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教科教育とコンピュータ (課題研究グループ 活動報告)

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Academic year: 2021

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教科教育とニコン1二でユ-タ

「教科教育におけるコンピュータ」研究グルーブ

1. はじめに 新学習指導要領がノJ\学校は平成4年度,中学校は平成5年度,高等学校は平 成6年度から実施されることになりましたが,これらの中では,周知の通り社 会の情報化に連動した情報教育の推進が大きくうたわれています。 現在,各校 種において,また各教科において,情報教育の手段として中心となるコンピュ ータを教育方法として利用したり,コンピュータを教育内容そのものとして指 導する授業実践について,いろいろな試みがなされています。 兵庫教育大学教科教育学会ではこのような背景のもとに,「教科教育におけ るコンピュータ」研究グループを発足することになり,平成5年6月15日に初 会合を行いました。 参加資格は本学全会員でありますので,これを機会に興味 のある方(教官,大学院生)に対して広く呼びかけ,そして参集して頂きまし た。なお,この研究グループの事務局には,言語系教育講座の堀江祐爾先生に お願いすることになりました。 2. 活動内容 第1回(6月15日)の会合では,参加者とコンピュータとのかかわりやコン ピュータに関する教育実践,情報教育観などについての討論会を行いました。 そこではコンピュータを使って授業を行う,コンビュ. -タの教育研究への利用, コンピュータを用いて教育資料をデータベース化するなど,様々な立場からの 話題が提供されましたが,今後それぞれの教科教育とコンピュータとの関係に ついて,さらに本研究グループで追究していけばということで参加者の意見が 集約されました。 そこで第2回以降は,参加者の教科専門という立場から,各教科における 「教科教育とコンピュータ」という題のもとに研究会を重ねていくことになり ました。 具体的には,第2回を7月13日に理科・美術,第3回を9月21日に社 会・技術,第4回を10月26日に国語・数学,という順番で担当することになり ました。 これら各教科の発表内容につきましては,次章以降1頁以内にまとめ て頂きました。 (紙面の都合上,美術科は数学科の後ろに掲載しました。 )

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コンピューターの利用は物理的設置状況で分ければ職員室における利用と教 室における利用に分けられます。 職員室における利用ではアプリケーションの 利用が主になっており,ワープロ,表計算,データ-ベースの利用がされてい ます。教室における利用は以下に示すようなものが考えられます。 例えば,時間をかけてよく検討されたコースを利用し教師の代わりに生徒に 資料や設問を与えながら,学習を進めていくチュートリアル形式の利用,学習 後のまとめとして生徒に問題を与え解答をさせるドリル形式の利用,或いは, 教材提示装置として資料を画面に映したり,夜空の星など観察が困難なものを 時間を短縮して見せたり,立体的な図や動画を挿入するなどして,生徒が理解 しやすいように表示するシュミレーションなどがあります0 また,測定器とし て実験中の温度変化を自動測定し,グラフも同時に書けるといった使い方や落 下速度の測定など測定の簡略化などにも利用できるものと思われます。 そこで,実際に全国の小学校において,どのような形態でコンピュータが活 用されているのかについて質問紙調査を行ないました。 その結果,以下に示す ようなカテゴリー分類が可能であることが明らかとなっています。 理科におけ るコンピュータ活用事例は,ツール学習(A)とCAI学習(B)に大別され ます。そして,それは,さらに下記の図に示すような特徴を持った活用法が取 られています。 詳細は下段注の論文を参照してください。 なお,中学校につい ては現在調査,分析中です。 ・二A .一-一蝣・*"9育 三ii」 ). _--」 =IT腎 注)高峯正一,松本伸示(1993),小学校教科学習におけるコンピュータ活用事 例の分類,日本科学教育学会『科学教育研究』Vol.17No. 4pp.198-209 (自然系教育講座松本伸示,大学院生冨田茂夫,附属中学校秋吉博之)

