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小売業を超越した中国「オムニチャネル経済圏」の形成~中国商業十大ホットイシュー2016~

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(1)

小売業を超越した中国「オムニチャネル経済圏」の形成

~中国商業十大ホットイシュー2016~

2016年3月25日 野村総合研究所(上海)有限公司 営業総監

郷 裕

234回NRIメディアフォーラム

企業戦略部

劉 芳

(2)

Copyright(C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 1

「インターネット+」時代に入った中国流通市場

中国商業十大ホットイシュー2016

中国流通トレンド2016~「オムニチャネル経済圏」の形成

目次

(3)

「インターネット+」時代に入った中国流通市場

中国商業十大ホットイシュー2016

(4)

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中国消費市場は二桁成長を維持し、中国経済の成長をけん引する存在になっている

中国消費市場

(中国社会消費品小売総額*1

12.0%

2014年

成長率

(前年同期比)

51.2%

13.1%

48.2%

2013年

成長率

(前年同期比)

*1中国消費動を示す指標。卸売業、小売業、宿泊業及び飲食業が個人 消費者又は社会団体に直販した消費財の小売総額を指す

10.7%

2015年

成長率

(前年同期比)

66.4%

重点小売企業*2 売上成長率 消費市場に占める EC市場のシェア

10.6%

6.3%

8.9%

8.0%

13.5%

*4

4.5%

*3GDPに対する消費の貢献率=中国社会消費品小売総額/GDP*100%

中国リアル小売業とEC市場の成長

GDPに対する

消費の貢献率

*3 出所)消費市場に占めるECのシェアは「iResearch」より、その他は中国国家統計局及び中国商務部より *42015年消費市場に占めるECの割合(予想値) *2「重点小売企業」とは中国商務部が監察する5,000社の小売企業(百 貨店、スーパー、専門店など)で、毎月会社の売上、社員数、収益情報 などをネットで各社が商務部に申告した数値に基づいている

(5)

2015年は、「インターネット+」が中国国家戦略となり、

インターネットを起点とした事業革新や再編のニュースが相次いだ年だった

ネットユーザー

拡大

 農村部ネットユーザが全体の27.9%を占めるまで拡大

EC事業者と

実店舗事業者の提携

 2015年、アリババと銀泰百貨、アリババと蘇寧、京東と

永輝などの大型提携案件が増加

インターネット+(互聯網+) (李克強首相が政府活動報告にて発表)

「インターネット+」とは、インターネットを通じた近代製造業の融合を推進し、電子商取引、産業イン

ターネット、インターネット金融の健全な発展、インターネット企業による国際市場開拓を導く方針

ネットの多様化

 テンセントの「スマート医療」、百度の「百度医師」が登場

し、ネットと他業態の結合が加速している

越境ECの拡大

 天猫、京東など大手EC事業者に加え、新規参入者が

相次ぐ

大手ネット事業者

同士の合併

 タクシー配車アプリ「滴滴出行」と「快的打車」が合併

 共同購買サイト「大衆点評」と「美団網」が合併

(6)

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NRI上海では、2013年より中国流通業界の今後の見通しを提示してきた

2013

2014

2015

生き残りを

かけた戦いが始まる

消費者起点の

サービスイノベーション

構造転換期

に差し掛かる

 消費の高い伸び  国民1人当たりの所得の 国家目標化、社会保障整 備などフォローの風 消費  二ケタ増の維持 三公消費減退、政府補助 打ち切りなど消費の構造 転換  店舗拡大から単店重視へ  サプライヤー依存モデル からの脱却(自主運営化) リ ア ル 業態  小型業態が注目を浴びる  オムニチャネル、自主運 営モデルによる事業モデ ル転換  天猫が実質的な中国流通 ランキング2位に EC  天猫が中国流通ランキン グ1位に、京東が5位に  流通ランクトップ100の62 社がEC事業を展開

2016

GDP成長の減速により、小 売業も安定成長期に入る  三公消費起点から大衆消 費起点への転換が急務  小売全体の10%に到達  モバイル端末によるビジネ スや農村部の市場開拓など の成長空間でさらに拡大が 続く O2Oなど新しい取り組みの 模索の傍ら、リアルでの サービス強化という本業回 帰がキーワードとなる

(7)

中国流通業に現れた変化

中国商業十大ホットイシュー2016

(8)

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(参考)中国商業十大ホットイシュー2016の審査委員と選考の流れ

