双方錯誤の歴史的考察 : ドイツ法の分析(1)
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(2) 横浜国際経済法学第17巻第1昔(2008年9月). (2)Zitelmann (3)R.Leonhard. (4)Windscheid (5) 小i舌. V,法典編纂 (1)部分草案 (2)第一草案 (3)第二草案 (4)小括. VI.ドイツ箆法典制定後. (1)Oertmannの共遜錯誤論 (2)立法後の経緯 (3)小括 VL結R吾と言果是璽. エ.問題提起 (t)わが国の状況. 本稿では・表意者および相手方が共に錯誤に陥っていたというt双方錯誤の 問題についてドイツ法における歴史の経緯を検討する。ここでいう双方錯誤と. は・両当事者がそれぞれ錯誤していることを意味し,必ずしもその錯誤が共 通していることを意味しない。従って,共通錯誤,誤表は害にならない(falsa demonstratio non nocet:以下「falsa demonstratio」とする。),および不合意は. 双方錯誤のもとに包摂されることになる1}。しかし,falsa demonstratioや不合. 意が問題になるのは実際上あまりないと思われるので,主として共通錯誤を念 頭において論じる。. まず ドイツ法の検討に入る前に,わが国での共通錯誤の状況を概観するこ 120.
(3) 双方錯誤の歴史的考察. とが有益であろう。わが国では,当事者が共通の錯誤に陥っていた場合にはr. 民法95条(以下,たんに95条という)により契約は無効になり2},95条ただ し書は適用されない,と一般的に解されている。95条ただし書が適用されな いのは,ただし書に定められた重過炎要件は,一方錯誤の場合に表示を信頼し た相手方を保護するための制度であるのに対し、共通錯誤の場合には,相手方 も錯誤に陥っていたが故に、相手方を保誰する必要がないからである,とされ ている㍉また,表意者に重過失があっても,共蓮錯誤が問題になった場合には,. 95条ただし書は適用されないという裁判例も見られる4)。これは共通錯誤の問. 題を95条で解決するが共通錯誤の場合には同条ただし書を適用しないとい う考えに基づいている5)e. しかし,わが国では,これ以外の考えに基づく見解もあるeその一つは,共. 通錯誤の問題を95条で解決する、即ち,同条ただし書も適用されるという見 解であり6},もう一つは.共通錯誤の問題を95条ではなく,契約の解釈や前提・. 条件等によって解決するという見解である7〕。また,近時共通錯誤の場合で も契約当事者以外の者が重過失の主張をし得ることを認めた裁判例も現れてい るs)。. このように,わが国では,共通錯誤が問題になる場合には,95条ただし書 の適用については争いがあるものの,基本的に同条が適用されて無効が導かれ るという見解をとる学説および裁判例が多いといえる。しかし,共通錯誤に関 するわが国の学説は必ずしも統一されてはいない。. (2)ドイツ法の歴史を考察する必要性 他方,わが国の錯誤規定に大きな影響を及ぼしたドイツでは9},債務法現代. 化のために2002年1月1日に施行された新たな民法典により,共通錯誤の問 題も新たな局面を迎えた。即ち,それまで判例によって発展してきた行為基礎. 論を土台にしたBGB313条[行為基礎の障害]が噺1たにドイツ民法典に導入さ れた1阻ドイッでは行為基礎論は判例法として発展を遂げ,共通錯誤の問題も, 121.
(4) 横浜国際経済法学第17巻第1号(2008年9月). 錯誤規定だけではなく,行為基礎論を通じても解決が図られてきた。このドイ. ツ民法典の改正により,共通錯誤の問題は,これまで以上に,錯誤規定および BGB313条[行為基礎の障害]の有機的関連の中で判断されることになろう。 この意味で共通錯誤の問題を考えるには,錯誤法と行為基礎論の双方からの 分析が必要である。本稿は,このような認識を基本的な前提として、わが国に おける共通錯誤論を展開する準備的考察として,共通錯誤に関するドイツ民法 典等における立法の経緯,および学説を分析,整理することを目的とする。と りわけ,主として連邦通常裁]1目所の判例が用いる行為基礎の定式の起源1])と. いわれるOertmanfiの共通錯誤論については詳しく検討することにしたい。. 極めて簡単にドイツにおける共通錯誤論の歴史を指摘すればおよそ以下 のようにいえる。琢ち.15,6世紀にローマ法を継受したドイッでは’2),ロー. マ法の現地化,近托銘である「パンデクテンの現代的慣用(usus modernus pandectarum)」(16避紀中葉から18世紀中葉)を経た19世紀普通法の時代に おいて,いわゆるローマ法大全(corpus iuris civilis)}3}の申にある共通錯誤の. 規定について議論されていた。ドイッ民法典制定後に,共通錯誤はOertmann によって包括的にまとめられ.その後,事1青変更の問題と併合され,行為基礎. として定着する。ところで,立法後ライヒ裁判所の判決では共通錯誤の法律効 果はBGBI19条[錯誤による取消可能性]14)の適用により取消とされていたが 学説の批判を受け,BGB242条[信義誠実に従った給付]Is)によって解決が図 られ得るようになり(たとえばRGZIO8,105 ・6}),後に契約の適合としてこれ. が定着した17)。その後,債務法改正を経て(2002年施行),現在では「行為基. 礎の障害」としてBGB313条において成文化されているIs)。それによれば,共 通錯誤の法律効果は原則として「契約の適合(Vertragsanpassung)19)」である. (同条1項および2項)。そして,それが可能でない場合のみt契約の解除が認 められるのである(同条3項)。. このように,共通錯誤の問題の解決として,わが国では契約の無効を志向し, ドイツでは契約の尊重(favor contractus):°}を志向している。この相違は,ど 122.
(5) 双方錯誤の歴史的考察. のような歴史的経緯によるものであろうか。この意昧において,ドイツ法での 歴史を考察することは,上述のようにドイツ法の強い影響を受けたわが国で, 双方錯誤ないし共通錯誤の議論を展開するにあたって有益な示唆を提供するも のと考える。. 皿.ローマ法源 (1)概説. ドイッにおける共通錯誤を論じる基礎作業として,ローマ法の共通錯誤につ いて考察する。周知のように,ドイツでは民法典成立以前まではローマ法源を 基礎にした普通法(gemeines recht)が実質的に通用していた。従って,ドイ. ツでの議論に入る前にローマ法源について一瞥しておくことが有益であろう。 考察の対象はいわゆるローマ法大全corpus juris ciVilis 2i))である。 ロ . ローマ法では,「ローマ人は,法律行為n)を一体として判断する。意思と表 示へ分解したり,また,契約のさいに申込と承諾を分けて判断することは彼等 に無縁なものである(傍点ママ)」と言われておりU3),「錯誤については常にそ. の内容の区別に重きをおく態度をとった」と評価されている24)。ただし,ロー. マ法でも売買には合意がなければならないとされ,たとえば‘売買において売. 主がAを売るつもりで,買主がBを買うつもりである場合には,客体の一致 がないために,購入は無効であるとされる2s)。また,共通錯誤については,学 説彙纂:fi)(Digesta)の中に記述が散見されるが(購入契約,文言契約,裁判管轄),. 一般に共通錯誤と一方錯誤の区別は明確ではないとか27),契約の無効にとって は意思の不一致が一方の錯誤に基づくものか,’両当事者の錯誤に基づくものか は重要ではないと指摘されている2S)e. (2)本質における錯誤と素材における錯誤(error in substantia et materia). i共通錯誤が明瞭に述べられているのは,学説彙纂第18巻第1章(購入契約 123.
