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日本感性工学会論文誌

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(1)

1.

は じ め に 街に長く住んでいると,その街に対する愛着が湧いてくる 反面,日常生活の中で街の見方が固定化し,大切なものを見 失っている場合がある.一方,その街に初めて来た人は新鮮 な目で見るので,かえって居住者が見過ごしている街の魅力 に気づく場合もある.すなわち,見る側の属性により同じ街 路景観でも興味を注ぐ対象が異なり,その結果,その興味に 誘われて進んでいく方向も変わって来る.観光産業において は,居住者の論理で見せるものを決めるのではなく,見る側 である来訪者の特性に合わせた観光政策が必要である. また,地方創生の中で,地元の価値を正しく捉え直そうとす る動きも盛んになり,自分たちの街が来訪者にはどのように 見えるのかということへの関心も高まっている. これら観光や地方創生の分野では,これまでは経験や意思 に基づく取り組みが多かったが,これからはデータと科学的 理解に基づく客観的な判断が重要になるものと考えられる. つまり,街のどこに興味が注がれているかということを, 居住者と来訪者とで科学的に比較し,その結果を観光や地方 創成などに活かして行くことが重要となる.学術的にこの 居住者と来訪者との興味の違いを扱った研究はまだ多いとは 言えないが,海外および国内に以下のような先行研究を見出 すことが出来る.

Brown

ら[

1

]は,オーストラリアの

Otways

の居住者と来 訪者に質問に対する回答や評定を求め,土地への愛着と景観 の価値との関係を分析した.探索的因子分析の結果,土地へ の愛着は,土地への一体感と土地への依存性の

2

つの要因に 分けることが出来,来訪者のそれぞれの因子負荷量は居住者 のそれらと類似していると報告した.

Rambonilaza

ら[

2

]は,フランスの

Monts d’Arrée

におい て,環境改善の選択肢に対する支払意思額を問う選択実験法 (

choice experiment method

)を用いて,居住者と来訪者の景 観属性に対する嗜好を調べた.その結果,景観改善の単独属 性に対する推定支払意思額は,田園風景地区に対する両者の 嗜好の違いを示した.

Agapito

ら[

3

]は,ポルトガルの観光地

Algarve

内の

Lagos

に対して,行き先として居住者と来訪者が抱くイメージを分

析した.アンケート,およびカイ

2

乗統計により決定木を生

成する

CHAID

chi-square automatic interaction detector

)を

用いて分析を行った結果,多数が同意する

Lagos

の特徴は良 い気候ときれいなビーチであったが,これらが「友達や家族 に対する観光の行き先としての推薦」に大きく寄与する独立 変数にはなっていないことを示した.

Imani

ら[

4

]は,男性と女性そして居住者と来訪者から それぞれ構成される実験参加者に,イランの

Isfahn

の歴史地区 を散策させた後,スケッチマップを描かせる実験により,地理 空間の内的モデルである認知地図について研究を行った. その結果,男性は広域的な方向性に基づく戦略を,女性は局 所的な道順に基づく戦略をそれぞれ採ること,そして,居住 者の描く地図は詳細で正確なだけでなく空間性が強いこと, これに対し来訪者の地図は順序性が強いことを明らかにした. イタリアの

Alghero

では

2004

年に,観光産業に大きな影響を もたらす沿岸開発と自然保護の改革が行われた.

Concu

ら[

5

原 著 論 文

街路景観の興味に関する居住者と来訪者との比較

̶ 上山における実験 ̶

野本 弘平,佐藤 大介

山形大学

Comparisons of Interests in Streetscapes between Residents and Visitors

– Experiment in Kaminoyama –

Kohei NOMOTO and Daisuke SATO

Yamagata University, 4-3-16 Jonan, Yonezawa, Yamagata 992-8510, Japan

Abstract : Walking in a city, people look at streetscapes and many objects along the street. They are everyday sights for the

residents of the city, whereas seeing them is a brand-new experience for the visitors. The visitors sometimes discover valuable attractions that the residents are not aware of consequently. An experiment was conducted in which residents and visitors walked in a city and took pictures of what they found interesting. The behavioral data and the picture data were analyzed statistically and unconscious interests of the residents and the visitors were revealed.

