215
教育実習 における 「
保育者の資質」 の分析
―実習評価にみる評価指摘の変化を中心に―
西
山
薫
An Analysis on the Competence and Quality of Teachers at
Kindergartens in Teaching-Practices
-Focusing on the Change in the Discourse of Evaluation for
Teaching-Practices-Kaoru Nishiyama
はじめに
本稿 は、幼稚 園における教育実習の評価 の分析 を通 して、今 日求め られている 「保育 者の資質」 とは何 か を考察す る試みである。 周知の ように、ゆ とりのある教育活動 と 「生 きる力」の育成 を目指す教育改革の流 れ の中で、初等 ・中等教育段階のみならず、幼稚 園教育 において も幼稚 園教育要領の改訂、幼 稚 園の運営 の弾力化 などが進め られている。少子化、情報化、国際化等の社会変化への 対応、教育 ・生活環境の再構成、「子 どもの荒れ」への対策、子育て支援 の促進、小学校 との連携 など、幼稚 園の果 たす役割が改めて問い直 されているのである。 しか し、そ う した役割 を担 う幼稚 園教員 (広義 には保育者)の資質が明確 であるか といえば、必ず し もそ うではない`1'。その背景の一つには、保育者 の力量形成過程の暖昧 さがあるのでは ないか と思われる。 一般 に、教員の力量 は養成、採用、現職での実践 と研修 の連続的、段 階的過程 を経 て 形成 される とい うのが通説である。教養審答 申 (1997.7)で も、養成段 階 は 「最小 限度216 清泉女学院短期大学研究紀要 (第 20号) 必要 な資質能力」(2)の育成 を主 とし、それ以上の力量 は大学院 を含 む多様 な研修機会 を通 じて形成すべ きとしている。一方、保育者の場合、養成期 間 と現職期間の短 さt3'、研修 機会の脆弱 さなどか ら、力量形成の時間 と場 に制約が大 きいのが現状 である。 こうした 力量形成の現実のなかで、保育者養成 は2つの課題の狭間におかれている と思 われる。 1つ は、求め られている様 々な保育者の資質の、その何 を主 として担 うのか とい うこと、 い ま1つは、生活経験の不足や人間関係能力の低下 など近年の若年層 にみ られる変化 に どう向 き合 うか とい うことである。 本稿 は、研究対象 を本学の教育実習 に限定す るため事例分析 にとどまる。なぜ ならば、 保育者の資質 を一般化 して論 じ、上記の課題 に応 えるためには別の角度か ら考察する必 要 もあるか らである。 しか し、保育者養成の課題 を考察す る1つの手がか りにはなると 考 え られる。 1.教育実習 とその評価のもつ意味 本学の卒業生調査 によれば、在学中の実習 (教育実習、保育実習)が現職保育者 に最 も影響 を与 えた とされ(4㌧ また、一定の力量 を備 えるまでの保育歴は
3-4
年 と認識 さ れている(5)。養成 と現職期間の短 さか らすれば、実習は進路決定だけでな く、就職後の 力量形成の第1歩 として位置づいていると考 えられる。 また、保育現場 も免許の取得要 件以上 に、次代 の保育者 を直接養成す るとい う積極的な意味 を実習 に付与 していると考 え られる。実習は養成教育の一部分ではあるが、養成段階 と現職段階の力量形成 を繋 ぐ 重要 な機会 となっているのである。 本学の実習評価票 は、現在 まで 自由記述の形式である。多様 な資質能力 を幅広 く網羅 す ることが可能であ り、実習生の姿 を具体的 に理解 し改善 を図る上で極めて有効である。 その反面、評価の観点が定 まらず、達成すべ き力量 と到達度の共通認識が得 に くい とい う問題 もある。園や記述者 による差異 はあるが、実際 には長年の蓄積 を経 て、評価の記 述 スタイルは各園 ごとに定型化 され、実習形態や実習生の状態 を反映 しなが ら記述内容 は調整、整序 されて きているといえよう。 ある行為が問題 とされるのは、それを問題 とする認識枠組 との関係で生ず る。評価票 の記述内容 は、それ を問題 とす る 「保育者の資質」 に基づいている と考 えられる。養成 段階 と現職段階 とが近接す る力量形成過程では、実習生 としての評価 と保育者 としての西山 :教育実習 における 「保育者の資質」の分析 217 評価 は一体化 し、む しろ後者 の立場か ら評価す る傾向が強いか らである。ただ し、ある 行為 に対す る指摘の増減の説明、つ ま り保育現場が求める資質水準の変化 とみるか、実 習生の力量 の変化 とみるかの判断は難 しく、その増減の要 因や背景 を明確 にす ることは ここではで きない。 しか し、少 な くとも評価指摘 の変化 は、その指摘 を支える 「保育者 の資質」が 自覚的 に問われている結果 とみ るべ きであろう(6 )。
2.
