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河畔生ヤナギの性比変動と栄養繁殖による環境教育教材の開発

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Academic year: 2021

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(1)学校教育学研究, 2002,第14巻, pp.147-158. 147. 河畔生ヤナギの性比変動と栄養繁殖による環境教育教材の開発 山口修石川好夫米田敬司 (兵庫教育大学) (埼玉県立松山高等学校) (奈良県立北大和高等学校) E]本の10河川から合計21691本の河畔生ヤナギを対象に,その種分布と雌雄性を調査した。河川の上流域と下流域で種が住 み分けていた。上流域にではケショウヤナギ,ドロヤナギ,オオバヤナギやオノエヤナギが生えており,下流域ではマルハ ヤナギ,オオクチャナギ,ジャヤナギ,コゴメヤナギが主に生えていた。タチヤナギとネコヤナギは広く分布していた。上 流域のヤナギは葉が丸く,真直ぐに立ち,枝は折れ難く,枝・葉から発根し難く,雄株の割合が高かった。下流域の種では 対照的に,葉が細長く,円形の樹形で,枝は折れ易く,枝・葉から容易に発根し,雌株の割合が高かった。前者は落莫広葉 樹林の特徴であり,後者は融雪・梅雨・台風による頻繁な撹乱への適応結果と恩われる。この比較は,新たに導入される総 合学習や野外活動および環境教育-の有効な教育教材を提供している。 キーワ-ド:総合学習,環境教育,河畔生ヤナギ,性比変動,不定根形成能. 山口修:兵庫教育大学・総合学習系教育講座・教授, 〒673-1494兵庫県加東郡社町下久米942-1 E-mail: [email protected] 石川好夫:埼玉県立松山高等学校・教諭(理科), 〒355-0018埼玉県東松山市松山町1-6-10 E-mail: [email protected] 米田敬司:奈良県立北大和高等学校・教諭(理科), 〒630-0131奈良県生駒市上町. Development of Teaching Material for Environmental Education Using Variations in Sex-ratio and Rooting ability of River-side Willows Osamu Yamaguchi (Hyogo University of Teacher Education) Yoshio Ishikawa, and Takashi Komeda (Saitama Prefectural Matsuyama High School) (Nara Prefectural Kitayamato High School) Willow distribution was studied in 10 rivers in our country. A total of 21691 willows were described for species diversity and sex ratio. A clear habitat segregation was observed among their species distribution. Especially in upstream regions, willows have round shaped leaves, upright tree crown like conifers, nonfragile branches, no rooting ability from leaf, and predominance of male trees. On the contrary in downstream regions, they have slender leaves, round tree crown, fragile branches, high rooting ability from leaf, and predominance of female trees. These characters are indicative of adaptation forms to frequent floods in the downstream environment. The differences seems to supply a good teaching material for field work studies for environmental education and integrated studies to be introduced soon. The rooting from leaf seems to be impressive to students.. Key Words: Integrated studies, Environmental education, Riverside willow, Sex-ratio variation, Rooting from leaf. Osamu Yamaguchi is a Prof, of Environmental Sciences at Hyogo University of Teacher Education, 942-1 Shimokume, Yashiro, Kat0-gun, Hyogo 673-1494 Japan, E-mail:[email protected] Yoshio Ishikawa is a Teacher of High School at Matsuyama, 1-6-10 Matsuyama, Higashimatsuyama-sm, Saitama 355-0018 Japan, E-mail:[email protected] Takashi Komeda is a Teacher of High School at Kitayamato, Uemachi, Ikoma-shi, Nara 630-0131 Japan.

