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加 齢 黄 斑 変 性 症 2 週 目 (10 月 9 日 放 送 分 ) まだあまり 聞 きなれない 病 名 であるかもしれませんが 欧 米 では 失 明 原 因 の 第 1 位 となっている 疾 患 であり 日 本 でもこの 20 年 の 間 に 2 倍 以 上 の 速 さで 増 加 しているこ

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Academic year: 2021

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眼圧と正常(低)眼圧緑内障について 1週目(10月2日 放送分) 眼の圧力と書いて「眼圧」と読んでいますが、正常な眼圧は20mmHg 前後ま でと一般的には考えられてきました。そして、かつてはその「眼圧」が高くな る病気が緑内障と理解されていました。 しかし、眼科においては以前より「眼圧」は高くないのに緑内障と同様な視 野障害が進行する疾患、いわゆる正常(低)眼圧緑内障と呼んできました。 ところが、日本の40 歳以上の約 4000 人のある市民を対象に行われた検診調 査の結果、正常(低)眼圧緑内障の有病率が 4%近く存在する事実がわかり、これ は従来よく知られた緑内障(原発閉塞隅角緑内障:1.1%、原発開放隅角緑内障: 0.3%など)よりもはるかに多いことになり、緑内障がわが国における失明疾患 の2 位(報告によれば 1 位)の実態であることをあわせて考えると、大変専門 家を驚かせることになりました。 問題は、これは検診で始めてわかった結果であり、ほとんどの人が無症状で 経過していたという事実です。後になってみるとなんとなく眼が重い(眼重感)、 疲れ易かったなどの軽い症状を訴える人がいたとしても、実際に視野が狭くな ったと自覚するまでにはすでに3 年 5 年と月日がたっており、かなり症状が進 行してしまっていることになります。 一方、治療に関しては、この 10 年あまりで点眼治療の選択が大幅に充実し、 手術治療もよく研究報告されてきていますので、早期発見をして治療を開始で きれば、視野の障害を防ぎ、良好なコントロールができるようになっていると 思います。 そうしますと、この疾患の治療に求められることは、この疾患の理解と啓蒙、 定期健診の充実、それも現状の定期健診より一歩踏み込んだ検診のあり方を考 えていかなければなりません。

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加齢黄斑変性症 2週目(10月9日 放送分) まだあまり聞きなれない病名であるかもしれませんが、欧米では失明原因の 第1 位となっている疾患であり、日本でもこの 20 年の間に 2 倍以上の速さで増 加していることから、将来間違いなく失明原因ランキングに入ってくることが 予想されています。 もちろん日本でも以前から知られてはいる病名ではありました。しかし、比 較的少ない疾患でありましたし、病名の通り加齢に伴う非可逆性の変化として 扱われてきました。ところが、日本人の高齢化とおそらくは食事の欧米化に伴 って増加してきたと思われます。 「黄斑」とは、網膜中心部であり、画像が結像する場所、すなわち、視力に とっては最も重要な部分です。その部分が「変性」するとは、機能低下から機 能停止してしまうということで、最終的には一番見たい視野の中心部分が欠け てしまう、つまり読みたい文字が読めないことになってしまいます。 原因は先に述べたとおり、加齢と栄養の関係が中心ですが、特にレシチンと 呼ばれる抗酸化ビタミンの不足との関係が深いことが分かっています。加えて、 紫外線の影響、喫煙との関連、ストレスなどが複合して原因となっているよう です。 症状は、いきなり中心視野障害が自覚されるのではなく、最初は歪視症、変 視症と言って、物が歪んだり曲がって見える、あるいは中心がかすむ、薄く見 えるなどの症状のことが多いのですが、眼底の定期検査でその前駆症状となり うる状態が見つかることもありますので、そうしますと、眼科専門医への定期 眼底検査が最も早く治療を開始できることになるようです。 治療はレーザーを用いる方法などが行われますが、原因から考えますと、む しろ予防が重要になってくるようです。つまり、早くから栄養に対しての管理 を怠らないこと、日頃の食生活を鑑みて、一度主治医と相談してその予防とし てのサプリメントの服用を開始することをお勧めします。

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糖尿病網膜症 3週目(10月16日 放送分) 糖尿病網膜症は、その名の通り「糖尿病」に合併する網膜症を総称しており、 わが国では失明疾患の第一位となって久しい疾患です。 糖尿病網膜症の最初の症状は、出血に伴う視力低下であることが多いのです が、実はその時点でのステージは増殖期と言われる網膜の正常な機能を著しく 落としてしまっている状態が多く、外来治療ではすでに手に負えないことが多 いのが問題です。 ところが、実際には糖尿病網膜症の出血は、単純型と呼ばれる小さな点状の 出血から始まることが多く、これが毛細血管レベルの出血であることより、こ の時期にはなんら自覚症状がありません。 したがって、糖尿病網膜症発症の治療と予防には、糖尿病の発症そのときか ら定期的に眼底検査を行う必要があります。 ところで、糖尿病の 3 大合併症である「糖尿病腎症」「糖尿病神経障害」「糖 尿病網膜症」のいずれも糖尿病と同時に発症するものではありません。そして、 それぞれ専門科による治療が必要となる状態です。糖尿病網膜症の発症や経過 が糖尿病のコントロールに大いに影響されることが明らかになっていますから、 眼科医にとっても各専門医との情報交換がうまくできなければ当然適切な視力 管理は実現できません。 そんなこともあって、十数年前に「糖尿病眼学会」が立ち上げられ、眼科だ けでなく関連する診療科全体で広く糖尿病と糖尿病合併症全体を見ていく目的 で形成され、多くの成果が報告されてきています。その中の一つとして従来よ り利用されてきた「糖尿病手帳」に加えて「糖尿病眼手帳」の無料配布があり ます。2つの手帳を1つにまとめて携帯することにより、糖尿病を管理する内 科医と、合併症を管理する眼科医との連絡を密にすることに役立っています。 是非活用していただきたいと思います。 実際に「糖尿病網膜症」の治療法のこつは、一番に良好な糖尿病のコントロ ール、次に定期的な眼科医の受診による網膜症の早期発見とレーザー治療施行 のタイミングだと思います。

