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The Change in Breathing Pattern Induced by Pulmonary
Hypertension in Mitral Stenosis
-Preposal of the New CIinical Sign for Pulmonary
Hypertension in Mitral
Yasuhiro KAWAGOE
Department of Cardiology (Director: Prof. Koshichiro HIROSAWA)
Tokyo Women's Medical College
The breathing pattern of 37 patients with mitral stenosis is investigated by a simple hand maneuver as well as by Konno-Mead-Diagram (K-M-D). K-M-D is the clinical method to measure the separate volume change in rib cage (AVrc) and abdomen (AVab) during quiet breathing. The
hand meneuver is performed by placing a right hand on the middle anterior abdomen while a left
hand on the middle thorax, to estimate the inward or outward movement of rib cage and
abdominal wall. Hemodynamic parameters are obtained by a cardiac catheterization. Distribu-tion of pulmonary perfusion is studied by 99MTc labeled MAA scintigraphy.
Results:' 1. Based on an analysis of K-M-D, normal breathing pattern (AVrck"AVab, n=14, 38%), rib cage dominant breathing pattern (AVrc)E>AVab, n=17, 46%) and paradoxical breath-ing pattern (a combination of inward abdominal wall movement and outward rib cage movement during inspiration, n=6, 16%) are noted, but no abdomen dominant breathing pattern (AVrc<3(
AVab) cases are noted. 2. More than 80% of patients with abnormal breathing patterns are detected by the hand maneuver. 3. Abnormal breathing pattern groups, including rib cage
dominant and paradoxical breathing pattern, show significantly higher pulmonary artery
pres-sure (p<O.OOI), higher total pulmonary vascular resistance (p<O.OOI) and narrower mitral valve area (p<O.05 --O.Ol). 4. Abnormal breathing groups tend to show lower Pa02, higher AaDo2, lower diffusing capacity and small airway obstruction. 5. Abnormal breathing pattern groups are also
