音楽鑑賞会を生かした「鑑賞」活動
一小学校4年生の実践を例として一
昔山 夕夏 (音楽教育講座) 760−8522 高松市幸町1−1 香川大学教育学部OntheSignificanceofLivePerformancesfor“Appreciation’’
ActivityofMusicatElementarySchool:
A CaseStudyonthePracticeofthe4thGrader
YukaAoyama
劫c〟砂q′且ゐc(7′わ乃,&智αWαU〝れ℃柑砂,ノーノ,5b加α∼−C/zo,乃血J∽d助7∂0一β∫22 要 旨 筆者はこれまで,演奏者の立場で音楽鑑賞会に関わってきたが,その経験を通して 次第に様々な課題に気づくようになった。 今回,高松市立二番丁/ト学校での音楽鑑賞会の機 会を得て,それらの課題の解決を試みた。鑑賞会終了後に実施した児童のワークシートの内 容分析から興味深い結果を得た。ノト学校中学年の3年生と4年生の間に,特に鑑賞のしかた (聴き方)に違いが見られた(鑑賞のしかたが楽器個々の音から,音の重なりを聴くことに発 展し,合奏に注目し始める様子など)。本論文では,そうした鑑賞のしかた(聴き方)の伸展 を踏まえて,音楽鑑賞会の後日に行った4年生の「音楽」の時間の実践を報告する。また,音 楽鑑賞会と「音楽」の授業との連携を図った,この試みを通じて得た考察を記す。 キーワード 音楽鑑賞会,中学年,鑑貴,音楽,4年生 0.●はじめに 本研究は,筆者がこれまで音楽鑑賞会に演奏 者として関わり,さまざまな課題に気づくこと から出発した。中でも重要に感じられたのは, 音楽鑑賞会を「音楽」の授業でいかに活用してい くのかという課題である。ふつう音楽鑑賞会は 教科としての「音楽」とは別に,学校行事の一つ として実施されることが多い。しかし,たとえ そうであっても,それは「音楽」学習活動の一環 としてさらに機能する潜在性を有している。そ こで,音楽鑑賞会をより有機的かつ密接に「音 楽」の授業と結びつけ,授業の中に生かす方策 が必要であると考えられた。 一方,学校の「音楽」の授業の中で実際の音を 聴かせる効果や実際の演奏の持つ意義の大きさ は指摘され続けている1。「鑑賞」と「表現」とは, 学習指導要領「音楽」の二大領域であり,それら の活動を通して「音楽を愛好する心情と音楽に 対する感性を育てるとともに,音楽活動の基礎 1村澤由利子,吉見隆史(2004)p.142り,音楽鑑賞会と「音楽」の授業の密接な連携を 図った。 前年度の音楽鑑賞会の際のワークシートの分 析で得られた興味深い結果については,「′ト学 校の音楽鑑賞会にみる3年生と4年生の『鑑賞』 の質的違い」4ですでに報告した。本論文は,そ の結果を受けて行った授業活動の報告である。 4年生の「音楽」の時間に,音楽鑑賞会と関わり のある活動を行うことによって,「鑑賞」と「表 現」の両面において,「音楽」の時間に発展性あ る内容を盛り込むことを目的としたものであ る。
Ⅰ.音楽鑑賞会後の活動の実践
ト1.音楽毒監賞会のワークシートの分析結果 本節では,前稿で報告したワークシートの分 析結果を簡単に振り返る。 学校側の希望により,音楽鑑賞会は全学年 参加のもとに行った5。その後に行ったワーク シートは,(1)感想(2)質問の2項目で構成さ れ,各項目は自由記述とした。記述の内容分析 を行った結果,いずれの項目でも,中学年(学 習指導要領の学年の枠組みに従う)の3年生と 4年生の学年間に興味深い違いが見られた。そ の時徽をまとめると以下の4点になる(表1)。 A.興味の中心 的な能力を培い,豊か別育操を養う」ことが「音 楽」の目標となっている。