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[報文]ダイオキシン類分析のクリーンアップ処理に用いるシリカゲル精製処理方法の検討と評価

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(1)

<報

文>

ダイオキシン類分析のクリーンアップ処理に用いる

シリカゲル精製処理方法の検討と評価

小 林 貴 司

**

・木 口

**

和 田 佳 久

**

・斉 藤 勝 美

** キーワード ① Silicagel ② Purification Methods ③ Cleanup Treatment ④ Dioxins Analysis

要 旨 ダイオキシン類分析に用いるシリカゲルの精製方法の検討と評価を行った。その結果, メタノールまたはヘキサンでの洗浄処理による精製方法では,未精製シリカゲルに含まれ ていた#77,#105,#118,OCDD を十分に除去することができなかった。一方,250℃ま たは400℃の加熱処理による精製方法で得られたシリカゲルは,#105,#118がシリカゲル 50g 中1.5pg 以下であり,その他のダイオキシン類はすべて検出不能の清浄なものであっ た。特に400℃の加熱処理による方法は,他の処理方法では除去することができなかった Co―PCBs以外のPCBsの除去にも効果的であった。こうしたことから,ダイオキシン類分析 に用いるシリカゲルの精製方法には,400℃での加熱処理による方法が最適と考えられた。 1. は じ め に ダイオキシン類分析の前処理過程の中で,分析 の妨げとなる極性物質や難溶成分などの夾雑物を 除去するクリーンアップ処理は,重要な工程の一 つである。クリーンアップ処理が適切に行われな い場合には,定量値の信頼性が損なわれるだけで なく,分析カラムの劣化や検出器の感度低下を招 く恐れがある。 クリーンアップ試薬としては,細孔構造と極性 シラノール基により優れた吸着特性を有するシリ カゲルが使用されている。また,酸やアルカリ成 分を細孔に付加した化学修飾シリカゲルの場合に は,一度の操作で硫酸処理やアルカリ処理を行っ たのと同様のクリーンアップ効果を得ることも可 能である。 このようにシリカゲルの多孔質体としての特性 は,クリーンアップ試薬として非常に有効ではあ るが,その反面,吸着性と広い表面積を有するた め,作業雰囲気中に存在する極微量の有機化学物 質や水分により汚染されやすい。特に,ダイオキ シン類分析は極微量分析であるため,シリカゲル の精製処理方法と保管方法には十分注意しなけれ ばならない。 シリカゲルの精製処理方法としては,大気,土 壌および水質のダイオキシン類分 析 マ ニ ュ ア ル1∼3)では,メタノール洗浄による方法が記され ており,「水道原水及び浄水中のダイオキシン類 調査マニュアル」4)では,メタノール洗浄による 方法のほかに400℃での加熱処理の方法も併記さ れている。しかしながら,いずれの方法において も,洗浄効率についての基礎的なデータは報告さ れていない。そこで,シリカゲルをメタノールま *Estimation and Examination of Silicagel Purification Methods for Cleanup Treatment for Dioxins Analysis

