次世代生産システム開発への展望
中根甚一郎
111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111I1IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIilllllllllllllllllll1IIIilllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllllll1111111111111111111111111111111111111111111111111 日本の製造企業での生産性が欧米のそれに比べ 10分の l とかL 、われ,劣悪な品質というレッテルをはられた時 代は,それほど遠い昔のことではない.しかし,欧米の 先進企業に追いつくことを目標に努力を重ねた結果,生 産性,品質とも大きく改善され,国際的にも競争力を強 めた. これには国,企業が一体となって取り組んだ施策,努 力や激しい企業競争などによる成果もあるが,それらを 支えるインフラストラグチュア的要素も大きく貢献して いたと考えられる. 確かにわが国の製造企業は,ほぼ成熟した製品,製造 技術のものを,ある程度量的にまとまりのある範囲で生 産していける状況下では,特にその強味を発揮し得る. しかし,将来とも,この強味だけに依存していてよいの であろうか.すなわち, ・これまで生産性,品質向上は高度成長下での設備更新 によること大であった.低成長下では従来のような設 備更新は期待できない.事実,最近は生産設備の使周 年数が徐々に長くなり,欧米,および NIES 諸国に 比べて必ずしも優位ではなくなってきている. ・売上高,生産量では伸びていても利益が減少している 企業が増えている.これは総生産量に占める小ロット 品の比率が大きくなってきたことが主な原因である. 将来,さらに多種少量化が進んでいくであろうことを 考えると従来の延長上での改善努力だけでは対処でき ないのではなかろうか. ・製品のソフト化,多種少量生産化に伴い製造原価に占 める間接費が増大してきている.これまでわが国にお ける生産の効率化は主として物の流れ,製造現場を中 心に展開されてきた.確かに生産システムにおいて物 を扱う製造の部分は重要であるが,それを計画,管理 する仕組み,すなわち製造活動のマネジメント・シス なかね じんいちろう 早稲田大学システム科学研究所 干 160 新宿区大久保 3-4 ー 1 1989 年 12 月号 テムは放置されたまま,少なくとも製造システムの改 善と同等の精力を注いできたとはL 、い難い.これまで, 日本の企業で国際的に優位性を発揮し得た企業をみて もマネジメント・システム(管理システム)の部分が ネックとならないような比較的大量繰返し生産に多い のは,この弱点を露出させないて‘すんだからではなか ろうか. 以上,今後のわが国企業での生産性向上や原価低減は 従来のように高度成長に支えられ,量的拡大に伴う設備 更新に頼ることはむずかしい.さらに 21 世紀に向かい, 経済,社会環境の変化や種々の摩擦,需要の個別化,製 品のライフサイクルの短縮化などの需要構造の変化, N IES 諸国を含め各国,各企業との競争の激化などに対 し敏速,的確に対応してし、かねばならない.しかも,そ れらの諸問題への対処は従来われわれの強味であった行 動様式の延長線では達成し得ないものではなかろうか. そのためには,パラダイム・シフトを伴う変革のための 陣痛を必要とするのではなかろうか.ここでは,そのた めの方向をさぐってみることにする.1
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工業化社会における生産システム
従来の,少なくとも第 2 次大戦後から 1970年代までの 産業社会,特に第 2 次産業に共通に流れていた原則はト ブラーがその著書“第 3 の波"の中で指摘している第 2 波の特徴に該当すると考えて差支えなかろう.彼は第 2 の波の特徴(原則)を 6 つの項目にまとめている.注 1) すなわち, ① 規格化 (standardization) 生産にさいして生産品目の規格化をはじめ,業務の手 11原,管理システムまでを規格化していった.いわゆるテ イラーイズムである.特に規格化の促進は製品,作業, 工程,機械設備の標準化をもたらし大量生産方式を確立 していった. ② 分業化,専門化 (specialization) 仕事の単純化と分業化により仕事の反復性が促進さ (5)6
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れ,大量生産の効率的遂行を可能にした. ③ 同時化 (syncronization) 分業化と専門化は同時に,そこに働く人荷に“時間" という観念の重要性を認識させ,時間で行動を律するこ とが必要不可欠になった.大規模な労働の同時化(同期 化)が要求され,これはまた労働と L 、う範囲だけにとど まらずに産業社会に組み込まれた人々の行動の画一化を もたらしたのである. ④ 集中化 (concentration) 第 2 の波は生産者と消費者を分離させ,市場を形成し た.市場で強大化するにつれ集中化の原則がでてきた. 労働の集中化は大規模工場を生みだし,資本の集中化と 相まって巨大企業をつくりだした. 