音楽鑑賞会を「音楽」 における「鑑賞」としてだけでなく,「表現」とも 結びつけた活動はできないかという点も同時に 課題となってくる。 子供たちの「音楽」の学習活動は,「音楽の鑑 賞活動にはじまり鑑賞活動に終るといっても, 過言ではない」2といわれている。すなわち「鑑 糞」(Appreciation)とは,「もともと歌うことや 楽器を演奏すること,音楽をつくることや音楽 を聴くことといった,すべての音楽活動の根底 となりかかわるもの」であり,学習活動におい ては,「子どもたちが主体的に音楽を理解して その実しさを享受する営み」として「鑑賞」を位 置づける必要性が指摘ざれている3。 これまで音楽鑑賞会の研究は,直接に演奏に 携わる者の立場からはあまり行われてきていな い。今回,筆者は以上のような問題意識のもと に,小学校の中学年にあたる3年生を主な対象 とする音楽鑑賞会を平成19年2月に実施した。 そして,同年7月(対象児童は4年生に進級)に 音楽鑑賞会と関わりのある音楽活動を「音楽」の 授業時間内に計画し,実施した。前年度の音楽 鑑賞会の児童の反応を顧みつつ,ワークシート の記述内容を踏まえた上で,授業では演奏者が 音楽鑑賞会での内容を振り返り,補足し,児童 らの質問に直接答える時間を設けた。それによ (表1) 項目\学年 3年生 4年生 A.興味の中心 演奏者(人) 楽器・音楽 B.記述内容 主体的(自分が中心) 客観的 ・他者との比較 ・音楽の授業の内容やそれとの関連につ−レ、 て記述 C.質問 多様化 → i楽器の種類についてのみ・ i楽器の種類 立仕組みについて ・音の出る仕組み ・リードとは何か 道楽器の奏法 iv木管楽器とは Ⅴ曲目や作曲家 D.聴き方 個別の音の特徴を聴く傾向 音の重なりを聴く傾向 合奏への関心が生まれる 4香川大学教育実践総合研免第16号pp.91−104,2008 51年生61名 .2年生74名,3年生56名,4年生88名,5年生73 名,6年生89名の計441名を対象とした 2金本正武ほか(2006)p.142 3同上②−1,②−2)。そして,その利点が充分に発 揮できる内容を組むことを心がけた。 次に児童にとって,最も身近な楽器であるソ プラノ・リコーダーで,現在学習中の1曲を演 奏した(進行表②−3)。その上で,同じく学習 中の1曲の主題を,ソプラノ・リコーダー ,フ ルート,サクソフォーンで交互に演奏した(進 行表(乱 ⑥)。そして最後にこの3種の楽器に よる合奏曲を演奏した(進行表⑧)。演奏曲目と その楽器編成は,以下の通りである。 1.ビゼー: メヌエット「アルルの女」第2組曲から (フルート十ピアノ) 2.ビゼー: 間奏曲「アルルの女」第2組曲から (サクソフォーン+ピアノ) 3.ロジャーズ: サウンド・オブ・ミュージック 「サウンド・オブ・ミュージック」から (D(ソプラノ・リコーダー+ピアノ) ②(ソプラノ・リコーダー+ピアノ,フルー ト+ピアノ,サクソフォーン+ピアノ) 4.七瀬あゆこ/青山編: わらべうたファンタジー「ほたるこい」 (ソプラノ・リコーダー+フルート 十サクソ フォーン) 上記「(3)活動の要点(ii)」に関しては,以下 のように実施した。ここでは,音楽鑑賞会の ワークシートの分析結果(A∼Dの項目)ごとに 具体的な工夫とその結果について述べる。 A.「興味の中心」の項目に関する工夫 前年度のワークシートの分析によれば,3年 生の感想の6剖,質問の7割強が演奏者に関す るものだった。そこで,まず糸口として児童の 全員が持っており,皆が取り組んでいる楽器と してリコーダーを取り上げ,その演奏を聴くこ とにした。今回の活動には,美しい音色とテク ニックをもつ大学3年生が参加した。