チームリーダー: 宋則(中国社会科学院財経戦略研究院研究員) 博龍(中国商業連合会副会長、高級経済師) メンバー: 張家敏(全国政協委員兼香港馮氏集団利豊研究中心董事兼総経理) 劉建沪(中国商業連合会副会長兼専門家工作委員会主任) 李禧華(中商商業経済研究センター元副主任、研修員) 頼陽(北京財貿管理幹部学院商業研究所所長、教授) 趙涛(商務部流通業発展司処長) 万文英(首創集団アウトレッズ(中国)商業運営管理公司董事長) 陳建明(東方赛睿投資顧問有限公司董事長、易舗網董事長) 楊澤軒(万達集団商業不動産研究部総経理) 曾令同(IBMG国家商業管理集団副総裁) 曹立生(中国商業連合会副秘書長、中華全国商業情報センター副主任、高級 経済師) 邢和平(中国商業連合会専門家事務委員会副主任) 林詩慧(香港馮氏集団利豊研究中心副総裁) 梁詠玑(香港馮氏集団利豊研究中心研究経理) 李涛(集団華北地区首席代表) 郁迪(専門家事務委員会の副秘書長兼中国商貿雑誌社常務副社長) 曹進堂(専門家事務委員会副秘書長) 王棟(中国商業連合会研究室処長) 胡斌(中国商報社副編集長) 顔菊陽(中国商報首席記者) 張涛(中国商報新聞部主任) 蒋永霞(中国商報高級記者)

専門家審査チームが提示した案に、170名余りの中国国内の専門家の意見・提案を加味し、専門家審査チー

ムによって最終的な「中国商業十大ホットイシュー2016」を取りまとめた

審査委員(専門家審査チーム)

選考の流れ

(9)

中国商業十大ホットイシュー2016

1

「新常態」のもと、消費市場のGDP成長への牽引役が顕著に

2 流通業の支援政策が次々に打ち出され、実効性が求められるフェーズに移行

3 「インターネット+」が流通業の革新を促進し、O2Oモデルが多様化

4 実店舗の閉店ブームが続き、オムニチャネルのレベルアップが始まる

5 M&Aに代わり、「強強連合」が企業提携の新常態化

6 異業態の融合・細分化が進み、業態のイノベーションがブーム化

7 越境ECが急成長し、従来型商業にイノベーションをもたらす

8 宅配業がサービス機能を具備し、新たなモデルに進化

9 大衆飲食に牽引される飲食業は、IT技術による共同購入、出前サービスが急成長

10 消費環境の改善を促す競争秩序の規範化が促進

出所) 「2016年中国商業十大熱点展望評述報告」

(10)

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1 「新常態」のもと、消費市場のGDP成長への牽引役が顕著に

2015年

消費市場成長率10.7%

EC市場の拡大

自動車、石油及び関連商品の縮小

食品などの生活商品の成長

大型小売業の業績悪化

飲食業の回復・成長

大衆化商品の拡大

プラス要因

マイナス要因

所得の安定成長

*1

都市人口の増加及び低収入人口の減少

二人っ子政策

商品の品質及び買物環境の改善

要因

2016年

消費市場成長率10.2%(予測値)

上期は成長が減速したものの、EC市場の成長や 飲食業の回復により、下期は堅調に推移 一人当所得の増加や商品・サービス業のレベル アップにより、2016年も二桁維持可能と予測 出所) 「2016年中国商業十大熱点展望評述報告」 *1第十三次五カ年計画では、2020年の一人当所得を2010年の倍増する計画

(11)

2 流通業の支援政策が次々に打ち出され、実効性が求められるフェーズに移行

2015年中国流通改革の主要政策

EC市場発展促進

• 5~9月まで、EC、越境EC、農村部向けEC市場に対する6つの促進政策

が打ち出され、業界に対する行動規範、指導意見を提示

農産品市場発展促進

• 『中国全土農産品市場体系発展計画』が公表され、農産品流通ネットワー

クの構築、流通効率向上を提示

宅配業発展促進

• 宅配業発展の重点タスク、施策が公表され、スマート物流システム構築の

重要性を認識した上での実施意見を提示

法整備政策

• 流通業の法環境整備、ビッグデータの活用による市場の監視・管理レベ

ル向上及び偽物対策などの施策を提示

サービス業促進政策

• サービス業促進の指導意見、新サービスモデルの成長促進政策が公表

政策上の課題

今までの流通業に関する政策は、地方での未実施、旧政策との衝突、実施不可能な政策などの問題で

実行できていないケースが見られる

(12)

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3 「インターネット+」が流通業の革新を促進し、O2Oモデルが多様化

中国EC市場新たな変化

O2Oモデルの多様化

モバイル市場への移行

喵街」アリババ 「飛凡」万達集団 • 中国EC最大手のアリババと不動産最大 手の万達集団それぞれがGPS、ビッグ データによる情報提供のアプリをリリース • 駐車スペース検索、店舗検索、チケット 購入、Wifi、地図情報、クーポン提供など の機能を具備

