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杉田先生を偲んで (杉田憲道教授追悼号)

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Academic year: 2021

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熊本学園大学 機関リポジトリ

杉田先生を偲んで (杉田憲道教授追悼号)

著者

幸田 亮一, 池上 恭子

雑誌名

熊本学園商学論集

22

1

発行年

2017-12-27

URL

http://id.nii.ac.jp/1113/00003083/

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杉田先生を偲んで

 杉田先生は、1972 年に佐賀大学経済学部をご卒業後、1973 年に九州大学大学院経済学研究 科修士課程に入学され、75 年に同課程を修了された後、民間企業での経験を経て、79 年 10 月に渡独されました。そしてベルリン経済大学大学院博士課程に入学され、83 年に同大学経 済学博士号を取得され、1984 年に九州大学大学院経済学研究科博士後期課程に編入学され、 87 年に九州大学大学院経済学研究科博士後期課程を単位取得退学されました。それと同時に 熊本商科大学商学部助手に採用され、翌 88 年に講師、91 年に助教授としてキャリアを積み 上げられ、2005 年に教授に昇格されています。  杉田先生は、当時、社会主義国だった東ドイツへの留学以来、会計、なかでも公会計制度 への関心を一貫して持ち続けられ、日本会計学会や会計理論学会、比較経営学会、比較経済 体制学会、日本国際経済学会に所属されてきました。その後、日本の公会計との比較研究も 進められ、それらの成果を近年はドイツの学会においても精力的に報告されていました。し かし、研究成果を取りまとめられようとしている矢先の本年2月、突然の心臓発作で倒れそ のまま帰らぬ人になられるとは誰も思いもしなかったことでした。  振り返ってみると杉田先生に最初にお会いしたのは、私が佐賀大学経済学部に就職して間 もなくの 1984 年頃で、杉田先生は東ドイツ留学から帰国された後でまだ九大大学院生でし た。当時、九州大学経済学部の津守常弘先生や浜砂敬郎先生、原田傳先生たちを中心に「ド イツ資本主義研究会」が発足し、そこでお会いするようになったのです。  その後、熊本商科大学に就職された後、杉田先生から熊本商科大学での研究会案内が届い たので、佐賀から出かけて来たことがあります。研究会の後、近くの居酒屋で懇親会があり、 そこに奥様のペトラさん、息子さんのマックスさんもご一緒だったと記憶しています。  本学において杉田先生は学生の指導に熱心に取り組まれると共に国際交流委員として、と くに本学とヨーロッパの大学との交流に大きな貢献を残されました。商学部にとっても熊本 学園大学にとっても杉田先生を失ったことは大変な悲しみであり痛手であります。  心よりご冥福をお祈り申し上げます。

熊本学園大学 学長

 

幸 田 亮 一

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杉田先生を偲んで

 杉田先生は、1968 年に佐賀大学経済学部入学後、花田仁伍教授のもとで農政経済を学ばれ ました。1973 年に九州大学大学院経済学研究科修士課程に入学、近江谷左馬之介教授のもと で財政学を学び、1975 年に同課程を修了されました。その後、4 年間にわたって雑誌社に勤 務し雑誌編集の仕事に携わられましたが、向学の志已みがたく、1979 年にドイツ民主共和国 に留学されました。ヘルダー研究所のドイツ語課程を修了後、ベルリン経済大学大学院博士 課程に入学され、1983 年に「博士(経済学)」の学位を授与されました。  博士論文は、資本主義から社会主義への過渡期、さらに社会主義の建設期・完成期におけ る私的資本主義工業企業の変革過程を分析されたものでした。特に、ドイツ民主共和国を中 心に、私的セクター・半国有セクターの果たした役割に触れながら、当時ドイツの研究者の あいだでも分析されていなかった私的セクターの存続の根拠を初めて明らかにしたものでした。  帰国後、1984 年に九州大学大学院経済学研究科博士後期課程に編入学され、ドイツ民主共 和国における経済計算制の研究に専念されました。その研究の必要性から、次第に会計学の 本格的な研究に関心を抱くようになり、津守常弘教授のもとで、ドイツ民主共和国の「利益 計算」の問題に取り組むことになったそうです。その後、経済体制は歴史的な変化を遂げて いきますが、杉田先生は、社会主義会計、特に、原価計算を対象とした研究を継続されなが ら、公会計制度についても関心をもたれ、日中の制度比較や社会保障サービスとの関連など 広範な研究を進められてきました。その成果が期待されていたところ、急逝されましたこと、 誠に残念でなりません。  留学から帰国後も一貫して、先生のご研究の拠り所となる地はドイツであり、年に一度は ドイツを訪れ、学会や研究会などにご参加になっていました。ゼミの学生たちには、ドイツ のことをたくさんお話しになり、「退職後はドイツで過ごしたい」というご希望を語られてい たそうです。杉田先生にとって、ドイツは心の拠り所でもあったことはいうまでもありませ ん。ドイツでの穏やかな暮らしを楽しみにされていたことを思いますと、本当に無念であっ たろうと思います。心よりご冥福をお祈り申し上げます。

商学部長

 

池 上 恭 子

参照

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