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ダイズ突然変異体リソースの開発とその活用

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Academic year: 2021

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2016 年 4 月 10 日受理

連絡責任者:穴井豊昭(anai@cc.saga-u.ac.jp)

ダイズ突然変異体リソースの開発とその活用

穴井豊昭

佐賀大学農学部・植物遺伝育種学分野(〒 840-8502 佐賀市本庄町 1 番地)

要旨:ダイズ[Glycine max (L.) Merr.]は,種子乾燥重量の約 40% のタンパク質と約 20% の脂質を含み,食料お よび飼料用として重要なマメ科作物の一つである.また,近年の健康食志向の高まりを受け,種々の機能性成分 についても注目が集まっており,機能性を強化した品種の開発に対する期待も大きい.加えて,2010 年には全ゲ ノム塩基配列が決定されており,その塩基配列から予測された約 5 万 4 千個の遺伝子については,既にデータベー ス上に公開されているが,これらの大部分についての機能は明らかにされておらず,効率的な遺伝子機能解析ツー ルの開発が待たれていた.本稿では,我々がこれまでに開発してきたダイズ突然変異体リソースの特徴と新規育 種素材として期待される突然変異体の単離技術について紹介する. キーワード:ダイズ,突然変異,ゲノム塩基配列情報,逆遺伝学

1.はじめに

ダイズ種子は,アミノ酸スコアが高い良質のタンパク質 と脂質を豊富に含んでおり,そのままの形で煮豆や炒り豆 として利用される他,芽生えをもやしとして利用したり, 豆乳や豆腐,油揚げ等の加工食品,あるいは,納豆や味噌, 醤油等の伝統的な発酵食品の原料としても利用される.ま た,古くは「古事記」や「日本書紀」でも五穀の一つとし て数えられるなど,我々日本人にとっては,身近で馴染み 深い穀物の一つである.一方で,世界的に見ると,主に油 脂原料や飼料用として大量に消費されており,特に搾油後 に生じる大豆ミールは飼料用の比較的安価なタンパク質源 としての需要が大きい.加えて,ダイズ種子は機能性に注 目が集まっているイソフラボンやサポニン,オリゴ糖と いった有用成分を多く含むことから,これらを標的とした 成分育種にも期待が集まっている. しかしながら,我が国におけるダイズの自給率は約 6% であり,単収も 170kg/10a 程度にとどまっている.これは, 世界的な単収の平均である約 230kg/10a と比較すると低い 値となっており,水田転作畑での湿害や病虫害を回避し, 安定多収が達成できる品種の育成が望まれる.このような 多岐にわたるダイズの育種目標に対応するためには,様々 な形質を支配している遺伝子の同定と,新規の有用アリル を持つ育種素材の開発が不可欠であると考えられる. 一方で,近年の塩基配列技術の急速な進歩に伴い,様々 な作物種についてゲノム塩基配列情報の蓄積が進んでお り,ダイズにおいてもゲノム塩基配列情報の利用が可能と なっていることから(Goodstein et al. 2012),これらの情 報を活用した遺伝子機能解析の効率化と育種素材として有 用な新規アリル開発の推進の双方が望まれている.そこで 本稿では,特に,これまでに我々が取り組んできた突然変 異体リソースを利用した逆遺伝学的なダイズ遺伝子の機能 解析と得られた有用突然変異アリルを活用した品種育成の 試みについて紹介したい.

