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能登における脳卒中地域連携

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Academic year: 2021

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(1)

1 能登脳卒中地域連携協議会 パス管理病院管理局 (恵寿総合病院) Email:nntk@keiju.co.jp

データベース解析

Ver. 5.1

(2008年~2015年)

2018年1月

(2)

は じ め に

 日頃から、能登脳卒中地域連携協議会の活動にご理解ご協力を賜り、誠に 有難うございます。  本協議会では発足当初から、脳卒中地域連携パスの全症例登録を目標と し、パスから抽出したデータをデータベース化する事業を行なってきました。  このたび、2014、2015年のデータを追加して 2008~2015 の8年間のデー タ解析がまとまり、Ver. 5.1 として開示いたします。今後も順次解析結果を 追加していく予定です。  この解析結果により、能登地域の脳卒中疾病構造の理解が深まり、多方面 で基礎データとして活用され、患者さんへの貢献に繋がることを期待して おります。  また、ご意見ご要望等がありましたら是非お寄せいただきますようお願い申し 上げます。 2018年1月

(3)

3

目 次

表紙 1 はじめに 2 目次 3 データベースの解析 1.対象・方法・解析項目 4 2.登録率 6 3.発症率と発症件数 9 4.発症の季節性 14 5.年齢 18 6.性差 26 7.病型 31 8.初診時重症度(NIHSS) 38 9.危険因子(入院時評価) 43 10.入院中合併症 48 11.退院時加療中疾患 53 12.治療 56 13.栄養状態 64 14.転帰(FIMの変化) 76 15.まとめ 88

(4)

1.対象・方法

2008.7.1~2016.6.30 の

8年間

能登で脳卒中を発症して入院した

6,455

症例

そのうちパス登録した、

5,353症例

発症率、登録率、疾病構造等を解析し、経年変化や

全国データとの比較について検討した。

(5)

5

患者背景

病型 全体 男性 女性 件数 平均年齢 件数 平均年齢 件数 平均年齢 脳梗塞 3,718 77.2 2,053 74.0 1,665 81.1 脳内出血 1,080 73.3 586 70.2 494 77.0 クモ膜下出血 358 68.8 99 63.7 259 70.7 その他 197 72.6 128 70.9 69 75.7 計 5,353 75.7 2,866 72.8 2,487 79.1

(6)
(7)

登録率の推移

(8)

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 A病院 94.9 87.5 97.3 100.0 97.7 93.9 85.9 86.9 B病院 97.2 95.6 97.4 100.0 99.6 99.6 98.4 80.8 C病院 98.9 100.0 96.7 99.3 99.1 88.3 99.2 82.3 D病院 80.0 100.0 97.6 89.2 91.8 100.0 98.4 87.3 E病院 5.7 0.0 11.0 76.6 91.5 69.3 80.5 75.8 F病院 90.9 93.8 100.0 63.6 60.0 66.7 100.0 90.0 G病院 4.0 35.7 36.0 31.6 35.3 18.2 21.1 4.2 H病院 66.7 12.8 3.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 I病院 35.7 0.0 100.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 J病院 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

81.0 77.1 80.5 88.6 87.1 80.5 85.1 81.5

施設別の登録率

(9)

9

3.発症数と発症率

(10)

脳卒中発症数( 2015年 新規入院数)(/年)

珠洲市総合病院:113 公立宇出津総合病院:24 公立羽咋病院:91 恵寿総合病院:236 能登総合病院:261 町立富来病院:10 市立輪島病院:63 公立穴水総合病院:7 七尾病院:0 宝達志水病院:10

(11)

11

発症(登録)件数の推移

(12)

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

脳梗塞

193

212

219

239

242

232

223

脳内出血

56

63

62

64

60

70

69

クモ膜下出血

22

21

23

18

24

22

20

脳卒中

284

304

325

333

335

334

321

能登の実測発症率の推移

(人口10万人当たり)

能登の推定発症率は320~330台で推移している

*厳密な意味では病型別の発症率に若干の推定が入っている

(13)

年 地域 人口 発症数 発症率 2015 能登 202,762 815

402

2015 全国 126,597,000 329,055*

260

2015 石川県 1,157,685 2,959*

254

2015 金沢市 453,417 1,196*

265

能登と他地域との発症率の比較

能登の発症率は、全国と金沢市の約1.5倍

*以下の参考資料を基に推定: http://www.stroke-project. com/、脳卒中データバンク2015、 http://www.pref.ishikawa.lg.jp/sichousien/tihou_jukijinkou.html ※ 能登地域は実測発症数、その他の地域は推定発症数

(14)
(15)

月別1日当たり発症数(脳卒中全体)

脳卒中全体では、4月に発症が多く、8月に少ない傾向がある。

(16)

脳梗塞、脳内出血は、7、8月に発症が少ない。 くも膜下出血は、3月に多く、6月に少ない。

(17)

月別1日当たり発症数(脳梗塞サブタイプ別)

ラクナは11、12月に少ない。アテロームは1月に多く12月に少ない。 心原性は2月に多く、7月に少ない傾向がある。

(18)
(19)

性別平均年齢の推移

19

(20)

