもしれなト 。

最後に、 さまざ まな点 から、 わが国 の金融・資 本市場全体、特に オープン

市場が発達する上で重 要なことは、投資家お よびそ の予備軍に対する教育で

あろうノ

(13)

注 )1 ) 投 資 家 に と っ て の 株 取 引 の コ スト は 委 託 売 買 手 数 料 と 税 金 か ら 構 成 さ れ 、 こ の う ち 委 託 売 買 手 数 料 は リ テ ール ま で の ネ ット ワ ー ク化 の 進 展 に 伴 い 引 き 下げ の余 地 が 生 じ る が 、 税 金 面 が 固定 さ れ て い れ ば 、 株 取 引 コ ス ト に 占 め る 税 金 部 分 が 相 対 的 に 拡 大 し 、 委 託 手 数 料 が 引 き下 げ ら れ て も 取 引 需 要 は 伸 び な い で あ ろ う。 す な わ ち 証 券 取 引 需 要 の委 託 手 数 料 弾 力 性 は 税 制 の た め に 小 さ く な る だ ろ う。 そ の 結 果 、 税 制 面 の 改 善 が な さ れ な い と 、 ネ ッ ト ワ ー ク化 の メ リ ッ ト が 発 生 し な くな り 、 そ の 結 果 ネ ッ ト ワ ー ク化 も進 展 し な い 可 能 性 が あ る。 リ テ ール ま で の ネ ット ワ ー ク化 に よ り 税 の 捕 捉 率 や 徴 税 コ ス ト は 大 き く 改 善 さ れ る で あ ろ う か ら 、 有 価 証 券 取 引 税 の 軽 減 と 、 キ ャ ピ タル ゲ イ ン 課 税 の 適 正 化 ( す な わ ち キ ャ ピ タ ル ロ ス が生 し た 場 合 の 払 い戻 し を 行 う こ と) な ど の 改 善 が 将 来 求 め ら れ る こ と に な ろ う。2 )〔1〕は 、全 国 銀 行 貸 出 残 高 が90 年 以 降 伸 び 悩 ん で い る の はBIS 規 制 に 伴 う クレ ジ ッ ト ク ラ ソ チ で あ る と 主 張 し てい る 。こ れに 対 し て[2 ]は 、デ ー タ上 で そ の よ うに 見 え る のは 、 資 金 需 要 自 体 の低 迷 で あ っ て 、 第 一 次 石 油 危 機 以 降 か ら92 年 ま で の 金 融 機 関 の 貸 出 態 度 の 長 期 的 水 準 か ら 比 較 す れ ば 貸 出 態 度 は91 年 以 降 も決 し て 低 く は な い と し て い る。し か し な が ら 、彼 が 示 し た 図 に お い て も 、比 較 時 点 を80 年 以 降 で 考 え れ ば 、90 年 以 降 の 貸 出 態 度 は 相 対 的 に 厳 し い と い う よ うに も 見 る こ と が で き 、 ク レ ジ ッ ト クラ ン チ は 総 じ て 生 じ て い な い と い う 彼 の 結 論 は や や 問 題 が あ る 。3 ) こ れ に 対 す る 政 策 の 対 応 は〔3〕に 示 さ れ て い る。 す な わ ち 、BIS 規 制 飲 に な っ てト る とト う議 論 が 生 じた た め に 、92 年4 月 に 、 大 蔵 省 は 「金 融 行 政 の 当 面 の 指 針j を 示 し た が 、 そ の中 に は 、 株 式 の 売 却 に よる 銀 行 め 「安 易 な 益 出 し の 抑 制 」 とい っ た よ うな 、 株 式 市 場 に 対 す る 数 量 規 制 も 含 ま れ てい たト そ の理 由 は 銀 行 の 体力 消 耗 の 防 止 と 「益 出 し 一株 価 下 落 一 益 出 し の悪 循 環 に 陥 る お そ れが あ る」 と な っ てい た。 す な わ ち 、こ の「益 出し の 抑 制 」は 、銀 行 の 売 りを 減 少 さ せ 、株 価 が 下 落 す る こ とを 防 止 す る こ とに よっ て 銀 行 自 身 の 含 み 益 も 維 持 す る と い う、 株 価 維 持 介 入で あ る。4 )[4 ]、[5 ]参 照よ5 〕で は 、配 当 性 向 の 低 さ に 関 し て 、い くっ か の説 明 が な さ れて い る。 参考文献 〔1〕宮崎義一 『複合不況Jpp.228 −229 中央公論社1992 じ2』野 口悠紀雄(ダブルの経済学Jpp.216 −223 日本経済新聞社1992 [3]大蔵省『大蔵省銀行局年報平成5 年版Jpp.27 −36 じ4』丸淳子『証券市場Jp.54 、p.122 新世社1990 〔5〕岩田一政『現代金融論Jpp.225 −231 日本評論社1992 (1994 年10 月31 日受 理)

参照

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