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高校生における自傷行為の動機と維持に関する心理過程

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Academic year: 2021

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(1)平 成20年. 度. 学位論 文. 高 校生 にお ける 自傷行 為 の 動機 と維持 に関す る心理 過程. 兵庫教育大学大学 院 学校 教育研究科. 学校教育 学専 攻. 臨床心理 学 コー ス MO6132K. 大門. 真理子.

(2) 目次 1問. 題. i)は. じ め. 的. に. ・. ・. i)自. 傷. 行. 為. の. 定. 義. 傷. 行. 為. の 概. 念. 傷. v)自. 行. 為. の. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …"●'・'●. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …. ・ の 歴. 分. 類. 史 的. 変. ・. ・. 傷 行. 為. の 機. 能. Vi)高. 校. 生. の. 自 傷. 経. 験. 率. 面)学. 校. 現. 場(高. 等. 学. 校)で. 血)マ. ス. メ デ. ix)自. 傷 行. x)本. 皿. 目. m)自 iv)自. ∬. と. 方. 研. ィ. 為. と. の 伝. 究. 法. ア. の. ・. ・. i)調. 査. 対. 象. 者. ・. 査. の. 時. 期. ・場. 世)面. 接. の. 手. 続. iv)尺. 度. v)フ. ォ. vi)分. 析 方. 法. の 手. 頭)理. 論. の. 飽. 面)分. 析. ワ ー. 結. ・. ロ ・一 一一ア. 果. ・. 為 行. と 質. 的. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …1. …1 ●. ・ ・. ・. ・. ・. ・. ●. ・. ・. ●. ●"●"●'●'4. ・. ・. …3. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. …"●6. 自 傷. 行. 為. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …6. ・. 究. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …7. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …7. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. 。. ・ ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …8. ・. ・. ・. ・. …10. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …10. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …10. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …11. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …11. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. …12. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. …12. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …14. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …14. と 概. 念. ク. シ ー. ・ カ テ. ト の 例. 行. の. 結. 果. 世)カ. テ. ゴ. リ ー. と 概. 念. ト ー. リ ー. ラ. ン. ・. ッ プ. 為. 示. リ ー ・. ・. の 概. ・. ゴ. ・. 作 ・. …. 要. 成 ・. 。. の 信 ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. 頼 ・. ・. 性 ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …. 。. ・. …16. ・. ・. ・. …16. ◎. ・. ●. ●"19. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. …. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …21. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …40. と 結. 果. 図. ●'…"●. ●'2. …2. 齢. ・. 度. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. …43. …44. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. …. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …. ・47 ・48. i)背. 景. i)発. 生. ii)自. 傷 行. 為. 前. か. ら 後. の 気. iv)や. め. る. き. っ. か. け. な. v)軽. 減. へ. の 対. 処. 班)傷. 跡. 面)考. 察. の 影. ・ の. ・. ・. i)尺. 察. ・. ・. ・. の. IV考. ・. ・. ・. 和. ア. ・. ・. ・. 者. ロv-一. ・. 年. ・. ・ ・ ・ ・ ・ …. ォ. ・. ・. 対 象. v)フ. ・. 始. 性. 研. ・. ・. き. イ. 開. ・. ・. ・. 続. ・. ・. ・. ・. ッ プ. 自 傷. ・. ・. 一. 所. ・. 遷. ・. 一. i)各. iv)ス. の. 行. ・. ・ ・. 自 傷. と 流. き. ・. ・. と. 自 傷. …. 1i)調. ・. 性. 染. 目 的. ・. ・. ま. 響(伝. ・. 染. ・. と め. 引用文献 資料 謝辞. ・. に. 性. と 流. っ. 行. 注)・. 持. ち. と 常. た. こ. と. 習. 化. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. …. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. …. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・. ・ ・. ・. ・. ・. …. と 今. 後. の 課. 題. ・44 ・46. ・49 ・50 ・51.

(3) 1問. i)は. 題 と 目的. じめに. 「自傷 行 為 」、す な わ ち 、み ず か らの 身 体 を 意 図 的 に 傷 つ け る行 為 は 、現 代 の社 会 に お い て 、 不 気 味 な 増 加 傾 向 をみ せ て い る。 これ に は 、 人 間 の 持 っ て い る痛 み を避 け 、快 を求 め る とい う基 本 的 な 特 性 と相 反 して い る性 質 が あ り、 周 囲 の 人 々 に 重 大 な 心 理 的 、社 会 的影 響 を 及 ぼ す とい う特 徴 が あ る(林,2006)。 ま た 、 「自傷 行 為 」 は 、 アル コー ル ・薬 物 乱 用 、摂 食 障 害 、危 険 な性 行 動 を は じめ とす る 様 々 な 自 己破 壊 行 動 と密 接 な 関係 が あ り、 こ う した 広 範 な 自己破 壊 行 動 の ス ペ ク トラ ム は 「 故 意 に 自分 の 健 康 を害 す る症 候 群 」(DeliberateSelf-Harmsyndrome;DSH)と. 呼ば. れ 、 い ま や 青 少 年 の 主 要 な 精 神 保 健 上 の 問 題 と な っ て い る(松 本 ・今 村,2006)。 さ ら に 、 風 野(2008)は. 、 イ ン タ ーネ ッ トが 一 般 化 し、 自傷 の 傷 口の 写 真 を公 開 して い. る よ うな 、 い か に も病 的 な サ イ トの 他 に も 、 屈 託 な く リス トカ ッ トの 体 験 を語 っ て い る プ ロ グ 、 自傷 者 同 士 が 集 ま る コ ミュ ニ テ ィが 存 在 し、 誰 もが 気 軽 に ア クセ ス で き て 、参 加 で き る状 況 に な っ て い る。 そ れ と とも に、 自傷 も ま た 、 特 別 な も の で は な くな り、 若 者 に人 気 の少 女 漫 画 や ドラ マ 、 歌 謡 曲 に も 自傷 行 為 が 取 り上 げ られ て い る も の も増 え 、 ア イ ドル が リス トカ ッ トを告 白 して も、 そ れ ほ ど衝 撃 を受 け な い 時 代 に な っ て き た 。 ま た 、 自傷 行 為 の や っ か い な 特 徴 と して 、伝 染 性 ・流 行 性 が あ り、 自傷 の 一 般 化 や 軽 症 化 の 流 れ は今 後 も し ば ら く続 くだ ろ う と述 べ て い る。 しか し、学 校 現 場 で は 、ど うだ ろ うか。 自傷 行 為 の 最 前 線 に い る の は 、養 護 教 諭 で あ る。 なぜ な ら生 徒 は 身 体 に損 傷 を負 っ て お り、 そ の 傷 の 手 当 て を求 め て 保 健 室 を 訪 れ る か らで あ る。 だ が 、 対 応 は 容 易 で は な い 。 そ の こ とは 、 ア ン ケ ー ト調 査 で 、 約7割 自傷 行 為 を す る生 徒 に"ど. の養護 教 諭が. う対 応 して い い か わ か らな か っ た"と 回 答 して い る こ とか ら も. 明 らか で あ る(松 本,2008)。 ま た 、Favazza&Conterio(1998)に 自傷 開 始 年 齢 の 平 均 は14歳. よ る と、初 め て の 自傷 の好 発 年 齢 は13∼23歳. で、. で あ る。そ の 時 期 の 多 くを過 ごす 場 所 が 学 校 で あ る 。学 校 は 、. 自傷 して い る生 徒 た ち に どん な援 助 が で き て い るの か。. 1.

(4) 五)自 傷 の定義 本 研 究 で は 、 自傷 を 以 下 の よ うに 定義 す る。 「自傷(self-injury)」. とは 、 意 図 的 に 、 み ず か らの 意 思 の影 響 下 で 行 わ れ る、 致 死 性. の 低 い 身 体 損 傷 で あ り、 そ の行 為 は社 会 的 に 容 認 され る も の で は な く、 心 理 的 苦 痛 を軽 減 す る た め に行 わ れ る(Walsh,2005)。. 血)自 傷行為の概念の歴史的変遷 自 ら の 手 首 を 切 る 自 傷 行 為 は1960年 な り、GraffandMallin(1967)が. 代 か ら70年. 代 の 欧 米 で 多 発 して 注 目 され る よ うに. 、thesyndromeofthewristcutterと. い う臨床 単 位. を 提 唱 し 、 致 死 的 で な い 手 首 自傷 を 繰 り 返 す 若 く て 魅 力 的 な 女 性 患 者 の 一 群 の 存 在 を 報 告 し た 。 そ し て 、R・sentha1,Rinzler,WallshandKlausner(1972)は 傷 症 候 群(Wristcuttingsyn(lrome;WCS)と (1975)は. 、WCS患. い う名 称 を あ た え た 。 そ の 後 、Weissman. 者 の 大 半 が 他 の さ ま ざ ま な 身 体 部 位 を 自 傷 し、 ま た 自傷 が 女 性 に 多. い 現 象 で は な い こ と を 明 ら か に し、WCSと そ し て 、Morgan(1976)は DSH)と. い う疾 患 単 位 自 体 に 否 定 的 な 見 解 を 出 し た 。. 、「 故 意 に 自分 の 健 康 を 害 す る 」症 候 群(deliberateself-harm;. い う 臨 床 単 位 を 提 唱 し 、 身 体 を 直 接 傷 つ け る 行 為 だ け で な く 、 過 量 服 薬(Over. dose:OD)や 一 方. 、 この一群 に、手 首 自. 物 質 乱 用 ・依 存 も 含 む 広 範 囲 な も の と し て 理 解 さ れ る よ う に な っ た 。. 、Gunderson(1987)が. disorder;BPD)の. 、 「自 傷 と は 境 界 性 人 格 障 害(borderlinepersonality 一 症 候 に す ぎ な い 。」 とい う考 え 方 を 提 唱 し た の を は じ め 、 自傷 行. 為 が 独 立 し た 症 候 群 で は な く 、 他 の 精 神 障 害 の 一 側 面 に す ぎ な い と い う見 解 が で て き て 、 DSM-IVに. お い て 自 傷 に 言 及 した 診 断 は 、 わ ず か にR軸. し か し 、1980年. 代 後 半 以 降 、 自傷 行 為=BPDと. た 。Favazza&Conterio(1989)は. DisorderNotOtherwiseSpecified」 リー で あ る 一 と い う1軸. み とな っ た 。. い う と ら え方 に 反 駁 す る研 究 者 が で て き. 、 自傷 患 者 の う ちDSMの. の は 半 数 に す ぎ な い こ と を 根 拠 に 、 自傷 を. 障 害 で あ るBPDの. 診 断 基 準 を持 続 的 に 満 た す も. 「 特 定 不 能 の 衝 動 制 御 の 障 害Impulse-Control. 一 抜 毛 症 、 間 欠1生爆 発 性 障 害 、 窃 盗 癖 と 同 じ カ テ ゴ. 障 害 と して 治 療 対 象 と す べ き で あ る と 主 張 し た 。 こ の よ うに 、 海. 外 に お い て も 、 自 傷 の 概 念 と精 神 医 学 に お け る位 置 づ け は い ま だ 不 明 瞭 で あ る(松 口,2006)o. 2. 本 ・山.