(2) 学校教育学研究, 2002,第14巻. 148. はじめに. めた。また,対照区として,ヤナギ以外の-ンノキ,ア キニレ,リョウプ,ヤブツバキ,クロガネモチおよびヒ. 総合学習の本格的導入に向けて小・中・高校でその教材開. サカキの6種で同様の実験を行った。. 発が急がれている。特に体験学習や野外活動にともなう教 材が求められている。そのためには、まず山と海が第一候. 結果. 補に上げられる。しかし,特に環境学習を主とした場は学 校の置かれた地理的な制約を受け易い。農村部で山林が, 漁村部では海浜が身近にあるが,学校数の多い都市近郊部. 合計21691本のヤナギ科樹木の種分布および性比を調 べた。合計24種と雑種1種が見られた(表1)。この雑種. ではこの両方に理想的な場が極めて乏しいと言える。しか. は兵庫県の円山川,矢田川および加古川で分布が確認さ. し,山林と海浜をつなぐ自然環境として河川があり,これ. れ,おしべの花糸に1本のものと2本のものが混生して. は農村部・漁村部・都市近郊部にもほとんど共通に存在し. おり,さらに一部では雌雄混合になっていた。形質的に. ており,その"自然度"においては程度の差はあるが共通. はクチャナギとオオクチャナギの中間的であった(図1)0. の教材の場を提供してくれていると考えられる。とくに,. コリヤナギ,シダレヤナギおよびウンリュウヤナギの3. 生命に関連する側面においては多様性も高く,かつ環境汚. 種は植栽されたものとその逸脱と思われ,残り21種は自. 染等に関連する側面では豊富な材料を提供してくれる。こ. 然分布であった。表1ではこれらの種を北方ないしは寒. のことは,近年多く作られるようになった学校ビオトープ. 冷地に多いものから,南方ないしは温暖地に多いものの. の中心に池・川を想定した配置になっていることからも窺. 順に配列した。全調査河川で見られたものはクチャナギ. える(阪神・都市ビオトープフォ-ラム, 1999)。こ. のみであった。ネコヤナギは尻別川を除く9河川で見ら. こでは,河川を総合学習,とくに環境教育の場として使用 する手始めとして,河川の代表的な植物であるヤナギを教. れた。北方型ないしは上流型はケショウヤナギ,マルハ ノバッコヤナギ,オオバヤナギ,ドロヤナギ,エゾヤナ. 材としてとりあげた。ヤナギは河川の上流部はもとより,. ギ,エゾノカワヤナギ,シロヤナギ,エゾノキヌヤナギ. 下流部では河川敷きに生える唯一の木本植物になっている。 かつては下駄や楊枝の素材として利用されたが,現代では. およびオノエヤナギなどである。南方型ないし温暖型は オオクチャナギ,ジャヤナギ,カワヤナギ,マルハヤナ. 人為淘汰の対象ともならず,都市部においても容易に観察. 辛,およびヨシノヤナギである。. される。ヤナギのもつ特性の中でも,特に自然環境と関連. これらのうち, 2632本の雌雄不明株と46本の雌雄混合. すると思われる性比と栄養繁殖能について環境教育教材開. 株があった。雌株は11729本であり,雄株は7284本であっ. 発として報告したい。. た。従って,全体としての性比は0.62となり,雌株と雄 株が1 : 1で生息するという仮説からは有意にズレてお. 材料と方法. りUVi-1038.67, P<0.001),雌株が優勢であった。 個々の種についての性比は表1に示されている。有意に. 調査地:北海道地方から尻別川と十勝川,信越地方か ら信濃川,近畿地方から円山川,矢田川,武庫川,加古 川,そして揖保川,さらに南紀・四国地方の紀ノ川と四. 雌株が多い種としては,率の高い順にジャヤナギ,コリ. 万十川である。日本海側と太平洋側へ流れる合計10河川 を本流の河畔域で種分布調査,性比調査および材料収集 を1996年から1998年の3月から5月の開花期に実施した。 調査方法:各調査河川の河口の潮止め堰から源流まで を10km毎に調査区を設定し,各区間に最低でも100本以 上のヤナギをランダムに調査した。種の同定は佐竹ら (1989)に従った。雌株雄株が明確に区別できなかった 株や雌花と雄花が同一株に見られた混性株を除き,全株 数を求めた。性比は全株数に占める雌株の割合とした。 2年生の枝,今年枝,成熟葉および成熟葉を1/2にした 先端側部分を使い,市販の-イポネクス液を2000倍に希 釈した培養液を用い栄養繁殖の実験を行った。枝は三角 フラスコで,葉は葉柄や主脈部分のみが培養液に浸るよ うにして透明な容器にいれ,室内の日光の当る南側に静 置し,約40日を限度に試験数に対する発根した割合を求. ヤナギ,オオタチヤナギ,コゴメヤナギ,ネコヤナギ, ヨシノヤナギ,イヌコリヤナギ,エゾノカワヤナギ,エ ゾノキヌヤナギ,オノエヤナギおよびカワヤナギの11種 であった。他方,雄株が多い種としては,同様にマルハ ヤナギ,クチャナギ,ケショウヤナギおよびキヌヤナギ の4種であった。その他の種は,いずれも調査数が少な いため,有意差が示されなかった。雌雄混合株は7種で 見っかり,率の高い順にマルハヤナギ,タチヤナギ,オ オクチャナギ,イヌコリヤナギ,コゴメヤナギ,ネコヤ ナギおよびオノエヤナギであった。最大値はマルハヤナ ギの0.0140であった。混合株全体の割合は0.0023であっ た。混合株においては同一花穂の中に雌花と雄花が混ざっ ており,かつ同一花の中に雌蕊と雄蕊の混在するものも 見られた。これらの例は図2に示されている。 枝および葉からの不定根形成能を培養実験から調べた。 河畔で見られた24種において2年生枝および今年生枝の 不定根形成では,極端に形成され難い種群として,エゾ.

