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慢性血液透析患者の日常活動量

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(1)

J. Osaka Aoyama University. 2015, vol. 8, 89- 95.

調査報告

慢性血液透析患者の日常活動量

葛場美那

*1)2)

,辻本朋美

2)3)

,吉田俊子

4) 1) 大阪青山大学健康科学部看護学科,2) 千里金蘭大学看護学部看護学科, 3)大阪大学医学部保健学科, 4) 淀川キリスト教病院腎臓内科

Daily physical activity and QOL in hemodialysis patients

Mina KUZUBA

1)2)

,Tomomi TSUJIMOTO

2)3)

,Toshiko YOSHIDA

4)

1)

Faculty of Health Sciences,Osaka Aoyama University 2)

School of Nursing,Senri Kinran University 3)

Division of Health Sciences, Graduate School of Medicine,Osaka University 4)

Department of Nephrology, Yodogawa Christian Hospital

Summary In the present study we examined daily physical activity and QOL in hemodialysis outpatients.

Our subjects were 30 patients (16 males and 14 females, mean age 63.3±12.5 years) who had been undergoing periodical hemodialysis treatments for more than two years. We recorded daily pedometric steps as a parameter of daily physical activity and examined if there were any relationships to their sexes and body weight gains.

The mean number of daily steps in the total patients was 3796 fewer than that in ordinary people of the same age group (National Health and Nutrition Survey in 2004).

The mean number of daily steps was significantly fewer in male patients than in females (P<0.05), and it was also fewer in those gaining a more than 6% body weight than in those gaining a less than 6% or no body weight (P<0.05). The gender difference may be ascribable to differences in the amount of housework at home and means of transportation to and from the hospital.

The physical summary score of QOL in the patients was lower than that of the general population (P<0.01), but the mental summary score was higher than that of the general population (P<0.05).

Keywords: hemodialysis, outpatient, physical activity, KDQOL, ambulation     血液透析,外来,身体活動量,KDQOL,通院方法 *Email: [email protected] 〒562-8580 箕面市新稲2-11-1

Ⅰ.はじめに

血液透析患者は腎不全という疾患の特殊性と血液透 析という時間的、身体的に拘束を受ける治療に頼ると ころから日常生活に大きな制約を受ける。さらに加齢 や透析合併症などが加わることにより、日常活動量が 低下し身体機能は同世代健常者の7割以下に低下する1) 。 身体機能低下とADL(1)の低下は病状悪化ひいては生 命予後に関与する2) 。運動療法をはじめとする腎臓リ ハビリテーションにより、QOL(2)並びにADLが向上 し生命予後も改善することが知られている3),4),5),6) 。一 方、外来透析患者のADLは概ね自立していると判断 される傾向にあり、身体機能低下を患者自身は何らか の工夫で代償し生活していると思われるが、その実態 は知られていない。そのため早期介入が難しく、改善 にはQOLやADLの長期的かつ多面的評価が必要で あると指摘されている1) 。 そこで、本研究ではまず外来通院中の慢性血液透析 患者の日常活動量を調査した。さらに面接質問紙調査 によって日常活動量の多少に影響を及ぼす要因につい て検討した。 また、日常活動量の影響が考えられるQOLについ

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90 ても調査を加えた。   

Ⅱ.調査方法

1.対象者 O市内にあるK病院(総合病院)の外来部門の一 つである腎クリニックにおいて、週3回通院し、血液 透析を受けている慢性血液透析患者のうち、研究協力 に同意の得られた30名を対象とした。 2.方法 調査は2008年6月23日∼7月12日の期間に実施 した。 日常活動量の目安として、市販の歩数計を用い、対 象者に入浴・睡眠時間を除く1週間の装着を依頼、測 定された歩数から、1日の平均歩数を算出した。 質問紙による個別の面接は、透析前後に対象者1名 につき45分程度行った。 質問項目は、活動量に影響すると思われる①クリ ニックまでの通院手段、②通院目的以外の1週間の 外出頻度と1回の平均外出時間(分)、③1週間の入 浴とシャワーの保清実施頻度と1回の所要時間(分)、 ④炊事・洗濯・掃除の家事の自立状況(全部自分でする、 一部自分でする、全部誰かにしてもらっている)であ る。 家事労働の調査は、外出が少ない透析患者であって も家事を行っていればいくらかの身体活動が期待でき るのではないかと考えて調査した。 さらに、日常活動量が影響を及ぼすと思われる1週 間(透析3回分)の平均体重増加率(%)を調査した。 QOL測定については、腎疾患を有する患者のQOL

