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(1)

愛知県臨床衛生検査技師会

微生物検査班

基礎講座テキスト

(究極の迅速診断検査法 −グラム染色の見方を中心に−)

開催日 平成11年7月4日

会場 名古屋大学医学部基礎棟

(2)

目 次

1. 参加者名簿...................................................1 2. 染色法各論...................................................2 A) 固定法 1) 熱固定(火炎固定) 2) 化学固定 3) 良い標本を作成する為の"コツ" B)染色法...................................................3 1)グラム染色 a. 歴史 b. 原理 c. 方法 i. ハッカーの変法 ii. 西岡の変法(フェイバー・Gセット) iii. Bartholomew & Mittwer 法

2)莢膜染色..............................................7 a. 墨汁法 b. ヒス法 3) 鞭毛染色..............................................9 レイフソン法 4) 抗酸菌染色...........................................10 a. チール・ネールゼン法(Ziehl-Neelsen) b. オーラミン・ローダミン染色法

(Truan't Auramine-Rhodamine stain) c. "Tb−color Merck" ミコバクテリア冷染色 5) ヒメネス染色........................................12 6) その他の染色........................................12 3.実習要項 ........................................15∼ 実習の内容と説明 実習1∼実習6の実習手順と記録ノート

(3)

2.

染色法各論

A) 固定法 1)熱固定(火炎固定) 一般的に、最初の1∼2回は火炎の中を1秒程度通過させて徐々に温度を上げ、3回 目に多少ゆっくりと2秒程度の時間をかけて固定する。 固定後は、完全に熱をさます。 2)化学固定 加熱固定に対して、化学固定は鞭毛のような構造物や、細菌と生体細胞 との関係を観察するのにすぐれている。 化学固定に用いられる溶液及び作用時間は、下記に示す。 溶液 作用時間 メタノール 2−3分 エタノール−エーテル(v/v) 10−15分 塩化水銀−エタノール 3−5分 (塩化水銀3g、エタノール 30ml、精製水 60ml) オスミュウム酸溶液 スライドを蒸気で温め (2%オスミュウム酸 5ml,酢酸 5 滴。広口瓶に保存) た後、溶液に浸す。 3)良い標本を作成する為の"コツ" 検体に起因する要因 ・ 古い培養菌では、グラム陽性菌でも陰性となりやすい。 ・ 菌が濃すぎると脱色されにくく、菌体1個1個の形態が分かりずらくなり、こ れとは逆に、薄すぎると検鏡時に見つけにくく、また、菌体が膨化して形態が 変化し、薄くしか染まらなくなる。特にグラム陰性菌においてその傾向が強い ようです。 ・ 膿性の強い検体は、うすく広げる。 ・ 尿検体など、スライドガラスにのせた時、広範囲に広がる時には、スライドガ ラスをアルコール綿で拭くと表面張力で盛り上がり、必要以上に広がらなくな る。 固定の方法による染色性のむら ・ 火炎固定では熱しすぎると、脱色に時間がかかり、脱色むらが 生じやすく、またグラム陰性菌が陽性となりやすい。 ・ メタノール固定は、背景細胞の観察には適するが、火炎固定に 比べて脱色抵抗性の傾向が強い。 −2−

(4)

その他 ・ タンパク成分が少なくはげ落ちやすい検体では、塗抹前にスラ イドガラスに卵白グリセリンやAFB 溶液をコーティングしてお くとはげにくくなる。下記に卵白グリセリンやAFB 溶液の組成 を示す。 卵白グリセリン 卵白 20ml グリセリン 20ml 10 培希釈したホルマリン 1滴 (混和後濾過) AFB 溶液1 Thimerosol 0.02% フェノール 0.50ml 蒸留水 80ml 無菌家兎血清 20ml (高圧蒸気滅菌)

B)