自分たち と年齢の近い奏者(人)を自分に身近なもの(興 味の中心)としてとらえることから出発して, 同じ楽器であるにも関わらず,いつもと違って 聴こえる楽器の音や音楽から,児童が新たなリ 3年生は演奏者=人への関心が中心だった が,4年生になると次第に音楽そのものへの 関心が見られるようになってくる。 B.記述内容 音楽鑑賞会で聴いたことと音楽の授業での学 習内容を結び付けて,気づいたり比較したり して述べられるようになってくる。 C.質問 4年生では3年生には見られないような感 想・質問が多くなる。 D.聴き方 3年生では,各楽器の個別の音の特徴を聴き 取ることが中心であるが,4年生になると, 音の重なりへと関心が移り,聴き方の伸展 や,合奏に対する興味が生まれる様子がみら れる。 Ⅰ−2.「音楽」の授業での活動計画の概容 (1)実施日と対象一 笑施日 平成19年7月10日 2校時と3校時(各45分)計2回
対象 4年生1組と2組(各30名)計60名
(2)活動の目的 前年度の音楽鑑貴会との関わりを踏まえ,さ らに楽器や演奏にふれることにより,「音楽」の 学習内容(「鑑賞」と「表現」)を発展させる活動を 行うことを目的とする。 (3)活動の要点 (i)音楽鑑賞会で聴いた楽器に間近で接し, 演奏を聴くなどの活動から音楽を体感す る。 (ii)ワークシートの分析結果(前掲A∼Dの 項目)を生かした工夫を行う。 Ⅰ−3.活動の具体的内容とその結果 上記「(3)活動の要点(i)」に掲げたように, 今回,前年度に実施した音楽鑑賞会と関連づけ た活動として重要視したのは,目前に楽器や奏 者がおり,すぐそばで演奏者が演奏することで ある。音楽鑑賞会(体育館)で聴いたフルートと サクソフォーンの楽曲を,今回は音楽室の中の 手の届きそうな距離で聴くことにした(進行表コーダーの魅力を感じ取ったり,発見すること によって,音楽や演奏への興味が深まるように と考えた。またリコーダーの演奏を活動内容に 加えることにより,前年度の音楽鑑賞会で出さ れた「フルートはリコーダーと同じ指使いなん ですか」などの質問に,実演を通して具体的に 答える機会ともなる。 ピアノ奏者には高い技術をもつ大学院生が参 加した6。筆者らの何回かの訪問で演奏者と顔 なじみの児童もおり,児童の年齢に近い大学生 の登場もあって,なごやかな雰囲気となった。 B.「記述内容」の項目の工夫 対象児童は,音楽の授業で4年生の学習教材 である「エーデルワイス」を終えたところであっ た。授業では,リコーダーで演奏する,映画「 サウンド・オブ・ミュージック」の一部をビデ オで観るなどの学習を行っていた。 前年度のワークシートの分析で,4年生にな ると感想や興味の対象が次第に音楽や演奏その ものに移る傾向が見られたほか,次第に自分を 中心とした世界から抜け出し,客観的に物事を 見たり,考えたりするようになる傾向が見られ た。このような点を考慮して「サウンド・オブ・ ミュージック」の中から主題歌「サウンド・オブ・ ミュージック」を演奏曲目の中に盛り込んだ(進 行表(彰一3,④,⑥)。 〈進行表〉 C.音楽毒監賞会後のワークシートに記載された 「質問」の項目への対応 前年度の音楽鑑賞会の際に児童がワークシー トへ記入した様々な質問に対しては,機会をみ て「音楽」担当教員が解説を行ったり,児童が調 べ学習をすることで対応が可能である。そこで 今回は,それとの重複を避け,「体感する」とい う点を重視して,楽器の仕組みについて(音の 出る仕組み,リードとは何か)に関する質問を 取り上げることにした。材質・仕組み・音色に 関する説明は,ワークシート7の記述に沿った かたちで項目を設定し,それに従って進めた。 