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冷凍機用密閉形圧縮機のトルク特性について

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(1)

冷凍機用密閉形圧縮機のトルク特性について

Studies

on

Torque

Characteristics

ofRefrigerating

Hermetic

Compressor

午*

MasatoshiMatsusbima

精寸

Akira Yokoyama

圧縮機をモータと直結して,密閉したチャンバに内蔵する,いわゆる冷凍機用密閉形圧縮機においては,そ の冷媒運転中のトルクを測定することはむずかしい。本報では,密閉されたチャンバ内の圧縮枚のクランク軸 にひずみゲージを張り付けて直接トルクを記録する方法を考案して,冷凍検用密閉形圧縮機の定常運転時,停 動時および起動時の圧縮検のトルクを実測し,さらに駆動するモータのトルクとの関係を検討して圧縮機を起 動し,運転するために必要なモータのトルクを明らかにした〔

1.緒

言 冷凍機用密閉形圧縮横の小形化と軽量化ほ製造者にとって現在の 最も重要な問題である。このためには圧縮機の大半をしめていて, その寸法を決定してしまう圧縮機用モータの小形化,軽量化が必要 である。モータの寸法は圧縮棟の負荷から要求される特性によって 定まるのであるが,従来は圧縮轢の負荷トルクは詳細に調査されて いなかったために,モータのトルクはこれに対してかなり余裕をみ た設計がなされていた。 圧縮機の負荷トルクにマッチしたできるだけ小形の圧縮機用モー タを設計する場合には,圧縮枚のトルクを明確にし,圧縮機のトル クとモータのトルクとの関係を求めて,モータの所要トルクを決定 することが必要である。 本報においては,まず圧縮棟のトルクについて,次に圧縮機とモ ータを直結して密閉したチャンバに内蔵する,いわゆる狩閉形圧縮 機のトルクの測定法について,最後に圧縮機の定常運転時,停止時 および起動時の実測したトルクについて述べる。

2.圧縮機のトルクについて

2.1冷凍機用密閉形圧縮機の構造 冷凍撥用密閉形圧縮機の構造は弟1図に示すように圧縮機とモー タがタラソク軸により直結しており,密閉したチャンバの中に内蔵 されているものである。 2.2 クランクの回転角♂とシリンダ体積アおよび圧力Pの関係 弟2図はピストンとクランクの機構囲を示す。この図においてシ リンダの内径をd,ストロークを2γ,ロッドの長さをJ,■F死点A の位置からのクランクの回転角度を♂,シリソダの中心線とロッド のなす角度をαとすれば,圧縮行程間(AB曲線の間)では,圧 縮前の体積はⅤ〃,圧力は県であり,任意の回転角〟における体 積をⅤ,圧力をPとすれば,Ⅴは近似的に次式で表わされる。

Ⅴ=÷d2r〔1十COS♂十÷(1-COS2の〕川‥‥‥(1)

ただしス=γ/Jである。 すき間体積Ⅴ。は,すき間係数をcとすれば次式で表わされる。

帆=÷d22作

(2) (1)式に(2)式を代入すれば

Ⅴ=÷d2γ〔1+cosβ+÷(トcos2β)+2c〕‥‥(3)

同様にしてl㌔は

帆=÷d22γ(1+c)…・

…(4)(1) 日立製作所栃木工場 偽 ステ一夕 \ ロ ー ター\ _「 クランク軸 ロッド \、 ピストンーーー\\ ヘッドカバ シリン外ッド/ 佑 鳥 帖 第1図 旺縮機 の 構造 F 略 //チャンバ /フレーム 1支持バネ

√ ̄h

--▼▼+一⊥ ノ仁 、q′ 第2国 ピストンとクランクの概括図 (も したがって

一首=去∂〔竿+÷(トcos2仙〕…・・・(5)

