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整流子片用マイカ板の圧縮特性に関する二・三の考察

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整流子片用マイカ板の圧縮矧生に関するニ・三の考察

CompressibilityofCommutator-SegmentMicaPlates

文*

MotofumiTajima

概 整流子製作技術の進歩につれて,片間絶縁用マイカプレートには,よく管理された製造技術によって得られ る均一性と設計・製作上必要となる執応力挙動に対する立体的な圧縮弾性特性の解析が各方面から要求され るようになった0従来,整流子片用マイカ板の圧紆特性の究明に対しては,その必要性を感じながらも試験装 置の精度的な不備,あるいは構成される銅その他の金属部分とあまりにも異なった複雑な特性をもつた軌簡 単な実験や推測による面が多かったが・日立化成では最近,マイカ製占デlの圧縮試験機に改善を加え,所期の目 的とする特性が得られるようになった。本稿はこの試験装置によって行なった即栂がしマイカと整流子片用 軟質マイカ板の二・三の基礎実験から,材料および製占占のもつヤング率の究明,製品の熱圧使用限界,あるい はシーズニソグ性などについて検討を加えたもので,従来末検討であった矧生面に対する種々の知見を得た。 16

l.緒

q 整流子を製作するのに必要なことはまず寸法が設計値に仕上がる ことであり,また寸法が設計値と一致しても熱処理が不完全である と長期または高温高速運転においてbigh-Bar,high-Mica,または偏 心などの寿命的欠陥(1)を生ずるため,片間マイカ板の諸圧縮特性を は超することも重要である。日立化成では過去数年間この整流子片 間マイカ板の諸圧縮特性を検討し,整流子の構造材料としての必要 特性,熱圧使用限界あるいほ,理想的なシーズニングの条件などを 考察し,製品の開発,改善に応用するとともに,使用者の設計,製 作上の資料に供してきた。頭初は試験装置の不備もあって実験は困 難をきわめたが,その後マイカ製品の特異性に合わせ工夫,改善を 加えた装置によって所期の目的とする諸特性が測定できるようにな った0また,この試験機もマイカ製品の圧縮試験棟として正式に JIS-C2116-1962に採用されたのでこの機会に本試験枚で実験を行 なってきた中から,原料はがしマイカと整流子什用軟質マイカ板の セラックを主成分とした一般製品に例をとり,二・三の実験結果を 紹介する。なお採用した試験方法はおもに材料を使用する立場から 要求される特性が得られるように考慮したものである。 2.試 験

マイカ製品の圧縮試験のた捌こ完成したこの装置は,マイカ製品 のほかに構造材料の圧縮試験にも応用される。舞1図はその構造を 示すもので,2個のダイヤルゲージによって温度と圧力に対する圧 縮ひずみが連続的に直読できること,およぴパイプヒータと水冷管 によって比較的短時間(最高20℃/分)に温度上昇と冷却の行程が可 能であることが特長である。加圧ほ舞2図に示すようにアムスラ万 能試験機の圧縮側に同定して行なわれる。 応用できる試験の範開は次に示すとおりである。 (1)加 圧 範 甜 (2)加 (3)ひずみ測定の感度 (4)試験片の大きさ 3. 0∼25,000kg連続 20∼350℃ 1/200皿m lOOmmxlOOmmx30tmm以下任意 破

試 験 整流子の片間には,部分的に相当高圧力のかかることが予想さ カt,この意味から材料の圧縮による弾性を検討する場合,座屈破壊 強度を当然知る必要がある。試験は常温において策3図に示すよう 日立化成工業株式会社山崎工場 ⊂⊃ く=) 一 9