染色法

グラム陽性菌の模図 グラム陰性菌の模図 1)グラム染色 a.歴史 グラム染色は細菌分類における基本的で最も重要な染色法である。

この染色法は、1884 年 Hans Christian Gram により組織中に存在する細菌を組織か ら染め分ける方法として考案された。

後に、 Hucker がゲンチアナバイオレットをより安定なクリスタルバイオレットに 変更(ハッカーの変法)して普及させた。

(5)

b.原理 グラム染色の染色理論は、100 年間も研究されたが、1983 年に Davis らが電子顕微 鏡を用いた実験で解明された。2 簡単に説明すると、染色過程でクリスタルバイオレットとルゴール液が細胞の内外を 問わずに複合体を形成する。細胞内で形成された複合体は分子量が大きくなり、細胞外 に出難い状況となる。この後、エタノール処理の過程で細胞表面の障害や細胞タンパ ク・リン脂質の細胞外への漏出が始まるが、細胞壁の厚く密な陽性菌では、複合体が漏 出しにくいが、細胞壁に脂質を多く含む陰性菌では、エタノールにより構造が破綻され 複合体が容易に漏出するということが解明された。

(Davis, J. A. ,et al. J.Bacteriol.,156,837-854,1983. より引用) グラム染色の限界 グラム染色は、陽性と陰性に染め分けることが容易であるが、ときとして意に反し た結果を得ることがある。 この要因として、菌種による細胞壁の厚みの違いや、脱色に対する抵抗性やこの他に も細胞の年齢、培養条件などが染色に影響を及ぼすことも念頭におく必要がある。 c.方法 i. ハッカーの変法 組成 (1)ハッカーのクリスタル紫液 ①クリスタル紫原液 (クリスタル紫 10gにエタノール 100ml)1容 ②1%シュウ酸アンモニウム水溶液....4容 ①と②を混和。混和直後は染色性が良くないので、一晩放置したものを濾過して 使用。 (2)ヨウ素液(ルゴール液) ①ヨウ素 1g ②ヨウ化カリウム 2g −4−

(6)

③蒸留水 300ml (3)脱色液 使用する脱色液によって、脱色作用が異なる。 脱色液 脱色作用 エタノール 最も遅い アセトン・エタノール(v/v) 中程度 アセトン 最も早い (4)対比染色 サフラニン原液 サフラニン 2.5gにエタノール 100ml 原液を蒸留水で 5−10 倍に希釈して濾過して使用 フクシン原液 ①塩基性フクシン 11g にエタノール 100ml...10ml ②5%石炭酸 5ml ......................100ml ① と②を混和し濾過して使用 パイフェル液 上記の石炭酸フクシン液を蒸留水で 5−10 倍に 希釈したもの 手順 1.ハッカーのクリスタル紫液で前染色をする。 約1分 2.ヨウ素溶液で媒染を行う。 約1分 媒染は、ヨウ素溶液で一度洗浄してからもう一度 ヨウ素溶液をかける。 3.水洗 4.脱色(グラム染色では、ここの操作が重要) 30 秒以内 5.水洗(脱色液の反応を止める) 6.サフラニン液(またはパイフェル液)で対比染色 10~20 秒 7.水洗 その他 ・対比染色液の違いで、陰性菌の染まり具合が異なる。 (写真1.対比染色にパイフェル液を用いた尿の塗抹染 色像。 写真2.対比染色にサフラニン液を用いた尿 の塗抹染色像。) −5−

(7)

・カンピロバクターやヘリコバクターは、サフラニンに染まりにくいので パイフェル液(フクシン溶液)を用いる。 (写真3,4.パイフェル液(フクシン)で対比染色を 行った胃生検材料と開放膿の染色像) ii. 西岡の変法(フェイバー・Gセット) 基本的には、Hucker の変法と同様であるが、媒染剤にピクリ ン酸が用いられている。本法の利点は、①従来法よりも対比しや すい、②媒染とグラム陰性桿菌の脱色を同時に反応させるため、 手技による染色性の差異がない、③媒染脱色液はきわめて安定 で長期保存に耐えるとされている。 しかし、本法の欠点は、厚く塗抹した標本では黄色に着色する ため、媒染脱色剤を用いた後、更に 10‐20%エタノールでピク リン酸を除去した後に対比染色を行う必要がある。4 組成 前染色液 ① ビクトリアブルー0.2g を 20ml の純エタノールに溶解する。 ② 蓚酸アンモニウム0.8g を 80ml の蒸留水に溶解する。 ③ ①液と②液を混合し、これを前染色液とする。 媒染脱色液 ピクリン酸 2g を純エタノール 100ml に溶解する。 対比染色液 フクシン 20mg を 100mlの精製水に完全に溶解する。 手順 1.前染色液を検体上に十分滴下し約1分間放置 2.水洗 3.脱色液を注ぎ、前染色液の青色が溶け出さなくなるまで数回 繰り返す。 4.水洗 5.対比染色液を十分滴下し約1分間放置 6.水洗・乾燥・鏡検 −6−

