防災・減災におけるSNS等の民間情報の活用等
に関する検討の素材
資料7
平成26年5月22日
防災・減災分科会事務局
防災・減災への民間情報の活用の必要性
東日本大震災において、明らかになった課題 【従来の情報収集の取組】 ・職員による現地調査 ・報道機関からの情報 ・通報 ・検知器(センサー) 【課題】 ・対応できる人員の限界 ・小さな地域に関する情報の不足 ・紙情報が多い、情報の整理・管理が困難 ・設備、維持費用が大きい上記課題への対応として、民間情報の活用が必要
(個人・民間からの情報提供は、例えば「ソーシャル・センサー」と呼ぶことも可能) 1種類 概要 特徴 サービス例 公開型SNS 個人から不特定多数に対して情報発 信するツール。 普段使いの道具(個人のも の)を利用するためユーザー は扱いやすく、また自治体側 の費用負担がない。 サービスにより、情報拡散の 広さや速度、共有できる情報、 双方向性の強さなどに違いが ある。 ・Twitter ・Facebookページ ほか グループ型 SNS 個人から限定された個人やグループのみの情報共有する仕組み。設定に よって、不特定多数に対しても情報発 信が可能。 ・Facebook ・LINE ほか 参加型情報 提供システム 特定の目的の情報を主軸に収集する ことを約束したうえで個人から特定の 情報蓄積者に対して情報提供を行い、 その結果を精査したうえで不特定多数 または契約者のみに提供する仕組み。 普及度が高いサービスであれ ば広域情報の収集が可能。 サービスによっては現地踏査 も付属するため正確度も高い が、有料であったり、情報が会 員限定となる場合もある。 ・気象情報会社のサービス (ウェザーニューズ減災Ch等) ・警備会社のサービス ほか 電子メール 主に消防団員や防災職員が指定の携 帯電話を所有し、災害発生時等に報 告する仕組み。 任命型の電子メールシステム では、行政をまたぐ情報共有 は難しいが、責任者報告のた め情報の正確度は高い。 ・災害情報通報システム ほか 「ソーシャル・センサー」として活用可能な情報としては、次のようなものが考えられる。
防災・減災における活用が考えられる民間情報について
(注)SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)とは、インターネット上の交流を通して社会的ネットワークを構築するサービスのこと。 (出典:Wikipedia) 2防災・減災における民間情報の活用の事例(1)
【Twitterの活用事例】 信頼性の高い情報を市民から募り、行政の対応に活用した 2014年2月の大雪の際、柳田佐久市長がTwitterを使って市民から情報を収集し、 対策に活用。新聞等メディアでも大きく取り上げられた。 市民が情報を発信 市民からの情報提供を 呼びかけ 情報を各方面に フィードバックし、 拡散を依頼防災・減災における民間情報の活用の事例(2)
【Facebookの活用事例】 信頼できる有志が集い、情報交換や議論を行った 平成25年10月16日に発生した「伊豆大島土砂災害」において、ITの技術者を中心とした ボランティアのメンバーがFacebookグループにおいて連携し、被災情報マップの作成と 提供を行った。 出典:Facebookグループ 伊豆大島支援マッピングチーム、 伊豆大島台風26号被災状況マップ <被災状況マップ作成> ・位置情報付の情報収集 ・航空写真の収集 (公立の研究所、航空測量会社との 連携など) ・情報集約サイトの立ち上げ (オープンソースソフトウェアUshahidi) <情報提供> ・島内ボランティアセンターとの連携 ・島外にいる島民への情報提供 など 4防災・減災における民間情報の活用の事例(3)
【LINEの活用事例】 友達、家族といった市民間の情報連携により迅速な避難ができた
2013年7月、大雨で川が氾濫し多くの被害が出た山口県萩市で、地元の高校生がLINE で避難を呼びかけるなどして、地域住民の避難に役立てていたとNHKニュースが報じた。
【ウェザーニューズの情報の活用事例】 ウェザーニューズ社(以降、「WNI社」とする)では、市民参加型の気象情報共有の仕組みで ある「ウェザーリポート」の仕組みを活かし、自治体と共同で行う「減災プロジェクト」や、「ゲリ ラ豪雨メール」、「竜巻リポート」等のサービスを提供、気象災害の低減に取り組んでいる。 【取組例】 ■減災プロジェクト ・ 自治体と共同で、地域住民に対し減災情報を提供 する取組(現在10自治体との共同プロジェクトを運用 中) ・ 投稿者は位置情報と気象状況(写真も投稿可能) を投稿し、地図上にその情報がプロットされる ・ 災害時だけでなく、平時より気象情報を情報提供 可能 ・ 市民/県民だけでなく、自治体職員も情報提供者 となることで、住民と職員の「共助」を実現 ■ゲリラ雷雨メール(ゲリラ雷雨防衛隊) ・ 従来の気象レーダ等では予測が困難な「ゲリラ雷 雨」を事前に補足する取組 ・ 本サービスに登録した「防衛隊」と呼ばれる個人が ゲリラ雷雨の雨雲になりそうな雲をリポート、WNI社 にて気象レーダ等の観測情報と合わせ、ゲリラ豪雨 の発生を予測し、メールを発出する。 ・ 2012年には、ゲリラ雷雨発生の約40分前に、約 90%のゲリラ雷雨を捕捉した。