平均75歳で発症する。男性より女性が高齢。

(21)

21

脳内出血部位別平均年齢

(22)

病型別年齢分布

脳梗塞、脳内出血では80歳台に発症のピークを認める。 クモ膜下出血の発症ピークは60歳代と80歳代の2回ある。 脳梗塞 (n=3718) 脳内出血 (n=1080) その他 (n=197) クモ膜下出血 (n=358)

(23)

23

脳梗塞サブタイプ別年齢分布

脳梗塞の全サブタイプで80歳台に発症のピークを認める。 ラクナ梗塞 (n=1163) アテローム (n=1263) 心原性 (n=961) 病型不明 (n=331)

(24)

脳内出血の部位別年齢分布

被殻、視床は、2回発症年齢のピークがある。 被殻は他と比較して、発症年齢のピークが低い。 視床 (n=315) 皮質下 (n=162) 小脳 (n=81) 脳幹 (n=64) 被殻 (n=357)

(25)

脳内出血の部位別年齢分布

(脳卒中データバンク2005より) 90 40 50 60 70 80 年齢(歳)

年齢階級別分布を全国と比較すると、能登では発症年齢のピークが遅い。 n=736

(26)
(27)

27

(28)

病型別性差

脳梗塞、脳内出血は男性が多い。

(29)

29

脳梗塞サブタイプ別性差

(30)

脳内出血部位別性差

(31)

31

7.病 型

(32)

脳卒中の病型別頻度

能登は全国と比較して出血性疾患が多い傾向にある。 *全国データは、脳卒中データバンク 2015 p19 を参考にした

(33)

33

病型別頻度(年次推移)

(34)

34

脳梗塞サブタイプ別頻度

能登は全国と比較してアテロームが多い。

(35)

35

脳梗塞サブタイプ頻度(年次推移)

(36)

36

脳内出血の部位別頻度

能登は全国と比較して皮質下、小脳、脳幹が少ない。 *全国データは、脳卒中データバンク 2015 p133 を参考にした

(37)

37

脳内出血の部位別頻度(年次推移)

(38)
(39)

39

病型別入院時NIHSS

(40)

病型別入院時NIHSS

(41)

41

脳内出血の部位別入院時NIHSS

(42)

転帰別入院時NIHSS

(43)

43

(44)

脳卒中の危険因子内訳(入院時)

高血圧、糖尿病、脂質異常症の順に割合が多い

(45)

45

危険因子数(入院時)

危険因子を持たない患者は16.2%に過ぎなかった。

脳卒中発症者の多くは1個以上の危険因子を有していた。

(46)

病型別の危険因子割合

(47)

47

高血圧、糖尿病、脂質異常症の割合が高い

(48)
(49)

49

合併症の発症率

肺炎、尿路感染の発症割合が高い

(50)

合併症発症数

合併症を発症しない割合は、85.2%であった。

(51)

51

病型別の合併症発症割合

(52)

心原性脳塞栓症で、肺炎と尿路感染の発症割合が高い

(53)

53

(54)

退院時に加療が必要だった併発症

併発症のない患者は約3割、高血圧は5割、糖尿病・脂質異常症は2割弱 に加療が認められた。

(55)

病型別退院時に加療が必要だった併発症

55

(56)
(57)

57

t-PA 治療の件数

2012~2015

脳梗塞に対する t-PA 実施割合は、2~3%であった。 2015年のみ 6.4%と高率であった。 年度 ラクナ アテローム 心原性 分類不能 合計 t-PA 実施件数 年間 脳梗塞 件数 脳梗塞に 対する 実施割合 (%) 2009

0

1

7

7

15

437

3.4

2010

0

3

8

1

12

437

2.7

2011

0

3

5

3

11

470

2.3

2012

1

2

6

6

15

526

2.8

2013

0

3

6

3

12

527

2.3

2014

1

3

9

1

14

480

2.9

2015

1

10

17

2

30

470

6.4

(58)

脳梗塞の治療(点滴)

2012~2015

(59)

59

(60)

脳梗塞の治療(内服薬)

2012~2015

n=1947

抗血小板薬では、アスピリンとクロピドグレルが多く使用されていた。 抗凝固薬では、ワーファリンが多く使用されていた。

(61)

61

脳梗塞サブタイプ別の治療(内服薬)

2012~2015

アスピリンは分類不能群で、シロスタゾールはアテロームとラクナで、クロピドグレルは

(62)

高血圧性脳内出血の治療

2012~2015

保存的加療 :

94.7%

(268/523)

(63)

63

クモ膜下出血の治療

2012~2015

• クリッピング術 :

42.4%

(141/332)

(64)
(65)

65

入院時の体型

入院時、普通体重が6割、肥満は2割弱、

n=3031

分類 判定 BMI (kg/㎡) 肥満 25.0 以上 普通体重 18.5 – 24.9 低体重 18.4 以下

(66)

体型分類別のBMIの変化

入院後、すべての分類でBMI(体重)は減少する。 *p<0.001 平均入院日数 62.1 ± 72.8 日 * * *

(67)

