千葉大学言語教育センター主催公開講座
「生徒がこんな質問をしてきたら」
平成 18 年 8 月 26 日
千葉県教育委員会後援
目 次
1 子音の前と母音の前の冠詞の発音 2 house の複数形の発音
3 過去時制と仮定法が同形なのは
4 まだ寝ていないのにどうして It’s time you went to bed.と言うのか 5 前置詞の to と不定詞の to は同じものか
6 It’s nice to meet you.における過去の出来事を表す不定詞 7 play the piano と play baseball における冠詞の有無
8 princess が「プリンツェス」と聞こえる 9 7つの変化形をもつ be 動詞
10 there is 構文の解説に付いている絵の不思議な光景
11 A whale is no more a fish than a horse is.の省略部は肯定文 12 I did not find anything.と I found nothing.
13 I stopped to smoke.は「立ち止まって煙草を吸った」か 14 Roman Holiday と「ローマの休日」
15 Only last Monday /was the machine /the machine was/ in working order. 16 I do love you.
17 相手が一人でも you are…とは 18 have to の発音
19 something は形容詞がうしろにつく
20 “May I speak to Mary?” “This is she.”における she 21 英語の限界
22 many more books と*much more books 23 any に続く名詞の単数複数 24 0度は複数形 25 2種類の再帰代名詞 26 gh の発音 27 読むbと読まないb 28 yet と however 29 単純過去時制と現在完了形 30 amn’t がない 31 英語圏の名字
1 なぜ冠詞は子音の前と母音の前で発音が変わるのか (1) 不定冠詞の場合 an apple a book (2)現代英語における語中音消失 A x B ・A と B が類似音である場合、x は消失しない ・A と B が類似音でない場合、x は消失する ・不定冠詞の例 an apple、an book
cf.はじめから隣接している類似音はかまわない:India Apple Computers
・複数語尾(es)の例
lenses、senses、doges、bookes、monthes
cf. はじめから隣接している類似音はかまわない:She does not love a man who is zealous for nothing.
・三人称単数現在時制語尾(es)の例
arises、addresses、walkes、runes、states ・過去時制語尾(ed)の例
faded、attached、stated、walked、breathed
cf. はじめから隣接している類似音はかまわない:He stated during the campaign that he is opposed to the bill.
2 horse は複数形になっても語尾が濁らないのに、どうして house の場合は 濁るか 英語の土着語(1,100年ごろより前から英語に存在していた語)では、[s]、[f]、 [ ]が母音に挟まれた場合は有声化して、それぞれ[z]、[v]、[ð]になっていた。 half - halves south – southern breath – breathe
wife – wives (cf. wife’s) house - houses 12 世紀以降に英語に取り込まれた語はこの有声音化の適用を受けない。horse は OE に存在していたが、複数形の登場は 13 世紀以降。 horses(13 世紀) devices(15 世紀) senses(16 世紀)
3 過去時制と仮定法はどうして同じ形なのか。 英語における過去時制は現在時(発話の時点)とつながらない過去の時を表す。 現在時とつながる過去の出来事を表す場合は現在完了形を用いる。たとえば、 つい 10 分前に起きた出来事でも、それが何らかの点で現在(発話の時点)と結 びつく(現在まで継続している)と話し手が考える場合は現在完了形。現在と 結びつかないと考えている場合は過去時制を用いる。 過去時制は現在と結びつかないから、現在時のあり方である「現実」とも結び つかない。この「非現実」のあり方を表したものが仮定法。
4 まだ寝ていないのにどうして It’s time you went to bed.と言うのか
この went は過去形。この文を発話した時点では「もうベッドで眠るという行為 は終わっていた(はず)」ということ。催促の表現。
5 前置詞の to と不定詞の to は同じものか
同じである。to は「方向」を表すのが原義。出発してから到着するまでに時間 がかかることを表す。ただし「出発」はするものの「到着」するか(したか) どうかは文脈による。to がなければ「到着」している。
(1) a. I went to Tokyo yesterday. b. I want to leave here. c. I wanted to leave there. (2) a. I like to swim.
b. I like swimming.
(3) a. I did not like to kill him. b. I did not like killing him. (4) a. I showed a bone to Fido.
b. I showed Fido a bone.