フルートの音の出る仕組みとサクソフォーンの 音の出る仕組みのちがいが身近に感じられるよ う工夫した(進行表(さ)。具体的な工夫は,以下 の通りである。 iフルートの音の出る仕組み 大・中・小,3種類のペットボトルを用 意し,演奏者がボトルの注ぎ口に息を吹き 込んで,長く継続した昔を出した。次に, 交互に何度も息を吹き込んで,それぞれを 比較しやすいように音を出した。昔の出る 仕組みと同時に,音の高さの違い(大きい ペットボトルの音は低く,小さいペットボ トルの音は高いという点)に気づいた。 辻サクソフォーンの音の出る仕組み 説明にあたり2人に1枚ずつリードを配 内 容 働きかけ ① 前回の鑑賞会を振り返り,奏者と子どもが感想を話しあう。 ・楽器を見て,楽器の名称などを確 ② 認する。 1.ビゼー メヌエット「アルルの女」第2組曲から 2.ビゼー 間奏曲 「アルルの女」第2組曲から 配布物 3.ロジャーズ サウンド・オブ・ミュージック ・資料(資料1∼6) 「サウンド・オブ・ミュージック」から ・リード(2人に1枚ずつ) 形 ∴ 演奏者が説明を行う(材質・仕組み・音色ほか)。 つの楽器で交互に「サウンド・オブ・ミュージック」を演奏。 ・曲中の同じメロディーを3つの楽 暑引こ振り分け交互に演奏する。 楽器には,演奏できる音の範囲(音域)があることを説明する。 i同じ音の高さで交互に演奏する。 演 を聴く。 、想を話しあう。 舟 つの楽器の合奏による「ほたるこい」の演奏を聴く。 ・奏者が演奏する位置を工夫する。 ク ンートに記入する。 7授業時に配付したワークシートを縮小したものを論文の末 尾(資料5)に掲げる。 6両名とも教員を呂指している。
域で演奏した(進行表(む)。 その後に「ほたるこい」を3種類の楽器による 合奏曲に編曲したものを演奏した(進行表⑧)。 フルート,サクソフォーン,リコーダーはとも に木管楽器であり,音色の同質性はあるが,音 量の差が大きい。 今回演奏した合奏曲「ほたるこい」は,3匹の 性格の異なるホタルを3種の楽器が表すかのよ うに,主題をそれぞれが独奏(アド・リビトウ ム)で演奏する部分から始まる。順次追いかけ る形で演奏する部分,楽器の組み合わせをかえ ながら2種の楽器が同調する部分,3種の楽器 で一つの和音をフェルマータで伸ばす部分な ど,それぞれの楽器の音色と様々に音の重なり あう部分が組み合わされた構成となっている。 また,3つの楽器の音量差の大きいことを特 徴としてとらえることも考慮に入れた。音量差 を体感するとともに、教室を一つの音響空間と して考え,3つの楽器が響き合う様子を児童が より立体的に把握する工夫として,楽器の配置 は教室の一か所に並んで立つのでなく三角形を 描いて,児童を包み込むような配置にセッティ ングした10。 Ⅱ.本授業でのワークシートの分析結果 今回の授業で用意したワークシート11は,次 の3項目によって構成される自由記述で行った。 1.「ほたるこい」の演奏を聴いて気づいたこ と 2.今日の授業(活動)の感想 3.そのほか12 Ⅱ一1.ワークシートの第1項目目の結果 「1.『ほたるこい』の演奏を聴いて気づいた こと」に対する記述内容について見ると以下の ようである。 児童の記述を分析すると,図1のように, 布した。児童は,始め「何だろう」という感 じで触ってみていた。リードに実際にふれ るとともに,音楽鑑賞会の際の質問で多 かった「あし」という素材に実際にヨ妾した。 次にリー ドをセットしたサクソフォーンと クラリネットのマウスピースを幾種類か用 意した8。