• 検索結果がありません。

レポートの構成

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "レポートの構成"

Copied!
39
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

実験レポートの書き方

機械情報工学科

許 宗焄

(2)

(実験)レポートとは何か?

◆テーマについて読み手との対話! ◆客観的な根拠のある主張(意見)をする報告書! ◆論理的思考力+表現力=レポート力! 感想文ではない 1.目的 2.理論または原理 3.実験 4.実験結果 5.考察 [参考文献]

×

6.参考文献

●レポートの構成

(3)

1.「目的」の書き方

How to write “introduction” 

実験の目的を簡潔にまとめる

目的だけを読んでも内容が予測できるように!

対象の説明

重要性

の指摘,

問題点

の明確化

実際に行うこと

の説明

What? Why? How?

(4)
(5)

1.「目的」の書き方

How to write “introduction” ●

良い例(

凝固点降下の実験

1.目的

溶液の凝固温度は一般に純溶媒の凝固温度より低 い.この現象は凝固点降下と呼ばれ,沸点上昇等とと もに多成分系の相平衡の解析に重要である.このた め本実験では,凝固点降下の現象がどのように起こる かを観察する.また実験によって得られた凝固点降下 ΔTから水のモル凝固点降下を求め,その値を文献値 と比較検討する. 重要性の指摘(Why) 実際に行うことの説明 (How) 対象の説明 (What)

(6)

2.「理論」の書き方

How to write “theory”  実験の目的を達成するために用いた理論または原理 をまとめる  理論の前提条件,仮定,基本的な考え方を示す

座標・記号の定義

モデル

の説明

・理論式の

導出過程

(←簡潔に)

(7)
(8)

2.「理論」の書き方

How to write “theory” ●

良い例(

シミュレーションによる

πの計算

ビュフォンの針の問題とは,平行面に引かれた等間隔 の平行線群の上に針を投げたとき,この針が平行線と 交わる確率Pから円周率πを求める問題である.ここで, まずPとπとの関係を導く.平行線間距離を2a,針の長さ を2lとする.・・・・・・ 図1に示すようにy軸をとる. y 2a 0 l l q 図1 針と平行線の関係

座標・記号

の定義

基本的な考え方

(9)

2.「理論」の書き方

How to write “theory” 針を落とす範囲は特定されないが,・・・・・・一般性は 失われない.したがって,この条件の下では針がy=0の 直線と交わる確率を求めることに帰着する.・・・・・・針と 直線の成す角度をqとすると,針と直線が交わる条件は, ・・・・・・したがって,全確率Pは, となる.この二重積分を実行すれば,次の関係を得る. sin yl q  (0  q ).   (1) sin 0 0 1 l P dy d a  q q      

 

1      (2) 2l aP          (3)

モデルの説明

理論式の 導出過程 式の番号 をふる

(10)

3.「実験」の書き方

How to write “experiment” 

実験全体の説明(図などで分かりやすく示す)

装置,計測方法・原理,材料,条件等の説明

・実験の詳細(装置型番など)→

再現性

箇条書きにしない

・実際に行ったことは

過去形で書く

(11)

3.「実験」の書き方

How to write “experiment” 

良い例(

演算増幅器

3 実験 3.1 反転増幅回路 実験に用いた回路を図1に示す.本図における反 転増幅回路の入力インピーダンスRiを1MΩ及び10 0kΩとし,帰還インピーダンスRfを1MΩとした時の入 力電圧Viと出力電圧Voとの関係を測定した. Vi及び Voの測定には1台のデジタル・マルチメータ(Hioki DM200)を用いて測定した.演算増幅器にはTL081 (NF)を用いた. ・・・・・・

実験全体の

説明

実験の詳細

計測方法

(12)

4.「結果」の書き方

How to write “results” 

実験の事実(データ・解析結果)を分かりや

すく示す

計算過程を示す

観察事項を書く

・データを

あるいは

グラフ

でまとめる

有効数字

単位

SI単位系)に注意

直線化

の工夫,

対数グラフ

結果の質 生データ→表,グラフ→数式

(13)

4.「結果」の書き方

How to write “results” 

良い例(

液晶対流系のノイズ応答

4 結果 4.1 フレデリックス転移 横軸に入力ノイズ電圧(VN), 縦軸に入力正弦波電圧(V)を とり,フレデリックス転移の閾 値を測定した結果を図2に示 す. 0 1 2 3 4 5 0 1 2 3 4 5 FT V [V ] V N [V] Fredericks state Homeotropic state 図2 フレデリックス転移閾 値のノイズ依存性

データをグラフで

まとめる

(14)

4.「結果」の書き方

How to write “results” 

