総合問題(前期日程)の出題意図と解答例 問題Ⅰ ①出題意図 学生募集要項記載の通り、この検査のねらいは、教科・科目の枠を超えて、総合的な学力 を検査することである。そして、本課程の総合問題では、デザイン・ビジネス・テクノロジ ーに関する課題に対して、自分の考えをまとめる能力を評価する。 急速なテクノロジーの進化により、身近になった IT(Information Technology)が、ビジ ネス面だけでなく、社会の仕組みのデザインも変化させている。そのような変化における課 題として、本問では、自身の個人情報を、どのように保護するかについての受験者の考えを、 EU(European Union;欧州連合)が昨年 5 月から適用を始めた「一般データ保護規則(General Data Protection Regulation;GDPR)」を題材として、問うた。
このことは、同要項記載の「緻密な論理的思考力と社会に対する洞察力、それを支えるバ ランスのとれた学力を持つ」との本課程の選抜方針・ポリシーに沿うと思料される。また、 本課程が求める能力・適性としての「論理的思考能力、人間や社会およびビジネスに対する 関心と理解力、新しい可能性に向けての創造力」などを問うことになっていると考えられる。 具体的には、問 1 では、自らの体験などを通して、社会に対する洞察力を検査するととも に、人間や社会およびビジネスに対する関心や、それらへの理解力を問うた。 また、問 2 では、GDPR の適用という要因により起こると予想されることを問うこと、 すなわち、因果関係における結果を予想させることで、社会に対する洞察力だけでなく、論 理的思考能力も検査した。 さらに、問 3 では、論理的思考能力や人間や社会およびビジネスに対する関心と理解力 に加え、図という表現形態を用いることで、新しい可能性に向けての創造力も検査した。 ② 解答例 問 1. a.「初めての訪れる場所に行くために、スマートフォンに登録していた、いわゆる道案内ア プリを利用する」ことで、「自分が今いる場所の位置情報やこれから向かう場所に関する情 報」を提供した。 b.「書店で書籍を購入する際に、ポイントを付けてもらうためにポイントカードを店員に一 旦預ける」ことで、「性別、年齢や、購買傾向・履歴を含む購買に関する情報」を提供した。 c.「検索サイトを利用する」ことで、「現在、自分が、どのようなモノやコトに興味を持って いるかなどの情報」を提供した。 d. 「飲食店やカラオケ店などで会員登録する」ことで、「氏名、年齢、住所や生年月日など の情報」を提供した。
e. 「いわゆる無料通信アプリを利用して、友人や家族などとチャットするために、グルー プを形成すること」で、「交友関係などの情報」を提供した。 f. 「いわゆる写真共有アプリや動画共有アプリで、写真や動画をみること」で、「自分の趣 味や嗜好についての情報」を提供した。 など。ただ、表現の仕方はさまざまであり、上記はひとつの解答例であって、必ずしも一 義的又は標準な解答例とは言えないと考えられる。 問 2. ただ、表現の仕方はさまざまであり、上記はひとつの解答例であって、必ずしも一義的 又は標準な解答例とは言えないと考えられる。 問 3. 一義的又は標準な解答例が示せない試験問題である。 問題Ⅱ 問1(解答例) 契約 崩壊 回避 問2(解答例) 表層的な事件に対してこれまでの解読の装置では対応できなくなっている 問3(解答例) 近代以前のデザインは複雑な社会的制度と結びついており、自らの生活様式を自由に選択 することができなかったが、近代当初は誰もが他からの強制を受けることなく、自由なデザ
インを使うことができた。(93字)
問4(出題意図)
近代以降のデザインは、市場経済のシステムの下、社会状況を反映しながら変化してきたが、 現代社会においてデザインがどのような状況に置かれているかを問うことで、広義の意味 でのデザインに対する理解度を問う。