そのマウスピースをふだん演奏 するのとは逆方向から吸い込むと「ピー」と いう音が鳴り,同時にリードが振動する様 子を児童が間近で観察することができる。 演奏者全貞が担当して児童の周りで実演し た。何度も,「もう一度見たい」の声が上 がった。 D.「聴き方」の項目の工夫 前年度の音楽鑑賞会では,楽器の音の性質に 注目したのは3年生の児童では2剖だったのに 対し,4年生では8割に上った。この聴き方の 変化をとらえて,実際の音を聴く工夫として, 楽器固有の音を楽しむことから始め(それぞれ の特徴を聴く),楽器によって異なる「音色」が あることを体感する。その上で,それらの音の 組み合わせを実感できるように,3種の楽器の み(ピアノを加えない)による合奏曲も取り入れ て演奏を行うことにした。 また,今回対象となった児童の中には,前年 度の音楽鑑賞会の記述で,音の高低に注目して いる児童もいた。各楽器には,演奏が可能な音 の範囲(音域)があり9,もちろんフルート,サ クソフォーン,リコーダーも,それぞれが異な る音域を持っている。そこで今回はまず「サウ ンド・オブ・ミュージック」を例にとり,1曲 を通して演奏する形をとりながら,各楽器が 特徴的な音域で主題を交互に演奏した(進行表 (彰)。そのあと,音色の差は音高の差でないこ とを明らかにするため,同じ曲を3本の楽器が 同じ音の高さで交互に演奏した(進行表⑤)。感 想を話しあった後で,再度各楽器の特徴的な音 8準備できるサクソフォーンのマウスピースに限りがあるた め,クラリネットのマウスピースも実演に使用した。リー ドに大小の差はあるが形状・仕組みは同じであるため。な おこの実演は,サクソフォーンン奏者の安友孝宣さんの提 案をもとに行った 9授業時に配付した解説シートを縮小して論文の末尾(資料 3)に掲げる。 10論文の末尾に配置図(資料4)を掲げる。 11論文の末尾に(資料6)を縮小して掲げる。 12第3項目「そのほか」については,ほとんどが感謝の言葉 であったことから,本論文では記述内容の分析結果を掲 載していない。
1.楽器の特徴に関すること.2.アンサンブ ルに関すること,3.曲の構成について,4. 楽曲について,5.楽器編成について,の5種 類に分けられる。リコーダーに関することは, 3人に1人が記述している。 具体的な記述内容は次の表に整理して示す ことにする。 《「ほたるこい」の演奏を聴いて気づいたこと≫の 分析結果 ≪「ほたるこい」の演奏を聴いて気づいたこと≫の具体的記述内容 項 目 内 容 各項目 (回答者÷全児童数) の内訳 1.楽器の特徴 ・3種の楽器の特徴(それぞれの音色が違う)
8%
40% 例「3人で同じ音をふくと音のちがいがよくわかりました」 ・楽器の音の高さについて 30% 例「サクソフォーンは低い音をだしていた」 「リコーダーが高い音をだしていた」 「フルートは高い音がでていた」 「フルートは少し低い音をだしていた」 「フルートは高い音で,リコーダーは私がいつもひいている音で サクソフォーンは低い音でした」 ・ 2% 例「サックスの音が大きい」 2.アンサンブル ・音め重なり37%
40%
例「音がかさなっていました」 「3つの楽器が一つになってきれいでした」 「楽器の音が一 緒になって・‥」 「高い音と低い音が一緒になって‥・」 「音のハーモニーが合わさって‥・」 「いろいろを虫がないているように聞こえた」 「昔がはもってきれい」など ・合わせについて3%
例「息がぴったり」など 3.曲の構成 ・ずれている,順番にふいている,リレーしているなど 21%21%
例「かえるの合唱みたいに」 「少しずれてやっていた,最後にあわせていた」など ・何度もテーマがくりかえされている 4.楽曲について ・知っている・聴いたことがない,違う曲だった,曲の速度17%
