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職業行動に関する研究 : これまでの取り組みと今後の課題

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Academic year: 2021

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帝 塚山大 学 心理学 部 紀要2015 年 第4 号pp. 1-11

職 業 行 動 に 関 する 研 究

−これまでの取り組みと今後の課題−

1. 労 働 を 取 り 巻< 問 題 働く人 たち の 現 況 雇 用 を巡 る 環 境 は, ここ数 年 の 中で 激 変した。 2008 年 のリー マ ンショック以 降, 人 手 の 過 乗14感 が 強 まり,非 正 規 労 働 者 を解 雇 す るい わ ゆる「派 遣 切り」が行 わ れ, 2011 年 3 月 の 東 日 本 大 震 災 の後 に 復 興 事 業も 連 動して 逆 に 人 手 不 足 が 広 がる様 相 を示 してきた。 し かし, 労 働 力 人 口(自 営 業 主, 家 族 従 業 者, 雇 用 者, 完 全 失 業 者)と就 業 者 の 動 向を み ると, 総 務 庁 統 計 局 の2014 年8 月 現 在 の「労 働 力 調 査」 によると,労 働 力 人 口は 男 性 が3,776 万 人, 女 性 が2,819 万 人, 計6,595 万 人 で ある。 15年 前 の1999 年 は男 性 が4,024 万 人, 女 性 が2,755 万 人, 計6779 万 人 で 男 性 が248 万 人 の 大 幅 減, 一 方 女 性 は 逆 に64 万 人 増 で ある。 10 年 前 の2004 年 とで は, 男 性 が3,905 万 人, 女 性 が2,737 万 人 ,計6,642 万 人 で 男 性 が129 万 人 と減 少 傾 向 を示 し た。 女 性も15 年 前と同 様82 万 人 増 で ある。 ま た ,就 業 者 数 を2014 年8 月 時 点 で み ると,男 性 が 3,635 万 人, 女 性 が2,728 万 人 で 計6,363 万 人 を数 え てい る。男 女 別, 年 齢 別 就 業 者 数 につ いて, 2014 年 の男 性 の 年 齢 階層 別 結果 を10 歳きざ みで みると, 35-44 歳 が871 万 人 で 最も多く, 45-54 歳 が759 万人, 続 い て55-64 歳 が671 万 人 で ある。 逆 に24 歳 以 下 は259 万 人 で 最も少 なく,65 歳 以 上 が425 万 人 で ある。 一 方 ,女 性 も35-44 歳 が635 万 人 で 最も 多 く,次 に 45-54 歳 が595 万 人, 25-34歳 が507 万 人 で 就 業 者 数 か多 くみられ た。 男 性 と同 様,24 歳 以 下 は246 万 人 で 最も少 な く,女 性 は35 歳 以 降 の子 育 て の後 半 から55 歳 まで の年 齢 層 で 就 業 者 数 は多 い 。 正 規, 非 正 規 に つ い て は, 正 規 従 事 者( 職 員・ 従 業 員) は 男 性 が2,274 万 人, 女 性 が1,031 万 人 で ある。 これ に 対 して 非 正 規 従 事 者 は 男 性 が630 万 人, 女 性 は1,318 万 人 を数 えて い る。非 正 規 の 男 性 の 内 訳 は ,ア ル バ イトが 最 も多く205 万 人 で ある の に対 して, 契 約 社 員 が159 万 人 , パ ートは105 万 人 である。 女 性 は, パ ートが827 万 人 で 圧 倒 的 に 多く,続 い てア ル バイトが195 万 人, 契 約 社 員 が137 万 人 で ある。これら非 正 規 雇 用 労 働 者 は 緩 や かに 増 加して いる一 方 で, 正 規 雇 用 労 働 者 は ,人 口 の 減 少 を 受 け や や 減 少 傾 向 で 推 移して いる。 2005 年 の役 員 を 除く雇 用 者 に 占 め る非 正 規と正 規 職 員・ 従 業 員 の 割 合 は32.6 % でこの2 ∼3 年 は35 %を超 え ている。 2014 年12 月 時 点 で の 完 全 失 業 者 を み ると210 万 人 で 特 別 寄稿

森 下

高 治

ある。 震 災 から4 年 を迎 える が, ようやく事 業 の 再 編, 生 産 体 制 の 見 直しに 厳しさが 増してきて いる。 今 日 ,グロー バ ル 化 の な かで 企業 にお け る能 力 主 義 , 成 果 主 義 がさら に加 速 され, 派 遣 社 員, パ ート社 員 等 の 非 正 規 社員 の 雇 用 の 見 直し, また, 正 規 社 員 の 抑 制 が進 ん で い る。 そ の 一 方 で, 人 事 労 務 管 理 の 個 別 化 が 進 み , 正 規, 非 正 規 を問 わず 労 働 から来る仕 事 の 過 重 問 題 かお り,現 雇 用 環 境 下 で, 仕 事 に 強い ストレスや 不 安 を感 じて い る労 働 者 は6 割 を超 え, 仕 事 へ の負 荷 は 拡 大 す る傾 向 にある。 次 に 精 神 障 害 と労 災 認 定 件 数 に つ い て は, 2013 年 度( 平 成25 年 度) で は 労 災 請 求 件 数 は1,409 件, 認 定 件 数 は436 件 を数 え てい る。 10年 前 の2004 年 度( 平 成16 年 度) で は, 精 神 障 害 に 起 因 す る労 災 請 求 件 数 は524イ 牛, 労 災 認 定 件 数130 件 となっ てい て10 年 の 中 で3.3 倍 以 上 増 えてい る。 こうした な か, 厚 生 労 働 省 の5 年 に 一 度 の 平 成24 年 労 働 者 健 康 状 況 調 査(2013) によると, 仕 事 や 職 業 生 活 に 関 す ることで 強い 不 安, 悩 み, ストレ スとなってい ると感じる 事 柄 かおる労 働 者 の割 合 は60.9 %となってい る。また, 強 い 不 安, 悩 み, ストレスを感じる事 柄 の 内 容(3 つ 以 内 の 複 数 回 答) を みると,「職 場 の 人 間 関 係」 が41.3% が 最も多 く,次 い で「 仕 事 の 質」 が33.1 % ,「仕 事 の 量」 が30.3 % と なって いる。 仕 事 を取 りまく働く人 だも の 問 題 を考 えると,仕 事 そ のも のと職 場 環 境 の 問 題 が上 がっ てい るが ,さらにより大きな 枠 でとらえるとそ の人 が仕 事, 労 働 以 外 の 場 面 で 活 動して い る人 間 の 姿 かおる。 労 働 一仕 事 を 取り巻 く考 え 方 Hansen, S.L.は, 生 活 者 として の人 間 の 姿( 人 生と言う 大きな 枠 組 み の 中で 仕 事 をす る)に 注 目し, 人 が 自 身 の バ ランス のもとに 人 生 を実 現 す ることが 重 要 とした。 そ のた め に 彼 女 は 人 生 や 仕 事 に 対 す る統 合 的 なア プ ロー チ ―ILP(Integrative Life Planning, 1997)を 提 案した。 実 際, キャリア・カ ウンセリング の 中 で は, 働く人 たち が より充 実した ,か つ 包 括 的 な 生 活 を実 現 す るため に カ ウン セ ラー が 手 助 けをす るの が重 要 な 役 割 であると説 いて いる。 彼 女 は, 仕 事 を他 の生 活 上 の役 割との 関 係 のな かで , また は人 生 のな かで 捉 えて いる。 Hansen, S.L. の理 論 的 背 景 に は, Hall,D.T. (1996) の 組 織 経 営 の 視 点 からの 考 え 方 かおる。 彼 女 は, マ ネ ー ジ ャーも被 雇 用 者も, 職 場 で の人 間 関 係 に 配 慮 す べきだ