断熱J王縮をするとすれば RVαγ=PVγ‥ …(6) ただしrほ気体の断熱指数である。したがって次の関係が成立す る。

÷=(昔)r=i一志〔竿

+÷け-COS2帥〕卜γ

(7) (7)式において吸込圧力県あるいは最初の体積吼を与えれば 圧縮行程間の任意のクラソク角βにおける圧力Pあるいほ体積Ⅴ を求めることができる。

(2)

ー115-872 昭和38年5月 2J 〃 〃 へへ臣.やぜ) へ 只 出 〃 〃 即 甜 即 紺 釘 伽 朗 (母音) へ⇒⊥ βZ β/ β -β/ -βZ 2♂ 〃ク 〟 ∂β〟β ノa7〟♂ Pd=2♂ 付=Zβ

所要トルク「 +上 /〟/ββ∠仰Z卿〟βZ〝Zβ♂Jββl汐♂J〃♂J〟 クランク角 β(ロ) 第3図 クランク角♂と圧力Pとの関係 βJ=2βバ甘/Z抑? P∫=占二古人め2 β ガ イク 〃 ββ/♂♂/2β〟♂/♂♂ クランク角 β(○) /淡ク 2♂ ガ♂甜♂2♂♂甜βJ〃J2β朗βJ甜 第4図 クランク角βとトルク Tとの関係 たとえば圧縮機の主要寸法をクラソク半径γ=9.5mm,気筒の直 径d=32mm,ロッドの長さg=46.5mm,クリアランス係数c= 0.0568,冷媒はR-22でr=1.184とすると汽を種々変えた場合の Pの値は弟3図のAB曲線にほぼ平行な曲線であらわされる。 膨張行程間(CD曲線の問)では, 膨張前の体積はⅤ。,圧力は几であり,任意の回転角〝におけ る圧力をろ 体積をⅤとすれば,Ⅴは近似的に次式で求められる。

Ⅴ=÷d22γ〔主土㌍十㌻(1-COS2β沖〕‥‥(8)

したがって

昔二1+÷〔守”十三(トcos2の〕・・‥(9)

断熱膨張するとすれば 几Ⅴ。γ=PVγ….

昔=(号)r=卜‡--〔土±ヂ

+÷(1-COS2〟)〕卜γ

(10) (11) なる関係が成立する。すなわち吐出圧力凡あるいは体積帆を与 えれば,膨張行程間の任意の角♂における圧力Pあるいほ体積Ⅴ が求められる。為を種々に変えた場合のぞの値は舞3図のCD曲 線にほぼ平行なfifl線であらわされる。 2.3 クランクの回転角βと圧縮機のトルクれの関係 舞3国においてビストソの頭部に加わる差圧力を凡,この力が ロッドを経由して,クランクに直角方向に作用する力をダ′とする と,クラソクの回転角βにおけるトルクT′は次式で近似的にあら 諾っされる。

第45巻 第5号 β C 回 転 第5図 停動電圧から所要トルクを求める説明図 r′=ダ/γ‥‥ .(12)

=缶(sinβ-÷sin2のγ・・…・‥・・

‥(13)

几=÷d2(P-た)‥

・・(14) 圧力が変化しない部分では,几は一定である。すなわち吸込行 程間(D-A間)では,烏=0,そして吐出行程間(B-C間)では, 几=J弘一汽である。 (13)式により,ピストンが気体を汽からf㌔までに圧縮する際 のクランクの1回転中のクラソクピンに働くトルクの変化を知るこ とができる。たとえば,R=6.5kg/cm2,凡=201唱/cm2の場合, 舞3図において,気筒内の圧力はABCDのように変化する。これ から(13)式によりトルクを求めれば弟4図のごとく,1回転中のト ルクの変化を書くことができる。すなわち,圧縮行程および吐出行 間のトルクは正であるが,膨張行程間のトルクほ負である。