分析の対象 ・方法 と実習形態 (1)分析 の対象 と方法 本学幼児教育科で教育実習 を実施 した学生 (1-19期生)か ら、3-4年の間隔で2 つの入学期生 を 1世代 とし、5つの世代 の実習評価票 を対象 とした (表1)。多少の差 は あるが、評価票数は各世代約450-530枚 、全体で2481枚 である。 これによ り過去20年間 の実習評価の変化 をみることがで きる。実習園の大部分 は長野県内の私立幼稚 園である。 保育方針や規模、地域 、保育形態 によって実習の実態 も異 なるが、今 回は考慮 していな い`710 評価票は、「実習態度」、「実習能力」、「総合所見」の3欄 に区切 られているが、実際の 記述内容 は各実習園に任 されている。同 じ指摘 であって も記入欄が異 なる場合 もある。 また、記述量や記述の具体性 にも違いがある。分析 では、記述内容 を丹念 に読み解 き、 指摘 された事項 を抽出 し、それ を肯定的評価 と否定 ・指導的評価 に分類 した。後者 の場 合、マイナス評価 だけでな く、「こうあってほ しい」 とい う改善 を示唆する評価 を含 む。 また、「
○
○の努力は認め られるが、今後一層の向上 を期待す る」の ように、同一事項で 両者の評価 を含む場合 は双方 にカウン トした。分析 はすべ てこの指摘数 に基づいている。218 清泉女学院短期大学研究紀要 (第20号) 表 1 分析対象とした世代と実習生数 ・実習同数 のべ実習 人数2481人 世 代 Ⅰ 期 Ⅱ 期 Ⅲ 期 入 学 期 生 1期 2期 5期 6期 9 期 10期 実習年月 81.ll 82.6 82.ll 83.6 85.ll 86.6 86.ll 87.6 89.ll 90.6 90.ll 91.6 実習菌数 51 55 53 59 62 56 54 55 54 64 59 69 実習人数 121 121 115 112 108 107 116 116 128 128 139 137 世 代 Ⅳ 期 Ⅴ 期 入 学 期 生 13期 14期 18期 19期 実習年月 93.ll 94.6 94.ll 95.6 98.ll 99.6 99.ll 00.6 実習園数 66 70 63 70 70 66 70 66 実習人数 131 129 130 127 128 126 134 128
(2
)実習の内容 ・形態の変化 本学の幼稚 園実習は実習期間 を前期、後期 に分割 し、1年次の11月、2年次の6月に 各2週間ずつ異 なる幼稚 園で行 うことを原則 として きた。実習内容は、11月実習では観 察 ・参加実習 を中心 に部分実習や全 日実習 (1日実習) を適宜盛 り込む、6月実習では 部分実習 を中心 に全 日実習 を数 日か ら1週間行 うことを基本 として きた。 しか し実際に は、各園の実情 に合わせた柔軟 な対応 を求め、実習内容 に も園 ごとに違いがみ られた。 1997年度 に、地元の私立幼稚 園協会 と養成校 との間で実習内容や指導案の書 き方 などを 中心 に実習のあ り方 を再検討 し、実習内容のガイ ドライ ンを作成 した。11月実習は 「幼 稚園の生活 を知 り、子供 と共 に生活 しなが ら保育者 としての基本 を学ぶ」 目的で、観察 実習 (l過問) と部分実習 (場合 によっては1日程度の全 日実習) を、6月は 「今 まで の学習や経験 を基 に して総合的に保育その もの を体験 し学ぶ」 目的で、部分実習 を中心 とし、2-4
日の全 日実習 を実施す ることを基本 としたのである。以来、協会以外の園 にもこれに準拠 した実習 を依頼 している。 実習 日誌は、記録の負担 を軽減す るため、1989年度 にノー ト数冊 に及ぶ詳細 な日誌 を、西山 :教育実習 における 「保育者の資質」の分析 219 記載頁 を限定 した日誌へ と変更 した。 また2000年度 には、評価票の3欄の重複 ・欠落 を 避けるため、評価の 目安 として各欄の評価事項 を整理 し、予め園側 に伝達 している。
3.