2.塩基配列解析技術の進歩と

 作物ゲノム塩基配列情報の利用

2000 年に植物としては初めて,モデル植物であるシロ イヌナズナの全ゲノム塩基配列が決定され(AGI 2000), 2005 年には,我々日本人の主食であるイネの全ゲノム塩 基配列も決定された(IRGSP 2005).この時点では,全ゲ ノム塩基配列の決定には膨大なコストと時間が必要であ り,他の作物種で同様の解析を行うことは容易ではないと 考えられていた.しかしながら,2005 年になると,それ まで主流であったジデオキシ法をベースにした手法からは 想像できないほど高い処理能力を持つ,最初の次世代シー クエンサーが発売され,それから 10 年ほどの間に,更に その数万倍もの処理能力を備えた装置が開発された.この 様な,塩基配列解析技術の飛躍的な進歩によって,全ゲノ ム塩基配列の決定にかかるコストも急激に低下し,全ゲノ ム塩基配列解析の対象となる種も,生産に直結する様々な 農作物へと広がってきた. この様な流れの中で,ダイズについては,2010 年に William82 の全ゲノム塩基配列が決定され(Schmutz et al. 2010),その後,種々の栽培品種や野生ダイズ系統を用い たリシークエンシングが数多く報告されている(Lam et al. 2010).こうして得られた様々なダイズ系統由来のゲノ ム塩基配列情報からは,大量の SNPs や IN-DEL 情報が得 られ,ゲノムワイドな多数の DNA マーカーを容易に得る ことが可能となった.その結果,多検体の高速ジェノタイ ピングが実現し,様々な有用形質を支配する QTL のマッ プベースクローニングの効率化が進んだことに加え,最近 では,個々の形質を評価することなく高精度で優良個体の 選抜を可能にするゲノミックセレクションといった手法に も注目が集まっている.

総 説

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一方で,ダイズゲノム塩基配列情報から予測された遺伝 子の数は,約 5 万 4 千個であったが,これまでにダイズに おいて個々の遺伝子機能が解明されたもの,もしくは,既 知の機能を持つ遺伝子座の原因遺伝子と固定されたものは 極めて少なく,大部分の遺伝子については,アミノ酸配列 の相同性や遺伝子発現パターンに基づいた分類が行われて いるに過ぎない.そこで,ポストゲノム時代の研究戦略の 一つとして,個々の遺伝子がどのような形質に関与してい るのかを効率的に確定するために,逆遺伝学的な遺伝子機 能解析技術が注目を集めている(Anai 2015).逆遺伝学的 な手法には,標的遺伝子の過剰発現やサイレンシングなど の遺伝子組換え技術を用いるもののほか,最近特に注目を 集めているゲノム編集なども含まれるが,本稿では,主に これまでに我々が開発したダイズ突然変異体リソースを用 いて進めてきた,標的塩基配列特異的な変異体の単離の現 状とその利点について述べる(第 1 図).

3.ダイズ突然変異体リソースの概要

我々の研究室では,以前より,ダイズ油脂成分の改変を 目指した突然変異育種に取り組んでおり,多数の脂肪酸代 謝 突 然 変 異 体 の 単 離 に つ い て 報 告 を お こ な っ て き た (Rahman et al. 1999, Rahman et al. 2001, Anai et al. 2005, Anai

et al. 2008).そこで,これら一連の研究によって得られた 知見を活用し,ゲノム規模で変異が飽和したリソースの開 発を目指して,変異原の種類と処理方法を検討し,ダイズ 突然変異体集団の作成を試みた.その結果,気乾種子を 0.35% の EMS 水溶液中に 8 時間浸漬する処理を 2 世代に わたって繰り返すことによって,植物体へのダメージを抑 えつつ,高頻度で変異を導入することが可能であることが 明らかとなった(Anai 2012).現在,この条件を用いて, わが国における作付面積が 1 位のフクユタカと 2 位のエン レイの 2 品種を親品種として,農業生物資源研究所の加賀・ 石本らとともに飽和突然変異体集団の整備に取り組んでい るが,これらの突然変異体集団には様々な表現型の変異が 高頻度で観察されたほか(第 1 表),エンレイ由来の突然 変異体 12 系統について NGS を用いた全ゲノムリシークエ ンス解析を行った結果,1 系統あたり平均して 12,796 箇所 の塩基置換が生じており,極めて高い変異率を持つ集団で あることも明らかになった.加えて,このエンレイ突然変 異体集団に対して,7 個の遺伝子を標的としたアンプリコ ンシークエンシングを行った結果,総計 561 個の塩基置換 が検出され,このうち 224 個がミスセンス変異,9 個がナ ンセンス変異を引き起こしていることも明らかになった (Tsuda et al. 2015).このように高密度で変異が導入された ダイズ突然変異体集団は,比較的コンパクトな集団から容 易に標的遺伝子に変異が導入された系統を得ることが可能 であるため,逆遺伝学的な変異体のスクリーニングに適し 第 1 図 ダイズ突然変異体リソースの概要.

