• 検索結果がありません。

家庭用殺虫剤などによる室内空気汚染の濃度計算

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "家庭用殺虫剤などによる室内空気汚染の濃度計算"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)横浜国大環境研紀要18:21−28(1992). る算. よ計. に度. ど濃. なの. 剤染. 虫汚. 殺気. 用空. 庭内. 家室. Kinetics ofRoom AirPollutionCaused byPesticidesforDomesticUse 花井 義道*・妻. 堵*・加藤 龍夫*. YoshimichiHANAI,LuJIANG and Tatsuo KATOU Synopsis. ManypesticidesaresoldfordomesticuseinJapan・Use ofthesepesticidescauses room air pollution.Three types of pesticides such as p−dichlorobenzene,allethrin. andfenitrothionweretestedintheroom,andatomosphericconcentrationweremeas− ured continuously.These r由ults were compared with the mathematicalmodels which descrived by the parameters such as generation rates,the room capacity,. ventilationrates,adsorptionratesanddesorptionrates.. 1.はじめに 農薬は農産物育成の田や畑での使用を前提として開. 発されてきたが,近年家庭内での殺虫,殺菌,防虫な. ら求めた計算値と実測値を比較検討した。 2.実験方法. どを目的とした商品が数多く市販され,マスメディア. 2.1防虫剤による汚染. による虫は有害,不潔との宣伝の効果もあり,多量. 衣類の防虫に使用されるp−ジクロルベンゼンを,. の殺虫剤などの農薬が家庭内でも使用されるよう. 実験室の机に置き,ガスクロマトグラフ自動分析装置. になった。これらの化学物質はいずれも毒性を有して. によって室内濃度を連続測定した。. おり,一定の蒸気圧を有する化学物質は室内空気を汚. 実験室はコンクリート建築の一室で,槙7.7m,奥. 染し,呼吸によって体内に摂取される。近年アレルギー. 行6.1m,高さ2.6m,容積122Ⅰ正である。空間率は. 疾患の患者数が増大しており,根本的な対策として生. 0.鍋で,室内空間は109d,換気率は密閉状態で0.59,. 活環境からの化学物質の排除が望まれている。殺虫剤. 窓とドアを開放した状態で7.6である。p一ジクロルベ. などの室内汚染の実態は,東京都生活文化局消費者部. ンゼンは和紙で包装された製品「ネオパラエース・エ. によって出版された報告書によってはじめて明らかに. ステー化学㈱」で,室内に設置する数を,2包(16.642. された。1)室内汚染の濃度は発生量,換気率などの要. g),5包(39.783g),10包(79.871g)と変え,それ. 因に依存することが指摘されている。そこで,一定の. ぞれについて,ドアと窓を閉じた密閉状態で12時間. 換気率の室内でp−ジクロルベンゼン,アレスリン,. 連続測定し,その後ドアと窓を開放し,p一ジクロル. スミチオンを有効成分とする製品を使用し,室内空気. ベンゼンを室内から取り除き,さらに数時間測定した。. 汚染の時間変化を測定し,有効成分の気相への発生速. p−ジクロルベンゼンの単位時間当りの発生量は,室. 度と,室内空間体積,換気率から求めた濃度予測式か * 横浜国立大学環境科学研究センター環境基礎工学研究 室. Department of EnvironmentalEngineerlng Science, Institute of EnvironmentalScience and Technology, YokohamaNationalUniversity,240Yokohama. (1991年11月30日受領). 内設置後の重量減少量から求めた。2包で9090〝g/. hr,5包で23500〟g/hr,10包で45600FLg/hrで あった。. 2.2 蚊取り線香による汚染 有効成分としてアレスリンを含有する蚊取り線香を.