尺度であるKDQOL-SFTM(the Kidney Disease Quality of Life Short Form)version1.37)(以下KDQOLと略す) の う ち 包 括 的QOL尺 度SF-36(Short-form 36-item health survey)日本語版version1.2部分(以下SF-36

と略す)を使用した。

3. QOL測定に使用した質問紙SF-36について

本研究で測定したQOLは、健康関連QOL( Health-related quality of life : HRQOL)で、あくまでも疾患 や健康状態に密接に関連し、医療介入によって改善で きる可能性のある領域に測定範囲を限定したものであ る。 その構成するもっとも基本的な二つの要素は「主観 的な健康観」と「日常生活機能」である。 SF-36は、米国で作成された健康関連QOLを測定 するための尺度で、8下位尺度36項目からなり、16 歳以上であれば、様々な疾患を有する患者と健常人の 双方に使用できる包括的な尺度である。回答は数値化 されるので、国民標準値(3) と有病者のQOLを比較す ることも可能である8) 。 8つの下位項目は、①身体機能(10項目)、②日常 役割における身体機能(4項目)、③体の痛み(2項目)、 ④全体的健康感(5項目)、⑤活力(4項目)、⑥社会 生活機能(2項目)、⑦日常役割における精神機能(3 項目)、⑧心の健康(5項目)で、さらに全体的健康 感を評価する1項目を加えた36項目である。スコア リング方法は、各項目の選択肢に設定してある素得点 を、健康度が高いほど高くなるように0から100の 間の点数に変換し、各下位尺度に属する項目の平均値 を算出して下位項目の点数を求めた。さらに、本研究 では健常人と比較するため、下位尺度の点数を標準化 し、1995年の調査における全国平均値を50、ISD(標 準偏差)の増減を10の増減として表す偏差スコアで 算出した9) 。(現在SF-36はversion2.0が提供されて いるが,KDQOLに含まれる SF-36は version1.2であ り、国民標準値は1995年日本国民調査により得られ ている。) また、SF-36では、人の健康に関連するQOLは身 体的な側面と精神的な側面の二つの因子によって規 定され、それら二つの健康側面は8つの下位尺度を もって表示されるという概念構築が行われている。8 つの下位尺度得点から二つの因子にまとめあげた得 点をサマリースコアと呼び、より包括的なQOLを評 価することが可能となる。身体的健康をあらわす身体 サマリースコアは、標準化した8下位尺度(Z値)を 1995年日本国民調査の因子分析から得られた重みづ け(因子係数)を用いて、各下位尺度のZ値と対応 する因子係数を掛けて総計し、さらに偏差スコアに変 換して算出した。精神的健康をあらわす精神サマリー スコアについても、同様に算出した。これら二つのサ マリースコアを健常人と比較した。 4.倫理的配慮 本調査は、著者ら(葛場と辻本)が所属していた千 里金蘭大学の倫理委員会と調査対象病院の倫理委員会 の承認後、著者らが対象者に調査の目的、方法、所要 時間、匿名性と秘密の保持、不参加の場合でも不利益 がないこと、同意後も随時撤回できること、常時質問 に応じることについて文書と口頭で説明し、署名にて