(3) 河畔生ヤナギの性比変動と栄養繁殖による環境教育教材の開発. 149. 表1ヤナギ種の葉よりの発根率と性比. ヤナギ種. Ch osen/a 〟カu tifolia タカ クナナ手. Salix hultenii 7A//¥M 如 ナt + . Toisusu urbaniana t t /iサf + . 軸 ulus m axim owicz. I. P ナf + . Salix rorida r S ft* Salix m iyabeana x y '/ *ク桝 . Salix jesso〝75/S 沖 ナナ手. Salix p ets usu x y /* j?ナt * Salix sachalinen sis t/i t t r Salix in tegra 仰 J / ナナ手. Salix gracilistyla ≠] ナナ+ . Salix sub fragilis タデr t + . Salix serissaefolia jj y ナナ手. Salix p ierotii 〝 タデナナ+ . Salix eriocarpa シ.Yr t + . Salix gilgiana A ,ケf + . Salix chaenom eioide 甜ノ ー 't t r Salix yoshinoi I y/ ナt + . Salix bakko ケ73 1 ナナ手. Salix kin叫唱′ lagi tz t t r Sa/ix sieb oldiana ケ7 ヤt+ . Salix k〝如 ′ 喝81. I/ J ケt ≠ー Salix babylonica シタ. L ナナ手. Salix m atsudana ケン//1 クr t + . H ybrid 1 雑種 1. 合計. おしべ畿 糞よりの 発根串 5 2 7.5 30 2 1 2 2 2 1 1 3 2 2 2 1 4 2 2 2 1.5 1 2 2 1. 0 雌株/ 雑株′混 合株 不 明株 0 雌株/ 雄株/混合 株 不 明株 0 雌株/ 雄株/混合 株 不 明抹 0 雌株/ 雄株/混合 株 不明株 0 雌株/ 雑株 /混合 株 不 明株 0.10 雌株/ 雄株/混合株 不 明株 0.55 雌株/ 雄株′混合株 不 明株 0.07 雌株/ 雄株/混合 株 不 明株 0.10 雌株/ 雄株/混合 株 不 明株 0.02 雌株/ 雄株 /混合株 不 明株 0.10 雌株 /雑株/混合 株 不 明株 0.33 雌株/ 雄株/混 合 株 不 明株 0 雌株 /雄株′混合株 不 明株 0.71 雌株 /雄株/混合 株 不 明株 0.64 雌 株/雑株′混合 株 不 明株 0.1 雌株 /雄株/混合 株 不 明株 0.05 雌株 /建株/混合 株 不 明株 0.02 雌 株/雄株/混 合株 不 明株 0 雌株 /雑株/混合 株 不 明株 0.08 雌株 /姓株/混 合株 不 明株 0.06 雌株 /雄株′混 合抹 不 明株 0.07 雌 株/雄株′混合 株 不 明株 0.ー 雌 株!雑株/混合 株 不 明株 0 雌株 /雄株′混 合株 不 明株 雌 株′雄株/混 合株 不 明株 雌株 雄株 混 合株 不 明秩 合計. 性比. 60/ 1ー 3/0 14 33/19/0 2ー 32/45/0 1ー 0 14/7′0 267 134/ 148/0 74 177/ 109/0 3 94/ 109/0 0 888/537/0 ー 02 ー 411/937/3 ー 39 826/482′4 8 3237/1698/7 1279 10 23/ー 451/ ll 15 923/253/3 57 778/ 149/3 80 93 ー /0′0 108 677/532/0 7 382/466/ 12 268 84/48/0 ー 8 6/1′0 ー 0/8/0 2 4/ 5/0 47 7′ 0/0 0 3/5/0 12 5/2/0 0 0/ ー 60/3 0 11729 7284 46 2632 2169ー 0.62. 牲比. 0.35 0.64 0.42 0.67 0.48 0.62 0.46 0.62 a 60 0.63 0.66 0.41 0.79 0.84 1.00 0.56 0.45 0.64 0.86 0.00 0.44 1.00 0.34 0.7 1 0.00. 0.62. 力イ2乗 検定. ー 6.24 *** 0.85 NS 2.2ー NS 2.38 NS 0.72 NS 16.17 *** 一 .ll NS 86.46 *** 95.69 *** 90.06 *** 472.66 *** 70.34 *** 38 1.72 *** 426.80 *** 93 1.C氾 *** 19.16 *** 8.32 ** 9 83 ** 3.71 NS 8.13 ** 0.22 NS 7.14 ** 0.63 NS 1.43 NS 160.01 **. 1038.67 ***.