(6) 横浜国搬経済法学第17巻第1号(2008年9月). について及び購入者・売却者問での取決めについて及び如何なる物が売却でき ないか)におけるUlpianusおよびlulianusの法文である。. Ulpianus鋤は,学説彙纂第ユ8巻第1章第14法文で,素材および品質に関し て買主と売主が共に錯誤していた場合を挙げている。即ち,①両当事者とも売 買の日的物は金であると考えているが,実際には青銅であった場合,②売主が,. 金だと言われていた腕輪を,価播を1吟味して,買主に売却したが,その大部分 が青鋸であると明らかになった場合であるe①の素材の錯誤の場合に対しては,. 実際は青銅であるのに金であるとして売却されたのだから,売買は有効ではな い,とされる。②の品質の錯誤に対してはt目的物が幾ばくかの金を含んでい たなら,売却は有効である,とされる:va)。. それに対して,Iulianus 3tiは,学説彙纂第18巻第1章第41法文第1節にお いて売主が.銀で被覆された食卓を全体が銀の食卓であるとして,買主に売却 し.両当事者ともそのことを知らなかったならば,購入は無効であり,金銭は 返還されるべきである,と述べている3L・)。. Mpianus法文は,素材が異なる場合には契約は有効ではないが,金だと看倣 されていた物が大部分青銅だとしても,何かしら金を含んでいれば,売却は有 効だという。これに対して.1面anus法文のほうは,両者とも銀製の食卓だと思っ. ていたが,実際に銀メッキであるならば,売買は無効であるという。これは一 見,見解の輻違があるように思われる。. これについて上村准教授はおよそ以下のように説明される。即ち、Ulipianus. は,学説彙纂第18巻第1章第9法文第2節で,本質における錯誤および素材 における錯誤について,「そのことから,客体自体において錯誤があるのでは なく,本質において錯誤がある場合,たとえば,酢がワインとして売却される 場合,青銅が金として,鉛ないし銀類似の何か別の物が銀として売却される場 合,売買があるかどうか問われる。学説集6巻においてMarcellus :「mは,たと・. え素材において錯誤があっても,客体に関して合意があるが故に,売買は存在. すると記述した。私はワインにおいてはもちろん同意する。なぜなら,ワイ 124.
(7) 双方錯誤の歴史的考察 ウ − シ ア ンが酸化したに過ぎない場合には,ほとんど同一の実体(ovσ‘a)である. のだから。他の場合には,ワインが酸化したのではなく,食用酢(embamma 叫のように始めから酢であった場合は,ある物が別の物として売却されたと 看倣される。それ以外の場合においては,しかし,素材において錯誤がある都. 度,売却はないと私は考える。」と述べている。つまりUlpinanusは,客体に ついて合意があっても素材の錯誤がある場合には契約は成立しないと考えてお. り,そこからUlpianus法文は,貴金属事例において,素材が異なる場合には (金と考えられていたものが青銅であった場合),客体の錯誤の場合と同一視 して,契約は不成立になる。そしてIulianus法文でも食卓について銀とは別の 素材がほとんどすべてを占めるので,素材の錯誤の事例と解することができ, Ulpia皿usの法文とは矛盾していないと説明されている35)。. 以上からすれば,素材’の共通錯誤がある場合には売買は無効であるが,品質. の共通錯誤の場合には有効であるということになる。貴金属が問題になる場合 はこのように理解されるが,その他の場合,たとえば,衣服が問題になる場合 には、売主は物自体の価値で賠償義務を負うとされる法文もあるU6)。本稿で は,ローマ法における共通錯誤の位置づけを論じることが主たる目的ではない ため,具体例を指摘するに留める:i7}。. (3)名称における錯誤(error in nomine). ローマ法源では,上述の性状錯誤の場合とは異なり,名称における錯誤の場 合には,両当事者が名称に閥して錯誤していても,客体について合致していれ. ば,契約は成立するとされている(学説彙纂第18巻第1章第9法文第1節)。 Ulpianus, D.ユ8,1,9,1. 「名前において我々が合意していないが,客体に関して確定している場合に は,売買が有効であることは疑いがないことは明らかである。なぜなら,名前 の錯誤は,客体に関して確定しているとき,成立しないからである。」. また,問答契約においても同様の規定がある(学説彙纂第45巻第1章第32 125.
(8) 横浜国際経済法学第17巻第1号(2008年9月). 法文)。問答契約とは,要約者(Stipulator)と諾約者(Promissor)との間で,. 間髪いれずに「汝は誓約するか(Spondesne∼)」「予は誓約する(Spondeo)」. などの問答体を以って成立する契約であり3S),当事者の一方の問いかけに対. して他方が答えることによって,片務的な債権債務関係を設定する口頭の要 式行為であり,双方的な取引を行うには双方向の問答が必要であったといわ れる:¶⊆け。. ’Ulpianus, D.45,1(言葉による義務について)ほ2:. 「与えられることを我々が問答契約したところの奴隷の名前において,錯誤 があった場合に,客体について一致したとき,問答契約は有効であると決まっ ている。」. 以上の法文は,一見.誤表は害にならない(falsa demonstratio non nocet). の問題のように思われる4°)。しかし,ローマ法源におけるfalsa demonstratio. と現在我々が用いる意味でのfalsa demonstratioは異なったものであると指摘 されており41),この法文は歴史的には名称における錯誤(error in nomie)を 表すもので,法的に本質的なものとはされなかった,とされている42)。. (4)裁判管轄における錯誤(error in iurisdictione). ローマ法源では,共通錯誤の規定は,以上のような取引に閲するものだけで はない。裁判管轄について,両当事者が法務官4帥の裁判管轄について錯誤し. た場合についても規定がある(学説彙纂第2巻第1章第15法文)。まず,その 法文を理解するため,当時の民事裁判について簡単に説明する。. 当時の民事裁判手続は,法廷手続と審判人手続という二段階の構成をとって おり,法務官(Praetor)と呼ばれる者が法的争点を確定する第一段階を主催し,. 「原告の請求が市民法上認められたものであれば訴訟を許し,そうでなければ 訴訟を拒否」したとされる4・1〕。また,法廷手続は,「原則として,原告がみず. から手続を開始し,被告とともに手続を進め」,法務官は訴訟が成り立つよう に面倒を見たに過ぎないとされる4f,)。法務官は訴訟に応ずるよう強制すること 126.