(2) 22. 点火し,室内空気をTenax描集管に採取し,GC/. る室内に減圧弁を付けた小型のガスボンベ(9ゼ)と. MS−SIMで分析し,アレスリンの室内濃度の変化を. CO測定器を運び,室内CO濃度が30∼50ppmにな. 調べた。 実験した室内はコンクリート建築の一室で,桟3.75. るように数秒間COガスを発生させた。数分以内に COは室内一様に拡散し,それ以後の減衰曲線から次. m,奥4.47m,高さ2.6m,容積43.6Id,空間率0.92, 式によって換気率を求めた。一般環境大気ではCOは 室内空間は40Ⅰぜ,換気率は密閉状態で0.43である。 蚊取り線香は渦巻型の点火式の製品「金鳥の渦巻・大. 1ppm以下でCoは無視できる。 換気率をβ「回/hr],時間をt[hr],初期CO濃. 日本除虫菊㈱」を用いた。一巻の重量は13gで,燃. 度をCl[ppm],t時間後のCO濃度をC[ppm]. 焼時間は7.5時間であった。単位時間当りのアレスリ. 外気のCO濃度をC。[ppm]とする。. ン発生量を求めるため,発生する煙を,エタノール 200mβを入れたインピンジャーに,ポンプで吸引して. β−11. ………………. (D. 摘集した。点火している部分を三角ロートの内側に置 き,煙が外部へ出ない程度の流量で30分間吸引した。. 吸引後,流路を捕集液で十分に洗浄し捕集液はGC/. 3.2 p−ジクロルベンゼンの自動分析. MS−SIMで分析した。. 室内空気中のp−ジクロルベンゼンの自動分析は,. アレスリンは沸点が高く壁面への吸着が予想される. ため紙への吸着量についても調べた。紙は濾紙(7cm. すでに報告した方法による。2). 分析装置はHewlett Packard5880A,FID検出. ¢)を3枚机の上へ置いて,一定時間後回収して試験. 器,カラムはCrosslinked5%PhenylmethylSili−. 管に入れ,これにアセトン5mゼを加えて抽出した。. COneUltraperformancecapillarycolumn,25m. 回収後は新たに濾紙を置き,吸着量の時間変化,室内. XO.31mmXO.52FLmを用い,40℃(1min)→10Oc. 濃度との関係を調べることにした。. /min→200℃(1min)で昇温分析した。濃縮管に はTenaxGCを充填し,室内空気を1分間空引きし. 2.3 殺虫スプレーによる汚染. 殺虫スプレーは有効成分としてスミチオン(MEP) を含有するエアゾール噴霧式の製品「スミチオンA. て流路をエイジングした後,6方コックを回転させ 10分間3ゼ濃縮することにした。11分後再び流路を 切り換え,捕集管を270℃まで加熱して吸着成分をカ. プラス・住友化学㈱」を使用し,2.2と同じ室内で,. ラムへ導入する。昇温分析終了後,カラム恒温槽は冷. 密閉状態,換気率0.43で実験した。室内上部空間へ. 却され,36分後再び一連の過程が開始される。. 10秒間噴霧した後,Tenax描集管に室内空気を採取 し,GC−FPDで分析し,スミチオンの室内濃度の 変化を調べた。噴霧中のスミチオン発生量は,スプレー. 3.3 アレスリンのSIM分析 分析装置は日本電子㈱のガスクロマトグラフ質量. にノズルを付け,テドラバック内に10秒間ガスを噴. 分析計,JX303HF,カラムはHP−1(methylsili−. 霧した後,バック内にアセトン50mゼ注入し内面をよ. conegum)10m XO.53皿×2.65〟mを用いた。. く洗浄し,この抽出液を分析して発生量を求めた。. Tenax描集管を270℃に加熱してHeキャリアーガ. スプレーから発生するスミチオンはガスとして壁面. ス10mβ/minで吸着成分をカラムへ導入し,80℃. へ吸着するほかに,ミストとして床へ落下するので,. (1min)→20℃/min→2000cまで昇温分析した。. 2.2と同じく濾紙を一定時間毎に床へ置き,回収後抽. SIMの設定質量数は123とした。図1にSIMクロマ. 出して濾紙への吸着量の時間変化を調べた。. トグラフを示す。濾紙に吸着したアレスリンの抽出液 はマイクロシリンジで導入分析した。. 3.測定方法 3.1換気率. 室内空気が1時間に何回入れ変わるかを表す換気率. 3.4 スミチオンの分析 分析装置は島津㈱のガスクロマトグラフGC−4 BM FPD検出器,カラムはSilicone OV−1012. を,CO濃度の減少速度から求めた。COは定電位電. %ChromosorbWHP80/100mesh,3mm¢×1m. 解法によるポータブル測定器「COM−4型・光明理. を用いた。Tenax捕集管を270℃に加熱してN2キャ. 化学工業㈱製」の出力をペンレコーダで記録して測. リアーガス30mP/minで追出し,1000c→200c/. 定した。検出限界は約1ppmである。まず,測定す. min→200℃まで昇温分析した。3)濾紙からの抽出液.