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帝 塚山 大学 心理学 部 紀要2015 年 第4 号 と提 案 し て い る 。ま た, 働 く大 た ち は ,生 涯 学 習 ,チ ー ム ワ ー ク, 適 応 性, 多 様 性 の 尊 重, コミュ ニ ケ ー ション, 意 思 決 定 の ス キ ル を 身 に つ け る 必 要 か お り,自 己 反 省, 積 極 的 な 傾 聴, 共 感 性 ,自 己 開 示, 協 同 とい っ た「 関 係 性 の 能 力 凡 必 要 と説 い た。 こ れ を 受 け, 筆 者 は 特 に 上 に 登 っ て 行 くとい うキ ャリア の パ タ ー ン は, 1990 年, 次 い で2008 年 の 経 済 危 機 を 経 て 変 容 し, 新 し い キ ャリア で は, 変 化 す る 組 織 や 社 会 の ニ ー ズ に 合 わ せ て 被 雇 用 者 が 変 化 し 適 応 で き るように 助 け る 方 向 に 向 か わ な け れ ば な ら な い と 考 え る 。 Super,D.E. (1951, 1953, 1980, 1986, 1996) は, キ ャ リア 発 達 は, 生 涯 に わ たり現 実 に 対し て 自 己 を 試 す プ ロセ スで あ る と言 う理 論 を まとめ た。 ま た, 彼 は ,労 働( 職 業 的 側 面) と非 労 働( 非 職 業 的 側 面) に 注 目し て ライフ・ キャリア と名 付 け, 以 下 の ような 考 え 方 を 提 示 し た。 大 は, 働 く大 と し て の 役 割 の 他 に 子 ど も や 学 生( 学 校 で の 児 童, 生 徒 , 学 生 な ど) ,余 暇 享 受 者 ,市 民, 家 庭 人 の 役 割 を 合 わ せ て, 人 生 の6 つ の 役 割 に つ い て 虹 を モ デ ル にLife-Career Rainbow (1986) を 提 示 し た 。 実 際, そ れ ぞ れ の 役 割 で そ の 時 に か け た 時 間 とエ ネ ル ギ ー をうまく用 い 説 明 し て い る。 こ れ も, Hansen の 理 論 の 背 景 に な っ て い る。 後 述 の 森 下 の ライフ・ ス タイル の 研 究もSuper やHansen が 取 り上 げ る問 題 が 色 濃 く反 映 し て い る。 わ が 国 お い て は, 第 二 期 高 度 経 済 成 長 期 を 経 て20 世 紀 後 半 は 仕 事 第 一 主 義 ,至 上 主 義 で 経 済 の 発 展 を 多 く の 働 く大 た ち が 支 え て き た。 し かし, 1991 年 に は 日 本 の 労 働 史 上 で 大 き な 問 題 が 現 れ た。 過 労 に よ るうつ 病 疾 患 に よる 自 殺 事 件 で あ る。 大 学 卒 業 後 入 社 し て1 年 半 の 夏 に A 青 年 が 自 死, 遺 族 が 自 殺 は 長 時 間 労 働 の 過 労 に よるうつ 病 が 原 因 と 主 張 し, 1996 年 に 東 京 地 裁 に 会 社 側 を 相 手 に 損 害 賠 償 請 求( 民 事 訴 訟) を 起 こし た。 高 裁, 最 高 裁 と 争 わ れ, 2000 年3 月 に 最 高 裁 判 決 が 出 て, 東 京 高 裁 差 し 戻 し 審 で 和 解 に 至 っ た。 そ の ことが 契 機 に な り2000 年8 月 に 労 働 省( 現 厚 労 省) か ら「 事 業 場 に お ける 労 働 者 の 心 の 健 康 づ くりの た め の 指 針」 が 出 さ れ た。 21 世 紀 に な っ て15 年, 仕 事, 職 場, 働 き 方 が ど うか, 特 に 仕 事 々 人 生 に 対 す る統 合 的 な 見 方 の 必 要 性 が 高 まっ て い る。 Hansen, S.L. は, 1998 年10 月 に 東 京 学 芸 大 学 に て 開 催 さ れ た 日 本 心 理 学 会 第62 回 大 会 の 招 待 講 演 者 とし て 来 日 ,「Integrative Life Planning」 の 特 別 セ ッション を 持 っ た 。

セ ッション 終 了 後 の「Hansen 教 授 を 囲 む 会」 に 筆 者 は 参 加, 翌 年 開 催 のMinnesota International Counseling Institute へ の 誘 い を 受 け た。 ミネソタ 大 学 で は, 直 に 統 合 的 生 涯 設 計 の 講 義 か ら, 前 述 の 通 り人 生 や キ ャリア 設 計 へ の 包 括 的 な アプ ロ ー チ の 重 要 性 を 学 ん だ 。 こ れ より 前 ,ア メリカ 合 衆 国 で は1970 年 代 初 頭 か ら 労 働( Work)/非 労 働( Nonwork)の 研 究 が 行 わ れ て 来 た。 こ れ が 今 回 取 り上 げるライフ・スタイル の 問 題 に 充 当 す る。 ミネソタ大 学 のKahn, R.は, The Meaning of Working

Life (MOW Project, 1987 )で5 つ の 生 活 領 域 を100 点と し てレ ジ ャー ,地 域 活 動 ,仕 事 ,宗 教 及 び 信 仰 活 動 ,家 族 の 領 域 を 自ら の職 業 生 活 でど れ ほど 重 視し て投 じてい るか を点 数 配 分 す るフィー ルド 調 査 を試 み た 。日 本 を含 む8 ヶ国 の 国 際 比 較 研 究で ある。わ が 国 の 働く人 た ち に 仕 事 中 心 性(Work Centrality,1983)が 認 められ た。日米 比 較 で 見 た 場 合 ,日 本 は, 仕 事, 家 族, レ ジャー ,地 域 社 会, 宗 教 の 順 で 需 要 視 され てい て, 仕 事 は ,有 意 に 米 国 より高く重 要 視 され てい た。 Kahn,R- の5 領 域 は, 大 別 す る と仕 事と仕 事 以 外, す な わ ち ,労 働 と非 労 働 に 分 けること が 出 来る。 そこ で ,労 働 と余 暇 の 影 響 過 程 とし て, Wilensky, H.L.(1960) は, 労 働 と余 暇 の 問 題 を社 会 学 の 立 場 から 分 析 をした。 そ の 中で 彼 は, 労 働 と余 暇 の 関係 に つ い て2つ の 仮 説 を提 唱した。

一つ は補 償余 暇仮 説(Compensatory Leisure Hypothesis) で ある。この 仮 説 は ,アメリカ 合 衆 国 の デトロイトで 自 動 車 産 業 が 活 況 であ った 時 代 に製 造 現 場 で 働く労 働 者 が仕 事 で 得られ ない 満 足 を余 暇 生 活 で 充 足 をしょうとす る考 え 方 であ る。もう一 つ は, 流 出 余 暇 仮 説(Spillover Leisure Hypothesis) か おる。こ れ は 仕 事 で 疲 れ 切 っ た 労 働 者 が 仕 事 を 終え 自 宅 に 帰っ て 労 働 から生 み 出された 精 神 的 無 意 味化 か 余 暇 にまで 浸 透 す るという負 の流 出 の 考 え 方 で ある。 い ず れ の仮 説とも興 味深 い 仮 説 である が, 後 者 の 流 出 は, 労 働 の マイナ ス面 が生 活 にも影 響 を及 ぼして マイナ ス面 をさらに深 化 す るもので ある。し かし, 現 実 の 労 働 に は プ ラスの 面 かおることに 注 目す る必 要 かおる。 そ れ なら ば , 労 働 そ のも の が プ ラスの 要 素 を多 く持 ち そ な え ,生き が い, やりがい を味 わうことでプ ラスの満 足 が 得られ る労 働 か ら生 活 へ のプ ラス の流 出 を求 め て 行くことが, 本 来 の 人 間 の 姿で あると言 える。 研 究 を 進 め るな か2000 年 に 入 り,行 政 側 でWork & Life Balance の問 題 が取り上 げ られた。 厚 生 労 働 省 男 女 共 同 参 画 会 議 や 労 働 組 合 の連 合 で , 以 下 のような 考 え方 が示 された。 ・ 働く人 が 仕 事 上 の 責 任 を 果 た そ うとす ると,仕 事 以 外 の 生 活 で やりた いことや, や らなけ れ ば ならな いこと に 取 り組 め なくな るの で は なく,両 者 を実 現 できる状 態 のこと。(2006 年 厚 生 労 働 省 男 性 が 育 児 参 加 できる ワ ーク・ライフ・バ ランス推 進 協 議 会) ■ 老 若 男 女 誰も が, 仕 事, 家 庭 生 活 ,地 域 生 活, 個 人 の 自 己 啓 発 など, 様 々 な 活 動 に つ い て ,自ら希 望 す る バ ランスで 展 開 で きる状 態 である。(2007 年 内 閣 府 男 女 共 同 参 画 会 議 仕 事と生活 に 関 する 専 門 調 査 会) 連 合 は, 仕 事と生 活 の調 和 が 実 現した 社 会 の姿 とそ の 実 現 に向 けた「 行 動 指 針」として