(9) 双方錯誤の歴史的考察. は可能であったが,法廷手続は「原理的に,たがいに了解し合った一定の訴訟 方式によって紛争解決を進めていこうという両当事者の合意形成手続に他なら なかった」と言われている4G)。つまり,法務官が指揮する法廷手続は,原告・. 被告がイニシアチブをとって進めるものであったことがわかる。また,裁判管 轄のある法務官とは別の法務官を合意によって変更できるという法文が存在し 一ているので一m.法務官め選択には合意が必要だったと推測される。そこで問題 の法文をみてみよう。 Ulpianus, D.2,1(裁判管轄について),15. 「錯誤のために,ある法務官が別の法務官として請われたならば,生じたこ とは有効ではないだろう。というのは,裁判管轄を有する者に関,して合意した. と述べる者に(聴問が)許されるべきではないし,Iulianusが書くように,錯 誤する者たちは、合意しないだろうからである。というのは,不知を明らかに する錯誤は合意と矛盾する最たるものだからである。」. ここでは、原告・被告が,出頭するべき法務官を誤った場合には,合意がな いために,法廷手続で生じたことは有効ではないとされている4S)。. (5) ノ」、‡舌. 以上見てきたように,ロ・一マ法源には既に共通錯誤と評価し得る規定が存在. していた。購入契約では,素材の共通錯誤がある場合には,売買は無効である が,品質の共通錯誤の場合には有効であるとされている。また,当事者双方が 同一の客体を考えている場合には,その名称に関して両者が錯誤に陥っていて も,売買は有効であるとされている。これは,売買には合意が介在しなければ. ならないという規定(学説薬纂第18巻第1章第9法文前文)があることから 考えれば素材における錯誤の場合には,当事者双方が考えていたものとは異 なった素材が目的物になっていたという点で合意があるとは看倣されないので あろう。これに反して品質における錯誤や名称における錯誤の揚合には,目的 物自体は当事者双方が考えていたものであるといえるため,合意があると看倣 127.
(10) 杣浜国際経済法学第17巻第1号{2008年9月) 一. されるのだと思われる。. 裁判手続きにおいて当事者双方が法務官を誤った場合には,その手続きで生 じたことは有効ではないとされる。これもやはり合意が存在しないためである と思われる。もちろん,ローマ法源では,錯誤の共通性よりも錯誤の対象の方. が主たる悶題になってはいるが,明確に当事者の双方が錯誤した場合を想定し. た法文があることから考えても(学説彙纂第18巻第1章第14法文).単なる 一方の錯譲と共遜Lている錯誤とを分けて考えていたことが伺える。後述する 普通法の学妻たちは上記で指摘したような法文を基にして両当事者が錯誤して いる場合仁づ皐て論を展開するのである’1”)。. そう董麟・つてもやはり,素材の錯誤や本質の錯誤については.素直に法文だ けを護毒蒙籔渠としか思えない法文もありs°),このこt一は,つとに16世紀フ ランス纏真文主義法学者ギョーム・ビュデ(Guillaume Bude,1467/8−1540). によeて.学議彙纂が歴史的相違を無視した恣意拍な法文の集成であり,相互 {こ矛霧き導壼するのは当然であると指摘されている51)oまた.後にSavignyに. よって{}蓑一マ法大全の編集者がある見解についてその法学者のほかの部分 と誘慧することなく、またその見解が後に否定されたかどうか明らかにならな い寿た睾で墓箏入れたことが非難されるべきだと言われている認)。そのため, こ寿ら纏嚢霊譲文{ま後代の学者によって様々に解釈されることになる庄㌔ロー一. マ法太童仁議テる錯誤法を真に研究するためには,個々の学者・学派ごとの法 文を聾糞翌曇仁葺…糞・検討することが必要と思われるが,この問題の検討は本稿. の対象とす基ところではないので,問題点の指摘のみに留めたい。. 狙.ラント法爽一 (1)概説. ここでは,後期普通法の議論に入る前に, とにする5㌔ 12s. ラントの立法を簡単に紹介するこ.
(11) 双方錯誤の歴史的考察 早期普通法学における錯誤論は,ローマ法源に依拠しつつ、error in negotio (契約の種類に関する錯誤)・error in persona(契約の相手方のとりちがい)・ error in corpore(契約目的物のとりちがい)・error in materia o d. in sub stantia(契. 約目的物の実質に関する錯誤)の四種類を契約の無効原因とみとめており,こ の本質的錯誤の限界付けは,諸ラント法にもほぼそのまま踏襲された,といわ れている55}。そして,自然法的諸ラント法典は,錯誤論に関して,意思主義的. であるプロイセンー般ラント法と表示主義的であるバイエルンマクシミリアン 法典およびオーストリアー般民法典に分けられる,とされる鋤。. 本稿では,その中でも,共通錯誤およびライヒ裁判所への影響という観点か らプロイセンー般ラント法を扱う。. (2)プロイセンー般ラント法. 1794年に成立したプロイセンー般ラント法(以下,「ALR」とする)の錯誤 規律は,バイエルンマクシミリアン法典(1756年),フランス民法典(1804年). およびオーストリアー般民法典(1811年)といった「第一次法典編纂の四つ の波」の中でも,特定の錯誤法概念の影響を明確に受けておらず,スコラ的自 然法の影響,普通法の影響および教会法の影響と結びつくことで,独特な自立 した錯誤規律となった,と言われているfi7)。また, ALRはロ}マ法大全以来は. じめて、ほとんどすべての法を統一的に法典化し,普通法にとって代わること がその目標であったとされるss)。. ALRは第1部第4章において錯誤規律を有するが,それはKlein(1743− 1810)によって草案が起草され,Carmer(1721−1801)およびSvarez(17461 −1798)によって変更が加えられ,その後,幾度か意見が広く求められ,議 論が繰り返され,最終的に立法時のような文言になった5D)。. ALRにおける錯誤法は以下のようなものである。即ち,無効fi°)となるのは.. 取引の本質における錯誤,意思表示の主要な対象における錯誤(75条)tlot当 該錯誤がなければそのように為されなかったといえる場合における表意者が意. 129.
(12) 横浜国際経済法学第17巻第1号(2008年g月). 思表示によって権利を生じさせるつもりである者の人の錯誤(76条)“’)rおよ. び明確に前提とされた入または物の性状に関する錯誤(77条)であり叫た とえ表意者が錯誤を回避し得たとしても,効果は生じないままであるが(78条) et),表意者が錯誤したことに過失ないし重過失があり,且つ相手方が表意者の 錯誤を知らない舞合には,表意者には損害賠償義務がある(79条)ffn。ただし,. 両者の側から癌蓬可能な錯誤が生じた場合には,ともに賠償することはない(se 条)tic;) ST)e Aまた慧物の通常前提とされた性状における錯誤も意思表示を無に. 帰させる牽欝1条)fis).錯誤者に過失ないし重大な過失がある場合には,意思 表示ほ霧立するく32条)Gg}。また,その他の性状や事惜における錯誤は意思表 示を曇慈曇:Lな皐(83条)7°}eまた,動機錯誤は法的に顧慮されてないが(149. 条}揖.嚢馨表藁を為すにあたっての唯一の動機が表自されているならば,意 恩表言誌麦曇i霧である72)。. こ鐙選震謡.裁判官による法創造が禁止されT1798年までは法典の無欠侠 違藻繋率嚢i霧として解釈が禁ユkされておりn),学問の対象となったのは1826 年蓋鋒で義づた.といわれているT・“。ここでは,プPイセン私法についての体 系薫蓼i峯をi霧1∼て恒るBorneritann(1798−1864)の著作から, ALRにおける 壷養套詩ξ.藁募き詩る錯誤に閤する見解を綴介する。. 塞鑑鑑謬誌.妻ず,「契約ないし掻的物の性質によれば,その範囲ないし 個捧の多霧髭嚢萎で珪ない場合,それに欝する錯誤があっても,取引は解除さ. れな㊤Ls萎書嚢鍵善また生じない。ただし,個体の一定の数ないし一定の量 が明曄二籔昏づτ秦聾とされている場合は別である。このことは,特に物の総 棒,またはあるが茎まの物ないし一括された物に関して,契約された場合に当 てはまる」と遠ぺる苛。. たとえば,AがB参らある土地を一定の価格で購入する際に,当該土地が 建モルゲン75iだと考えていたが,実際・は12モルゲンであった揚合.本質的な. 錯誤は問題にならないので.Aは18モルゲンを条件化していなければ,契約 の解播はできないとし,同じくBも.実際の土地面積が自らが考えていたよ 1鵠.