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同意を得た。

Ⅲ.結果

1.対象者の属性(表1) 対象者30名うち男性は16名で、女性は14名であっ た。平均年齢は63.3±12.5歳で、平均透析期間は4.5 ±2.1年であり、男女間に有意差はなかった。いずれ も外来通院で週3回血液透析を受けていた。 2.1日あたりの平均歩数(表2) 平成16年国民健康栄養調査における同世代( 60-69歳)一般人の1日平均歩数は、全体平均が6884 ±4156歩、男性は7434±4559歩、女性は6421± 3725歩であるが、今回調査した対象者の1日平均歩 数は、全体平均で3088±2282歩で、男女別では男性 2291±2433歩、女性3999±1762歩であった。男女 ともに対象者の方が全国平均より少なかった。男女を 比較すると男性の方が女性より歩数が少なかった。 また対象者において、女性では透析歴が長い方が1 日平均歩数が増加する傾向が見られたが,この傾向は 男性に見られなかった。 維持血液透析ガイドライン10) では患者の体重増加 率を6%未満にすることが推奨されている。そこで、 平均体重増加率の6%以上の者と6%未満の者につい て比較した。その結果,平均体重増加率6%以上の者 の一日平均歩数(1610±1315歩)と6%未満の者の 一日平均歩数(3538±2342歩)との間には有意差が あった。なお、平均体重増加率が6%以上の7名のう ち、6名は男性であった。 ᖺ㱋㸦ṓ㸧 ⏨ᛶ  s ዪᛶ  s ᩘᏐࡣPHDQs㹑㹂࡛⾲ࡋ࡚࠸ࡿ 㸦ࠉࠉ㸧ෆࡣேᩘ s s ㏱ᯒᮇ㛫㸦ᖺ㸧 ᑐ㇟㞟ᅋ ⏨ᛶࠉ 㸨 s ዪᛶ ᑐ㇟㞟ᅋࡢ୍᪥ᖹᆒṌᩘ࡟࠾࠸࡚ࠊ⏨ዪ㛫࡟᭷ពᕪ㸦㸨㹎㸺㸧 s s s ୍⯡㞟ᅋࠉṓ 㸦ᖹᡂᖺᅜẸᰤ㣴ㄪᰝ㸧ࠉ 3.通院手段と1日平均歩数(表3) 男性は介護タクシーなどの自動車通院が半数を占 め、もっとも多かった。反対に女性は電車での通院が 4割を超えていた。自動車通院の患者は、他の交通手 段の患者と比較して、1日平均歩数がきわめて少なく、 電車通院の患者との間に有意差が認められた。 4.通院目的以外の外出頻度と外出時間(図1) 1週間の通院目的以外の外出頻度について、男性は 1週間まったく外出しない者と連日外出する者とに二 分された。なお、1週間に6回以上外出した男性は就 労者であった。 女性の過半数は週4回以上外出していた。女性の就 労者は1名で、他の女性の外出目的のほとんどは買い 物であった。 1回の平均外出時間は、男性153.5±173.6分、女 性147.1±162.6分で、男女の間には有意差がなかっ た。      5. 保清の実施状況    調査期間が夏であったため、男女とも透析以外の日 に、週4回以上入浴しているものが多く、それに加え て透析日にはシャワーを行っているものが多かった。 1回の入浴時間は男性24.5±27.2分、女性28.6± 20.0分で、1回のシャワー時間は男性10.8±5.9分、 ㏻㝔ᡭẁ ⏨ᛶ ዪᛶ ᖹᆒṌᩘࠉ 㸦ྡ㸧 㸦ྡ㸧ࠉࠉࠉࠉ㸦Ṍ㸧 ᚐṌ   s ⮬㌿㌴   s ⮬ື㌴   s 㟁㌴   s ィ   s ⮬ື㌴㏻㝔⪅࡜㟁㌴㏻㝔⪅ࡢ㛫࡟᭷ពᕪ㸦㸨㹎㸺㸧ࡀ࠶ࡗࡓ 0 1 2 3 4 5 6 0 1 2 3 4 5 6 7 ⏨ᛶ ዪᛶ ᅇᩘ ேᩘ 図1 一週間の外出頻度 表3 通院の交通手段と一日平均歩数 表2 一日平均歩数(歩) 表1 対象者の年齢と透析期間