(8)

iii. Bartholomew & Mittwer 法

Bartholomew & Mittwer (B&M)法は、Hucker 法と比較して、グラム 陽性菌とグラム陰性菌の判別が明瞭であり、手技による差も少なく、正確 な判定が可能な方法とされる。 組成 前染色液 1%クリスタルバイオレット溶液 5%炭酸水素ナトリウム 媒染溶液 2%ヨウ素溶液 脱色液 アセトン・エタノール混合液(1:1) 対比染色液 パイフェル液(Hucker 法の頁参照) 手順 1. 1%クリスタルバイオレット溶液を満載 2. 直ちに、5%炭酸水素ナトリウム溶液を数滴滴下 約 30 秒 3. 水洗 4. 2%ヨウ素溶液を満載 約 30 秒 5. 水洗 6. アセトン・エタノール混合溶液で脱色 数秒 7. 水洗 8. パイフェル液を満載 約 30 秒 9. 水洗・乾燥・鏡検 2)莢膜染色 肺炎桿菌や肺炎球菌など細菌の種類によっては、細胞壁の外側に 粘稠性の層をもつものがある。外界との境界が明瞭なものを莢膜、 明瞭でないものを粘液層(エンベロープ)という。 莢膜染色には、Hiss 法や墨汁法が用いられるが、単染色やグラム 染色によっても菌体周囲の透明像(halo)として観察される事もある。 莢膜は、検体の直接染色では明瞭であるが、培養菌でははっきりし ないことがある。 −7−

(9)

a.墨汁法 墨汁法は、菌体を染色するのではなく、背景を墨汁で黒くすること によって、細菌の輪郭を観察する方法である。陰性染色ともいう。 染色方法 生理食塩水に浮遊させた被検菌液を1白金耳と墨汁 1 白金耳を スライドガラス上で混和し、カバーグラスをかぶせ、軽く押さえ てから鏡検。 黒い背景の中に菌体の輪郭が見え、その周囲に白く抜けた莢膜 が観察される。(写真5を参照) 墨汁は、ペリカン社の製図用インクにクレゾールを 0.3%に加え たものか、メルク社のIndian ink(石炭酸 1%を含む)が良いとされ るが、墨汁の粒子が細かければ問題はない。 b.ヒス法 ヒス法は、加温染色によって莢膜を含む菌体を染色し、次に脱色す ると莢膜が菌体に比べ脱色されやすい点を利用した方法。 組成 1%クリスタル紫水溶液 20%硫酸銅水溶液 染色方法 1.生理食塩水に浮遊させた被検菌液を1白金耳とウマなどの 血清 1 滴をスライドグラス上で緩和しながら塗布する。 2.乾燥・火炎固定 3.1%クリスタル紫水溶液で1分間加温染色する。 4.20%硫酸銅水溶液で洗い、水洗せずにカバーグラスをかぶ せて鏡検。菌体は濃青色、莢膜は淡青色に染まる。 c.その他 肺炎球菌莢膜染色法(その他の染色頁を参照)・OLT 炭疽菌莢膜染色 や墨汁の代わりにニグロシンを用いる陰性莢膜染色法がある。 −8−

(10)