(13) 双方錯誤の歴史的考察. り広いとしても契約の解消はできずt双方とも相手方に賠償を要求しえないと いう7?;。それに対して,実際の土地面積がより広い(たとえぱ20モルゲン) 場合で,AもBも錯誤していたならば,契約の内容が重要であるとする7s) e① Bが面積に関してとくに述べることなく,土地を約定価格で売却するかどうか。. ②Bが土地面積が18モルゲンだと前提し,この前提において価格が定められ ているかどうか。①の場合には,本質的錯誤が問題にならないので,Bは契約 の解消も代金増額も要求しえないという79)。②の場合は,Bは適切な代金増額. が請求でき,AはBの代金増額に応じるかT契約を解消することができるとい うS°}。また,売却された土地の価格が,面積に従って決定されることが約定さ. れているが,測量の際に不正確な尺度に従って面積が(過大ないし過少に)測. 量され.その誤った面積に従って価格が決められる場合にはt契約は有効のま まであり、価格は後になされた正しい測量に従って修正されねばならない,と いう帥。. Bornemannはこのように双方が土地に関して錯誤している場合に,かなり 柔軟な解決を導いており,ALRにおける錯誤の効果が基本的に一語法の問題は 別としても一無効であるにもかかわらず,ALRの錯誤法が双方が錯誤している 場合にも対応可能であることを表す一つの証左といえよう。. また,Bornemannが挙げたような例以外にも、土地における双方的な錯誤 はプロイセンにおいては頻繁であったとされておりs:),ライヒ裁判所の判決で もALRでの考え方が採用されているものがある(RGZ66,21田〕)。. (3) 小才舌. 上記のように,ALRの錯誤規律は,他のラントの立法に比べて,特定の錯誤 法概念の影響を受けていないという点で独特のものであるM)。とくに,ALR第. 1部第4章80条に関しては,帰責性ある錯誤者に賠償義務を認めたことだけ でなく,両者が錯誤に陥っていた場合には,その損害賠償義務から解放される と規定することで,「むしろ更に独創的な発展分化を果たした」と評価されて 131.
(14) 横浜国際経済法学第17巷第1号(2008年9月). いるES5)。また,このALR第1部第4章80条はT文言から明確に両当事者が錯 誤している場合を意識しており,効果として損害賠償を制限していることから も両当事者が錯誤している場合は一方のみが錯誤する場合とは別であることを 示すものであるといえる。. また,上述のように土地に関する双方の錯誤については,ライヒ裁判所ひい. てはOertma鍵窮襲蓮錯誤論に影響を与えている。加えて, Bornemannによ れば,A醸鈴繋藁擾撞ξま.一部の性状錯誤を除いて,一方錯誤の規律ではない と評癒さ義て註琴呈㌧’この点は非常に注目に値する。. このよう郵違Rの錯誤法は,さまざまな錯誤法概念の影響を受けた結果, 独特の藝i糞を奏するものになったが,19世紀パンデクテン法学を支配した . Sav逗群毒霧霧嚢壷登場したために,錯誤の学説にほとんど影響を与えること はな寿づ主蚕.一蓑ずで,後期普通法における共通錯誤の学説を概観する。. 1)圭主」法主註蓋舞誤の瑳合とは絵画の売買において両当皐者とも当該絵画を真作と考えるが,. 辮註嚢巽τある場合である。falsa demenstratie non necetの場合とは,表意者が「A」と. 或季rぎ垂つ主寿である坑問述って「Bjと表示し.表示の受け手は,錯誤に陥って, Bを 轟毒繋…に嘉挙吉麦示を理解する場合である。不合意の場合とは,平和丸という船が三担あ {鍵一s翼主蓑喜事籍裏の籍荷売買を考え,売主{まB平和丸の秋荷売買を考えるが,客観的に. 雍翼軽£享妻慈こづいて合意されている場合である。共通錯誤の場合には,両当事者が同 一の錯塞㌻糞巳て暴る寮{双方性且つ共通性),掘sa demon曲舗0および不合意の場合には. 両当事妻据冬違ぞ妻襲なつた錯誤をしている(双方性且つ非一JtiuT性)。. 2} たとえぱ塁事㊤婁う套i簗判例が準げられる。最判平成元年9月14日判例タイムズ718号75頁,. 大阪地判彊嚢蓮年童暮27垂判例時‡}11238号143頁,東京地判平戒14年3月8日判倒時報 i800号挺嚢が毒島事遠元年の事仔蓼では,共通錯誤の事案であるとは明示されていないが,. 実質的に共遜鋳誤≧みなき轟,95条によって無効が認められた。昭和62年の事例では,共 通の動機錯誤の撞書董;繧s動擁の表示は不要とされt95条によって四つの保険契約のうち 二つが無効とされた{i残担±.揺義則に基づく一部無効)。ただし,平成元年判決について,. 学説では,効果の点で事薪変饗と筒じく裁判官による契約改訂の可能性が示唆されている(高 梨克彦「判批」シュ}・イエノレ3謡号(1990年)10,11頁,珂旨,磯村保(ゲスト)/加藤正信/ ヵ劔蓼新太郎(ホスト)「錯誤と法錐行為誰を語る」判倒タイムズ1197号,9頁(磯付発言))。. また昭和62年判決については,「同一の事情を前提にしつつ,契約締結時とその事h’iが発生 132.