(4) 学校教育学研究, 2002,第14巻. 図1兵庫県の円山川,矢田川および加古川で見っけられたヤナギ雑種1。 雄花序の中に1本のおしべと2本のおしべの花が混生している。. ノバッコヤナギ,ヤマネコヤナギ,ケショウヤナギ,エ. される位置は,大部分は葉柄の基の部分から出るタイプ. ゾヤナギおよびオオバヤナギの5種がある。前2種では. であったが,葉柄の脇から出るタイプもあった。成熟葉. 各50本中に全く発根が見られなかった。ケショウヤナギ. よりの発根率は表1に示され,不定根形成の様子は図4. では216本中に1本のみ不定根形成が見られた。後2種. に示されている。発根率の高かったものはオオクチャナ. では,各区10本中では発根は見られなかった。残り19種. ギ,ジャヤナギ,シロヤナギおよびクチャナギであり,. の枝の大半から旺盛な不定根形成が見られた。これらの. 頻度は各々0.71, 0.64, 0.55および0.33であった。これ. 実験結果は,既に報告されている結果と一致している. らの種では,枝の分岐点が極めて折れやすい特質が合わ. (斎藤, 1994;奥田・佐々木, 1996)。従って,エゾノバッ. せて見られた。成熟葉で発根が見られた16種につき,さ. コヤナギおよびヤマネコヤナギのような乾燥地に主に分. らに成熟葉を半分に切断した葉からの実験を行った。そ. 布する少種を除き,河畔生ヤナギ科樹木の枝は基本的に. の結果,マルハヤナギ,クチャナギ,オオクチャナギ,. は不定根形成能を持っものと推察される。これらの結果. ジャヤナギ,カワヤナギ,シロヤナギ,キヌヤナギ,イ. は図3に示されている。. ヌコリヤナギ,ネコヤナギ,オノエヤナギの10種から不. 次に,各種につき約30枚の成熟葉を用いて不定根形成. 定根が形成された。発根の場所は切断された主脈の基か. 能を調べた。不定根を形成した種は南方型から北方型に. らであった。クチャナギではさらに側脈の切断点からも. 配列すると,マルハヤナギ,クチャナギ,オオクチャナ ギ,ジャヤナギ,ヨシノヤナギ,カワヤナギ,シロヤナ. 発根しているのが見られた。これらの不定根形成は図5. ギ,シダレヤナギ,キヌヤナギ,コリヤナギ,イヌコリ. ヤナギのタイプは,いずれも河川の広範囲に分布する種. ヤナギ,ネコヤナギ,オノエヤナギ,エゾノキヌヤナギ,. に示されている。これら不定根が高い割合で形成される. エゾノカワヤナギ,ヤマヤナギの16種であった。信濃川. 群であった。対照としたヤナギ科植物以外の-ンノキ, アキニレ,リョウブ,ヤブツバキ,クロガネモチおよび. や円山川で頻繁に見られたコゴメヤナギでは不定根が形. ヒサカキの成熟葉を各10枚づっ用いて同様の実験を行っ. 成されず,葉が黒変して枯れてしまった。不定根が形成. た。どの種からも不定根形成は全く見られなかった。.

