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当科の肺癌診療における再生検の検討 利用統計を見る

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山梨 肺 癌 研 究 会 会 誌 32巻 2019

当科 の肺癌診療における再生検 の検討

山梨 大学医学部 循 環 器呼 吸器 内科 猪股紀江 、大越 広貴 、星野佑貴、齊 木雅 史、 曽我美佑介 、石原裕 、久 木 山清貴 要 旨:オ シ メルチニ ブの登場 以降、肺癌診療 において再生検 を行 う例 が増加 してい る。2016 年6月 か ら2018年9月 の問に 当科 で肺非 小細胞 癌 の再生検 を行 っ た20例(21件 の生検)を後 方視 的に検討 した。検査 目的 はT790M検 出が18件 、それ以外 が3件 で あ り、いず れ も治療方 針 決定 に有用 であった。 再生検 の方法 は気管 支鏡 で の原発巣 あ るい は縦 隔 リンパ節転 移 の生 検 が20件、 腎転移のCTガ イ ド下生検 が1件 で あった。気管支鏡 で は細胞診 では陽 性であっ た ものの組織 が得 られず 、組織 検 体のみ を対象 とす るコンパ ニオ ン診 断薬 でT790M検 査 がで きない例が あ り、細胞 診検体 を用 いた検査 体制 の構築 が望まれた。T790Mの 陽 性率は初 回の 遺伝 子変異 の種類 で差 は なか ったが、TKIの使 用期 間の長い例 に陽 性率 が高い傾向が あった。 キ ー ワ ー ド:オ シ メ ル チ ニ ブ 、 再 生 検 、T790M、EGFR-TKI は じ め に 第3世 代 上 皮 成 長 因 子 受 容 体(EGFR)チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 阻 害 剤(TKI)の オ シ メ ル チ ニ ブ は本 邦 にお い て2016月3月 に 「EGFR チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 阻 害 薬 に 抵 抗 性 のEGFR T790M変 異 陽 性 の手 術 不 能 又 は 再 発 非 小 細 胞 肺 癌 」の 適 応 で承 認 され た1)。これ 以 降 、 肺 非 小 細 胞 癌 の 診 療 で 再 生 検 が 行 わ れ る 頻 度 が 増 加 した。 当 科 の 非 小 細 胞 肺 癌 の 診 療 に お け る再 生検 の 現 状 を検 討 した 。 対 象 と方 法 2016年6月 か ら2018年9月 の 間 に 当科 に お い て 肺 非 小 細 胞 癌 の 再 生 検 を行 っ た 20例(21件 の 生 検)に つ い て 後 方 視 的 に検 討 した 。 暦 年 別 の 再 生 検 数 は 、2016年 に4 件 、2017年 に9件 、2018年 は9月 の 時 点 で8件 だ っ た 。 表1再 生検 の 目的 と方法目的 方法 T790M検出(18件)   ・BFS(17件)抹消病変(14件) 横隔リンパ節病変(3件) T790M検出以外(3件)・ROS1検索(1件) ・driver mutation検索(1件) ・初回組織検体不足例(1件)) ・BFS以外 CTガイド下腎 生検(1件) ・BFS(3件) 抹消病変(3件) 結 果 再 生 検 の 目的 と方 法 を表1に 示 す 。全21 件 の うち、T790M検 出 目的 が18件 、そ れ 以 外 が3件 だ っ た 。T790M検 出 目的 の うち気 管 支 鏡 検 査 に よ る も の は17件 で あ り、 そ の うち 末 梢 病 変 は14件 、 縦 隔 リンパ 節 病 変 は3件 だ っ た 。 気 管 支 鏡 検 査 以 外 で は 腎 転 移 に対 し、CTガ イ ド下 腎生 検 が1件 行 わ れ た 。T790M検 出 目的 以 外 の3件 の 内 訳 は 、ROS1検 索 、ドラ イ バ ー 遺 伝 子 変 異 検 索 、 ま た 初 回組 織 検 体 不 足 例 が そ れ ぞ れ1件 ず っ で 、 い ず れ も気 管 支 鏡 検 査 に お け る 末 梢 病 変 の 生検 で あ っ た。