「保育者の資質」を示す項 目と分野 分析の結果、実習生の行為や姿に対する指摘 は69項 目にのぼ り、それ らを9つの分野 に類別 した (表 2)。
「基本的生活習慣 ・マナー」 (以下 「生活習慣」 と略記)の分野は、 実習で求め られる規範や生活習慣 ・礼儀、保育以外の職務遂行 などを包括する。
「子 ども との関わ り ・理解 ・遊び」 (以下 「子 どもとの関わ り」
)
は、園児 との遊びや関わ りの様 子、子 ども理解 など子 どもへの接近を、「観察力 ・日誌や記録の記載」 (以下 「観察 ・日 誌」)は、実習 日誌の内容や書 き方、その前提 となる観察の適切 さなどを主 としている。 「自己表現力」 は、実習場面での表現力や実習全体の印象などを、「指導案の立て方 ・書 き方」 (以下 「指導案」
)
は時案 ・日案など指導計画の的確性、具体性 を、「反省や考察 ・ 表2 指摘分野 と指摘事項 玉木的生活晋tl.マナー 1 出席状況 ・遅 刻等 2 握 出物の提 出状況等 3 誤字 ・脱字 ・文字 の丁寧 さ 4 挨拶 ・言葉づかい 5 保 育者-の協 力 ・手伝 い 6 気 づき・気配 り 7 清掃美化 ・環境整備 8 健康 管理 9 私語 10社会 的マナー ・服 装等 24記録 ・メモの取り方 25観 察の態度 ・姿勢 26元気さ・活発さ・明るさ 27声の大きさ・話 し方 ・発声法 28堂 々とした姿 29実習中の表情 ・雰 囲気 30 自己表現の豊かさ 指iI兼の立て方 ・嘉き方 46 過度の緊張 ・とまどい ・不安 47 保 育の 自分なりの工夫 ・アイデア 48 活動 のまとまり・全体的指導 49 保 育のスムーズな運営 ・指斗 50 けじめのある指導 ・善悪 の指斗 51 子 どもの発達 に即 した指導 事前準* ・保書技能 31擾 出物の内容の的確性 32指斗秦の書き方 ・内容の的確性 子どもとの関わ り・理解 .遊び 反省や考察 .研究の姿勢 11 子どもが好きという気持 ち 12子ども-の優 しさ・愛情 13穏やかな態度 ・子ども-の安 心感 14子どもの反応こ・受 け入れの様 子 15子どもとの信頼 関係 16遊 びの提案 ・遊 び-の誘 導 17子ども-の棟極的な関わり 18遊びの姿 ・場面 19個 々の子 ども-の関わり・配慮 20多くの子どもとの関わり・遊び 21子どもへの共感 的理解 ・目線 33チャレンジ精神 34反省会での発言 ・態度 35指尊者の助言の受 け入れ 36反省点の生かし方 ・生かす態度 37研 究心 ・研 究的姿勢 38疑問や 自己の裸額 の発 見 52 絵 画の技術 53 手遊 びの活用 54 身体表現 の技術 55 事前準備 ・教材研 究の工夫 56 ピアノや 歌の技術 ・努力 57 集 団遊 び ・ゲーム遊 びの指斗技術 58 絵本 ・紙芝居等の技術 59 制作活動の技術 美音態BE・基本的** 実親 的指導能 力 親察 力 ・日放や妃棟 の妃載 22観察の視点 ・内容の的確性 23 日誌 の書き方 ・内容 の妥 当性 39子どもを受容した指尊 ・子 どもの集 中 40時間配分 ・時間管理 41導入 ・動機付 けの工夫 42適切な言葉 がけとその工夫 43落ち着いた対応 .臨機応 変さ 44指草案に縛 られた指斗 45楽 しい保 育 ・楽しむ保 育 60 自分 自身-の 自信 61 機敏 さ・行 動力 62 棟極性 ・やる気 ・前 向きな姿 63 謙虚 さ 64 協調性 65 千任感 66 向上心 ・保 育-熱意 67 まじめ ・一所懸命さ・ひたむきさ 68 保 育者 としての将 来性 ・適性 69 余裕 のある態度 ・心のゆとり220 清泉女学 院短期大学研 究紀 要 (第20号) 研 究の姿勢」 (以下 「反省 ・考察
」
)
は、実習へ の研究的関心 、 自己省察、改善へ の努力 を包括 している。
「実践 的指導能力」は、保育の運営、具体 的 な指導技術 な ど実践面の対 応能力が中心であ り、「事前準備 ・保育技 能」 (以下 「準備 ・技能」
)
は保育実践 の基盤 と なる諸技能や準備状況 を含 んでいる。
「実習態度 ・基本的資質」 (以下 「態度 ・資 質」
)
は、 実習全体 を総括 した保育者 としての態度 ・姿勢 、適性 を包括 している。 以上の9分野 と下位項 目を概観す る と、多様 で幅広 い 「保育者 の資質」が実習で問わ れていることが わかる。 しか し、実習 によって達成可能 な資 質 とその後の継続的 な力量 形成 によって習得可能 な資質が混在 しているこ と、 また、学生 のパ ー ソナ リテ ィーや こ れ までの経験知 に負 う資質 も多 くみ られ、養成教育で習得 ・改善可能 な範囲が暖味かつ 不安定 にな りやすい ことも確 かである。4.