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森 下:職業 行動 に関する研 究 ・ 老 若 仕 事と生 活 の 調 和 が 実 現 し た 社 会 とは ,国 民 一 人 ひ とりが やりが い や 充 実 感 を感じ な がら働き, 仕 事 上 の 責 任 を果 た す とともに 家 庭 や 地 域 生 活 など にお い ても, 子 育 て期 ,中 高 年 期といっ た 人 生 の 各 段 階 に 応 じ て多 様 な 生 き方 が 選 択・ 実 現 で きる社 会 で あ る。 (2008 年 日 本 労 働 組 合 総 連 合 会) ワー ク・ライフ・ バラン スの 問 題 に つ いて は, 現 実 に は 仕 事 と仕 事 以 外 の 生 活 の 優 先 度今 時 間配 分など にお いて , 男 女とも に 希 望 と現 実 に 大 きな 乖 離 かおることも報 告 され てい る(林 治 子・ 唐 澤 真 弓,2009) 。また, ワー ク・ライフ・バ ランスは 精 神 的 健 康 や 生 活 満 足 度との 関 連 が 指 摘され て おり,メン タル ヘ ル ス不 調 を 予 防 す るた め に は, 必 要 不 可 欠 な 要 素とい える。 内 閣 府(2011) の 調 査 で は, 生 活 から仕 事 へ の 肯 定 的 流 出(Positive Spillover,ポジ テイブ スピ ル オ ー バ ー)は , 仕 事 の パフォ ー マンス(職 務 遂 行) に対し, 職 務 満 足 を通 して 間 接 的 にもプ ラスに 影 響 す る可 能 性 かおるとい えるの で はない かと捉 えてい る。 林ら(2009) は, Pleck(1995) の 定 義 を用 い ,スピ ル 才− バ ー( 流 出)を,1 つ の 領 域 で 関 与し たことがもう1つ の 領 域 にまで 拡 大, 影 響 を与 えることであ ると定 義して いる。 仕 事 以 外 の 領 域 で 充 実 感 を得 られ ることで, 精 神 的 に 安 定し, 仕 事 に対 して心力 を 出して 取り組 めることが 理 想 であ ると考 えられ る。また, 仕 事 から生 活 へ の スピ ル オ ー バ ーも 同 様 であ る。 仕 事で の 充 実 感 を得 られることで, 生 活 にも よい 影 響 を与 えられ ることが 精 神 的 健 康 に 繋 がると考 えら れる。 以 上 を踏 まえ, 本 研 究 はワー ク・ライフ・バランスを仕 事・ 生 活・ 社 会 活 動 の3 領 域 にお けるバ ラン スと共 に そ れ ぞ れ の 領 域 に使 うエ ネル ギー や 時 間 の 現 状 と希 望 につ いて 問う。 本 稿 は, 企 業 従 業 員 や 教 育 職 員( 教員) に対 象 を絞り, 上 述 のように 現 実 の 社 会 に 存 在す る勤 労 者 が, ど のような 意 識 の 中 で 仕 事 をどう位 置 づ け てい るか, また, 仕 事・ 会 社 以 外 の 生 活 はどうか, す な わ ち, 彼 らは, 仕 事 以 外 にス ポ ー ツや 趣 味 など の 余 暇 生 活 や 地 域 社 会 で の 社 会 生 活 に 対してどのような 取り組 みを は かってい るのか, 彼 らはそ れらをど れ ほど 求 め てい るのか, 特 に 現状 と理 想(どの よう でありた い か)か ら,これ か らの 働く人 たち のあり方 を 求 め ることとす る。 研 究 の 目的 が 設 定 され た 背 景 は, 従 来 の 勤 労 者 を 中 心とする産 業 心 理 学 的 な 研 究 は, 職 場・ 仕 事 に 限った, 極 め て 限 定 され た側 面 の 人 間 を 問 題し てい たことによる。し た がっ て, 組 織 人とし て の役 割 を 遂 行 す るも のという,い わ け 機 能 的 な 人 間 だ け で は 真 の 人 間 に せ まることがで きな いと考 えら れる。 そ の た め に や りが い の枠 からそ の 人 の いき がい 全 体 を 問 題 に することが,21 世 紀 のこれ からの 時 代 にあっ ては, 重 要で ある。 3 調 査 は ,森 下 が 所 属 す るNIP研 究 会( 新・ 産 業 心 理 研 究 会) で 研 究 I は, 1985 年 以 来 検 討 され てき た 調 査 票(1989) を用 い ることにした。 そ の 後 ,簡 易 式 の24 項 目 プ ラス3 項 目( うち2 項 目 は 宗 教・ 信 仰 の 設 問) の 調 査 票 (1995,NIP 研 究 会) ,研 究 H で は,18 項 目な るライフ・スタ イル 調 査 票 プ ラス1項 目(2014, 須 賀)を 用い た。 ① 調 査 票 の 仕 組 み ライフ・スタイル に つ い て, まず 横 軸 に 生 活 様 式, す な わち 人 間 か1 日 ,い や 生 涯 を通し て 住 む 時 間 的・ 空 間 的 にそ れ ぞ れ 存 在 す る場( 環 境) を設 定 す る。こ の 環 境 は , 労 働・仕 事 の 場, 生 活・ 家 庭 の 場, そ れ 以 外 にあ たるもっと 広 い 社 会 の 場 の3 つ に 分け ることができる。 一 方, 縱 軸 は ,人 間 の 心 理 的 側 面( 変 化) を 問 題 にし て, そ の 人 の 意 識 面を 取り扱 う。これ につ い て は 仕 事 に対 し て の志 向, 価 値 など の人 間 的 な 意 識 の 側 面 が 考 えら れ る。 続 い て 生活・ 余 暇 の 意 識, 社 会・奉 仕 の 意 識 が 存 在 す る。 次 に この横 軸, 縱 軸 から3×3 の マス 目(セ ル) を作 る ことが できる。こ のうち ,生 活 の 意 識 は, 家 庭 を 中 心とした 余 暇 な ど に 趣 味 や スポ ー ツ, 文 化 的 なことを家 族 を核 に 個 人レ ベ ル で 行 うが, 社 会 の 意 識 は, 地 域 自 治 会 をけじ め, PTA や 子 供 会 など の 集 団レ ベ ル の 意 識 活 動 が 問 題 にされる。これらをもとに 心 理 的 側 面として まず 勤 労 者 の 求 める 姿を 取り上 げることにした。 そ れ は, 働く人 た ち が , 仕 事 や 生活, 社 会 の なか で 求 め ているもの は 何 か からあり た い 方 向 性 を示 す 希 望( 志 向 性) で ある。回 答 は, ど れ ほ ど 望 む かで「 強く思 う(5点)」 から「思 わな い(1 点)」 の5 件 法 で 求 めた。 一 方 ,心 理 的 側 面 とし て, 希 望 とならび そ れ ぞ れ の場 (環 境) にある人 たち が, 現 状 をど のようにとらえ ているの か の 意 識 の 側 面 は, 現 実で のライフ・スタイル の把 握 に は 現 実と理 想 とのズレ をみ るうえ で 重 要 で ある。した がっ て, 現 実 面 の 意 識 の 把 握 に つ い て は, 取 り組 み の状 況 をこ れ を 現 実 認 知 という形 でとらえた。 回 答 は ,「多 い(5 点)」 に対し て 現 実 はそ の 上うな状 況 に ない 場 合 は「少 な い(1 点)」とし て5 件 法で 求 めた。 な お, 本 研 究 の 統 計 処 理 で は4 点 から O点 に 配 点を 組 み 替 えた。 これらをFigurel, 2, 3に示 す。 ②9つ の セル の枠 組 み (1) 労 働 の 場 に お ける仕 事 の 意 識 に つ い て, こ の セル ライフ・スタイルの枠 組 み

労 働 の 場 生 活 の 場 社 会 の 場 仕   事 (1) (2) (3) 余 暇・ 自 由 (4)