3.冷凍轢用密閉形圧縮機のトルクの測定装置と

測定法について

密閉形圧縮機のトルクは圧縮棟とモータが直結しており,密閉さ

れたチャンバの中におさめられているので測定がむずかしい。いま まで行なわれてきた測定方法は次のようなものであった。 (1)フレームに加わる反力の測定によるトルクの測定法 最初は圧縮機をモータにより駆動して,ひずみゲージにより, 圧縮機を内蔵する帝閉箱に加わる反力を測定する方法であった。 しかし,これは冷媒運転時にほ測定できず,圧縮機の空気運転時 のトルクを測定したにすぎなかった。また密閉箱および圧縮轢フ レームの慣性と密閉箱をささえる部分の摩擦による誤差の要因が あり良い測定法ではなかった。 (2)停動電圧の測定によるトルクの測定法 一掛こモータの程々の電圧における回転数とトルクの関係は, 第5図のように山形曲線で示される。このトルク曲線を有するモ ータを使用した圧縮機を,与えられた凸,たの下で運転すると きには,回転数の大小にかかわらず所要トルクを一定とすれば, 弟5図の水平線Z4で示される。 その圧縮擬のモータに100Vの電圧がかかっている場合の運転 状況ほA点で示され,70V,60VのときはそれぞれB,C点で示さ れる〔このようにモータに加わる信任を下げればモータの回転数 は低下してくる。電圧を50Vに下げればD点が運転状況を示し, モータは所要トルクをかろうじて出している。これよりも電圧を わずか下げればモータは所要トルクを出しえないので圧縮隣は運

転を停止するにいたる。この現象を停動と呼び停動する直前の電

(3)

ml16-冷凍機用

密 閉形圧縮梯

のト ルク

特性につ

い て スリップ1+ング フラッシ

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l 丁/イ/ `/∴ シプ /′1∴ノ/ l t I 】 第6図 ひ ず み ゲ ー ジ の 取 付位 l司転マーーク 〃押 必

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∼・イg !8JI; ′チエぎ月 脾闇 αβ/古 .II「1 ● f㌔=6.5kg/cm2,月ヱ=20kg/cm2,冷媒 R-22,電圧100V 第7図 定常運転時のオシログラム 圧を停動電圧と呼ぶ。これを利用し,モータに加わっている電圧 を下げてゆくことによって,圧縮機の運転に必要な最低のトルク を見出すことができる。 この方法によれば冷媒運転時の圧縮椀のトルクを測定すること ができるが,しかしこれはモータのトルクから主上け間接的な方法 であり,圧縮枚のトルクとモータのトルクとの関係に仮定を設け ているので正確度を欠くという欠点がある。 (3)圧新棟とモータ間の軸を長くしてこの間にトルクメータを そう入する方法 これは圧縮機の軸に加わるトルクをトルクメータにより両校測 定できるが,トルクメータは大きいので全部冷媒中に増対するこ とができないので,冷媒運転時には適さず,竺た気逆転時のトルク しか測定できない。 従来行なってきた(1),(2),(3)の方法ほ圧縮機のトルク を測定する最良の方法でほないので,今回ほ(4)のような測定 法を考案して圧縮機のトルクを正確に測定したのである。 仁 〃 び 甜 〃 〃 へ仁台)へ、→⊥ 〃下死点ハ /づ ハしノ ∬ 二屯 ⊥ 宛 夫 第8図 へd (弓普)へ上「⊥ 〔∠ ∩し (\卜甘 +爪L■ 十坦 渦バ 小月 芙=訂 組脱 実 卓 βプご ガリ イ′ りL ハu nけ 〔〃 へ、く⊥ (〕り 仰 β下死兵 ㍑下死棄 rノノ〓り‖ β♂′;4一声こ絞=文測伯 東線‥訂詩値 冗上死臭 尖榔トルクと計詐トルクとの比較 「