指摘分野別 の評価 の動向 (1)指摘 の全体傾 向 表3は、指摘総数 を世代 別、実習時期別 に比較 した ものである。世代 別では、1人当 た りの指摘数 はほぼ9-10個で推移 しているが、Ⅴ期で減少、肯定的評価 の指摘割合 も 6割台 を維持 していたが、Ⅴ期 で肯定的評価がやや減少 している。実習時期別で は、各 世代 とも 1人当た りの指摘 数、肯定的評価の割合で6月実習が上 回っている。実習内容 の深化 に応 じて評価 も詳細 になっている といえるが、
11月実習 の成果 を踏 まえ改善が図 られた と見 るこ ともで きる。 ただ し、Ⅴ期 は肯定的評価 の割合 の差 は縮 まってい る。 表3 世代別の指摘数 とその割合の推移 Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ期 Ⅴ期 11月実 習 28.04767 219.5290 259.5609 24619.43 228.7852 60.5% 59.9% 58.9% 60.5% 57.8% 6月実 習 22319.58 1230.0634 29.61850 2519.836 2268.926 63.2% 64.9% 63.3% 63.0% 58.5% 実 習 全 体 4279.128 4435 519.7270 4977 4551 9.92 62.5% 9.63 58.8.821% 上段 :指摘総数、中段:1人当たりの指摘数、下段:肯定的指摘の割合西山 :教育実習における 「保育者の資質」の分析 221
(
2
)指摘分野の全体傾向 表4は、分野別 に実習全体の指摘総数、肯定 ・否定の各指摘数の割合 と指摘順位 の推 移 を示 した ものである。各世代 に共通 して多 く指摘 されている分野 は 「生活習慣」、「子 どもとの関わ り」、「実践的指導能力」、「態度 ・資質」 であ り、 これ らの分野で指摘総数 の6割以上 になる。 この4分野 は 「保育者の資質」 の基底 にあたる部分 といえ よう。 肯定的評価の指摘で も 「生活習慣」、「子 どもとの関わ り」、「態度 ・資質」の割合が高 く、「反省や考察」が上位 に入 る。 この4分野で各世代 とも肯定的評価の7割前後 を占め る。否定 ・指導的評価 の指摘 では 「生活習慣」、「子 どもとの関わ り」、「実践的指導能力」 の3分野 に加 え、「自己表現力」、「指導案」 の分野が 目立つ。 自らの保育実践 を反省 ・改 善す る努力 と姿勢が高 く評価 される一方で、保育の運営、指導技術 など実践力の向上が 求め られているといえよう。 全体 を傭轍す ると、評価の重点が大 きく変動 した とはいない ことがわかる。指摘総数 の上位4
分野 を中心 に、評価のバ ランスはほぼ安定 しているのである。実習内容の大幅 な変更が なかったこともあるが、やは り 「保育者の資質」の基底的部分 に変化が ない こ とを示 している。とはいえ9
分野の布置 をみる と、徐 々に分野間の差が拡大 している。ⅠI
Ⅱ期 に比べ、Ⅲ期以降は9分野の指摘割合が拡散 しているのである。 これは肯定 ・否定 の指摘割合 について も同様である。実習生への まなざしが多様であるには違いはないが、 その重点のお き方の違いが明確 になっているのである。換言すれば、旧世代 では軽重 は あるにせ よ 「保育者の資質」 のバ ランスを重視す る傾向 にあったが、近年では資 質の多 様 さを視野 に収めつつ も、 とくに注 目す る資質 に重点 をお き評価 している と考 え られる。(3
)変化 している指摘分野 評価の視点 として重視の傾向にあるのは 「子 どもとの関わ り」、「実践的指導能力」、「自 己表現力」の分野である。
「子 どもとの関わ り」は指摘総数、肯定的評価 の割合で増加 し ている。子 どもと遊 び関わる力、対象理解が注視 されていることがわかる。 これは、80 年代半ば以降の遊 びや子 どもの主体性 を重視 した保育へ の転換が影響 していると推測 さ れる。
「実践的指導能力」 は、否定 ・指導的評価 で各世代 とも第1
位 であるが、肯定 ・否 定 ともに割合が増加 し指摘総数で4%近 く増加 した。 この変化 を即戦力の要請の強 ま り とみるか、実習生の力量の変化 とみて よいか どうか判断は難 しい。少 な くとも、保育実 践への対応力が より強 く問われていることは確 かであろう。「自己表現力」は指摘総数で222 清泉女学院短期大学研究紀要 (第20号) 表 4 分野別 にみた指摘割合の推移 (実習全体) 指摘分野 Ⅰ 期 Ⅱ 期 Ⅲ 期
Ⅳ
期Ⅴ