(5) 河畔生ヤナギの性比変動と栄養繁殖による環境教育教材の開発. 図2同一の花序の中に雌花と雄花が混生している。雌花では子房が膨らみ,雄花ではおしべがある。 A:クチャナギ, B:コゴメヤナギ, C:イヌコリヤナギ, D:ネコヤナギ。.

(6) 152. 傭蒲鉾瑚蛸尊沖,2002,湖)4騰. 図3枝よりの不定根の形成。 A:ケショウヤナギ, B:サイコクキツネヤナギ, C:ミヤマヤナギ, D:他11種。.

(7) \TTE十ド寸+十蝣<ト j光 j訊 享糟 l書 ・; Li 陣i 営S J蕗 =辞.fT隷こOj¥綏]抽 153. 図4-1葉柄よりの不定根の形成。 A:マルハヤナギ, B:クチャナギ, C:オオクチャナギ, D:ジャヤナギ。.

(8) 傭苅弊瑚伸男%,2002,湖14勝. 図4-2葉柄よりの不定根の形成。 E:ヨシノヤナギ, F:シロヤナギ, G:オノエヤナギ, H:エゾノキヌヤナギ。.

(9) MEf'1-寸i-^^n.it・狩+jJけ戎s.培韋h=.tim轟f/fl津十¥">Xig]隷. 図413葉柄よりの不定根の形成。 I:コリヤナギ, ∫:エゾノカワヤナギ, K‥カワヤナギ, L=ネコヤナギ。.

(10) 、 n m i 叫 、 r W f t , 2 0 0 2 . f i H ﹂. 図5-1半分に切断した糞よりの不定根の形成。 A:マルハヤナギ, B:クチャナギ, C:オオクチャナギ, D:ジャヤナギ。.

(11) ME'rJJh∵て+十aji'Ut狩遭アー﹂恥槽苗cj-ifS茄簿fT.津ごaA綏Y&. 図512半分に切断した葉よりの不定根の形成。 E:シロヤナギ, ド:コリヤナギ, G:イヌコリヤナ半, H:ネコヤナギ。.