(3) 23. SエM ⊂Hf⊇OM【〕TOGRRM. つaヽa「il亡:RR⊂匂Zユ.≦JM. ユZ−S亡P−5ユ ユヨ:8ユ. SanlPユ亡:. Scan♯ ユ てロ 51ヨ1(51ヨ1) 宍丁 8−8日“てO gノ3ヨ‖(Qノ3ヨ■●)【ユ(P8ぷ.) し)8.58. は2200cで分析した。. 取り除き窓を開けて換気率を高くした後の時間変化を. 図2に示す。また以下に示す濃度予測式から求めた計 算結果を図3に示す。. i4.結果と考察. 内部に何にも置かないときの室内容積をⅤ。[d],. 4.1換気率. 家具などを置いたときの空間率をα,室内空間をⅤ. 木造一戸建ての家屋とコンクリート建築での換気率. [d],換気量をⅤ[d/hr],換気率をβ,化学物質. の測定結果を表1に示す。一般に密閉状態での換気率. の気相への発生速度をa[〝g/hr],室内濃度をC. は木造で1.0,コンクリート住宅で0.5と言われてお. [〟g/ポ],室外濃度をCo[〝g/ポ],使用を開始し. り,標準的な値と思われる。洋間でのアルミサッシの. てからの時間をt[hr]とする。壁面への吸着量は無. 窓,木の床と比べ,和室の障子と襖,畳では高い換気. 視できるとすると使用中の室内濃度は,. 率が得られた。. Ⅴ=a−(C−Co)Ⅴ…………… 4.2 p−ジクロルベンゼンによる汚染. t=0の時 C=Co とする。①式を積分して. p−ジクロルベンゼンの発生速度を変えて室内濃度. Ⅴ=Ⅴ・β で表すと,次式となる。. の時間変化を調べた結果と,p−ジクロルベンゼンを. 表1換気率の測定例 様 式. 部 屋. 状. 態. 1. 9. 4. 2. 2. 1. 4. 1. ド ア(190cmX60cm)と小窓開. 1. 大窓開(200仇×120cm). 4. 密 閉 小窓開(30cmX60cmX2). 7. 洋間8畳. 2. 造. 2. 1. 木. 換気扇使用,ドア閲. 和室6畳. 障子と襖開 4 0 7 1. 0 9 0 7 5 6. 6. 密 閉 窓(120Ⅷ×90c皿×2)とドア開. 0. B室(122Ⅰば). 7. 3. 窓とドア開 換気扇使用,ドア開. 0 0 4 3 5. 0. ア. (120cmX90cm) (200cmx80c皿). 3. 閉開開. A室(44Ⅰ正). 密窓ド. コンクリート. ②.

(4) 24. ② 実測値 換気後. ① 実測値 使用中. dH︻ 魚リ. 1¢ 12. 8. (: 台. −‖−. 4. ︵り つL. 臼. ; 三1. 2. 8 .止.. _√v一 ̄ ̄ ̄、. ニ_.′ノーー. R−. 2コ2雲3u00. Run 1  ̄. 2日8. nU. \. J′ノ. 仁0叫︺qL︼U¢UUOU. Run2. ′b. −・・・一−_.._′ノ●\、_−′. −H■. [E戸\晋]. 一 ̄l. /\. QU. [の芦\習]. Run3. 8. Time[hr]. ④ 計算値 換気後. ③ 計算値 使用中. −H■. ¢. 2. −M一. ▲H一. 8. ∈ヒ. ヰ. 6. 匂. 仁−. 4. ︻H−. OU. Gq可一句h︺∈むOUOO. 8. uO叫霊J雲¢Ou00. ′一 ̄. ︵U nH−. [爪声\晋]. [n芦\讐]. Run3. 2. 7. 8. Time[hr]. 8. 2. 1. 1¢ 12. 1. 2. Tine[hr]. Ti皿e[hr]. 室内空間容積 Ⅴ=109[d]. ①と③発生速度 a[FLg/hr] Run1a=9090,Run2 a=23500,Run3 a=45600,換気率 β=0.59 ②と④ a=0 β=7.6 図2 p−ジクロルベンゼン室内濃度の時間変化. 0 1 1. 0. 0. ︻−J. ︻︻∈\uユー uO〓已一U3喜U. 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20.22 24 TiI℡e【hr】 室内空間容積 Ⅴ=40[d],換気率 0.43,表面積 S=76[ポ] 蚊取り線香使用時間 7.5[hr],吸着速度 kl=0.2[m/h], 脱着速度 k2=0.1,0.5[〟g/ポ・hr],室温 20∼23℃. 図3 蚊取り線香使用後の室内空気中アレスリン濃度の時間変化.