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一 枚ト ロ ヒ ソ フ ィ セ パ タ熟ン却

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コ 管タ タ 英一 -石ヒ断ヒ冷 ⑲㊨⑲⑯㊥ マイカ圧縮試験用熱板 な試験片と装置を佐川して行なった。各種整流子片用マイカ板とそ の原料ほがしマイカの破壊の結果は弟1表に示したとおりで,材料 は一般の使用圧力よりかなり高い値を持つものと考えられる。硬質 マイカ(Muscovite)を使用したMP20とパルプマイカ板は常温に こおける破壊強度が高いが,接着剤の質およぴその量によって別な温 度特性を示すであろうっ弟1表のなかで軟質マイカ(Pblo即pite) ほ,硬質マイカに比べ一般に破壊感度は低いが掛訂.化するとかなり 向上することが認められる。

4・圧縮弾性(応力ーひずみ)特性とヤング率

整流子の片間に加えられる応力はてイカの積層方向に作用するが

(2)

整流子片用マイ

カ板の圧縮特性に関する二・三の考察

第2国 正 締 試 験 装 置 P(勤 ① (丑 ④ 〃 /(か鋼ブロック40mmx40mmXlOmmt 焼人研磨仕上げ(ショアー80) ②試料 20mmX20mmX約10m打It ③加圧速度1.000kg/分 ④アムスラー万能試験機の圧縮側 第3図 破 壊 試 験 の 略 図 第1表 整流子片用マイカ板および原料はがし マイカの圧縮破壊強度 類l名 称 整流子片用 マイカ坂各種 原料はがし マイカ各種 MP 20-0.55 MP 30-0.85 U300、0.55 朽ハ質婿ハ質貿所ハ賀貿質賃資質 硬硬軟軟軟牧歌軟軟歓歓歓 1 2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 破壊強度* (kg/cm2) 5,340 4,050 5,500 備 考 硬質-アイカを使用した製品 敬呈‡マイカを使用した製品 パルプマイカプレート 硬田マイカ 硬守写てイカ 軟質マイカ 軟円マイカ 軟質看てイカ 軟質マイカ 軟弱マイカ 軟罰マイカ 軟質マイカ 軟質マイカ 軟質マイカ 軟質マイカ (Muscovite) (Musco∇ite) (Phlogopite) (Plllogopite) (Pblogopite) (Pblogopite) (Pblogopite) (Pblogopite) (Pblogopite) (Pblogopite)

(Pblogopite)禁絶浬宗…悪く

(Phlogopite) * 3回測定の平均(20℃65%RH) このときの弾性特性を検討する一般的方法として,繰返し圧縮応力 による単純ひずみを測定することによって,圧縮率,ヤング率,塑 性変形量など材料および製品の圧縮性を考察するための有効な測定 値が得られる。 4.1原料軟質はがしマイカの弾性特性 マイカプレート製品の圧縮性の検討を進めるに当たり,まずこれ に使用される原料はがしマイカ単独の特性を知る必要があり10種 類の代表的なものについて実験した。整流子片用マイカ掛こ用いる 軟質はがしマイカは現在マダカスカル産のものが大半を占めている が,出産地ごとに煩別すると種摂も多く(2)色相,品質を異にし,製 品に及ぼす影響も大きい。 試験の方法は,各はがしマイカからはがし厚さの均一なものを選 び30×30mmに正しく切りとったものを約5mmの高さに積み重 ね,これを弟1図のマイカ製品圧縮試験用熱板の中央に配置し常温 で弟4図に示す10∼1,000kg/cm2の加圧サイクルにより応力ーひ A D 1,000 500 0 0 0 0 2 1 (爪∈ぺ址ヱ ・R 出 50 20 C F 0 ハリ O 1 1.(N∈てぜ) 0 ト「咄■=.ト 825 10 15 20 25 30 時 間(分) 加圧サイクル 試験片の寸法 30mmX30mmXlOt皿m ▲>0 1 2 3 4 5 6 圧 率(%) 第4図 原料はがしマイカの応力一ひずみ特性 (牧田(8)マイカの一例) ずみを連続的に記録した。舞4図に軟質-(8)マイカの一例を示し た。一般に,最初の圧縮負荷行程(A【B)ではゆるやかな曲線をた どり,この把力を減ずる(B-D)と圧力の対数目盛りにたいしてほ ぼ直線的に"C”線上を経過し応力塑性量を残した"D”点に落ち 着き,さらに,圧力を加えると"E”線上を経過し"F”にいたる○ この弾性曲線からマイカの特異性を示しているものとして見のがせ ないことがらは次の点である。 (1)"A-D”の応力塑性変形量が意外に多い。 (2)"B”点"F”点はほとんど一致しクリープが少ない。 (3)"B-D-F”のひずみ特性は圧力の対数に対しほとんど直 線として論じられる。 (4)"B-D-F”のひずみ特性はループを措き弾性余効果(3) (Elastic afterefrect)が顕著である。 (1)(2)は次項で述べる製品の加熱塑性変形量とあわせ整流子の シーズニソグ性を考察するために重要な意味がある。(3)の特性か らはヤング率を算出できる。-すなわち係数「c+のこう配で措くこ とのできる直線の範囲では実験式(1)が対立する。 10g。げ=C・亡+恥‥...… ‥…(1) げ:圧 縮 応 力(kg/cm2) e:圧 縮 率 げ0:定 数 げ0=10gβ♂′ ‥‥(2) (1)式に(2)式の条件を加味すれば,げは(3)式に誘導され,求 めるヤング率は(4)式のように圧縮応力に比例する。 げ=α/一〆●丘 β:自然対数の底