(2)

は,この改革について居住者と来訪者との選択の調査を行った. アンケートを用いた選択モデル(

CM

choice model

)実験に よる分析の結果,受け入れ側と観光客の間と同様に,受け入 れ側の内部にも選択の不一致が見られ,これが居住者の提供 するものと観光客の求めるものとの不整合を生じさせている ことを明らかにした. 国内においても,谷ら[

6

]は,奈良市奈良町地区におい て,アンケートにより居住者と来訪者の町屋に対する意識調 査を行った.そして

AHP

Analytic Hierarchy Process

)を用 いて価値構造を分析した結果,居住者は街づくり上の価値を 重視し,来訪者は歴史価値を重視しているが,どちらも機能 的,経済的価値の重みは低かったと報告している. 植田ら[

7

]は,熊本県玉名市において,居住者と来訪者 に決められたコースで写真を撮影してもらい,その場で, 「いい/いやだ」,要素,特徴,印象を答えてもらった.これ らを

KJ

法で分析した結果,要素においては居住者と来訪者 に違いがあり,特徴では両者で比較的共通,印象では居住者 が美観,空間,雰囲気でいやだが多く,来訪者は空間,雰囲 気でいいという意見が多かったと報告している. 野本ら[

8

]は,山形県長井市において,居住者と来訪者 に,スタート地点とゴール地点の間を自由散策してもらい, その間で興味を持った対象を撮影してもらった.分析の結果, 経路は,居住者は細道に入る者が多く,来訪者はメインスト リートを好むこと,撮影の構図は,居住者は建物の一部を 写した者が多く,来訪者は建物全体を空とともに写した者が 多いこと,そして撮影視線の高さは,居住者は目の高さから 一階天井の高さまでのものが多く,来訪者は逆にこの高さよ りも高いところと低いところが多いことなどを報告している. 居住者と来訪者との比較を行った上記の各先行研究につい てその研究対象を大別すると,価値感や嗜好などの興味を 扱ったもの[

1

2

5- 7

],観光の行き先としての選択や行動 の結果得られる内的モデルという行動を扱ったもの[

3

4

], そして興味と行動の両面を扱ったも[

8

]のに分けられる. また,その方法論を見ると,[

1- 3

5

6

]は評定や選択肢 法を含む広い意味でのアンケートを用いた主観評価によるも のであり,回答者自身が意識的に評価を行うものである. 一方,[

4

]はスケッチマップを用いる方法,[

7

]は写真撮影 と定められた項目に関する自己評価によるもの,[

8

]は自由 散策と写真撮影に関する分析によるもので,これらは居住者 と来訪者の違いについて,無意識の特性も含めて明らかにし ようとしている. 以上の先行研究は様々な目的により居住者と来訪者との 興味の違いを扱っているが,いずれも静的な興味である. 本研究の目的は,自由散策において興味対象が人を誘い, それに導かれて進んだ先で新たな興味対象を見出すという 動的な興味と行動とのサイクルから,居住者と来訪者との 比較を行うことである.そしてその方法として,アンケート のような自己評価によるものではなく,自由散策と写真撮 影から成る実験により得られる行動データと撮影データを 客観的かつ定量的に解析する方法をとり,本人も気づいて いない特性を見出そうとするものである.具体的には長井市 での実験[

8

]の方法を発展させ,被験者らに広範囲で複雑 な行動空間において長時間の自由散策をさせることにより行 動データを取得し,興味と経路選択との動的な関係の定量的 解析を実施する.

2.

実 験 方 法 本研究で行った実験について説明する.

2.1

 実験の場所と期間 実験は山形県上山市中心部において行った.上山は米沢や 山形を結ぶ羽州街道の要衝の地であり,かつては城下町であ り,かつ宿場町でもあった.また,古くからの温泉地で,スキー 場や樹氷で知られる蔵王も近い. 人口は約

32,000

人であり[

9

],減少が続いている.また, 街の中には羽州街道沿いに往時の繁栄を忍ばせる建物や, 丘の上に立つ三層の城,変化に富んだ温泉街などの見どころ はあるが,京都のような万人が認める観光資源がある訳では ない. 実験では,実験協力者に対象地域を自由散策してもらう. そ の 範 囲 は, 南 西 か ら 北 東 に 延 び る 羽 州 街 道 の 方 向 に 約

700m

,これと垂直な方向に約

600m

の地域であり,上山 市の中心部である.この実験対象地域を図

1

に示す(図中の 記号については後述). 実験を行った期間は

2014

1

10

日から

3

9

日までで ある.この期間の上山の気候はおおよそ雪であるので,少々 の降雪や風でも実施した.ただし,強風や吹雪,大雪の場合, あるいはそれらが予測された場合には中止した. 図1 実験対象地域

(3)

2.2

 実験協力者 上山市に

3

年以上在住している住民を居住者とした. また,上山市をこの実験では初めて訪れる人を来訪者とした. 実験協力者の人数は,居住者

15

名,来訪者

17

名であった. しかし,実験課題を正しく遂行していなかった実験協力者 (実験対象地域から逸脱した場所を散策した等)や,実験によ り取得したデータの信頼性が疑われる実験協力者(どこを散 策したのか分からなくなり,散策経路や撮影位置が不明確で ある等)が,双方のグループに存在した.これらの実験協力者 のデータは,解析の対象から除外した結果,有効な解析対象と なった実験協力者は,居住者

12

名,来訪者

13

名となった[注

1

]. それぞれの平均年齢は,居住者で

32.0

歳,来訪者で

26.2

歳 であった.