apt to be accompanied by abnormal pulmonary perfusion distribusion pattern with
hyper-perfusion on upper zone of the long.
Conclusion: Abnormal breathing pattern detected by the hand meneuver may be a new
clinical sign of pulmonary hypertension and high pulmonary vascular resistance in patients with mitral stenosis.
緒言 対象 方法 1.循環器系検査 2.呼吸機能検査 1)一般検査 目 次 2)換気様式の定量的評価 (1)正常換気様式 (2)腹壁系優勢型換気様式 (3)肋骨系優勢型換気様式 (4)奇異換気様式 3)用手的換気様式評価法 結果 考察 1.結果の総括 2.僧帽弁狭窄症にみる異常換気様式の意義 結論 緒 言 僧帽弁狭窄症の増悪は,僧帽弁弁口の狭小化の ため,左心房より左心室への流入障害が増大し, 左心房圧上昇という心臓内の変化のみな:らず,肺 静脈圧,肺動脈圧,肺血管抵抗上昇などの肺循環 病態を惹起する.さらに病変の進展とともに肺問 質の浮腫,線維化,リンパ管の増生拡張を招来し, やがて肺胞壁肥厚,肺胞内水論題の肺実質の病変 をも招来する.これらの肺内病変は当然呼吸機能
へも影響を及ぼし,末梢気道領域の閉塞性障
害1)∼3),肺拡散障害1)3),静肺コンプライアンスの低 下1)2)∼5)等が出現することが知られている.著者は さらに本症には異常換気様式が出現することに注 目した.心・肺疾患に合併する異常換気様式に関 して,慢性閉塞性肺疾患においては古くから報告 がありHoover sign6)として知られ,近年Sharp7), Ashutosh8)および米沢9>らによって報告されてい るが,しかし慢性心疾患に合併する異常換気様式 に関する報告は,著者の検索した範囲では見当ら ない.ユ967年金野およびMeadは,肺内に流入す る換気量を,肋骨系および腹壁系それぞれの気量 変化量に分離測定することに成功し,定量的に体 表面から換気様式を評価できるKonno−Meadダ イアグラム(K−Mダイアグラム)を開発し,臨床 導入した10)∼14). 著者は,僧帽弁狭窄症において出現する異常換 気様式をK−Mダイアグラムにより定量的に評価 し,さらに肺循環病態との関連性を検討し,僧帽 弁狭窄症における異常換気様式のもつ病態生理学 的意義を明らかにするとともに,臨床的により簡 便な異常換気様式の検出方法を開発することを本 研究の目的とした. 対 象 呼吸器疾患および有意の喫煙歴を有しない僧帽 弁狭窄症(以下MSと略)37例(女性25例,男性 12例,19∼61歳,平均46.3歳)を対象とした.各 症例を表1に示したが,全症例とも純粋MSもし くは主病態がMSで軽微の僧帽弁逆流症(Sellers の分類の1度以下)を伴った症例である. 方 法 1.循環器系検査 循環器系の検査として理学的所見,心電図,胸 部レントゲン像,心エコー図等の一般検査の他に, 全例心カテーテル検査を施行し,圧測定の他,心 拍出量は熱希釈法にて,僧帽弁圧較差は肺動脈喫 搬送と左心室圧同時記録法にて測定し,僧帽弁弁 口面積はGorlinの式にて算出し,各血行動態パラ メーターを検出した.また診断確定のために両心 室造影を施行した. 2.呼吸機能検査 1)一般検査 呼吸機能検査としてスパイログラフィー,且ow− volume曲線,拡散,血液ガス分析,肺血流シンチ グラムおよび換気様式の各検査を施行した.How・ volume曲線は,主な測定項目としてV50を採用 し,滝島らの標準値に対し%評価を行い(%V50の 算出),末梢気道閉塞性障害の指標とした.拡散機 能は単一呼吸法にてDLcoを測定し, Cotesらの 標準値に対し%DLcoを算出,またDLco/VAを計測した.肺血流シンチグラムは99mTc MAA