(5) a. I wrote to him last week(, but I destroyed it). b. I wrote him last week(*, but I destroyed it). (6) a. I made him go.
b. I saw him cross the street.
(7) a. The tune was heard to come from the top of the hill. b. *I heard the tune come from the top of the hill.
6 不定詞は未来のことを表し、動名詞は過去のことを表すと教わったが、 It’s nice to meet you.はすでに会った人に使うのではないのか
It is nice to meet you. I am glad to meet you.
事前の約束あり。その約束時から見て先のことだから to 不定詞を用いている。 その状態を現在に平行移動した慣用表現。偶然会った人には用いない。
7 play the piano には冠詞が付くのに、どうして play baseball には付かな いのか
定冠詞は次の2つの条件を満たすと自動的に付加される (1) 範囲を限定している
(2) その範囲の中で、該当するものが1つ(1組)だけである the summit of a mountain.
This lake is the deepest in the world.
ただし、ここで言う「範囲の限定」とは、外側からのもの。すでに内側に入り 込んで、その範囲を限定する必要がない場合は、定冠詞そのものが用いられな い。
This lake is deepest at this point.
cf. a. John is the ugliest man on campus. b. John is ugliest man on campus. John played the piano
We played baseball. We enjoyed the diving We enjoyed diving.
8 ALT の先生が princess という単語を発音すると、ce の部分が「セ」ではな く「ツェ」と聞こえる(プリンツェスと聞こえる)が、それはなぜか。 n の発音:[n]と[ ] [n]は歯茎音。いかなる場合でも舌尖を歯茎にしっかりつける。 [ ]は軟口蓋音。舌尖は浮いている。 princess [pr ns s] king [k ] [n]と[s]は調音点が同じ歯茎音であり、[n]は閉鎖音、[s]は摩擦音。[ns]をす ばやく発音すると、舌尖を歯茎につけた閉鎖の状態から一気に[s]の開放状態へ 推移することになり、軽い破裂が起きる。この破裂は調音点が同じ[t]の破裂と よく似ているために発音辞典によっては[nts]と表記するものもある。つまり [ts]に似た音である。ゆえに、[tse]に近い音となり、「ツェ」と聞こえる。 その他に注意すべき語(下線部の n はすべて[n]であり、[ ]ではない) pencil principal principle sense championship など
9 どうして be 動詞だけ、be, been, am, is, are, was, were と7つも変化 形があるのすか。他の動詞はせいぜい3つなのに。 現代英語の動詞の基本変化形 現在形 過去形 過去分詞形 の3つ。 古期英語の動詞の変化形 現在形 一人称単数形 一人称複数形 二人称単数形 二人称複数形 三人称単数形 三人称複数形 過去形 単数形 複数形 過去分詞形 の9つ。 現代英語における be 動詞の変化形は3種類の別々の動詞の寄せ集め 現在形(es-を語根とする‘exist’の意の動詞) am is are(起源不明) 過去形(wes-を語根とする‘remain’の意の動詞) was were 分詞形(beu-を語根とする‘become’の意の動詞) be been
10 there is 構文の解説に付いている絵で、質問する人と答える人の間につい たてがあるのはなぜか。
there is 構文は、あるものの存在が(話し手には見えていても)聞き手には見 えていない場合に用いられる。
(1) a. There is a book on the desk.
b. *As you can see, there is a book on the desk. c. There is no one in the room.
聞き手にも見える状況を表す場合は、次のような構文を用いる。 (2) a. On the desk is a book.
b. As you can see, over the desk is a book. c. *Probably, on the desk is a book.
d. *In the room is no one.