2.3

 実験の手順 実験協力者は,街の中心にある公共・商業施設「カミン」 (図

1

参照)の会議室に集合し,そこで

20

分間一連の説明を 受けた.まず事前説明では,実験の趣旨について説明があり, 体調その他の理由により実験を取りやめたい場合にはいつで も中止できること,およびデータの利用範囲は本研究に限定 されることなどの説明があった.なお,本実験は筆者らの 所属する機関において,「ヒトを対象とした研究についての 倫理審査」を受審し,承認されたものである. つぎに,実験協力者に与えられる実験課題の詳細な説明が 行われた.そして,実験協力者一人ずつにデジタルカメラが 手渡され,その操作法の説明を受けた.実験協力者は,その デジタルカメラ,散策の範囲となる実験対象地域の地図, 筆記用具とメモ用紙,および首から下げられるようにした クリップボードを渡された.その後,実験協力者は一人ずつ

2

分間隔で順次出発し,

60

分の散策と撮影から成る実験課題 を実施した. その実験課題を終えた順に実験協力者はそれぞれ会議室に 戻り,温かい飲み物を飲んで

15

分程度の休息を取った. その後,散策した経路および撮影した位置と向きを新たに渡 された地図に改めて記入し,それぞれの撮影についての簡単 な説明と全体の感想を文章で記述した.この作業は

30

分前 後を要した.この作業が終了した実験協力者から順に,実験 協力に対する謝礼を受け取り,解散した.

2.4

 実験課題 実験協力者に与えられた実験課題は,対象地域を自由に散 策し,興味を持った対象を写真に撮ることである. 散策の対象地域は事前説明で渡された地図に示されてお り,実験協力者はこの範囲内を自由に

60

分間散策した. 実験協力者は

2

分間隔で一人ずつ出発するが,途中で他の 実験協力者に出会っても,行動をともにせず必ず最後まで 自分一人で実験課題を遂行するよう指示された.実験協力者 が散策の過程で撮影する写真の枚数は

10

枚以上と指定され た.興味を持って撮影するか否かの価値判断は,必ずそれぞ れの実験協力者が独自に行うよう指示された.また,散策か ら戻った後で,散策経路と撮影位置・対象を記述するので, 散策前に渡された地図やメモ用紙に必要に応じて書き込みを したりメモを取るよう,指示された. 散策終了後,実験協力者は新たに渡された地図に自分が 散策した経路を線で改めて記入した.次に,撮影したそれぞ れの写真に番号を付け,それらを撮影した地点と対象の向き をその番号と共に,矢印でその地図に改めて記入した. そして,それらの各写真について,なぜ興味を持ったのか を別紙に文章で記述した.最後に,この散策全体の感想を文 章で記述した.

3.

行動データの解析 この実験により得られるデータは,地図に記入された散策 経路と撮影地点・向きのデータ,および撮影された写真とそ の説明文のデータである.以下では,前者を行動データ, 後者を撮影データとそれぞれ呼ぶこととする.まず,行動デー タの解析について説明する.

3.1

 経路の区間分割 行動データの統計処理を可能にするために,区間分割を 行った.つまり,実験対象地域内の人が歩き得るすべての道 を,交差点や分岐点で分割し,その両端内には進行方向選択 の余地のない区間に分割した.そしてこの区間を,経路を構 成する最小単位とし,それぞれを区別できるように名前を付 けた.これらの区間は全部で

68

区間あり,各区間とその名 前を図

1

に示す.

3.2

 通過率の定義と居住者・来訪者間の比較 経路の区間化により,それぞれの実験参加者が通過した経 路は,区間の系列として表現される.そして逆に各区間に対 して,そこを通過した実験参加者が分かる.各区間に対して, そこを通過した居住者の人数を全居住者の人数で除した値, お よ び 来 訪 者 で 同 様 に 求 め た 値 を, そ れ ぞ れ の 通 過 率 (

passing rate

)と定義する. まず,実験対象地域の全

68

区間に対して居住者と来訪者と の通過率を求め,それらを降順に整理したものを図

2

に示す. 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 Pa ss ag e ra te Section 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 Pa ss ag e ra te Section 図2 居住者(左)と来訪者(右)との通過率の分布 [注1] 実験協力者に現地を歩行させてデータを取得する実験,その中 でも自由散策の実験では,天候等の条件を合わせ,実験協力 者の多様な行動に対応し,さらに不測の事態から実験協力者 の安全を確保するために,アンケートによる実験や実験室内 実験に比較して多数の実験協力者を用いることは困難となる. このため,一般に数名から20名程度で実施されている[8].

