168 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(68) スギ モト フ ミ コ杉本富美子(昭和
博士(医学) 乙第1414号平成5年12月17日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
E鉦ect of somatostatin on contractile and relaxant responses of tracheal smooth muscle in rabbits (家兎気管平滑筋収縮および拡張反応に対するソマトスタチンの影響) (主査)教授 金野 公郎 (副査)教授 新田 澄郎,小柳 仁論 文 内 容 の 要 旨
目的 ソマトスタチンは大脳皮質における神経伝達に重要 な役割を果たしているが,肺にも本ペプチド様免疫活 性の存在が認められている.一方気道過敏性発現にβ一 アドンナリン作動性神経系の機能低下が知られてお り,本研究では気道平滑筋に対するソマトスタチンの 薬理動態とその作用機序を検討することを目的とし た. 対象および方法 家兎摘出気管輪を用いin vitroで検討した.ソマト スタチン(10』6M)投与で気管平滑筋静止時張力, フィールド電気刺激(EFS:5Hz)に対する筋収縮を測 定した.次にアセチルコリン(ACh:10一‘M)による筋 収縮に対するイソプロテレノール(ISO:10-7~10-4 M)の用量依存性拡張効果に及ぼす影響を検討した. 一方Ca2+チャンネルブロッカーであるベラバミル,ア デニレートシクラーゼ刺激剤であるフォルスコリンの 筋拡張作用に対する影響も評価し,さらに平滑筋細胞 内cyclic AMP濃度を測定した.次に百日咳毒素感受 性GTP結合蛋白(Gi)の関与も検討した. 結果 ソマトスタチン(10-6M)は,気道平滑筋静止時張力 およびEFS誘起性筋収縮に影響を与えなかったが, AC草誘起性筋収縮に対するISOの拡張効果を著明に 抑制した.一方ベラバミル,フォルスコリンによる筋 拡張作用には変化は認められなかった.一方,ISOの 反応に対するソマトスタチンの抑制効果は,百日咳毒 素処理により・消失した.ISO投与により平滑筋細胞内 cyclic AMPは増加したが,以上の反応はソマトスタ チン存在下で抑制された. 考案 ツマトスタチンは,迷走神経,Ca2+チャンネルの機 能には影響を及ぼさず,アデニレートシクラーゼより 近位でGiに作用することにより気道平滑筋の拡張反 応を減弱させると考えられた.したがって,本ペプチ ドは肺からの局所分泌,あるいは体循環を介して,、ア ドレナリン作動性神経系に由来する気道反応を修飾す ることにより,気道過敏性の発現に関与する可能性が 推測された. 結論 ソマトスタチンは,Gi蛋白を介し気道平滑筋細胞に おけるcyclic AMP産生系を抑制することにより,気 道拡張反応を減弱させると考えられた. 一774一169