(6) 社 会・ 奉 仕 (7) (8) (9) Figure 1 ライフ・スタイル の枠 組 み

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帝 塚山 大学 心理学 部 紀要2015 年 第4 号 労 働の 場 生 活の 場 社会 の 場 仕 事 現 状 希 望 1,2 yi 丶 3 yn 丶 4 /r丶丶 ylノ 13,14 yムノ 15 yりノ 16 生 活 余 暇 現 状 希 望 5 一一一(4)- 一一 17 6,7 yr丶 8 //丶丶 yりノ 18,19 yUノ 20 社 会 奉 仕 現 状 希 望 9 / -7丶 10 /八丶 牡12 //丶丶 yXノ 21 yUノ 22 りアノ 23,24 Figure 2 簡 易 版 ライフ・スタイル 調 査 の各 セル 項 目 番 号(1995,NIP 研 究 会) 労 働の 場 生活 の 場 社会 の場 仕 事 現 状 希 望 2 yi 丶 3 yn丶 4 / 入丶 ylノ 14 yムノ 15 yりノ 16 生 活 余 暇 現 状 希 望 5 一一一(4)- 一一 17 6 yr 丶 8 / 入丶 yりノ 18 yUノ 20 社 会 奉 仕 現 状 希 望 9 /¶丶 10 /八丶 11 /入丶 yXノ 21 yUノ 22 yJノ 23 Figure 3 教員 を対 象 としたライフ・スタイル 調 査 の 各セル 項 目番 号(2014, 須 賀) 人 間 の意 識と環境( 場) の組 み合 わせ 一各 セル 内の 数 字 は該 当 項 目番 号を示 す 。 は, 何 よりも仕 事 が 優 先 され, 仕 事 の なか で 生 きが い を見 出 す という,仕 事 中 心 の 意 識, (2) 生 活 の場 にお け る仕 事 の 意 識, (3) 社 会 の場 にお ける仕 事 の 意 識, (4) 労 働 の 場 にお ける余 暇・ 生 活 の 意 識, (5) 生 活 の 場 に お け る余 暇・ 生 活 の 意 識 につ い て, この セル は, 何よりも 生 活 中 心 の 意 識, (6) 社 会 の 場 に お け る余 暇・ 生 活 の 意 識 ,(7 )労 働 の 場 にお ける 社 会・ 奉 仕 の 意 識, (8) 生 活 の 場 にお け る社 会・ 奉 仕 の意 識, (9) 社 会 の 場 に お ける社 会・ 奉 仕 活 動 に つ い て,こ のセル は, 社 会 活 動 が 何より優 先 され 地 域 の 自 治 会 や 子 ども 会 など へ の 現 状 と希 望 を 問うた 社 会 活 動 中 心 の 意 識, であ る。 2. 問 題 研 究I: これ まで は3 つ の 意 識 軸 の 平 均 値 を 求 めプ ロ フィー ル を 問題 にし てきた 耿 プ ロフィー ル のライフ・スタイ ル パ ター ン がさまざ まな 結 果 を 示 す ことから, 筆 者 らが集 積した 研 究 結 果 を再 度 分 析 をし直し, プ ロフィー ル で 描 か れ た 三 角 形 の総 面 積 と言 う新 た な 視 点 から問 題 を取 り上 げる。 1. まず, 在 職 者 がど のようなライフ・スタイル を 描 い てい るか。 2.在 職 者 のライフ・スタイル パ タ ー ンを 取 り出し, プ ロ フィー ル から見 た ライフ・スタイル パター ン の違 い につ いて 総 面 積 を 求め けヒ 較 検 討 す る。 研 究 H: 具 体 的 な 手 続 きは, 教 員 を対 象としたライフ・ス タイル 尺 度 ,肯 定 的 スピ ル オ ー バ ー 効 果 尺 度( 仕 事 から 生 活 へ の 流 出, 逆 の 生 活 から仕 事 へ の 流 出)お よび 主 観 的 幸 福 感 尺 度 の3 つ の 尺 度 を用 い 研 究 を 進 め る(末 尾 の 添 付 資 料を 参 照)。 1.ライフ・スタイル 尺 度 前 述 のNIP研 究 会 の 簡 易 版 働く人 のライフ・スタイル 調 査(1995) の 尺 度 の 一 部 を用 い た。イ上事, 生 活, 社 会 の領 域 にお ける現 状 を問う項 目 は 各3 項 目,希 望 を問 う項 目石 各3 項 目で, 計18 項 目か らなる。 2. 肯 定 的 流 出(ポジ ティブ・スピル オ ーバ ー) 効果 尺 度 内閣 府(20n) が 行っ た『ワ ークとライフ の 相 互 作 用 に 関 す る調 査 』のうち 肯 定 的 スピ ル オ ー バ ー 尺 度を 用 い た。 生 活 から仕 事, 仕 事 から生 活 の 肯 定 的 スピ ル オ ー バ ー 効 果 を 測 定し た。 生 活 か ら仕 事 へ のスピ ル オ ー バ ー 効 果 の 項 田 ま厂 私 生 活 を楽しく過 ごし た 後 は, そ の 気 分 が 仕 事 に も 良い 影 響 を与 えてい る」など4項 目で ある。 仕 事 から生 活 へ の スピ ル オ ー バ ー 効 果 の 項 目 は 厂 仕 事 を 終え た 後 , 私 生 活 を楽しめ る」など4 項 目であ る。 合 計8 項 目 からなる が ,「全くない(1 点)」 ∼「 い つもある(5 点)」 まで の5 件 法 で 回 答 を求 め た。 得 点 範 囲 は,40 点 から8点 まで の範 囲で あ る。 3. 主 観 的 幸福 感 尺 度

Diener,E ら(2000) は, Subjective Weil-Being 一 主 観 的 幸 福 感 は 感 情 状 態 を含 み, 家 族・ 仕 事 など 特 定 の 領 域 に 対 す る満 足 や 人 生 全 般 に対 す る満 足を 含 む 広 範 な概 念としてい る。これ まで, 内 外 の研 究 者 によって 取り組 まれ て いることを 踏 まえ, 本 研 究 で は 満 足 感 からな る認 知 的 側 面とポジ ティブ・ ネガ ティブ 両 面 を含 む 感 情 的 側 面 から捉 え た伊 藤 裕 子 叶目良順 子・ 池 田 政 子 り││浦 康 至(2003) の 主 観 的 幸福 感 尺 度 を用 い た。 対 象 が 教 員 で あることを 考 慮し, 一 部 の 項 目 に 修 正 を 加 え合 計15 項 目とし た。 また ,回 答 は 厂 非 常 に 当 て は ま る(4 点)」 ∼「 全 く当 て はまらな い(1 点)」 の4 件 法 に 修 正し た。 得 点 範 囲 は,60 点 から15 点まで の 範 囲 である。 3. 結 果 と 考 察 研 究 I −1. プ ロフィー ル か ら み た ラ イフ・ スタイ ル パ

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森 下:職業 行動 に関する研 究 ター ン に よる 検 討 対 象 は, 家 電・ 住 宅 関 連 のA社 企 業 従 業 員( 非 組 合 員 の 管 理 職 を除く)男 性1224 名 である。68 項 目 のオリジ ナ ル ライフ・スタイル 調 査 票(1989) の 因 子 分 析 結 果 にもとづ き 因 子 スコアから, 各 因 子ご とに絶 対 値 が 著しく高 い サ ンプ ル を 抽 出し,4 つ のライフ・ スタイル パ ター ン を求 めた 。具 体 的 な パタ ー ン は, 第4 因 子 の 因 子 スコア が 他 の 因 子 に 比し 著しく高 い 人 た ちを仕 事 充 実 型, 逆 に 著しく低い 人た ちを仕 事 回 避 型, 第3 因 子 の因 子スコア が 他 の 因 子 スコア より高 い 人 たち を余 暇 生 活 充 実 型, 第1 お よび 第2 因 子 の 因 子 スコア が 高い 人 た ちを社 会 活 動 充 実型 として 取り出し た(1990, 森 下)。 Figure4,5,6,7に 示 す 。 また, 後 述 のFigure 症 例1,2,3は M P研 究 会 の 島 田 修 氏 から 提 供(1990,NIP 研 究 会)を受 け た 。3例 に つ い て は, 近 畿 圈 にあるB総 合 病 院 心 療 内 科 受 診 者 である。 さら にFigure 事 例1 は ,日 本 臨 床 心 理 士 会 第 一 回 産 業 心 理 仕 事 生 活 社 会 現 状 2.57 1.98 1.52 希 望 2.86 2.64 1.93 社 会 生活 現 状 の 総 面 積5.20cm 希 望 の 総 面 積7.87cm Figure 4 仕事充実型 仕 事 生 活 社 会 現 状 1.90 2.44 0.76 希 望 1.70 3.70 1.84 社 会 生 活 現 状 の 総 面 積3.44cm 希 望 の 総 面 積7.03cm Figure 5 余暇充実型 5 臨 床 研 修 会 で 筆 者 が 発 表し たもの(2005) で ある。ここで は, まず, そ れぞ れ の ライフ・スタイル パ ター ン に つ い て , 各 群 の 現 状 と希 望 の 平 均 値 から特 徴 を みる。 ① 仕 事 充実 型 の ライフ・スタイル の 結 果(N=46) 4 つ の なか で は, 仕 事 意 識 の現 状 と希 望 は 著しく高 い。 ② 余 暇 充実 型 の ライフ・スタイル 結 果(N こ45) 余 暇・ 生 活 意 識 の 現 状 と希 望 がこ れも 著しく高く,逆 に 社 会・奉 仕 の現 状 が 低く弱い 。 ③ 仕 事 回避 型 の ライフ・スタイル 結 果(N=41) 仕 事 の 現 状 へ の 取 り組 み が 最 心弱く,低 い 値 を示し て い て, 希 望も0.82 と言 う極 めて 低 い 値 で ある。3つ の 意 識 軸 の 中 で は, 余 暇・ 生 活 意 識 の 希 望 が抜 きん 出て い る耿 形 状 は 三 角 形 のい び つ な方 を示し てい る。 特 に 社 会 活 動 の 現 状 及 び 希 望 が 低く,活 動 水 準 が 極 め て 低く弱 い 。 ④ 社 会 活 動 充 実 型 のライフ・スタイル 結 果(N=67) 仕 事 生 活 社会 現 状 1.25 1.69 0.41 希 望 0.82 2.53 0.53 社 会 生 活 現状 の 総 面 積1,44cm 希望 の 総 面 積1.67cm Figure 6 仕事回避型 仕 事 生 活 社会 現 状 2.16 2.32 2.17 希 望 2.23 2.88 2.36 社 会 生 活 現状 の 総 面 積6.38cm 希望 の 総 面 積8.00cm Figure 7 社会活動充実型