(4)

これらの図からわかるように,通過率の上位の部分で両者 に違いがある.つまり,大半の居住者を呼び込んだ区間は ほとんどないが,大半の来訪者を呼び込んだ区間はいくつも ある.このことは,来訪者は特定の区間に集中する傾向が あることを意味しており,これらの区間の分析は観光などに 重要であることが分かる. つぎに,実験対象地域の全

68

区間に対して居住者と来訪 者との通過率を求め,それらをそれぞれを横軸と縦軸とに とって散布図にしたものを図

3

に示す. このの図を見ると,全体的には両者におおよその正の相関 があることが分かる. 全区間中

S4

が群を抜いて両者の通過率の高い位置に存在 しているが,これは,散策開始と終了の地点であるカミンの 北東側出入り口が区間

S4

に広く区間

F4

に狭く面しているか らである.この

S4

を除けば,居住者には通過率が

0.8

を超え る区間は存在しないが,来訪者はこれが

0.8

を超える区間が

6

区間存在している.このことからも,来訪者は居住者より も特定の地点に集中する傾向が分かる. 居住者も来訪者も比較的多く訪れる区間は,区間

A5

A6

G4

S2

F5

である.一方区間

A4

W3

では,来訪者は高い通 過率を示しているものの,居住者のそれは

0.4

にも満たない. つまり,居住者はあまり行かない区間に,多くの来訪者か 訪れていることになる.これを居住者が見逃している価値 ある区間を来訪者が見出していると見るか,価値のない区間 に無駄に多く来訪者が訪れていると見るかは,

3.4

節で考察 する.

3.3

 撮影率の定義と居住者・来訪者間の比較 通過と同様に,それぞれの実験参加者が撮影を行った地点 は区間で記述でき,逆に各区間に対して,そこで撮影を行っ た実験参加者が分かる.各区間に対して,そこで撮影を行っ た居住者の人数を,その区間を通過した居住者の人数で除し た値,および来訪者で同様に求めた値を,それぞれの撮影率 (

photographing rate

)と定義する.ただし,その区間を通過 した居住者あるいは来訪者がいなかった場合は,それぞれの 撮影率は

0

と定義する. まず,実験対象地域の全

68

区間に対して居住者と来訪者と の撮影率を求め,それらを降順に整理したものを図

4

に示す. これらの図からわかるように,撮影率の裾野の部分で両者 に違いがある.つまり,居住者では裾野は早く途切れて

0.0

になっているのに対し,来訪者では裾野が比較的長く延びて いる.このことは,居住者が無関心な区間でも来訪者は興味 を持つ可能性があることを意味している. つぎに,実験対象地域の全

68

区間に対して居住者と来訪 者との撮影率を求め,それらをそれぞれを横軸と縦軸とに とって散布図にしたものを図

5

に示す. この図では,[

0

1

]×[

0

1

]の全域に渡り区間が分布して いる.しかし,通過人数が少ない区間では撮影率の統計的意 味も薄いので,通過率が居住者,来訪者ともに

0.5

以上の区 間のみを図

5

から抜き出して示したものが図

6

である. 図

6

では,全体に正の相関が見られる.そして,区間

S2

W2

F1

G4

S5

U1

が右上から右下に一群を成し,他の区間 が左下に固まっている.つまり,居住者が多く撮影した区間 群と,居住者も来訪者もあまり撮影しなかった区間群の二つ に,大別されることが分かる.しかも,前者の群,区間

S2

W2

F1

G4

S5

U1

はこの順に上方から下方に並んでおり, 居住者の撮影率は一様に高いが,来訪者の撮影率は居住者と 図3 居住者と来訪者との通過率の比較 図4 居住者(左)と来訪者(右)との撮影率の分布 図5 居住者と来訪者との撮影率の比較

(5)

同程度の値から

0.25

まで広がっている.すなわち,居住者 が高い興味を持つ区間には,来訪者も同様に高い興味を示す 区間から,あまり興味を示さない区間まで存在すると言える.

3.4

 通過率対撮影率の比較 通過率を横軸に,撮影率を縦軸にそれぞれ採った散布図 は,各区間が人を引き寄せる度合いとその人の興味を惹く 度合いとの関係を示す.居住者と来訪者とのこの散布図を, それぞれ図

7

と図

8

に示す. (

1

)通過率が高く撮影率が低い区間 両者の分布を比較す ると,通過率が高く撮影率が低い区間が,居住者には前述の 区間

S4

(散策開始と終了の区間)以外にはないが,来訪者 にはいくつか存在する.その中には,

3.2

節で指摘した来訪 者の通過率だけが高い区間

A4

W3

が含まれている. (

2

)通過率も撮影率も高い区間 居住者でも来訪者でも右 上に位置するもの,つまり通過率も撮影率も高い区間は,

S2

F1

W2

G4

である. (

3

)居住者だけ通過率や撮影率が高い区間 さらに,居住 者では通過率や撮影率が比較的高いのに来訪者ではこれらが 低くなっている区間は,

Q2

S6

U1

である.これらのうち

Q2

は,一見ではその先に行けることが分からない道なので 来訪者は誰も行かなかったと考えられるので,考察の対象か ら外す.残りの区間で居住者に対する来訪者の位置の変化を みると,

S6

で(

0.50

0.67

から(

0.31

0.50

),

U1

で(

0.67

0.63

) から(

0.62

0.25

)となっている. (

4

)来訪者だけ通過率や撮影率が高い区間 逆に,居住者 では通過率や撮影率が低いのに来訪者ではこれらが高くなっ ている区間は,

D1

F7

である.これらの区間で居住者に対 する来訪者の位置の変化をみると,

D1

で(

0.42

0.00

)から (

0.62

0.75

),

F7

で(

0.33

0.25

)か ら(

0.77

0.50

)と な っ ている.