期 % 順位 % 順位 % 順位 % 順位 % 順位 基本的 生活習慣 17.3% 1 17.3% 1 18.2% 1 22.5% 21 20.17.55%% 22 子どもとの 148% 「 3 165% 2 169% 2 16.7% 2 17.6% 1 関わり. 182% r 2 208% l 1 213% l 1 217% ' 1 一一一230一 一% F十一一l一一 理解 .遊び 9.4% l 6 9.3% ' 6 9.8% 1 5 8.6% l 5 10.0% r4 観察力. 54% 9 50% 9 4.3% ; 9 4.5% 9 34% ; 9 自己 表現力 16.0.9%1% 55 8.9.35%% ■65 8.6.57%% - 66 8.573%% ■ 76 9.5.37%% 68 指斗案の 立て方 8.5.24%% 97 59% - 77.9% 7 6.7.95%% 77 877.4%% ' 76 8.6.06%% 1 67 反省や考 9.7% l6 10.0% 5 10.5% ; 5 10.3% 5 105% ; 5 7.4% 8 実践的 12.2% 4 140% : 3 136% 3 153% 3 159% ; 3 事前準備 保育技能 8.7.2%3% 87 6.7.01%% 87 7.9.66%% i 86 7.6.74%% :78 7.6.21%% l 87 実習態度・基本的 15.2% 2 13.6% 4 12.3% 4 ll.6% 4 ll.4% 4 上段 :指摘総数の%、順位 中段 :肯定的指摘数の%、順位 下段 :否定・指導的指摘数の%、順位 は変化 は ないが 、 Ⅲ期 以 降、肯 定 的評 価 が減少 し、否定 ・指導 的指摘 が増 加 してい る こ とか らす れ ば、 この資 質 に対 す る期 待 と学 生 の力量 とにズ レが生 じてい る こ とが わか る。 指摘 割 合が減 少 した分野 で注 目され るの は 「態 度 ・資 質」 で あ る。肯定 ・否定 と もに 指摘 割合 が減 少 してい る。 この分 野 は保 育者 と しての全体像 を問 う分 野 で あ り、多分 に 学 生 のパ ー ソナ リテ ィー と関連 した項 目が多 い。資 質の トー タル な評価 か ら資 質の個 別 評 価 へ の移行 と考 え られ るが 、保 育者 と しての全体像 が把 握 しに くい学生 の実態 が あ る の で は ないか と推 測 す る。西山 :教育実習における 「保育者の資質」の分析 223
(
4
)実習時期 による資質の違い 次 に、 2つの実習時期の違いをみてみ よう。果た して 「保育者の資質」 を問 う視点 に、 実習の深度、段 階の違いが反映 されているのであろ うか。表 5に、11月、 6月実習の指 摘総数の割合差の変化 を示 した。 プラス値が大 きければ6月の、マ イナス値が大 きけれ ば11月の実習 において よ りその分野が重視 されていることを意味す る。 9分野全体の変化 をみると、 Ⅰ・Ⅱ期では、 プラス、マ イナス ともにその差が明 らか な分野が多い。11月実習で重視 されているのは 「観察 ・日誌」、「生活習慣」であ り、 6 月実習では 「実践的指導能力」、「準備 ・技能」 である。つ ま り、前期では子 どもの理解 や基本的な行動様式 を、後期では保育実践の対応能力 を重視 してお り、各実習がね らい としている 「保育者の資質」が比較的明確であった といえる。 しか し、Ⅲ ・Ⅳ期 の各分 野の差 は縮 まってお り、その意味では資質の視点の違 いは暖味である。 ところが、Ⅴ期 では僅 かではあるが再 び違いが明 らか となっている。11月実習では 「生活習慣」、「子 ど もとの関わ り」が、 6月実習では 「態度 ・資質」 の分野 に重点がおかれている。先 に述 べ た実習 カイ ドラインの設定の影響が まず考 え られる。 重点のお き方 に顕著 な変化がみ られる分野 は 「実践 的指導能力」、「観察 ・日誌」、「生 活習慣」である。
「実践的指導能力」は6月実習で重視 されていたが、近年ではその差 は ほ とん どない。「観察 ・日誌」 は11月実習で重視 されていたがその差 は縮 まってい る。 「生活習慣」 は、 Ⅰ・Ⅲ期 は11月実習、Ⅲ期 は6月実習で重視 され、Ⅳ ・Ⅴ期 では再 び 11月の実習で重視 される傾向にある。 11月実習 に限って指摘総数の変化 をみる と、「子 どもとの関わ り」、「自己表現力」、「実 践的指導能力」でその割合が増加 している。「子 どもとの関わ り」は実習全体で指摘割合 が増加 しているが、それは11月実習 においてである。肯定的評価の割合の増加 か らみて、 子 どもとの遊び、子 ども理解が より積極 的 に前期実習 に求め られているのである。「自己 表現力」はⅢ斯以降に指摘の変化が顕著である。肯定的評価の減少 (Ⅲ期7,2%、V期4.9%)、 否定 ・指導 的評価 の増加 (Ⅲ期11.4%、Ⅴ期16.2%)か らみて(8)、学生 の コ ミュニ ケー シ ョン能力や表現力の不足が推測 される。「実践的指導能力」 も指摘総数で Ⅰ期10.6%、 Ⅲ期13.1%、V期15.6%と増加 しているが、内実 は否定 ・指導的評価 の増加 である。前期 は初 回の実習 とい うこともあ り実践場面 は多 くはないが、それで も実践力 をめ ぐる現場 の期待 と学生の実態 とのズ レが拡大 している と考 えられる。224 清泉女学院短期大学研究紀要 (第20号) 前期 ・後期の実習 にいか なる 「保育者 の資質」 を問 うかの問題 は、各 々の実習内容の 構 成 とともに、保育者 の力量形成の見通 しと密接 に関連 した問題 であ る。Ⅴ期 において 再 び現 れた違いの明確 さと、 と くに11月実習の重点分野 を更 に検討 してい く必要がある。 表5 6月と11月実習との指摘総数割合の差 指摘分野 Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ期 Ⅴ 期 基本 的生活習慣 .マナー -1.5% -0.9% 0.7% -0
.