**Takashi KOBAYASHI, Osamu KIGUCHI, Yoshihisa WADA, Katsumi SAITOH(秋田県健康環境センター)Akita

Prefec-tural Research Center for Public Health and Environment

205

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たはヘキサンによる洗浄処理と加熱処理による方 法で精製し,それぞれの精製処理手法による精製 の効果を比較し,ダイオキシン類分析に用いるシ リカゲルの最適な精製処理方法の検討と評価を 行った。また,ヘキサンソックスレー抽出法によ り精製し,販売されているダイオキシン類分析用 シリカゲルの精製状態の評価も行った。 2. 実 験 2.1 試 薬 精製処理効果の検討に用いたシリカゲルは,関 東化学製のカラムクロマトグラフィー用シリカゲ ル60(球状,粒径0.10∼0.21mm)である。また, ダイオキシン類分析用として販売されている精製 シリカゲルは,ジーエルサイエンス製(球状,粒 径0.21∼0.75mm)を用いた。PCDDs/PCDFs と Co ―PCBs の標準物質は,WELLINGTON LABORATO-RIES製を用いた。メタノール,ヘキサン,アセ トン,ノナンは和光純薬工業製のダイオキシン類 分析用を用いた。 2.2 シリカゲルの精製処理と分析試料 ダイオキシン類分析のクリーンアップ処理に は,通常シリカゲルを1検体あたり10∼15g 程度 使用するが,本検討ではピコグラム程度の極微量 な不純物としての有機化学物質を評価しなければ ならないため,1検体に使用するシリカゲルの量 を50g とした。 2.2.1 洗浄処理精製 シリカゲルの洗浄処理精製は,まず500mL の 三角フラスコに未処理のシリカゲルを50g 入れ, これにメタノールまたはヘキサンを300mL 加え て30分間浸漬し,シリカゲルに含まれる不純物 (有機化学物質)を抽出した。次に,桐山製作所製 のブフナーロートとグラスファイバーろ紙(桐山 製作所,孔径0.8μm)を用いて,シリカゲルをろ 過し,ろ紙上のシリカゲルを100mL のメタノー ルまたはヘキサンで洗浄した。 洗浄回数によるシリカゲルの精製状態をみるた め,洗浄1回目のダイオキシン類分析用試料とし て,まずろ液と洗浄液をロータリーエバポレータ により数 mL まで濃縮した。メタノールによる洗 浄の場合,その抽出液には水分が含まれているた め,抽出成分をヘキサン相に転溶した。ヘキサン 相への転溶は,濃縮したメタノール抽出液に超純 水5mL とヘキサン5mL を加え,振とうするこ とで行った。次に,濃縮した抽出液を窒素吹きつ け濃縮により再濃縮し,シリンジスパイクとし て13C12―1,2,7,8― TeCDF ,13C12―1,2,3,4,6― PeCDF,13C12―1,2,3,4,6,9―HxCDF,13C12―1,2,3, 4,6,8,9―HpCDF,13C12―2,3′,4′,5―TeCB(#70), 13C12―2,3,3′,5,5′―PeCB(#111)を 含 む ノ ナ ン 溶 液を添加して25μL とした。 洗浄2回目の分析試料は,まずブフナーロート 上に残ったシリカゲルをナス型フラスコに入れて ロータリーエバポレータによりメタノールまたは ヘキサンを除去後,ステンレスバットに移して 130℃で18時間の乾燥を行った。次に,乾燥後の シリカゲルについて,洗浄1回目の分析試料を得 たときと同じ操作を行って分析試料を作製した。 洗浄3回目の分析試料は,洗浄2回目の分析試 料を得たときと同様に,シリカゲルの乾燥を行 い,洗浄1回目の分析試料を得たのと同じ操作を して作製した。メタノールまたはヘキサンによる 洗浄効率の再現性を確認するため,それぞれの分 析試料に関して3試料ずつ作製した。 2.2.2 加熱処理精製 加熱処理精製は,まず未処理のシリカゲル50g をステンレスバットに厚さ1cm 以下になるよう に敷き,250℃で20時間と400℃で4時間の条件で 加熱処理した。次に,加熱処理したシリカゲルは, 洗浄処理精製と同様にメタノールまたはヘキサン による抽出操作を行い,その抽出液を濃縮し,シ リンジスパイクを添加して分析試料とした。ま た,加熱処理精製の状態の再現性を確認するた め,それぞれの加熱処理条件に関して3試料ずつ 分析試料を作製した。 2.2.3 ダイオキシン類分析用シリカゲル ダイオキシン類分析用シリカゲルの分析試料 は,洗浄処理精製と同様にメタノールまたはヘキ サンによる抽出操作を行い,その抽出液を濃縮し てシリンジスパイクを添加した。また,精製状態 の再現性を確認するため,メタノールとヘキサン それぞれについて3試料ずつ分析試料を作製し た。 2.3 ダイオキシン類の分析 Table 1に GC/HRMS と GC/ITMS の測定条件を 報 文 206 42─ 全国環境研会誌