消費者主導による購買モデル加速

農村部EC市場の拡大

 ソーシャルメディアの普及

• 中国のインターネットユーザーのソーシャルメディアへ の信頼度が高く、41%がコメント経験がある (アメリカは21%)

 C2Bモデルが次の成長ポイント

• 20代女性向けファッションアプリ「美麗説」が顧客の評 価・コメントを元に生産計画を立てる生産モデルを稼動

 農村部インターネットユーザの増加

• 2015年6月時点の農村部インターネットユーザー数が 約1.8億人(2014年より800万人増)に達した

 インフラの整備

• 2020年までに中国農村部の98%をブロードバンド化す る計画が打ち出され、投資額1,400億元が見込まれる EC取引が徐々にPCか らモバイル端末に移行 し、2015年Q2に初めて モバイル端末利用が PC利用を上回った 49.2% 50.8% 0% 50% 100% 2014年Q3 2014年Q4 2015年Q1 2015年Q2 PC端末 モバイル端末 出所) 「2016年中国商業十大熱点展望評述報告」、iResearch

(13)

4 実店舗の閉店ブームが続き、オムニチャネルのレベルアップが始まる

2015年中国各小売業態の動向

「大型業態の成長鈍化」と「小型業態の成長」が顕著になりつつある

大型業態(総合スーパー、百貨店など)

小型業態(コンビニ、小型専門店など)

現状

動向

• 2015年上期主要大型企業が合計121店

閉店(2014年上期158店閉店)。

• 閉店店舗が主に1級・2級都市に集中

• コンビニ店舗数が20%以上増加

• 各地の流通コングロマリット企業が小型

店舗を強化

 サプライチェーン強化

• 華聨、永輝等大手スーパー事業者4社がサ プライチェーン強化で提携 • 歩歩高、天虹等地方流通グループを中心と した22社がグローバル調達プラットフォーム を共同構築 • 大手スーパーの永輝が上海野菜集団に出 資し、サプライチェーンの共有化を図る

 日系・中国地場系コンビニ

• プレーヤーの多様化による競争激化 • 好立地を抑えるための出店競争が加速

 中国百貨店による「万店計画」

• O2O(Online to Offline)の実現に向け、歩 歩高、天虹、華潤等の大手流通グループが コンビニ業態を強化・発展させる「万店計 画」を発表

(14)

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5 M&Aに代わり、「強強連合」が企業提携の新常態化

2015年中国流通業主な強強連合案件(25件以上)

出所) 「2016年中国商業十大熱点展望評述報告」 5月 アリババが銀泰百貨最大株主となり、CEO張勇氏が理事長に就任 6月 自主ブランド開発のため、「王府井百貨」、「百聯股份」、「香港利豊」3社が合弁会社設立 大手共同購買サイト「大衆点評」と大手百貨店「PARKSON」が戦略的パートナー契約を締結 7月 「華聨超市」、「永輝超市」、「武漢中百」、「百聯股份」4社が共同でサプライチェーンを共有・ 再構築(調達、IT、データ共有、物流など) 8月 EC大手の「京東」が43.1億元で「永輝超市」の10%株を取得し、戦略パートナー締結 「アリババ」と「蘇寧雲商」が相互出資(アリババが蘇寧雲商へ283億元出資(19.9%)、蘇寧 雲商がアリババへ140億元出資(1.09%)) 9月 「万達集団」と「蘇寧雲商」が共同進出計画を締結 11月 「歩歩高」、「天虹」、「山東家家悦」等22社が提携し、グローバル調達プラットフォームの共同 構築を宣言 大手スーパーの「永輝」と韓国CJ集団が合弁会社を作り、セントラルキッチンを共同構築 百果園と果多美が相互投資の形で、中国最大のフルーツ専門店を目指す 2月 配車アプリ業界1位、2位の「滴滴出行」と「快的打車」が合併し、当業界を独占 10月 大手購買サイトの「大衆点評」と「美団網」が合併 Online & Online Online & Offline Offline & Offline

(15)

異なる業態の融合

既存業態の細分化

6 異業態の融合・細分化が進み、業態のイノベーションがブーム化

2015年中国小売業のキーワード: 「革新」

総合リフレッシュ空間「悦界」

• 2015年、北京の大型商業施設「北京朝陽大悦城」の5・ 6階に、デート、閲覧、休憩、ソーシャルのできる総合エ リア「悦界」がオープン • 大自然をテーマとした、音楽喫茶店、芸術サロン、映 画・レストランなどの創意工夫のあるテナントを導入