(5) 25. 4.3 アレスリンによる汚染 C=一−[1−eXP(−βt)]…………. ③. 蚊取り線香を点火してからのアレスリン発生速度は. 2300〝g/hrであった。また一巻の燃焼時間は7・5時 室内での化学物質の使用を中止し,換気を開始して. 間あり,燃焼による総アレスリン発生量は17mgとな. からの時間変化は a=0,t=0の時 C=Cmax,. る。室内空気中のアレスリン濃度の測定結果を表2に,. 換気率をβ′とすると,次式となる。. 濾紙への吸着量を表3に示す。密閉状態で実験したた. C=C。+(Cmax−C。)exp(−β′t)……④. め室内には煙が充満し通常の使用状態よりは高い汚染. 状態を示している。アレスリンは室温での蒸気圧が低 実験したときの条件は,Ⅴ。=122,α=0.89,Ⅴ=. く(1.2×10 ̄4mmHg/300c),表3の結果でも分かる. 109,β=0.59,β′=7.6,1回目の実験ではa=9090,. ように,壁面,床,窓ガラス等へ吸着する。濃度を予. 2回目はa=23500,3回目はa=45600である。室外. 測する上で吸着と脱着について次の仮定を設けた。. 濃度は実験開始前の実測値で1回目C。=21,2回目. 1)空気と接する室内表面への単位面積当りの吸着速. C。=15,3回目C。=30である。これらの数値を③, ④式に代入して求めた計算結果は,実測値と濃度レベ. 度は空気中濃度に比例する。. 2)使用中止後の単位面積当りの脱着速度は一定とす. ル,時間変動パターンともによく一致しており,③,. る。. ④式は室内濃度予測式として妥当と思われる。. ここで吸着速度をkl[m/hr],脱着速度をk2. 表2 蚊取り線香使用後の室内空気中アレスリン濃度 時 間. 濃 度 [〝g/d]. [hr]. 時 間 [hr]. 濃 度 [〟g/d]. 12.5. 0.2. 0.60. 11.2. 1.2. 8.69. 12.2. 3.82. 時 間 [hr]. 濃 度 [〟g/d]. 22.2. 1.08. 23.2. 0.55. 2.2. 18.0. 13.2. 4.17. 24.2. 0.98. 3.2. 34.2. 14.2. 0.56. 49. 0.13. 4.2. 53.0. 15.2. 2.39. 73. 0.09. 5.2. 81.9. 16.2. 1.63. 97. 0.07. 6.2. 69.0. 17.2. 0.95. 121. 0.07. 7.2. 58.4. 18.2. 0.65. 145. P.10. 8.2. 41.9. 19.2. 0.83. 169. 0.03. 9.2. 16.6. 20.2. 0.49. 10.2. 14.9. 21.2. 0.70. (注)使用時問:7.5時間 室 温:20∼23℃. 表3 蚊取り線香使用後の室内空気中アレスリンの紙への吸着量. (注)使用時間. 室 温.