2
%
-1.4% 子 どもとの関わ り.理解 .遊 び 0.7% -3.7% -0.9% -1.2% 二 i:3% 観察 力 .日誌 や配線の吉己載 -2.3% -2.6% -0.9% -0.9% -0.4% 自己表現 力 -0.1% -1
.
8
%
-0.9% 0.2% -00..1%4% 指導 案の立て方 .霊き方 -0.1% 0.6% 0.5% 0.5% 反省 や考察 .研究の姿勢 0.2% 0.7% -0.5% 0.7% 0.3% 実践 的指導能 力 2.9% 1.4% 1.0% 0.8% 0.5% 事前 準備 .保育技能 3.1% 1.0% 1.1% 0.1% 0.9% 数値は6月から11月の指摘総数割合をを除したもの5.
各分野の指摘項 目の動向 ここでは、各分野が包括 す る指摘項 目の変化 を整理 してみたい。紙幅 の都合上、指摘 割合 の大 きい分野 の主たる項 目、変化が顕著 な項 目に限定 したい。 (1)「基本的生活習慣 ・マナー」 の分野 (表6) 指摘総数割合ではⅣ期 まで第 1位、V期 で第2位 と常 に重視 されている分野である。 項 目別では 「清掃美化 ・環境整備」 が際立 っているが、その割合 は徐 々に低下 している。 逆 に 「気づ き ・気配 り」、「挨拶 ・言葉づ かい」が重視 の傾 向にある。 と くに 「挨拶 ・言 葉づ かい」 の重視 は、否定 ・指導 的評価 の増加 (Ⅰ斯9.1%、Ⅲ期15.7%、Ⅴ期21.2%)に よる ものであ り、学生の実態 との現場 の期待 とのズ レが拡大 してい る。
「提 出物 の提 出状 況等」 は、 Ⅲ期 を除けばほぼ一定水準 を保 ち、「保育者へ の協力 ・手伝 い等」、「社会的マ ナー ・服装等」 の指摘割合 は減少傾 向 にある。清掃、挨拶 ・言葉づかい、気配 りが この 分野の主要 な視点 となって きている。西山 :教育実習における 「保育者の資質」の分析 表6 「基本的生活習慣 ・マナー」の主な項目の指摘の推移 指摘項 目 Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ期 Ⅴ期 7 清掃美化.環境整備 34.6% 29.9% 28.6% 28.8% 26.7% 6 気づき.気配り 16.6% 18.6% 18.3% 17.2% 19.8% 4 挨拶 .言葉づかい 10.0% 15.0% 13.8% 17.8% 17.6% 2 提出物の提出状況等 17.1% 17.4% 20.0% 17.2% 16,9% 5 保育者-の協力.手伝い 10.1% 7.4% 7.2% 6.8% 8.4% 数値 は、分野内における実習全体の指摘総数の割合。以下、表7-表 11も同 225 (2)「子 どもとの関わ り ・理解 ・遊 び」 の分野 (表 7) この分野 は近年重視 され、Ⅴ期では指摘総数の割合で第1位である。項 目別 にみると、 「子 どもへの積極的な関わ り」 と 「遊 びの姿 ・場面」 の合計割合 は各世代 とも分野内の 4割以上 を占め、主要 な視点 となっている。ただ し、「遊 びの姿 ・場面」 の否定的 ・指導 的評価 の割合が増加傾 向 (Ⅰ期13.7%、Ⅲ期20.3%、Ⅴ期23.0%)にあ り、子 どもとの遊 びに不安 を抱 える学生が増 えていると推測 される。 この点は「多 くの子 どもとの関わ り・ 遊 び」の指摘割合が倍増 し、子 どもか らの愛着や信頼 を示す 「子 どもの反応 ・受入れの 様子」の指摘割合が減少 していることか らもいえる
。
「子 どもへの共感的理解 ・目線」へ の指摘割合がやや増加傾向にあるが、総 じて子 どもへの積極 的、力動的接近が求め られ ているといってよい。 (3)「実践的指導能力」の分野 (表 8) この分野 も近年重視の傾向にあ り、否定 ・指導的評価では常 に第1
位 である。項 目別 では 「適切 な言葉がけ とその工夫」、「落 ち着いた対応 ・臨機応変 さ」が常 に指摘 の上位 である。 これ らは学校教育の教科指導 とは異 なる保育の可変性、柔軟性 を示す資質であ る。それだけに、この力量が継続的な保育実践 の積み重ねによって形成 される とすれば、 実習 に求める到達度 とは何 かを改めて検討す る必要がある。 また、「過度の緊張 ・とまど い・不安」の指摘割合が増加 し、 とくに否定 ・指導的評価 で増加 (Ⅰ期14.3%、Ⅲ期16.7%、 Ⅴ期18.6%)している点で、学生側の人前 に立つ経験 や リーダー シ ップの不足が推測 さ れる。