良い例(

液晶対流系のノイズ応答

4 結果 4.1 フレデリックス転移 横軸に入力ノイズ電圧(VN),縦 軸に入力正弦波電圧(V)をとり, フレデリックス転移の閾値を測 定した結果を図2に示す.フレデ リックス転移閾値(VF)は以下の ノイズ応答性を持つ. 0 5 10 15 20 0 5 10 15 20 FT V 2 [V 2 ] V N 2 [V2] 図2 フレデリックス転移閾 値のノイズ依存性

直線化の工夫

2 2 2 0 F N VVbV   (4)

最小二乗法

(15)

4.「結果」の書き方

How to write “results” 

良い例(

液晶対流系のノイズ応答

周波数 (Hz) パワー (Arb unit.) 122.07 0.013400 244.14 0.013600 366.21 0.013900 488.28 0.014300 610.35 0.014600 732.42 0.014700 854.49 0.014400 976.56 0.013600 122.07 0.013400 244.14 0.013600 … … 表1 ノイズ電圧のパワースペクトル

データを表で

まとめる

有効数字

位に注意

(16)

4.「結果」の書き方

How to write “results” 

良い例(

液晶対流系のノイズ応答

図3 ノイズ電圧のパワー スペクトル 0 100 5 10-3 1 10-2 2 10-2 0 1 105 2 105 3 105 4 105 5 105 B Frequency f [Hz] P (f) [a rb. u n it] 10-8 10-7 10-6 10-5 10-4 10-3 10-2 10-1 0 1 105 2 105 3 105 4 105 5 105 B Frequency f [Hz] P (f) [a rb. u n it] 10-8 10-7 10-6 10-5 10-4 10-3 10-2 10-1 102 103 104 105 106 B Frequency f [Hz] P (f) [ar b. u ni t]

片対数グラフ

両対数グラフ

どうすればデータの情報の 詳細を見せるか?また,直 線に見せるか?

(17)

4.「結果」の書き方

How to write “results” 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0 2 4 6 8 10 0.0001 0.001 0.01 0.1 1 0 2 4 6 8 10 ax

y

e

log

log

l g

log

o

ax ax

y

e

y

y

Y

e

x

e

x

a

b

 

 

  

片対数グラフ

b  傾き:

(18)

4.「結果」の書き方

How to write “results” 0 1000 2000 3000 4000 5000 0 5 10 15 20 25 B C a

y

x

log

lo

o

g

g

l

o

g

l

a

y

y

x

a

a

Y

x

X

 

 

2

a

3

a

1 10 100 1000 1 10 100 B C 1 2

両対数グラフ

(19)

5.「考察」の書き方

How to write “discussion” 

考察の視点

判断の根拠

判断の結果

基礎的内容 発展的内容 計測精度 材料の検討 実験条件 変数の影響 理論・文献との比較 結果の解釈 総合的判断 応用の可能性 今後の課題

(20)

5.「考察」の書き方

How to write “discussion” 以下のようなものは考察にならない. (いずれも頻繁に見かける誤った良くない「考察」の例) 

実験方法や内容の説明 →

実験項目へ

「面白かった」「難しかった」「今度はこういうの

をやりたい」 →

感想

「時間がなくてできなかった」「機械が壊れてう

まく動かなかった」→

言い訳

主観的すぎる考え →

科学技術記述は客観性

(21)

5.「考察」の書き方

How to write “discussion” ●考察を書くときのポイント 

予想

結果

(仮説・理論)との

比較

方法の比較

(条件や実験方法)

誤差

の分析

実験の

問題点及び改善点

結果の

応用

関連する理論の引用

(22)

「参考文献」の書き方

How to write “references” ●出現順かアルファベット順  単行本の場合 (1)著者名:書名,発行都市,発行所(発行年). (1)折原宏:液晶の物理,東京,内田老鶴圃(2004), p.234.  雑誌の場合 (2)著者名:論文題目,雑誌名,巻(号),始めのページ (発行年).

(2)Jong-Hoon Huh and Shoich Kai: Pure noise-induced pattern formations in a nematic liquid crystal, J. Phys. Soc. Jpn, 78, 043601 (2009).

参考文献,図,表は必ず本

文で1回以上引用しなけれ

(23)

科学技術日本語

Technical Japanese ●頻繁に見る(修正したくなる)表現  この A の測定誤差は非常に小さい. → この A の測定誤差は,1% 以内である.  かなり良くなった. → 10% の改善が見られた.  この半導体結晶の純度は非常に高い.(本当は99.99%) → この半導体結晶の純度は99.99%である.  口語的表現を使わない すごく → 大変に,極めて,著しく いろいろな → 様々な,種々の いい → よい (良い) だから → 従って,すなわち 使う → 用いる,使用する,利用する

(24)

科学技術日本語

Technical Japanese ●頻繁に見る(修正したくなる)表現  ロケット A は最も上昇した

(この文の意味は自明ではない) → ロケット A は最も高く上昇した.(最高点/極大値が最も高かった) → ロケット A は最も早く上昇した.(上昇した時刻が最も早かった) → ロケット A は最も速く上昇した.(上昇速度が最も大きかった)  ○○実験を実験した. →○○実験を行った. ○○を実験した.  図2 に示す図は... →図2 は...  このアルゴリズムの実装を行った. →このアルゴリズムを実装した.