且∽=_旦旦=旦空士至三ニ=。.げ

6∈ 6己 …‖‥.(3) 且招:ヤ ン グ 率(kg/cIn2) 直線の係数「c+は(5)式で求められ,この係数が成立する圧力範

囲のひずみ量は(6)式で任意に得られる。

。=地

£β ̄亡A ‥‥‖(5) げβのときのひずみ紬 げAのときのひずみ∈A

≠`=rざ(lo轄・‡)

‥…(6) オブ:圧力がα5からのに変動したときのnのひずみ量 (mm)

(3)

昭和39年5月 (…∈ぺ曽二 只 咄

第46巻 第5号 加熱1サイクルによるひずみ一読 00 00 00 300 200 61【柑 \く ヒl】 50 ギミ 凹 20 135 100 20 ど 睡( 増 1サイクル日 H 除 荷 負 荷 2サイクルR K 30 60 90 時 間 (分) 第5匝l常温締付 サ B c 保持 加熱 120 150 ク ル 冷却 J D L圧力300kg/々m2において 30 60 90 時 間 (分) 第6囲 加 熱 サ MP30-0.鈷(A) (軟質-(1)はがしマイカ使用 の製品) 加熱1サイクルによるひずみ星 F.H.Ⅰ.X. (常温締付) 1サイクル目 2サイクル日 加熱2サイクル日の ひずみ進展量 (加熱締付) 1サイクル日 2サイクル日 試験片の寸法 44.7m田×44.7ⅠれmX34枚積重ね 0.5 1 2.5 3 3.5 4 庄 鮨 率(%) 第7因 襲流了・片用軟質マイカ板の応力ーひずみ特性(A) (製品単独を前垂ねた場合〕 第2真 冬種軟質はがしマイカの弓削隼特性 原料ほがしマイカ の種煩

(茸翳告訴)

質所只筋只管ハ席只横只厳山男質析只 軟歓軟軟軟軟軟軟軟軟 1 2 3 1 5 6 78 910 J王 締 率*(%〕

200kg′cm2い盟智左

の点 塑性変形茄こ ヤング率係数(c)

kg′。m2;100へ畠アぎ監2

(%)ilO∼100

0.25×103 0.24×103 0.21×103

+3:芸…;王3;