226 清泉女学院短期大学研究紀要 (第20号) 表7 「子どもとの関わり ・理解 ・遊び」の主な項 目の指摘の推移 指摘項 目 Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ 期 Ⅴ期 17 子ども-の積極的な関わり 32.5% 29.6% 27.4% 29.8% 31.4% 21 子ども-の共感 的理解 .目線 12.9% 14.3% 13.4% 13.7% 15.0% 18 2pO-遊びの姿 .多くの子どもとの関わり.場面 遊び 15.4.40%% 17.2.18%% 18.4.52%% 18.3.40%% 110.4.41%% 14 子どもの反応 .受け入れの様子 14.2% 12.8% 14.2% ll.8% 8.6% 表8 「実践的指導能力」の主な項 目の指摘の推移 指摘項 目 Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ 期 Ⅴ期 42 適切な言葉がけとその工夫43 落ち着いた対応 .臨機応変さ 116.7.91%% 116.2.9% 19% 17.5.85%% 112.8.84% 1% 13.6.29%% 46 過度の緊張.とまどい.不安 9.6% ll.6% 12.2% 12.1% 12.2% 48 活動のまとまり.全体的指導 10.0% 5.8% 6.8% 7.9% 8.3% (4) 「実習態度 ・基本 的資 質」 の分野 (表 9) この分野 は指摘総 数割合 で徐 々に低 下 してい る。項 目別で は、 「ま じめ ・一所 懸命 さ ・ ひたむ きさ」が各世代 とも最 も重視 されてい る。次 に 「積極性 ・や る気 ・前 向 きな姿勢」、 「自分 自身へ の 自信」 と続 くが、 ともに指摘 割合 は増加傾 向 にあ る。実習へ の意欲 (が あ る こ と)や積極性 が強 く求 め られ る一方で、学生 の慎 重 さ、 さらに言 えば他者評価 -の不安 感 をうかが うこ とがで きる。 「向上心 ・保 育へ の熱意」、「保育者 と しての将来性 」 の指摘 はやや減少傾 向 にあ る。前者 は後述 す るが 、後者 の肯定 的評価 の減少 (Ⅰ期
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%、 Ⅲ期9.1%、Ⅴ期7.1%)か ら、保育者 と しての適性 が わか りに くい学生 の姿 が あ るので は ないか、そのためその判 断 を留保 してい るので はないか と推測 され る。西山 :教育実習における 「保育者の資質」の分析 表9 「実習態度 ・基本的資質」の主な項 目の指摘の推移 指摘項 目 Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ期 Ⅴ期 67まじめ.一所懸命さ.ひたむきさ 33.3% 35.0% 35.6% 34.8% 32.6% 62積極性 .やる気 .前向きな姿 20.3% 21.8% 18.7% 19.4% 25.3% 60 自分 白身-の自信 6.3% 5.8% 7.7% 6.4% 13.1% 66 向上心.保育-熱意 12.3% ll.7% ll.1% 14.9% 8.5% 68保育者としての将来性 .適性 8.2% 6.3% 6.7% 5.2% 5.2% 227 (5)「反省 や考察 ・研 究の姿勢」 の分野 (表10) この分野 は、各世代 を通 じ指摘総数の 1割前後 を占めてい る。項 目別で は 「反省点の 生 か し方 ・生かす態度」 の指摘割合が最 も多 く、次 に 「研 究心 ・研 究的態度」、 「指導者 の助言 の受入 れ」 と続 く。「研 究心 ・研究 的態度」 の指摘割合 は減少傾 向 にあ り、肯定的 評価 も Ⅰ期29.7%か らV期18.0%へ と激減 してい る。上述 した 「向上心 ・保育- の熱意」 の減少 と合 わせ、課題探究の機会 としての重要性 が薄 らいでいるのではないか と思 われ る。一方、「反省会での発言 ・態度」 の指摘 割合 は増加 してお り、否定 弓旨導 的評価 もⅢ 期9.5%か らⅤ期21.2%- と急増 している。 自己の反省 ・考察 をいか に他者 に伝達す るか とい う自己表現 の問題 をうかが うことがで きよう。 表10 「反省や考察 ・研究の姿勢」の主な項 目の指摘の推移 指摘項 目 Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅳ期 Ⅴ期 36反省点の生かし方.生かす態度 26.0% 31.5% 29.0% 32.8% 26.5% 37研究心.