1960年代 -70年代に かけ先進諸国においては各業種分野で大手 3-5 社の手 に市場を握られるまでになった. ⑤極大化 (maximization) 生産と消費の分類,市場の巨大化は産業界に極大化偏 執狂症候群をもたらした.すなわち,やみくもに大きさ と成長を求める傾向である.人々は GNP や企業規模の 拡大に血まなこになり,極大化は規格化(標準化),分業 化,専門化の原則とともに進行していったのである.高 度成長は自然生態系の破壊や公害をもたらしたが,同時 に大量生産の技術を最高のレベルまで引き上げた. ⑥ 中央集権化 (centralization) 規模の拡大と大量生産,巨大市場の形成は中央集権化 された組織,ラインとスタッフ機能の分離をもたらした. 情報はすべて中央集権化された命令系統を通じて上部に 流れ,そこで決定が下されて下部へ命令を伝える仕組み ができ上がってきた. トフラーによれば,第 2 の波では以上 6 つの原則が工 業化社会を律するものであり,これらの 6 原則は生産者 と消費者が決定的に分離し,市場の役割が拡大すること によって必然的に発生したものと主張している.また, これら 6 原則は相互に強化作用をし,その結果,中央集 権的,巨大な官僚的組織を出現させた. 以上,工業化社会に流れている特徴および原則をトフ ラーの主張する第 2 の波に代表させてきたが,これはま た,従来の生産システム,すなわち,工業化社会での生 産システムの特徴でもあり,そこに共通に流れている原 則でもある.生産者と消費者の明確な分離,巨大市場の 形成は生産システムに上述の 6 原則をもたらし,いわゆ るマスプロダクション・パラダイムを生成させた.そこ では売れるものだけ作るというよりも,生産したものを
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売るというプロダクトアウトの考え方を蔓延させた. 特にわが国の場合には,マスプロダクション・パラダ イムを促進し,大量生産をより効率的に,優位に展開す るためのキャタリスト要素が充実しており,それらが他 の先進国に比べて有利に働いていたのである.すなわち, ・産業振興のための教育の充実 ・良質の労働力の確保 ・社内,外の従業員の同質性の確保 ・外注,下請,購買を包含した強力なネットワーク ・新技術の積極的吸収,消化 ・現場技術の積極的開発と蓄積 .技術進歩の積み重ね型革新(Incremental I
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・技術,生産重視の戦略 ・積極的な先行設備投資とそれを可能にした環境 ・カンパニーワイドの改善活動 (SmallSteps
アプロ ーチ) ・マスプロダクション・パラダイム遂行に適した人的資 源の管理システム(終身雇用,企業内組合,年功序列等)2
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変貌する製造環境
前述したように工業化社会での生産システムの特徴は 大量生産方式であり,それはマスプロダグション・パラ ダイムに支えられたものであった. そこには市場形成と市場拡大を促進する諸基盤があ り,それが大量生産方式および大量生産のための技術を 高めていったので、ある.しかし,今後 21 世紀へ向かつて, それらマスプロダクション・パラダイムを支えてきた諸 要素に大きな変革の兆しがみえはじめている.すなわち, ① 脱マスメディア注 2) 市場拡大,巨大市場の形成にはマスメテ、ィアによる 大量,規格化した需要を助長してきたことが大きく寄 与している.しかし, 1980年代後半に入り,各種コミ ュニケーションの手段も従来の不特定多数の大衆を対 象としてきたものから,次第に特定化,専門化 (Focus 化)してきている.この傾向は今後ますます顕著にな り,メディアも脱画一化,多様化,個別化へ向かって いくであろう.しかもこれはまた情報,通信のネット ワーク技術の進展により加速されていく.この傾向は 従来のような市場拡大,巨大市場形成からミニ市場化, より細かくセグメントされた市場,さらには市場その ものの概念をも覆すことになるであろう. ② プロシューマー (prosumer) 化注 3)トフラー(第 3 の波)がし、っているように,第 1 の 波では人々は自ら生産したものを自ら消費していた. 産業革命以降,生産者と消費者の分離が行なわれ,市 場,流通経路の形成(パイプライン),拡大が生じた. 第 3 の波 (21 世紀へ向かつて)では再び生産者と消費 者の接近が生じてくると考えられる.つまり,従来に 比べて消費者が生産活動に入り込んでくる.ただし, 第 i の波のときとは違いハイテク,高度情報化インフ ラストラクチュアに裏づけられた生産者と消費者の接 近である. 21 世紀に向け,業種によって若干の違いはあろうが, 生産形態はますます受注生産化の傾向を示すことにな ろう.そうなればなるほど消費者は必然的に生産の過 程により深く関与するようになる.少なくとも 21 世紀 には,消費者は生産のアウトサイダーとしてではなく, インサイダーとしての地位を強める. ③ 市場鉱大の終鷲 大量生産の時代をつくり上げてきたのは,何といっ ても市場と L 、う網を世界中に張りめぐらせたことが大 きい.しかしマクロ的にみれば市場はすでに成熟段階 にあり,流通コストも限界に近い.この傾向は 21 世紀 に向かつてますます加速されるであろう. したがって,将来の商品流通経路は情報ネットワー クの発達にも支えられ,より簡素化されていくだろう. プロ‘ンューマー化 (prosumer 化)は商品がサーピス 市場を通らずに直接消費者に供給されるようになり, 市場の発達に終止符が打たれ,脱市場社会ともいうべ きものが出現してくるのではなかろうか. ④脱マスプロダクション 上述のように脱規格化,プロ、ンューマー化,脱市場 化などにより従来に比べ生産に反復性がますます失わ れ,かつ大量生産化の時代は過去のものになる.少な くとも第 2 の波による産業は先進国から N