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帝 塚山 大学 心理学 部 紀要2015 年 第4 号 社 会・ 奉 仕 意 識 の 現 状 と希 望 が ,他 より抜 き ん 出 て い て, 仕 事 意 識 は 余 暇 充 実 型 より現 状と希 望 がともに 高 い。 この 形 状 は, 他 の3 つ のプ ロフィー ル に 比 べ ると,ほ ぼ 正 三 角 形 を 描きバランスが 保 た れてい る。 次 に 仕 事 充 実 型と仕 事 回 避 型 の 相 対 比 す るパ ターン の 特 徴 を み る。 手 続 きとして ,1.仕 事 に つ い て, 各 場 面 が ど のようであるか,2. 余 暇・ 生 活 につ い て,3. 社 会・奉 仕 に つ い てどうか である。 仕 事 充 実 型 の 仕 事 につ い て, 労 働 場 面 の仕 事 の 現 状 は 当然 のことな がら最も 高く,生 活 場 面 の 取り組 み, す な わ ち, 休 日な ど に 次 の 日 に備 えるなど 仕 事 に 関 連し た 生 活 が比 較 的 高 い。 希 望も 非 常 に 高く,家 庭 の 中 でも仕 事 に 頭 を置 い てい る。また, 社 会 場 面 でも仕 事 に 関係 かおる つ きあ い や 研 修 会 へ の意 識 か おることが 明らかとな った。 次 に 余 暇・ 生 活 で は, 生 活 場 面で の現 状 が 最も高く,逆 に 労 働 場 面 は 低 い。 希 望 は 社 会 場 面 で の 余 暇 希 望 が 強 く,仕 事 を離 れた 世 界で の趣 味・スポ ーツなど のつ きあい を 求 め てい る。また, 社 会・ 奉 仕 は, 生 活 や 社 会 場 面 の 現 状 が 高 い が, 他 の 仕 事, 余 暇 の 意 識 と比 べると普 通 段 階 の2 を割って いる。 希 望 に つ い て は, 社 会 場 面 で の 勉 強 会 や 趣 味・スポ ー ツを通し て 社 会 活 動 をした いという意 識 かお る。一 方, 仕 事 回避 型 は, 仕 事 に つ い て労 働 場 面 の 取り組 み は ,3つ の 場 面 で は1.83 と最も 高 い が, 仕 事 充 実 に 比 べると1.05 の 差 かお る。 特 に 社 会 場 面 の 現 状 が 極 端 に 低く弱 い。 こ れ に 対し て 希 望 七生 活, 社 会 場 面 が0.70 と0.50と非 常 に 低 い, 仕 事 意 識 は 現 状も希 望もとも に 低調 で ある。 年 齢 階 層 からみ た4 つ のライフ・スタイル パ ターン で は , 仕 事 回 避 型 は,35 歳 まで が28 名 で71.3% を 占 め てい る。 ちな み に21-25 歳も18 名 い る。これ に 対して, 仕 事 充 実 型 は, 36-50 歳 まで が36 名 を超 え 全 体46 名 の78.3 %を 占 め てい る。また ,余 暇 充 実 型 は ,35歳 まで が39 名 を数 え , 全 体 の45 名 のうち86.7% を 占 めて い て,25 歳 以 下 の層 は ,15名 で 割 合 は 少 な い。 鏝 後 心 社 会 活 動 充 実 型 は , 31-50 歳 の 年 齢 層 が67 名 中 ,50名 で74.6% を 占 めて いて ライフ・スタイル パ ター ン により年 齢 階 層 が 異 なることが 見 出 され た。 I −2. 4 つ の プ ロ フィー ル か ら み たラ イフ・ スタイ ル の 形 状 の 違 い 今 回 の 分 析 で は, 在 職 者 が 示し たプ ロフィー ル か らみ たライフ・ スタイル の 形 状 に 注 目をして 三 角 形 の 面 積 から この 問 題 を取り上 げ る。 具 体 的 な 手 続 きは ,三 角 形 を 表 す 面 積 に 注 目し 再 分 析 を 試 み た 。3軸 の 長 さに 基 づ い て 底 辺 と高 さの 鋭 角 を 90 °Cと高 さと斜 面 の 鋭 角 を600C の 直 角 三 角 形 に つ い て 斜 面 を2, 底 辺 を√3 ,高 さの 部 分 を1 に 三 平 方 の 定 理 に 基 づ き 面 積 を 求 め た。前 述 の 通 り,4つ のライフ・スタイル パ ター ン を取 り出し 説 明 を加 える。 仕 事 充 実 型, 余 暇 充 実 型, 仕 事 回 避 型, 社 会 活 動 充 実 型 の 各 プロフィー ル パ ターン の 面 積 は, 前 頁 に掲 載 の通りである I −3. 総 合 病 院 心 療 内 科 の 受 診 者 の ライフ・ スタ イ ル の 形 状 の 違 い 一男 性 一 般 結 果, 女 性 一 般 結 果, 事 例 1との 比 較 価 gure症 例1,2,3お よFigure8,9, Figure事 例1 参 照) 【症 例1 】30代 前 半 男 性 建 築 会 社 従 業 員1 級 建 築 士 心 臓 神 経 症(身 体 表 現性 自 律 神 経 機 能 不 全) 主 訴:動 悸, 心 臓 発 作 多 忙 な 勤 務で プ ロジ ェクトを 終 了 する 二 日 前 の23 時 ご ろ の 帰 宅 時, 電 車 の 中 で 目 の 前 が 真 っ 暗 に なり,動 悸 がして 自 分 でコントロ ー ル でき ず, 不 安 に襲 わ れ る。 以 来, 出 勤 時 の 電 車 は 普 通 電 車しか 乗 れ ず,1 週 間 会 社 を 休 む。 そ の 後, 仕 事 や タクシ ー に乗 っ てい るときに 動 悸 がして 総 合 病 院 の 内 科 を 受 診, 検 査 の 結 果 心 臓 に 問 題 はなく, 心 療 内 科を 紹 介 され る。 本 人 の性 格 は , 小 心, 生真 面 目,責 任感 強 い タイプ である。 家 族 は,10 歳 下 の 妻と3歳 の男 児 の3人 家 族。 妻 との 間で は, 夜 が 仕 事 で 遅 い 時 に 食 事 のことで やり合っ て 葛 藤 をか かえることもし ばし ば である。 【症 例2 】40代 前 半 男 性 会 社 勤 め 抑 うつ 状 態 主 訴: 会 社 をよく休 む 現 在 の 会 社 に 勤 め て18 年 ,こ れ まで8 回 の 転 勤 が あった。8 回 目 の 異 動 先 で 同 僚 が 一ヵ 月 欠 勤, そ の影 響 で 同 僚 の仕 事 をカ バ ーし たこともあり多 忙 で あっ た。 加 え て 上 司との 関 係 が うまくいって い な かった。 30 歳 の 時 に そう状 態 に なり,精 神 科 を 受 診 。以 降, 加 療 通 院 であっ た が 大 学 病 院 に2 か 月 入 院 で 休 職。 そ の 後 職 場 復 帰 す るも 通 院しな がら会 社 にも行くが月 曜 日は よく休 む。 睡 眠 障 害 に加 え て, 意 欲 障 害もある。頭 重, 疲 れや す い 。 家 族 は, 妻 と長 男, 長 女 の4 人 家 族 で ある。 単 身 赴 任 で 今 なお 通 院 治 療 が続 い ている。 【症 例3 】30代 後 半 女 性 会 社 勤 め 独 身 心 身 症 主 訴: 不 眠, 吐気, 発 熱 勤 続20 年 目 に 実 務 職 から 企 画 職 に 代 わっ て, 一 年 後 に 異 動 があ った。 異 動 後,4 ヵ 月 経 過 す る 中 残 業 が 続 き, 仕 事 負 荷 が大 で, 男 性3 名 と自 身 の4人 で構 成 の グル ープ に配 属 。 発 症 のきっか け は, 大 事 なミー ティング に 参 加 させ て もらえかったことによる。 帰 宅して から 目をつ む ると目 が 回り,上 肢 の 痺 れ, 吐 気 で 気 分 が 悪くな ることも た び た び で ある。 そ の後 ,不 眠, 食 欲 不 振, 根 気 がない と自ら感じ 耿っ てい た。 性 格 は, 神 経 過 敏 で感 情 を害し や すく,依 存 的 である。