67

病型別のBMIの変化

入院後、すべての病型でBMI(体重)は減少する *p<0.001。 特に、脳出血と、クモ膜下出血の減少が大きい。 * * * 平均入院日数 62.3 ± 72.2 日

(68)

病型別のAlb値の変化

入院後、すべての病型でAlb値は減少する *p<0.001。 特に、脳出血と、クモ膜下出血の減少が大きい。 * * * 平均入院日数 75.4 ± 75.5 日

(69)

Geriatric Nutritional Risk Index;GNRI 高齢者の栄養リスクを判定する指標 14.89 ×血清アルブミン値(g/dL)+ 41.7 ×(現体重〈kg〉/ 理想体重〈kg〉) 92未満を低栄養とした 69

病型別低栄養患者の割合の変化

高齢者(65歳以上)は入院後、すべての病型で低栄養患者が増加する。 p<0.001 平均入院日数 76.7 ± 73.5 日 * * *

(70)

入院後の栄養状態変化と合併症の発症率

高齢者は入院中に栄養状態が低下すると、入院中の合併症の 発症率は約2倍。 ここでいう合併症とは、肺炎、尿路感染、褥瘡 平均入院日数 77.4 ± 75.2 日

(71)

71

退院時の栄養状態と入院中合併症の関連

退院時の栄養状態が悪い患者は入院中の合併症の割合が高く なる傾向にあった。

(72)

72

疾患別の絶食期間

ラクナ (n=138) アテローム (n=124) 心原性 (n=98) 脳出血 (n=108) クモ膜下出血 (n=40) 平均 (n=508) 絶食期間は、ラクナ>アテローム>心原性>脳内出血>SAHの順に長い。 ※ ここでいう絶食期間とは、『入院翌日から経口摂取・経腸栄養前日までの日数』と定義した。

(73)

73

病型別の経口摂取割合の変化

退院時には、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血で 経口摂取「可」の割合が増加する。

(74)

74

退院後の経口摂取割合の変化

脳出血とクモ膜下出血では、退院後、 経口摂取「可」の割合が増加する。

(75)

75

病型別の退院時投与エネルギー量

退院時の投与エネルギー量は1400~1500kcal/日である。 (体重当たり換算 27.0~28.6kcal/日) 1500 kcal 27.0kcal/㎏/日 1422 kcal 27.6 kcal/㎏/日 1468 kcal 28.6 kcal/㎏/日

(76)
(77)

77

病型別FIMの変化(開始時、退院時)

リハビリテーション開始時のFIMは、脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血の順に高い。 平均のFIM利得は、クモ膜下出血、脳内出血、脳梗塞の順に高い。

(78)

脳梗塞サブタイプ別FIMの変化(開始時、退院時)

リハビリテーション開始時のFIMは、ラクナ、アテローム、心原性の順に高い。 平均のFIM利得は、サブタイプ別でほぼ同程度。

(79)

79

脳内出血の部位別FIMの変化(開始時、退院時)

リハビリテーション開始時のFIMは、視床出血が最も低い。 平均のFIM利得は、被殻出血が最も高い。

(80)

n=5,284

自宅

62%

(81)

81

病型別転帰先

自宅退院の割合は、脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血の順で高い。 死亡の割合は、クモ膜下出血、脳内出血、脳梗塞の順で高い。

(82)

82

脳梗塞サブタイプ別転帰先

自宅退院の割合は、ラクナ、アテローム、心原性の順で高い。 死亡の割合は、心原性、アテローム、ラクナの順で高い。

(83)

83

脳内出血部位別転帰先

自宅退院の割合は、皮質下、被殻、小脳、視床、脳幹の順で高い。 死亡の割合は、脳幹、小脳、被殻、皮質下、視床の順で高い。

(84)

病型別入院日数

(85)

85

サブタイプ別入院日数

(86)

脳内出血部位別入院日数

(87)

87

生活期(維持期)での障害老人 日常生活自立度の変化

-退院後3ヶ月時点での変化(退院時との比較)-3人に1人は退院3ヵ月後でもADLに変化(悪化、改善)がみられる 年度 不 変 悪 化 改 善 症例数 2008 108 36 38 182 2009 99 25 38 162 2010 112 24 29 165 2011 89 34 25 148 2012 83 16 30 129 2013 81 28 15 124 2014 70 31 20 121 2015 69 22 19 110 2016 711(62.3%) 216(18.9%) 214(18.8%) 1,141(100%)

(88)
(89)

89

ま と め ①

 パスの登録率は、ほぼ

80%台

で推移している。  能登の脳卒中発症率は、高齢化率を反映して都市部の

1.5倍

である。  脳卒中の発症には季節性がある(4月は8月より

0.5件/日

多い)。  能登は全国と比較して、脳出血とクモ膜下出血が多い。  病型・脳梗塞サブタイプによって、年齢、神経学的重症度、栄養状態、 ADL(FIM)、最終転帰、などに特徴が認められる

(90)

ま と め ②

 地域連携パスをデータベース化することで、 ・地域の脳卒中の疾病構造把握 ・全国との比較 ・経年的変化の把握・分析が可能であった。  多方面での基礎データとしてその意義は大きいと思われる。

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