(5) 目本 で は 、 西 園 ・安 岡(1979)が. 、 わ が 国 で 最 初 に 手 首 自傷 症 候 群 を紹 介 した。 多 くの. 精 神 科 医 や 心 理 療 法 家 は 、 彼 らの論 文 の影 響 を受 け て 自傷 患 者 の 治 療 を行 っ て き た と思 わ れ る。 しか し、 欧 米 に く らべ 、 わ が 国 で は 実 証 的 な 研 究 は少 な く、 研 究 に限 っ て言 え ば 、 大 幅 に遅 れ を と っ て い る。 定 義 に 関 す る コ ンセ ン サ ス は 存 在 せ ず 、 一 般 人 口に お け る 自傷 経 験 率 な どの 基 本 的研 究 も極 端 に少 ない の が 現 状 で あ る(山. 口 ・松 本 ・近 藤 ・小 田原 ・竹. 内 ・小 阪 ・澤 田,2004)。. iv)自 傷行 為 の分類 過 去 何 十 年 もの 長 年 に わ た り、 多 数 の 方 法 に よっ て 、 自傷 の 分 類 が 試 み られ て き た 。 そ の 中 で も、 最 も受 け 入 れ られ て き た の は 、Favazzaに 年 以 降 、2001年. よ る も の で 、最 初 に発 表 され た1987. ま で 少 しず つ 進 化 を遂 げ て き た(Walsh,2005)。. Simeon&Favazza(2001)は. 、 自傷 行 為 を 自傷 の類 型 、 自傷 に 関す る組 織 損 傷 、 生 物 学 的. な 問 題 との 関 係 、 そ の 行 動 の 出現 頻 度 とパ ター ン 、 そ の 行 動 と関連 す る精 神 医 学 的 診 断 に 基 づ き 、 以 下 の4つ の カ テ ゴ リー に 分 類 して い る。 ①. 「 常 同 型 自傷 」 は 、精 神 遅 滞 、発 達 障 害 、 自閉 症 を 呈 す る も の にみ られ る 。頭 をぶ つ. け た り、自分 を噛 ん だ りす る とい うよ うな行 動 を 指 して い る。極 端 に 高 頻 度 に行 わ れ る とい う点 、 固 定 化 され てお り、心理 的 な 内 容 を持 た ず 、単 に外 的 な 力 で 突 き動 か され て い る とい う点 で 、 他 の タ イ プ と異 な っ て い る。 ②. 「 重 篤 型 自傷 」 は 、精 神 病 と関 係 す る も の で 、結 果 的 に か な り深 刻 な 身 体 損 傷 を も た. らす こ とが 多 い も の で 、中 に は 致 死 性 が あ る こ と も あ る。例 え ば 、 自分 の 眼 球 を く り抜 く、 自分 の 四 肢 を 切 断す る とい っ た も の で あ る。 ③. 「 強 迫 型 自傷 」 は 、抜 毛 、皮 膚 をむ し る、爪 か み な どを 指 して い る。 抜 毛 症 や 常 同性. 運 動 障 害 、強 迫 性 障 害 と関係 が あ る。 こ の行 動 は 、強 迫 的 行 動 の 一 部 と して み られ る こ とが あ り、儀 式 的 行 動 に な っ て い る場 合 も あ る。 ④. 「 衝 動 型 自傷 」 は 、 自分 の 皮 膚 を切 る ・焼 く、 自分 を 殴 る な ど の行 動 で 、境 界 性 パ ー. ソナ リテ ィ 障 害 、反 社 会 性 パ ー ソナ リテ ィ 障 害 、外 傷 後 ス トレス 障 害 、摂 食 障 害 と関係 が あ る 行 動 で あ る と した 。こ の カ テ ゴ リー は 、挿 話 性 お よび 反 復 性 とい う下 位 カ テ ゴ リ ー に 分 類 す る こ とが で き る. 。. 3.

(6) 挿 話 性 とい う表 現 は 、そ の行 動 が 非 常 に よ く起 こ る とい う意 味 で あ る。挿 話 的 に 自傷 す る 者 は 、 そ の 行 動 に つ い て 深 く考 え 込 む こ とは な い 。 た だ 、 気 分 を よ くす る た め に 自傷 して 、 苦 痛 に満 ち た 考 えや 感 情 か ら速 や か に 一 時 の 安 ら ぎ を 得 た り、 自己 コ ン ト ロー ル の 感 覚 を と りも ど した りす る。 反 復 性 の タ イ プ は、 自傷 は 心 の 中 を大 き く 占め る一 種 の と らわ れ の 様 相 を 呈 して 、あ た か も 嗜 癖 と して の特 徴 を 帯 び る よ うに な り、 そ の 人 の ア イ デ ン テ ィテ ィ の感 覚 と一 体 化 し て い る。 心 を か き 乱 す 様 々 な 内 的 ・外 的 な 刺 激 に対 して 、 ほ と ん ど 自動 的 な 反 応 と し て 自傷 が行 わ れ る よ うに な っ て い る。 こ う した 状 態 は 、 青 年 期 か ら始 ま っ て 、 十 数 年 に わ た っ て 続 くの が 典 型 的 で あ る。. しか し、これ らの 定 型 化 に あ て は ま らな い 自傷 者 も 多 く、「 強 迫 型 自傷 」と 「 衝 動 型 自傷 」 の 区 別 は 、 必 ず し も 明 確 で は な く、 流 動 的 に 変 遷 した り、 同 時 に 存 在 す る こ と も あ る (Walsh,2005)。 ま た 、 そ の 一 方 で 、 近 年 、 自傷 の 新 しい 一群 が 登 場 して い る。 生 活 機 能 の 障 害 が 少 な い に も か か わ らず 、 習 慣 的 に 自分 を傷 っ け て い る とい う不 思 議 な 人 た ち で あ る 。 もち ろ ん 、 こ の 一 群 に な ん の 問題 も な い とい うわ け で は な い が 、 医療 機 関 の調 査 で 述 べ られ て い る 自 傷 者 に比 べ る と、 生 活 機 能 の 障 害 は ず っ と軽 い 一 般 の 中 学 校 、 高 等 学 校 、 大 学 の 生 徒 や 学 生 で あ り、 こ の 群 に っ い て 詳 しい研 究 に は 至 っ て い な い(Walsh,2005)。. v)自. 傷行 為 の機 能. David(2008)は. 、自傷 行 為 の機 能 に 関す る実 証 的 な研 究 の 文 献 を 精 読 した 結 果 に 基 づ き、. 繰 り返 し調 査 され て い る 自傷 行 為 の7つ の機 能 モ デ ル を特 定 した 。 そ れ らは 、 以 下 の とお りで あ る。 ①. 「 感 情 調 節 」(affect-regulation)モ. デ ル は 、 自傷 行 為 を 否 定 的 な情 緒 や 興 奮 を 軽 減. させ よ う とす る方 略 で あ る とみ なす 。発 達 早 期 の 好 ま し くな い 環 境 が 、情 緒 的 な苦 痛 に 対 処 す る た め の貧 弱 な 方 略 を授 け る 可 能 性 が あ る と理 論 化 され て い る。 ②. 「 反 解 離(解 離 へ の抵 抗)」(anti-dissociation)モ. デ ル は 、 自傷 行 為 を解 離 に 対 す. る反 応 と して 特 徴 づ け る。 自傷 行 為 を 行 う人 は 、愛 す る者 の 不 在 時 に解 離 エ ピ ソー ドを. 4.