(15) 双方錯誤の歴史f]b考察. した時点との前後関係により,二つの法理(i準者一錯誤と事†i7変互E)を使いわけなければな. らずt結論に差が出た点に問題が残っているように思われる。」と指摘されている(黒沼悦 郎「判研」ジュリスト95S号(1990年)108頁)。. 3) 例えば,潮見佳男「民法総則講義』(有斐閣.2005年〕171頁(契約を有効にして両当事者 を保謹する理由がないから,95条ただし書は適用されない).内田貴『民法1〔第四版〕」{軍. 京大学出版会,2008年)77頁(相手方が保護されるべき利益を持っていないから,95条た だし書は適用されない),近江幸治『民法講義1民法総則 第5版』(弘文堂 2005年)195 頁(表意者の重過失要件は相手方の善童を前提としているが,相手方も錯誤に陥っているか. らt95条ただし書は適用されない).四宮和夫一能見善久「民法総則 第6版』(有斐閣 2002年)226頁(両当事者がともに同じ錯誤に陥っているので,相手方に配慮して表意者の 無効主張を制限する必要はないから,95条ただし書は適用されない。. 4)束京地判平成14年3月8H判例時報1800号64頁(共遁錯誤の場合には民法95条ただし書 は適用されないと判断された)。. 5) なお,小林(一俊)教授も共通錯誤を95条の問題と捉えているが,共通錯誤を錯誤が顧慮 されるための要件としている。即ち,錯誤が相手方に認識可能な場合のほか,錯誤が主張さ れる相手方当事者によって共通錯誤が惹起されたか否かとは無関係に,共通錯誤一般を錯誤. 要件とLて承認すれば,その結果としてt相手方により惹起された錯誤は,詰局は相手方に 認識可能な錯誤か共通の舞}誤のいずれかに分解・包摂されてしまうので,もはや独立の錯誤. 要件として認める必要はない,という〔小林一俊「共通錯誤に関する若干の考察Jr錯誤法 の研究(増補版)』(酒井書店,1997年)452頁〕。. 6) 野村豊弘「意思表示の錯誤(7・完)一フランス法を参考にした要件温一」法学協会雑誌第 g3巻第6号{1976年)。野村教授は「錯誤者がどのような事項を重視していたか.すなわち,. ある事実が存在する(あるいは存在しない)と思っているために意思表示をしたことを相手 方が知っていたか、知らないことに過失のあることを錯誤による無効の要件とするのが,判 例にも合致して」いて,もっとも妥当であるとして,この場合には.共通錯誤と一方錯誤と が統一的な基準によって判断されるという(同966頁)。. 7)例えば、須田数授は「共通錯誤と一一方錯誤を同撰に95条で処理するのは必ずしも適合的で はないとして,共通錯誤の場合には以下の構成で処理すぺきだとする。即ちT第一に.錯誤 の問題に先行する契約の解釈の問題として把握し.当事者の合理的意思を推断して法律行為 の内容を一定の意味に解釈するか,あるいは、当事者双方の利益に反しない範囲において法 律行為を修正的に解釈し現実の事態に法律行為の内容を適合させることによって法律行為の 拘束力を維持することを挙げる。第二に,法律行為の解釈による拘束力の維持が不可能な場. 合には95条を適用して法律行為の無効を承認することであるe95条を適用する場合は,共 通錯誤の性質上,錯誤の認識ないし認識可能性という要件は不要であり.95条但;!rも適用. されないと解すべきだという。なお,共通錯誤の結果不利益を蒙る当事者が共通の観念と事. 実の不一致の危険を負担すべき特殊な事情が存在する場合には法律行為は無効にならない と解すべきだとする(須田歳雄「要素の錯誤一判例の分析を中心にして一(IM・完)」373,. 374頁)’6なお,共通の表示錯誤がある場合には契約の解釈が問題になるとする裁判例もあ 133.
(16) 横浜国際経済法学第工7巷第ユ号弓(2008年9月). る.(大阪高判昭和45年3月27日判例タイムズ248号139頁)。. 8)高知地裁平成17年2月15日訟務月報52巻12号141頁。高知地裁は,「契約当事者双方が 錯誤に陥っている場合には,重過失ある当事者が.錯誤無効を主張し得るとする明文の根拠 はなく.また.当該契約の存在を前提として法律閏係が形成され,第三者が現れる場合があ ることを考慮すると,そのsうな錯誤無効の主張を認めても不当ではないとも言い難い。」. とし.95条ただし書の趣旨は「単に相手方保護に尽きるわけではないことも考慮」して, 第三者{税務薯長)による垂過失の主張を認めている(fil ISO 一一 161頁)。ただし,高裁ではt. 表意者に重過失があるとまではいえないと判断されている。 9)周知のように,現行民法典の法律行為を起草したC?)は富井政章であり(仁井田益太郎/秘積 :iE遼/平野義太郎「仁井田臨士に民法典編纂事情を聴く座談会」法律時報10巻7号(1938年) 29頁),同人の補助委員に就いていた仁井田升太郎博士は〔同17頁),他二人の起草員(梅・ 穂積)と比べて「富井さんは寧ろドイッ法一点張りで行かうと云ふ気分が見えたやうです」(仁. 非田発言)と述べている(同24頁)。またt起草にあたり1溺ト博士が参照したのはドイツ民 法第一草案であるが.第二草案も途1:(で参照したという (同24頁)。民法修正案理曲]1Fによ. れば,具体的な条文として挙げられているのは,ドイツ民法第一草案98条,99条T同第二. 草案94条,97条{原文では.錯誤者の賠償義務についての文脈で第二草案94条が挙げら .れているがt内容からして97条が正しいと思われる。)である。. 10)立法までの経緯について詳しくは.五十嵐荊「ドイツ行為基礎論小史(2)」札幌法学16巻 1号(2004年)参照。 11)BT−Drucksache 14/6040, S.174.ここで引用される判例tとくに連邦通常裁‡‖所の≧則例によっ. て採用されている行為基礎の定式とは以下のようなものである。f行為基礎は,本来の契約 内容にならなかったがt両当事者の行為意思が基礎にするところの契約締結の際に顕在化す る契約当事者の共通の観念によって,または相手方の当事者に認識可能であり且つ同人によ って異議を唱えられない特定の諸事情が覗存するか.または将来発生するということに閲す る相手方当事者の観念によoて形成される。」(BT−Drucksache, a.a.O.)。. 12)正確には.ドイツが継受したのは.イタリァの後期註釈学派くPostglossatoren)(‖主解学派. (Kornmentateren)とも1呼ばれる)によって,その時代に適応するように修正されたローマ. 法大全である。ドイツのローマ法継受の概略については,山田晟『改訂版ドイツ連邦共和 国法の入門と基礎一ドイツの癌法および民法一』{有信堂,1991年)95頁以下,とくe: 99, 100頁を参照した。 13)fc・・P…i・・is」なる名称1よ.中世伽一マ法学者が用いたものである。その排成は.学説彙 纂(Digesta),法学提要{lnstitutiones),勅法彙纂{Codex).新勅法莚纂(Novellae)の 4部からなる(勝田有恒/森征一/1」.1内進「概説西洋法制史』(ミネルヴァ書房,2004年) 126頁(森征一執筆})。. 14}BGBI1941 [錯誤による取消可能性]. 「(1)意思表示をするにあたってその内容に関して錯誤に陥っていたか,または当該内容の 表示を全くするつもりがなかった者は,その者が状況を知ってお1),且つその場合を思慮分. 別を以って評価したなら意思表示をしなかったであろうと認められるべき場合には,表示を 134.