雑貨に特化した「Hi百貨」

• 富裕層ターゲットの「上品な生活提供」がポリシー • 約3,000平米の売場で、自社ブランドの喫茶店、書店、 アート教室などを編成 売場1万平米の35%を緑化 創意工夫のある店が多く、 楽しめる空間を創造 雑貨の品揃えが豊富 特徴的で斬新な商品を品揃え (中国独占販売の商品も存在)

(16)

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7 越境ECが急成長し、従来型商業にイノベーションをもたらす

中国越境EC(輸入)取引額と成長率の推移

 越境EC急成長の背景

 中国中間消費層の拡大に伴う、高品質・コストパフォー マンスへのニーズの高まり  国内メーカーが長い間輸出に依存し、国内消費者向け の商品開発不足やサプライチェーンの未熟さを露呈  越境ECに関する政策の緩和

中国越境ECの主要プレイヤー

• 天猫(T-Mall)、京東など大手EC事業者がほぼ全 て越境EC事業に参入 • 蜜芽、コアラなどの新興事業者も急成長 (コアラは、設立1年後に売上高20億元達成)

EC

• 百貨店をはじめとする実店舗事業者も、「体験店」 を活用した越境EC事業を展開 • 消費者は「体験店」で実物確認後、インターネット で購入する以外に、店内で税金納付済の越境EC 商品を購入することも可能

実店舗系

広州大手百貨店「天虹商場」店内の 越境EC「体験店」 出所) 「2016年中国商業十大熱点展望評述報告」、iResearch、各種写真は「赢商網」より添付 億元 (eは予測値) 20.1% 53.0% 60.0% 119.1% 85.6% 55.3% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 120% 140% 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年e 2017年e

(17)

8 宅配業がサービス機能を具備し、新たなモデルに進化

中国宅配業は年50%以上の成長率で拡大する中、

サービス範囲拡大、付加価値向上など、価格競争からの脱却を目指す

コールドチェーンへのチャレンジ

農村部ネットワークの強化

 商品品質に対するニーズの高まりを受け、コールド チェーンが注目される  2017年まで、市場規模が4,700億元になると予測  但し、インフラ、技術、コストの障壁がまだクリアできず、

業務の多元化

O2Oによる「衆包」物流モデル

本業の宅配以外に、サプラ イチェーン金融からEC業 務向け産業パーク建設、 自社ECサイトまで展開 宅配 産業 パーク 物流 EC 金融  消費者を通じて、宅配のラストワンマ イルを配送してもらうモデル  中国人件費の高騰に伴う物流コスト 上昇に対応し、一般消費者の自由時 間活用によるローコスト化 京東衆包  中国農村部のEC市場規模は2016年4,600億元を突破 する見込み(アリババの研究所の発表)  農村部での物流ネットワーク構築に向け、中国中央政府 からの支援策も次々と打ち出される 中国宅配業最大手「順豊」の業務多元化戦略

(18)

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9 大衆飲食

*1

に牽引される飲食業は、IT技術による共同購入、出前サービスが急成長

大衆化による飲食業の成長

インターネット出前代行サービス

61.2% 16.2% 4.5% 6.5% 11.6% 友人同士 家族同士 恋人同士 団体・ビジネス その他 2015年中国飲食業消費者形態の構成  2013年、公費による飲食の抑制後、団体・ビジネス 需要が急速に減少し、高級飲食店が苦境に陥った  ここ2、3年、高級飲食店の大衆化・多様化と共に、 消費者の飲食支出が増加  2015年の飲食業の成長率は11.7%と二桁に回復  飲食業におけるO2Oサービス(ネット出前代行サー ビス)が2014年下半期より急成長し、2015年Q4の 取引額は190億元を突破(前年比同月比200%超)  7割近くの利用者は、サラリーマン・OLで、生活リズ ムが加速しつつある中国で、利便性が支持される 42.7 81.0 143.3 190.8 0 50 100 150 200 250 2015 年 Q 1 2015 年 Q 2 2015 年 Q 3 2015 年 Q 4 26.6 % 67.7 % 5.7% 学生 サラリーマン・OL その他 中国ネット 出前サービス取引額 中国ネット出前サービス 利用者の構成 億元 出所) 「2016年中国商業十大熱点展望評述報告」、易観智庫 *1 「大衆飲食」の定義 朝食、ファストフード、団体食、地方飲食、軽食、社区飲食(住宅街の住民向け飲食)、出前、グルメプラザなど手頃価格で提供される料理のこと

(19)

10 消費環境の改善を促す競争秩序の規範化が促進

中国消費市場における競争環境の課題

クレーム案件の急増

• 中国全国工商行政管理局*1のインターネットクレーム処 理件数は2014年で7.78万件に上る(前年比356.6%)