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社 会意 識 Figure 症例1 仕 事 意 識 生活 意識 森 下:職業 行動 に関する研 究 仕 事 意識 4 T Figure 症例2 生活 意 識 Figure 8 男 性 一 般 のライフ・スタイル 結 果(2206 名) 社 会意 識 仕事 意 識 Figure 事例1 生 活意 識 【男 性 一 般, 女 性 一 般 のライフ・スタイル の平 均 像 】 男 性:仕 事 に 対 す る現 状( 取 り組 み) が2.94, 希 望 は 2.55 で今 の 時 点 より仕 事 をす ることは 求 めて い ない との 結 果 である。 生 活 の 現 状 は3.14 で 仕 事 より高 い, 希 望も3.83 で余 暇 生 活 をもっと求 めて いる。 一 方, 社 会 は現 状 が1.72 で, 他 の仕 事 々 生 活 に 比し 低い 値 で ある。 希 望 は2.49 で 現 状 よりより強く求め てい る。 女 性: 仕 事 に 対 す る現 状 が2.26, 希 望 は1.95 で男 性 と 比し仕 事 への 取り組 みと希 望 が い ず れも 低く弱 い。 これ に 対して 生 活 の 現 状 は3.62, 希 望 は4.10 と男 性 より高くより 多くの 余 暇・ 生 活 を求 めて いる。 社 会も 現 状 は1.46, 希 望 も2.32で 男 性 より低 い が, より強く社 会 活 動 を求 め て いる。 男 性, 女 性 の 一 般 結 果 は, 1995 年 の 簡 易 版 ライフ・スタイ ル 調 査 票 にもとづき再 計 算した 結 果 を用 い た。 【 事 例1 】40代 前 半 男 性 会 社 勤 め 既 婚 課 長 職 うつ 状 態 主 訴:毎 日 憂 鬱で ある。 途 中 覚 醒 があっ て 不 社 会 意 識 仕 事意 識 Figure 症例3 - 生 活 意 識 生活 意識 7 Figure 9 女 性ライフ・スタイル 結 果(853 名) Table 1 症 例 からみ たライフ・スタイル の現 状 の総 面 積 結 果 現状( 取り組 み) 仕 事 意 識 生活 意 識 社 会意 識 現状 総面 積 症例1 1.27 1.30 0.20 0.94 症 列2 1.10 1.63 0.00 0.78 症例3 0.97 1.90 0.43 1.33 男 生一 般N = 2206 1.94 2.14 0.72 3.07 女 生一 般N=853 1.26 2.62 0.46 2.20 事 例1 1.00 2.25 1.50 3.09 Table2 症 例 からみ たライフ・スタイル の希 望 の総 面積 結 果 希望 仕事 意 識 生 活意 識 社 会意 識 希望 総 面積 症 列1 1.40 3.40 3.07 8.44 症 列2 1.67 2.93 0.07 2.26 症例3 0.90 2.80 1.87 4.09 男 生一 般N = 2206 1.55 2.83 1.49 4.73 女 生一 般N=853 0.95 3.10 1.49 3.89 事例1 1.00 1.25 1.00 1.52 安 感 かおる 当 時 上 司 で あっ た 次 長 とは 軋 轢 があ っ た。来 談 の 一 年 前 に 次 長 が 転 勤, 転 勤 を機 に 部 下 の 面 倒 を見 ることに なっ た。 商 品 開 発 の 技 術 者 で 家 族 は, 妻と長 男, 長 女, 来 談 者 の 母 親 の5 人 家 族。 来 談 者 の 母 親とは 一 階 と二 階 で 別 所 帯。 軋 轢 が 大 きい 時 に 会 社 の 屋 上 から飛 び 降りようと の気 持 ち が 走っ て, 近くの 総 合 病 院 心 療 内 科 を受 診, 休 職 をせ ず に 勤 務。 社 内 に ある会 社, 組 合 を離 れ た 独 立し た 機 関 の相 談 室 に 来 談, カ ウンセリングを求 め て 来た。 5回 目に 前 回 ホー ムワー クとして 求 め て い たライフ・スタ イル 調 査 票 を回 収, 結 果 のフィードバックを 図る。 仕 事 の 現 状, 取り組 み は ,男 性 平 均 に 比 べ ると低 い 。 一 方, 家 庭, 家 族 余 暇 の生 活 の 現 状 は, 男 性 の 平 均とあ まり変 わらな い がもっとや りたい の 希 望 は 低くて 弱 い 。ま た, 社 会 活 動 の 取り組 み は, 長 男 が 校 区 内で スポ ー ツ活 動 をしてい て, 親 が 世 話 役 とし て 参 加 が 求 め られて いるた

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帝 塚山 大学 心理学 部 紀要2015 年 第4 号 め 結 構 高 い 。一 方, もっとした い は 低 い。 こ れか ら3領 域 の 取り組 み は, 仕 事 の 現 状 が 低く,もっと やりたい の 希 望も1で 低く,生活 や 社 会 の 領 域も低 いことか ら,エ ネ ル ギー が いまだ 十 分 でな いと窺 える。また, 総 面 積 は 現 状 は3.09あるもの の, 希 望となると1.52で 狭く小 さい 。 次 に3 つ の 症 例 のうち ,症 例1 は 現 状 と希 望 の 面 積 差 が7.50もあり大きい の が 特 徴 であ る。また, 現状 の 症 例 は3 つとも 総 面 積 が0.78 ∼1.33 で 狭く小 さく,希 望 が 大きい の が 特 徴 かおる。 男 性, 女 性 のプ ロフィー ル 結 果 で まとめて いるように 男 性 一 般 と女 性 一般 の 現 状 の 総 面 積 は ,女性 の 面 積 は 小さ く,社 会 進 出 が 叫 ば れ てい るが, 職 場 の 中 の 女 性 の 位 置 はまだ まだ 弱い と言 える 以 上 ,症 例1 ∼3と男 性 一 般 ,女 性 一 般 のプ ロフィール から みた ライフ・スタイル の面 積 は, Figure 症 例1 ∼3 に Figure8,9,Figure 事 例1 に 示 す 通りである。 研 究II 2014 年 に正 規 採 用 され たD 県 の 小 学 校・ 中 学 校・ 高 等 学 校・ 特 別 支 援 学 校 の 初 任 者 と勤 続10 年 以 上 の 教 員 に 対して質 問 紙 調 査を 実 施した。 調 査 は, 教 育 委 員 会 が 開 催し た研 修(初 任 者 研 修 と10 年 勤 続 者 研 修) で 行 っ た が ,回 答 者 数 は262 名( 初 任 者 202 名 ,10年 以 上 の 勤 続 者, 以 下10 年 者 と言 う,60 名) , 回 収 率 は65.83% (初 任 者61.21%, 10 年 者88.24%), 記 入 漏 れ の あるデ ー タを除 外した 有 効 回 答 者 数 は252 名 (初 任 者192 名 ,10年 者60 名) であっ た。 1. 初 任 者 と10 年 者 のライフ・スタイル 総 面 積 結 果 の違 い に つ いて ここで は, 初 任 者 群192 名 と10 年 者 群60 名 の ライフ・ス タイル の総 面 積 結 果 の 比 較 を試 みた。 10 年 者 の現 状 は , 8.73(2.98) に 対して, 初 任 者 の現 状 は9.16(3.64) で あっ たバ(250) =。830,p>。05 両 群 間 には 有 意 な 差 異 は 認 めら れ なかっ た。 次 に 希 望も 同 様 な 結 果 を求 めた ところ ,10年 者 の 希 望 は11.76(4.44) に 対して 初 任 者 は14.58(4.49), *(250) =4.257, £<。001 で 両 群 間 に有 意 な違 い が認 められた。 す な わち, 初 任 者 のライフ・スタイル の 希 望 は10 年 者 よりも面 積 が 大きく,広 い ことが 明らか に なっ た。 10年 者 は, 教 員 生 活 かお る意 味 で は安 定して い て 現 状 との 間で そ れ ほど 大 きな差 異 が 見 られ なか った。 初 任 者 はリアリティショック もあっ て結 構 希 望 が 大きく,初 任 者 の 面 積 に 反 映されたも のと思 われ る。 2. 初 任 者 のライフ・スタイル 現 状 の 総 面 積 にもとづく肯 定 的 流 出と主 観 的 幸 福 感 の 問 題 初 任 者 に お い て, 192 名 の 現 状 の総 面 積 が 高 いも のか ら低 いも の を並 べ 得 点 が高 いもの25%, 48 名 を 高 群, 逆 に 低 いも の25 % ,48名 を 低 群 とし て 肯 定 的 流 出( す な わ ち, 仕 事 から生 活 へ のプ ラス流 出と生 活 から仕 事 へ のプ ラ スの 流 出の 総 得 点) につ い て, 両 群 に違 い が みられるか を 2群 間 の 平 均 値 の 有 意 差 検 定 を試 みた。 結 果 は, 流 出 得 点 は 総 面 積で 広 い 高 群 は30.29(5.92), 低 群 は24.81(5.73), バ94)=4.607, p<。001 となり,面 積 が 広 い 高 群 が 低 群 より有 意 に高 か った。 す な わち, 仕 事, 生 活, 社 会 の 総 面 積 が 広 い 群 が 狭 い 群 よりポジ ティブ な 流 出 がうまく運 び ワー ク・ライフ・バ ランスが 取 れ て 望ましい 結 果 が示 された。 また, 主 観 的 幸 福 感 で は, 幸 福 感 の 得 点 に 違 い があ る か の検 定 結 果 は, ライフ・スタイル の 現 状 の 総 面 積 の 高 群 は44.50(6.72), 低 群 は40.35(7.29), f(94)=2.897,/><。05 となり,面 積 の広 い 高 群 が 低 群 より有 意 に 高く,主 観 的 幸 福 感 が 大 であることが 明らか になった。 3. 10 年 者 の ライフ・スタイル の 現 状 の 総 面 積 に 基 づく肯 定 的 流 出と主 観 的 幸 福感 の 問 題 初 任 者と同 様,10 年 者 の ライフ・スタイル 現 状 の 総 面 積 か ら得 られ た 総 得 点 の 上 位25 %と下位25 % ,各 群15 名 にお ける高 い 群 を高 群とし, 逆 に 低 い 群 を 低 群 とした2 群 間 の有 意 差 検 定 を試 み た 結 果, 仕 事 から 生 活 へ のプ ラ ス流 出と生 活 から仕 事 へ のプ ラスの 流 出 の 程 度 は 高 群 は 29.33(7.08), 低 群 は22.68(6.22), K28)=2.735,/><。05 と なり,高 群 が 低 群 より有 意 に 高 かっ た。 す な わち ,面 積 が 広 い 群 が, 狭 い 群 より流 出 の 程 度 が多 く高 いことが 明らか に なっ た。 初 任 者 と同 様 に 主 観 的 幸 福 感 心検 討 したとこ ろ ,10年 者 の 主 観 的 幸 福 感 の高 群 は, 42.87(6.90), 低 群 は40.67(8.57) で#(28) =0.774, p>。05 で 有 意 な差 は認 め られ なかっ た。 以 上 から, ライフ・スタイル の現 状 の 総 面 積 が 大 であ れ ばあるほど, 流 出 効 果 が 大で あることが明 ら か になっ た 。面 積 が 大きい とバランスをもって 仕 事, 仕 事 以 外 の 生 活 をしてい ると思 わ れる。 4. 肯 定 的 流 出 ,主 観 的 幸 福 感 の 各 尺 度 を 軸 にした ライ フ・スタイル の 現状 の総 面 積 の 問 題 全 対 象 者 の 肯 定 的 流 出得 点(252 名 の 平 均 値 は27.40, 標 準 偏 差6.36) の 上 位25%, 下 位25 %をそ れ ぞ れ 高 群 , 低 群 として63 名 を 抽 出し,2 及 び3 の 分 析 とは 逆 の 各 群 の 現 状 の 総 面 積 を算 出し た。 現 状 の 総 面 積 は ,高 群 は10.61(3.57) に 対 して, 低 群 は8.16(3.79) で#(124) =3.733, p<。001 で 両 群 間 に有 意 な 差 異 が認 められ た。 す な わち, 流 出 得 点 が 高け れ ば, ラ イフ・スタイル の 現 状 の 総 面 積七大 で あること明 らか になっ た。 一 方, 希 望 につ いて は 流 出 得 点 の 高群 は14.37 (4.32), 低 群 は12.77(5.23), t(124) =1.872, p<。10 で高 群 が低 群 より面 積 が大 きいことが わ かった。 こ れらか ら, 現 状 の 面 積 につ い て, 流 出 得 点 が 大きけ れ ば 面 積も大 であ る,また 希 望も10 % 水 準で 面 積 が大 であ る傾 向 が認 められた。 主 観 的 幸 福 感 得 点(252 名 の 平 均 値 は42.35, 標 準 偏