(17) 双方錯誤の歴史的考察 取り消すことができる。 (2}取引において本質的と看倣される人または物の性状に関する錯誤も表示の内容にINする 錯誤と看・倣される。」. 15)BGB242条[信義誠実に従った給付] 「債務者は、取引慣習を考慮し,信義誠突が要求するが如く,給付を行うことを義務付けら れているロ」. 16)本件は,およそ以下のようなものである。原告・被告が両親の遣言に基づいてそれぞれ別の 土地を相続したが,遺言の袖世において被告が原告が柵號した土地の家屋の店舗の花営業の ために奉仕するという「負担(Allflage)」が含まれていたため,遣産分割協識にあたって,当事. 者は.被告には原告が相続した土地の家屋にある店を「工913年5月14日の避言の6節において表 記されているように,従物とともに」1941年4月1日まで年1000マルクの価格で賀貸する「権利 および義務」があると,承認していた。原告は,披告には遺言上賃借する負担のみがあるので あって,権利はないにもかかわらず,これを誤信していたとして,錯誤取消ないし不当利得返 還請求をもって争った。ライヒ裁判所は,原告の錯誤は動機の錯誤であるとして排し,不当利 得も認めなかったが,当事者の交渉にあたって「原告が店舗を賃貸すると思っていたことに関 して錯誤していただけでなく,被告も同一の錯誤に陥っていたことは,当該紛争彗[件に特殊性 を見せる。それゆえ,原告の単なる一一方錯誤ではなく.原告被告によって締結された承認契約. の客観的な悲礎に関する両当事者の錯誤が存在するのである。しかし,承認を,原告がそのよ. うな諸事情のもとで為したのだから,原告は,自らに対してその承認を有効にさせる必要は ない(v, Tuhr, lrrtum Uber die GrunCllage des Vertrags, Leipzig.1921 Sp.153/159,0ertmann,. Gesch…iftsgrundlage, S.50fig., S.125 u. S.156fig.)。被告が原告をその承認に拘束しようとする. なら,当該班件の状況によれば被告は信義誠実に反するであろう。それを以って,民法典も黙 示に認めている一般悪意の抗弁が原告に与えられ,その基礎については.一方の当事者がt本 件では被告がなすであろうように,自らの権利追求ないし権利防御を以って,自らがかつて為 した態度と信義則上相容れない態度に出ることで十分である(RGZ87, S.283および近時のも のとして,ユ922年7月12日判決および1923年3月26日判決参1!旦)」。と述べて,当事者が共通錯. 誤に陥っていた場合に,信義則による解決を認めた。この判決は「行為基礎の欠如・信義則に ■ ■ ■. よる保護を与えた最初の,かつ基本的判例である(傍点ママ)」と説明される(磯村哲「助機錯 誤と行為基礎一ドイツ錯誤論の発展一」『錯誤識考」(有斐貼lt 199S年)99頁)e. 17)これに閏するライヒ裁判所の判例の分析についてはt磯村・前掲脚注16,89頁以下,鹿野 菜穂子「f動機錯誤』の効薯とに閲する一考察一ドイツの判例・学説を手がかりに一」九大法 学62号.(1991年)105頁,大中宥信「動機錯誤と等価性(ユ)(2}」法学論叢ユ39巻5号(1996. 年)49頁,141巻5号100頁(以下,「大中・等価性(1}(2)」とする。)参照。 18)BGB313条 [行為基礎の障害] 「(1}契約の基礎になっている皐情が契約締詰の後に著しく変更した場合で,仮に当事者が.. 当該変更を予見していたなら,契約を締結しなかったか,または異なった内容で以って契約 を締詰しただろうという揚合には,個々の具体的ケースのあらゆる事情,とりわけ契約上な いし法律上のリスク分配を考慮に入れて,契約を変らずに維持することが一方当事者に期侍 135.
(18) 枇浜回際経済法学第i7巻第1号(2008年9月) され特ない限E) ,契約の適合は硝求され得る。. (2)契約の基礎になっている本質的な観念が誤りであると明らかになる場合には,事情の変 更と同様である。. (帥契約の巡合が可能ではないか,または一方当平者に期待できない場合には,,不利益を被. った当那者は,契約を解除することができる。継続的契約閲係に対しては,解除権の代わり に解約告知柿が生じる。」 19)本稿では,Anpa§sungを「適合」と訳出する。「適合」と訳出するものとしては,飯島紀II召「事. 情変更の効釆としての契約の適合と解消」東京都立大学法学会雑誌35巻1号(1994年)127頁,. マフレッド・ヴtルフ/松尾弘訳「ヨーロッパ契約法における意思の蝦疵および意思決定の 自由に対するその他の妨害」『ヨーロッパ統一契約法への道」(法目t文化社,2004年)131頁, ディーター・ライボルト/円谷峻訳『ドイッ民法総論一設例・設問を迎じて学ぶ一」(成文堂, 2007年)465頁。出典の明記は捌愛させて頂くが,それ以外にも「調整」,「修正1.「改訂」,. 「適応1という訳語があてられている。. 20)円谷峻「ファヴt一ル・コントラクトス(契約の尊重)」『好美清光先生古希記念論文集現 代契約法の展開』(経箭法令研究会,2000年)。円谷教授によれば、「ファヴt一ル・コント ラクトスとは.当]1曙が契約の維持を志向するなら,たとえ障害があってもなるべく契約を. 維持t存続させていこうとすることである。」と説明される。また、この考え方は,突然変 異的に発現したものではなく,明示的ではなくとも「これまでの契約法における判例または 学説等を通じた展開の中に見いだすことができる。」と述べられている。. 21)法文の訳は華者の手による仮訳であるeラテン語の原文は,RKrUger/T. Momrnsen; Corpus luris Civilis, VoL pr, Ins趾磁ones/Digesta, Weidmann,1973および, R K鳶ger/T Mornmsen, Corpus luris Civilis, Vel, sec, Codex 1ustiniantts, }Veidmann,1967を用いた。また,. ザ u − タ 芋i;語への訳出にあたっては,春木一郎『ユーステil一ニアーヌス帝学説彙纂HPΩTA』(有 斐閣.1938年).江南義之訳rr学説薬麹の日本語への翻訳1伯桃書房.1991年).江南義之訳 「『学説彙纂』の日本語への翻訳日{信山社,1992年).Okko Behrends, Roif lmtttel, Berthold Kupisch, Hans Herm甜nn Seiler, Cor〕tts Ittris Civilis Text und Ubersetzung ll Digesten1−1{},田. Digestenll−20, W Digesten 21−27,1995,1999, 20esを参考にした。ただし,訳語・訳文は必ず. しも邦語文献のものとは一致しない。 22}周知のように,「法律行為」という概念はローマの時代にはなく,Nettelbladt(1719−1791) に由来する。同人はt法律における行為論(Lehre von acttis iuridicus)を以ってt現代の法 推行為(Rechtsges面誼)の概念を形成し,「一般行為誰に法律における諸行為を包含せしめ,. そ札を諸権利および諸義務を紐み合わせる,または諸権利および諸義務を生み出すないし生 み出さない人{lllの合法的な諸行為(iacta hominlim licita qtiae inra et obligationes concerntnL sive iura et obligati。nes・pr。ducant, sive n on)と定義づけている」とされる(Schermai購Die Bestimmling des we$enfiichen lrgtlms von den{G]essatoren bis zum BGB,2eoe, S.287)。. 23}マックス・カーザー著/柴田光蔵訳『ローマ私法概説」(創文社,1979年)89頁。同旨,船 m享二『ローマ法 第二巻私法 第一分冊 総論・鞠権」(岩波牲店,1969年}287頁。 24)船田・前掲麗注23,287頁白 136.