11 A whale is no more a fish than a horse is. という文で than 以下で省 略されているところを補うと a horse is a fish になるが、どうしてこの 肯定文を「馬は魚でない」と否定文で訳せるのか
‘A is no more α than B’構文の基本的な用法
・Aには文脈上すでに言及されている内容が繰り返される ・Bには誰が見ても常識はずれの内容が置かれる
この構文の眼目は「比較の否定」
∼ [[a whale is a fish] > [a horse is a fish]]
「くじらが魚である度合いと、馬が魚である度合いを比べて、前者の方が事実 としての度合いが大きい、ということはない」の意。つまり、そのような比較 は成り立たない、五十歩百歩であるということ。 →「くじらが魚だというならば、(誰だっておかしいとわかる)馬も魚になって しまいますよ(それでいいんですか)」 この構文を正しく解釈している英和辞典は冨山房の『大英和辞典』(絶版)のみ。 cf. He can no more do it than he can fly.(あの男にそれができるくらいな ら空だって飛べるはずだ)
表記の文は、「馬は魚だ」と人を驚かせるような内容をあえてぶつけてくるとこ ろに意味がある。
12 I did not find anything.と I found nothing.はどう違うのか
否定辞の作用域は、通例、否定辞の右側である。 (1) I did [not find anything]
(2) I found [nothing]
(1) の構造における not の標的は、[find]、[find anything]、[anything]の いずれか。find を含む要素が標的になるならば、探すという行為そのもの をしていなかったことになる。anything が標的ならば、「探したが、(Aも BもCも)いななるものも見つからなかった」の意。 (2) の構造における no の標的は thing のみ。find は否定されない。つまり、 探すという行為は実行したことになる。find の対象になる事物の集合が空 であるということであるから、「探したが何も見つからなかった」の意。 ある共通した意味を表す2つの構造が存在する場合、特に指定されているので ない限り、複雑でない構造の方が優先される。(1)は3通りの解釈が可能な複雑 な構造、(2)は解釈は一つだけ。「探した」という文脈で優先的に用いられるの は(2)の形。
13 歩いていなくても I stopped to smoke.は「立ち止まってたばこを吸った」 か 人間を主語とする stop は、目的語が明示されているいないにかかわらず、すべ ての用法において、「それまでしていたことをやめる」の意を表す。 (1) I stopped to smoke.(たばこを吸うためにそれまでしていたことをやめた) この文自体に「立ち止まってたばこを吸った」「たばこを吸うために立ち止まっ た」の意は、ない。
(2) Why and how do chameleons change their colors? asks Mellisa Wong, a student in Manhattan. Imagine your mother, calling you to come in for lunch on a cool fall afternoon. You are playing in a pile of leaves - red, gold, green and brown scraps of color, crackling and shifting. You don't want to stop. As your annoyed mother comes into the backyard to look for you, you relax and sink into the leaves. You idly watch as the skin on your hands and arms begins to quickly change color, from its normal flesh tone to mottled red, gold, green and brown. As you lie quietly, perfectly matching the leaves, your mother passes nearby, muttering to herself. "When I find him..." -- Los Angeles Times.
(3) I stopped smoking.(たばこを吸っていたが、やめた) (4) stop doing A to do B
stop doing A
14 都市の名前に形容詞はないと教わったが、それなら映画の Roman Holiday はどうして「ローマの休日」なのか 通例、都市名に形容詞は存在しない。Roman holiday は「ローマの休日」の意 にはならない。ローマが都市名でなく用いられるのは「(古代)ローマ帝国」と いう国家名のみ。Roman holiday は「古代ローマ人の休日(の過ごし方)」が原 義。奴隷を戦わせてそれを観戦したことから、「人の苦しみのうえに成り立つ快 楽」という意の慣用表現。オードリー・ヘップバーン主演のあの映画は、(もし 題名が真に意味を持つものであるならば、)一般に考えられているのとはちがっ て、一種の残酷物語として意図されていたことになる。 映画のタイトルは映画配給会社が決める。映画の字幕を担当したプロの翻訳家 は関与できない。映画配給会社の社員が Roman holiday の意味を知らずに、「ロ ーマの休日」と誤訳したのか、あるいは「ローマの休日」などという意味がな いことを承知の上で、集客効果のあるロマンチックな題名として創作したのか、 どちらであるかは定かでない。 ちなみに、この表現に「ローマの休日」という訳をつけている英和辞典がある ので要注意。
15
(1) Only last Monday was the machine in working order.(先週の月曜日に なってようやく機械の調子が良くなった)
(2) Only last Monday the machine was in working order.(先週の月曜日(ま で)は機械の調子が良かった)
この2つの文がこれほど意味にちがいがあることをどのように教えたらよいか。
倒置型の文(1)の特徴
・文頭の副詞表現に否定的な要素が含まれる(no, never, hardly, only,…) ・その否定要素の作用域は文全体に及ぶ(文全体が否定文)
・文頭の副詞表現をαとし、助動詞以下をSとすると、典型的な意味解釈は、 there is no (only) α such that S is true.(Sであることを成り立た せるようなαはない;Sであることを成り立たせるαは一つしかない) 非倒置型の文(2)の特徴 ・文頭の副詞表現に否定的な要素が含まれていても、その作用域は副詞表現 の内部に限定される ・文全体は肯定文 ・文頭の副詞表現は後続する文の内容が成り立つ際の但し書き。典型的な意 味解釈は、If α, S is true.
