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総論

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Academic year: 2021

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(1)デザイン学研究特集号  Vol.25-2 No.98. 麻生 典 Aso Tsukasa 九州大学芸術工学研究院. 総論 General Remarks. Kyushu University. 本特集号は、今後のデザイン保護法制の国際的調和を指向するために、各 国のデザイン保護法制の現状ついて明らかにしようとするものである。 デザインを保護するための法は、一般に知的財産法として認識されてい る。ここでは総論として、我が国の法制度を基に簡単な概論を述べ、各国法 の理解の前提を提供することとする。 知的財産法というのは、知的財産を保護する法律の総称であって、知的財 産法という法律が存在するわけではない。デザインの保護に関係するのは主 に意匠法であるが、著作権法、商標法、不正競争防止法、民法などもデザイ ンの保護に関係する。 意匠法は、大まかにいえば工業デザインを保護する法であり、そこには、 家電、家具、車などが含まれる。 著作権法は、大まかにいえば純粋美術、すなわちアートを保護する法であ り、そこには、絵画、彫刻などが含まれる。一方で、純粋美術が応用され て、実用品として用いられる場合もある。一般に応用美術と呼ばれるもので あり、デザイン性を有する椅子などがその例であるが、こうした椅子が意匠 法で保護されることは当然であるとしても、果たして著作権でも保護される のかが問題となる。応用美術は、各国でその取り扱いが大きく異なる点で ある。 商標法は、大まかにいえば商品やサービスに対する標章を保護する法であ り、平面の商標から、立体の商標、音の商標まで保護される。立体商標は飲 料のボトルの形状などが対象となるため、意匠法、著作権法との交錯問題が 生じる。 さらに、我が国では不正競争防止法によっても製品(商品)形態が保護さ れる。不正競争防止法は各国に必ず存在するわけではなく、民法によって同 様の保護が図られている場合もある。 以上のように、デザインの保護については様々な法律が関わることから、 デザイン保護法制については各国で異なる状況にあり、今後どのようにデザ イン保護法制の調和を図っていくか、ということが一つの大きな課題として 認識されている。 本特集号では、麻生典(九州大学芸術工学研究院)が編者を担当し、第1 部でフランスについて麻生典、ドイツについて Christoph Rademacher(早. 3.

(2) 4. 特集:各国におけるデザイン保護法制. 稲田大学法学部)、アメリカについて末宗達之(早稲田大学大学院法学研究 科後期博士課程)、ラテンアメリカについて Roberto Carapeto(早稲田大学 大学院法学研究科後期博士課程)、日本について五味飛鳥(しろくま特許事. 務所)、韓国について金晙河(太陽国際特許事務所)が、現在の各国のデザ イン保護法制について、それぞれ明らかにする。 第2部では、Sarah Burstein(オクラホマ大学法学部)がアメリカ法の意. 匠特許制度に寄せられた標準的批判についての応答を述べ、それに対してフ ランス法、欧州法からの若干のコメントを麻生典が行う。 第3部では、デジタルファブリケーションの代名詞である3D プリンター. と意匠法との関係について、欧州の状況について若干の紹介を麻生典が 行う。 これらにより、各国のデザイン保護法制の現状と将来に向けた課題を浮か び上がらせることができよう。.

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参照

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