3.5

 通過率対撮影率の比較に関する考察 前節で述べた通過率対撮影率の分布について,考察を行う. (

1

)通過率が高く撮影率が低い区間 通過率は高く撮影率が 低い区間が来訪者に多いということは,「居住者はあまり行か ないところに来訪者はたくさん訪れたが,やはり面白くなかっ たと思った」と解釈できる.つまり,来訪者を価値の低いこ れらの区間に誘導するような街の構造になっていると言える. (

2

)通過率も撮影率も高い区間 居住者でも来訪者でも通 過率も撮影率も高い区間,

S2

F1

W2

G4

の性質を見ると,

S2

は川の側に映画のロケ地があり,その反対側に八幡神社 がある(図

9

,以下に掲載の写真はすべて実験において撮影 されたものである).区間

F1

には足湯がある(図

10

).区間

W2

には,荒町川に掛かる赤い橋があり,道の北西側に赤い 鳥居が並び,これらが印象的である(図

11

).区間

G4

は羽 州街道から上山城に向かう道で,その入り口に櫓がありその 図6 居住者と来訪者との撮影率の比較 (居住者と来訪者の通過率がともに0.5以上の区間) 図7 居住者の通過率対撮影率の関係 図8 来訪者の通過率対撮影率の関係

(6)

足元に人形が置かれている(図

12

).つまり,上山の街を特 徴づける存在が多い.これらの区間では,居住者来訪者とも に撮影する対象に共通性があり,魅力資源が居住者にも来訪 者にもよく認識されていることが分かる. (

3

)居住者だけ通過率や撮影率が高い区間 さらに,居住者 では通過率や撮影率が比較的高いのに来訪者ではこれらが低 くなっている区間

S6

U1

は,居住者はよいと思っているの に,来訪者が訪れなかったり興味を示さなかったところであ る.その理由を考察する. 区間

S6

は羽州街道沿いの古い商店が立ち並びいまも営業 をしている区間である(図

13

).その意味で昭和の風情が 漂い,来訪者に見せたい区間である.しかし,来訪者の通過 率が大幅に少ない理由は,交通事情にあると考えられる. 羽州街道はカミンの北東側は古い街並みを残しているが, 車両の交通量が多い割に道幅は狭く歩道がない.このため, 来訪者は安心して街の風情を楽しむ余裕がないものと考えら れる.一方,羽州街道のカミンの南西側は,道路の拡張工事 が行われ,車道も広く歩道も整備されている.しかし,区間

S2

のような特別のもののあるところを除いては,風情や 面白みに欠ける通過道路になってしまっている. 区間

U1

は温泉街のメインストリート

F4

F5

F6

F7

から 上山城に向かう細道であり,懐かしい雰囲気を持つ古い家裏 の塀や門などが見られる(図

14

).しかし,通過率はそれほ ど変わらないのに,来訪者の撮影率は居住者の半分もない. 居住者にとっては愛着のある通りではあるが,来訪者が求め る非日常性やその土地ならではのものは存在していない. (

4

)来訪者だけ通過率や撮影率が高い区間 逆に,居住者で は通過率や撮影率が低いのに来訪者ではこれらが高くなって いる区間

D1

F7

は,居住者は気づいていない価値を,来訪 者が見出していたところである. 区間

D1

は,前述の八幡神社沿いの細道で,共同浴場の案内 があったり,八幡神社の古いやしろが近くから見られたり, 境内には珍しいコンクリート製の滑り台があったりする(図

15

). この細道は,温泉街メインストリートに対して,温泉街居住 者のための生活空間である.居住者には毎日の生活の中で見 慣れた風景であるが,来訪者にとっては自分の普段の生活で は見ることのない風景との出会いが詰まっている. 区間

F7

は,温泉街メインストリートであり,この区間に 「歓迎 かみのやま温泉新湯通り」と書かれた観光ゲートが 設けられている(図

16

).居住者でこの区間で撮影を行った

図9 区間S2の映画ロケ地と八幡神社 図10 区間F1の足湯

図11 区間W2の赤い橋と赤い鳥居 図12 区間G4の櫓と人形 図13 区間S6の羽州街道沿いの古い商店 図14 区間U1の家裏の雰囲気

図15 区間D1にある共同浴場の案内とコンクリートの滑り台

図16 区間F7の観光ゲート

(7)

者は

1

名だけで,その撮影対象はこの観光ゲートではない. これに対し来訪者でこの区間で撮影を行った者は

5

名おり, その撮影対象はすべてこの観光ゲートである.このことか ら,居住者がほとんど注目していないこの観光ゲートが, 来訪者にとってはいかに興味を引くものであるかが分かる. つまり,区間

D1

F7

は,居住者には日常的であるが,来訪 者にとっては「温泉街上山」ならではのものを持っている.