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示した。シリカゲルの洗浄処理および加熱処理の 分析試料とダイオキシン類分析用シリカゲルの分 析試料のダイオキシン類測定は,(Agilent 製6890 /JEOL製 JMS―700D)により SIM 法で行った。分析 試料の注入量 は1μL で,スプリットレス法に よった。ダイオキシン類の定量はシリンジスパイ クを内標準とし,検出下限値を S/N3,定量下限 値を S/N10とした。また,クロマトグラム上でダ イオキシン類以外のピークの有無とベースライン の状態を確認した。 一方,ダイオキシン類以外の有機化学物質が分 析試料,つまりシリカゲルに含まれているかを確 認するために,GC/ITMS(VARIAN 製 CP3800,Sat-urn2200)に よ り 質 量 数(m/z)100∼550の 範 囲 を SCAN法で測定した。分析試料の注入量は1μL で,スプリットレス法によった。 3. 結果と考察 3.1 シリカゲルの洗浄処理精製 シリカゲル50g をメタノールまたはヘキサンで 1∼3回洗浄したそれぞれの洗浄液のダイオキシ ン類を分析した結果は,Table 2 に示すとおりで ある。 1∼3回目のメタノールとヘキサンの洗浄液か ら検出されたダイオキシン類は,#77,#105お よび#118の coplanar polychlorinated biphenyls (Co―PCBs)で,octachlorinated dibenzo―p―dioxin (OCDD)は1回目のメタノール洗浄液のみに検出 されており,その値はシリカゲル50g 中10∼23pg であった。メタノール,ヘキサンとも洗浄を繰り 返すごとにシリカゲルの洗浄液に含まれる Co― PCBsの値は減少するが,それでもメタノールの 3回目洗浄液には#77が1.4∼2.3pg,#105が2.0 ∼3.4pg,#118が4.1∼7.0pg 含 ま れ て い た。ヘ キサンの3回目洗浄液では, #77が1.1∼1.6pg, #105が1.7∼2.1pg,#118が3.9∼5.1pg で あ っ た。したがって,メタノールまたはヘキサンの400 mLで3回洗浄しても,シリカゲル50g に含まれ るダイオキシン類を検出不能(S/N3以下)なレベ ルまで精製できないことが明らかとなった。 一方,メタノールとヘキサンの両洗浄液中に は,ダイオキシン類とは異なる保持時間に多数の ピークが検出された。もっとも大きなピークが検 出されたのは,TeCBs の SIM クロマトグラム(m/ z=291.9194)で あ っ た。Fig. 1 に GC/HRMS―SIM 法 に よ る TeCBs の SIM ク ロ マ ト グ ラ ム と GC/ ITMS―SCAN 法によるクロマトグラムを示した。 GC/HRMS―SIM 法による TeCBs のクロマトグラ ムで保持時間20∼27分に検出された多数のピーク は,同位体存在比から推定される M/(M+2)イ オン強度比が4塩素化物のものと一致し,かつ PCBsの相対保持時間インデックス5)から想定さ れる保持時間とそれぞれのピークが良く一致して いることから,Co―PCBs 以外の PCBs と推測され Table 1 Operating conditions for GC/HRMS and GC/ITMS

GC/HRMS 6890(Agilent)/JMS―700D(JEOL Ltd.) TeCDDs/TeCDFs―HxCDDs/HxCDFs

Column SP―2331(SUPELCO,0.32mm ID,60m length,0.2μm film thickness)

Oven temp. 100℃(1.0min)―20℃/min―180℃―2℃/min―265℃(21.5min) Injector Splitless mode,280℃,1.5ml/min constant flow

HpCDDs/HpCDFs―OCDD/OCDF

Column DB―17(J&W,0.25mm ID,30m length,0.15μm film thickness)

Oven temp. 120℃(1.0min)―20℃/min―280℃(15min) Injector Splitless mode,280℃,1.0ml/min constant flow Co―PCBs

Column HT―8(SGE,0.22mm ID,50m length,0.25μm film thickness)

Oven temp. 100℃(1.0min)―20℃/min―280℃(15min) Injector Splitless mode,280℃,1.0ml/min constant flow GC/ITMS CP3800/Saturn2200(Varian Inc.)

Column CP―SIL5CB(Varian,0.25mm ID,60m length,0.2μm film thickness) Oven temp. 100℃―10℃/min―190℃―2℃/min―240℃―10℃/min―300℃(15min) Injector Splitless mode,120℃―200℃/min―310℃,10psi

ダイオキシン類分析のクリーンアップ処理に用いるシリカゲル精製処理方法の検討と評価 207

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14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 0 10 20 30 Counts × 104 First washing Second washing Third washing #77 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 Counts × 104 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 Counts × 104 Tetrachlorinated-biphenyls TeCB/ 291.9194 m/z TeCB/ 291.9194 m/z TeCB/ 291.9194 m/z 0 10 20 30 0 10 20 30

Retention time / minute

Retention time / minute

Retention time / minute

35 2 3 1 0 15 20 25 30 40 45 Counts × 107 2 3 1 0 15 20 25 30 35 40 45 Counts × 107 Second washing Third washing 15 20 25 30 35 40 45 2 3 1 0 Counts × 107

Retention time / minute Retention time / minute

Retention time / minute First washing

Table 2 Determinated values of Co―PCBs and OCDD extracted from silicagel by

methanol and hexane washing treatments

Compound

Determinated value(pg/50g)