(7) 体 験 して お り、身 体 的 な傷 を 自分 自身 に与 え る こ とは 、生 体 シ ス テ ム に衝 撃 を与 え、そ れ ゆ え に 、解 離 の エ ピ ソー ドを 中断 させ 、 自 己 の感 覚 を よ み が え らせ る。 自傷 行 為 は 、 現 実 感 や 生 の 実 感 を得 るた め の 情 緒 的 ・身 体 的 な感 覚 を 生 み 出 す 方 法 とい え る。 ③. 「 反 自殺(自 殺 へ の 抵 抗)」(anti-suicide)モ. デ ル は 、 自傷 行 為 を、 自殺 企 図 の種働. に抗 うた め の 対 処 法 略 とみ なす 。こ の観 点 か ら は 、自傷 行為 は 死 の 危 険 性 な しに 自殺 念 慮 を 表 現 す る手 段 と して 考 え られ る こ とが あ り、自殺 願 望 の代 替 物 や 妥 協 の 産 物 と して 働 い て い る。 ④. 「 他 者 へ の 影 響 の行 使 」(interpersona1-influence)モ. デ ル は 、 自傷 行 為 は 、 自傷 者. の周 囲 に い る人 々 に影 響 を与 え た り、操 作 した りす る た め に 用 い られ る と規 定 す る。 自 傷 行 為 は 、助 け を 求 め る 叫 び と して 概 念 化 され 、見 捨 て られ る こ と を避 け る手 段 で あ っ た り、自分 の こ と を も っ と真 剣 に 扱 っ て ほ しい と訴 え 、他 者 の 行 動 に影 響 を与 え よ うと す る試 み で あ っ た りす る。 ⑤. 「自他 の 境 界 の 明確 化 」(interpersonalboundaries)モ. デ ル は 、 自傷 行 為 は 、 自己. の 境 界 を確 認 す る た め の 方 法 で あ る と考 え て い る。こ のモ デ ル の 提 唱者 は 、対 象 関係 理 論 に依 存 す る傾 向 が あ る。自傷 者 は 、不 安 定 な 母 子 の愛 着 に よ っ て 正 常 な 自 己 の 感 覚 に 欠 け て お り、そ れ ゆ え に 、母 親 か ら分 離 す る こ とが で き な い と考 え られ て い る。個 人 を 外 界 や 他 者 か ら分 け 隔 て る皮 膚 に傷 跡 を っ け る こ とは 、自分 自身 と他 者 の 区別 を確 認 し、 自我 同 一 性 や 自律 性 を 主 張す る た め の も の と考 え られ て い る。 ⑥. 「自罰 」(self-punishment)モ. デ ル は 、 自傷 行 為 は 、 自分 自身 に 対 す る怒 りや 非 難 の. 表 明 で あ る と提 唱す る。Linehan(1993)は. 、 自傷 者 は 、 自分 自身 を罰 す る こ とを 周 囲. か ら学 ん で き た とい う仮 説 を 立 て て い る。 自分 自身 に 向 け られ た 怒 りや 自己 蔑 視 が 、自 傷 者 の 顕 著 な 特 徴 で あ る との 報 告 が 多 くな され て お り、自傷 行 為 は 、自我 親 和 的 な もの と して 体 験 され 、情 緒 的 な ス トレ ス に 直 面 した 際 に 自分 自身 を な だ め る た め の 手 段 と な っ て い る 可 能 性 が あ る。 ⑦. 「 刺 激 希 求 」(sensation-seeking)モ. デ ル は 、 自傷 行 為 を 、ス カ イ ダ イ ビ ン グや バ ン. ジ ー ジ ャ ン プ とあ る類 似 した 興 奮 や 高 揚 感 を生 み 出す た め の 手 段 とみ な して い る。. 5.

(8) vi)高 校生の 自傷経験率 と自傷開始年齢 山 口・ 松 本(2005)に. よ る と、 女 子 高 校 生 の 「 身 体 を 切 る 」 自傷 行 為 の経 験 率 は14.3%. で あ り、10回 以 上 の 自傷 行為 を した 経 験 者 に 限 定 す る と、 そ の 割 合 は6.8%で が 明 らか に され て い る。 この 数 字 は 、女 子 ば か りの40人 傷 行 為 経 験 者 で 、 約3人. が10回. あった こと. 学 級 な らば 、ク ラス に 約6人. が自. 以 上 の 経 験 者 とい う こ とに な る。. 海 外 の 研 究 で は 、米 国 の マ サ チ ュ ー セ ッ ツ 州 若 年 者 危 険 行 動 調 査 報 告 書(Massachusetts DepartmentofEducation,2004)に. よ る と 、 同 州 の 高 校 生 に お い て 、 過 去1年. し た こ と が あ る と 申 告 し た 者 は 全 体 の18%で. あ っ た 。 ま た 、Ross&Heath(2002)に. る と 、 カ ナ ダ の 都 市 及 び 郊 外 に 住 む 高 校 生440名 9%が. よ. を 対 象 に 調 査 を 実 施 し た と こ ろ 、13.. 自 傷 を し た こ と が あ る と答 え て い る 。 さ ら に 、 英 国 の 女 子 高 校 生 は11.2%. (Howton,2002)、. トル コ の 高 校 生 は21.4%(Zoroglu,2003)と. ま た 、Favazza&Conterio(1998)に 自 傷 開 始 年 齢 の 平 均 は14歳 者30名. 間 に 自傷 を. よ る と 、初 め て の 自 傷 の 好 発 年 齢 は13∼23歳 で あ る 。 ま た 、 濱(2005)に. の 初 回 年 齢 の 平 均 は 、13.8歳. 阪 ・澤 田(2004)も. 報 告 され て い る。 で、. よ る と、 大 学 生 の 自傷 行 為 経 験. で あ り 、 山 口 ・松 本 ・近 藤 ・小 田 原 ・竹 内 ・小. 同 様 な 結 果(13.9歳)で. あ っ た 。 こ れ は 、 日本 で は 中 学1、2年. 時 に 自傷 を 開 始 しや す い と い う こ と で あ る 。. 頭)学 校 現場(高 等学校)で の 自傷行為 北 村(2006)に. よ る と、 近 畿 の 小 中学 校 ・高 等 学 校 の 養 護 教 諭 に ア ン ケ ー トを実 施 した. と こ ろ 、養 護 教 諭 が遭 遇 して い た 自傷行 為 の 事 例 合 計 は 、1986∼1997年 で あ っ た の が 、1998年 度 は6人 、1999∼2003年 10年. 度 に は10∼16人. 度 に年 間0∼3人. と、学 校 現 場 で は こ こ. で 自傷 者 が 急 増 して い る とい え る。. 自傷 行 為 そ の もの は 、「自分 が 自分 を傷 つ け る 」とい う極 め て 私 的 で 個 人 的 な も の で あ る。 元 来 、 学 校 は 公 的 な教 育 の 場 で あ り、私 的 な 問題 を解 決 す る場 で は な い し、 そ の機 能 もな い 。 しか し、 学 校 は 生活 の 場 で も あ るた め に 、 自室 や イ ン タ ー ネ ッ トを 舞 台 と して 私 的 に 生 じた 自傷 行 為 も、 少 な く と も 「 傷 跡 」 と して 必 ず 学 校 に 持 ち込 ま れ る。 公 的 で 平 和 な は ず の 学 校 に 、 私 的 で扇 晴的 な 自傷 行 為 が 持 ち 込 まれ る と き、 教 師 も周 囲 の子 ど も も 、 さ ま ざ ま な 反 応 を余 儀 な く され る。 過 剰 な反 応 、 不 自然 な無 視 、 教 師 に知 らせ るべ き か 、 指 導. 6.

(9) す べ き か 、 医 療 か 。 教 師 も子 ど も揺 れ る。 ま た 、 学 力 や 偏 差 値 で 輪 切 りに され て い る高 等 学 校 の 場 合 、 学 校 間 格 差 が激 し く、 家 庭 的 に も学 力 的 に も 目標 や 自尊 心 を持 ち に くい 生 徒 た ち を多 く抱 え る 学 校 で は 、 自傷 行 為 が 日常 茶 飯 事 に な っ て い る。 そ の よ うな 学 校 で は 、 自傷 行 為 も 「 高 校 生 の 喫 煙 」 の よ うな 、 一 掃 す べ き 軽 微 な 問題 と して 一 括 され て い るか も しれ な い. 。 さ らに 、 高 等 学 校 は 、 ス ク ー. ル カ ウ ンセ ラー の 配 置 は 少 な く、 教 師 は教 科 教 育 の 専 門 家 と して の 意 識 が 高 く、 生 徒 の 内 面 に ま で 関 与 す る指 導 は 領 域 外 とい う認 識 が 比 較 的 強 い 。 誰 が 支 援 の 中 心 に な る の か 定 ま りに く く 、 実 態 と して は養 護 教 諭 や 一 部 の 教 師 との 「 個 人 的 な 」 関 係 の な か で 、 支 援 が行 わ れ る こ とが 珍 し くな い(伊 藤2006)。. 面)マ. ス メデ ィア と自傷 行為. 松 本 ・山 口(2006)は. 、近 年 、 イ ン ター ネ ッ ト上 に は 、 お び た だ しい 数 の 「自傷 者 」 た. ち の ウ ェ ブ サ イ トが 存 在 し、 「自傷 の カ リス マ 」 と称 され て い る 人 物 もい る。若 者 に 人 気 の 少 女 漫 画 や ドラマ 、 歌 謡 曲 に も 自傷 行 為 が 取 り上 げ られ て い る も の も増 え 、 自傷 が よ り一 般 化 し、 か つ て な い ほ どに裾 野 を 広 げ て い る。 これ ら に影 響 され た 若 者 た ち が 、 伝 染 現 象 を惹 起 す る 可 能 性 が器 具 され る と述 べ て い る。. ix)自 傷行為の伝染性 と流行性 Walsh&Rosen(1988)は. 、 自傷 に は他 の 多 くの 精 神 医 学 的 な 問題 に は 見 られ な い 、 興 味. 深 く厄 介 な 糊 致が あ り、 そ れ は 伝 染 性 、 流 行 性 を も っ て発 生 す る こ とで あ る と述 べ 、 精 神 科 病 棟 、 更 正 施 設 、刑 務 所 な どの 管 理 的 環 境 で は 、 自傷 が 流 行 しや す い こ と を指 摘 して い る。 ま た 、 自傷 の 伝 染 にお い て 、 中 心 的 な役 割 を果 た す の は 、 対 人 関 係 で あ り、 構 成 す る 要 素 と して は 、 少 な く と も次 の4種 の 行 動 パ タ ー ン が あ り、 そ れ は 、 ① コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン 技 術 の 乏 し さ、 ② 他 者 の行 動 を変 え よ う とす る試 み 、 ③ 本 人 に対 す る援 助 者 、 家 族 、本 人 の 生 活 上 の 重 要 他 者 の行 動 に対 す る反 応 、 ④ 本 人 が 所 属 す る グル ー プ の 仲 間 に よ る影 響 で あ る と述 べ て い る。 これ は 、 自傷 の 連 鎖 的 な 勃 発 は 、 最 初1人. の 自傷 に 対 して 、 別 の者 が. 共感 して 反 応 し、 自傷 す る と こ ろか ら始 ま る とい う。 な か で も被 虐 待 経 験 を 持 つ 者 は 、 仲. 7.