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/βトルク曲兼良

]竿死兵

回転数(叩の) 第9図 回転数一トルク特性曲線 (4)クランク軸にひずみゲージを張り付けて記録する方法 ひずみゲージを弟d図のごとく主ベアリング直上のクランク軸 に接着して,クランク軸に加わる圧縮機のトルクの大きさを電気 量に変えて,オシログラムに記録した。 ひずみゲージの接着がはがれないようにゲージの表面を耐冷媒 のボソドで固めた。ひずみゲージのリード線はクランク軸にあけ た中空孔を通って上端に導き出し,スリップリングをへて外部の 増幅器につないだ。スリップリングほ黄銅製で,スリップリング の相互間の絶縁にはベークライトを使用した。それに接触するブ ラッシには銀グラファイトを使用した。 ブラッシからのリード線はチャンバに設けた口出プラグから外 部に取り出しひずみ計に接続した。すなわち圧縮揆の通常の運転 とまったく変わりない状態で圧縮機のトルクを直接測定すること

ができる。回転マークは,ロッドの大端部の後側と,それに向か

いあったフレームにマグネットを取り付け,ピストンが下死点の 位捌こ達するときに,これら2個のマグネットがもっとも接近し た状態で対面するようにして,ピストンが ̄F死点のときに電圧の パルスを電磁オシログラフに記録した。 電磁オシログラフには圧縮機のトルクと回転マークのほかに経 過時間,モータの電流および電圧をも記録した。

4.実験結果と検討

4.1定常運転時の圧縮機のトルク 定常逆転時の圧紆棟のトルクは,県=6.5kg/cm2,几=20kg/cm乞 の条件で2時間運転して圧九 電流,入力が安定した後に測定し た。 第7図はオシログラムで圧縮械のトルク,回転マーク,電圧およ び電流を同時に記録してある。 舞8図ほ定常運転時の1回転の圧縮機のトルクを拡大して実線で 記入し,計算値のトルクを点線で記入したものである。50c/sに例 をとり比較してみると,膨張行程の終了点から下死点にいたるまで の吸入行程では,計算値のトルクは0であるが,実測値でほ0.08か ら0.22kg・mである。こjtは圧縮機のしゅう動部の摩擦損失と開口 した吸入弁の生ずる損失である。

(4)

ー117-874 封 昭和38年5月 、穴7こ掩 ■野ノ抑 主紆 立

鮫肌㈱埠㌔へγ爪㌔へ仇\仰.㌔・Vれ仰八\仰′肌1ヘヘ㌦\1へ′、

槻棚蒜ん蒜㌫㌫仰脚ノ肌帆、六

 ̄錆声, ̄箪笥

‥ .. .. - βク令旨 回転マー`ク

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・三郎 汎 喝.紳 /Jβ nU (‖レ ∬ (訳)h=上「⊥ 1仰Jl〃帆六九淡・\牧・\・′\′\\\\へ∧′㌔/机.\竹∧\淡′\へれⅥ\\\ f㌔=6.5kg/cm2, fな=20kg/cm2 第10図 停動時 の オ シ ロ グ ム モータのトルク・停動電圧Jβ∫レ ルク ∫ク♂ /プJ〔フ ィJ♂♂ 回 申三孤(′・へβ爪) ヱβ(ワβ Zノーご)J JβJβ f㌔=6.5kg/cm2,月ヱ=20kg/cm2,50c/s 第11図 停動時の圧縮機の平均トルクとモータのトルク との比較 圧縮行程の実測トルクは,計算値よりピークは遅れて,しかも応 大値は小さい。これはピストンのサイドクリアランスと吸入弁の閉 じ遅れによるものである〔膨張行程に膨張による負のトルクが増加 し膨張終了時が遅れている〔これはサイドクリアランスと吐出弁の 閉じ遅れの影響である( 平均トルクの計算値ほ0.189kg・m,実測値ほ0.23kg・mであり, 計算値より実測値の方が約20%多くなっている。60c/sについて も50c/sと同様な憤向を生じ その実測平均トルクは0.225kg・m である。 また弟7図のオシログラムより定常運転時の回転数ほ50/60c/sで 2840/3400rpmと読むことができる。供試モータの速度-トルク曲