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森 下:職業 行動 に関する研 究 差6.63) が 高い 順 から低い 順 に 並 び 替 え同 様 な抽 出 の 仕 方 で 検 討し たところ, 高 群と低 群 との 間 に現 状, 希 望 の 各 総 面 積 に 両群 間 に差 異 かおるかを み た。 主 観 的 幸 福 感 得 点 の 高 群 は ,現 状 の 総 面 積 が9.60 (3.88) 逆 に 低 群 は, 7.80(3.04) で バ124)=2.904, p<。01 で 主 観 的 幸 福 感 得 点 が 大 き け れ ば 面 積 七大 であ る。一 方, 希 望 は 幸 福 感 得 点 の 高 群 が, 14.53(4.69), 低 群 は , 13.44(5.02) でバ124)=1.259,p>。05 となり有 意 で はな かっ た。 ま と め 本 稿 は ,筆 者 が 自 身 の 生 涯 テ ー マ で あ る 職 業 行 動 の 問 題 を1990 年 以 降 に 論 文 とし て まとめ て き た デ ー タを 再 分 析 し ,こ れ か ら の 研 究 の 方 向 性 を 示 し た も の で あ る 。 ま た, 2014 年 に 教 員 を 対 象 と す るフ ィ ー ル ド 調 査 で 得 た デ ー タを 新 た に 加 え 今 回 まと め たも の で あ る 。 人 の 職 業, 仕 事 の 問 題 は, 人 生 の 中 の 生 活 の 一 側 面 で あ り, 労 働 に 対 す る 非 労 働 の 世 界 を 含 め た ライフ・ スタイ ル の 問 題 に つ い て, こ れ ま で は3 つ の 意 識 の 平 均 値 を 主 と し て プ ロフ ィ ー ル か らライフ・ スタ イル パ タ ー ン を 問 題 に して い た。 今 回3 つ の 軸 に 囲 ま れ た 三 角 形 の 形 状, 面 積 を 取 り 上 げ ること に より全 体 とし て の 人 間 の 姿 が 浮 か び 上 が っ て くると 考 え た 。 こ の 考 え 方 は, 大 学 院 の 産 業 心 理 学 特 論 で 働 く大 だ も の ライフ・ スタイ ル を 取 り上 げ る 中, 議 論 か ら 生 まれ て き たも の で あ る。 以 下, 研 究 を 通し 次 の ことが 明 ら か に な っ た 。 研 究 I の 結 果: 1.プ ロフ ィ ー ル か ら み た ラ イフ・ ス タイ ル パ タ ー ン に よる 検 討 で は, 仕 事 充 実 型, 余 暇 充 実 型, 社 会 活 動 充 実 型 , 仕 事 回 避 型 の そ れ ぞ れ の ライ フ・ ス タイ ル の 結 果 に は 特 徴 が 見 出 され た。 な か で も 社 会 活 動 充 実 型 の 場 合 は, 仕 事, 生 活, 社 会 の 現 状 と希 望 との 間 に 乖 離 は 小 さく他 の パ タ ー ン よりバ ラン ス の 取 れ た ラ イフ・ ス タイ ル パ タ ー ン が 描 か れ て い るこ とが 明 ら か に な っ た。 こ れ に 対 し て, 仕 事 回 避 型, 症 例 の3 例 は 極 め て い び つ な パ タ ー ン で あ っ た 。 2. 総 面 積 で の 検 討 結 果 は, 現 状 が 社 会 活 動 充 実 型 が 一 番 大 きく6.38, 余 暇 活 動 充 実 型 と の 間 で2.94 の 差 が 認 め ら れ た 。 次 に 仕 事 回 避 型 ,症 例 の3 つ は ,現 状 は い ず れ も 1.50 以 下, うち2 例 は1 を 割 っ て 取 り組 み が 極 め て 弱 か っ た。 症 例 の うち 最 も 広 い 現 状 の 症 例 は1.33cm, 希 望 は , い ず れ も 現 状 と の 間 で 得 点 差 が 大 きい のも 注 目 さ れ た。 こ れ に 対 し て, 仕 事, 余 暇, 社 会 の 各 活 動 充 実 型 の 希 望 は 8.00 ∼7.03c ㎡で 結 構, 値 が 高 く現 状 との 間 に 仕 事 充 実,社 会 活 動 充 実 と の ズレ は 少 な か っ た 。 事 例1 は, 休 職 を せ ず に 低 空 飛 行 の ヶ − ス で あ る が, 現 状 は3.09 で 結 構, 値 は 高 い が 逆 に 希 望 が 低 か っ た 。 以 上 か ら, ライフ・ ス タ イル の プ ロ フ ィー ル の ギ ャッ プ が 9 か なりみ られるケ ー スが 問 題 を 抱 えて いると思 わ れるの で 更 なるエビ デ ンスの集 積 が求 められ る。 研 究 H の 結 果: ① 初 任 者 と10 年 者 のライフ・スタイル 総 面 積 に つ い て, 現 状 は 両 群 に 差 異 は 認 められ な かった。 希 望 は, 初 任 者 が10 年 者 より面 積 が 広く大きいことが 明らか になっ た。 これ は ,10年 者 は 安 定し たライフ・スタイル をあ る面 で は 築 い て い て, 希 望も 現 実 吟 味し た 中 で 出 てきて い ると思 われ る。② 次 に 初 任 者 の 総 面 積 が 大 きいも の か ら小さいもの へ 並 べ 替 え 上 位25 % ,下 位25 % ,い ず れ も48 名 を抽 出し 肯 定 的 流 出 得 点 と主 観 的 幸 福 度 得 点 に つ いて,2 群 間 の 違 い を みたところ 流 出 得 点 は, 面 積 が広 い, 大きい 群 が小 さい 群 より肯 定 的 流 出 得 点 が 高いことが 分 かっ た。 また, 主 観 的 幸 福 感 得 点 け 逆 に 面 積 の広 い 群 と狭 い 群 に は, 違 い が みられ なかった 。 今 後 ,働く人 だ も の ライフ・ スタイル の 問 題 を進 め るに は, そ の 根 底 とし て働く人 は, 生 活 者 とし ての 人 間で あるこ とを十 分 踏 まえ,臨 床 面 へ の 適 用も含 め 一 層 の 研 究 が 期 待 される。 文 献 柏 樹 群・ 森 下 高 治(1999). 労 飢 非 労 働 を 軸 にし た 現 代 勤 労 者 のライフ・ スタイル 分 析 流 通 科 学 大 学 論 集 流 通・ 経 営 編 第11 巻 第2 号57-73.

