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三菱重工プラスチックのブースで今回の特徴的出展を聞いた所 表面高品質成形システムである三菱アクティブ温調システムの説明を受けた これまで各社で高温成形 急冷やシステムはすでに発表され使用されているが 三菱では従来の表面高品質成形だけでなく 量産安定性を改善した 不良率の改善や操作性の省力化をPRして

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Academic year: 2021

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「2006名古屋プラスチック工業展レポート」

プラスチック加工研究会 会長

長谷川 正(Tadashi Hasegawa)

図1 (1)はじめに 第28回名古屋プラスチック工業展が(図1)11月12日より4日間、名古屋市国際展 示場で開催された。 中部地区はトヨタグループを中心に製造業の活発な実績と、プラスチック製造加工業も全国 的にトップの位置づけにあり、今回の展示会では過去最大の150社団体・515小間が出 展した。特に射出機械メーカーは大手企業のすべてが出展していた。 特に今回は主催団体である中部プラスチックス連合会設立55 周年。中部日本プラスチック 製品工業協会設立50周年。日刊工業新聞社名古屋支社開設60周年という節目の年の開催 とあって、来場者も毎日1 万人台で4万人近い入場者が集まった。 イベント間で開催された特別講演会では「21 世紀有望市場分野でのプラスチック加工業の 可能性」について筆者の基調講演とプラスチック加工研究会のメンバーである。現在活躍中 の三井物産㈱宮部部長他4 名の社長によるパネルディスカッションが開催された。 一方、中部日本プラスチック製品工業協会の企画でも「中部プラスチックサミット」が永澤 コーディネーターのもとで5名の社長によるパネルディスカッションも同時に行われてい た。 (2)代表的射出メーカーの出展より ※東芝機械では超精密光学ガラス素子加熱・成形技術、制御技術や微細転写装置では精密ナ ノ金型を使用して精密転写をPRしていた。(図2) これからの有望市場である超精密分野へのシフトに力点を入れた装置といえる。

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※三菱重工プラスチックのブースで今回の特徴的出展を聞いた所、表面高品質成形システム である三菱アクティブ温調システムの説明を受けた。 これまで各社で高温成形・急冷やシステムはすでに発表され使用されているが、三菱では 従来の表面高品質成形だけでなく、量産安定性を改善した。不良率の改善や操作性の省力 化をPRしていた。システムの構成を(図3)に示す。 図2 図3

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※JSWではインサート成形システム(JT40RAD-55V)の全電動式竪型射出成形 機を展示した。IT部品の製造に適し、省スペースでコンパクトな、高精度、ハイスピー ドが特徴といえる。 その他コネクタ仕様の超精密安定成形用に全電動射出成形機やベント式グレードを発表 していた。 ※日精樹工業からはエアアシストによる片面高転写成形機 NEX50-5E を使用し射出保 圧ゼロ成形でエアアシスト工法により高意匠面を創出(0.5MPa)程度の低圧エアを注入 して片面高転写成形を実演していた。 NEX140-25E では2分の1の型締力でソリのない射出圧縮成形を17秒サイクル で実演していた。 ※㈱名機製作所では電動射出成形機 MU シリーズの150と350が出展されていたが、 加熱冷却システムは他社からの出展も多く一般的であるが、加熱筒真空可塑化装置で、成 形不良の減少や原料の予備乾燥時間の短縮に役立つものである。 ※SANJO は立型成形機メーカーとして最も実績のあるメーカーであるが、今回、モデルチ ェンジを行ったSAV-100-75-P を発表した。この機種は新油圧システムを採用し、ハイサ イクルで安定した運転を可能にし、約30%の省エネルギータイプ(図4) また、スクリュプリプラ式立型成形機では新構造射出ユニットを採用し、高精度と安定性 を実現した。新油圧システムで油温のばらつきを抑え、安定運転を可能にした。 従来機より30%省エネと65%の省スペースを実現している。 SANJO では中国の海天社の射出機を国内で販売も行っている。

