• 検索結果がありません。

1.2 サンゴの幼生収集 着床技術の検討及びその実証 幼生収集装置の開発 (1) はじめに現行の種苗生産技術は 陸上水槽による種苗生産 運搬 移植と大きなコストと労力が必要である したがって 種苗生産の経済性および効率性を向上させるため 短期間のうちに種苗生産が可能な 現地種苗生産技術

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "1.2 サンゴの幼生収集 着床技術の検討及びその実証 幼生収集装置の開発 (1) はじめに現行の種苗生産技術は 陸上水槽による種苗生産 運搬 移植と大きなコストと労力が必要である したがって 種苗生産の経済性および効率性を向上させるため 短期間のうちに種苗生産が可能な 現地種苗生産技術"

Copied!
17
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Ⅳ-3-1-53 目 次 1.2 サンゴの幼生収集・着床技術の検討及びその実証 ··· Ⅳ-3-1-54 1.2.1 幼生収集装置の開発 ··· Ⅳ-3-1-54 (1) はじめに ··· Ⅳ-3-1-54 (2) 調査概要 ··· Ⅳ-3-1-56 1) 目 的 ··· Ⅳ-3-1-56 2) 調査場所 ··· Ⅳ-3-1-57 3) 調査手順 ··· Ⅳ-3-1-58 4) 調査工程 ··· Ⅳ-3-1-59 5) 調査方法 ··· Ⅳ-3-1-61 (3) 調査結果 ··· Ⅳ-3-1-72 1) 幼生収容数(4日令の幼生数) ··· Ⅳ-3-1-72 2) 配置水深・方向別の格子状着床具への着生数 ··· Ⅳ-3-1-74 3) H25試験とH26試験の着生数モニタリング結果 ··· Ⅳ-3-1-75 (4) 考 察 ··· Ⅳ-3-1-77 1) 配置水深・方向別の格子状着床具への着生数 ··· Ⅳ-3-1-77 2) 装置内での幼生生産数 ··· Ⅳ-3-1-77 3) 幼生収集装置の構造の改善 ··· Ⅳ-3-1-77 (5) 結 論 ··· Ⅳ-3-1-78 (6) 今後の課題 ··· Ⅳ-3-1-79

(2)

1.2 サンゴの幼生収集・着床技術の検討及びその実証

1.2.1 幼生収集装置の開発

(1)はじめに

現行の種苗生産技術は、陸上水槽による種苗生産・運搬・移植と大きなコストと労力が 必要である。したがって、種苗生産の経済性および効率性を向上させるため、短期間のう ちに種苗生産が可能な「現地種苗生産技術」の開発が求められている。また、沖ノ鳥島の ように開放系の海域のサンゴから放出された卵や着底期前の幼生を礁内に留めるためにも、 膜状の装置を開発することで、サンゴの自律的再生産を高めるとともに、着底期まで礁内 に留めた幼生を用いた実海域での粗放的な種苗生産も可能になる。 本検討の目的は、現地の成熟サンゴが産卵・放出した配偶子を収集し、幼生を着底期ま で保持できる幼生収集装置の開発に向けた知見を収集・整理することとする。最終的な目 標は、それらの知見・技術により沖ノ鳥島での実用化に寄与することである。既往の技術 との違いは、一つの装置により、サンゴの配偶子や受精卵の収集、幼生の飼育、格子状着 床具への着生による種苗生産あるいは放流という一連の過程を粗放的な管理のみで完結で きる点にあり、この装置を開発することで、陸上水槽による種苗生産の省力化・低コスト 化が期待される。 昨年度は、膜状の装置を製作し、沖ノ鳥島の礁内において、装置の設置方法や構造、耐 久性について検討を行った。その結果、平常時の海象条件において、5 日間構造を維持で きたものの、6 日目に一部が破損し、構造面に課題を残した。また、沖縄海域の浦底湾に おいては、沖ノ鳥島と同様のネット状の装置を使用して、幼生の生残率を向上させるため の適正なネット目合いを検討した。その結果、目合い100μm、30μm、ビニール(不透過) のうち、目合い30μm で 13 万個体と最も多くの着底期の幼生を生産でき、装置直下に配 置した格子状着床具への稚サンゴの着生も確認された。しかし、格子状着床具に着生した サンゴの数は、放流幼生数の 3%程度に留まったため、着生数の歩留まりを高める対策が 求められた。 図-Ⅳ.3.1.2.1 に幼生収集装置のイメージを示す。

(3)

Ⅳ-3-1-55

(4)