(6) 26. [〟g/ポ・hr],室内表面積をS[d],使用時間を. る。これは吸着速度klを一定と仮定したが,実際に. tl[hr]とする。室外の濃度は無視できるとして②式. はklは単位面積当りの吸着量が少ない,初期に大き. を書き換える。使用時間をtlとする,. く,吸着量が増えるにしたがって小さくなると考えら. *使用中の時間変化 0≦t≦tl:. れる。表3の紙への1時間当りの吸着量は2時間以降,. Ⅴ一=a−Cv−klSC……………. ⑤. 8時間までほぼ一定となっている。また0∼8時間, 1時間毎に紙を変えて測定した吸着量の合計値は384. ここでⅤ′=klS+Ⅴ,β′=Ⅴ′/V,t=0の時,. 〟g/出であるが,0∼8時間放置した場合の吸着量. C=0として⑤式を積分する。. は262〟g/dとこれより小さかった。また表3では. C=. 1週間放置後にも218〟g/ポと大部分が残存してい. [1−eXp(−β′t)]. ることが分かった。またk2 の値を一定としたが,実. *使用中止後の時間変化 tl≦t:. 際には脱着によって分子が吸着している面積が減少す. Ⅴ一告=k2S−Cv−klSC……………. ⑦. ここでt=t.の時,C=Cmaxとして⑦式を積分す. るためk2 の値は時間と共に減少すると考えられる。 換気率と吸着速度をそれぞれ変えた場合の室内汚染. 濃度の変化を計算によって求めた結果を図4に示す。. る。. 換気率と吸着速度によって増加する見かけ上の換気率. C=Cmax exp[−β′(t−tl)]. +若君[1−eXP(,β(t−tl))]…⑧ 室内で空気と接する素材は多様でありk.,k2 を実. 測すること,また表面積Sを求めることも困難であ. β′ が大きくなるにつれ短時間でa/Vβ′ に収束す. る傾向が見られる。グラフでは読み取れないが,使用 終了後もβ′が大きくなるに連れてk2S/Vβ′ に短 時間で収束する。. る。そこで室内空気中の実測値と離れないようにkl,. 4.4 スミチオンによる汚染. k2を仮定して計算した。Sは壁面の面積とした。. 実験したときの条件はⅤ=40,β=0.43,a= 2300,tl=7.5である。ここでS=76,kl=0.2,. 殺虫剤を含有するエアロゾル噴射式のスプレーから. 発生するミストは,空気中に浮遊した後に落下する。. k2=0.1,とk2=0.5として計算した結果を図3に. スミチオンの蒸気圧は低く(6×10 ̄4皿mHg/20℃). 示す。計算結果は室内濃度が使用開始してから徐々に. 大部分はミストとして落下する。表4に濾紙に吸着し. 増加し,最高濃度に達した状態C=a/Vβ′ で一定. たスミチオンの測定結果を示す。濾紙をスプレー使用∼. となり,使用を中止してから室内濃度は徐々に減少し. 前から室内の床に設置した時の値は吸着量と言うより. C=k2S/Vβ′ で一定となる傾向を示している。実. は降下量である。0∼10分間までの値は900〝g/誠. 測値は濃度の上昇と減衰が計算より時間的に遅れてい. に対し,10∼20分の値は76〟g/誠に激減した。ガ. ②. ︵U 一り. 2. ヰ. 6. 字. 1¢ 12. UO叫]qL一uOUu00. ︵り. UOコqJ一uOUUOU. ′bヰクー∩■. 申. 0. Tine[hr]. 2. ヰ り. ∈. 室内空間容積 Ⅴ=40[d], 表面積 S=76[ポ] 蚊取り線香使用時間 7.5[hr],脱着速度 k2=0.1[〝g/ポ・hr] 換気率 ①β=0.5∼5.0[回/hr] ②β=0.43. 吸着速度 ①kl=0.1[m/hr] ②kl=0.1∼1.0[m/hr] 図4 アレスリン室内濃度の計算結果. Ti乃e[hr].

(7) 27. 表4 殺虫スプレー使用後のスミチオンの濾紙への吸着量(降下量) 時. 間. 時. 吸 着 量 [〃g/ポ]. [min]. 0∼10. 900 76 33 15 10 10. 10′}12. 20∼30 30′}40. 40 ∼ 50 50∼60 60∼70. 間. 吸 着 量 [〟g/ポ]. [hr]. 1180 710. 0 ′} 4. 0′}168. 23 76 130. 4 ′〉 28 4 ′} 76 4 ′∼172. 表5 殺虫スプレー使用後の室内空気中スミチオン濃度 時. 間. 時. 吸 着 量 [〟g/d]. [min]. 間. 吸 着 量 [〟g/ポ]. [hr]. 0 ∼ 5. 1760. 2 ∼ 2.5. 2.7. 5 ∼ 10. 600. 3′}3.5. 2.9. 10 ∼ 20. 350.. 4 ′〉4.5. 3.1. 20 ′− 30. 200. 5 ∼5.5. 1.1. 30′−40. 98. 6 ∼6.5. 2.8. 40∼50. 71. 50∼60. 51. 24. 1.7. 60 ∼ 70. 28. 48. 0.47. 70 ′− 80. 16. 68. 0.34−. 80∼ 90. 16. 96. 0.25. 90 ∼100. 12. 123. 0.14. 100 ∼110. 7.3. 144. 0.06. 110 ∼120. 4.4. 168. 0.09. l. O. l. ︵U. ∧U. l. ∩︶. 0. ハリ. [︷∈\uユ︼. 1. O. 0. l. 喜コ巴]U8喜U. 0 1 2 3 4 5 6. 1 2 3 4 5 6 7 Time [h r〕. 室内空間容積. Ⅴ=40[d],. 〔d a y〕. 換気率 β=0.43. スミチオン含有スプレー使用時間10秒 発生量 28000〟g. 図5 殺虫スプレー使用後の室内空気中スミチオン濃度.