0.20×103 0.18×103 0.20×103 IO.26×103 0.30×103 *10kg/cm2を基準とした圧縮率 ∼ 直線として係数が求められない部分 n:圧力げざのときの材料の積層厚さ(mm) C:ヤング率の定数 この方法によって得られた軟質はがしマイカの諸弾性量を策2表 に示した。圧縮率は圧縮初行程の面圧10kg/cmの点を基準にして あるため,商用試験で行なうマイクロメータによる測定厚さを基準 nUO (㌣E†¥さ 平 出 九1P30-0.85(B) (政所-(2)はがし マイカ俺用の製品) 0.5 1 1.5 (常温締付) /1サイクル日 / / 2サイクルR 2 2.5 圧 縮iヰ三(%) \加熱2サイクル目の ひずみ進展遺 (加熱肘寸) /1サイクル日 /2サイクル日 試験片の寸法 44.71¶mX44.7Ⅰ心血X34蚊帳亜jコ 3.5 4 第8図 整流子片用軟質マイカ板の応力ーひずみ特性(B) (製占占単独を節電ねた場合) ①温度計 ③上部ヒータ ⑥ダイヤルゲージ 率 (前 屈 状 態) ②ゲージ部冷却水 のパイプ ④中央部ヒータ ⑦7ムスラ万能 試験機 山

-乾

(加熱サイクル試験中の装置) 第9囲 モデル整流子銅バーと積層して 圧縮性を測定した装置 とするものより小さい値となっているが,軟質-(2),(5),(7), (9)などは圧縮率の大きいマイカである。 4.2 整流子片用軟質マイカ板の弾性特性 前項と同じ試験装置で,岨7×姓7mm(約20cm2)に切断した製 品を34枚積重ねこれを試験片とした。試験の方法はJISの試験圧 力に準拠し第5図に示す常温の締付サイクルと葬る図の加熱サイク ルを行なってその間の応力ーひずみ特性を記録した。

(4)

整流子片用マ

カ板の圧縮特性に関する

加熱1サイクルに トーよるひずみ鼠 ft.H,Ⅰ.K. 加熱2サイクル日 のひずみ進展呈

の考察

T U 827 (榊Eて址豆 穴 増 00 00 00 50 20 MP30-0.85(A)と銅パー 0.5 (常温締付) 1サイクル日 2サイクル目 マイ 銅パー 1.5 2 2.5 3 圧 縮 率(%) (加熱締付) 1サイクル目 2サイクル目 試験けの ̄ナ法

濫諾ニ:諾:ニ)34朗ね

3.5 4 第10図 整流子片用軟質マイカ仮の応力【ひずみ特性(C) (モデル整流子銅パーと毛てf屑した場合) 第3表 整流子片用軟質マイカ板の諸弾性特性

モモきモ=二竺竺里

実測療、\ 製品および 試験状態 着剤 MP30-0.85(A)

て壷芸三言転読)‡

MP30-0.85(B)

掛\

1.5 1.5 1.8 常温締付後

(%).塑性変形丑l芸蒜義

正縮率l

(粁L(A-J)**ト0㌶㌍

10∼300 (プ吉) (c) 垣∠壁 加熱節付後 2.41 2.69 2.56 1.40 1.22 1.52 0.35×103 0.24×103 0.28×103 0.90 1.00 1.10 0,67×103 0.28×103 0.65×103 *,榊 A-K,A-Jは第7,第8,第10,国中の諸故 実験結果は弟7,8図に示すとおりで,原料マイカを異にする二 っの例であるが,前項で述べた原料はがしマイカとよく似た弾性曲 線を示すもので同様に考察し得ることがわかる。また同一条件の応 力および加熱の繰り返しによって新たに圧縮されるひずみ量はきわ めて小さい。次に整流子片用マイカ板が整流子銅バーと組み合わさ れた実用に近い状態の弾性矧生を知るために,弟9図に示す装置に ょってモデル整流子銅バーとマイカ板を交互に積層した状態で応力 ひずみ特性を検討した。舞10図はその結果を示したものである0 舞10図の実験に使用したマイカ板は比較のため,弟7図の製品 と同一のものを使用している。このようにして整流子片用の軟質マ イカ掛こついて試験した各応力【ひずみ特性から得られた特性値は 弟3表に示すとおりであるが,整流子に組み込まれた場合は横層効 見その他の因子によってマイカ板単独とは異なった弾性を持つこ とがわかる。特に整流子銅バーを構成するときは常温締付後と加熱 締付後の弾性があまり変わらず,ヤング率の値の小さいことも興味 のある効果である。 整流子片間絶縁に用いる軟質マイカ板の弾性曲線(舞7,8,10図) から共通してみられる"A-C”,"C-E”,"E-G”,"G-T”などの 塑性変形量は,整流子のシ⊥ズニソグにおいて片間面圧の不均一を 吸収緩和するものと考えられ,使用圧力範囲で材料がもつヤング率 が銅バーより小さいことは,熱応力挙動による整流子のゆるみを少 なくする効果を与えているもので,絶縁材料であると同時に整流子 の構造材料として欠くことのできない特性と考えられる。