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92 女性15.7±9.8分であり、入浴とシャワーのいずれ の時間も女性の方が長かった。 6. 家事の自立状況(表4) まったく他者の援助を受けず独力で遂行できている ものを自立とし、家事労働を自立・一部援助・全て援 助の三つに分けて、対象者がそのいずれの状態にある かを調査した。 炊事・洗濯・掃除の全てにおいて、男女間に有意差 が見られた。 炊事については、男性は透析期間5年未満の場合、 同居家族などの援助に依存している者が多いのに対 し、女性は全て人任せにしている者は見られず、逆に 透析期間が5年以上になるとほぼ自立していることが わかった。 洗濯については、男性はほとんど援助してもらって いたが、女性は自立している人が多かった。 掃除についても、男性はほとんど援助してもらって いたが、女性は全て人任せにしている者はいなかった。 これらの結果で、女性の透析期間5年以上の者はほぼ 自立していることが示された。 7. SF-36によるQOLの結果(表5) SF-36の8下位尺度については、1995年の全国調 査と比較して、対象者の身体機能が全体で37.9、日 常生活機能(身体)が全体で37.3と、対象者の方が 有意に低い結果であった。一方,社会生活機能と心の ⅕஦ ㏱ᯒᮇ㛫 ඲㒊⮬ศ ࡛ࡍࡿ ୍㒊⮬ศ ࡛ࡍࡿ ඲㒊ㄡ࠿࡟ ࡋ࡚ࡶࡽ࠺ ィ ⏨ᛶ 㸳ᖺᮍ‶     㸳ᖺ௨ୖ     ዪᛶ 㸳ᖺᮍ‶     㸳ᖺ௨ୖ     ィ     Ὑ℆ ㏱ᯒᮇ㛫 ඲㒊⮬ศ ࡛ࡍࡿ ୍㒊⮬ศ ࡛ࡍࡿ ඲㒊ㄡ࠿࡟ ࡋ࡚ࡶࡽ࠺ ィ ⏨ᛶ 㸳ᖺᮍ‶     㸳ᖺ௨ୖ     ዪᛶ 㸳ᖺᮍ‶     㸳ᖺ௨ୖ     ィ     ᤲ㝖 ㏱ᯒᮇ㛫 ඲㒊⮬ศ ࡛ࡍࡿ ୍㒊⮬ศ ࡛ࡍࡿ ඲㒊ㄡ࠿࡟ ࡋ࡚ࡶࡽ࠺ ィ ⏨ᛶ 㸳ᖺᮍ‶     㸳ᖺ௨ୖ     ዪᛶ 㸳ᖺᮍ‶     㸳ᖺ௨ୖ     ィ     䠆 䠆 䠆 健康は、特に女性において高い傾向が見られた。 さらにこれらの下位尺度得点から身体サマリース コアと精神サマリースコアを算出した結果、調査集 団の身体サマリースコアは37.0であり、全国調査よ りも有意に低い(P<0.01)結果であった。精神サマ リースコアは53.5であり、全国調査よりも有意に高 い(P<0.05)結果であった。男女間の比較では、有意 差がなかった。

Ⅳ.考察

本研究で調査した慢性血液透析患者の1日平均歩数 は同世代の一般人の半数以下であり、またSF-36下 位尺度の身体機能や日常生活機能(身体)も低値であっ た。井上は筋肉量低下により透析患者の日常生活機能 (身体)が低下する11) と指摘しているが、本研究にお ける対象者の筋肉量も低下していることが推定され る。男女間では、男性が女性より1日平均歩数が少な かった。中でも離職した男性は外出頻度が少なく、保 清頻度や保清方法、保清時間に加え、家事への参加な どの日常生活行動が少ないので、1日の平均歩数が少 なかった。 なお、今回活動量の目安として歩数計による歩数調 査を実施したが、自転車のペダル漕ぎに関して歩数計 は正確な計測ができなかったため、今後、歩数計以外 の測定器具を検討する必要がある。 男性の自動車通院者では一日の平均歩数もが少な く、さらに一日の活動量も少ないことが今回の調査で わかった。これは、通院方法の自立度が低下すると身 体機能が低下するとした齊藤らの調査結果13) とよく ୗ఩ᑻᗘ 㡯┠ ⏨ᛶ ዪᛶ ձ ㌟యᶵ⬟   ղ ᪥ᖖ⏕άᶵ⬟ 㸦㌟య㸧   ճ యࡢ③ࡳ   մ ඲యⓗ೺ᗣほ   յ άຊ   ն ♫఍⏕άᶵ⬟   շ ᪥ᖖ⏕άᶵ⬟㸦⢭⚄㸧   ո ᚰࡢ೺ᗣ   ᩘ್ࡣ೫ᕪࢫࢥ࢔ࢆ♧ࡋࠊ඲ᅜᖹᆒ್ࢆ࡜ࡋ࡚ẚ㍑ࡋ࡚࠸ࡿ ㌟యⓗ࡞㡯┠ձղճմࡣ඲ᅜᖹᆒ࡟ẚ࡭࡚ ᭷ពᕪ㸦 3㸺ࠊ㸨3㸺㸧ࡀㄆࡵࡽࢀࡿ ** * ** ** * * 表4 透析期間と家事労働 表5 QOLの測定結果 透析期間5年未満と5年以上で有意差(*P<0.05)が認められたものがある