(10) 間 の 自傷 に 共 感 しや す く、自傷 に よ っ て結 ばれ た 仲 間 意 識 は 、異 様 な 高 揚 感 を も た ら して 、 仲 間 内 に お け る 自傷 に 対 す る心 理 的 抵 抗 感 を さ らに 低 下 させ る。 や が て 、 自傷 の 重 症 度 が 仲 間 内 で の ヒエ ラル キ ー を決 定 す る 雰 囲 気 が 生 ま れ る と、 仲 問 同 士 が 競 い合 い 、 そ して強 化 し合 うな か で 、 自傷 はた ち ま ち拡 大 して しま うと い うこ と で あ る。 しか し 、Walsh(2005)は. 、 「自傷 の発 生 に際 して は 、 対 人 関係 に基 づ く動 機 よ りも 内 面. 的 動 機 の 方 が 意 味 が 大 きい(Nock&Prinstein,2004)。. 」 な ど、先 行 研 究 で は 、対 人 関係 の 問. 題 は 自傷 の発 生 に お い て 、 さ ほ どの 重 要 性 は な い とい う印 象 を受 け る 。 これ は 全 米 の 高 校 や 大 学 か ら寄 せ られ て い る 自傷 が 蔓 延 して い る とい う情 報 と矛 盾 して い る。 そ の原 因 は 、 伝 染 が 関 与 して い な い 場 所 で の 調 査 で あ っ た こ とや 、 自記 式 ア ンケ ー ト調 査 の 限 界 が 鍵 で あ る と述 べ て い る。. x)本. 研 究 の 目的 と質 的研 究. これまで述べたように、自傷行為に伝染性 と流行性があるとい う先行研究はあるが、精 神科病棟 、更正施設、刑務所 などの管理的環境 におけるもの しかない。自傷行為が一般化 ・ 軽症化 してい る今、 自傷多発期の中学 ・高校時代 に、一番長い時間を費や す学校において の自傷行 為の伝染性 と流行 性の先行研究はなく、伝染性 と流行1生においての量的研究の限 界 も述べ られている。 そ こで、本研究では、伝染性や流行性に注 目しつつ、高校生が初 めて自傷行為を した時 の動機 と維持(や められない)に 関する心理過程について考察す る。そ して、今まで研究 数 の少 ない質的研究を用い、量的研究では明 らかにできなかった動機や維持に関 しての 自 傷者 の心理過程(プ ロセス)に 焦点を当て研究する。. そ こ で 、Mcleod(2001)は. 、 質 的 研 究 の 第 一 目的 を 「 世 界 が どの よ うに構 築 され て い る. か に つ い て 理 解 を深 め る こ と」 と して い る。 本 研 究 は 、 高 校 生 が 自傷 行 為 を 行 っ た 時 の 体 験 プ ロセ ス が どの よ うに構 築 され て い る か を 動 機 と維 持 に 焦 点 を 当て な が ら、 理 解 を深 め た い と考 え た 。 そ し て 、質 的 研 究 法 で あ る グ ラ ウ ン デ ッ ド・セ オ リー ・ア プ ロ ー チ 、具 体 的 に は 木 下(2003) に よ る 、 修 正 版 グ ラ ウ ン デ ッ ド ・セ オ リー. 8. ・ア プ ロ ー チ(ModifiedGroundedTheory.

(11) Approach;M-GTA)は. 、第 一 に 、人 間 行 動 の説 明 と理 論 に優 れ た 理 論 で あ り、 さ らに. は 、 そ の 知 識 に 基 づ い て 、 これ か らの社 会 的 相 互 作 用 に 方 向 性 を 与 え る こ とが で き る 、 実 践 的 活 用 を うな がす 理 論 で あ る 。 そ の た め 、 心 理 臨床 、 看 護 、 福 祉 な どの 領 域 に適 して い る。 第 二 に 、 従 来 の グ ラ ウ ンデ ッ ド ・セ オ リー ・ア プ ロー チ を 改 良 し、 明 確 な 方 法 を提 唱 した こ とで 、 よ い 体 系 的 で デ ー タ に 基 づ い た 分 析 を行 うこ とが で き る。 こ の こ とか ら、 本 研 究 の 分 析 にM-GTAを. 用 い る。. 9.

(12) ll方. 法. i)調 査対象者 本 研 究 の 定 義 に 沿 う 自傷 行 為 を してい る、 ま た は した 経 験 の あ る 高 等 学校 生 徒6名 。 これ ま で 、高 等 学 校 の養 護 教 諭 や 教 諭 、カ ウン セ ラ ー に 、自傷 行 為 につ い て 相 談 した り、 話 した こ と の あ る生 徒 に 、養 護 教 諭 等 を 仲 介 して 、 研 究 協 力 の依 頼 を し、 承 諾 を得 た も の に 、 文 書 に て イ ン フォ ー ム ドコ ン セ ン ト(付 録)を 対 象 者 の プ ロ フ ィ ー ル は 、Table1に. 示 す。. Table1対. i)調. し、 承 諾 書 に署名 して も ら っ た 。. 象 者 の プロフィー ル. 対象者. 学年. 性別. A. 高3. 女. 全 日制 芸 術 系コー ス. B. 高2. 女. 全 日制 総 合 コー ス. C. 高1. 女. 全 日制 外 国 語 系 コー ス. D. 高1. 女. 全 日制 芸 術 系 コー ス. E. 高1. 女. 全 日制 芸 術 系 コー ス. F. 高3. 女. 単位制. コー ス. 査 の時期 ・場所. 2008年6月. ∼11Eに. 実 施 した。. 高 等 学 校 の 保 健 室 の 中 に あ る個 室 ま た は 、 カ ウ ン セ リ ン グ ル ー ム で 面 接 した 。 面 接 時 間 は 、 一 人 あ た り、30分. ∼90分. を1∼2回. っ た の は 、 対 象 者 の都 合 で あ っ た 。. 絶. 、 実 施 した 。 時 間や 回 数 に 差 が あ.

(13) ih)面 接 の手続 き 面 接 に つ い て は 、研 究 の 主 旨 、 協 力 や 回 答 の 自 由 、録 音、 プ ラ イ バ シー の 保 護 、 情 報 の 取 り扱 い な どに 関 し、 文 書(付 録)と. 口頭 で 十 分 に 説 明 し、 同意 を得 た 。. 半構 造 化 面 接 を行 った 。 質 問 内 容 はTable2に. Table2面. 示 す。. 接の質 問内容. ① 始 めた きっか1ナ 影 響 を受 け たこと. ② 周 りの 反 応 につ いて. ③ 初 めて の 時 か らこれ までの状 況(方 法 ・回 数 ・ 期間・ 程度 ・ 身 体 部 位 な ど). ④ どん な 時 ・ 場所 ・ 時 間 など. ⑤ 自傷 行 為 前 、中 、後 の 気 持 ち. ⑥ 相談 者 ・ 援 助 者 につい て. ⑦ 友 達 や 家 族 、学 校 のこと. ⑧ 自傷 行 為 に 関 す るインター ネ ットや マンガ、ドラマな どにつ いて. ⑨ 自分 の性 格 につい て. ⑩ 気 持 ちが 落 ち着 くこと、好 きな こと. ⑪ その 他. iv)尺. 度. 調 査 対 象 者 の 精 神 的 な状 態 を比 較 的簡 単 に 知 るた め に 、M.1.N.1精. 神 疾 患簡 易構 造化面. 接 法 で 、 うつ 病 を は じめ とす る精 神 疾 患 の ス ク リー ニ ン グ を 実 施 した。. 11.

(14) v)フ. オ ロー ア ツプ. 面 接 の 最 初 に 、 気 分 が 悪 くな れ ば い つ で もや め る こ と が で き る こ と を毎 回 確 認 。 面 接 終 了 後 、 毎 回 、 気 分 変 調 の確 認 。 後 目、 何 か 変 化 が あ れ ば 、 日常 的 に関 わ っ て い る養 護 教 諭 や カ ウ ンセ ラ ー にす ぐ に報 告 す る こ と を示 す 。 こ の 面 接 と は別 に 、 個 別 に カ ウ ンセ リン グ を行 うこ と も で き る こ とを 示 す 。. vi)分 析 方 法 の手続 き 本 研 究 で は 分 析 方 法 と し て 、 質 的 研 究 法 で あ る 木 下(2003)に ッ ド ・セ オ リー ・ア プ ロ ー チ(ModifiedGroundedTheoryApproach;M-GTA)を い た。. 具 体 的 な手 続 き をTable3に. 示 す。. 12. よ る 、 修 正 版 グ ラ ウ ンデ 用.