品質問題・偽物問題の多発

• 2015年上期のクレーム処理件数29.3万件のうち、 44.6%は品質問題、20.5%はアフターサービス問題

店舗に対する強引なキャンペーン活動参加

• 天猫(T-Mall)などECプラットフォーム事業者の大型キャ ンペーン開催時における出店者への参加強要

プリペイドカードの未監察

• 上海におけるプリペイドカード発行機関数は10万社以上 に対し、上海商務委員会へ登録済みは351社 (上海工商局の統計)

2015年9月に『網絡商品及びサービス集中キャン

ペーン活用管理暫定規定』が公表され、EC事業者に

対するキャンペーン活動をルール化

『網絡取引管理弁法』、『網絡市場監査強化に関する

意見』などEC市場向け商業環境管理施策の制定

消費者保護と健全なEC市場競争環境の整備を推進

*1中国全国工商行政管理局とは市場の監督管理及び行政 執行を所管する機関

(20)

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中国流通業に現れた変化

中国商業十大ホットイシュー

2016

(21)

2016年中国商業十大ホットイシューの特徴は、

OnlineとOffline、業態間などあらゆる形で融合が進んで行ったこと

1 「新常態」のもと、消費市場のGDP成長への牽引役が顕著に 2 流通業の支援政策が次々に打ち出され、実効性が求められるフェーズに移行 3 「インターネット+」が流通業の革新を促進し、O2Oモデルが多様化 4 実店舗の閉店ブームが続き、オムニチャネルのレベルアップが始まる 5 M&Aに代わり、「強強連合」が企業提携の新常態化 6 異業態の融合・細分化が進み、業態のイノベーションがブーム化 7 越境ECが急成長し、従来型商業にイノベーションをもたらす 8 宅配業がサービス機能を具備し、新たなモデルに進化 9 大衆飲食に牽引される飲食業は、IT技術による共同購入、出前サービスが急成長 10 消費環境の改善を促す競争秩序の規範化が促進 O2Oモデルの多様化 オムニチャネルのグレードアップ リアルとEC事業者の相互浸透 O2Oによる多業態の融合 越境ECとリアル業態の融合 O2Oに牽引された飲食業

(22)

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EC事業者を起点に、小売を超越した「オムニチャネル経済圏」を構築し始めている

蘇寧雲商 (家電量販店) 永輝超市 (大型スーパー) オンライン オフライン O2O

非BAT系の企業

百度系

中国ネット大手BAT

*1

が近年投資した主要企業

アリババ系 テンセント系 T-Mall・淘宝 銀泰百貨 (百貨店) 餓了嗎 (飲食宅配代行) 美団網 (共同購入サイト) 高徳地図 (モバイル地図) 快的打車 (配車アプリ) 日日順物流 (ハイアール傘下の物流) 遛遛 (ベッドサービス) 91無線 (モバイル検索エンジン) 優信拍 (オンライン中古車売買) 安居客 (不動産仲介) 去哪網 (旅行サーチエンジン) Uber中国 (配車アプリ) 客如雲 (外食オンライン注文) 京東 (EC) 華南城 (物流・貿易) 餓了嗎 (飲食宅配代行) 大衆点評網 (口コミサイト) 四维図新 (モバイル地図) 滴滴出行 (配車アプリ) 58同城 (クラシファイド広告) E袋洗 (オンラインクリーニング) 合併 合併 楽城百貨 新興企業 伝統企業 永輝 (オンライン発注) 天虹百貨 (越境EC展開) 正大優鮮 (宅配サービス) 回家吃飯 (自宅料理の共有) E代駆 (運転代行サービス) 愛屋吉屋 (不動産仲介) 愛コアラ (O2O教育) Hi百貨 聚美優品 (洋服EC) 一号店 (EC) 網易コアラ (越境EC) 本来生活 (生鮮EC) 新世界百貨 背景

モバイルの

普及

中間消費層

の台頭

実店舗事業者

の低迷

衣食住に至る

O2O浸透

EC事業者の

資金力

質重視の

消費価値観

*1三大インターネット事業者である、BAT:Baidu(百度)、Aribaba(アリババ)、Tencent(テンセント)の総称

(23)