4.

撮影データの解析 つぎに撮影データ,つまり写真とその説明文のデータの解 析について説明する.この解析も客観性を持たせるために, 内容だけでなく構図に関することを比較基準とした.

4.1

 撮影対象の高さの比較 構図に関して,居住者と来訪者が撮影した対象が,どの 高さにあったものであるかを解析した.撮影対象は,説明文 と写真の中心に写っているものから判断した(以下同様). 高さは,表

1

に示す

3

段階に区分した. そして,それぞれの居住者が撮影した写真をこの

3

つの高 さ区分に分類して数え上げ,その居住者が撮影した全写真の 枚数で除した値を,その居住者の高さ構成比とする.そして この値について,居住者全体で平均した値を居住者の平均高 さ構成比(

average height ratio

)と呼ぶこととする.来訪者 についても,平均高さ構成比を同様に定義する. 居住者の平均高さ構成比を図

17

に示す.(図において エラーバーは

95%

信頼区間,「

**

」は

1%

有意,「

*

」は

5%

有意を,それぞれ表す.以下同様.)この図から,居住者が 撮影した対象の高さの

70%

以上が,

1.5 - 2.5 m

,すなわち 目の高さ以上で

1

階と

2

階の境界の高さ未満の区分のもので あることが分かる.この区分の構成比は,

1.5 m

未満の区分 および

2.5 m

以上の区分とそれぞれ

1%

有意の差がある. 来訪者の平均高さ構成比を図

18

に示す.この図から,来訪 者の場合は

2.5 m

以上,すなわち

1

階と

2

階の境界の高さ以上 の区分が

30%

近くを占めており,この区間は

1.5 - 2.5m

の区 間よりも

1%

有意で低いが,

0 - 1.5m

の区間よりも

1%

有意で 高いことが分かる. まとめると,興味ある対象を最も多く見つける高さは居住 者も来訪者も見やすく見通しの良い高さであることは共通し ているが,来訪者は高いところの対象に低いところのものよ りも興味を持っていると言える.

4.2

 撮影対象の距離の比較 居住者と来訪者が撮影した対象が,どの距離にあったもの であるかを解析した. 距離の区分には,

Hall

の人体を中心とした距離の

4

分類[

10

] を参考にした.すなわち,密接距離(

Intimate distance

0 - 45cm

, 個体距離(

Personal distance

45 - 120cm

,社会距離(

Social

distance

1.2 - 3.6m

,公衆距離(

Public distance

3.6m

以上. しかし,この実験で撮影された写真には密接距離の対象は無 かったので,残り

3

つの分類を距離区分として用いることと した. そして,それぞれの居住者が撮影した写真をこの

3

つの距 離区分に分類して数え上げ,その居住者が撮影した全写真の 枚数で除した値を,その居住者の距離構成比とする.そして この値について,居住者全体で平均した値を居住者の平均距 離構成比(

average distance ratio

)と呼ぶこととする.来訪 者についても,平均距離構成比を同様に定義する. 居住者の平均距離構成比を図

19

に示す.この図から, 居住者が撮影した対象は,個体距離のものが少ないことが分 かるが,有意な差は公衆距離との間に

5%

で存在するだけで ある. 表1 撮影対象の高さ区分 区分 基準 説明 1.5m未満 目の高さ未満 見下ろすもの 1.5m以上 2.5m未満 目の高さ以上, 1階と2階の境界の 高さ未満 見やすく,見通しもよ いところにあるもの 2.5m以上 1階と高さ以上2階の境界の 見上げるもの 図17 居住者の平均高さ構成比 図19 居住者の平均距離構成比 図18 来訪者の平均高さ構成比

(8)

来訪者の平均距離構成比を図

20

に示す.この図から, 来訪者の場合は,個体距離の構成比は,社会距離に対しても 公衆距離に対しても

1%

有意で少ないことが分かる. まとめると,興味ある対象を個体距離で見つけることは居 住者も来訪者も少ないことは共通しているが,来訪者の場合 はその傾向が顕著であり,遠くになるに従い興味を見出す傾 向が強いと言える.