5.加熱圧縮特性と熱庄使用限界

加熱圧縮特性は,一定圧力において加熱サイクルによる塑性変形 量を測定し材料の良否および耐熱度を判定するもので,一般には JIS-C2116-1962に規定された加熱圧縮試験の拡大と考えられ圧力 としては300kg/cm2が採用された。試験片としては44・7mmx弘7 mmx約10mmtの積層したものを用いて第11図の加熱サイクルを 行ないA,D,G,ト…・の加熱圧縮率を順次測定する。この加熱圧 縮率を舞12図に示すと④の曲線が得られる,曲線のほぼ変曲点① に接着剤が浸出しはじめるところがあり,それがその圧力における (Uし 地 内伽 0070 3500 50 00

招唯0

5 2 ほ温度叫呆持15分) K L H l E F 270 300 330 360 (5Hr) (6Hr) (圧力ー・走) Q R N O 0 3 60 90 120 150 180 210 240 (1Hr) (2Hr) (3Hr) (4Hr) 帖 間 (分) 第11図 加熱圧縮特性における加熱サイクル 2.5 2 1 1 (訳)彗敦ン〕叫竹巾昏漂出 A.D.G.J∴一-Ⅴの他は節11【召】と†山j記号の 点ク)圧縮ひずみこ蔓1ヒ hしま

芸竺ど認諾諾ご三悪慧芸詣孟夏男恵一/

て下げたとき仰の柵量

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JlニナJ 300kg/ヰm? \接眉剥が㌢引11 し始めるところ √旦嘩竺聖封至担ぎ頚 h +_____________.___⊥.一.▼ + 50 100 150

2∼100k宮/叫ノ

200 235 270 300 温 度 (PC) 第12図 整流子片用軟質マイカ板の加熱圧縮特性の一例 (MP30-0.85(B)) 材料の使用温度限界とみられる。 さらに,各温度の圧縮率を測定した直後に300kg/cm2の圧力を 100kg/cm2まで減じたときの弾性変化量を示すと㊥の曲線が得ら れる。これは加熱締付による締り度合いすなわちシーズニソグ性と 安定度を表わすもので,曲線の立ち上がる高温部分では接着剤が浸

出あるいは熱劣化によって接着力を失ってくることを示している。

このような試験方法から得られる加熱圧縮特性には多くの判定要素 を含んでいるが,おもに①点の温度位置で決まる耐熱性,実用付近 の安定性(図のこう配が小さいほど安定とみる)および各温度におけ る圧縮率の大小などを比較することができるので整流子片用マイカ 掛こたいしては最も重要な基本特性と考えられる。弟12図の⑥の 特性は④と比較して悪いと考えられるものの例を示したもので,こ のような性質の相違ほてイカ板の製造時のプレス条件,接着剤の種 楳,およびその含有量と原料はがしマイカの性質,さらには製品の 保存中に受ける吸湿の程度などによって変わるn 次に上記の加熱圧縮特性を100,200,300,500,700,1,000kg/cm之 と圧力を変えて測定し材料の圧力と温度に対する使用限界の設定を 試みた。その結果を弟13,14図に示した。図のなかで特性に異常 のない温度と圧力の範囲が使用限界とみられるが,接着剤の熱処理 が進むにつれてこの限界は向上して行くのが常識とされている。シ ーズニソグの適正条件は材料の熱圧使用限界内において極九高温, 高圧力を採ることが効果的と考えられる。その意味で圧力をパラメ ータにして加熱圧縮率と弾性を測定するこの方法は材料の使用限界 およぴシーズニソグ条件の設定に有効な試験と考えられるものであ