(15) Table3M-GTAの. 具体 的な手続 き. 13.

(16) vi)理. 論 の飽 和 と概 念 ・カテ ゴ リー作成 の信 頼性. 本 研 究 で は 、調 査 対 象 者 の 協 力 を得 る こ とが 困 難 で あ っ た た め 、 調 査 人 数 が6人 で あ り、 理 論 の 飽 和 を確 認 す る こ とが で き な か っ た 。 ま た 、 概 念 ・カ テ ゴ リー 作 成 の 信 頼 陸 に 関 して は 、 本 研 究 で は 、 質 的 研 究 に通 じて い る 臨 床 心 理 士(大. 学 教 員)と. 、 臨床 心 理 学 を専 門 と して い る大 学 院 生5名. で 、 概 念 とカ テ ゴ. リー の 作 成 を 行 っ た 。 さ ら に 、 臨 床 心 理 学 を専 門 と して い る別 の 大 学 院 生8名. に デ ー タ と概 念 を 、 実 際 の デ ー. タ と概 念 の 組 み 合 わ せ を伏 せ て 渡 し 、 そ れ ぞ れ の切 片 化 され た デ ー タ が どの 概 念 に 当 て は ま る か を 配 置 して も ら っ た(付 録)。 筆 者 の 命 名 、編 成 した も の と、大 学 院 生8名 め た も の との 一 致 率 は(95/112)84.8%で. 菰)分. の 当て は. あ り、 信 頼 性 が あ る と判 断 し た。. 析 ワ ー ク シ ー トの 例 示. 本 研 究 で 作 成 し た 分 析 ワー ク シ ー トの 例 をTable4に. 14. 示 す。.

(17) Table4分. 析 ワー クシ ー トの 例. 15.

(18) 皿. 結果. i)各 対象者 の 自傷行為の概要 ま ず 、 自傷 行 為 が ど の よ うな もの で あ る か とい う各 対 象 者 の 自傷 行 為 の 概 要 をTable5 に示 す。. ①開始時期 対 象 者 の 自傷 開 始 時 期 は 、 中1か2∼ ∼4人. 高1の4月. で あ り、 最 も多 か っ た の が 中2で3. で あっ た。. ② ピー ク 時 の 頻 度 対 象 者 が 自傷 行 為 を 実 行 して い た ピ ー ク 時 の 頻 度 は 、 毎 日∼3日. に1回 で あ っ た 。. ③最近の実行状況 対象 者 の最 近 の実 行状 況 は、 「 現 在 も継 続 中 」 の も の が2人 い る も の が3人. 、「 約3か. 月 間 停 止 」 して い る も の が1人. 、「 約2か. 月 間 停 止 」 して. で あっ た。. ④道具 自傷 行 為 時 に 使 う道 具 と して 最 も多 か っ た の は カ ミ ソ リで5人 あ と は 、 シ ャー ペ ン の先 、 爪 、 ナ イ フ 、 針 が そ れ ぞ れ1人. 、 次 に カ ッ タ ー で4人 。. で あ った。. ま た 、そ の 中 で も 、「初 め の 頃 は カ ミ ソ リや っ て ん け ど、途 中 か らカ ッ タ ー に な っ て 、 そ の カ ッタ ー の 刃 じゃ な い と嫌 み た い に な っ て 。 そ っ か ら、 何 年 も 同 じカ ッ タ ー の 刃 を 使 っ て ま す 。 な ん と な く。 そ の カ ッタ ー の 刃 が 一 番 、 し っ く り く る。(F)」 す る こだ わ りを 語 る も の もい た 。. 16. と道 具 に 対.

(19) ⑤部位 対 象 者 が 自傷 行 為 を 実 行 す る 時 の 身 体 部 位 は 、 全 員 、 手 首 の 内 側 か ら肘 裏 ま で の 範 囲 内 で あ っ た 。 そ の 他 に 、加 え て 、 上 腕 、 骨 盤 あ た り、 足 な どが あ っ た 。 ま た 、 「バ イ トが 半袖 な ん で 。 腕 が一 番 楽 で す け ど。(E)」 、 「場 所 を 変 え て る ん で。4 月 や っ た の は 、 こ こ(左 手 首 の 上 あ た り)。 今 は 、 足 で す ね 。(D)」 か ら、 リス トカ ッ ト と い う名 称 に な る く ら い 一 般 的 と も言 え る手 首 か ら肘 裏 ま で の 範 囲 だ け の も の もい た し、 人 に 見 られ や す い こ とか ら、 あ え て そ の 場 所 を避 け て い る も の も い た 。. ⑥時間帯、場所 自傷 行 為 の 時 間 帯 と場 所 は 、全 て の 対 象 者 が 基 本 的 に は 、夜 、自室 で あ っ た 。 しか し、 「授 業 中 に 、 うわ 一 て な っ て 、や っ ち ゃ っ て っ て あ りま す ね 、1回 。(E)」 、 「授 業 中 と か も、 な ん か 、 席 見 え へ ん よ うな とこ で は切 っ て た し、 あ と は トイ レの 中 で 。(中 略) で も、 担 任 の 先 生 も 気 付 い て た ら し く て 、(F)」 と 、 学 校 の 教 室 や トイ レ で も 自傷 行 為 を して い る も の も い た。. ⑦ その他 の逸脱行動 質 問 内容 に 含 ん で は い な か っ た が 、で て き た 範 囲 で あ げ て み た ら、た ば こが3人 そ の 他 、多 量 の ピ ア ス 、 ア ル コー ル 、OD(過. いた。. 量 服 薬)、 母 の お 金 を盗 む な どが あ っ た 。. 「ち ょ っ と した イ ラ イ ラ く らい は た ば こで 抑 え て 、 そ れ で も治 ま らん か っ た らみ た い な 。(B)」 、 「リス カ や め て か ら耳 に は し っ た け ど。 耳 あ け る方 が 安 全 か な っ て 。6個 な ん か イ ラ イ ラ す る こ と あ っ た ら、 友 達 に"ち チ ャ っ て 。 す っ き りす る な み た い な。(C)」. ょ、 あ け て"っ て 。 で 、 ピア ッ サ ー で カ. な ど の よ うに 、 喫 煙 や ピ ア ス の 穴 を 開 け る. こ とが 、 自 傷 行 為 の 代 替 行 動 に も な っ て い る も の が い る こ とが わ か っ た 。. 17. 。.

(20) Table5対. 象 者 の 自傷 行 為 の概 要. 対. ①. ②. ③. 象. 開始. ピー ク. 最近の. 時の頻. 実行. 度. 状況. 毎日. 約2ケ. カ ミ ソ リ、. 肘の裏. 月間. シヤー ペ. あた り. 停止. ンの先 、. 中2の. 約3ケ. ナ イフ 、. 手首の. 終わり. 月間. 針. 上部. 手首. 者. A. 中1か. ⑥. ⑤. ⑥. 身体 道具. ⑦ その 他 の. 時間帯. 時期. 場所. 逸脱. 部位. 中2. B. ④. 行為 夜中. 自室のみ. 夜. 自室. たば こ. 夜 、. 自室 、. 多量の. その時. 誰 もいな. ピアス. 停止 C. 中3の1. 3日 に. 約2ケ. カ ミ ソ リ、. 2月. 1回. 月間. カ ッター. い公園. 停止 D. 高1の4. 毎日. 月. 現 在も. カ ミソ リ、. 左手 首、. だいた い. 継続中. カ ッタ ー. 足. 夜. 自室のみ. た ば こ、 ア ル コー ル 、. OD E. 中2. 2、3日. 現在も. カ ミ ソ リ、. 左 手首 、. だいた い. 自室 、. くらい. ごと. 継続中. カッター. 上腕 、. 夜 、. 学 校 のト. 骨盤 あた 昼(学 校). イレ教室. り、足 首. F. 中2の 終わり. 毎日. 約2ケ. カ ミ ソ リ、. 月間. カッター. 停止. 左手首. 自室 、. 昼(学 校). 学 校 の ト 母の金を イレ教室. 18. た ば こ、. 夜 中、. 盗む.

(21) 五)尺 度 の結 果 各 対 象 者 のM.1.N.1.精. 神 疾 患 簡 易 構 造 化 面 接 法 の 結 果 は 、Table6に. 示す。. 症 状 別 で み る と、 「 躁 病 エ ピ ソー ド(軽 躁 病 も含 む)」 が5人 、 「メ ラ ン コ リー 型 の特 徴 を伴 う大 うつ 病 エ ピ ソ ー ド」 が3人 般 性 不 安 障 害 」 が1人. 、「 広 場 恐 怖 」 が4人. 、「 社 会 恐 怖 」 が1人. 、「 パ ニ ッ ク 障 害 」 が2人. 、「 気 分 変 調 症 」 が1人. く ま で も ス ク リー ニ ン グ検 査 で あ る が 、ど の 対 象 者 も2∼3っ ま た 、 全 員 に 「自殺 の 危 険(現. 在)」 が あ り、 高 度 が2人. で あっ た。. 19. 、「 全. で あ った。 これ は、 あ. の疾 患 が あ て は ま っ て い た 。 、 中程 度 が3人. 、 低 度 が1人.