(25)

科学技術日本語

Technical Japanese ●頻繁に見る(修正したくなる)表現  情報量が ×高い・低い ×多い・少ない ○大きい・小さい  確率が 高い・低い ×多い・少ない ×大きい・小さい  可能性が ○高い・低い ×多い・少ない △大きい・小さい  人数が ×高い・低い ○多い・少ない ×大きい・小さい  周波数が ○高い・低い ×多い・少ない ×大きい・小さい  次元が 高い・低い ×多い・少ない ×大きい・小さい  次元数が ×高い・低い ○多い・少ない △大きい・小さい  記憶容量が ×高い・低い △多い・少ない ○大きい・小さい

(26)

科学技術日本語

Technical Japanese ●頻繁に見る(修正したくなる)表現  本論文では,・・・の実験を行った. →研究では,・・・の実験を行った.  本研究では,...について述べる. →論文では,・・・について述べる.  本実験では,...について検討した. → 本実験では,...であることが検証された.

(27)

●最小二乗法を実際のグラフに使おう!

2 2 2 2 1 2 3 3

S

d

d

d

d

これが最小になる 関数を求める! 時間 [s] 位置 [m] 1 2 3 4 5 1 2 3 4 5 0 yaxb 1 d 2 d 3 d d4 直線関数だけ ではない!

(28)

1.目的

2.理論

(29)

定規を使って奇 麗に書く!

(30)

同じ計算式の繰り返し → 表でまとめる

(31)

同じ計算式の繰り返し → 表でまとめる

文章が完成され ていない

(32)

単位を入れるところ

[kW] [kW]

(33)

5.考察

考察課題は 「4.結果」か 「5.考察」のところで!

(34)

グラフ2→図2 実験3-4 縦軸は何を 示すか? プロットの 大きさ? 直線はどうやって 引いたのか? →最小二乗法? 電圧 [V] 電流 [mA ]

(35)

グラフ用紙の端を原点にしない! すべての情報は方眼の範囲内に! 凡例を入れる! 目盛りを付ける! 原点が0である 必要はない! データを線で結ぶ! 図番号とタイトル は必須! 軸の意味 と単位!

(36)

★最後に・・・

1.盗作・盗用しないこと!

 他人の書いたものを,自分の書いたものとする ことは犯罪である  盗作したレポートは,評価の対象にならない  カンニングと同様に不正行為とみなされる

●盗作の例

 他人のレポートを写す  インターネット上の情報を,コピー&ペーストする  論文・本・新聞等を写す

(37)

★最後に・・・

2.データの捏造・不正加工しないこと!

 生のデータを保存する(実験ノート)  客観的の方法でデータを整理する

●捏造・不正加工の例

 予測される結果に合わせるために,一部のデー タを書き直した  画像の一部を消去したり,不正に加工したりした

(38)

★最後に・・・

3.不正を行うことは・・・

 誠実な受講生と担当教員を裏切ることである  自分の自尊心に関わる犯罪である

・〇〇大学 剽窃・盗用防止ガイドライン

・盗作検知ツール

Turnitinの導入

楽に得たものは 自分の力にならない.

(39)

講義資料は、

http://www.phys.mse.kyutech.ac.jp/ huhprofile.htm

・情報基礎実験I(

1年後期)

参照

関連したドキュメント

評価点 1 0.8 0.5 0.2 0 ―.. 取組状況の程度の選択又は記入に係る判断基準 根拠 調書 その5、6、7 基本情報

区分 授業科目の名称 講義等の内容 備考.. 文 化

授業科目の名称 講義等の内容 備考

16 Douglas D.Perkins & Ralph B.Taylor, “ Ecological Assessments of Community Disorder: Their Relationship to Fear of Crime and Theoretical Implications” , American Journal

3.3 液状化試験結果の分類に対する基本的考え方 3.4 試験結果の分類.. 3.5 液状化パラメータの設定方針

(補正)R2.2.21 (補正)R2.2.21 記載すべき内容 記載の考え方 該当規定文書

計   画  事  項 内              容

参考第 1 表 中空断面構造物の整理結果(7 号炉 ※1 ) 構造物名称 構造概要 基礎形式 断面寸法