(3) a. With no job would John be happy.
(どんな仕事にもジョンは満足しない;ジョンが満足できる仕事はない) b. With no job, John would be happy
(仕事がなければジョンは幸せだろうに) (4) a. With no coaching will he pass the exam.
[Whatever coaching is provided will not enable him to pass the exam.]
b. (Even) with no coaching he will pass the exam. [He will pass the exam (even) without coaching] (5) a. In no clothes does Mary look attractive.
[Mary doesn’t look attractive no matter what clothes she wears] b. In no clothes, Mary looks attractive.
15 I do love you.という文は動詞を強調すると教わったが、ALT の先生は do だけ強調して、動詞は強調しないと言っている。それはなぜか。 (1) a. I love you. b. I love you. c. I love you. d. I do love you. 助動詞 do の強調は肯定の強調。肯定を強調することで否定を否定する。 (2) A: You don’t love me any more.(わたしのこともう好きじゃないのね)
B. I do love you.(そんなことないよ、好きだよ)
(3) A: Give me a penny, Papa!(お父さん、10 円ちょうだい) B: I have nothing for you.(お前にやるお金などない)
A: Do give me just one penny!(10 円でいいからちょうだいよお) (3) I believe he really did make that mistake.(ああは言っているが、本
17 相手が一人でも you are…と動詞が複数形になるのはなぜか。 ・thou は一般的な用法では目下の者あるいは親しい者への呼びかけに用いられ た。現在でも多くの方言で親が子供に呼びかけるときに用いられている。立 場を間違えると無礼になる。 ・you は目上の者あるいは同等の者への呼びかけに用いられていた。単数用法 を獲得して以降は上下の区別がなくなった。 OE 15c PE 二人称単数 thou 二人称複数 you
18 I have something to do.のときの have の-ve の発音は[v]であるのに、ど うして I have to do something.のときは[f]になるのか 同化(assimilation)の一例。直後の無声閉鎖音の影響で無声化して慣用化した もの。 have to has to had to of course
cf. You have something to do.
You have only to stay here to see what can happen to him.
なお、have to は助動詞ではなく通常の have 動詞が不定詞を目的語にとってい る構文であるから、you [have to] stay here ではなく、you have [to stay here] と分析されるべきもの。「○○することを(義務として)持っている」の意。
19 なぜ something は形容詞がうしろにつくのか 前位修飾は本来的、恒久的な性質を表す。後位修飾は一時的、非確定的、偶然 的な状態を表す。 (1) a. sick people b. people sick (2) a. a used car b. a car used (3) a. a barking dog b. a dog barking (4) a. a tall man b. *a man tall
(5) Polio was then endemic among children my age. (6) something/anything は中身を確定せずに言及する表現
20 May I speak to Mary?(メアリーさんをお願いします)という問い合わせ にたいして This is she.(はい、私です)などと答えるが、どうして自分 のことを三人称の代名詞で表すのか。
(2) I bought a book yesterday. It is ... (5) John opened the door and Mary closed it.
現実の世界 言語の世界 my wife Mary she1 she2 (1) he this
21 英語を母語としない人(例:日本人)が話す英語はどの程度まで壊れると ネイティブが理解できない状態になるか
・文脈から復元不可能な要素の間違いや脱落 -語順
John loves Mary. Mary loves John.