(22) 丁able6M」.N.1.精. 神 疾 患 簡 易 構 造 化 面 接 法 の結 果. 自殺の危険. 対象者. 精神疾患名 (現 在) ・ メランコリー 型 の 特 徴 を伴 う大 うつ 病 エピソー ド(現. A. 在). ・ パ ニ ック障 害(生 涯) ・ 広 場 恐 怖(現. 中等度. 在). ・軽 躁 病 エ ピソー ド(過 去). B ・ パ ニ ック障 害 の 既 往 の な い広 場 恐 怖(現. 中等度. 在). ・ 軽 躁 病 エピソー ド(現 在) C. ・ 全 般 性 不 安 障 害(現. 在). 低度. ・ パ ニ ック障 害 の既 往 のな い広 場 恐 怖(現. 在). ・ メランコリー 型 の 特 徴 を伴 う大 うつ 病 エ ピソー ド(現 在 と過 去) D. ・ 軽 躁 病 エ ピソー ド(過. ・ パニ ック障 害(生. 去). 高度. 涯). ・ メランコリー 型 の特 徴 を伴 う大 うつ 病 エ ピソー ド(現 E. ・躁 病 エ ピソー ド(過 去). 在 と過 去). 中等度. ・ パ ニ ック障 害 の 既 往 の ない 広 場 恐 怖(現. 在). ・ 気 分 変 調 症(現 在) F. ・ 軽 躁 病 エ ピソー ド(現 在) ・ 社 会 恐 怖(現. 高度. 在). 20.

(23) 血)カ. テ ゴ リー と概 念. 本 研 究 で は 、 対 象 者 に 関 して 、 全 員 が 女 性 で あ り、 か つ 教 師 や カ ウ ン セ ラ ー が 自傷 行 為 を 把 握 して い る 者 で あ り、 サ ン プ リ ン グ に 偏 りが あ っ た。 さ ら に 、 対 象 者 数 が6人. で、理. 論 の 飽 和 状 態 を 確 認 す る こ と が で き ず 、 こ の 結 果 は 、 途 中 経 過 で あ る。 現 段 階 の 結 果 は 、 以 下 の よ うに 、10個 覧 をTable7に. の カ テ ゴ リー と29個. の概 念 が 生 成 され た 。 一. 示す 。. ま た 、 各 カ テ ゴ リー と概 念 の 対 象 者 別 具 体 例 の 出 現 状 況 をTable8に. 21. 示 す。.

(24) Table7カ. テ ゴ リー と概 念. 概 念. カ テ ゴ リー. 《親 の 離 婚 ・ 家庭 崩 壊 》 《厳 しい 親 》 《一 人 で 過 ごす ことが 多 か った幼 少 期 》 【背 景 】. 《親 が こころの病 気 》 《本 人 がこころの 病 気 》 《不 登 校 ・ 非行経験》 《自 傷 の 予 兆 》. 《自傷経験のある友人の影響》 【発生の影響】 《マ スメデ ィア の 影 響 》. 《不快な出来事》. 【直接の動機】. 《い らつ ぐ 不 安 定 ・ 衝 動 的》 《落 ち込 み 》. 【自傷 行為前の気持ち】 《思考停止》 《自 暴 自棄 》. 《思考停止》 【自傷 行為中の気持ち】. 《自 暴 自 棄 》. 《被害妄想》 《安 定 ・落 ち着 く》 《後 悔 》. 【自傷行為後の気持ち】. 《疲 労 》 【常 習 化 】. 《常 習 化 》. 《恋人や友達との約束》. 【や め る きっか けにな ったこと】. 《予 防 》 《プログ な どに書 く》. 【軽 減 へ の 対 処 】. 《落 ちつ く人 》 《趣 味 》 《人 に 見 られ たくな い 》 【傷 跡 】. 《しん どさと傷 の 深 さは 比 例 》 《傷 跡 を残 したくない 》. 22.

(25) 各 カ テ ゴ リー と概 念 と具 体 例(ヴ. ァ リエ ー シ ョ ン)を 示 す 。 カ テ ゴ リー を 【 】、 概 念. を 《 》、 具 体 例 を 「 」、 定 義 を 『 』、 具 体 例 を話 した 対 象 者 を 最 後 に()の. 中 にA∼. Fで 表 記 す る。. ① 【背 景 】カ テ ゴ リー 【 背 景 】カ テ ゴ リー は 、7つ. の概 念 か ら構 成 され て い て 、 自傷 者 が 自傷 行 為 に い た っ た 背. 景 に 関 す る も の で あ る。 家 庭 や 親 に 関 す る もの が 主 で あ る が 、 必 ず し も本 人 が 自傷 行 為 の 背 景 に 関 与 し て い る と語 っ た もの で は な く、 背 景 の 一 っ で あ る こ とが 予 測 され た も の で あ る 。 家 庭 や 親 に 関 す る も の 以 外 に も 、《本 人 がこころの 病 気 》な ど の 疾 患 や 、 《不 登 校 ・ 非行 経 験 》な ど とい う過 去 の 登 校 状 況 や 生 活 状 況 な ど も含 ま れ る。なお 、《本 人 が こころの 病 気 》、《不 登校 ・ 非 行 経 験 》、 《自傷 の 予 兆 》に つ い て は 、 幼 少 期 の 家 庭 や 親 に影 響 を 受 け て い る と も考 え られ る が 、 本 研 究 で は 、 【背 景 】の 概 念 とす る。. a)《 親 の 離 婚 ・ 家 庭崩 壊》 こ の 概 念 は 、『対 象 者 が 、親 の 離 婚 や 再 婚 、家 庭 が 崩 壊 して い る こ とに っ い て 語 っ て い る も の で あ る。』 と定 義 す る。 具 体 例 と し て は 、「お 母 さん は 精 神 的 に っ ら く な っ て 。 で 、離 婚 す る こ と に な っ て 。 そ れ が 小4。(中. 略)妹 の お 父 さん も、最 近 ち ょ っ と離 婚 しち ゃ っ た ん や け ど、形 だ け で 、. 今 も 土 日に 家 に 来 た りと か は して る け ど 、な ん か や っ ぱ り、一 緒 に 家 に 住 ん どっ た 時 も 、 お 父 さ ん とお 母 さん が 毎 日喧 嘩 し とっ て 。で 、自分 と も な ん か 。す ご い 嫌 い や っ た か ら、 も め た り とか し て 、 裏 で グ チ グ チ 自分 の こ と言 わ れ る の が も の す ごい うっ とお し く っ て 、 そ れ を お 母 さ ん に 言 っ た ら、嫌 な 顔 す る しっ て 。そ れ で ・・。た ぶ ん 、そ れ が 一 番 。(A)」、 「お 父 さ ん とお 母 さ ん が 別 れ た理 由 は 、 お 父 さん が 借 金 作 っ て 、 私 が 小 さか っ た か ら、 負 担 か か る か ら っ て 。 そ の借 金 が 膨 らん で っ て 返 せ な く な っ て 、 お 父 さ ん は 逃 げ た ん で す け ど 、 そ れ で 、 ず っ とお じい ち ゃ ん が 返 して て 、 年 金 とか で 払 っ て て 、"も う息 子 じ ゃ な い"っ. て 。 で 、 連 絡 も とっ て な い っ て 言 っ て て 。(中 略)今. の お 父 さん は 、 そ ん な. に 好 き に な れ な い っ て い うか 。 私 的 に は 、 前 の お 父 さん が す ごい な ん て い うか 、 離 れ て て も 、毎 年 誕 生 日 に手 紙 送 っ て き て くれ た り とか 、会 っ た 時 に 、写 真 入 れ て る っ て 。(B)」、. 23.

(26) 「お 母 さ ん が ハ ー フ な ん で す よ。 ア メ リカ とス ペ イ ン の 。 で 、 お 父 さ ん 日本 人 。 で 、 離 婚 して る。(C)」 、 「バ ラバ ラ で す ね 。 行 動 範 囲 、 行 動 自体 が バ ラバ ラ な ん で 、1回 崩 壊 し た し、 う一 ん 。(中 略)お 父 さん 、 アル コー ル 依 存 症 で 、何 回 も入 院 も して 、倒 れ て 。 私 が 小 さ い 時 か らそ うな ん で す よ。 も う治 らな い し。 私 も、 お 父 さん の こ と、 お 父 さん っ て い う名 称 で 呼 び ま す け ど、 他 人 だ と思 っ て る し 、 他 人 っ て い うか 、 よ く知 ら な い っ て い うか 。(E)」 で あ っ た 。. b)《 厳 しい親 》 こ の 概 念 は 、『対 象 者 が 、親 が 厳 しか っ た こ とや 、過 干 渉 で あ っ た こ と を語 っ て い る も の で あ る。 虐 待 の 可 能 性 が あ る もの も含 む 。』 と定 義 す る 。 具 体例 と して は、 「小4く. らい の 時 に お 母 さん が 、欝 が ひ どか っ て 。お 父 さん の せ い で 、. み た い な 。 精 神 的 な 家 庭 内 の 暴 力 っ て い うか 。 そ れ で 、 自分 は 気 付 か な か っ た け ど、 そ うい うの が 自分 に も。(中 略)弟. ば っ か り可 愛 が っ て 、 自分 が 女 の 子 や し、 あ ん ま り勉. 強 も で きへ ん か ら、あ れ は 一 種 の 虐 待 か な っ て今 思 い 出 した らい っ ぱ い あ る。(A)」 、「自 由 が き けへ ん っ て い うか 、 自分 の や りた い こ とが で き へ ん っ て い うか 。 で 、 信 用 され て な い ん か し ら ん け ど。(中 略)干. 渉 され る の が 嫌 。 過 干 渉 。 学 校 行 っ て る 間 に 部 屋 片 付. け た り。 門 限 あ っ た り。(B)」 、 「私 ん 時 、 き っ か っ た ん で す よ ね 。 宿 題 せ ん と遊 び に行 っ た ら あ か ん と か 、 本 読 み っ す ごい 厳 し くて 、3時. 間 く ら い ず っ と泣 き な が ら本 読 ん で. た と か あ っ た ん で。(D)」 、 「ず っ と小 さい 時 か ら厳 しか っ た か ら 、 い ま だ に怖 い 。 怖 い と は 思 っ て な い け ど、た ぶ ん 、心 の どっ か で怖 い っ て 思 っ て る み た い で 、あ ん ま り反 論 、 反 論 とか も す る け ど、結 局 、早 く家 とか 帰 っ た 。 門 限 も厳 しか っ た し。(中 略)な ん か 、 変 に 厳 しい か ら け っ こ う。 ほ ん ま 、 最 近 に な っ て か ら、結 局 、 私 も 学 校 辞 め た り とか し た し、 弟 も 高 校 辞 め て働 い て る し 、 ち ょ っ とい ろ い ろ緩 る く な っ た し、 変 わ っ て は き て る け ど。 で も 、 結 局 は 中学 ん 時 とか 、 も うち ょっ と緩 か っ た ら よか っ た ん ち ゃ うか な っ て 思 い ま す 。(F)」 で あ っ た 。. c)《 一 人 で 過 ごす ことが 多 か った幼 少期 》 こ の 概 念 は 、『対 象 者 が 一 人 で 過 ごす こ とが 多 か っ た り、一 人 が 好 き で あ っ た こ とを語. 24.