(19) 双方錯誤の歴史的考察 25)Upianus, D,ユ8,1, 9, pr.. 「売買において,合意が介在しなければならないことは公然である。のみならず.胱λ自体 において,価格において,あるいはそのほかのことにおいてt当事者が合意しないならば, 賠入は不完全である。かるが故に、私がCorneliusの土地を買うと看倣し,汝がSempronius. の土地を私に売ると看倣す場合には,客体において我々は合意していないのだから,購. 入は無効である。以下の場合も同じである。即ちT私がStichusを売ると看倣し,汝が Pamphiliusを存在しないたもかかわらず,売ると看倣す場合である。なぜならば客体にお いて合意がないとき,購入がないことは明白であるのだから。」 26)学説集成や学説類集とも訳される。. 27)上村一則「酷萄酒売買における本質的錯誤論の機能」法政研究70巻4号{2004年)1015頁。. 28)カーザー/柴凪前掲脚注23,89]臨 29)Domitius Ulpianus(170?−228)は,学説漿纂の中でも最も引用が多い法学者である。創造. 的学風の学者ではなかったが「先人の業績を体系的に説明する点に特徴を発揮し,後世に稗 益するところがおおきかった」といわれている(戸倉廣「古典期ローマ法学者の群像」国士 舘法学創刊号(1968年}119頁,121頁)。 30)Mpianus, D.18,1,14:. 「しかし,素材および品質において両者が錯誤していた場合はどうであろうか?たとえば. 私は私が売るものを金と看倣し,汝は汝が買うものを金と看倣すが,実際は青銅である場合 のように。またtたとえば.複数の共同相続人が,金と言われていた腕輪を.価格を吟味して,. 共同相続人の一人に売り,そして,大部分が背銅であると明らかになった揚合のように。(日. 的物が)幾ばくかの金を含んでいたが故に,売却は確定している。というのはtある物が金 メッキをされていたならば,私が金製のものだと看倣すといえども,売却は有効であるのだ から。それに対して,金であるとして,青銅を売却するならば,売却は宥劫ではないe」 31)Publius Salvius lulianus(169年以前没)は,政治的には,法務官、財務官.執政官などの高. 職に選任され,学者としては、サビヌス学派の学長となり,対立学派のプロクルス学派を打 ち破って学界を統一したとされる(戸倉・前掲脚注29.139頁)。 32)Illlianus, D.18,1,41,§1:. f汝が故意ではなく銀で覆われた食卓を何も知らない私に全体が銀の机として売った。購入 は無効であり,そしてt金銭はその価値で以って与えられたのだから,不当利得による返還 が要求される。」 33}Lucius Ulpius Marcellus〔166年以後没)アントニヌス・ビウスおよびマルクス・アウレリウス・. アントニヌス帝の法律顧問の一貝(戸倉・前掲脚注29,146頁)。. 34)embammaとは,複数の種類があるところの「主成分である酢に,蜂蜜・オイルなどを混ぜ, さらに多種類の香辛料を加え,焼肉・野菜サラダ等に使用するビネガーソース」と説明され る(上村・前掲脚注27)。 35)上村・前掲脚注27t 1035頁。また,同論文ではUlpianus, D、18,1, 14の腕翰に含まれる金の. 量については「どの程度の丑かは明らかではないがある程度の量が必要と解するべきであろ う。」と説明されている(同1040頁)。 137.
(20) 杣浜国際経済法学第17巻第ユ・号(2008年9月) 36)Marcianus, D.1Sr l,45. 「Labeoは死後にまとめられた著書で以下のように署述している。即ち,ある者が仕立て直 された茄物を新品の着物として購入した場合,Trebatiusによる見解は,買主が仕立て直さ れた諮物だと知らずに買ったならば,買主に利益が賠償されるべきだというρPomponiusも この見解を認めており,Iulianusも同様に,以下のように述べて.この見解を支持している。. 即ち,売主がそのことを知らなかった場合には,物自体の価殖で責任を負いt売主が知って いた場合には,そのことから生じる損害の価仙で責任をも負う一たとえば,ある者が真鐘の 器をそうと知らずに金の器として売却したならば.その者は自らが売った金を供給するよう 義務付けられ.るej. 37)この問題については,上村・前掲脚注27,1034頁以下参照。 38) 月}ミ旺vgi吉 『ロー一マf去一改霞丁一」 {オ『斐|81, 1955ゴF) 173頁0. 39)勝田有恒/森征一/山内進・前掲脚注13,25頁(屋敷二郎執準)。・ 40〕falsa demonstratio non nocetについて,現在のドイツの代表的註釈書では以下のように説明. されている。即ち,BGB133条(およびウィーン売買条約8条1項)から,意思表示の解釈 に際して,そしてもちろん方式規定に服する意思表示の場合にも(BGBユ25条),第一に表 意者の現爽の意思力珊淀されるべきであるということが詰論されるべきであ1,,契約を評価. するにあたって,外部のあらゆる間接那実から,当事者が実際に合意(Kramerがいうには 「自然な」合意}に至り得たであろうことが明らかになる場合には,当事者が客観的に「問 迫った」表記をその表示において選択したかどう’かは重要ではない,とされる(Mlincher Kommentar zum Bijrgerlichen GesetZbuch, Bd.1, AT.,1. Halbband:§§1−240・ProstG,5. Auf1.,. §119 RdNr. 60)。またtわが摺でfalsa demonstratio non nocetを論じるものとして,小林一. 俊「契約における合童と誤表一「誤表は害さず」について一」・前掲脚注5,560頁以下参照。 参考までに,謹明中の条文を以下に掲げる。. BGB133条[意思表示の解釈] 「意思表示の解釈に捺しては,現実の意思が探求されるべきであり,表現されたものの文字 通りの意味に拘泥してはならない。」. BGB125条[方式欠如に基づ一く無効]. F法律行為は,法律によって規定されている方式を欠いていると,無効である。法律行為に よって定められた方式の欠如は,疑わしい場合には,同じく無効という結果になる。」. ウイーン売買条約8条 . ・. 「(1〕この条約の適用上,当事者の一方が行った言明その他の行為は,相手方が当該当事者. の一方の意図を知り,又は知らないことはあり得なかった場合には,その意図に従って解釈 するe」. (ウィーン売買条約の訳は,外務省のウェプサイトに掲載されている第169回国会(平成20 年常会}へ提出された公定訳を用いた。http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/ treaty169_5.pdf) 41)Wieling, Die Bedevtung cler Regel,,falsa demonstratio non’nocet “ im Vertragsrecht, AcPユ72,. S298f. Wielingによれぱ,∫alsa demons匙ratio原[111は,ローマ法源においては,第一に.迫剛に. 138.