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平 成31年4月1日 表2細 胞診 と組織 診 の比較 細胞診で 悪性所見 あ り  な し 計 細胞診 未施行 あ り 718 3 11 組織診で悪性所見 なし 4 2 6 0 6 1 7 T780M陽性血漿検査施行3例 T730M陰性 1例 2例 血漿検査未施行 玉側 前 述 の 適 応 の オ シ メ ル チ ニ ブ の コ ン パ ニ オ ン 診 断 薬 と して 指 定 され て い る コ パ スEGFR変 異 検 出 キ ッ トv2.0は 組 織 の み を 対 象 検 体 と して い る。 そ こで 、T790M検 出 目的 の気 管 支 鏡 で の 再 生 検 にお い て 、組 織 診 と細 胞 診 の 結 果 を 比 較 した(表2)。 細 胞 診 で 悪 性所 見 が 得 られ た11例 の うち 、組 織 診 で は7例 で悪 陸所 見 が 得 られ た が 、4 例 で は悪 性 所 見 を得 る こ とが で き ず 、 コパ ス2.0に よ る診 断 を行 うこ とが で き な か っ た 。 4例 の うち3例 で 血 漿 検 査 が 行 われ 、3 例 中1例 がT790M陽性 とな っ た が 、2例 は 陰性 とな っ た。 そ の 陰 性2例 の うち 、1例 で は 元 々 の 遺 伝 子 変 異 も 検 出 され な か っ た た め 、疑 陰 性 で あ る 可 能 性 も考 え られ た 。 表3 初 回遺伝 子変 異 とT790M陽 性 率 初回遺伝子変異 N T790M陽性 陽性率 exon 19 de1 8 6 0.75 L858R 4 3 0.75 計 12 9 0.75 T790M検 出 目的 に 再 生 検 を行 っ た18件 の うち 組 織 検 体 が 得 られ コパ スv2.0に よ る 検 査 の で き た12件 を対 象 に 、 初 回EGFR遺 伝 子 変 異 の 種 類 とT790M陽 性率 を検 討 した (表3)。12例 の うち 、9例 がT790M陽 性 と な り、陽 性 率 は0.75で あ っ た 。exon19del とL858Rと の 比 較 で は 陽 性率 に差 は な か っ た。 図1EGFR-TKI使 用 期 間 とT790M陽性 数 再 生 検 ま で のEGFR-TKI使 用 期 間 とT790M 陽性 数 に つ い て 図1に 示 す 。内 服 期 間 が18 ヶ 月 以 上 の 群 で 陽 性 と な る場 合 が 多 く、 概 ね 長 期 内服 ほ どT790M陽1生 率 が 高 い 傾 向 が あ っ た 。 考 察 当 科 に お け る肺 癌 の 再 生 検 の 現 状 を 検 討 した 。T790MはEGFR-TKI耐 性 の 原 因 の 約40%を 占 め2)、 これ に 対 して 効 果 の あ る オ シ メル チ ニ ブ の 使 用 に はT790Mの 証 明 が 必 須 と され る た め、 再 生 検 の 目的 の 多 くは T790M検 出 で あ っ た 。 しか し、 少 数 な が ら こ れ 以 外 の 目的 で 再 生 検 され た 症 例 が あ っ た 。 治 療 経 過 中 にROS1遺 伝 子 変 異 陽 性 非 小 細 胞 癌 が 治 療 対 象 と な っ た が 診 断 時 の 組 織 が 入 手 で きず 再 生 検 と な っ た 例 、診 断 時 に 採 取 した 組 織 が 十 分 量 な く ド ラ イ バ ー 遺 伝 子 が検 索 で き な か っ た が 、 放 射 線 化 学 療 法 後 の 再 発 に 際 し て ドラ イ バ ー 遺 伝 子 の 確 認 が 必 要 とな っ た例 、 診 断 時 は細 胞 診 の み陽性 で あ りEGFR検 索 は され た が 、 再 発 に 際 してPD-L1検 索 とEGFR以 外 の ド ラ イ バ ー 遺 伝 子 変 異 検 索 の た め に 再 生 検 され た 例 で あ る 。 この よ うな例 は最 近 の個 別 化 医 療 の 進 展 に 伴 っ て 再 生 検 が 行 わ れ た もの で あ る が 、T790M検 出 目的 の 再 生 検 が 一 般 的 と な り再 生 検 に 対 す る抵 抗 が 弱 く な っ た こ と も再 生 検 が 行 わ れ た 一 因 と 考 え られ た 。2018年 オ シ メル チ ニ ブ が1次