4.3

 撮影対象の種類の比較 居住者と来訪者が撮影した対象が,どのような種類のもの であるかを解析した.種類は,表

2

に示す

6

種類に区分した. そして,それぞれの居住者が撮影した写真をこの

6

つの種 類区分に分類して数え上げ,その居住者が撮影した全写真の 枚数で除した値を,その居住者の種類構成比とする.そして この値について,居住者全体で平均した値を居住者の平均種 類構成比(

average category ratio

)と呼ぶこととする.来訪 者についても,平均種類構成比を同様に定義する. 居住者の平均種類構成比を図

21

に示す.この図から, 建物が他の種類に比較してすべて

1%

有意で多く撮影され ていることが分かる.一方,他の種類間には,有意な差は ない. 来訪者の平均種類構成比を図

22

に示す.この図から, 来訪者の場合は建物が多く撮影されていることは同じである が,これに次いでストリートファーニチャが突出して撮影さ れていることが分かる.一方,その他の種類間には,有意な 差はない. まとめると,建物への興味は居住者も来訪者も共通して高 いが,ストリートファーニチャへの興味については,居住者 ではほかの対象と同様で高くないが,来訪者の場合は建物に 続いて突出していると言える.

5.

結果のまとめと考察 行動データから通過率と撮影率を導出し,これらを用いて 次のことを明らかにした. ①来訪者は特定の区間に集中する傾向がある. ②居住者が無関心な区間でも来訪者は興味を持つ可能性 がある. ③居住者が高い興味を持つ区間には,来訪者も同様に高 い興味を示す区間から,あまり興味を示さない区間ま で存在する. ④価値が低いのに多くの来訪者を集めてしまう区間がある. ⑤魅力資源が居住者にも来訪者にもよく認識されている ところとして,ロケ地など上山の街を特徴づける存在 のある区間があげられた. ⑥居住者は多く訪れ興味を持つが,来訪者はそれほどで もない区間については,交通事情や非日常的なものの 不在が考えられた. ⑦居住者は気がついていない価値を,来訪者が見出して いるところとして,温泉街住民のための生活空間であ る区間と,観光ゲートのある区間が見出された.とも に,居住者にとっては日常的であるが,来訪者にとっ ては「温泉街上山」ならではのものを持っていた. 以上のことについて,以下,考察を述べる.街の事前知識 図20 来訪者の平均距離構成比 図22 来訪者の平均種類構成比 表2 撮影対象の種類 種類 例 建物(buildings) ビル,土産屋,旅館,神社,銀行 店先(storefrons) ショーウィンド,店の入口付近 ストリートファーニチャ (street furnitures) ガードレール,電話ボックスポスト,自動販売機, 自然(natures) 川,山,景色,氷柱 町並み(streets) 道,商店街,交差点,公園 看板・掲示(signs) 幟,写真,道路標識,注意書き 図21 居住者の平均種類構成比

(9)

を持たない来訪者が特定の区間に集中する傾向があるのは, 景観に誘われて道を選ぶときの選び方に共通した規則性があ るからだと考えられる.しかしその区間で必ずしも興味ある 対象を見つけているわけではない.来訪者が興味を見出すの は街を特徴づける存在に対してである.そのような存在とし て,ロケ地のような特別のものばかりではなく,温泉街住民 のための生活空間のような居住者にとっては見慣れたものも 含まれている.これは,来訪者が自分で魅力を発見すること 意味しており,そのような自発的発見型の観光の可能性を示 している. つまり,来訪者が興味を持ったこと自体は同じでも,ロケ 地の場合は地元が見せようとしているものであるのに対し, 温泉街住民のための生活空間の場合は,地元には見せようと いう意図はなく,来訪者が自分自身で魅力を発見したもので ある.したがって,来訪者の満足度はその分高くなるし, さらに,この街を探訪しようという意欲も湧いて来るものと 考えられる.これが自発的発見型の観光であり,観光政策と してこれを活かそうとすれば,まず居住者自身が自分たちの 街の魅力に気づくことと,なおかつ,それを見せようという 意図を隠して来訪者自身にそれを発見させる仕組みを作るこ とが必要である. 撮影データから平均高さ構成比,平均距離構成比,および 平均種別構成比を導出し,これらを用いて次のことを明らか にした. ①興味ある対象を多く見つける高さは居住者も来訪者も 見やすく見通しのよい高さであることは共通している が,来訪者は高いところの対象に低いところのものよ りも興味を持っている. ②興味ある対象を個体距離で見つけることは居住者も来 訪者も少ないことは共通しているが,来訪者の場合は その傾向が顕著であり,遠くになるに従い興味を見出 す傾向が強い. ③建物への興味は居住者も来訪者も共通して高いが, ストリートファーニチャへの興味については,居住者 ではほかの対象と同様で高くないが,来訪者の場合は 建物に続いて突出している. 以上のことについて,以下,考察を述べる. この実験による平均高さ構成比の結果は,筆者らが長井市 で行った実験の結果[