17% 例「ほかに似ている曲がある」 「うしろの正面に似ている」 「かごめかごめに似ている」 「自分が知っている曲より速かった」 5.楽器編成 ・編成が違うと感じが違う10%
10%
・ピアノなしでも…・きれいな音楽が作れる などⅡ−2.ワークシートの第2項目目の結果 《今日の授業(活動)の感想≫の分析結果 「2.今日の授業(活動)の感想」に対する記述 内容について見ると以下のようである。 児童の記述を分析すると,図2 《今日の授業 (活動)の感想≫のように,1.理解できたこと,
2.曲の感想,3.情緒的な感想,4.そのほ
か,の4種類に分けられる。具体的な記述内容 は次の表に整理して示すことにする。 ≪今日の授業(活動)の感想≫の具体的記述内容 4.そのほか 3.情緒的な感想 2.曲の感想 1.理解できたこと 0102030405060708090100(%) 項 目 内 容 各内容の割合(回 (回答者÷全児童数) 答数÷全児童数) 1.理解できた ・音色 36% こと 例「同じリコーダーなのに音がぜんぜんちがいました」 95% 「リコーダーの音色がやさしいんだなと思いました」 「音の遠いが私は一番の勉強になりました。同じ音域で演奏して も音はちがうことがわかりました」 ・合奏の音色について 例「音を合わせた曲」 ・音の出る仕組み 27% 例「サクソフォーンのリードについて」 ・音域 12% 例「私たちが持っているリコーダーで私は低いドから高いミまでし かないと思っていたけれど,ドから3つ目のドまで鳴っていてす ごいと思いました」 ・3種の寒器の特徴(総論的に) 12% 例「リコーダーとフルートは全く別のものだと思っていたけど,に ているどうしてびっくりしました」 ・材質 5% 例「サクソフォーンは,5円玉と同じざいりょう」 二占二旦 日里 3% 例「サクツフォーンの音が大きい」 2.曲の感想 ・サウンド・オブ・ミエージックの感想 33% 例「CDより音がよい」 「リコーダーでふけるのがすごい」 30% 「自分もふきたい」 ・ほたるこい 5% ・メヌエット 2% 3.情緒的な感想 ・授業に参加した様々な気分を表現したもの 25% 例「楽しい」「きれい」「すごい」「音楽が好きになった」など 25% 4.そのほか 18% 35% ・希望 例「他の楽曲もききたい」「ほかに聴きたい楽器」「他の楽器の仕組み をしりたい」 19% 「ペットボトルで音を出したい」「リードが震えるのをもう一度み たい」など ・質問 例「楽器の種類」「曲の種類」「リコーダーの上達法」 5% 項目「2.曲の感想」では2名の児童が,項目「4.そのほか」では4名が2つの分類内容にわたる回答をしている ため.4つの「項目」の百分率の合計と「各内容の割合」の百分率の合計とは一致しない。No.727,pp.3841,文部科学省小学校課・幼稚園 課編集 小植真人・熱田庫康(2000)「主体的な器楽学習を 進める教材の工夫」『初等教育資料』No.727, pp.42−45,文部科学省小学校課・幼稚園課編集 越智友子・小島律子(2006)「バーンスタインの『ヤン グ・ピープルズ・コンサート』にみる鑑賞教育 の内容と方法原理」『大阪教育大学紀要 第Ⅴ部 門』第55号,第1巻,pp.39−58 金本正武(2003)「表現及び鑑賞の能力を主体的に身に 付ける学習指導の工夫」『初等教育料』No.768, pp.22−33,文部科学省小学校課・幼稚園課編集 金本正武ほか(2006)「ノト中学校における音楽科の 指導と評価のすすめ方について:鑑賞指導を とおして」『千葉大学教育学部研究紀要第2部』 Vol.54,pp.141−149 