り,新規の整流子片用絶縁材料の開発,実用化に際して必ず検討し

たい特性である。

る.整流子片用マイカ板の熱膨脹率

マイカ圧縮試験装置の応用実験として整流子片用軟質マイカ板と

整流子片用パルプマイカ板の熱膨張率を測定した。実験方法は測定 する試験片が加熱によって塑性変形を生ずる性質をなくすため, 250℃,200kg/cm2で1時間熱圧セットを行なったものを使用し,試

(5)

828 2,5 亘 ≡ 2 1.5 1 0,5 0 0,5 0 (芭単声一〕叫竹叫敬一諾出

昭和39年5月

日 立

接着剤かいちL htP30-0.85(A) 泣出し胎力る 婚前劇1rゴー)すか∴ さ王出■ノ始力るところ 常i且て1,000kg.々m27)旅 行も・■つた後1,000kg/もm2 におけるJプさを去巨準と 試験し † 50 l□几 るしく ところ

+瀧謁′′

1,000kg/とm2 700kg/をm2 500kg.′もm2 300kg.′もm2 200kg/とm2  ̄■--1---1【一一 270 300 100kg/々m之 700kg/とm2 〈100kgメⅦ2 500kg人m2 -100kg/七m7) 300kg/七mそ -100kg/七m2 200kgメm2 ∼100kg/七m2 (認二 砂 袋 塗 ●-・-●---MP30 -・・・・・・・・・・X---U300 点線部は熱膨脹以外に戻 による膨れを生じたと二 //′二= 百榊 試験片の ̄す法 100mmXlOOmmX約20tmm /′;40kgメm2 /40kg/々m2 r/プレ※ ̄ 1 100kg/乙m )Okg/4m2 200kg 第46巻 第5号 iユ 度 (■C) 第13図 整流子片用軟質マイカ板の 加熱圧縮特性および弾性(A) †.000kg/々m2 接着剤がいちしるLく i三出L姑力るところ トIP30-0,85(B) 接石剤がわずかに 泣出L始めると 1,000kg/々m2の締付を 100kg/七m する ノ TJ′Jつ し を基準と 常温 行ち・ 700kg/ヰm2 500kg/乙m2 3DOkg/とm2 200kgメm2 100kg′ヰm2 1・000kg.々m2 ∼100kg/々m2 700kg/々m才 /∼100kg/ヰm2 300kgパm2 /-∼100kg/ヰm2 -200kgメm2 ∼100kg/もm2 0 50 100 150 200 235 270 300 rC) 第14図 整流子片用軟質マイカ板の 加熱圧縮特性および弾性(B) 第4表 整流子片用マイカ仮の熱膨張係数 50 100 150 200 温 度 (℃) 第15図 整流子片用の軟質マイ 250 カ板および パルプマイカ板の厚さ方向の熱膨脹

(宗昆璧ケ㌣諾誌芹左誓習)

AT n∽ ▲nV O O (芭称嘆盛 M 川30。 U

(面圧) 、\10kgメm才 試験片の寸法 100mmXlOOInmX約20tmm 初50 100 150 200 250 塩 度 ぐC) 第16図 整流子片用の軟質マイカ板および パルプマイカ板の幅,長さ,(横)方向の熱 膨脹率

(宗控ゲ㌣諾誌よぎ驚ご)