今後の中国流通トレンドキーワード

「オムニチャネル経済圏」、「B2CwC」、「脱コンビニフォーマット」

オンライン オフライン O2O

非BAT系の企業

中国ネット大手BATが近年投資した主要企業

蘇寧雲商 (家電量販店) 永輝超市 (大型スーパー) 百度系 アリババ系 テンセント系 T-Mall・淘宝 銀泰百貨 (百貨店) 餓了嗎 (飲食宅配代行) 美団網 (共同購入サイト) 高徳地図 (モバイル地図) 快的打車 (配車アプリ) 日日順物流 (ハイアール傘下の物流) 遛遛 (ベッドサービス) 91無線 (モバイルサーチエンジン) 优信拍 (オンライン中古車売買) 安居客 (不動産仲介) 去哪網 (旅行サーチエンジン) Uber中国 (配車アプリ) 客如雲 (外食オンライン注文) 京東 (EC) 華南城 (物流・貿易) 餓了嗎 (飲食宅配代行) 大衆点評網 (口コミサイト) 四维図新 (モバイル地図) 滴滴出行 (配車アプリ) 58同城 (クラシファイド広告) E袋洗 (オンラインクリーニング) 楽城百貨 新興企業 伝統企業 永輝 (オンライン発注) 天虹百貨 (越境EC展開) 正大優鮮 (宅配サービス) 回家吃飯 (自宅料理の共有) E代駆 (運転代行サービス) 愛屋吉屋 (不動産仲介) 愛コアラ (O2O教育) Hi百貨 聚美優品 (洋服EC) 一号店 (EC) 網易コアラ (越境EC) 本来生活 (生鮮EC) 新世界百貨

キーワード1

「オムニチャネル経済圏」

強強連合によるOnline、Offlineを跨いだ

連合体の形成

「小売」に留まらず、サービスを織り込んだ

新しいライフスタイル提案

キーワード2

「B2CwC」

消費者を巻き込んだ

効率的かつ大手を出しぬく

ビジネスモデルの構築

キーワード3

「脱コンビニフォーマット」

コンビニの概念を超えた

(24)

Copyright(C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 23 キーワード1 「オムニチャネル経済圏」

EC事業者の急速な成長も曲がり角に差し掛かりつつある

59% 47% 43% 33% 25% 17% 0% 20% 40% 60% 80% 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000

2013年 2014年 2015年e 2016年e 2017年e 2018年e

ネット通販取引金額 成長率 9.4 33.6 191 350 571 912 0 200 400 600 800 1000 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年

中国ネット通販取引金額及び成長率の推移

T-Mall・淘宝「双十一」一日取引額の推移

億元 億元

•中国国内商品の品揃え(SKU数)の限界

•品質問題、クレームの多発

•EC事業者のリアル業態への注力

(資本面の参入から運営面の提携)

•「双十一」当日の売上増加の一方、年末年始の売

上減も顕在化

•衝動買いの結果生まれた高い返品率

(一部店舗では、返品率が30%以上)

•出店者に対するキャンペーンへの参加強要

(2015年に規範化)

出所) iResearch等を元にNRI作成 (eは予測値)

中国EC市場につきつけられている課題

(25)

キーワード1 「オムニチャネル経済圏」

強強連合の先に見える「オムニチャネル経済圏」

0 5 10 15 20 25 30 35

アリババの投資動向からみた「アリババ生態システム」の構築

Step1(~2009年) 小規模のEC企業の買収 Step2(2010年~2012年) 物流、ECサービス企業などをターゲット サプライチェーンへの投資を重視 Step3(2013年~現在) モバイルEC関連企業、ソーシャルメ ディア、O2O企業への投資 さらに、実店舗小売事業者、モバイル メーカー、映画会社、新聞紙への投資 オフライン オンライン 美団網 餓了嗎 園通 物流 銀泰 百貨 58到家 高徳 地図 魅族 科技 蘇寧 雲商 陌陌 淘宝 サービス業 小売業 T-Mall

(26)

Copyright(C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 25 キーワード2 「B2CwC」

「新常態」のもと、中国消費者の収入が増加し、「コストパフォーマンス」を重視する

中間消費層の拡大が加速している

中国都市部住民可処分所得の推移

元 出所) 中国国家統計局、NRI中国中間層調査2014(N=8,481) 14.1% 12.6% 9.7% 9.0% 8.2% 9.3% 7.7% 7.7% 7.4% 6.9% 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 14% 16% 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 可処分取得 成長率 GDP成長率 順位 質問項目 回答率 上位 1 使っている人の評判が気になる 73.4% 2 値段が高くても、安全性を重視して製品を買う 73.4% 3 価格が品質に見合っているかよく検討してから買う 73.0% 4 自分のライフスタイルにこだわって商品を選ぶ 71.5% 5 無名なメーカーより、有名なメーカーの商品を買う 70.2% 下位 26 新商品・サービスを周りの人よりも早く購入・利用する 46.0% 27 最低限の機能が備わっていれば、安価なものを購入する 44.3% 28 値段が高くても、流行っているものを買う 41.0% 29 とにかく安くて経済的なものを買う 40.5% 30 商品を安く手に入れるために時間や手間は惜しまない 32.8%