3)鞭毛染色 運動性をもつ細菌は菌体の表面に鞭毛を有している。鞭毛の付き方と 数によって単毛性、束毛性、叢毛性、周毛性に分けられる。ブドウ糖非 発酵性グラム陰性桿菌の同定に重要である。 鞭毛は菌体に比べ非常に細く、通常の染色を行ってもその存在を確認 することは不可能である。鞭毛染色は、細い鞭毛に小さな粒子をたくさ ん付着させることにより光学顕微鏡で観察可能とする方法で、レイフソ ン法や Lembach-Sous 鞭毛染色法がある。 レイフソン法 組成 ①色素混合液 パラロ−ズアニリン酢酸塩 0.9g パラロ−ズアニリン塩酸塩 0.3g 95%エタノ−ル 100ml 色素と 95%エタノ−ルを混和後、室温に一晩放置して完全に溶解する。 ②1.5%塩化ナトリウム水溶液 ③3.0%タンニン酸水溶液 ①,②,③を等量ずつ混和し、室温に 2 時間放置後濾過せずに冷蔵庫に保存する。 室温放置では数日で使用不能となるが、冷蔵庫では2か月、 -20℃の冷凍庫で は1年以上安定である。なお、調製済みの試薬も市販されている。 手順 1. 脱脂洗浄済みのスライドグラスをガスバ−ナ−で約10 秒間 加温後、 ガラス鉛筆で枠を書く。 2. 被検菌液を1白金耳採り、スライドグラスの枠内の一端につ け、直ちにスライドグラスを立てて菌液を自然に流して広げる。 3. 自然乾燥後固定せずに、室温に戻した染色液をスポイトで枠 内に注ぐ。 4. 数分たつと染色液の表面に金色の光沢のある膜が生じ、それ よりやや遅れて染色液中に沈殿物が析出し軽く白濁してくる。 この白濁が染色液全体に及んだ時が染色の終末点で、通常 10 分くらいである。 5. 直ちに水洗。最初は染色液表面の膜を浮き上がらせるように 上から静かに水を流す。 6. 乾燥。検鏡。菌体と鞭毛はともに赤色に染まる。 −9−

(11)

4)抗酸菌染色 抗酸菌は発育が遅いため、分離培養に長い日数を必要とする。このために 抗酸菌染色は検査の迅速性と言う意味で重要である。 抗酸染色法には、チール・ネールゼン法と細胞壁に結合する蛍光色素を利 用した蛍光染色法がある。蛍光染色法は、弱拡大で鏡検できるので、広い視 野を容易に短時間で走査ができるため、検出率が高い。しかし、濾紙の繊維 なども抗酸菌と同様に蛍光色を呈するため特異性は低い。このため、蛍光染 色法だけで陽性とは報告せずに、特異性の高いチール・ネールゼン法で確認 を行う必要がある。 a.チール・ネールゼン法(Ziehl-Neelsen) 組成 ・チールの石炭酸フクシン液 ・3%塩酸アルコール(エタノールに濃塩酸を 3%に加えたもの) ・蒸留水で4∼5倍に希釈したレフレルのアルカリ性メチレン青液 染色法 ① チールの石炭酸フクシン液をスライドグラス上にたっぷりかけ、 アルコールランプで3∼5 分間加温する。 但し、染色液から軽く蒸気が発生する程度にとどめ、沸騰させ てはいけない。 ② 標本が室温まで冷めてから(約10∼15 分)水洗する。 染色液中の不溶性成分がスライド上に析出しているので、水洗 はこの析出物を浮かすように標本の上から静かに水を流す。 ③ 塩酸アルコールをかけて標本から色素が溶け出さなくなるまで 脱色を行う。 ④ 水洗 ⑤ アルカリ性メチレン青液で約30 秒間対比染色を行う。 ⑥ 水洗・乾燥・鏡検 抗酸菌は赤色、他の細菌および背景は青色に染まる。 −10−

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b. オーラミン・ローダミン染色法(Truan't Auramine-Rhodamine stain) 組成 蛍光染色液 オーラミンO 1.50g ローダミンB 0.75g グリセリン 75ml 石炭酸 10ml 蒸留水 50ml 色素に石炭酸と蒸留水 25ml を加えて混和後、残りの蒸留水、 グリセリンを加える。濾過には、ガラスフィルターを用いる。 脱色液 70%エタノールに濃塩酸を 0.5%に加えたものを用いる。 3%塩酸アルコールでも使用が可能。 対比染色 0.5%過マンガン酸カリウム水溶液、または蒸留水で 10 倍に 希釈したレフレルのアルカリ性メチレン青液。 染色法 ① 蛍光染色液で15∼20 分間染色を行う。 ② 水洗後、塩酸アルコールで標本から色素が溶け出さなくな るまで脱色を行う。 ③ 水洗 ④ 2∼3 分間対比染色を行う。 アルカリ性メチレン青液を使用する場合には、30 秒間 ⑤ 水洗・乾燥・鏡検 蛍光染色法では、蛍光顕微鏡が必要である。 励起フィルターは B、吸収フィルター500nm あるいは 530nm を使用 する。鏡検に際しては、検体中に含まれる繊維等で観誤る事があるの で注意する。また、蛍光顕微鏡から発する光は目に有害であるので、 目に直射しない工夫をしましょう。 −11−