(macro aggregated albumin)5mCiを坐位にて 注入し,前面よりカウントし,肺血流像を計算機処理し,等カウント虚像を作成して評価した.
2)換気様式の定量的評価
K−Mダイアグラムを用いて評価した.これは肺気 量変化を体表面の肋骨系気量変化(∠Vrc)および 腹壁系気量変化(∠Vab)に分離測定する方法であ りこれにより正常換気様式,腹壁系優勢型換気様 式,肋骨系優勢型換、気様式,奇異換気様式の4様 式に分類した. (1)正常換気様式 立位安静時の正常換気様式は図1に示すごと く,最大の呼吸筋である横隔膜の収縮により,胸 壁(肋骨系)および腹壁が外方に拡がり,さらに 胸腔内の陰圧化により,吸気が行われる.この場 合の肋骨系および腹壁磁気量変化を図1の:右およ び図2のK・Mダイアグラムで示す.K−Mダイア グラムは,45.ラインに肺活量を%標示し,横軸に 腹壁系気量,縦軸に肋骨女気量を%肺活量として 図示する方法である.例えば図2のFRCの点は, 肺活量の40%の肺気量の位置で,安静吸気終了点 EIPでは肺気量としては肺活量の40%から77% までの肺気量が増加したことを示すと同時に,肋 骨系が肺活量として20%から41%まで増加し,一 方腹壁系が20%から36%まで増加することも示さ れ,肺気量の増加に対する肋骨系および腹壁系の 関与度が明示される. 正常換気様式は,肋骨系および腹壁系気量変化 が同方向かつほぼ同量に変化するため(」Vab≒ ∠Vrc),吸気時ほぼ45.ラインに沿って右上方へ変 位し,呼気にて元へ戻るパターンを呈する.すな わち∠Vrc/」Vabが0.8∼2.0,言いかえればFRC とEIPを結ぶ線が38.∼60.(図2のNゾーン)の 聞にあるのが正常換気様式である9). (2)腹壁系優勢型換気様式 図2および図3の左に腹壁系優勢型換気様式を 示す.本様式は一般に肺気量が低下する病態(例 えば間質性肺炎な:ど)に,しぼしぼ観察されるこ とが知られている9).K−Mダイアグラムでは,横の 変化が大きいパターンを示し,図2では∠Vrc/ ∠Vabが0.8以下,角度では38.以下のパターンで, Aゾーンに入る. (3)肋骨系優勢型換気様式 図3の右に肋骨系優勢型換気様式を示す.安静 換気の肺気量変化の多くが,肋骨系気量変化によ ← / り ↓ \ ノ Lung PpI Diaphragm Ppl ゆ Pdi
\ /
Pab Vrc RiX;ge % 100 Pab\
全騨 Vrc 莇 骨 悉 垂 弩 Vab K・MDiagram 図1 正常換気様式(N群) 70 50 30 0 1 / ユ ノ } / ユ ’P’uく∼R、/i /\。 //
; /日P \’},//へ
駈嬢 ∼
FFとC 0 FRC:機能的残気量 VTl安静換気 EIP ;吸気終末点 30 50 70ぎ
o K・Mダイアグラムによる換気様式の判定基準 FRCからのVT時の マ化率 @△Vrc!△Vab 角 度 @ △Vrctan △Vab 記号 正常換気様式 0.8∼2.0 38。∼60。 N 肋骨系優勢型 2.0∼ 600∼90。 R 腹壁系優勢型 0.0∼0.8 oo∼38。 A 奇異換気様式 マイナス go。∼ P 図2 Konno・Mead Diagram る換気様式で,正常換気様式に比較して,吸気時 横隔膜の関与と同時に胸鎖乳突筋や肋間筋等の吸 気補助筋が関与する換気様式である13).K−MダイVrc ノ セ
.RC4ク
Vab K・MDiagrarn 腹壁系優勢型換気様式 (A 群) Vrc/ヂ
/ FRC Vab K・MDIagram 肋骨系優勢型換気様式 (R 群)L
\ /『濤一。
ら\ ↓/
\ \ 〆 PpI PpI / 図 3MCL
i Iニ ー一 P一一一 S Vrc FRC Vab K−MDIagram 図4 奇異換気様式(P群)アグラムでは,縦の変化が大となり,図2で