中国中間層の消費価値観(上位5項目、下位5項目

*1

*1本調査では、価格、品質安全、ブランド、評判、こだわり、個性、情報 発信、情報探索など30項目の消費価値観に関する意識を調査

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キーワード2 「B2CwC」

「インターネット+」の浸透と共に盛り上がるシェアリングエコノミー

中国の特徴は、「B2CwC」

教育系 飲食系 ホテル系 アプリ名 VIPKID 回家吃飯 住百家 設立 2013年 2014年 2012年 ユーザー数 13万人 100万人 N/A 事業概要 子供向けオン ライン英会話、 北米英語教師 活用 自宅の家庭料 理の提供 中国旅行者に 海外旅行時の アパート、民宿 等を提供 物流系 旅行系 レンタカー アプリ名 京東衆包 丸子地球 友友租車 設立 2015年 2012年 2014年 ユーザー数 25万人 (登録者) N/A 7.4万人 (借り手) 事業概要 ラストワンマイ ルの宅配 海外旅行ガイ ド マイカーのレン タル

中国における主な「B2CwC」型サービス

中国における「シェアリングエコノミー」登場の背景

• 「シェアリングエコノミー」(共有型経済)とは、 個人が持つ遊休資産・スキルを仲介機関 によって、貸し借り/共有される仕組み • 中国の流通業は、サービスが未成熟かつ、 不動産バブル、人件費上昇によって、今ま でのビジネスモデルが限界 • スマートフォンの普及で低コストで生活者 の衣食住まで新たな価値を提供するサー ビスが次々に開発 • これまでの高速成長時代で蓄えた資産を 活用したコスト低減、就労促進は中国の政 策や課題にマッチ

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Copyright(C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 27 キーワード2 「B2CwC」 事例①外食系サービス「回家吃飯」

家庭の味と安全性をセールスポイントにした外食サービス「回家吃飯」は、

設立一年で、北京における一日利用者が5万人を突破

家庭の味を楽しむ「回家吃飯」

「疲れた娘に栄養 たっぷりのスープを 作った。あなたにも 食べてもらいたい」 「焼肉もサーモン料 理も得意、斬新な 料理を作ってあげ るよ」

外食に対する食品安全の不信感の払しょく

食品安全問題が多発し、家で食事する最大の理由も「価格」ではなく「安 全性」であるなど、消費者のレストランに対する不信感が高い

利用者にとって低コストな食事

客単価は約20~30元で、通常のレストランの半分程度の単価

料理人にとっての副収入増加

サービス提供者は、主に定年者か主婦で、一日取引数20回で月間約 5,000元の収入。中国定年者の多くは中低収入層のため、5,000元の収 入は大きなインセンティブとなる • 2014年設立 • 家庭の味を届けることがポリシーに運営 • リリース一年後、一日取引件数が5万件を超えている • 料理人が空き時間を利用して作った料理をアプリ経由 で販売するビジネス 出所)「回家吃飯」ホームページ等よりNRI作成

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キーワード2 「B2CwC」 事例②旅行系サービス「丸子地球」

中国海外旅行者の急増に目をつけた「丸子地球」は、

留学生等を活用したフリーツアー向けのガイドサービスを提供

個人専用ガイドの提供「丸子地球」

• 2012年設立 • 旅行先の生の情報を提供することをポリシーに運営 • 2015年時点で登録ガイド1,500人、世界360都市をカバー ガイドは主に海外での留 学生で、学歴が高く、ロ ケーションも熟知しており、 消費者にも高い評価を得 られている

中国旅行者のフリーツアー増加への対応

2015年の中国人の海外旅行者数がのべ1.2億人に達し、従来の団体旅 行に満足できず、フリーツアーが増加

語学力不足への対応

フリーツアー増加の一方、英語など語学力不足により、ガイドなしでは旅 行先を存分に楽しめることができない

オーダーメイド型ツアー

旅行ニーズに合わせたオーダーメイドツアーの提案や旅行時の車を提 供するガイドなど、旅行時の楽しみを増やすサービスが充実

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Copyright(C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 29 キーワード3 「脱コンビニフォーマット」

コンビニの概念を超え、小型業態の模索が始まっている「脱コンビニフォーマット」

中国小型業態の現状

成長

低収益

 成長を続けるコンビニ業態 • 2009年~2014年におけるコンビニの年平均成 長率は15.9% (中国連鎖経営協会 「2014年中国小売力量」)  流通コングロマリット企業の小型業態進出 • ECの浸食等により大型業態は収益悪化 • 打開策として、O2O戦略の一環で小型業態を 強化  出店競争の激化 • 参入増加によって、好立地の奪い合いが激化  家賃、人件費の暴騰 • 3年前後と短い契約期間 • 家賃・人件費が年20%前後で増加  遅れた商品開発とオペレーション • 中国コンビニの日配品比率6.4%程度