(27) っ て い る も の で あ る。』 と定 義 す る。 具 体 例 と し て は 、 「小 学 校 の 頃 か ら、 小 ち ゃ い 頃 か ら一 人 の 方 が 楽 や っ て 。(中 略)誰 もお れ へ ん と こ とか 。 誰 もお れ へ ん 部 屋 とか が 好 き。(A)」 、 「お じい ち ゃ ん が 小4の. 時. に 亡 く な っ た か ら、 そ っ か ら は 一 人 が 多 か っ た 。 一 人 は慣 れ て る か な 。 当 た り前 み た い に な っ て る。 み ん な 仕 事 が遅 か っ た ん で 、 一 人 で い る こ とが 多 くな っ た。(中 略)一. 人. に は 慣 れ て る け ど、 好 き じゃ な い か ら。(B)」 、 「ち っ ち ゃ い 時 、 共 働 きや っ て 、 全 然 家 に い な くて 。 両 親 と1日 会 わ な い 。 次 の 日 とか や っ た ん で す よ。(D)」 で あ っ た 。. d)《 親 が こころの 病 気 》 こ の概 念 は 、 『対 象 者 の 親 が こ こ ろ の 病 気 で あ る(ま た は 、 あ っ た)と 語 っ て い る も の で あ る。』 と定 義 す る 。 具 体 例 と し て は 、「小4く. らい の 時 に 。 お 母 さ ん が 、 そ の 頃 、欝 が ひ どか っ て 。(中 略). な ん か 今 で も 、 自律 神 経 失 調 症 とか で 、 頭 痛 い と か 言 っ て る。(A)」 、 「お 父 さん が ア ル コ ー ル 依 存 症 で 、 何 回 も入 院 も して 、 倒 れ て 、 私 が 小 さ い 時 か らそ うな ん で す よ。 も う 治 ら な い し。(中 略)お 父 さ ん が そ れ な ん で 、 お 母 さ ん が 欝 に な っ て 。 そ の こ と と心 臓 の 病 気 とか も あ るん で 、 そ の こ とを"お 母 さん 病 気 で しん どい か ら、 ご飯 作 っ て 。 お 母 さ ん しん どい か ら、 し ゃ あ な い や ろ う"と か 。 そ うい うの は や め て い た だ き た い っ て い う と こ とか 。(E)」 で あ っ た 。. e)《 本 人 が こころの病 気 》 こ の 概 念 は 、『対 象 者 自身 が こ こ ろ の 病 気 で あ る(ま た は 、 あ っ た)と 語 っ て い る も の で あ る。』 と 定 義 す る。 具 体 例 と して は 、「風 邪 ひ い た 時 に 、外 科 とか も や っ て る心 療 内 科 に行 っ て み て も らっ て 。 最 近 、 体 と か お か し い か ら っ て 聞 い て も ら っ た ら、 パ ニ ッ ク 障 害 や っ て 言 わ れ て 。 そ や っ た ら、 う ち は 小 さい か ら、 み られ へ ん し、 薬 も な い か らっ て 大 き い と こ紹 介 して も ら っ た 。(A)」 、 「高1、 お 母 さん の 妹 に最 初 に 〈自傷 行 為 が 〉 ば れ て 、 そ の 叔 母 が お 母 さん に 話 して 、 め ち ゃ くち ゃ怒 られ て 、 ば 一 っ て 言 われ て 過 呼 吸 に な っ て 、 理 由 も 聞 か れ ん とそ の 話 は終 わ っ た。 た ぶ ん 、 親 は理 解 して な い と思 う。 そ の 後 は 一 度 も 話 し し. 25.

(28) て な い 。(B)」 、 「ベ ッ ク っ て あ る じ ゃな い で す か?う つ の5段. 階 の 、 こ こ(一 番 上)の. 段 階 だ っ た ん で す ね 。 定 期 的 に や っ て る ん で 。 病 院 、 行 っ て た ん で す け ど、 お 母 さん 知 ら な い ん で 。(中 略)は. い 、過 呼 吸 症 候 群 。 ス トレ ス性 の も あ る ん で す け ど、 体 が 弱 い. っ て い うか 、 体 力 な い ん で 、 ち ょ っ と走 った だ け で と か で な りや す い 。 中 学 校 ん 時 とか 引 き こ も っ て た か ら、 ほ ん と に 体 力 な く っ て 。(中 略)"ア え る く ら い に 出 て る わ"っ. ダ ル トチ ル ド レ ン の 症 状 が 笑. て お 母 さん に 笑 わ れ て 。 そ うそ うそ う。 症 状 の リス トみ た い. な の 見 て 、"何 これ 、 自分 や ん"っ. て い うの は あ りま した ね 。(E)」 で あ っ た 。. f)《 不 登 校 ・ 非 行経 験 》 この 概 念 は 、 『対 象 者 が 不 登 校 や 非 行 の 経 験 を 語 っ て い る も の で あ る。』 と定 義 す る。 具 体 例 と して は 、 「中 学 校 は全 く ・ ・。 毎 日が す ごい しん どか っ た 。 意 味 も な い の に 、 落 ち 込 ん ど っ て 。 そ ん な ん ば っ か りや っ た 。 自分 か ら し ゃ べ りか け に い く の も 恐 くて 、 い か れ へ ん か っ た り とか して ・・。(A)」 、「あ ん ま り、親 と関 わ りた く な い っ て い うか 、 そ ん な に しゃ べ っ た り と か 一 緒 に い た り とか す る の が 嫌 や っ て 、 家 に あ ん ま り。 家 に は 帰 る け ど、 遅 く な っ た り とか 。(中 略)中2で. や ん ち ゃ し と っ て 、 ほ と ん ど学 校 行 っ て. な か っ た か ら。 中3の 終 わ り く らい に落 ち着 い た 。(B)」 、 「中2の. 時 に家 ん 中、 ゴタ ゴ. タ ん な っ て 。 ほ とん ど学 校 行 っ て な か っ た か ら。(E)」 、 「あ と、 中学 が 私 立 や っ て 、 め っ ち ゃ 厳 しか っ て。 学 校 休 ん で て も、"行 け"っ て 、 無 理 矢 理 ず っ と何 回 も 言 わ れ た り して た か ら。 先 生 に 怒 られ た り、 学 校 に お る こ と 自体 嫌 み た い な 。 友 達 とか も み ん な い い 子 や っ た し、 学 校 の 中 とか 雰 囲 気 とか が全 部 嫌 。(中 略)学. 校 、 け っ こ う休 ん で る こ. と 多 くて 。 特 に 、や る こ と な い し、 ず っ と携 帯 い じ っ て た り。(F)」 で あ っ た 。. g)《 自傷 の 予 兆 》 こ の 概 念 は 、『対 象 者 が い わ ゆ る 自傷 行 為 を 始 め る前 に 、 自傷 の 予 兆(軽 い 自傷)が. あ. っ た こ と を 語 っ た も の で あ る。』 と定 義 した 。 具 体 例 と して は 、 「あ と な ん か 、 手 で 。 爪 とか で ひ っ か く。(A)」 、 「痛 い っ て 思 え ば い い み た い な。 も とも と痛 い の が 好 き っ て い うか 、そ うい うの した い っ て 思 っ て ま うか ら。 嫌 な こ と あ っ て も、 痛 い っ て 思 っ た ら あ ん ま 思 い 出 さ ん で す む か ら。 心 で 痛 い っ て 思 う. 26.