∠Vrc/」Vabは2.0以上,角度では+60.∼90.とな り,Rゾーンに入る. (4)奇異換気様式’ 図4に奇異換気様式を示す.本様式は前述した 肋骨系優勢型換気様式の最:も極端な換気様式で, 吸気補助筋が最大限に作動し,横隔膜の関与より 優勢する換気である.吸気補肋筋により吸気が行 われる場合,吸気時胸壁は外方に拡げられ,胸腔 内の陰圧が高度となり,このため腹腔内圧にも胸 腔内圧の陰圧が反映され,吸気時腹壁が陥凹する. すなおち吸気時胸壁の外方への拡大に伴う,腹壁 の逆方向への陥凹が奇異換気様式である.これを K−Mダイアグラムで示すと,図4の右のごとく, 吸気時肋骨系で肺気量が上方へ変位すると同時 に,横軸の腹壁系は逆方向の左に変位する.図2 では,+90.より大きいPゾーンへ変位するパター ンで,」Vrc/」Vabは」Vabがマイナスのため,マ イナスとなる. 3)用手的換気様式評価法 被検者を立位で,安静呼吸させておき,検者はミタ\
\ ン/
CTL
R_玲___一一一一UHL L:左手,R:右手, S:聴診器,∪:贋, C:鎖骨 MCL:鎖骨中線, CTL:胸郭中央水平線 UHL:水平月出線(腹部中央水平線〉 被検者は立位にて安静換気を行う。図のように両手および聴診器 をあてる。聴診にて吸呼気を判定し,吸気時の胸郭および腹壁の 動きを評価する。 図5 用手的換気機式評価法 被検者の前より図5に示す如く,左手第3,4指 間に聴診器をはさみながら,右胸部中央に左手掌 を当て,右手は手掌部を右腹部中央に当て,聴診 にて吸気呼気の区別をしながら,両手掌で胸壁お よび腹壁の突出,陥凹,静止の区別を行う(左利 きの検者は手の左右を逆にする.腹壁の動きがポ イントであるため,利き手を腹壁に当てる).吸気 時胸壁および腹壁の両者とも突出する場合を正常 換気様式,胸壁がほとんど突出せず腹壁のみ突出 する場合を腹壁系優勢型換気様式,腹壁がほとん ど突出せず胸壁のみ突出する場合を肋骨系優勢型 換気様式とする.奇異換気様式は,K−Mダイアグ ラムでは理論的に,吸気時胸壁の突出時に,腹壁 の陥凹を認知することであるが,手掌にて感知可 能な:範囲は腹壁筋の弛緩としてである.このため, 用手的換気様式評価法としては,奇異換気様式と 肋骨系優勢型換気様式をあえて区:別せず,奇異換 気様式を肋骨系優勢型換気様式内に含め,広義の 肋骨系優勢型換気様式とする.結 果 1.K−Mダイアグラムにて各症例の換気様式を 判定した結果を表1に示す.正常換気様式14例(N 群とする),肋骨系優勢型換気様式17例(R群とす る),奇異型換気様式6例(P群とする)で,腹壁 系優勢型換気様式は1例も認められなかった. 2.K−Mダイアグラムにて判定した各症例の換 気様式と,用手的換気様式評価法にて判定した結 表1 検査の対象となった各症例 症例 イニシャル 年齢 性別 換気様式 肺動脈 ス均圧 心係数 毛描血ヌ抵抗 PaO2 肺血流ェ布様式 ECG “リスム 1 S.A. 42
M
N
13 2.97 222 90N
SR 2 T.A, 37 FN
16 4.17 216 105 Af 3 S.A. 51M
N
18 3.27 280 91N
Af 4 M.B. 55 FN
ユ8 2.59 397 96N
Af 5 K.T. 52 FN
18 2.54 378 79N
SR 6 N.M. 46 FN
20 2.54 388 84 Af 7 K.A. 46 FN
21 4.37 279 89N
SR 8 T.N. 32 FN
21 4.05 311 105N
Af 9 R.M. 55 FN
22 3.21 403 90 SR 10 M.T. 50 FN
23 3.57 374 92 Af 11 T,N. 61 FN
24 2.25 662 99 Af 12 M.0. 45M
N
25 2.76 426 91 1 Af 13 S,0, 47M
N
25 2.49 484 86 Af 14 K.1. 42 FN
28 2.13 746 83 SR 15 K.A. 51M
R 17 3.58 240 74 1 Af 16 S,T. 34 F R 20 2.26 488 94 Af 17 N.U. 46 F R 26 2.42 52! 97 1 Af 18 M.A. 61M