線よりこの回転数におけるモータのトルクを求めると,0.225/0.215

kg・mであり,実測した圧縮棟の平均トルクとほとんど一致する〔 すなわち定常運転時ほ弟9図に示されたようにモータのトルク曲線 と圧縮機の平均トルク曲線とが交さする点dにおいて両トルクが同 一になり定常運転をしている(2)〔 4.2 停動時の圧縮機のトルク

圧縮機は定常運転中にそのモータに印加する電圧を徐々に下げて

ゆけば,圧縮機が回転を停止.する限界がある。このときの圧縮機の トルク,すなわち停動時の圧縮機のトルクを測定した。 弟10図は定格運転条件の場合の作動時にとったオシログラムで ある。停動する直前の電圧(これを停動電圧と呼ぶ)ほ,50c/sで は69.5Vであり,60c/sでは75Vであった。停動電圧より電圧がわ ずか低下すると,定常回転数から回転ほ急速に低下して,10数回転

した後に停止する状況がオシログラムにあらわれている。

三△. 自「肘 甜 付 〃 / / / ′十 っ′← 〔〕 nP 、′

(へ3∼弓駕こR出

(叫勺、芸〕只イ 〔三好紐 ・刀 圧 〓ユ m山 電 流 入:1J 血二 入 力 吸込圧刀 吸込圧力 ∠ J 第45巻 第5号 ・・・・・・・・一-ββ飴混メス態 ・・・・・・・・・・・く=-・・ββ(始)令方夫態 圧縮捜停止 ノβ プβJβ〃βJ♂即 時 問 (爪/〃) 2 J /β 第12図 起動時,運転時および停止時の旺力,電流, 入力の変化 第11図は50c/sのときの圧縮枚の回転数とトルクとの関係を示 すグラフであり,これにオシログラムより読みとった停動寸前から 停止にいたるまでの圧縮機の1回転ごとの平均トルクを打点し,停 動電圧におけるモータの速度-トルク曲線をのせて比較した。 圧縮機の平均トルクの打′尉ま,停動寸前では図上に密集しており 停動電圧におけるモータの速度一トルク曲線の最大トルクより低い ところで交わっている。この状態から印加電圧がきわめてわずか低 下すると,モータほ発生トルクが不足して減速し,回転数は急速に 低下して仲山してしまう。このときの圧縮機の吸込圧力と吐出圧力 ほ,運転時とほとんど変わりないので,圧縮機の平均トルクと最大 トルクほほぼ一定のまま減速している。すなわち悼動時の圧縮機の 平均トルクと悼動時のモータの最大トルクは等しくならず圧縮枚の 平均トルクの方が小さい∩ この差を余裕トルクと呼べば第11図よ り求めた余裕トルクは,圧紡機の平均トルクに対して25%の大きさ である∩ また60c/sについてもほぼ同様に実測された〔 4.3 起動時の圧縮検のトルク 圧縮機はスイッチを入れ電流を通じると回転をはじめ次第に回転 数が上昇し,定常回転にいたる。この間がいわゆる起動時である。 起動時のモータのトルクは弟9図に示すように,a点においてモ ータほ一次起動し,回転数の上昇とともにAトルク曲線にそってb 点に達し,電圧リレーの動作によりモータの回路が切り換わり, (これを二次起動と呼ぶ)b点からc点にいたる。 弟9図のように切り替え直後のトルクが切り替え直前のトルクよ り大であれば,モータは二次起動すjlば,かならず定常回転まで加 速して起動を完了する。電圧が低くてモータのトルクが小さいと圧 縮機が1回転もしないか,あるいは圧縮轢は回転をはじめるが二次 起動しない。運転開始してから時間の経過とともに圧力,電流,入 力が変化し,温状態起動(2時間連続運転した後3分間停止し再起 動させる場合をいう)の場合には,約30分後から次斯こ安定してゆ き,1時間後にほ,ほぼ圧力,電流,入力の変化しない安定した運 転状態になる。連続運転後にほ圧縮機を停止させて,吸込圧力,吐 出圧力が時間とともに変化する様子を測定した。また冷状態起動時 (一昼夜放置した後はじめて起動させる場合)の変化についても10 分後まで測定し,温状態起動と比較した。これらの測定結果を弟12 図iこ示す。 温状態起動に比較して冷状態起動では,冷媒が油中に溶けこんで いるためにバランス時の圧力が低いので,起動後の吸込圧九 吐出 圧力も低く,安定した状態にいたる時間ほ長くなる。停止後の圧力 は約1分30秒でノミランスするので,3分経過後の温状態起動時に