(8) 28. スとしても吸着するので4∼28時間が23〟g/dに 対し,4∼76時間が76〟g/ポ,4∼172時間が130. 〟g/dと時間と共に増加した。しかし,0∼4時間 までが1180〝g/ポなのに対し0∼168時間までは. 5.おわりに p−ジクロルベンゼンについては計算値と実測値に よい近似が得られた。しかし,アレスリン,スミチオ. 710〝g/ポと,吸着量の多い表面からの脱着が認め. ンの高沸点成分については壁面などへの吸着と脱着の. られる。. 影響を無視できず,実測値から推定した吸着と脱着速. スミチオンの室内濃度の測定結果を表5と図5に示. 度を計算式に代入しなければならなかった。吸着と脱. す。室内濃度は0∼5分までが1760〟g/d,5∼10. 着については理論的に考察しなければならないが,室. 分までが600〟g/dと極めて高い汚染状態を示した。. 内の素材が多様であり困難である。定性的には吸着速. 10秒使用のスプレーからのスミチオン発生量は28000. 度の高い成分の室内汚染は,見かけ上の換気率を高く. 〟g,室内容積は40Ⅰ止であるので,短時間に一様に. して室内濃度を低くするが,使用後には吸着面からの. 希釈され吸着はないとすると室内濃度は700〟g/と. 脱着によって室内を長時間汚染し続けると言える。窓. なる。実測値と単純な計算値と大きな差はない。以後. を開ければ一時的に清浄となるが,密閉すれば再び室. スミチオンの空気中濃度は1時間後に28〟g/血 2. 内濃度は高くなる。安易な殺虫剤の使用が室内空気を. 時間から6時間は3〟g/出前後ではぼ平衡に達して. 長期間汚染し続けることを消費者は知らなければなら. いる。ミストは30分以内にはとんど落下する。30∼. ない。. 40分の98〟g/dと,90∼100分の12〟g/dから吸. 着による減少を含めた見かけ上の換気率β′ を①式 から求めるとβ′=2.09となる。本来の換気率はβ= 0.42であるからβ′ =β+kl・S/Vよりklを求め るとkl=0.9となった。また時間が経過した後の濃 度がC=k2S/Vβ′ となることにより実測値より. k2を求めると2∼6時間ではk2=3,2日後でk2= 0.5,5∼7日でk2=0.1となった。スプレー式の殺 虫剤による室内汚染の計算には,ストークスの式でミ. 文献:. 1)東京都生活文化局消費者部:家庭用殺虫剤などの 室内における挙動調査報告書(1991). 2)花井義道・加藤龍夫・神馬高彦・野村かおる:P− ジクロロベンゼンの大気中動態,横浜国大環境研紀. 要,12,31−39(1985).. 3)加藤龍夫・花井義道・槌田博:スミチオン空中散. ストの落下速度を求める過程を必要とし複雑となるが,. 布による大気汚染,横浜国大環境研紀要,13,25一旦. これを省略すれば⑧式で近似できる。Cmaxとして. 36(1986).. スプレー使用時間での総発生量を室内容積で除した値 とすればよい。.

(9)

参照

関連したドキュメント

 ファミリーホームとは家庭に問題がある子ど

工場等に対するばい煙規制やディーゼル車排 出ガス規制等の実施により、多くの大気汚染物 質の濃度が低下傾向にあります。しかし、光化

◯また、家庭で虐待を受けている子どものみならず、貧困家庭の子ども、障害のある子どもや医療的ケアを必

里親委託…里親とは、さまざまな事情で家庭で育てられない子どもを、自分の家庭に

And we per- formed analysis and evaluation experiments using the 100 W capacity prototype refrigerator using the hybrid regenerator, with the aim of applying Stirling refrigerators

そのため、夏季は客室の室内温度に比べて高く 設定することで、空調エネルギーの

[r]

※2 Y zone のうち黄色点線内は、濃縮塩水等を取り扱う作業など汚染を伴う作業を対象とし、パトロールや作業計 画時の現場調査などは、G zone