cf. I had a stroke. [My] blood pressure [was] low. Low blood pressure. Period. [I] pass[ed] out. Rosa and I, and friends of mine [were at the] shore, [I was] drink[ing][and] talk[ing] [and then] pass[ed] out. ・発音(特に注意すべきいくつか) -あいまい母音[ ]はしっかりあいまい母音で発音する a. breakfast [brekf st] *[brekfast]
There is a book on the desk. [d iz](“the is”と同じ発音) *[de riz] b. er(口よどんだ時の場ふさぎ音)もしっかりあいまい母音で [ :] *[e:]「え∼(と)」 -成節子音
[tl](little), [dl](saddle), [tn](mutton), [dn](ridden)など t/d から l/n に移るとき、絶対に舌尖を歯茎から離してはならない。 -語の境界を挟んだ破擦音の連続
which child, George Jones(必ず、両方とも発音) 破擦音以外の場合は第一の子音を延ばすように発音する
with the man [wid: man], with a man [wid man] ・構文の選択(主節は新しい情報、従属節は既知の情報)
a. Princess Dianna was killed in a car crash.
b. I happened to be on the vacation in Hawaii when Princess Dianna was killed in a car crash in 1997.
22 many more books において比較級を強調するのに many が用いられて much が用いられないのはなぜか
(1) I have many [*much] more books than she has.
(2) 表題の表現における more は many の比較級ではなく additional の意の形容 詞。強調の much がつく形容詞は「程度を表す形容詞」のみ。
a. to apply additional penalties than those originally outlined b. to apply (*much) additional penalties than those originally outlined (4) additional の意であるから「いくつ」「どのくらい」追加するか具体的な
数量を付加することができる。共起する名詞が可算名詞か不可算名詞かで 数詞か量詞が付加される。
可算名詞の場合
one more book ‐ one additional book two more books - two additional books
ten more books - ten additional books many more books - many additional books *much more books - *much additional books 不可算名詞の場合
10% more water consumption - 10% additional water consumption much more water(この much は比較級の強調ではなく量を表す形容詞) *many more water
23 any が否定文で用いられた場合、単数形をとった場合と複数形をとった場 合の意味のちがい。また、同じく否定文における不定冠詞+単数形と無冠 詞+複数形の意味のちがいについて。
(1)単純単数、単純複数(単純な存在)
a. Is there a car in the parking area? -Yes, there is.
-No, there is not.
b. Are there cars in the parking area? -Yes, there are.
-No, there are not. (2) some と any
some: 数量あるいは質に関して話者が一定の基準を設定し、当該の事物が その基準を上回っていると判断されていることを表す。
any: 数量あるいは質に関して話者は一切の基準を設定していないことを 表す。
(3) a. Do you have some money? -Yes, I do.
-No, I do not have some money. -No, I do not have any money. b. Do you have any money?
-Yes, I do.
-No, I do not have any money. -*No, I do not have some money. (4) a. It took some effort to finish it.
b. She said, “I was somebody in this town.”
(5) a. There are not any cars in the parking area.(1台でも、10 台でも、 100 台でも、その台数をとっても、車はない → 一台もない) b. There is not any car in the parking area.(きれいな車、汚れてい
24 なぜ0度は zero degrees Celsius と複数形で表されるのか 英語の単位表現は、ある数を分数で表した場合、分母か分子のどちらかにでも 1以外の数字があれば複数形をとる。 1 = 1/1 one meter/centimeter/millilmeter/gram/kirogram/... 2 = 2/1 two meters/centimeters/millimeters/grams/kikograms... 1.1 = 1.1/1 1.1 meters/centimeters/millimeters/grams/kilograms... 0.1 = 1/10 0.1 meters/centimeters/millimeters/grams/kilograms... 0.01 = 1/100 0 = 1/? zero degrees/centimeters/... 例外:percent
25 再 帰 代 名 詞 は [ 所 有 格 形 + self ] (myself, yourself, ourselves, yourselves)のものと、[目的格形+self](himself, themselves)があるが、ど うしてこのような違いがあるのか