ー118一

(5)

凍 機

密 閉

圧縮

のト ルク

特 性

に つ い て 占ど/始 軒転マ{ク ク A B C D E

細、包弧ふ触払貼

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電流 1すヱ∫1′ ーーーJ仇W㈱〟帆W〟帆′∼柵′\㈱帆W 浜野 β鉢9 側㈱仰〟〝 書 第13図 起動時のオシログラム(60c/s温状態起動) 〃 〃 (㍍〕ヘユ「⊥空拾〔も蜜血巌出、 βイ ′Y_Y′メ、ノ、ゾノ 糧転 7Jレ ♂且∫〆 ガ〆′γ、x/′、ゝ一メーーX--y、 メ ゝ 、ノ、ゾノ ̄

∴皿

d∫β /♂♂ ノJ♂ ∠.ββ 2.∫β 起蜘後日市問(占) 第15図 起動後の時間と圧縮機のヤ均トルクとの関係 (60c/s温状態起動) は,圧力はすでにバランスしている。 起動時の吸込圧力および吐出圧力は第12図に示したように猟状 態と冷状態とで異なるので,圧縮機のトルクもそれに対応して異な る。それぞれの場合に圧縮機のトルクをモータに加える起動電圧を 変えて測定した。記録したオシログラムを弟13図に示す。 起動時の圧縮機のトルクほ温状態のときは冷状態のときよりも大 きく,またモータのトルクは60c/sの方が小さいので,60c/Sで温 状態起動について以 ̄F説明する。 弟13図(A)のオシログラムほ,起動電圧が100Vで圧縮機を起 動させたときの圧縮機のトルクの変化を記録したものである。スイ ッチ投入後,圧縮機ほ加速しつつ回転をはじめ,1凹軽口で回転数 は1,620rpmになり,さらに加速して12回転で回転数は3,400rpm になり定常運転となった。この間の加速時閃ほ0.5秒である。口三縮 機のトルクは回わりはじめほ圧力がバランスしているので′トさい が,1回転ごとに吸込旺ブJと叶ヒ川 ̄ヒカの差が増加するので,次抑こ 大きくなる。また起動して定常1呵転にいたる途Lいで屯流波形にひず d♂β nU +レ ハ〃 「ノ ∬ JJ リ 糾 っら りら 7ん ′ん (牢P+一)糾叫冊「凹 ガリ