Methanol Hexane

No.1 No.2 No.3 No.1 No.2 No.3 3,3′,4,4′―TeCB(#77) First washing Second washing Third washing 13 4.5 1.4 14 3.5 2.3 14 2.9 2.2 8.2 3.9 1.1 6.9 1.9 1.6 4.8 2.4 1.3 2,3,3′,4,4′―PeCB(#105) First washing Second washing Third washing 16 4.8 2.0 17 3.6 3.1 17 3.8 3.4 11 5.3 1.7 8.9 2.9 2.1 6.7 3.0 2.0 2,3′,4,4′,5―PeCB(#118) First washing Second washing Third washing 32 11 4.1 34 8.3 6.8 35 8.4 7.0 30 13 3.9 25 6.8 5.1 18 8.3 4.8 OCDD First washing Second washing Third washing 10 ND* ND 9.9 ND ND 23 ND ND ND ND ND ND ND ND ND ND ND *:Not detected. a) GC/HRMS―SIM b) GC/ITMS―SCAN

Fig. 1 Chromatograms of tetrachlorinated-biphenyls in extracts from silicagel by methanol washing treatment

報 文

208

(5)

る。この PCBs の量をピーク高さから推定すると, シリカゲル50g あたりに300pg 以上の TeCBs が10 種類以上も含まれているこ と に な り,pg オ ー ダーの分析に用いる試薬としては,かなり多量の 不純物を含む結果であった。 また,GC/ITMS―SCAN 法で測定した結果,測定 時間の10∼50分の全体でクロマトグラムのベース ラインの上昇が確認された。ベースラインの上昇 は,測定質量数100∼550のすべての範囲で生じて いることから,検出器のノイズとなる成分が抽出 液中に大量に存在していることが考えられる。こ のベースラインの上昇は,メタノール,ヘキサン の洗浄を繰り返しても同様の結果であった。 3.2 シリカゲルの加熱処理精製 Table 3に加熱処理精製したシリカゲルから抽 出されたダイオキシ ン 類 の 定 量 値 を 示 し た。 250℃で加熱処理したシリカゲルのメタノール抽 出 液 で は#105が0.2∼0.5pg,#118が0.4∼1.5 pg,ヘキサン抽出液では#105が0.3∼0.4pg,# 118が0.8∼1.0pg で,メタノールまたはヘキサン の洗浄処理で検出された#77および OCDD はメ タノールとヘキサンの抽出液からはまったく検出 されなかった。 400℃で加熱処理したシリカゲルのメタノール 抽 出 液 で は#105が ND∼0.3pg,#118が ND∼ 1.0pg,ヘキサン抽出液 で は#105が ND,#118 が ND∼0.2pg とわずかに検出される程度で,# 77および OCDD は250℃で加熱処理したのと同様 にメタノールとヘキサンの抽出液からまったく検 出されなかった。 250℃および400℃での加熱処理で,#105と# 118が極微量のレベルで検出されているが,評価 に用いたシリカゲルの量が通常の3∼5倍である ことを考慮すると,250℃と400℃の両加熱処理と もに,シリカゲルからダイオキシン類の十分な除 去が達成されたものと考えられる。 Fig. 2に加熱処理精製したシリカゲルの GC/

HRMS―SIM 法による TeCBs の SIM クロマ ト グ ラ ムと GC―ITMS―SCAN 法によるクロマトグラムを 示した。メタノールまたはヘキサンの洗浄処理で 検出されていた PCBs のピークは,250℃の加熱 処理では数本まで減少し,400℃の加熱処理では わずかに検出される程度であった。また,GC― ITMS―SCAN 法 の ク ロ マ ト グ ラ ム で 生 じ て い た ベースラインの上昇は,250℃の加熱処理ではや や小さくなり,400℃の加熱処理ではまったく確 認されなかった。キャピラリーカラムへのダメー ジを考慮すれば,250℃よりも400℃でのシリカゲ Table 3 Determinated values of Co―PCBs and OCDD extracted from heat-treated silicagel and from

commercial dioxin analysis silicagel

Compound

Determinated Value(pg/50g)

Extraction with methanol Extraction with hexane

No.1 No.2 No.3 No.1 No.2 No.3

3,3′,4,4′―TeCB(#77) 250℃ 400℃ ND** ND ND ND ND ND ND ND ND ND ND ND DXN―grade* ND ND ND ND ND ND 2,3,3′,4,4′―PeCB(#105) 250℃ 400℃ (0.2)*** ND (0.3) (0.3) 0.5 ND (0.4) ND (0.4) ND (0.3) ND DXN―grade* (0.2) ND ND ND ND ND 2,3′,4,4′,5―PeCB(#118) 250℃ 400℃ 0.4 1.0 1.1 0.6 1.5 ND 1.0 ND 0.8 ND 1.0 (0.2) DXN―grade* 0. 0. 0. 0. 0. 0. OCDD 250℃ 400℃ ND ND ND ND ND ND ND ND ND ND ND ND DXN―grade* ND ND ND ND ND ND

:Commercial dioxin analysis grade silicagel.(GL science inc.) **:Not detected.

