Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
地域包括ケアを考える視点
Author(s)
唐澤, 剛
Journal
歯科学報, 115(5): 467-467
URL
http://hdl.handle.net/10130/3853
地域包括ケアシステムとは,介護が必要になっても,住み慣れた地域で,その人らしい自立した生活を送る ことができるよう,住まいを中心に医療,介護,予防,生活支援サービスを包括的かつ継続的に提供するシス テムである。 地域包括ケアは,地域と各人の物語に根ざしたケアを提供する。また,利用者の視点から医療・介護サービ スが一体的に利用できる。 「地域」とは,単なる場所を指すのではなく,人のつながりがあること,community-based を意味し,「地 域から生えてきた」サービスを生み出す基盤となる。「物語」とは,narrative-based であり,それぞれの人の 人生の物語を尊重することを意味し,そのケアは「一人一人に寄り添う」ものである。「包括」とは,integrated care であり,医療と介護の一体的なサービスを意味し,それは「生活者の視点に立つ」ものである。 急性期医療も地域包括ケアシステムの一部であり,決して介護だけの問題ではない。在宅から急性期,回復 期,慢性期,介護そして再び在宅へと循環する医療介護提供体制を構築する必要があり,医療提供体制の再構 築は地域包括ケアシステムの創設と一体である。 地域包括ケアとはサービスが「連携」して利用者の視点から一体的に提供される状態であり,「連携」とは サービス提供者間に「顔の見える関係」が構築されていることを意味する。「顔の見える関係」は「多職種協 働」による「地域における総合的なチーム医療介護」であり,「安心と信頼の基盤」となる。顔の見える関係 により,サービス利用者は「次のサービスステージの見通し」がたつ。それは,医療難民や介護難民の発生を 防ぐ。 高齢者の口腔ケア,医科歯科連携も非常に重要になっていく。歯周病の予防,誤嚥性肺炎の予防,口から食 べることの価値の再確認なども含め,地域包括ケアの中に歯科をどのように位置づけていくかが重要な課題で ある。 超少子高齢社会を乗り切る方法は,地域包括ケアシステム以外にない。医療と介護の一体化は先進国共通の 課題だが,確立した方法論を持つ国はまだない。我が国は高齢化のフロントランナーとして,世界に「地域包 括ケアモデル」を示していく。 ≪プロフィール≫ <略 歴> 昭和31年 長野県生 早稲田大学政治経済学部卒業 昭和55年 厚生省に入省 平成21年 大臣官房審議官(医療保険,医政,医療・介 護連携担当) 平成24年 政策統括官(社会保障担当) 平成26年 現職