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治 療 で使 用 可 能 と な っ た た め3)今 後T790M 検 出 目 的 の 再 生 検 は 減 少 す る と 思 わ れ る が 、 こ こで 得 られ た 再 生 検 の経 験 に よ りこ れ か ら も再 発 時 の 治 療 方 針 検 討 の 際 に 再 生 検 す る とい う選 択 肢 を 容 易 に 想 起 で き る も の と考 え られ た。 今 回 の検 討 で は 、再 生 検 の 方 法 はCTガ イ ド下 の 腎生 検 の1例 を 除 い た す べ て の 例 で 気 管 支 鏡 下 で の生 検 で あ っ た 。 これ は対 象 症 例 の 多 くが 診 断 時 に ス テ ー ジ4で あ り、 増 悪 と判 断 され た 時 期 に 残 存 して い た 原 発 巣 も増 大 して い た た め と思 量 され る。 事 実 、 腎 生 検 を 行 っ た例 は 手 術 後 再 発 に 対 し て 投 与 したEGFR-TKIに 耐 性化 した 例 で あ り、肺 に は転 移 と思 わ れ る多 発 小 結 節 が あ っ た が 、今 回 は 最 も大 き か っ た 腎 転移 か ら 生 検 を行 った 。 した が っ て 、 対 象 症 例 に術 後 再 発 例 が 多 け れ ば 生 検 部 位 は 遠 隔 転 移 巣 と な る場 合 が増 え、気 管 支 鏡 以 外 の 方 法 で の 生 検 が 増 え る もの と考 え られ た。 ま た 、 今 回T790Mの 陽 陸率 は0.75と 既 報2)よ り高 か っ た。 検 査 前 のEGFR-TKIの 使 用 期 間 の 長 い 例 に 陽 性 率 が 高 い傾 向 が あ っ た が 、 我 々 の症 例 で 著 し く投 与 期 間 が 長 か っ た 傾 向 は な い た め少 数 例 の 検 討 に 起 因 す る も の と考 え られ た 。 ま た 、既 報4) と異 な り診 断 時 のEGFR遺 伝 子 変 異 の種 類 に よ るT790M陽 陸率 の 差 は 認 め られ な か っ た 。 前 述 の 適 応 の オ シ メ ル チ ニ ブ の コ ンパ ニ オ ン診 断薬 で あ る コ バ スEGFR変 異 検 出 キ ッ トv2.0は 組 織 の み を対 象 検 体 と して い る。 再 生 検 に 限 らな い が 、気 管 支 鏡 検 査 で は 組 織 が 十 分 得 られ な い こ と が し ば し ば あ り、事 実 、今 回 の再 生 検 例 の 中 に は 細 胞 診 で 癌 細 胞 が 得 られ た も の の 癌 組 織 が 採 取 で き な か った た め コバ スv2.0に よ る 検 査 が で き な か っ た例 が 一 定 数 見 られ た 。 こ の よ うな 例 に は血 漿 検 査 が 行 われ た が 、 血 漿 検 査 の 感 度 が 十 分 で な く偽 陰 性 例 も 山梨 肺 癌 研 究 会 会 誌32巻2019 一 定 数 あ る もの と考 え られ る 。 今 後 数 は 減 っ て ゆ く もの のT790M検 出 目的 の 再 生 検 は しば ら く行 わ れ る と考 え られ るた め 、 細 胞 診 検 体 を用 い たT790Mの 検 出検 査 の で き る 体 制 が 望 ま れ た 。 結語T790M検 出 目的 に限 らず、肺癌 増悪 時 の 再 生検 は急 激 に変 化 し複 雑化 してい る治 療 選 択肢 を検 討 す るた め に有用 で あ る と 考 え られ た。

1)Mok TS, Wu YL, Ahn MJ, et al. Osimertinib or platinum-pemetrexed in EGFR T790M-positive lung cancer. N Engl J Med 2017;376:629-640.

2)’Ã’J‚ ‚·•••AŽÄ“c—S”ü•A•Ÿ“‡Ž•Œb•A‘¼•D EGFRˆâ“`Žq•ψٗz•«”ñ•¬•×–E”xŠà‚Ì re-biopsy ‚ÌŒ»•ó‚Æ‰Û‘è•D•@”xŠà2016;56: 331-336.

3) Soria JC, Ohe Y, Vansteenkiste J, et

al. Osimertinib in untreated

EGFR-mutated advanced non-small-cell

lung cancer. N Engl J Med 2018;

378:113-125.

4) Nosaki K, Satouchi M, KurataT, et al. Re-biopsy status among non-small cell

lung cancer patients in Japan: a

retrospective study. Lung Cancer

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