株本光子・清水泰博(2000)「表琴形態の選択を図り・ 主体的な学習を進める教材開発の実際」『初等教 育資料』No.727,pp.46−49,文部科学省小学校課・ 幼稚園課編集 国重初美(2003)「心から音喪と向き争い,進んで音 楽活動をする意欲や態度を育てる」『初等教育料』 No.768,pp.27−29,文部科学省小学校課・幼稚園 課編集 阪井恵(2000)「音楽的思考指導としての〈操作的歌遊 び〉」『音楽教育学研究1』pp.69−78,日本音楽教 育学会編 阪井恵ほか(2000)「音楽教育における発達観を問い直 す」『音楽教育史研究』No.3,pp.4−6,音楽教育 史学会編 佐藤明宏(2004)『自己表現を目指す国語学力の向上 策』明治図書出版 清水泰博(2000)「基礎・基本をおさぇた音楽科学習指 導の実際 高学年一高学年における鑑賞と表 現の関連を図った学習の例−」『初等教育資料』 No.723,pp.47−49,文部科学省小学校課・幼稚園 課編集 初等科音楽教育研究会【編]『〔新版〕初等科音楽教育法』 音楽之友社(2000) キース・スワンウイツク(1992)野波健彦他訳『音楽 と心の教育』音楽之友社 高須一(2005)「子どもたちのよさを生かす音楽科学 Ⅲ.おわりに 今回は,小学校中学年のワークシートの分析 結果をもとに,音楽鑑賞会と関連し,今後の音 楽の授業に生かせる活動を演奏者が教員の協力 のもとに行った。しかし,ワークシートの項目 の立て方,着眼点によっては,低学年には低学 年の中(1年生と2年生の学年間)で,高学年に は高学年の中(5年生と6年生の学年間)での鑑 賞の仕方の違いや伸展を見出す可能性もある。 この点は,さらに調査の必要がある。 また,今回は中学年の鑑賞のしかた(聴き方) に違いが見られたが,それぞれの学校の実情に 応じて,それらが早く現れたり,遅く現れたり することも考えられる。 新しい学習指導要領で 「最低基準」であることがより明確に示された。 そのため,「音楽」においても授業にそれぞれの 地域や学校の実情がより大きく反映されること が予測される。教員が,児童の状況を見極めた うえで,音楽鑑賞会を生かした授業を行えば, より大きな効果が期待できると考える。 新しい学習指導要領の改善の基本方針の中に 「生涯にわたり音楽文化に親しむ態度をはぐく むことの重要さ」が盛り込まれている。「音楽」 の授業で達成された目標が,生涯にわたって児 童の糧となり,「生きる力」に発展していくよう な方策を考えていかなければならない。 謝辞 高校市立二番丁小学校では香西志津子校長先 生を始め,皆様に多大なご協力をいただいた。 また同小学校評議員の花崎桂子先生,音楽担当 教員の寺嶋淳子先生,活動の司会と演奏を務め てくれた安友孝宣さん,演奏してくれた土居雄 二郎さん,松尾美香さん,資料収集にあたって 香川大学附属図書館の皆様にも大変お世話に なった。心より感謝申し上げる。 参考文献 井田備子・戸塚浩恵(2000)「子供と音楽とのかかわり を深める鑑賞教材の開発の実際」『初等教育資料』
日吉武(2005)「音楽科教育における和楽器指導の一試 案」『鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要』第 15巻,pp.65−79 宮下俊也(2000)「美の教授に対する評価方法の提案− 一比喩を用いた実の華写に関する心理学的研究 を通して−」『音楽教育学研究2』pp.199−208, 日本音楽教育学会編 宮下俊也(2000)「/ト学校音楽科観点別評価における問 題点一鑑賞領域での混乱に注目して−」『奈 良教育大学紀要』第53巻,第1号,pp.232−246 村澤由利子・吉見隆史(2004)「初等教育音楽科授業 において実際の演奏による鑑賞指導を効果的に 行う授業の在り方についての実践的研究」『鳴 門教育大学学校教育実践センター紀要』No.19, pp.141−150 山田健一(2003)「イメージを広げ,楽しい表現活動を 進めるための学習指導の工夫」『初等教育資料』 5月号,No.768,pp.24−26,文部科学省小学校課・ 幼稚園課編集 山本文茂(2000)「音楽教育の新しい構築に向けて」『音