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ていると考えられる.一方で,得られた変異体には複数の 変異が含まれている場合が多いため,厳密に変異遺伝子の 機能を評価する場合や育種素材としての利用の際には,必 要に応じて数回の戻し交配を行い不要な変異を除去する必 要があると考えられる.

4.逆遺伝学的な突然変異体のスクリーニング

突然変異体集団を活用した作物の遺伝子研究を進める際 には,表現型の変化に基づいた順遺伝学的なアプローチを 用いる場合と塩基配列の変化に基づいた逆遺伝学的なアプ ローチを用いる場合とが考えられる.これらのアプローチ にはそれぞれに利点があるが,作物にはダイズと同様に過 去にゲノムの倍化を経験している種も多く,このような種 では重複した遺伝子の影響により,単一遺伝子に生じた変 異では表現型が現れないことも多い.その様な場合には, 逆遺伝学的アプローチの利用が有益であり,重複遺伝子に 生じた変異を個別に検出した上で,後にこれらを集積する ことで,表現型からの単純なスクリーニングでは得ること が難しい変異体を入手することも可能である.事実,我々 の研究室でも生育環境の影響を受けやすく,通常の表現型 によるスクリーニングでは得られなかった脂肪酸合成系の 変異体を,TILLING 法による逆遺伝学的なスクリーニン グ で 単 離 し た 経 験 を 持 っ て い る(Hoshino et al. 2010, Hoshino et al. 2014). 現在,逆遺伝学的な突然変異体のスクリーニング技術と しては,主に三種類の手法(① TILLING 法,② HRM 法 および③アンプリコンシークエンス法)が利用されており, それぞれに長所と短所がある(第 2 図).このうち,①の TILLING 法は特殊な設備や装置を必要とせず,通常の分 子生物学実験を行うことができる研究室であれば容易に導 入が可能な技術である.この技術は,ミスマッチ特異的な ヌクレアーゼである CEL I を用いて,塩基置換変異を含む ヘ テ ロ 二 本 鎖 DNA を 検 出 す る 方 法 と し て,2001 年 に Colbert らにより報告された手法がベースとなっているが (Colbert et al. 2001),我々のグループでは,切断された DNA 断片の検出にアガロース電気泳動と GelRed 染色を組 み合わせることにより,操作性と処理能力を高め分析コス トを低減させた.TILLING 法は,標的となる配列のサイ ズが 500 ∼ 1,500bp 程度である場合に適しており,それよ り短い配列を標的とする場合には,後述する HRM 法の適 用が望ましいと考えられる.