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※ソディックプラスチックでは従来のVライン射 出方式の電動ハイブリット射出成形機の他に竪 型(単動&ロータリー)射出成形機TUPAAL シリーズを発表していた。(図5) ※TOYOでは全電動竪型成形機の他に全電動式 2色・異材質成形機を発表していた。この2色成 形機は業界最速クラスの高速テーブル回転を実 現し、Si-130ⅢRWでは0.7秒、Si- 230ⅢRWでは1.0秒のハイサイクル成形を 実現した。 (図5) ※㈱テクノベルでは4軸押出機をPRして いた。(図6) 同社では特殊押出機メーカーとして優れた 差別化技術を有しており、この4軸押出機 の特長としては、プロセス中での自己発熱 量を軽減可能であり、使用材料の滞留時間 の長時間保持が可能となり、材料供給部で の食い込み性の向上や省エネ、省スペース などを可能。これから要望されている高機 能なコンパウンド製造には適した機種と言 えよう。 (図6) (3)プラスチック加工技術・製品など 今回の展示の中には中部地区の中小企業からのプラスチック成形技術、製品、金型、リサ イクル製品などの展示や、中国からの金型メーカーの出展なども目立っていた。その中で数 社を紹介することにした。 ※安城市の東洋理工㈱からのプラスチックメッキ技術は自社開発の高耐食性メッキで、AB S以外にもPA-6,PCなどのエンプラ成形品に世界初のワンラック工法を開発MPL (マルチプレーティングライン)を保有しているコア技術がしっかりしている中堅プラス チックメーカーである。メッキ技術以外でもPVD法としてアルミ金属の蒸着、スパッタ リング加工も行っている。 最近開発した工法「金属音プラめっき」は金属外観だけでなく、金属と同等の音質を示す

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もので、本物のアルミダイキャスト製品に代わって、軽量化、コストパホーマンスをもっ た代替材料となる。(図7)MLTめっきの図と説明を示す。 (図7) ※名古屋市にあるオハラ樹脂工業では金属粉末射出成形(MIM)技術を開発し、自動車部 分の製造や、射出成形によりエアーフローメーターやタンブルコントロールバルブなどの 部品を製造する従業員200名程の中堅企業である。得意先はトヨタ系大手部品メーカー が主体であるので品質管理には徹底しておりISO9001、ISO-14001等も認 証取得している。一方、2002年からベトナム、ハノイのタンロン工業団地にも進出し、 プラスチック精密部品の成形、加工、組立を行って、自動車部品OA部品、家電部品など を生産している。 ※岐阜県の中部エクストロン㈱ではナイロン製結束バンド、グリップチュウブ、各種射出成 形品、押出成形品などを生産している中堅プラスチック加工企業であるが、100個以上 の多数個取り射出成形やナイロン結束バンドを射出成形で製造する技術は他社と差別化 できるコア技術と言えよう。 ※春日井市の(有)K・I・Tは各種プラスチック総合 試作加工(自動車・家電・工業部品など)や新製品 開発企画、デザイン、モデル、光・粉末造形システ ム加工、NC加工、注型サンプル製作などを行う若 い企業であるが、中部地区では業界全体が活発に発 展しているためこの種の試作品開発、モデル製作事 業の需要が今後とも増大するものと思われる。 またデザインから量産、しかもインジェクション・ ブロー、押出など多様な成形方法に一環対応できる 同社は日本でも数少ない貴重な存在といえる。 (図8)に同社の粉末造形品を示す。 (図8)

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※岐阜県の㈱東海化学ではプラスチックのリサイクルペレットの製造メーカーで、今年はI SO9001の認証も受け中部地域では大手リサイクルペレットメーカーである。

※中国・東莞からの金型メーカー(DONG GUAN TAT HING MOULD LIMITED)

家電用(テレビ、ビデオなど)自動車部品、事務機器部品、日用品など向けの金型製造、 射出成形塗装、組立まで行っているとの事。1,300トン型締力ぐらいまでの金型を製 造しているとの事であった。(図9)に同社の新工場を示す。 (図9) ※中国・広東省からWARITA TOYS&GIFTS.CO.LTD.では玩具とプラス チック成形加工、塗装・組立製造を行うOEM会社で、成形機100台、塗装ライン・組 立ライン50本規模の会社 このように中国からの金型や成形加工OEMメーカーが名古屋プラスチック展に出展す る時代になった (4)産・学・官協力システムの出展も非常に目立っていた。 ※これからのプラスチック加工業は、従来からの事業に対し、単に合理化、省力化、業務改 善だけではグローバル化のコスト競争力で将来の発展に対する可能性は望めない。