(12) 学校教育学研究, 2002,第14巻. 158. もに雌株の増加が生じている。また,性比と"葉からの発. 考察. 根率''との間にはr-0.26の弱い正の相関が存在していた。. ヤナギ科植物の分布特性:日本列島は地質年代的に新し. 栄養繁殖能の増加と共に雌株の割合が高くなってきている。. く,山は急峻で川は短い。ヤナギは落葉樹であり,全体と. これらの相関は図6および図7に示されている。. しての分布の中心は夏緑広葉樹林帯にある。しかし,山頂. 河畔生ヤナギの下流域への適応:夏緑広葉樹であるヤナ. 部より河口に至るまで,河川に沿って生えており常緑広葉. ギが河川環境という特殊な環境下に沿って常緑広葉樹林帯. 樹林帯にまで広く分布している。河川という生息地は融雪・. にまで適応してきている。温暖な気候とたびたび起こる撹. 梅雨・台風と年に何度かの撹乱に見舞われる。河川の中流. 乱に適応した結果,種子繁殖による河川以外への環境への. 部以下のこの環境に適応しているのは樹木としてはヤナギ. 分散を避けるため,雄株へのエネルギー投入を減じ,かわ. 科とカバノキ科バンノキ属のほんの一部の樹木のみである. りに栄養繁殖能を高めたと考えられる。急流による枝と葉. (新山, 1995)cたびたび起こる撹乱に適応しかっ,これを. の離脱され易さと不定根形成能により,撹乱の結果生じる. 利用した生殖戦略が予想される。北方地あるいは寒冷地は. 新ニッチェへの侵入を容易にしている。葉も細長い形を合. 河川環境では上流部に相当しており,南方地あるいは温暖. わせ持っている。. 地は下流部に相当している。ヤナギ科24種を上流部タイプ. 環境教育教材としてのヤナギ:河川は山間部と海浜部を. から下流部タイプに表1のように配列してみる。上流部タ. つなぎ,かつ河川の流域部に都市が存在している。また,. イプでは, 1花当りのおしべ数は高く,栄養繁殖能は低く,. 所有・管理も国あるいは県の下にある。この意味でも,学. かつ雄株が多いという傾向が見られる。これらのことは,. 校教育としての野外学習や体験学習の場としては最も普遍. 系統的には古く(佐竹ら, 1989),種子繁殖が主体である ことを示している。さらにこれら上流部ヤナギは,丸い葉. 的に利用しうる要件を備えている。源流部から河口まで,. 形を合わせもっている。これは,落葉広葉樹林の一般的特. も90kmである。上流から下流への環境変化に対応する種の. 徴と言えよう。他方,下流部のヤナギでは1花当りのおしべ. 住み分け調査も不可能ではない。教育現場として可能な項. 数は低く,栄養繁殖能は高く,かつ雌株が多いという傾向. 目としては,上流環境から下流環境への性比変化・葉形変. 信濃川では300kmであるが,兵庫県の場合最長の加古川で. が見られる。. 化・樹高変化・枝の折れ易さ変化・枝からの発根能変化・. 性比変動に伴う要因:表1の性比に伴う"おしべ数"の 相関を回帰分析してみた。おしべ数と性比の間にはr-. 葉からの発根能変化が挙げられる。小学校5年生理科で植. -0.21の弱い負の相関が存在していた。多数のおしべ数を持っ. ての項目も小学5年生以後は可能である。なかでも,枝か. 物の花の構造でめしべ・おしべは学習しており,これら全. た系統的に古い種では雄株が多く,おしべ数を減じるとと. らの発根はオオクチャナギ,ジャヤナギやクチャナギでは 春からは2日間で観察することができる。また,葉柄から の発根もこれらの種では1週間以内に始まり劇的効果も期 待できる。総合学習および環境学習として,河川の上流か ら下流への環境変化を数日あれば体験できうると思われる。 謝辞 この研究を進めるに当り,酒折有美子氏および藤野裕道氏に は援助と助言を戴いた。ここに感謝いたします。. 参考文献 奥田重俊・佐々木寧, 1996,河川環境と水辺植物,ソフトサイ エンス社. 1 .2. 斎藤新一郎, 1994,北海道内の主要ヤナギ類の分類と分布につ. :;" A '" '->TS a :fr B r i-i. 1. R 2 = 0 .0 6 8 4. いて,北海道の材木育種37: 24-33. ◆. 0 .8 0 q] "- 0 .6 dX> ∽ 0 .4. .. 佐竹義輔・原寛・亘理俊次・冨成忠夫, 1989,日本の野生植物. ォ. 1. .■. 木本I,平凡社. ◆ ●. 新山馨, 1995,ヤナギ科植物の生活史特性と河川環境,日本. 0 ー2. 生態学会誌45 : 301-306. 0 0 .2. 0 .3. 0 .4. F re q . o f ro o tin g fr o m. 0 .5. 0 .6. 0 .7. le a f. 図7河畔生ヤナギ種の葉よりの発根頻度と性比の相関。. 8. 阪神・都市ビオトープフォーラム, 1999,学校ビオトープ事例 集一人・自然とつながる校庭づくり-,トンボ出版 (2001.7.31受稿, 2001.9.17受理).

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