(2)調査概要

1)目的 本検討の目的は、幼生収集装置(以下、装置)によりサンゴの配偶子を収集し、幼生 を飼育し、格子状着床具に着生させる現地種苗生産技術に関する知見を収集・整理し、 沖ノ鳥島での実用化に寄与することとして、石垣島浦底湾で表-Ⅳ.3.1.2.1 に示す実験を 行った。 表-Ⅳ.3.1.2.1 幼生収集装置の開発における検討項目 目 的 改善・検討項目 評価項目 (1) 装置内に設置した 着床具への幼生の 着生数の歩留まり をできるだけ高め る方法の検討 装置の裾を海底面に着底させて幼生の装置外への 流出を防ぐとともに、装置内に設置する着床具の配 置水深や方向を変えた複数のケースについて、幼生 の着生数を比較する。 ・格子状着床 具への着生 数 (2) 装置内での幼生生 産数増加の可能性 の検討 装置内に入れる親サンゴ(Acropora tenuis)の群体 数を昨年度の実験レベルから段階的に増加させて、 幼生生産数増大の可能性を検討する。 ・着底期※ 幼生数 (3) 幼生収集装置の構 造の改善および設 置方法の検討 受精卵、幼生が偏在、死滅しやすい角型構造に問題 があると考えられたため、円筒型構造(目合い 30μm)にすることによって改善を図る。 ・受精率 ・着底期※ 幼生数 ※ 本検討では、プラヌラ幼生は3日令以降に鉛直的に分散し始めるとの仮定の下、4日令を着底期の幼生 と定義した。

(5)

Ⅳ-3-1-57 2)調査場所 図-Ⅳ.3.1.2.2 に調査場所を示す。調査場所は、(独)水産総合研究センター西海区 水産研究所亜熱帯研究センター(以下、研究所)近傍の浦底湾内とした。研究所の近 傍とした理由は、夜間のサンプリングと速やかな測定が必要なためである。幼生収集 装置設置予定場所の水深は、石垣港工事用基準面を基準とした場合 D.L.-3~-4m 程 度である。底質は砂礫底であり、まだらに浮泥が堆積している。透明度は潮汐状況に より着底することもある。サンゴの総被度は 1%未満であり、ユビエダハマサンゴを 主体としてわずかに分布している程度である。樹枝状サンゴの死骸が目立ち、過去に は多くの群体が分布していたと考えられる。 図-Ⅳ.3.1.2.2 調査場所 石垣島 浦底湾 1㎞ 西海区水産総合研究所施設内の 桟橋から沖に約 400m 西海区水産総合研究所 亜熱帯研究センター 調査場所 N

(6)

3)調査手順 図-Ⅳ.3.1.2.3 に調査手順を示す。 図-Ⅳ.3.1.2.3 調査手順 収集時 飼育時 放流時 実験に必要な 産卵数を確保したか サンゴの採取・配置等 実験開始 装置の設置 4 日令まで幼生 は生残しているか 装置の構造、 管理方法の改善 等 NO NO YES 幼生数の計測 着生数の計測 YES 目的(1)を評価 目的(2)を評価

(7)

Ⅳ-3-1-59 4) 調査工程 表-Ⅳ.3.1.2.2 に調査工程の実績を示す。 調査は 2014 年 5 月 8 日から 5 月 27 日まで行った。期間中の平均風速は 1.4~ 5.9m/sec で、海象条件は穏やかであった。2014 年はサンゴの一斉産卵が分散する傾 向にあり、成熟度に群体差が大きかったなどの影響で、実験に必要な産卵数の確保が 難しかった。5 月 8 日に採取したサンゴは十分に産卵しなかったため、5 月 14 日に再 採取して実験を行った。それでも装置内では十分な産卵数を確保できなかったため、 ケース2では陸上水槽内で採卵して装置内に投入した。

(8)