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そこで次世代の経営者にとっては、これからの有望市場分野への足がかりとしての新素材、 新技術の導入に当たって、産・学・官の協力による新しい技術の開発が求められている。 今回の名古屋プラスチック工業展においても、経済産業省、中部経済産業局、愛知県、名 古屋市などから「モノ作り基盤技術」の高度化支援とか、県の産業技術研究所、市の工業 研究所などからも出展がなされていた。 愛知県には産業分野との共同研究に対し、積極的な大学として名古屋大学、名古屋工業大 学、名城大学、豊橋工専などがあり、これからのプラスチック加工業の経営者も産・学・ 官の連携を強め、新しい技術の開発を進めることが求められている。 ※ 経済産業省、中部経済産業局が発行した18年11月によれば「モノ作り基盤技術」の 高度化支援の概要の中で、中小企業特定ものづくり基盤技術(17分野)の中にもプラ スチック成形加工、めっき、金型などの分野が特定されている。 (平成18年6月20日指定) ※愛知県産業技術研究所においても地域中小企業の技術支援機関として技術指導に取り組 んでおり、県の産業ビジョンに基づき、次世代の産業である「健康長寿」「環境エネルギ ー」「ライフクオリティ」分野における研究開発にも戦略的に取り組んでいる。 ※名古屋市工業研究所からも材料技術部の生分解プラスチックに色をつける技術やナノ制 御バイオプラスチックに関する研究などが発表されていた。 この研究も企業との共同研究で進められているもので、 1)リアクティブプロセッシングによりポリ乳酸の耐衝性が向上 2)ナノスケールで相溶化制御に成功 3)射出成形も可能、生分解性は同等である などの成果が達せられ特許出願中の技術開発が進んでいる (図10)に市工業研究所が進めているバイオプラスチックの概要を示す ※広島県、中小企業・ベンチャー総合支援センターからも地域全体のモジュール化システム 研究会の紹介が行われていた。ここでは地域自動車部品サプライヤを中心に「産」広島大 学・広島工業大学生の「学」、広島県、広島市や中国経産局といった「官」が連携した産 学官によるモジュールシステム化研究会を平成15年から17年度まで活動して大きな 成果を残している。 このようなシステムを愛知県においても本格的に検討する必要があろう。 参考までに(図11)にこの研究のシステムを示す。

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(図10)

(図11)

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(5)名古屋プラスチック工業展2006特別講演会・パネルディスカッションが 日刊工業新聞社主催で開催された。 第1部として筆者「21世紀有望市場分野でのプラスチック加工業の可能性」について講演 した内容のアブストラクトと主張したいポイントを示す。 1)世界のプラスチック産業の現状と日本の位置づけ 2)海外進出の現状と現地状況 3)有望分野としてシルバー社会産業(155兆円)、環境産業(60兆円)、感性産業(7 0兆円)、情報家電(28兆円)などのサードウェアと宇宙、海洋などのフロンティア 産業(15兆円)等があるが、経済産業省が進めている新産業創造戦略(2010年以 降300兆円目標)の中でプラスチック工業に関係がある重点分野として燃料電池、ロ ボット、情報家電、バイオ・健康・介護、環境・新エネルギーなどが最も重要分野に含 まれている。 4)そこでこれら先端分野に進出するための技術的対応として、プラスチック業界が取り組 む方策としては ①高機能材料の開発:ポストメトロセン触媒系ポリマーの開発、金属分野に代替する。導 電性、熱伝導性、ナノフィラーコンポット、などの高機能コンパウンドの開発、環境対 応として安価な生分解性ポリマー、新規エラストマーの開発などの課題が残されている。 ②高付加価値高機能成形加工技術の開発 ハイスピード、高速ロボット、異材質複合、金型内(組立・複合・塗装)技術、塗装レ ス成形、薄肉・大面積成形技術など成形加工技術のレベルアップが必要である。 ③高級イメージ・デザインの開発、加飾技術(メッキ、天然繊維、外観)等 プラスチッ ク製品が高価な商品として認められるものになる必要である。 5)最後に最も大切な戦略として21世紀に成長するためには経営資源全体のイノベーショ ンが必要である。経営の基本構成は①ヒト②モノ③カネ④ワザ(技術)⑤チエ(経営力) この中で最も大切なのがヒト(HITO)の改革である。 21世紀タイプの人材に求められる要素は Ⓗ:High Level(ハイレベル)、Hungry(ハングリー) Ⓘ:International(国際的)Identity(個性的) Ⓣ:Tough negotiator(力強い交渉人(ビジネスマン)) Ⓞ:Originality(創造性)&Object minded(目的意識) そして、トップの経営者は チエ を使って、知的資源を最大限に活かした経営で、ト ップのリーダーシップにより、オーケストラの指揮者の如く、タクトを振り、それに従っ て演奏するプロの面々には日本人だけでなく、中国人、韓国人、インド人も含め、女性の プロも数多く含んだ集団を自分の理想と目標に向かって指導力を発揮できるレベルに変 革が必要であろう。トップの能力次第で日産自動車のゴーン社長や日本ハムのヒルマン監