収益向上のため、品揃え改善、ビジネスモデル革新

による新たな小型フォーマットが出現

コンビニを初めとする小型小売業態が急成長する

一方、低収益の課題が深刻なりつつある

生鮮

食品

O2O

展開

金融

サービス

外食

小型

フォーマット

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正大優鮮(Fresh mart)

キーワード3 「脱コンビニフォーマット」 事例①コンビニ+スーパー「正大優鮮」

大手流通グループの正大集団は、

グループ保有のサプライチェーンを活用し、「コンビニ+スーパー+O2O」にチャレンジ

 自社流通リソースを活用して生鮮を強化した

「コンビニ・スーパー」業態

 正大集団が保有する自社専用農場から加工

センターまでを活用して粗利益率を高める一

方で、消費者へは安全安心の食品を提供

ターゲット 店舗面積 品揃え 店舗数 ミドル・ハイエンド住宅団地の生活者 100-120平米前後 生鮮食品+自社ブランド冷凍食品、輸入品 6都市、9店舗

正大優鮮(Fresh mart)

• 流通コングロマリットグループ正大集団傘下の新型業態 サービス O2O(Wechatでオーダー、2km以内宅配可) モデル コンビニ+スーパー+O2O SKU数 1,500前後 日販 1万元前後 店舗正面 正大集団自社ブランド のたまご

(32)

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生鮮伝奇

キーワード3 「脱コンビニフォーマット」 事例②生鮮市場を店舗にいれた「生鮮伝奇」

安徽省の楽城超市が立ち上げた「生鮮伝奇」は、

市場(いちば)のようなばら売り、賑やかな買い物環境での差別化を図っている

 生活者ニーズは高い一方、EC事業者が苦手

とする生鮮食品領域に特化

 整然とした買い物環境とは差別化し、従来の

野菜市場(いちば)のような賑やかな雰囲気

を作り出す

ターゲット 店舗面積 品揃え 店舗数 ミドル・ハイエンド住宅団地の生活者 300~500平米前後 生鮮食品(30%)+一般食品 2店舗

生鮮伝奇(楽鮮菜市場)

• 安徽省楽城超市2015年立ち上げた生鮮スーパー モデル スーパー+生鮮市場+スナック・お菓子 SKU数 1,800前後 日販 4~5万元 出所)「生鮮伝奇」ホームページ、「中国連鎖」等よりNRI作成 節電のためにスポット ライトのみを使う一方、 ライトを全て商品に当 てるなど鮮度を演出 あえてパッキングせず、中国 消費者が好むばら売り形態 で販売

(33)

2016年の中国流通への展望

2013

2014

2015

生き残りを

かけた戦いが

始まる

消費者起点の

サービス

イノベーション

構造転換期

に差し掛かる

消費 リ ア ル 業態 EC

2016

小売を超越した「オムニチャネル経済圏」の形成

経済成長のけん引者としての消費市場

中間層を中心に「インターネット+」による「衣・食・住」に

至る様々なインターネットサービスが萌芽

成長を見い出すためのオムニチャネル戦略シフトの加速

自社の特徴に合わせた「

脱コンビニフォーマット

BATなど大手EC事業者と実店舗事業者の「

強強連合

BAT:豊富な資金力を生かした「

オムニチャネル経済圏

新興企業:

BATとの差別化を図るための消費者を巻き込

んだ「

B2CwC

」モデルの出現

物欲を超えた新しい付加価値への欲求

他社・他国の「模倣」から独自の「革新」への転換

スマホをベースにした新サービスの勃興

(34)

Copyright(C) Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. 33

まとめ ~日系企業への示唆

 中国の消費パワーはいまだ衰えず、今後も世界の消費をもけん引する存在であり、

日系企業の次の成長の起爆剤としては欠かせない存在である

 実店舗事業者の成熟を待たずにインターネット先進国となった中国国内は、世界の

中でも特異な流通市場環境を形成した

 資金力で勝るBATを中心に、小売業を超越した「オムニチャネル経済圏」を形成しつ

つあり、日系企業も各経済圏との共存なしに成長しにくい環境下に晒される

 「オムニチャネル経済圏」下で成長を果たすには、新興企業に見られる「新たなビジネ

スモデルの創造」であり、各経済圏を魅了する「日系企業各社の強みの活用」である

-新たなビジネスモデルの創造:

中国新興企業をベンチマークとした既存の枠に捉われないビジネスモデル構築

-日系企業各社の強みの活用:

日系企業の商品・サービスに対する中国消費者・企業の高い関心

(「爆買い」現象がその典型)

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