表-Ⅳ.3.1.2.2 調査工程の実績(浦底湾) 日程 調査内容 平均気温・風速 5/ 8 ・親サンゴの採取(名蔵湾) ※西海区水産研究所が実施 23.3℃・3.4m/s 5/10 ・幼生収集装置(以下、装置)の組み立て 23.9℃・3.6m/s 5/11 ・装置3 基を海域に設置 ・陸上水槽内の親サンゴに対する産卵誘発処理の実施 ・装置直下へ親サンゴを配置 25.2℃・2.8m/s 5/12 ・親サンゴはほとんど産卵せず 26.1℃・3.2m/s 5/13 ・別途準備した親サンゴを装置直下へ再配置 ・卵のサンプリング、受精卵数の測定(翌2:00~3:00) ※実験に必要な産卵数は確保できず 26.6℃・3.1m/s 5/14 ・親サンゴの再採取(名蔵湾) ・装置直下へ親サンゴを配置(2 基分) ※自然産卵は確認されず 27.4℃・5.2m/s 5/15 ・親サンゴの陸上水槽への運搬、産卵誘発処理の実施 26.8℃・3.6m/s 5/16 ・装置直下へ親サンゴを再配置(2 基分) ・卵のサンプリング、受精卵数の測定(23:00~翌 1:00) ※「幼生生産数の可能性の検討」に必要な産卵数は確保できず 25.2℃・3.1m/s 5/17 ・1 日令の幼生のサンプリングおよび幼生数の測定(2 基分) 26.7℃・2.6m/s 5/18 ・装置周辺から親サンゴを回収、陸上水槽で産卵誘発処理の再実施 ・2 日令の幼生のサンプリングおよび幼生数の測定(2 基分) 27.5℃・3.2m/s 5/19 ・陸上水槽で産卵した親サンゴの採卵、装置内への放流(1 基分) ※「幼生生産数の可能性の検討」に必要な産卵数を確保 ・3 日令の幼生のサンプリングおよび幼生数の測定(2 基分) 26.7℃・1.4m/s 5/20 ・1 日令の幼生のサンプリングおよび幼生数の測定(1 基分) ・4 日令の幼生のサンプリングおよび幼生数の測定(2 基分) ・装置の底部を開放し、格子状着床具へ幼生を放流(2 基分) 26.8℃・3.8m/s 5/21~ 22 ・2~3 日令の幼生のサンプリングおよび幼生数の測定(1 基分) 24.3℃・2.9m/s 25.1℃・5.4m/s 5/23 ・4 日令の幼生の生残率の測定 ・装置の底部を開放し、格子状着床具へ幼生を放流 25.3℃・5.9m/s 5/24 ・格子状着床具のテストピースの回収、着生数の検鏡作業(2 基分) 26.5℃・3.9m/s 5/26 ・親サンゴの水中重量の計量 28.2℃・3.5m/s 5/27 ・格子状着床具のテストピースの回収、着生数の検鏡作業(1 基分) ・装置の撤去、片づけ 27.5℃・2.4m/s 注1)平均気温・風速は気象庁データ(伊原間)より引用した。 注2)緑字は目的(1)「生産幼生の着生数の歩留まり高めるための幼生の放流方法の検討」、 青字は目的(2)「幼生生産数の可能性の検討」のための装置とした。

(9)

Ⅳ-3-1-61 5) 方法 a. 実験系 表-Ⅳ.3.1.2.3 に本検討における目的別の実験系を示す。 表-Ⅳ.3.1.2.3 目的別の実験系 目 的 実験系 (1) 装置内に設置した着床具 への幼生の着生数の歩留 まりをできるだけ高める 方法の検討 注)前提条件として、装置の 裾部を海底面に着底させ て幼生の装置外への流出 を防ぐ 装置内に入れる格子状着床具の配置水深や方向を変えた複数 のケースについて、幼生の着生数を比較した。 <水深> ・水面下 1m(吊り下げ) ・水面下2m(吊り下げ) ・D.L.水深 2~3m(架台上) <方向> ・水平置き ・垂直置き (2) 装置内での幼生生産数増 加の可能性の検討 親サンゴの群体数を昨年度の実験レベルから段階的に増加さ せて幼生生産数増大の可能性を検討した。実験系は、幼生収 容数の目標を以下のとおり3 ケースとして、各装置の直下の 架台に必要とする群体数を配置した。 ・ケース1 幼生収容数目標: 100 万 ・ケース2 幼生収容数目標: 300 万 ・ケース3 幼生収容数目標:1,000 万 ⇒(1)の実験系へ 注) 直径 40~50cm の A.tenuis が約 50 万個の卵を産むと想定 (3) 幼生収集装置の構造の改 善および設置方法の検討 上記の幼生収集装置を円筒型構造(目合い30µm)とした。 ※ 目的(1)は、目的(2)内のケース 3 の幼生を用いて実施した

(10)

図-Ⅳ.3.1.2.4 目的(1)の実験系(格子状着床具の配置水深・方向を変えた複数ケース) 図-Ⅳ.3.1.2.5 目的(2)の実験系(幼生収容数目標3ケース)

直径1.7m(円筒型)

水面

1.0m(30μ mネット)

2.5m(100μ m ネット)

0.25m(30

μ m)

水面下

-1m

水面下

-2m

D.L.水深

-2~-3m

水平置き

・垂直置き

吊り下げ

※ 目的(2)のケース 3 の 幼生を用いて実験

<ケース1>

幼生収容数目標

=100万

<ケース2>

幼生収容数目標

=300万

<ケース3>

幼生収容数目標

=1000万

親サンゴ(A.tenuis)