(21) 双方錯誤の歴史的考察 のみ閲係しており,遺1噌される対象を定める場合に,聞違った付加的な表記は害にならないこ とを意味したとされる(Wieling, Falsa Clemonstratio non noceL jura 1979, S,527)。たとえば,. 遺言者が,特定の土地を「私はXから贈与されてその土地を受け取ったのだが」と付言して遺 贈した場合.遣言者が現集にはその土地をYから購入していたとしても.何ら害にならないと 説明される(Wileling, a.a.O.)。加えて.「誤った表記は,現実に意欲したこと(Gewollte)が表. 示自体から明らかになった場合にのみ無害であった」とされる(Wieling, Die Bedeutung der Regel,,falsa demonstratio non nocet“ im Vertragsreelit, AcP 172, S298)eこれについての群細 は,Wieling, Falsa demonstratio, condicio pro no皿scripta, condicio pro impleta im rOmischen TestamenL Savigny−ZeitSchrift, Remanistische Abteilung, Band 86(1970),S.197−212参照。. 参考までに,以上と関連するローマ法源における誤表(falsa demonstratio)の法文を以下に 掲げる。 Gaius, D.35,1,17, pr. 「誤った表示は,あたかも以下において書かれるが如く,存在する。即ち,『奴隷Stichusを (遺賠する).その奴隷を私がTitiusから買ったのだが』,『Tusculanusにある土地を(遣贈 する),その土地はSeiusによって私に与えられたのだが]、と。もちろん,どの人およびど. の土地に闘して避言者が考えているか確定しているならば.避言者が買ったと表記していた 奴隷が(実は)与えられたとか,または自らに与えられたと表記していた土地を(実は)購 入していたとしても,正要ではない。」 Gaius, D.35,1,17,1. 「それゆえ.『料理人たるSticl川sを』, F靴職人たるStichusを私はTitiusに遺贈する』とい. うように奴隷が遺贈される場合には,奴隷は料理人でも靴職人でもないにもかかわらず.そ の奴隷のことを避言者が考えていたと明らかになる場合,奴隷は受遺者のものになるであろ う。なぜなら.遺言者が.受遺者の人を表示することに閲してあることを誤解していたとし ても,しかし,遺言者が遺贈しようとLた者にとっては,錯誤がなかった場合のように,避 贈が有効であるのは確定しているからである。」 Marcianus, D.35,1,33, pr.. 「誤った表示は,受遺者の害にならないしt信託受遣者の害にもならない。また,たとえば,. ある者が兄弟,姉妹,孫,または任意の他者を指定する場合のように、相続人の指定の害に もならない。このことは,以上のように,市民法の学説と神君SeΨerusおよびAntoninusの 勅法によって保証されている。」 42) たとえば,Savigny, System des heutigen r5mischel1 Rechs, Bd,皿,1840、 S,305f,. 43)前367年に執政官(consul}の下級同僚政務官(magistratus)として設置された。前242年 に外国人と・ローマ人の事件に対応するために外人系法務官(praetor peregrius)が追加された。. その後,前者は市民系法務官〔praeter urbanus)と1呼ばれるようになった。. 44)佐藤篤士『ローマ法史ll 1{敬文堂.1988年)143頁。第二段階の審判人手続で,実質的な 辮理が行われて,勝訴判決が必ずどちらかに言い渡され,それは上訴のない最終の判決であ ったと言われる(同頁)。. 45)J・ブライケン/村上淳一/石井紫郎訳『ローマの共和政』(山川出版社,1984年)191買。 139.
(22) 横浜国際経済法学第17巻第1号{2008年9月) 46)プライケン/村上/石井,前掲脚注45.同頁。 47)Africanus, D.2,1, IS. 「もしある者が,裁判管轄があるのとは別の法務官が裁判をすると合意し,そして,その法 務富が裁判を請われる欝に,意思が変更された場合には,何者もそのような合意に拘束され ることを強澗されなVのは疑う余地が無い。」 48)春木一hl鱒士の霰1ま据文(R Krifger/T. Mommsen)にない言葉を補ってt明瞭に共通の錯. 誤であることを示Lている。「当事者双方が甲法務官の前に出頭せんとしたるも錯誤に因り 乙法務言の蒋江鎚頭Lたるときは既に実行せられたる訴訟手続は無効たるべし。此の場合に 何人と藁も当事者が特定の裁判官に付て合意したりと言ふべきものに非ずなんとなればユーa. リアーヌス寮謹けるが如く凡そ錯誤者間には合意の存するなく.合意と相容れざるものは蓋 し不紐を蕊彗する錯誤を以て最とすべければなり。(旧漢宇は常用漢字に変更}」儲…木・前 粥馨注聾.王弱蚕) 49}本文仁蓑謹た珪文以外にも共通斜『誤の法文として,勅法彙纂(codex)の第4巻第22章(外見上 理解さ義毒ことよ})も,為される;との方が一溺宥効である)第5法文を挙げる学者もいる(た とえ{莞藪蕎臼醐5e叫ErOrtrungen aus de」m ObUgation{…nrecht, Hef12. Ueber die Ha血mg der. Cer翻eE’ bel der Abschliessung von Sehuldvertrttgen,1879, S.110やNartinann, Wort u皿d. 覇ii蛋m鯨恒ε謀e坑Jahrb. Dogm.20, S.45)。それは以下のような法文である。 £,4,註毒. 「あ垂者琵舞華の売買文書を作成して,汝に,あたかも汝が作成することを依頼した賃貸 舷契義奪文書であるかのように,署名することを勧める場合,(相手を)信じて,汝が(そ れを]読ま毒書づたとき,どちらの契約も,両方の場合にどちらか一方の合意が欠けている ので、塞茎iLな妻づたことは疑問の余地が無い。」. し!かL堂孝ら.≦}eftmannによれば当該法文は,共通錯誤の法文ではないとされる。 H置r撫章雛ら黍主蒋当事者が賃貸借の文書作成をある者に依頼し.文書作成者が誠実に賃 貸鐸契麹書を藷蓮Lたと信じて,それを読まずにt文{射乍成者の作成した売買契約書に署 名する蟄套妄窪定Lて.その場合に当該法文によれば契約は無効になるとしている。しか. し,G舗m羅韮註.薄方の契約に関して意思の一致が存在しないことが問題であるとして いる。珂1ち.ある者が賃聾借契約の文書作成を依頼して,相手方が売買契約の文書を作成 してtそのあ基者蔓;饗名させる場合,賃貸継契約に関しても,売買契約に閲しても,意思 の一致は存在せず,盤って無効になるのだという(Oertmann, Doppelseitiger Irrtttm beim VertragschlUSSC−,.」≧P 1ま7聾鐘, $.286f; Anrn.13)。適切だと思われる。. SO〕たとえ IS・上記的奮董P{a丑us法文(D.18,1、14)とlulianus法文{D.18,1,41,§1)を参. 照・後期普通法のPtffei二おy・Z R』nllardは、この別首について. Ulpianus法文の腕. 韓の事例を無視して(Lか;f素材および品質において両者が錯誤していた場合はどうで あろうか・… もし・’金であるとして,青銅を売却するならば,(売却は)有効では ない:・QUid tamen dicemus, si ’m mater」a e亡qualiiate amb・errarent.,.si..ae$.pr・aur・ve皿eat. non valet), Iulianus法文と同列に置き,黙示的に条件とされた性状の錯誤としている(R. Leonhard, Der lrrthum bei nichtigen Vertrtigen nach rtimischem Rechte,1883, S.385)。 工40.
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