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社会科教育のソフトウェアとしては,ワープロ,グラフ作成,図形作成,表 計算などの機能を有するツール的性格と学習内容の説明や学習活動の指示によ って学習が進行されるコース的性格に分類される。 そして,本年の研究活動で は,種類の豊富なアメリカ社会科のコース的性格のソフトウェアを取り上げ, それらを学習者の社会事象に関する知識への学習的関与の観点から,以下の4 性格に分類したのである。 ①社会事象に関する手続き的知識の反復的利用を意図するソフトウェア。 こ の性格のソフトウェアは,学習者が社会事象に関する手続き的知識を利用して 社会科学習に関連する技能を習得する為に活用されている。 このようなソフト ウェアとしては,読図,社会事象に関する表・グラフの読解と作成の技能を, ゲームや実例によって学習していくものがある。 例えば,TREASUREISLANDS/ THELANGUAGEOFMAPSSERIES/EXPLORINOTABLESANDGRAPHSなどがあるO②社 会事象に関する構造化知識の検索を意図するソフトウェア。 この性格のソフト ウェアは,学習者が特定の社会事象に関する構造化知識を蓄積しているデータ ベースから学習目的に対応する知識を検索する為に活用されている。 このよう なソフトウェアとしては,社会事象に関する基本的事実や地図などのデータを 学習者の検索要求に応じて提示するものがある。 例えば,ATLAS/MAPPACKなど がある。 ③社会事象に関する構造化知識の習得を意図するソフトウェア。 この 性格のソフトウェアは,学習者が社会事象に関する構造化知識を学習の到達点 として習得する為に活用されている。 このようなソフトウェアとしては,世界 の諸地域やアメリカの地理・歴史・政治などに関する事実的知識や経済学及び 法学などの概念的知識を,ゲーム・スモールステップ・概念定義・ケーススタ ディなどによって学習していくものがある。 例えば,HISTORYANDGEOGRAPHY/ CAPITALS/THEU. S. CONSTITUTION/ECONOMICSなどがあるo④社会事象に関する手 続き的知識と構造化知識の活用を意図するソフトウェア。 この性格のソフトウ ェアは,学習者が社会科に関連する技能を習得し,社会事象に関する構造化知 識を発展させる為に活用されている。 このようなソフトウェアとしては,鉄道 や道路付設・農業生産・冒険旅行などのシミュレーションやデータファイル活 用の探求方法によって学習を進めていくものがある。 例えば,HILLRAILWAY/E LECTIONSIMULATION/U. S. HISTORYDATABASEなどがある。 (社会系教育講座中村哲)

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技術科教育では,コンピュータを教育方法として利用する場面と,コンピュ ータそのものを教育内容面として指導する場面の2つが考えられますが,ここ では技術科教育全体にかかわっている前者についてまとめてみることにします。 すなわち,コンピュータを教育方法として利用する場面の内容と具体例を, 「木材加工」領域を例にとって示しますと,次のようになります。 ○知識・情報の伝達--整理された知識・情報の系統的・連続的提示 (具体例)・木材の組織や諸性質を種々の資料を用いて解説する。 ・投影図の考え方や描き方を図などを用いて説明する。 ・工具や機械の正しい使い方,起こしやすい誤りの例を 提示する。 ○現象のシミュレーション・-・・認識し難い現象の提示,危険を伴う現象の演示 (具体例)・木材のもつ特性をモデルを用いたシミュレーションで 示す。 ・木材切削上の各種現象をシミュレーションで示す。 ・塗装や接着剤による接合の現象をシミュレーションで 示す。 ○実験・実習の支援--・実験・実習方法の提示,データ処理,データの客観化 (具体例)・強度試験の方法や実習方法を提示する。 ・実験データを図,衷等により客観化して表す。 ・立体を任意の方向から見た場合の図形を得る。 ○設計・製作の支援--・設計・製作の手順の提示,基礎データの提示 (具体例)・構想図から,目的とする組立図,部品図などを得る。 ・加工した材料のデータをもとにして,その修正方法を 示す。 ・進度や評価をチェックし作業工程を把握する。 ○情報の検索--必要とする情報の提供,情報の加工 (具体例)・木材の性質や利用に関する資料を提示する。 ・製作晶のデザインや材料についての諸資料を提供する。 ・加工や塗装に関する基礎資料を提供する。 *資料:『情報教育ハンドブック』 (生活・健康系教育講座宮川秀俊,附属中学校久保忠)

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以下は,課題研究グループの勉強会で,言語系院生の藤田高弘氏が課題研究 を元に発表された内容をまとめたものです。 国語科教育におけるコンピュータ活用と言った場合,コンピュータを用いて 文章を作成・編集する方法などの操作能力を身につけさせる面と,言語生活に おいてそうした操作能力を実際に活用させる面とがあります。 前者だけでは本 当の意味の言語の力に結びついてきません。 コンピュータを活用することが人 間の言語生活にどのような意味があるのかを考えさせた上で,この両方を教え ていく必要があるのです。 つまり,前者と後者とを結びつける概念の研究が必 要となります。 そこで,藤田氏の研究では,「情報活用能力育成」の基礎研究 として,コンピュータの活用が人間の言語生活にどのような影響を与えるかを 学習者にとらえさせるための「枠組み」を整理しようとしました。 まず,コンピュータを活用するための情報活用能力を身につけるということ の国語科教育における意味を,「言語生活の主体である学習者が,言語生活に おいて,主体的に適切な判断を下したり,言語活動に関する意思決定をするこ とにより,言語を通して<理解><表現><思考><コミュニケート><創造 >をおこなうことができるようになることである」と定義しました。 そして,中学校における授業の中から生み出された生徒の意見を整理するこ とにより,次のような「枠組み」を導き出しました。 〔人間とコンピュータとの関係を把握するための枠組み〕 A(人間が)考える Bl(コンピュータが)変えるB2(人間が〕変える C1(コンピュータが)覚えるC2(人間が)覚える Dl(コンピュータが)書くD2(人間が)書く El(人間が)こころに感じるE2(人間が)からだに感じる Fl(コンビュ-タが)動くF2(人間が)動かす G(人間が〕持つ 〔コンピュータ(ワープロ)活用の可能性と未来像をさぐるための枠組み〕 A書くD(言葉を)調べる B(言葉によって)伝えるE動かす C(言葉を)覚える(言語系教育講座堀江祐爾)