***:A figure in each parenthesis shows the value under determination limit.

ダイオキシン類分析のクリーンアップ処理に用いるシリカゲル精製処理方法の検討と評価 209

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14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 TeCB/ 291.9194 m/z 0 2 4 6 8 10 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 TeCB/ 291.9194 m/z

Retention time / minute Counts × 104 0 2 4 6 8 10 Counts × 104 250℃,20 hours 400℃,4 hours Retention time / minute

250℃,20 hours 400℃,4 hours Counts × 107 2 3 1 0 15 20 25 30 35 40 45 Counts × 107 2 3 1 0 15 20 25 30 35 40 45 Retention time / minute

Retention time / minute

ル加熱処理が適切であると考えられる。 3.3 ダイオキシン類分析用シリカゲルの精製状態 ダイオキシン類分析用シリカゲルから抽出され たダイオキシン類の定量値は,Table 3 に示され ている。ダイオキシン類分析用シリカゲルのメタ ノ ー ル 抽 出 液 で は#105が ND∼0.2pg,#118が 0.4∼0.6pg,ヘキサン抽出液 で は#105が ND, #118が0.4pg と,加熱処理による結果とほぼ同 じであった。また,GC/HRMS―SIM 法による4塩 素化 PCBs のイオンクロマトグラムと GC/ITMS― SCAN法によるクロマトグラムは,400℃で加熱 処理したシリカゲルと同じく PCBs のピークはわ ずかで,ベースラインの上昇も確認されなかった。 4. ま と め ダイオキシン類分析に用いるシリカゲルの精製 方法の検討と評価を行った。その結果,メタノー ルまたはヘキサンでの洗浄処理による精製方法で は,未精製シリカゲルに含まれていた#77,# 105,#118,OCDD を十分に除去することができ なかった。一方,250℃または400℃の加熱処理に よる精製方法で得られたシリカゲルは,#105, #118がシリカゲル50g 中1.5pg 以下 で あ り,そ の他のダイオキシン類はすべて検出不能の清浄な ものであった。特に400℃で加熱処理したシリカ ゲルは,Co―PCBs 以外の PCBs も除去され,SCAN 法クロマトグラムでのベースラインの上昇も改善 されており,市販のダイオキシン類分析用シリカ ゲルと比べても同様の精製状態であった。こうし たことから,ダイオキシン類分析に用いるシリカ ゲルの精製方法として,400℃での加熱処理精製 による方法が最適と考えられた。 加熱処理による精製方法の利点は,精製操作が 容易であること,一度に大量のシリカゲルを精製 できることである。大量のシリカゲルを精製でき ることは,ロットごとのブランク確認作業の省力 化にも繋がる。 ―参 考 文 献― 1) 環境省環境管理局総務課ダイオキシン対策室大気環境 課:ダイオキシン類に係る大気環境調査マニュアル, 2001 2) 環境省水質保全局土壌農薬課:ダイオキシン類に係る土 壌調査マニュアル,2000 3) 日本規格協会:JIS K0312工業用水・工場排水中のダイオ キシン類及びコプラナー PCB の測定方法,2005 4) 厚生省水道環境部水道整備課:水道原水及び浄水中のダ イオキシン類調査マニュアル,1999 5) 松村千里,鶴川正!,中野武,江崎達哉,大橋眞:キャ ピラリーカラム(HT―8―PCB)による PCB 全209異性体の溶 出順位,環境化学,12,855―865,2002 a) GC/HRMS―SIM b) GC/ITMS―SCAN

Fig. 2 Chromatograms of tetrachlorinated-biphenyls in extracts from heat-treated silicagel

報 文

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Fig. 1 Chromatograms of tetrachlorinated-biphenyls in extracts from silicagel by methanol washing treatment
Fig. 2 Chromatograms of tetrachlorinated-biphenyls in extracts from heat-treated silicagel

参照

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