R 26 1.78 710 93 Af 19 T,0. 51M
R 28 2.31 585 84 Af 20 M.T. 40 F R 28 2.22 655 84 Af 21 M.S. 39 F R 29 3.16 560 95 Af 22 T。M. 44 F R 30 3.71 378 98 Af 23 S.A. 50M
R 32 2.37 617 72u
Af 24 K。T. 49 F R 33 2.87 630 97 1 Af 25 W.K. 58M
R 34 2.64 649 89 Af 26 Y.F. 53M
R 35 1.60 1076 76 u Af 27 Y.A. 45M
R 36 2.50 762 83 u Af 28 Y。N. 19 F R 46 3.61 773 102u
SR 29 Y.A。 48 F R 47 2.26 1253 71 u SR 30 R.K. 45 F R 48 一 一 79 Af 31 1.0. 51 F R 58 2.93 1131 79u
SR 32 K.K, 45 F P 26 2.20 619 92 1 Af 33 T.S. 42M
P 37 2.46 796 88 u Af 34 T.T. 51 F P 39 2.68 796 78u
Af 35 K.T. 36 F P 42 3.48 656 85 Af 36 T.A. 47 F P 47 3.13 902 79u
Af 37 E.M. 46 F P 54 2ユ4 1440 83u
Af 換気様式 N;正常換気様式,R;肋骨系優勢型換気様式 P;奇異換気様式 肺動脈平均圧;mmHg,心係数;〃min/m2,全肺血管抵抗 dynes−sec−cm 5, PaO、;動脈血中酸素分犀, mmHg, ECGリズム, SR;洞調律, Af;心房細動 肺血流分布様式,N;正常型, U;上肺野高血流型,1;中間型表2 用手的換気様式評価法による判定結果 症例No K.M _イアグラ ?ノよる 平 均 x動脈圧 五人の医師の用手的 @判 定 結 果 換気様式 (mmHg) Y.K. K.K. T.T. H.K. S.H. 1 N 13 ○ ○ ○ ○ ○ 2 N 16 ○ ○ ○ ○ ○ 3 N 18 ○ ○ ○ ○ ○ 4 N 18 ○ ○ ○ ○ ○ 5 N 18 ○ ○ ○ ○ ○ 6 N 20 ○ ○ ○ △ ○ 7 N 21 ○ ○ ○ ○ ○ 8 N 21 ○ ○ ○ ○ △ 9 N 22 ○ ○ ○ △ ○ 10 N 23 ○ ○ △ ○ ○ /l N 24 ○ ○ ○ ○ △ 12 N 25 ○ ○ △ △ ○ 13 N 25 ○ ○ ○ ○ ○ /4 N 28 ○ ○ △ ○ ○ /5 R 17 ① ④ ⑦ △ ② 16 R 20 @ ⑨ △ ④ ㊦ 17 R 26 △ ⑳ △ △ ⑧ 工8 R 26 ⑧ ② ④ ⑧ △ 19 R 28 ㊥ ⑳ ⑧ ㊥ △ 20 R 28 ⑤ ⑧ △ △ ○ 21 R 29 ⑳ ⑳ △ ⑳
o
22 R 30 △ ◎ △ △ △ 23 R 32 ④ ⑳ △ ⑤ ㊦ 24 R 33 △ △ ② △ ② 25 R 34 △ ㊤ △ △ ⑳ 26 R 35 ⑧ ⑧ △ ⑧ △ 27 R 36 ⑨ ㊥ ⑦ △ ㊦ 28 R 46 ④ @o
● ㊤ 29 R 47 ㊦ ㊦ ⑦o
⑤ 30 R 48 ⑧ ⑧ ⑧ ㊦ ⑦ 31 R 58 ⑤ ⑧ ㊥ ㊦ ① 32 P 26 ⑧ @ ④ ⑳ △ 33 P 37 ㊦ ㊦ ㊥ △ ㊤ 34 P 39 ④ ④ ② ⑧ ㊤ 35 P 42 ⑧ ⑧ ㊦ ⑤ ㊤ 36 P 47 ⑧ ㊥ ⑧ ⑦ ⑳ 37 P 52 ④ ⑳ ⑤ ◎ ㊦ 50 40 30 20 10 (mmHg> 0 肺動脈懊入圧 群 n= 「***「 譲.π 50 「NS1王1
40 30 20 10 (mmHg) N R P 14176 (NS: 0 ○;正常換気様式と判定 ⑧;広義の肋骨系優勢型換気様式と判定 △;判定できず,または誤判断 群 n= 肺動脈平均圧 「***「 *「NSlll