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∫∫〆 JノJ王/ / ′ ̄「 一1-1▲ J∫ ノ() /Lう ̄ ]手 間 (5) 二J まJ J♂ (60c/s温状態起動) 第14図 起動後の時間と凹転数との関係 みがみられるが,これほ電圧リレーが吸引して,一次起 動から二次起動に移るときを示している。このときトル クの波形にもひずみがあらわれる。 第13図(B)のオシログラムは最低起動電圧84Vの場 合で,100Vと同様に二次起動している。 舞13図(C)(D)(E)のオシログラムは起動電圧が 74,56,51.5Vの,低い場合で圧縮機は回転をはじめる が,起動にいたらず停止してしまう状況を記録したもの である。 弟14図は横軸に起動後の時間をとり,縦軸に1回転 ごとの回転数を打点したものであり,60c/sで起動電圧 を51.5Vから100Vに変えた場合に生ずる回転数の変化 を示す。100Vが定格電圧であり,84Vが最低起動電圧で あった。これより低い電圧の場合には定常回転数まで達 しないで停止してしまう。加速時間は電圧の高いほど短 くなっており,最初の1回転日の速度も大きく,1回転 ごとの速度の上昇率も大きい。定常回転数まで達する時 問ほ,100Vでは0.44秒,84Vでほ0.7秒である。これは モータのトルクほ電圧の高いほど大きいからである。ま た起動しない場合に到達する般大の回転数は電圧の高い ほど大きい。 弟15図は供軸に起動後の時間をとり,縦軸にそれぞれ1回転ご との圧縮機の平均トルクを打点したものである。100Vと84Vでは 起動後の時間とともに,1回転ごとにトルクは大きくなり運転状態 にいたっている。これは回り初めほ圧力がバラソスしているので小 さいが,1回転ごとに吸込圧力と吐出圧力の差が増加するからであ る。しかし起動時問は1秒以下で非常に短かく,吐出圧力と,吸込

圧力は起動後も上卯,【F降を統H ̄るので起動完 ̄r後のトルクほ,1

時間運転後の定常逆転時のトルクより小さい。起動する場合は,屯 圧の高いほど加速時問が短いので,起動完了時のトルクは小さい。 電托が84V以下になるとモータのトルクも小さくなり,加速がお そく,到達する回転数も低いので圧縮機のバルブあるいほシリンダ のクリアランスからの漏れなどのために,シリンダ内の圧力の上昇 が遅れ,圧縮機のトルクば壱旺が低くなるほど小さくなっていく。 したがって電圧84Vのときに,f一三縦横の起動完了時のトルクほもっ とも大きくなる。

第1る図ほ終電虻において起動後の回転数とトルクとの関係を示

(6)

-119-876 昭和38年5月 2∫β ご♂β 蒜/∫♂ ぐ\ ⇒ノJJ ⊥ J♂ β+ J 〔■.・1九 JJ♂ 7∵′ ニレフ 二了爪T

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第45巻 第5号 ′象

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..1\′ 1ノノ ▼・卜‥/ ____⊥ ノfク♂ブ イJTrクJ ∴ご仙 +1.タし・リ J(フJJ .王∫βブ ヨ 東 萩(叩′1り 第16図 起動後の圧縮機の平均トルクとモータのトルク との比較 (60c/s温状麿起動) すグラフで,速度が0から定常回転数にいたるまでの圧縮機の1回 転ごとの平均トルクを打点し,これに比較のために各電圧における モータの速度-トルク曲線をのせたものである。84Vのときの1回 転目の回転数ほ1,430rpmで,100Vのときの1回転目の回転数ほ 1620rpmであり,それぞれの圧縮機のトルクは,回転数の上昇と ともに増加している。100Vと8生Ⅴの場合ほ二次起動に切りかわっ て定常回転に達している。この間に圧縮機のトルクほ84Vの場合の 方が100Vよりも全般的に高くなっている。これは前述のように100 Vの方が加速時間が少ないからである。 電圧が84V以下になると,1回転目の回転数はさらに低くなりそ れから数回転して,それ以上加速することができず,さらに数回転