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日帰り白内障手術 4週目(10月23日 放送分) 手術手技や手術機器の発達により、今では白内障手術が日帰りで可能になり ました。 それでは、実際にその手術時期についてどう考えれば良いのか?よく質問を 受けますのでその目安についてお話したいと思います。 まず、日頃から白内障進行の経過をお近くの眼科の先生に見ていただいてお くことは重要です。白内障は目の中のレンズが濁ってしまう状態ですから、進 行してしまうと眼底がよく見えなくなり、大切な網膜疾患の有無を見つけてお くことができません。いくら術前検査装置が発達しましても、私たち眼科医が 事前より普段から眼底を拝見させて頂いておくことが何よりも術後予後を占う 最良の方法です。 次に手術の時期は視力だけでは決まらないということです。0.4 前後が一般的 文化生活に必要な視力であるという目安はあるものの、0.01 でも特に不自由を 訴えず、せっせと毎月通ってみえるおばあちゃんが私のところにもお見えにな りますし、反対に、0.7 でもお仕事の第一線で運転業務をしていらっしゃる方に とっては、運転免許が取れないことは死活問題です。このように手術の時期は、 その方々の生活の内容とレベルによって、その不便さは異なり、したがって手 術時期も異なってくるということです。 最後に、誰もが日帰り白内障手術が可能であるかという点ですが、一言で言 えば、現代ではたいていの方に日帰り手術が可能であると言えると思います。 しかし、入院手術にも良い点があります。基本的に私は、「術後ゆっくり安心し て夜お休みになれるのはどちらの方法ですか?」と聞きますと、たいがいの方 が日帰り手術を希望されます。しかし、ご本人の体の事情(全身状態と合併症、 生活・睡眠・歩行、家族や家庭の事情など)は色々ですから、特に内科で多く の投薬を受けておみえになる方などは、主治医にご相談された上でお決めにな られたらよろしいと思います。

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飛蚊症と網膜剥離 5週目(10月30日 放送分) 蚊が飛ぶ症状と書いて、「飛蚊症」(ひぶんしょう)と呼んでいますが、「ひかし ょう」とは何ですか?と聞かれることもあり、まだまだ知られていない症状な のかもしれません。 この症状は書いて字の如く、「手で払おうとしても払えない、蚊が飛んでいる ように見える症状」なのですが、実は、ほとんどの裂孔原性網膜剥離を起こし た患者さんの前駆症状として現れることで知られています。 ただし、「飛蚊症」の全部が網膜剥離の前駆症状であるという意味ではありま せん。むしろそのほとんどは加齢性の硝子体混濁であることが多く、これは視 力低下の原因にはなりません。 しかし、もし「飛蚊症」の原因が網膜裂孔の破片であった場合には、数日か ら数週間のうちに網膜剥離を起こしてくると考えなくてはなりません。 お分かりになったでしょうか?網膜が剥がれてくるということは、その部分 から見えなくなるということを意味しますので、まるで、「カーテンが降りてく るように見えなくなった。」とよく表現されます。 速やかに入院手術を行えば、視力の回復の予後は良好ですが、状態によって は何日もうつぶせに寝ていなくてはならなかったり、1 ヶ月以上入院しなくては ならない場合もあります。 この網膜に穴が開く原因はいくつか考えられますが、穴が開かないようにす る方法はこれといってありません。しかし、穴が開いても剥がれてくる前のレ ーザー光凝固治療は有効です。これも手術に入りますが、外来での通院治療で できることが大きなメリットです。穴(裂孔)は、通常網膜赤道部と呼ばれる網膜 周辺部にできることが多いので、それ自体は視力が低下したり、視野が狭くな ったりすることはありません。症状は「飛蚊症」だけなのです。ですから、こ の時点で裂孔を発見し、周辺をレーザーで焼き付けることによって、網膜の裏 側に水分が流れ込んで剥がれてくるのを塞き止めようというわけです。網膜を 引っ張る力が他にある場合は結局入院手術が必要ですが、多くの症例で剥離を 防ぐことができるのも事実です。 その意味で裂孔による「飛蚊症」は、早期発見早期治療が網膜剥離を防ぐ重 要な症状であるわけです。

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