(11)

Ⅳ-3-1-63 b. 幼生収集装置の構造と材料 図-Ⅳ.3.1.2.6 に幼生収集装置の構造イメージを示す。 昨年度までの実験から、幼生の生残率に大きく影響するのは、発生初期(卵割開始 ~桑実胚期)におけるネットの目合いであることが示唆されている。これは、表層に 浮いている受精卵が、卵割中にネットに接触したりこすれたりして死滅しやすいから と考えられる。昨年度の実験では、ネット目合い100μm、30μm、不透過膜の 3 ケー スを比較し、目合い30μm で最も幼生の生残率が高いことがわかっている。 したがって今年度は、受精卵が表層付近に分布していると想定し、水面下1m まで のネットの目合いを30μm とした。また、水面下 1m 以深は幼生(ウスエダミドリイ シのプラヌラ幼生の大きさ:750μm(岩尾・大矢,1998))が抜け出ず、海水交換の効 率が30μm よりも高い 100μm とし、底部側面の一部を厚いキャンバス地とした。 以下に使用した主な材料を示す。 ○主な材料 ・上端から1m までの天井部、側面部:目合い 30μm のナイロンネット ・上端から1m 以深の側面部:目合い 100µm のナイロンネット ・枠 組 み :外径・内径 =φ14mm・φ4mm×1,400mm の強化プラスチック複合管※ ・水中で自立させるための浮子(500ml ペットボトル) ・海底に固定するためのロープ ※ 強化プラスチック複合管: [メーカー・製品名]積水化学工業・タフポール [材質]FRP 製 [重量]230g/m [特徴]・塩ビ管等よりも軽くて強靭な素材 ・海水・錆・腐食に強く、耐久性に優れる

(12)
(13)

Ⅳ-3-1-65 c. 調査、計測方法 本検討における調査、計測方法を以下に整理する。 ・親サンゴを設置する架台の設置(4/17) 種苗の供給源となる親サンゴを設置する架台(FRP グレーチング製)を幼生収集装 置の設置予定場所(D.L.水深-3m~-4m)に予め設置した。架台の大きさは 1m×1m× 厚さ0.04m であり、配置する親サンゴの分量を考慮し、ケース 2(幼生収容数目標 300 万)、ケース3(幼生収容数目標 1,000 万)は、架台を 2 段もしくは 3 段重ねにした。 また、サンゴ幼生は、石灰藻やある種のバクテリアにより着底が誘引されることが 知られているため、それらの生物が着床具に付着するよう、産卵期の少なくとも1 ヵ 月前には着床具を海水に浸漬する必要がある。そこで、浮泥堆積の軽減効果、魚類か らの被食軽減効果等の機能を有する格子状着床具を架台の上に設置し、海水に浸漬し た。 ・親サンゴの採取(5/8) 西海区水産研究所が沖縄県に申請した特別採捕許可申請の範疇において、本検討に 用いる親サンゴのウスエダミドリイシ(Acropora tenuis)を32 群体採取した。サン ゴの採取においては、受精率を高めるため、保有する褐虫藻の色合いの違いなどに基 づいて遺伝子が異なると思われる群体を採取するように努めた。 ・幼生収集装置の組み立てと設置(5/10-11) 3 基の装置を組み立て、予め海底に設置してある架台を覆うように設置した。また、 ケース毎の所定の水深帯に、格子状着床具を装置内に吊り下げた。以下に工夫した点 を示す。 ・装置本体(円柱状ネット)と架台の四隅との接触による装置の破損を防ぐため、接 触の可能性が高い範囲については材質を厚いキャンバス地にしており、さらに、装 置底部に取り付けた円形の塩ビ製外枠をロープで固定することで、装置と架台の接 触を防止するような工夫を行った。 ・干潮時の装置(ネット)のだぶつきを緩和するために、中層ブイ(500mlPET)を 複数の水深に取り付けることにより、だぶつきを全体的に分散させるよう工夫した。

(14)

・装置側面に取り付けた外枠(水面付近と水面下 1m)に縦にポールを通し、流れの 影響で高さによる水平方向のズレが生じる問題点を解消するように工夫した。 図-Ⅳ.3.1.2.7 幼生収集装置の設置状況 円形の塩ビ製外枠を 四方に引っ張り固定 <架台および格子状着床具の設置> 水面上の空間を確保 格子状着床具 <装置全景(海中)> <装置全景(水面)> 中層ブイ 中層ブイ 縦に通した ポール 架台(格子状台座) 水面下-1m 垂 垂垂直直直置置置きき き 水面下-2m 水平置き