2語 複合語化 単数複数分化 所有格化 me self → meself → myself (13c) you self → youself → yourself (14c) us self → usself → usselves → ourselves (16c) you self → youself → youselves → yourselves (16c) him self → himself → →
her self → herself → → them self → themselves → themselves → it self → itself → →
・単数複数分化は複合語化によって self が名詞として感じられてきたからであ ると思われる
・所有格化の引き金は目的格・所有格同形の herself か。my の弱形は[mi]であ るから(cf. my lord [milo:d], because < by+cause)、herself が[所有格 +self]と感じられるようになって meself も myself に変化したものと思わ れる。その後、yourself、ourselves, yourselves が現れた。形態から追っ ていくとそのような推論になるが、実際、初出年もおおむねこの順番になっ ている。
26 laugh, cough, tough の gh はどうして発音すると[f]の音になるのか ・現在、gh という綴り字を含んでいる語は、当初は h が用いられており、[x]
と発音されていた。それがフランス語に合わせて綴られるようになり gh とな った。
・15 世紀ごろに[x]→[f]。laugh, cough, tough の[f]はこの音。 bought, thought, though, right の gh はなぜ[f]の音にはならないのか ・上記の語と同じく、当初は[x](位置によっては[c])と発音され、17 世紀ま では[f]と発音されていた。 ・18 世紀ごろに、直前に長母音か二重母音がある gh は発音されなくなった。 ・gh の発音の変遷 15c 18c [x] → [f] → φ cough x f draught x f enough x f laugh x f rough x f tough x f bought x f φ caught x f φ daughter x f φ eight x f φ fraught x f φ high x f φ night x f φ plough x f φ right x f φ taught x f φ though x f φ thought x f φ (ただし delight の gh は light をまねして創作されたもので gh とは無関係)
・読まない gh の存在意義 quest - question Christ - Christian right - righteous 母音(強勢あり)−摩擦音−[t]−母音(無強勢) ↓ [t ] cf. Christianity
27 double の b はなぜ黙字の b ではないのか フランス語からの借用語のうち、はじめから b があったものと、あとからラテ ン語に似せて b を入れたもののちがい。 double < doble(フランス語に b あり) doubt < douter(フランス語に b なし)(ただしフランス語でもルネサンス期 から b を入れて doubter と綴ることも多かったので、これをまねたもよう) bが入るようになったのは 16 世紀あたりから。 黙字のbの例のうち、途中からbが消えたものと、途中から入ったもの bomb, climb, tomb, thum, lim, comb, lamb, num, det, dout, sutle ↓ ↓ ↓ | | ↓ ↓ | | | |
φ φ φ b b φ φ b b b b ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ bomb, climb, tomb, thumb, limb, comb, lamb, numb, debt, doubt, subtle
28 yet と however はどのように使い分けたらよいか
yet:期待に反する事実を述べるときに用いる。
He is poor yet honest.(貧乏<ならば性格も悪くなりがち>だが正直者だ) However:対立する内容を際だたせる時に用いる。文頭に置かれる場合もあるが、
文中あるいは文末が一般的。
He did not mention Susan, however, but continued to drool over Alice. (彼はスーザンの名を口にすることはなく、アリスについてはたわいもない話 を続けた)[スーザンをアリスと対立させて際だたせている]
29 「島が見えた!」という意の英文では単純過去時制を使うが、なぜ現在完 了相を使わないのか。
完了相:中心的な意味は「継続」。
・過去のある時点に起きた出来事がなんらかの点で現在まで(あるいは現在 の直前まで)継続していると考えられる場合が現在完了形。
cf. My grandfather has climbed Mount Everest.
・過去のある時点に起きた出来事がなんらかの点で過去の別の時点まで継続 していると考えられる場合が過去完了形。
単純過去時制:ある出来事が過去のある時点に起きたことを表し、その出来事 が現在につながっていない(という話し手の意識)ことを表す。行為動詞が 単純過去時制で用いられた場合はある出来事を「瞬間」として描写する。 cf. My grandfather climbed Mount Everest when he was 70 years old. 「島が見えた!」「やった!」などは瞬間的な出来事であるから “(I saw) an island!” ”I got it!”などとなる。
30 isn’t, aren’t, doesn’t, don’t はあるのに、どうして amn’t はない のか
ないわけではない。ロンドン方言(標準語)にないだけ。発音は、[ant]、[am nt]、 [amnt] 、[a:nt]。ただしこの形を日本の中学生や高校生に教える必要はない。 教えるとすれば一人称の否定疑問文の形。
(1) Aren’t I your friend?
(2) I’m your friend, aren’t I?
(3) Not only aren’t I her friend, but I’m not even an acquaintance. (4) Am I not your friend?
31 (日本語に比べて)英語圏の名字に職業名が多いのはなぜか
わかりません。英国で名字が出現し始めたのは 11 世紀。中世の職能別組合組織 ギルド(guild)の出現と関連ありや?