果を表2に示す.前述したごとくK−Mダィァグ ラムの肋骨系優勢型および奇異換気様式を,広義 の肋骨系優勢型換気様式とすれぽ,約81%の検出 能が得られた. 3.N群(正常換気様式群), R群(肋骨系優勢 型換気様式群),P群(奇異換気様式群)3群間の 血行動態の比較を,表3および図6に示す.P群お よびR群がN群に対し,肺動脈懊入圧,肺動脈収 (2/min/M2) 有意差なし, 心係数 全肺血管抵抗 N R P 14176 *∼**示有意差あり1*;PくO.05,***=P<O、OO1) .0 「NS「 mNSl @ lNS1 「***「*** ? 「NS1 1000 .0 500 .O l2) (鷲萎: ) 群 N R P 群 N R P n罵 1416 6 n= 1416 6 図6 各換気様式群の血行動態の比較 N:正常群,R:肋骨系優勢群, P:奇異換気様式群 (mmH9) PaO2 DO 噌「 lNS1 90 80 9) (m 群 N R P n罵 14 176 30 20 10 (mmHg) 群 n呂鷲
箇{1
90 70 50 (%) 30 N R P 群 14176 n扁 %V50 腐,鼠 N R P 14166 **=P<O.OT, %DLco 「***「 11 「*コ @「NS1 100 80 王 60 %〉 50 群 N R P n置 6 8 3 (NS:有意差なし,*∼**串有意蓬あり,*=P〈O、05, ***冨P〈0.OO1) 図7 各換気様式群の呼吸機能の比較 N..正常群,R=肋骨系優勢群, P:奇異換気様式群 縮期圧,同拡張期圧,同平均圧,全肺血管抵抗お よび僧帽弁圧較差のいずれも有意の差をもって高 値であり,一方僧帽弁弁口面積は有意の差をもっ て低値であった.しかるに心拍出量(心係数)に 関しては,各群間に有意の差は認められなかった. 4.N, R,.P群各群の呼吸機能データーの比較を表4および図7に示す.P群およびR群はN
群に対し,PaO2および%DLcoが有意の低値を示した.またP群はN群に対しAaDo2は有意に開
大し,%V50も有意の低値を示した. 5.99哩cMAAによる肺」血流分布の検査を施 行しえた21例の結果は,図8に示すごとく,高血 流分布域が下肺にある正常分布型,第3肋骨付近表3 各換気様式群の血行動態の比較 肺 動 脈 圧 (mmHg) 全肺血管 ?抗 肺小動脈?抗 血行動態 パラメーター キ気様式群 平 均 E房圧 immHg) 僧帽弁
ウ較差
immHg) 僧帽弁 ル口面積 icm2) 喫入圧 収縮期圧 拡張期圧 平均圧 心 係 数 iL/min/m2) (dynes・sec−cm−5) 正常換気様式 mean @(N群) SD @ number 13.54 Q.98 P4 32.64 U.07 P4 13.64 R.50 P4 20.86 S.04 P4 5.86 P.76 P4 3.07 O.73 P4 397.2 P51.9 P4 151.5 W5.1 P4 9.17 S.03 P1 1.23 O.43 P1 肋骨系優勢型 m @換気様式 SD (R群) n 21.18 V.67 P7 W零零 48.88 P5.20 P7 囈J寧 22.88 V.41 P7 。掌事 33.71 P0.66 P7 J寧嘔 7.41 R.76 P7 2.64 O.63 P6 688.8 Q68.7 P6 J寧癖 228.1 P39.7 P6 14.81 U.66 P7 J 0.86 O.35 P6 奇異換気様式 m @(P群) SD @ n 27.00 U.78 U零■喰 60.50 P0.71 U亭寧串 30.33 W.09 U掌榊△ 40.83 X.50 U購掌寧 6.42 R.31 U 2.68 O.53 U 867.7 Q98.6 @6 H阜零 272.8 P47.1 @6 21.18 T.84 U牌零△ 0.63 O.15 U癖噛馳 meanまたはm;平均値, SD;標準偏差, numberまたはn;検査症例数 “∼寧韓 G正常群(N群)に対して有意差あり;一p〈0.05,韓=p<0.01,““』p〈0.001(t検定) △;肋骨系優勢群に対して有意差あり;△=p〈0.05(t検定) 表4 各換気様式群の呼吸機能の比較 呼吸機能 データー 血液ガス分析 Flow− O拍me曲線 拡 散 能 残気率 全肺気量 換気様式群 PaO2 immHg) AaDo2immHg) %V50i%) %DLcO@(%) DLcO/VA高戟^min/㎜Hg/L RV/TLC@(%) %TLCi%)