(15)

Ⅳ-3-1-67 ・親サンゴの産卵誘発(5/11,15,18) 親サンゴのウスエダミドリイシの産卵を誘発するため、飼育水槽中に一定濃度の過 酸化水素水を投入した。産卵数の必要量が一度だけで確保できなかったため、計3 度 の処理を行った。 【5/11】 飼育水槽中の過酸化水素水の濃度が 2mM(0.002mol/L)となるように調整 し、2 時間薬浴した。薬浴の際は流水を止め、エアレーションはそのままにし、30 分 ごとにかき混ぜた。 【5/15】 飼育水槽中の過酸化水素水の濃度は、半数は前回同様 2mM(0.002mol/L) で処理し、もう半数は前回よりやや濃度が高い3mM(0.003mol/L)で処理を行った。 【5/18】飼育水槽中の過酸化水素水の濃度は、一度処理を行った群体を用いた二度目 の 処 理 と な る た め 、 少 し 低 い 濃 度 の 方 が 望 ま し い と の 判 断 に よ り 、1.5mM (0.0015mol/L)で処理を行った。 図-Ⅳ.3.1.2.8 過酸化水素水による産卵誘発と架台への親サンゴの設置状況 過酸化水素水

(16)

・親サンゴの架台への設置(5/11,16:ケース 1 および 3) 産卵誘発処理を施したウスエダミドリイシの親群体の断片を海中に運搬し、各ケー スの所定の量に配分した後、それぞれ架台上に配置した。 なお、5/19 は、水中への親サンゴの運搬はせず、陸上水槽で飼育していたウスエダ ミドリイシの親サンゴから採卵を行った。 図-Ⅳ.3.1.2.9 架台への親サンゴの配置状況 ・採卵および装置への投入(5/19:ケース 2) ケース2 では、一度産卵誘発処理を施した群体に再び処理を行っているため、運搬 のストレス等を考慮し、陸上水槽内で産卵させて、必要数である300 万個の受精卵を 採取した後、装置内に投入した。 図-Ⅳ.3.1.2.10 採卵および装置への投入状況 ケース 2 ケース 1 ケース 3 採卵状況 装置へ投入した卵

(17)

Ⅳ-3-1-69 ・産卵数の測定(5/16,19) 装置天井部のファスナーを開き、産卵していることを確認した後、バンドルおよび 卵をサンプリングした。サンプリングにあたっては、装置内の卵ができるだけ均一に 分布するよう、卵への物理的ダメージに配慮しつつ緩やかに撹拌した後に、口径 φ200mm、目合い 100μm のプランクトンネットにより装置の底から海面まで鉛直曳 きした。さらに、採取した卵をメモリ付のポリバケツに洗い流して、10L にメスアッ プしたものから、1L をサンプルとして採取し、残りの 9L は装置の中に戻した。サン プリングは計3 回行った。 サンプルは実験室に持ち帰り、2L にメスアップしたものから 50ml ずつ 3 回、実体 顕微鏡で計数し、産卵数を測定した。受精率については、卵割が十分に進んでいない ものも多く、精度の高い受精率を求めるのが困難であった。 なお、5/19 には、陸上水槽で飼育していたウスエダミドリイシの親サンゴから採卵 を行って、海域へ運搬し、装置内へ投入した。投入用の卵の一部をサンプリングして 産卵数を把握したため、海域でのサンプリングは行ってない。 図-Ⅳ.3.1.2.11 バンドルおよび卵のサンプリング状況 撹拌の状況 プランクトン ネット 産卵数の計数状況 サンプリング状況 サンプリング状況

参照

関連したドキュメント

絶えざる技術革新と急激に進んだ流通革命は、私たちの生活の利便性

本事象においては、当該制御装置に何らかの不具合が発生したことにより、集中監視室

関連 非関連 調査対象貨物 同種の貨物(貴社生産 同種の貨物(第三国産). 調査対象貨物

告—欧米豪の法制度と対比においてー』 , 知的財産の適切な保護に関する調査研究 ,2008,II-1 頁による。.. え ,

1ヵ国(A国)で生産・製造が完結している ように見えるが、材料の材料・・・と遡って

洋上環境でのこの種の故障がより頻繁に発生するため、さらに悪化する。このため、軽いメンテ

当面の施策としては、最新のICT技術の導入による設備保全の高度化、生産性倍増に向けたカイゼン活動の全

④資産により生ずる所⑮と⑤勤労より生ずる所得と⑮資産勤労の共働より