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S ,開 発途上国へ移転されるか,移転せざるを得なくなるで あろう.しかしながら先進国にも製造業を全面的に後 進国に譲るほどの余裕はないし,先進国も純粋な意味 で“サービス社会"とか“情報社会"になるなどとい うことは現実にはあり得ない.すなわち,先進国が知 的,精神的生産だけに依存して生存し,開発途上国や 後進国の物的生産に従事するという見方もきわめて短 絡的に過ぎる.正しくは先進国ではサービス・セクタ ーに比べ製造業に従事する労働人口は少なくなってい くが,先進国も開発途上国などと棲み分けをしながら 1989 年 12 月号 製造業を分担していくということであろう.ただし, そこでの生産は従来のマスプロダクション方式による のではなく,これを脱却した新しい方式に変わること になる. ⑤ ソフト化注 4) 21 世紀は工業化社会からソフト化社会への移行の世 紀ともいわれているが,ソフト化を推進する要因とし ては,価値観の多様化,情報化,ハイテク化,グロー パリゼーション,高学歴化,高齢化などが挙げられる. 以上, 21 世紀へ向かつて製造企業をとりまく環境変化 の特徴を 5 つの項目で総括してみた.製品に対してはソ フト化,個別化が強まり,市場については,ますます差 別化が進み,しかも長期的にはプロシューマー化が出現 してくるであろう.さらに,市場のグローパル化が促進 されることも間違いない.技術(テクノロジー)面では ハイテクに加えて異種技術の複合化も考えられ,プレー クスルーが行なわれる確率も高まるであろう.また,現 在でも進展しつつある情報,通信技術およびそれらを支 えるソフト技術も大きく飛躍し,新しい生産、ンステム開 発へのインフラストラクチュアを確立すると思われる. また,円高,資源の枯渇,労働人口の高齢化,豊かさの 享受による労働意欲の減退,若人の製造企業ばなれ,さ らに貿易摩擦の激化,N 1
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S の追い上げなど,製造企 業をとりまく環境は悪化するであろう.そんな中で企業 は世界規模で開発,生産,販売の最も効率の良い態勢を 整え,生産する製品も,他ではできない高度な商品を, 特色のある個性豊かな顧客に提供していくことになるで あろうし,また,そうしなければ国が成り立って L 、かな いであろう.3
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脱工業化社会における生産
前節で 21i生紀へ向かつて製造企業内および製造企業を とりまく主要な環境要素の変化を概観してみた.そこで も述べたように“脱マスメディア"からは需要の脱画一 化,個別化の方向を読みとることができる.また“プ戸 、ンューマー化"によりハイテク,高度情報化インフラス トラクチュアに支えられた“新しい受注生産方式"の出 現が期待される.さらに“市場拡大の終鷲"は脱市場社 会ともいうべき新しい生産一流通形態を生み出すことに なろう.その兆しはすでにはじまっている. さらに“ソフト化"の進展による大きなインパクト l主 要求される労働力の違いとなって現われてくるであろ う.すなわち,従来のハード中心の生産では労働の中で(7)
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肉体労働の部分が重要で・あったが, ソフト化により労働 力の主体が“知力"になり,そこでは知的労働の質が企 業の成否を左右する.労働力には,より高い創造力が求 められよう. 以上のことから 21 世紀へ向かつての製造企業およびそ こでの生産システムに求められる要件は,広い意味での “フレキシピリティ"である.すなわち, ・経営諸資源、のフレキシプルな能力 (ability,
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の確保とそれらの活用体制 ・顧客要求,市場への素早い対応 ・環境変化への迅速かつ効率的対処 ・テクノロジーの変化への素早い対応 .経営戦略の変化への素早い対応 などである. このような要件をグローパルな見地から展開し充足さ せていくために生産、ンステムに要求されるカギは,従来 の生産システムに支配的であったマスプロダクション・ パラダイムを乗り越えた生産システムの ・“小規模化" ・“ネットワーク化" ・“知力労働力の活性化" ではなかろうか. 特に,インフラストラクチュアとしての情報ネットワ ークの整備,進展は企業に大きな変革をせまるであろう. すなわち,注 5) (1) 物(ハードウェア)の生産とソフトウェアおよび サーピス供給とが有機的に一体化される.(