8

]と比較すると,居住者については 同様であるが来訪者については異なっている.長井市の実験 では,来訪者の平均高さ構成比は凸型ではなく

1.5 - 2.5m

よ りもその上方と下方の区分の方が高い凹型の形状を示した. その撮影対象は

1.5m

未満では草花が多く,

2.5m

以上では 屋上看板や高い建物が主であった.この相違は,長井市の 実験は秋の前半(

9

10

日から

10

28

日まで)に行われた のに対し,本実験は冬に実施されたことに起因するものと考 えられる.つまり本実験では,足元に草花はなく,雪や寒風 で視線が伏せがちになるため,来訪者の特性が現れなかった 可能性が考えられる.この点については,実際に今後別の 季節に同様の実験を行って,確認をしていく. また,来訪者は遠いところのものに興味を持つ傾向があっ た.この結果は,来訪者は街全体の空間の中で対象を捕らえ ようとしているからであると考えられる. さらに,来訪者はストリートファーニチャへの注目が高 かった.上山市のストリートファーニチャには観光用の櫓, 橋の親柱の飾り,オブジェなど,見てもらうために作られ設 置されたたものが多く,それらに注意を魅かれることは自然 の成り行きである.これに対し,居住者は自分の生活に関係 の薄い対象には認知の省略が行われる傾向がある.たとえ ば,自分のキャンパス内の道しるべに,自分たちよりも初め て来た人の方がよく気づいているという類の経験は,多くの 人が持っている.来訪者にはこのような省略が無いため, 多くの注意が向けられたものと考えられる.

6.

お わ り に 本研究では,自由散策と写真撮影から成る実験課題を行 い,それにより得られた行動データと撮影データを解析し, 街に対する居住者と来訪者との興味の違いを検討した. この実験は冬に実施したが,街路景観は季節の影響を受け るため,引き続き同様の実験をほかの季節にも行い,四季に おける居住者と来訪者との街路景観の興味を明らかにしてい く計画である.そしてことにより,観光等への応用を展開す るとともに,実験協力者の数を増やして行きデータの信頼性 を高めていく. そして,同様の実験を違う特徴を持つほかの街で行い知見 を蓄積して行くとともに,外国人来訪者を日本人居住者, 日本人来訪者と比較する研究,街の魅力を見出す能力がある 人の行動パタンの研究を進めていく計画である. さらに,街の事前知識を持たない来訪者が景観に誘われて 道を選ぶときの選び方に共通した規則性を明らかにすること も,今後の課題である. 謝 辞 この実験に参加してくださいましたすべての方々に,心か らのお礼を申し上げます. 参 考 文 献

[1] Brown G., Raymond C.: The relationship between place attachment and landscape values: Toward mapping place attachment, Applied Geography, 27, pp.39-111, 2007. [2] Rambonilaza M., Dachary-Bernard J.: Land-use planning

and public preferences: What can we learn from choice experiment method?, Landscape and Urban Planning, 83, pp.318-326, 2007.

[3] Agapito D., Mendes J.C., Valle P.O.: Chapter 6 Destination image: perspectives of tourists vs. residents, in Silva J.A, Scott J.J.N.: Tourism development and management,

(10)

Uneversidade do Algarve, pp.117-140, 2010.

[4] Imani F., Tabaeian M.: Recreating mental image with the aid of cognitive maps and its role in environmental perception, Social and Behavioral Sciences, 32, pp.53-62, 2012. [5] Concu N., Atzeni G.: Conflicting preferences among tourists

and residents, Tourism Management, 33, pp.1293-1300, 2012. [6]谷知子,伊藤香織:町屋に対する価値意識と保存再生手法 の評価に対する研究−奈良町を対象として−,日本都市計 画学会論文集,46(3),pp.223-228,2007. [7]植田征道,大井尚行,髙橋浩伸,森永智年:地元居住者と 来訪者による景観評価の比較,日本建築学会大会学術講演 梗概集,40066,pp.143-144,2012. [8]野本弘平,丸山昴:街の印象に関する居住者と来訪者との 比較,日本知能情報ファジィ学会論文誌,27(2), pp.561-569,2015. [9]上山市ホームページ: http://www.city.kaminoyama.yamagata.jp/ [10]内山久雄,佐々木葉:第4章居心地のよい場所と眺めをつ く る た め に, 景 観 と デ ザ イ ン,pp.55-80, オ ー ム 社, 2015. 野本 弘平(正会員) 1981年 慶應義塾大学工学部卒業.1983年 同 大学大学院工学研究科博士前期課程修了. 同年,三菱電機(株)入社.同社情報技術総 合研究所,デザイン研究所等に勤務.主席技 師長.2003-2009年 明治大学理工学部情報科 学科客員教授.2007-2009年 東京工業大学大学院総合理工学研 究科連携教授.2009年より山形大学大学院理工学研究科教授. 人間行動に関する知覚・認知・感性の研究に従事.博士(工学). 日本感性工学会,日本知能情報ファジィ学会,ヒューマンイン タフェース学会,計測自動制御学会,電子情報通信学会,情報 処理学会,IEEE各会員. 佐藤 大介(非会員) 2015年 山形大学工学部在学.現在,空間認 知の研究に従事.

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