楽教育学研究3』pp.240−260,日本音楽教育学会
編 文部科学省・新しい学習指導要領 http://www. mext.gojp/a_menu/shotou/new−CS/index.htm 『小学音楽 音楽のおくりものト6』平成14年度版, 教育出版 『小学音楽 音楽のおくりものト6 教師用指導書・ 研究編』平成14年度版,教育出版 『小学音楽 音楽のおくりものト6 鑑賞編』平成 14年度版,教育出版 習指導の創造的展開」『初等教育資料』,No.799, pp.46−57,文部科学省小学校課・幼稚園課編集 竹井成美(1996)「児童・生徒の音楽的発達に即した 音楽教育の在り方一キース・スワンウイツタ の「音楽的発達の螺旋状過程」図に照らした小学 校学習指導要領(音楽)の分析を中心として− 」『宮崎大学教育学部紀要 教育科学』第80号, pp.101−112 田中隆三(2005)「音楽科で育てたい『学力』」『大阪 教育大学教科数青学論集2005』pp.7−14 D.Jノ、−グリーブス(1985)小林芳郎訳『音楽の発達 心理学』田研出版 堤康彦(2006)「学校での芸術教育をサポートする」『初 等教育資料』No.811,pp.42−45,文部科学省小学・ 校課・幼稚園課編集 堤康彦(2004)「現代アーティストとの出会いが生む コミュニケーション」『教職研修』10月増刊号, pp.181−186 高階玲治(2004)「外部人材との連携・協力窓口の 設置と活用」『教職研修』11月増刊号,No.4, pp.18−19 寺田貴雄(2000)「生涯学習の視点に立つ音楽鑑賞教 育」『エリザベト音楽大学研究紀要』第20巻, pp.35−47 林(近藤)陸(2003)『音楽のアウトリーチ活動に関す る研究一昔楽家と学校の連携を中心に−』 大阪大学大学院文学研究科博士論文ライブラ リーBookPark(資料2) (資料1) 「7‘ルルの女」芽‖‖臥曲から 2_ ビゼー一 間事由 (サクソフォーン〉 rアルルの女」第2靂且曲から 3.ロジャーズ サウンド・オブ・ミュージック (リコーダー〉 rサウニ′ド・貞■プ・ミ土一一ジックJから ー■ → ♪ 二▲ ユ ・T 熟将〟タ鈴ふカ 浜妾宅■(政幸牽) ま友:秋友(やすとも たかのり) 啓川火似 土居祐二瓜(どい ゆうじろう〉 〃川欠字l 菅山夕貫くあぉやま ゆうか) 廿川珊悦 松馬英佳(ま1>お みか〉 ☆川犬守矢和裁狩野 協力 寺島先生 (=さT」、欄 (資料4)各楽器の立ち位置
(資料5) がっ き フルート・リコーダー・サクソフォーン 3つの楽器をくらべてみよう!l 同じところ ちがうところ ・息を入れると音が出る ざいしつ ・材質(何で作られているか) おんりょう ・タンギング ・ もっかんがっき ・木管楽器 ・音の出るしくみ おんいき はんい ・音域(音の出る範囲) おんしょく ・音色(ねいろ) ざいしつ し く おんしょく 音色 (何で作られているか) (ねいろ) リコーダー ・プラスチック ・木 フルート ・木 ・銀 ・金 ・プラチナ サクソフォーン しんちゅう ・真鎗 きんぞく (5円玉と同じ金属)