mean 9L40 11.60 75.1 95.3 5.65 50.4 1253 正常換気様式 SD 7.68 5.11 19.9 13.0 1.02 6.0 9.0 (N群) number 14 14 14 6 6 7 7
m
84.67 15.73 62.6 83.7 5.31 49.6 111.4 肋骨系優勢型 SD 9.70 7.31 24.0 7.3 O.42 6.5 12.3 換気様式 (R群) n 17 17 16 8 8 8 8 8 串m
8420 24.33 48.8 69.0 4.82 54.0 115.2 奇異換気様式 SD 4.67 5.05 17.9 9.9 0.39 4.2 10.6 (P群) n 6 6 6 3 3 3 2 掌 8準零 皐8 寧88 meanまたはm;平均値, SD;標準偏差, numberまたはn;検査症例数 回∼寧韓 G正常群(N群)に対して有意差あり;“=p<0.05,榊=p<0.01,事韓=p<0.001(t検定)猛
正常型 中間型 図8 肺血流分布様式 ggmTc MAAの坐位注入によるデジタル肺血流像(DPI) 上肺野型表5 換気様式と肺血流分布様式の関係 肺虚血箪 ● ● ? ● ? ● ● ● ?● 流 中 ェ 間 z 型 ● ●● ● ● 様 正
@常
ョ 型 ● ● ? ● ? ● 群N
R P 換気様式 正常型 肋骨系優勢型 奇異型 にある上肺野型,両者の中間型の3型に分類し, 各症例ごとの結果を表1に示した.肺血流分布様 式と換気様式との関係を表5に示す.N群は正常 血流分布型が多く,P群は上肺野型が多く,R群も ほぼ同様の傾向が認められた, 考 察 1.結果の総括 1)MSにおける立位安静時の換気様式は,正常 換気様式(N群;14例,38%)の他に,肋骨系優 勢型換気様式(R群;17例,46%)および奇異換 気様式(P群;6例,16%)の異常換気様式が出現 することが,K・Mダイアグラムにて確認された. さらに単純な用手的換気様式評価法による,肋骨 系優勢型および奇異換気様式を含めた広義の肋骨 系優勢型換気様式の検出能は,約81%と高率(表 2)であった。 2)異常換気様式群(R群,P群)は,正常換気 様式群に比して,僧帽弁弁口面積は狭く,肺動脈 襖入圧,同平均圧等は高く,全肺血管抵抗も高値 を示したことより,正常換気様式群に対し有意差 をもって,肺循環動態の重症化が考えられた. 3)MSの呼吸機能障害は, Batesらの報告2)以 来,末梢気道領域の閉塞性障害1)∼3)および拡散機 能障害1>3)などが報告されて来た4)5).異常換気様式 群の内,肋骨系優勢型換気様式群では,%DLcoの 低下から拡散障害がみられ,その病因として,肺 動脈襖入圧,肺動脈平均圧,全肺血管抵抗の高値 であることによって招来される肺間質の浮腫およ び血管周囲浮腫等が考えられる.一方奇異換気様 式群では,拡散障害にさらに%V50の低下で示さ れる末梢気道領域の閉塞性障害も共存し,より高 度の呼吸機能障害がみられた.以上,異常換気様 式群は,肺循環動態のみな:らず,呼吸機能面でも, 正常換気様式群に比べて重症であるといえる. 4)MSにみる肺血流分布異常の報告も散見さ れ,重症例では,高血流分布領域が上肺野へ移行 する傾向にあることが知られている’5)∼17).本研究 において異常換気様式群に肺血流分布の上肺野移 行傾向が強かったことは,異常換気様式群の肺動 脈圧,肺血管抵抗が高値であるため,この肺循環 動態に対応した肺血流分布であると考えられる. 2.僧帽弁狭窄症にみる異常換気様式の意義 慢性閉塞性肺疾患(COPD)における異常換気様 式は,古くはHoover sign6)として知られており, 近年Sharp7), Ashutosh8>および米沢9)らにより報 告され,その要因として肺気量増加および横隔膜 筋力弱化(呼吸筋不全13)14))が挙げられている.