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異種産業の融合が促進される (3) 経営資源の幅験的活用 自社の現有資源だけではなく世界規模で多重な経営 資源の活用が積極的に行なわれるようになる.(
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低くなる参入障壁 規模の経済性が小さくなり,分業化(専門化)と協 業化が促進されるようになる.また,ハイテク,情報 産業においては埋没原価 (sunk cost) の相対的比率 が低くなり,かつ技術情報の共有化も進む.このよう な条件下では事業への新規参入が容易になる.(
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小規模分散型の生産を可能にする マイクロエレクトロユクス技術,生産と消費者の相 互依存度の高まり(近接)は前述のような条件とも相 まって小規模分散型生産の優位性を高める. (6) 組織の自律化の促進 創造性(カ)の発揮と環境変化への適応をフレキシ6
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(8) フツレに,かつ効率的に行なえる組織が生存のための基 本的要件になる.そのためには,個々の事業体が自己 組織化されている必要がある. 次世代での生産工場の形態として錯綜する情報ネット ワークで結ぼれたホロニッ P 型の自律分権(分散)型工 場の出現は新生産システムとして有力な 1 つの方向であ ろう.4
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イノベーションへの遭注 6)
これまで 21 世紀へ向かつての製造企業をとりまく環境 の変化とそれら変化に対処していくための生産システム 革新の方向を概括した. ここでは,そのような方向に沿って生産システムを革 新していくさいに留意すべき事項を指摘しておく. (1)労働力の変化への対応 次世紀における製造企業,特に先進諸国での製造企 業では,生産活動の主体が,従来の製造部門(製造現 場)から開発,生産準備に移ってくるといわれる.つ まり,従来のライン・スタップとしづ概念が逆転する であろう.それにつれ,知的労働力(知力)の活性化, クオリティアップをどう促進していくかが重要であ る.そのためには従来のヒューマン・リソーシス・マ ネジメント (HRM) システムの見直しからはじめる 必要があろう.従来の HRM システムはグループイズ ムの育成,増殖には有効であったと思われるがイノベ ーションを促進する土壊づくりや創造的な知力発揮に は必ずしも適しているとはし、えない.知的労働の活性 化と量的向上およびそれらの生産性向上のための施策 は,製造企業に課せられた生死をかけた今後の大きな 課題である. (2) グローパルな企業展開 何らかの姿でのグローパル化は,2\t量紀へ向かつて の製造企業に共通したテーマであろう.グローパルな 企業展業にさいしてのカギは,従来の同質的なインフ ラストラタチュア(人を含めての)に対し, t 、かに異 質性に対処していくかであろう.従来は従業員(外注, 購買先も含めて)の同質性が放に“マネージ・パイ・ ピープル"で過ごすことが可能であった.しかしグロ ーパル化は,それぞれの地域におけるインフラグトラ クチュアをとり込んだ中で異質の人々に対し,どのよ うに“マネージ・パイ・システム"を達成するかが, ポイントであり,またグローパルな見地からの経営資 源の開発,活用のための戦略,戦術策定の仕組みも重 オベレーションズ・リサーチ要である. ( 3) マスプロダクション・パラダイムに代わりうる新 しいパラダイムの創出 従来のスケール・メリット追求型,大量生産,量的 拡大志向に代わって,いかにスモール・イズ・ビュー ティフルを実現するかである. 現在,多種少量生産に対応してのフレキシピリティ を確保するために J 1 T( トヨタ生産方式)をはじめと していろいろの試みがなされている.しかし,それら は,やはり突っ込んで考えてみればマスプロダグショ ン・バラダイムの中で,し、かに効率的に対応するか, と L 、う方法として行なわれていると思われる.ハイテ グ技術,情報,通信技術,知力を総合したうえでの新 しいパラダイムの創立が課題である. (4) 従来の改善アプローチの補完 TQC や J
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T 展開にみられるように,従来わが国 製造企業の強さの原動力になっていた改善アプローチ(small steps approach) は今後ともさらにみがきを かけていく必要はあるが,前述したように, 21 世紀へ 向かつての環境変化への対応に必要とする要件からは 従来のスモール・ステップ・アプローチだけでは成り 立ってし、かない.したがって,これを補完するアプロ ーチ,すなわち従来の帰納的改善アプローチに加えて 演線的アプローチ (strategic leaps approach) が必 要であろう.ストラテジック・リーブスにより次世代 への企業のあるべき姿,生産システムを描き出し,そ の姿にどうやって近づけていくか,というシナリオ作 りが必要である. く注〉 注1.2. 3) アルビン・トフラー・徳山,鈴木,桜井訳, 第 3 の波,