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○数学科の授業における効果的なパソコンの利用 (1)技能や既習内容の習熟度を高める。 (計算ドリルなど) (2)点の連続移動(グラフ),点の軌跡,線や面の移動,回転体,立体の切 断等,図形の表示(シミュレーション) (3)統計資料の処理,模擬実験(データ処理) (4)授業内容の理解の補助機器として(チュートリアル型) (5)課題学習や選択教科(数学科)での利用(表計算,データベース,プロ グラミング) ○パソコンを利用した授業での留意点 (1)プリントや他の教育機器でできることを,時間と手間をかけてパソコン を使うことは避ける。 (2)計算過程や図形などの基本的内容・事項は,ノートにきちんと記録させ る。 (パソコンだけでの授業は避ける) (3)教師主導による利用だけではなく,生徒の自由な操作活動によって,創 造性を伸ばしたり,発見する喜びを体得できるような利用を考える。 ○今後の課題 (1)パソコンを利用したらより指導の効果が高められる領域や単元の分析を する。 (2)教材作成支援ツールの活用を図る。 (3)生徒の習熟度差に対応したプログラムの開発をすすめる。 (4)授業の一部分でしかパソコンを利用しない場合の授業の展開を工夫する。 (附属中学校久保信行) 2.6美術科教育とコンピュータ 美術科教育においては,コンピュータのマルチメディア化,インタラクテイ ヴ化によって,自己表現活動の支援,鑑賞活動の多面化などが進むことが期待 されます。 例えば,自己表現の支援においては,クレヨンから油彩まで様々な描画材の 質感をシミュレートしたり,視覚効果をもたらす表現ソフトにより,「技術プ ル-プ」な表現が可能で,表現することへの抵抗感が少なく自由度の高い表現 活動が可能になります。 しかも,素材的制約が少ないので,表現内容に集中で

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-57-このような表現作品を画像データベースとして保存することも容易なので, 後で修正,加工して表現を追及したり,検索によって,学習者相互の鑑賞に役 立てることも可能です。 表現も,平面作品だけでなく,3D作品や動画表現が可能なので,デザイン などでは,立体モデルの画面上でのシミュレーションや,物理特性から解放さ れた表現を行ったり,逆に物性的な制御を入力して,デザイン作品の問題解決 の評価によって改良,改善といった試行錯誤過程を重視した学習活動を支援す ることになります。 マルチメディア利用による情報の提示も促進されるので,美術教育関連の各 種情報を組み込みやすく,統合的な教授・学習場面が設定できます。 またビデ オ,レーザーディスクといった他のハードウェアの操作もできることで,鑑賞 活動も従来に比べ多面的になります。 コンピュータのインタラクテイヴイティ ーは,「仮想空間」を作りやすくし,従来のような情報の一方向的なものから, 学習者が個別的に,もしくは端末間のリンクを通じてグループで,その「仮想 空間」を探索しながら学習を展開することもできるようになります。 (芸術系教育講座福本謹-,附属中学校小山貞雄) 3. まとめ 各回の研究会により,教科教育におけるコンピュータの存在,その利用には 教科の目標や内容などに応じて,いろいろな面があることが示されると同時に, 各教科独自の興味深い話題が提供されました。 それを裏づけるかのように,研 究会は予定時間(午後4時30分-6時)で終わることはなく,7時以降まで延 長されることばかりで,お互いの情報交換の場としても十分な役割を果たした ように思えます0 またそこでは,現在の情報化社会の中で,コンピュータがあ るから使うのではなく,主体的に利用していくことが大事なことも度々論議さ れました。 当然のことながら,各教科の特性をふまえて,その延長線で必然的 にコンピュータを使用する,あるいはコンピュータについて指導していくこと が参加者全員の共通する考えであったように思います。 、(1,3担当:世話役宮川秀俊)

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