また,ミスマッチ部位の切断 に使用する CEL I の特性上,すべてのミスマッチ配列を同 様に認識することは難しく,配列によっては検出が困難な 変異も存在することが明らかになっている.②の HRM 法 は二本鎖 DNA 特異的な蛍光色素とリアルタイム PCR 装 置などを用いて,正常配列と変異配列のヘテロ二本鎖 DNA の解離温度の違いを検出し,これに基づいて変異体 をスクリーニングする方法であり,2010 年に Botticella ら によって報告された(Botticella et al. 2010).この方法には 若干特殊な検出装置と,比較的高価な蛍光色素が必要とな るが,操作自体は極めて単純であり,サンプル処理能力は 高い.しかしながら,HRM 法による変異の検出に適する 標的配列の長さはおおむね 300bp 以下であり,標的配列が 長くなると変異の検出感度が低下してしまうので,一般的 な遺伝子の ORF 全体をカバーするためには複数のプライ マーセットを作成する必要がある.また,TILLING 法と 同様に標的とする配列に依存して,一部については検出で きない変異も存在する.これに対して,③のアンプリコン シークエンス法による変異体のスクリーニングは,次世代 シークエンサーを用いて標的遺伝子について ORF 全体の 塩基配列を決定することにより,変異集団中に含まれる全 ての変異をもれなく検出できるという点で最も確実な手法 と言える.また,この手法では,スクリーニングの第一段 階で,直接,変異した塩基配列の情報が得られるため,個々 の変異が効果の高いナンセンス変異や有効なミスセンス変 異を引き起こすものかを予め確認した上で当該変異体の単 離ステップに進むことが可能である.しかしながら,次世 代シークエンス解析には多数の変異体 DNA をプールして 鋳型とするため,個々の変異体の同定には,シークエンス 用ライブラリーを調製する際に複数のインデックス配列を 組み合わせたマトリックスを作成しておくか(Rigola et al. 2009),単離したい変異配列を検出するためのプライマー ⾲⌧ᆺ㻌 䝣䜽䝴䝍䜹ኚ␗㞟ᅋ㻌 䜶䞁䝺䜲ኚ␗㞟ᅋ㻌 䜰䝹䝡䝜㻌 㻝㻚㻣㻑㻌 㻞㻚㻢㻑㻌 ⓑⰼ㻌 㻜㻚㻞㻑㻌 㻜㻚㻤㻑㻌 ᪩ᮇ㛤ⰼ㻌 㻜㻚㻟㻑㻌 㻜㻚㻣㻑㻌 ᪩ᮇᡂ⇍㻌 㻜㻚㻠㻑㻌 㻝㻚㻤㻑㻌 䛂䝣䜽䝴䝍䜹䛃䛚䜘䜃䛂䜶䞁䝺䜲䛃✺↛ኚ␗య㞟ᅋ䠄㻹㻞䇻ୡ௦䠅䛾ಶయᩘ䛿䠈䛭䜜䛮䜜 㻝㻘㻣㻤㻟 ಶయ䛚䜘䜃 㻞㻘㻞㻠㻤 ಶయ䜢ㄪᰝ䛧䛯䠊᪩ᮇ㛤ⰼ䛻䛴䛔䛶䛿䠈ぶရ✀䜘䜚䠍㐌㛫௨ ୖ䠈᪩ᮇᡂ⇍䛻䛴䛔䛶䛿 㻞 㐌㛫௨ୖ᪩䛔䜒䛾䛸䛧䛯䠊㻌 第 1 表 「フクユタカ」および「エンレイ」の EMS 突 然変異集団における主要な変異表現型の出現 頻度 . 第 2 図 代表的な逆遺伝学的変異体スクリーニング法 の流れ.