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パネルディスカッションとしては土師プラスチック加工研究会専務理事の司会で進めら れた。パネラーとしては皆プラスチック加工研究会のメンバーで構成され三井物産㈱宮部 部長、㈱テクノワールド井坂社長、江南特殊産業㈱野田社長、ビーエム工業㈱松下社長の 4名で進められた。 セミナー参加者も200名以上と会場が満員であった。 ●宮部氏からは日本プラスチック産業の将来方向として、人口が減少する中で、グローバル な市場で競争するには21世紀の有望市場分野で高付加価値商品にしぼられるであろう。 プラスチックの価格は現在原油本位制とも言える体制の中で、原油価格は6年間で4倍に なったが、日本はパニックにならないで済んでいる理由は ①長期的円高傾向である。 ②貿易収支が常にプラスである。 ③技術革新が常に実行され、特にエネルギー使用効率では日本は米国の2倍、中国の9 倍である。今後中国やインドに対し、日本の省エネ技術の輸出が必要であるが、石油の 長期的上昇は続くであろうとの講演があった。 ●井坂氏からは世界における最新プラスチック包装材料の技術動向について広範囲の講演 があり最後のまとめとして21世紀の包装はどうなるのかについて下記の如くまとめら れた。 ①原料関連:バイオマスポリマーの普及、なのコンポジット材料の実用化拡大 ②軟質包材とのコンポジットによる立体容器化 ③アクティブ、インテリジェントパッケージの普及 ④コミュニケーションパッケージング(医療・健康管理・日用品など) ⑤電子タグによる流通管理、偽造防止 ⑥ケータリングシステム対応包装(高齢者対応・医療対応) ⑦キット飲食品包装 ⑧IH クッキング用包装 ⑨製版レス印刷技術の普及 ⑩環境対応 などの10項目を指していた。 ●野田氏からは経済産業大臣よりものづくり日本大賞を受賞した技術である。ポーラス電鋳 金型の製造技術と、それを利用して凹引き圧着成形法がこれまでの工法と比較して20% のコストダウンと工程中のエネルギー効率が従来の14 分の1に削減できることを力説し、 環境にやさしく今後の理想的工法の開発といえる。中堅企業でも技術イノベーションによ り世界初の効率的工法の開発が可能であることの証明ともいえる実例を提供できた。

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●松下氏からはブラザー、トヨタ合成などのOEM プラスチック成形加工企業として厳しい コストダウン要請と受注生産量の変動による固定費の重みによる原価のアップを「企業と して生き残るための戦略としてトータル生産コストダウンのため不良率向上の仕組みづ くり、品質改革を実行し、多種少量生産に最もマッチした体制へ生産革命を徹底的に行っ た。その結果受注が減少しても利益率は一定に保持できる企業体質に革新することが出来 た苦労話を力説された彼の口癖は「中国に負けない生産コストで国内需要に対応可能」で ありそのためには生き残るための技術革新が常に必要となろう。 最後に筆者より総括として「これからのプラスチック加工業に最も必要なイノベーション は、中国だけでなく、世界と差別化できるコア技術を確立することであり、トップは人材 の確保と自らのリーダーシップにより経営革新に集中すべきである」として会を終了した。 このパネルディスカッションを構成したプラスチック加工研究会は約 30 年前に設立され プラスチック原料メーカーの他、機械、金型、加工メーカー、デザイナー、コンサルタン ト、弁理士など全国で150社以上から参加するプラスチック関係の知的集団である。国 内の技術的研究だけでなく、海外視察や現地メーカーとの交流などを積極的に進めている 団 体 で あ る 。 詳 し く は ホ ー ム ペ ー ジ 「plaken.com 」 を 筆 者 の レ ポ ー ト は

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