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一致している。 一方、女性対象者は家事労働を担っており、透析歴 が伸びるにつれ、日常生活の自立度が上がり、男性よ りも1日平均歩数や外出頻度が多く、社会生活機能や 心の健康のスコアも高かった。 これらの男性と女性の間で差を生じる理由として、 男性は就労することによって活動量を維持しているの に対して、女性は、就労のあるなしに関わらず、家事 労働を続けており、透析治療中であっても同居する家 族の分まで日々家事労働を実施することによって活 動量を確保できているからであると考えられる。秦 らは透析期間30年目の慢性透析患者のADLを調査 し、女性の方が男性よりもADLが高いと報告してい る14) 。 体重増加率が6%以上の患者は、1日平均歩数が少 なく、女性では1日平均歩数が増加するに従って体重 増加率が少なくなる傾向が見られたことは、血液透析 患者にとっての運動の必要性を裏付けるものと言える だろう。 女性の家事労働は社会生活機能や心の健康を維持す る効果もあると思われる。高市らは下肢筋力増強運動 によって心の健康が向上した15) と報告している。 今回の調査結果から、慢性血液透析患者の日常活動 量に影響を及ぼす要因には、性差が考えられた。また、 この背景としては家事労働の実施の有無が影響してい ることが示唆された。 近年、透析患者に対する運動療法の効果が報告され ている。しかし、一般には積極的に運動を生活に取り 入れている患者は多くない。本研究でも、スポーツク ラブで運動をしている者と夕刻にウォーキングをして いる者が各々1名見られたにすぎなかった。 今後、慢性血液透析患者も高齢化が進むことを考え ると、身体サマリースコアの低い透析患者に新たにス ポーツの機会を設定するより、まず家事や保清などの 日常生活行動の場面を効率的に利用した活動量の維持 確保が必要になると思われる。 例えば離職者には日常活動量を増やすために、従来 から、自分のことは自分でやり、次に家事や職場復帰 など以前の自分の仕事に戻り、さらにより活動範囲を 広げていくようにと段階を踏んで体力を増進させるこ とが勧められている12) 。日常生活行動は、ひとつひ とつの項目としての活動量は少ないもののその積み重 ねと継続は無視できない。そのためには、生活指導は きめ細かく具体的な指導を繰り返し行うなどの働きか けが重要であると思われる。

Ⅴ.おわりに

本研究では外来血液透析患者の毎日の身体活動と QOLを調査した。透析歴2年以上の30名の患者(男 性16名と女性14名、平均年齢63.3±12.5歳)を対 象に、毎日の身体活動を測定し、性別、平均体重増加 率との関係を調査した。外来血液透析患者の平均歩 数は同世代(平成16年国民健康栄養調査)より3796 歩少なかった。平均歩数は、男性が女性より(P<0.05)、 統計学的に有意に少なかった。平均歩数の男女差は家 事労働の有無と通院手段によるものと考えられた。身 体サマリースコアは全国調査より低かった(P<0.01) が、精神サマリースコアは全国調査より高かった (P<0.05)。

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(1) Activities of Daily Living: 日常生活動作。日常 生活を営む上で、普通におこなっている行為、行 動を示す。 (2) Quality Of Life:生活の質。人間が充実感・満足 感を持って社会生活を送ることができているかを 計る基準として用いられる。 (3) 国民標準値:日本における標準的な得点。1995 年に行われたSF-36version1.2を用いた全国調査 の結果から算出。

参考文献

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Life(QOL)に与える影響について,理学療法学,

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参照

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