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10 帝 塚山 大学 心理学 部 紀要2015 年 第4 号

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渡 辺 三 枝 子 編 著(2003). キャリア の 心 理 学 一 働 く人 の 理 解 〈 発 達 理 論 と支 援 へ の 展 望 >− ナ カ ニシ ヤ 出 版 国 際 シン ポ ジ ウ ム 労 働 生 活 の 価 値 意 識 と態 度(1983). 大 阪 大 学 「ワ ー ク」と「 ラ イフ」 の 相 互 利 川 作 用 に 関 す る 調 査 報 告 書 添 付 資 料 (2011). 内 閣府 労働 経 済 白書 平成26 年 版(2014).厚 生労 働 省 謝 辞 本 稿 をまとめ るにあたり,研 究 Hで は須 賀 絵 美 氏 から 貴 重 なデ ータや 資 料 の 提 供 を受 け た。 また, 分 析 にあ たり中 村 弘 貴 氏 に は 統 計 的 処 理で 多 大 な援 助 を受 け た。 ここに 両 氏 に感 謝 の 意 を表します。 (簡 易 版 ライ フ ・ ス タ イ ル 尺 度 ) 仕 事 や 生 活 に つ い てお 尋 ね し ま す 。 右 端 の 欄 内 の 当 て は ま る 数 字 に ○ 印 を つ け て く だ さ い 。 な お 、 設 問 中 の 「社 会 活 動 」 は 、 自 治 会 活 動 、 地 域 活 動 な ど の 世 話 、 少 年 野 球 指 導 や 各 種 ボ ラ ンテ ィ ア 活 動 な ど を 意 味 し ま す 。 1  給 料 や ポ ケ ッ ト マ ネ ー を 仕 事 に 使 う こ と が       多 い5-4-3-2-1 な い 2  定 め ら れ た 勤 務 時 間 の 後 で も 、 残 業 な ど 、 仕 事 を す る こ と が       多 い5-4-3-2-1 な い 3  家 族 が 病 気 で 手 が い る か も し れ な い 時 で も 、 出 勤 す る こ と        多 い5-4-3-2-1 な い 4  勤 務 時 間 外 や 休 日 で も 、 仕 事 仲 間 や 仕 事 関 係 の 人 と の つ き あ い ( ゴ ル フ 。 麻 雀 、 食 事 ・ 酒 、 カ ラ オ ケ な ど )が       多 い5-4-3-2-1 な い 5  定 め ら れ た 勤 務 時 間 の 後 は 、 余 暇 ・ 自 由 時 間 、 家 族 と の 時 間 を 6 日曜・休 日などは 、家族 との団欒、 趣味、 スポーツな どに使 うことが  多い5-4-3-2-1ない 7 給料や ポケットマ ネーを趣 味・ スポ ーツや 余暇 活動 のために使 うことが 多い5-4-3-2-1ない 8 仕事 と関係のない 人達とサ ークルを 作り、 趣味・ス ポーツ楽しむ ことが      多い5-4-3-2-1 ない 9 定められ た勤務時 間の後は 、社会活 動の時 間を 確保 することが     多い5-4-3-2-1ない 10 n 社会活 動の会 合などに出 席したり 、世話を するこ とが 12 給 料や ポ ケットマ ネーを社会活 動のた めに使 うこ とが 13 給 料が増え たら仕事 関連に出来 るだけま わしたい と 14 他 に予定があっ て も、求められ れば、時 間外労働や 週休 日出 勤をし たい と 15 家 にい て も、仕事の段 取りな ど職場や仕 事のこ とを 考え るのは 釦5-4-3-2-1 ない 扣5-4-3-2-1 ない 強く 思う5-4-3-2-1思わない 強く 思 う5-4-3-2-1思わない 16 仕 事に役 立つ ならば 、勤務時 間外今週休 日で も、 仕事仲 間や 仕事 関係の人 との つ きあい(ゴル フ、麻雀 、食事・酒 、カラ オケな ど)をしたい と   強く 思う5-4-3-2-1思わない 17 自分の趣味 とかか わりのある ような仕事 をしたい と        強く 思う5-4-3-2-1思わない 18 職場を 離れた ら仕事のこ とは忘 れ、スポ ーツや趣 味などを 楽しみ たい と      強く 思 う5-4-3-2-1思わない 19 給 料が増え たら趣味・ スポー ツを通じて 得た友人 とつきあい たい と 強く 思 う5-4-3-2-1思わない 20 勤務 時間外や 休 出 こは、仕事を 離れて、 趣味や遊 びあるい はスポ ーツを 21 社 会活動 と結 びつく ような仕 事がしたい と 22 社 会活動に 関係した本 ・雑誌・ 新聞記事 を読んだ り、そ うい った テ レビを もっ と見たい と 強 く 思 う5-4-3-2-1 思 わ な い 強く 思う5-4-3-2-1思わない 23 勤務 時間外今 週休 日は、社会活 動の講習 会や仲間 との勉 強会に 参加し たい と       強く 思う5-4-3-2-1思わない 24 給 料が増え たら社会活 動多くま わしたい と        強く 思う5-4-3-2-1思わない 25 今、 最も増や したい のは、1つに ○印をつけ て卜さい。 1. 家族と過 ごす時 間 2. 仕 事や 仕事 に関する 時間 3. 睡眠 や休 養のた めの時間 4. 地域社会活 動や ボ ラン イア活 動など の時間 5. 趣味・ スポーツ、 教養、 レジャーの 時間 6. その他 (具体的 には      )

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森 下:職業 行動 に関する研 究 (肯 定的 流 出 尺度 )ご 自身 の生 活 につ いて 、以 下の 内容 を 読ん で 最 も当 ては ま る数 字 に○ 印を つけ て 下 さ し尨 1 プ ラ イベ ー トな 時 間を過 ご した 後 は、 仕 事を よ り楽し め る 2 就 業 後、 気 分よ く家 に 帰 るこ とが でき 、そ れ は私 生活 に も 良い 影響 を与 え てい る 3 私生 活 を楽し く 過ご した 後 は、 そ の気 分 が仕 事に も 良い 影 響を 与え てい る 4 あ ま り な い   2 全 く な い   I 1 1 2 2 い つ も あ る た ま に あ る ど ち ら で も な い 3 3 3 4 4 4 5 5 5 11 5 私生 活 でや るべ き と思っ て い るこ と ができ て い るの で、 仕 事で もや る べき こ とを よ り うまく こ なせ る 6 仕 事 で学 ん だこ と の結果 として 私 生活 が よ り充実 す る 7 プ ラ イベ ー トな 時 間に リ ラッ クスし エ ネル ギーを 充 てん し てい るた め、 仕 事を よ り 楽し む こ とが でき る 8 仕 事 でた く さん のエ ネル ギーを も らい 、 私生 活 がよ り充 実す る 1 1 1 1 2 2 2 2 3 3 3 3 4 4 4 4 5 5 5 5 ( 主観 的 幸福 感 尺度) ご 自身 の生 活 につい て、 以 下の 内容 を 読 み最 も当 て はま る数 字 に ○印 をつ け て 下さ し尨 非 あ あ 全 常 る ま く に 程 り 当 当 度 当 て て 当 て は は て は ま ま は ま ら る ま ら な る な い い 1 自分 の人 生 が面 白い と思 う       4 3 2 1 2 教 員 にな る 前と比 較 し て、 現在 の生 活 は幸 せ であ る        4 3 2 1 3 教 員 になっ てか らこ れま で やっ てき たこ とを全 体 的 に見 て、 幸せ を感 じ てい る     4 3 2 1 4 物 事 が思っ た よ うに 進ま ない 場 合で も 、 自分は そ の状 況 に適 切 に対 処で き る と思 う   4 3 2 1 5 危 機的 な 状況(人生 を 狂 わせ るよ うな こ と)に 出会 った と き、 自 分 が勇 気 を もっ てそ れ に立 ち向 かっ て 解 決し てい け る とい う自 信 かお る       4 3 2 1 6 今 の 調子 でや っ てい けば 、 これ から 起こ る こ とに も対 応 でき る 自信 かお る        4 3 2 1 7 期 待 通り の 生活 水準 や 社会 的地 位を 手 に入 れ た と思 う       4 3 2 1 8 教 員 になっ てか らこ れま で うま くい っ てい る と感 じ てい る       4 3 2 1 9 自分 かや る うとし たこ とは やり とげ てい る      4 3 2 1 10 自分 の人 生 は退 屈 だと か面 白 くない と感じ て い る       4 3 2 1 11 将 来 のこ と が心配 であ る       4 3 2 1 12 自分 の人 生 には 意 味が ない と感 じ てい る       4 3 2 1 13 自分 がま わり の環 境と一体 化 してい て、欠 かせな い一部であ る とい う所属 刊を 感 じる こ と があ る      4 3 2 1 14非 常 に 強い 幸福感 を感 じる 時 間 かあ る      4 3 2 1 15 自分 が人 類 とい う 大き な家 族 の一員だ とい うこ とに 喜び を感 じ るこ と があ る       4 3 2 1

参照

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