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セットを新たに設計し,HRM 法等を用いて再スクリーニ ングを行う必要が生じる(Tsuda et al. 2015).この様に, 前述のいずれの手法を用いても変異体の単離は可能である が,最近では,次世代シークエンサーを用いたアンプリコ ンシークエンスのコストもかなり低下していることから, 今後はアンプリコンシークエンス法によるスクリーニング が主流になって行くと考えられる.いずれにせよ,スクリー ニングの対象とする変異体集団のサイズと変異密度が研究 の成否を決定する最も重要な要素となるため,大規模なス クリーニングを計画している場合には,使用予定の変異集 団の品質について,予備的な評価を行っておくことが望ま しい.

5.表現型に基づく変異体スクリーニング

前述した逆遺伝学的アプローチは,様々な作物種のゲノ ム塩基配列情報を活用した遺伝子機能の解析や新規変異ア リルの探索という観点から,魅力的な研究手法であるが, ダイズ自体や他の植物種において,これまでに機能が明ら かにされている遺伝子は,ダイズゲノム中に存在する 5 万 超の遺伝子のうちの一部にすぎず,表現型や機能が全く解 明されていない遺伝子が数多く存在する.このような未知 の遺伝子の同定には,やはり,表現型の変化に基づいた順 遺伝学的アプローチが必要となる.しかしながら,植物個 体は様々な組織や生育ステージ,生育環境などの条件に応 じて,自身の遺伝子発現を変化させることから,個々の変 異体の表現型を網羅的に解析することは極めて困難である と考えられる.そこで我々は,比較的検出し易く,遺伝率 も高い開花期,草姿,花色等の可視的な形質と,完熟種子 中の代謝物やタンパク質などの幾つかの生化学的な変化に 着目して変異体の探索を進めてきた.これらの形質のうち, タンパク質,脂質および糖の含量についての変異は,エン レイ変異体集団を用いた研究によって,後代にも高い確率 で遺伝していることも明らかになり(Tsuda et al. 2015), 順遺伝学的アプローチが適用できると考えられた.これ以 外にも,我々は変異体種子中に含まれる化合物の網羅的な 解析から,様々な化合物の代謝経路に関する変異体を同定 することを目指して,CE/TOF-MS と GC/MS を用いたメ タボローム解析を試みている.このうち CE/TOF-MS を用 いた分析では,試料の調製の簡便さに加え,イオン性物質 の分離能が極めて高く,1 回の分析で数千ものピークが検 出され,アミノ酸やアミン,有機酸,核酸等の化合物の同 定には効果が高かった.しかしながら,陰イオン性の化合 物と陽イオン性の化合物の分析の際にはバッファーやキャ ピラリーの交換等煩雑な操作が必要なことに加え,ピーク が対応する化合物の同定に用いるデータベースに登録され ている植物特異的な化合物の数が少なく,検出されたピー クの大部分は化合物として同定が出来なかったため,今後 のデータベースの充実が課題であると考えられた.これに 対して,GC/MS を用いた分析では,2 段階の誘導体化な ど試料の調製手順が若干煩雑であるものの,糖や脂肪酸な どの化合物も同時に同定が可能であり,ピークの分離につ いても再現性の高い結果が得られた.また,最終的に同定 できた既知の代謝物は,どちらの分析を用いた場合にもほ ぼ同数程度であったことから,現時点では,既知の代謝物 を標的とした迅速な分析には GC/MS を用いる方が有利で あり,未知の化合物を対象とした分析には,精密質量情報 が得られる TOF-MS を用いた方法が有効であろうと考え ている(第 2 表).

6.おわりに

本稿では,主にダイズ突然変異体リソースの特性とこれ を利用した遺伝子機能の解析について述べてきたが,同様 の取り組みは,イネをはじめ様々な作物種にも広がってい る.一方で,このような作物の遺伝子機能解析の目的は, その研究によって得られた知見を,農作物の生産性や品質 の改良に生かすことにある.この様な観点から見ると,既 知の遺伝子についても,逆遺伝学的手法を用いて,新規の 突然変異体の検索を行い,より有効な変異アリルの開発を 進める意義は大きい.また,これらのアプローチによって 得られた有用な変異アリルを,速やかに品種育成に活用で きるメリットは極めて大きく,飽和突然変異体集団を活用 した効率的な有用変異アリルの開発は,ゲノム編集等を含 む New Plant Breeding Techniques と並んで,作物のゲノム 情報を最大限に活用し,育種を効率化・高度化させるため の基盤技術の一つと位置づけられる.また今後,更に未知 の遺伝子を顕在化させ,有用遺伝子の同定を加速して行く ためには,新たな効率的形質評価系の開発が重要な課題で あろうと考えられる.

参考文献

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Development and utilization of soybean mutant resources.

Toyoaki Anai

Faculty of Agriculture, Saga University (Homjyo-machi, Saga 840-8502)

Summary: Soybean [Glycine max (L.) Merr.] is one of the important legume crops for food and feed supply, and its seed contains about 40% protein and 20% oil of dry weight. In recent years, consumers have great attention in functional components of healthy food, and also desire health-oriented new cultivars. In addition, soybean genome was sequenced in 2010, and approximately 54,000 predicted genes were published on a database, which were predicted from their nucleotide sequences. Since the function about most of the predicted genes are still unknown, researchers desire effi cient tools to explore their function. Here, I present an overview of our soybean mutant resource and mutant screening system, which have a potential to develop novel breeding materials.

Keywords: soybean, mutation, genome sequence data, reverse genetics

Journal of Crop Research 61:63-68(2016) Correspondence:Toyoaki Anai(anai@cc.saga-u.ac.jp)

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