し かしMSにおいては,表4に示すごとく肺気量の 増加も認められず,さらに呼吸筋不全の主要な病 因の1つとされる心拍出:量(心係数)の低下も, 表3に示すごとく各換気様式群問に有意差を認め ず,MSとCOPDでは異常換気様式の出現メカニ ズムが異なるものと考えられる. 一方肋骨系優勢型換気様式はFixleyら18)や他 の報告19}によれぽ,上肺野の換気量の増加を招来 する換気様式であることが,133Xeガスの吸入に よる肺患ガス分布の測定から認められている.こ れゆえ,本研究においてMSでの換気様式が,重 症例ほど呼吸補助筋を充分活用した肋骨系優勢型 を示したことは,上肺野へのガス分布の増加を示 唆するものであり,Dawson20)およびJebavy2Pの 報告とも一致している. さらにこれらの異常換気様式群にみる血流分布 が上肺野に多いことは,換気。血流のマヅチング から,異常換気様式は,生体の有する呼吸補助筋 の代償機能として,有用な換気様式といえよう. 事実MSで左房(LA)圧が上昇した場合,図9 に示すごとく,上肺野の血液がgravitational上肺野 PV
中肺野
重 力 PV A1 C A2 C 下肺野獄1
T LA:左房, PV:肺静脈, C:肺毛細血管 へA2 A3;肺胞, T:気道 図9 肺静脈系および末梢気道に及ぼす重力の影響 (MSにおける左房圧上昇時) effectにより高圧のLA内へより流入しやすく, これが高血流域が上肺野に移行する要因の1つと 考えられる.一方高しA圧により上昇した肺静脈 圧によって招来される肺うっ血は,gravitational effectにより下肺野により高度に招来され,下肺 野の末梢気道領域の閉塞性障害22剛)およびコン プライアンスの低下20)がより高度であることも知 られている.これらのMSによる肺循環動態および呼吸機
能面より,上肺野への換、気の増加は,当然肺内に おける換気・血流のミスマッチを改善する効果を 有すると考えられる.よってこれに対応する呼吸 補助筋の最:大限の作動の結果招来される肋骨系優 勢型換気様式および奇異換気様式は,MSにみる 肺高血圧に対する生体の代償反応と言えよう. 結 論 ユ.僧帽弁狭窄症では,正常換気様式の他,呼吸 補助筋の作動による肋骨弓優勢型および奇異換気 様式の異常換気様式の出現が,K−Mダイアグラム により確認された.これらは,簡単な用手的換気 様式評価法1こよっても,広義の肋骨系優勢型換気 様式として,高率に検出可能であった. 2.異常換気様式の症例群は,正常換気様式群と 比較して,肺動脈圧,肺血管抵抗が有意差をもっ て高値を示し,肺循環動態が重症にある傾向に あった. 3.異常換気様式の症例群の肺血流分布は,高血 流域が上肺野に移行する傾向にあった.一方この 異常換気様式群の肺内ガス分布も上肺野に優位で あることも知られ,これらは換気・血流のミスマッ チの是正に有効な換気様式と考えられ,それは生 体の代償機構により招来されると考えられた. 4.僧帽弁狭窄症において,肺高血圧,高詠血管 抵抗の合併を示唆しうる臨床的徴候としての異常 換気様式と,これを高率に検出しうる簡便な用手 的換気様式評価法を提唱した. 稿を終えるにあたり,御指導と御校閲をいただいた 広沢弘七郎教授に深謝申し上げるとともに,御指導御 教示いただいた金野公郎教授に厚く御礼申し上げま す.また御協力下さった肺機能検査室の渡部啓子殿, 広沢正則殿に,心から謝意を表します.また御指導お よび御協力下さった心研の各先生および心カテーテ ル室,心界肝機能検査室の各技師の方々に心から謝意 を表します. 文 献 1)川越康博,金野公郎,木全心一ほか:心不全の呼 吸障害(僧帽弁㊧呼吸機能障害を中心に).臨床医 12:1972−1975, 19862)Kawagoe Y, Konno K, Kimata S et al:
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