研究的姿勢 28.6% 21.8% 26.4% 19.9% 19.3% 35指導者の助言の受け入れ 16.8% 19.6% 18.0% 14.6% 16.8% 38疑問や 自己の課題の発見 15.1% 13.5% 14.9% 17.6% 14.5% 34反省会での発言 .態度 5.8% 6.1% 5.7% 9.8% 13.9% (6)「自己表現力」 の分野 (秦ll) この分野 は、否定 ・指導的評価 の割合 で増加傾 向 にあ る。項 目別では、「声 の大 きさ ・ 話 し方 ・発声法」 と 「元気 さ ・活発 さ ・明 る さ」 の指摘割合が括抗 している。学生 の表 現力の乏 しきが昨今問題視 されているが、話す こと自体 の指摘 は3割前後 と変 わ りはな く、変化が顕著 であ る とはいえない。元気 さ ・明 る さ等 は、否定 ・指導 的評価 の割合 で
228 清泉女学院短期大学研究紀要(第20号) 低下か横 ばい (Ⅰ期24.1%、 Ⅲ期16.4%、 V期17.5%)である。む しろ 「実習 中の表情 ・ 雰囲気」や 「自己表現の豊か さ」への指摘割合が上昇 し、 とくに前者の否定 ・指導的評 価が増加傾向 (I期25.70/.、V期
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1.00/.)にある。明る く元気 に、大 きな声 などの一面的 な表現 だけでな く、表情や身体表現 など表現方法の全体像が資質 として重視 されている と考 え られる。 表11
「自己表現力」の主な項目の指摘の推移 指摘項 目 Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅱ期 Ⅳ期 Ⅴ期 27声の大きさ.話し方.発声法 30.9% 28.9% 30.1% 29.5% 30.5% 26元気さ.活発さ.明るさ 38.7% 39.8% 34.2% 33.9% 29.2% 2-9-実習中の表情.雰囲気 21.1% 22.5% 25.7% 26.6% 26.9%まとめにかえて
実習評価で問われて きた保育者の資質 とは、多様で広が りをもちつつ も4- (2)に 挙 げた4
つの分野 を中心 としている。 しか し、資質の問い方 にみる近年の変化 として、 実習で問われる資質の均衡が崩れつつあること、実習時期で問われる資質の違いに変化 が生 じ、 とくに前期 (11月実習) にそれが顕著であることがわかった。 また、資質の内 容では 「子 どもとの関わ り」、「自己表現力」、「実践的指導能力」 の分野が より重視 され る傾向にあ り、各分野 ともその資質 に寄せ る現場の期待 と学生の実態 とにズ レが生 じて いること、 また、項 目別の評価状況 をみて も、い くつかの項 目でそのズ レが顕在化 して いることがわかった。 養成教育 として、 この ようなズ レをどの ように対象化 (解消ではな く) してい くか と い う問題設定 は、保育者の力量形成 をどの ように見通すか とい う問題 に直結 している。 その見通 しのなかで、力量形成過程の特殊性 を前提 とした、保育者の資質に対する養成 段階 と現職段階、教育実習それぞれの役割分担がは じめて明確 になる と考 える。 しか し、 そのためには教育実習 と保育者の資質 との関係 をよ り詳細 に究明す る必要がある。本稿 で明 らかに しえなかった保育者の資質の変化 と実習形態や学生の実態 との関係、その変西山 :教育実習における 「保育者の資質」の分析 化 の要 因や背景 の考 察 な どは今 後 の課題 と したい。 229 注 (1) ここ数年の 日本保育学会等の研究動向では、保育者の特定の資質、能力 に着 目した詳細 な研究成果 はみ られるが、保育者の資質 を トー タルにとらえた ものは少 ない。 なお、本 稿では、教育実習の評価指摘が幼稚 園教員 に とどまらず保育所保育士 の資質 とも共通 し た幅広い言及 となっていることか ら、「保育者の資質」 と広義 にとらえ考察 してい く。 (2)「最小 限度必要 な資質能力」とは 「採用当初か ら教科指導、生徒指導等の職務 を著 しい支 障が生 じることな く実践で きる資質能力」 をい う (教員養成審議会 「新 たな時代 に向け た教員養成の改善方策 について」第1次答 申、1997.7.28)。 (3)1997年度の幼稚 園教諭免許状取得者 の うち二種免許状取得者 は88.4% であ り、短大卒 は 74.0% である。同 じく幼稚 園教諭の就職者の うち短大等 (指定教員養成機 関を含 む)辛 業者 は90.5% を占める