後に停止してしまう。圧縮機のトルクほ回転数の上昇とともに増加

し,限界の回転数で数回転する問に圧縮機のトルクは1回転ごとに 増加するので,つい軒とモータのトルクは不足してしまい,減速し作 止にいたる。1,430rpm以下の圧縮枚のトルクは84V以下の各電圧 において求めたものが最大となる。これらの関係から弟柑固より 60c/s温状態起動時の0から定常回転数にいたる間の圧縮戟の平均 トルクの最大を求めることができる。 同様に冷状態の60c/sのときの起動時の圧縮機の平均トルクの最 大を求め,温状態の60c/sと冷状態の60c/sの比較を行なうと弟17 図のようになる。冷状態ほ温状態に比較して吸込圧力と吐出圧力の 上昇,下降の速度がおそいために圧縮機のトルクは小さい。弟】7図 に示した起動時のトルクは,速度0から定常回転数にいたる間に定 常運転時の圧縮橙のトルクの20プ古から80%に変化している。また 起動しない場合の圧縮機の到達した最高の回転数における圧縮枚の 平均トルクはそのときのモータのトルクより小さく実測された。こ の差を求めこれを余裕トルクと名づけると回転数800rpmから2,500 rpmにいたる問の余裕トルクほ各回転数における圧縮機の平均トル クの50∼60%になっている。また800rpm以下では,余裕トルク ほ65%以上に増加し,150%にもなっており,この間では,モー タのトルクほ1回転の圧縮機の滋大トルクに近くなっている。 第】7図に0から800rpmまでほ実測した1回転の圧縮機の最大 トルクを描き,800rpm以上は実測した托縮機の平均トルクの65 %をとれば速度0から2,500rpmにいたる閑のモータの所要トルク が点線のように求められる。2,500rpm以上で定常回転数にいたる 間のモータのトルクほ,停動電旺に関係する最大トルクの回転数を 2,800rpmとすれば,剛臼J速度でほトルクが0であるので仙線が定 まってくる。モータの最大トルクは,過f与荷の逆転条件を考慮して, 定格の運転条件のときの圧縮機のトルクの30%哨とし,また25% /⊥二㌢′′フ・7/∫ロク ∴仇フJ ご,、うβ〟 即J♂ j∫♂β b】転欺 い■♪爪-第17図 起動時の圧縮機の平均トルクとモータの所要 トルク曲線(60c/s) の余裕トルクを加えれば,定格トルクの155%になる。電源電圧は 85Vまで運転を保証する場合には,ここに求められたモータの所要 トルクほ85Vのときのトルクであり,モータの所要トルクを電圧 100Vに換算して書きあらわすと2点鎖線のようになる。実際のモ ータのトルクほ,弟9図のように起動の途中で特性が切り替わるが, この間すべての回転数において実際のモータのトルクは,所要トル

ク曲線を上回わらなければならない。

5.綽

口 以上の結果を要約すると次のとおりである。 (1)実測した定常運転時の1回転の圧縮機のトルクのオシログ ラムは計算によるトルクとよく一致していた。またこれの平均ト ルクほ実測値の方が計算値よりも約20%大きかった。 (2)′定圧を低下させて停動させた場合のトルクの変動のオシロ グラムとモータの速度-トルク曲線から,圧縮機が停勤しないた 捌こほ,惇動時のモータの最大トルクは,圧縮機の平均トルクよ りも25%以上大きくなければならないことがわかった。 (3)起動時の圧縮機のトルクは,起動後の時間とともに1回転 ごとに大きくなり,電圧が最低起動電圧より高い場合には,電圧 の高い方が加速時問が短いので圧縮機のトルクは小さく,最低起 動電圧以下になると,圧縮機のトルクほ電圧が低いほど小さいの で,最低起動電圧のときに圧縮枚のトルクはもっとも大きくなる。 (4)60c/s温状態起動時の圧縦機のjF均トルクは,速度0から 定常回転数にいたる問に定常運転時における圧縮枚のトルクの20 ∼80%に変化する。 (5)各回転数における圧縮機の平均トルクとモータのトルクと の関係より,速度0から定常回転数にいたる間のモータの所要ト ルクを求めた。 これらは圧縮機を駆動するモータの所要トルクの決定に利用する ことができ,むたのない圧縮機のトルクにマッチしたり小形のモー タを.設計するに役だつと思う。 終わりにのぞみ本稿執与糾こあたり,種々石_乙左なご怠見をいただい た関係者各位に探姑の乱正を表する。 参 鳶 (1)H.Soumerai,T.Kusuda: No.743(July1959) (2)Ⅴ.B.1ionsinger:Product 1960)

仙120-文 献 ASHRAEJournalVol.1, Engineering 54(Dec.26,

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