(×10 ̄6/℃)

\く忘\恵三

方 向 力 ̄\ \ (kg/cm2) 製 品 整流子片用軟質マイカ板 (MP30) 整流子片用パルプマイカ板 (U301) 厚 さ 方 向

200llOOl40】10

29 31 33135

㌃rT

幅および長さ方向

40 13 7.8 10 13 7.7 験片の面圧を変えて測定した。その結果を厚さ方向の熱膨脹率とし て弟15図に示した。250℃1時間のシーズニソグでは熱セット不十 分のため面圧の低い部分では熱膨脹以外の変形が生じているところ もあるが,かなり信額度の高い測定値が得られた。同じく弟1占図 には幅方向の熱膨脹を示したが,これらの結果から算出した膨脹係 数を策4表に示した。この結果から,整流子片マイカ板が銅バー間 で締付けられた状態で熱変動を受ける場合の膨脹と収縮の関係がわ

かる。また,厚さ方向と幅方向で異なること,締付けている面圧力

でも相違してくることがわかり,このように状態によって膨脹の異 なる性質はパルプマイカ板の場合にかなり強い憤向が認められる。 整流子の片間に使用されるマイカ板と銅バーの膨張率の差異を考 えると厚さ方向の膨脹は面圧に影響し,幅方向の膨脹は銅バーとマ イカ板の接着性あるいはbigh-Bar,h垣b-Micaと閑適する特性にな る。

7.結

閂 整流子の片間に用いられるマイ カ板が,絶縁材料として現在ほか に代わるべき材料がない特質を持 った構造材といわれながらも今日 まで弾性面に対する検討は少なか った。新材料の開発,実用化に対 してなにがマイカ板の特質か,な にが実用上要求されるべき特性か を数値的に明らかにする目的で検 討を進めてきたが,以上報告した 基礎実験のなかから得られた知見 を要約すると次のとおりである。 (1)原料はがしマイカには多 くの種煩があり,その圧縮特性 はそれぞれ異なるのでその用途 によって適切なマイカを選定す る必要がある。 (2)マイカ板の圧縮特性は弾 性限界内で,応力に対し一定の ヤング率を持たない,すなわち 一般にフックの法則で考察でき ない複雑な塑弾性体である。し かし,実験結果からかなり広範 囲の応力に対し材料の圧縮ヤン グ率は応力に比例することを明 らかにした。この比例恒数をヤ ング率係数「c+と考え種々の 材料で比較することが整流子片用マイカ板の圧縮性を検討するた めに有効である。 (3)マイカ板の実用応力付近と思われるヤング率が,銅のヤン グ率よりはるかに小さいことが数値的に確認された。この性質は 種々の原因で誘起される整流子の面圧の変動によるゆるみを防ぐ 作用となり,整流子片間絶縁に必要な特質の一つと考えられるが その程度に関しては今後の研究を必要とする。 (4)マイカ板は熱,応力によってかなりの塑性変形をもち安定 して行く。この性質が整流子のシーズニソグに際し適度な"なじ み”となる特質と考えられるが,その量とバラツキは十分管理さ れなければならない問題である。 (5)加熱圧縮特性はマイカ板のシーズニソグ性と熱圧強度を検 討するために有効な試験である。この結果から整流子のシーズニ ング条件をより合理的に改善するための資料が得られると思う。 (6)応用実験でマイカ板の膨脹を厚さ方向および幅方向につい て数値的に求めた,整流子片問絶縁板では特に銅バーの膨脹と比 較して十分考慮する必要がある。 以上整流子片間マイカ板の二,三の基本特性について述べたが,

引き続き故会をみて各種マイカ板の実用特性について報告する考え

である。終わさ)に木研究の実験に協力された国分弘氏に感謝する。 橋沢川 棚金中 参 莞 文 献 日立評論45,316(昭15-6) 電気試験所調査報告第51号(1928-7) 機械工学講座3(塑性学)共立出版

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