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c. "Tb−color Merck" ミコバクテリア冷染色(写真6) チール・ネールゼン染色の変法で、石炭酸フクシン溶液による 加温染色をせずに良い結果が得られる。 5)ヒメネス染色3 レジオネラ属菌は検体の直接塗抹標本のグラム染色でグラム陰性 桿菌として認め難い。仮に認め得てもレジオネラと推定できない。 ヒメネス染色は、レジオネラに特異的な方法では無いが、この方 法によって、マクロファージなどの炎症細胞の細胞質内に赤色した 桿菌が多数認められればレジオネラの可能性がある。 組成 I液...石炭酸フクシン調製液 II 液...0.8%マラカイトグリーン水溶液 (I 液は使用時に調製) 手順 1. I 液を標本上に滴下し、2分間染色 2. 水洗 3. II 液を標本上に滴下し、10 秒間染色 4. 水洗 5. 再度、II 液を標本上に滴下し 10 秒間染色 6. 水洗・乾燥 7. 鏡検 6)その他 1)肺炎球菌莢膜染色 組成 2%ニューフクシンアルコール溶液 3%酢酸溶液 手順 1. 浸出液または喀痰を白金耳でスライドに塗布し速やかに乾燥 2. エタノールを1滴かけて点火(1秒間)数回繰り返す 3. 冷めてから数秒間酢酸を作用させる。 4. フクシン溶液で染色後、水洗・乾燥・鏡検 肺炎球菌は、ぼやけたピンク色の膜に囲まれて赤くみえる。 −12−

(14)

2)マイコプラズマの集落の染色

寒天平板培地に形成された集落を染色して、マイコプラズマの集落 か他の細菌によるものかを鑑別するための染色法で、Dienes 染色法や impression film 法がある。ここでは、Dienes 染色法について記載する。 Dienes 染色(写真7) 組成 メチレンブルー 2.5g アズ‐ルⅡ 1.25g マルト‐ス 10g 冷暗所に保存 炭酸ナトリウム 2.5g 安息香酸 0.25g 蒸留水 100ml 手順 1. カバーガラスにDienes 染色液を塗り広げてフラン器で乾燥 させる。 2. 寒天培地を切りだし、集落を上側にしてスライドガラスに置く 3. 先に作製したスライドガラスを染色液のある面を下にして寒天 ブロックに乗せて、カバーガラスをのせたまま鏡検する。 マイコプラズマの集落は写真7に示す通り、集落全体が青く染まり、辺縁部 は淡く中心部は濃く微細構造が明瞭に観察することができる。 3)ラクトフェノールブルーによる真菌染色 真菌・糸状菌の観察に用いる。標本の作製には、リドル法が一般的に用い られる。 組成 石炭酸 10g 乳酸 10g グリセロール 20g コトンブルー 0.05g 蒸留水 100ml −13−

(15)

その他、染色法には芽胞染色・異染小体染色・ギムザ染色・単染色などが挙げられる が、今回は割愛させていただきました。 参考文献 1 東堤 稔:結核菌.臨床と微生物,18:43-49.1991.

Davis, J. A. ,et al. : Chemical mechanism of the gram stain and synthesis of new

electron opaque marker for electron microscopy which replaces the iodine mordant of the stain.J.Bacteriol.,156,837-854,1983.

3 上田 泰:厚生省レジオネラ肺炎診断基準と診断・検査及び治療指針:1992. 西岡 光夫:新しいグラム染色法.衛生検査.,31,944-948,1982 上記以外にも 坂崎 利一監修:MERCK 微生物マニュアル,近代出版,1993. 山中 学 監修:微生物学,医学書院. −14−

参照

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