(29) よ り、 体 で 痛 い っ て 感 じ る方 が い い か な っ て 。 中3く. らい か ら思 っ て た 。(C)」 、 「も と. も と知 っ て ま した 。腕 切 る 前 か ら、指 は切 っ て た ん で す よ。小 学 校 の 中 学 年 の 時 く らい 。 カ ッ タ ー と か で 血 を 出 して た 。 そ れ が あ っ た ん で 、 本 気 で わ か っ て た ん で す よ。(D)」 、 「ひ どい 時 とか 、 授 業 中 、 気 付 い た ら、 ば 一 っ と、 指 先 とか や っ ち ゃ っ て た ん で 、 自傷 っ て ほ ど じゃ な い で す け ど、 緊 張 とか した ら爪 を た て る癖 が あ っ て 。(中 略)痛 し ん どい の を 紛 らわ そ う と して た 節 も あ りま す ね 。 心 の 中 に 。(中 略)こ. み で、. うや っ て 、 こ. の 辺 が 一 っ み た い な とか で 、血 出 る時 も あ りま す け ど、皮 む け て 、み た い な。(E)」 、「わ 一 っ て なっ た 時 は. 、 自分 の頭 た た い た り とか は あ っ た け ど。(F)」 で あ っ た 。. ② 【発生の影響】 【発 生 の影 響 】カ テ ゴ リー は 、2っ. の 概 念 か ら構 成 され て い て 、 自傷 者 が 自傷 行 為 に い た. っ た 時 の き っ か け や 影 響 を 受 け た こ とに 関 す る も の で あ る 。. a)《 自傷 経 験 の ある友 人 の 影 響 》 この 概 念 は 、『対 象 者 が 初 め て 自傷 行 為 を した 時 の き っ か け や 影 響 を 受 け た こ と を 自傷 して い る 、 ま た は して い た 友 人 に帰 属 させ る 。 確 信 は して い な くて も 、 友 人 の 影 響 が あ る か も しれ な い とい うも の も含 む 。』 と定 義 す る。 具 体 例 と して は 、「そ の 時 、仲 い い 友 達 が お っ て 、 そ の 友 達 とい ろ い ろ あ っ て 。 そ の 友 達 が つ らい 思 い して る時 に 、 私 が相 談 し た ん です よ 。 で 、 私 が 相 談 した 内 容 が 、 ま た そ の 友 達 を つ ら く させ ち ゃ っ た み た い で 、 そ の 友 達 と、 毎 日会 っ て た の に 、 ち ょ っ と連 絡 とれ て な く っ て 、1週. 間 く らい して 会 っ た 時 に 、 体 じ ゅ う傷 だ らけ で 、 首 とか もバ ー っ. て な っ て て 、 そ れ 見 た らす ご い シ ョ ッ ク で 、 私 が こ う させ た ん か な あ っ て 思 っ て 。"そ ん な ん や っ た あ か ん"っ 中3の. て 言 っ て た の に 、 自分 も 、 み た い な 。(B)」 、 「中2の. は じ め ん 時 、 仲 い い 年 上 の 男 の 人(親 友 み た い な 人)が(自. "や め た 方 が い い". 傷 行 為 を)や. っ て 言 っ て 止 め て る 方 や っ た ん や け ど、 そ の 人 が"や. か 気 持 ち わ か らん し。 俺 、 一 番 落 ち着 くの が これ や ね ん"っ. 終 わ りか って て. っ て る人 に し. て言 っ とって。 で 、追 い詰. め られ た 時 に 、 ほ ん ま に 落 ち 着 くん か と思 っ て や っ て み た 。 そ した ら ほ ん ま に 落 ち 着 い て 。 で 、 こ ん な ん分 か らん か っ た の に 、 な ん で 口先 だ け で 止 め て た ん や ろ っ て 。 切 っ て. 27.

(30) る 人 に は 切 っ て る な りに 、 切 ら ん 人 に は わ か らん 何 か が あ る し。 ま わ りの 人 が や め っ て 言 っ て も 、 そ の 人 に と っ た ら、 何 が わ か る ん っ て 感 じや と思 う。 こ っ ち の 立 場 に な らん と気 持 ち が わ か らん 。(C)」 、 「な ん か 、 仲 い い 友 達 が そ うい う風 な(自 傷 行 為 して る) ニ ュ ア ン ス は だ して る ん で す け ど、 実 際 に切 っ た 傷 は 見 た こ と な か っ た か ら、 何?み. た. い な 。(D)」 、 「で も 、 人 か ら見 た ら、影 響 を 受 け て 、 ひ ど くな っ た っ て 思 わ れ て るの か な あ っ て 。(E)」 、 「も と も と一 番 仲 良か った 子 が1回 うの が あ る っ て い うの は分 か っ て て 。(中 略)中. だ け して て 、 そ れ を 見 て 、 そ うい. 学 ん 時 に思 っ た の が 、 私 が 言 っ た こ と. に よ っ て や っ た 子 も お っ た か ら 、 だ か ら 、 高 校 に な っ て か らは 、 な る べ く言 わ ん 方 が い い ん か と思 い だ して 。 な ん か 、 そ の 子 は 私 が 原 因 や とは 思 っ て な い け ど、 私 が 言 っ た こ と に よ っ て 、 そ うい うの を 知 っ て 、 自分 もや っ て み よ うか な っ て い うの で や っ て 。 っ て い う子 が 、 た ぶ ん け っ こ うお っ た か ら。(F)」 で あ っ た 。. b)《 マ スメデ ィア の影 響 》 こ の概 念 は 、『対 象 者 が初 め て 自傷 行 為 を した 時 の き っ か けや 影 響 を 受 け た こ と をマ ス メ デ ィ ア に 帰 属 させ る。 確 信 は して い な くて も 、 マ ス メ デ ィ ア の影 響 が か も しれ な い と い う もの も含 む 。マ ス メ デ ィ ア と は 、テ レ ビ、 ラ ジ オ 、マ ン ガ 、イ ン タ ー ネ ッ ト、雑 誌 、 ア イ ドル 、 歌 謡 曲 な ど で あ る。』 と定 義 す る 。 具 体 例 と して は 、「別 に 、そ ん な ん あ る ん や っ て 知 っ た わ け で も な く、な ん か 知 っ て た。 自然 に 。 テ レ ビ か な あ。(A)」 、 「マ ンガ と か で も知 識 は あ りま した け ど 、特 別 そ こ に 重 点 、 意 識 を お い て た わ け じゃ な い し、 な ん で だ ろ う。(E)」 、 「そ の 時 期 に そ うい う(自 傷 行 為 の)ド. ラ マ 見 て た っ て い うの も あ っ て 。(F)」 で あ っ た 。. ③【直接の動機】 【直 接 の 動 機 】カ テ ゴ リー は 、1っ の 概 念 か ら構 成 され て い て 、 自傷 者 が 自傷 行 為 に い た っ た 時 の 直 接 の 動 機 に 関 す る も の で あ る。. a)《 不快な出来事》 この概念 は、『対象者 が自傷行為を した時の直接の動機 を不快 な出来事 に帰属 させ る。』. 28.

(31) と定 義 す る。 具 体 例 と して は 、「普 通 に シ ョ ック な こ と(彼 氏 と別 れ た)が あ っ た か ら、 そ ん 時 は ち ょっ とひ ど くな っ た(A)」 、 「最 初 の うち は つ らい こ と あ っ た り とか で 。(B)」 、 「友 達 と 彼 氏 と喧 嘩 した 時 に ど っ ち に も 同 じこ と言 わ れ た ん で す よ。 別 々 で 違 うこ と で 喧 嘩 した ん や け ど 、 似 た よ うな こ と言 わ れ て 。 そ れ で 。(中 略)な. ん か 追 い 詰 め られ て 、 も う嫌. や っ て な っ て。(C)」 、 「喧 嘩 した 時 とか 、 も う嫌 っ て な っ た 時 とか が 多 い 。(D)」 、「家 族 系 、 友 達 系 、 恋 愛 系 、 勉 強 系 、 は は は は は 。 全 部 が 原 因 で す ね 。 そ う、 何 か し らの 原 因 で 悩 ん で た は ず や の に 、別 の 原 因 が き た り とか あ っ た り(中 略)何 一 って な っ た時 う。(中 略)だ. か し ら あ っ て 、 うわ. 。(E)」 、 「た ぶ ん お 父 さ ん と 喧 嘩 した とか 、 そ うい うん 感 じや っ た と思. い た い 家 族 と喧 嘩 した り、 嫌 な こ と言 わ れ た り。 親 と ゴ チ ャ ゴ チ ャ あ っ. て 切 っ た の が 、 半 分 以 上 や っ た か ら。(F)」 で あ っ た 。. ④【自傷行為前の気持ち】 【自傷 行 為 前 の 気 持 ち】カ テ ゴ リー は 、4っ の 概 念 か ら構 成 され て い て 、 自傷 者 が 自傷 行 為 をす る 前 の 気 持 ち に 関 す る も の で あ る。. a)《. い らつ く・不 安 定 ・衝 動 的 》. こ の 概 念 は 、『対 象 者 が 自傷 行 為 をす る 前 の 気 持 ち で 、イ ラ イ ラ した り、不 安 定 で 落 ち 着 か な か っ た り、 衝 動 的 だ っ た こ とを 語 っ た も の で あ る。』 と 定 義 す る 。 具 体 例 と して は 、 「ち ょっ と した イ ライ ラ く らい は た ば こ で 抑 え て 、 そ れ で も 治 ま ら ん か っ た ら(自 傷 行 為 を す る)み た い な 。(中 略)ち. ょっ と落 ちつ か へ ん か っ た り した. 時 と か。 痛 い よ り、 悲 しい とか じ ゃ な い け ど、 と り あ え ず 落 ち つ きた い 。(B)」 、 「ず っ と考 え て 、 も う わ 一 っ て な る。(中 略)衝 動 的 。 感 覚 的 に。 実 際 、 や る 時 は 、 も う"切 りた い"し. か な い 。(中 略)イ. ライ ラ、 うん 。 な ん や ろ 、 な ん か 腹 立 つ ん です よ ね。 最. 初 、 相 手 に 腹 立 っ て 、"な ん で そ ん な こ とす る ん?"っ. て言 っ て も、最 後 に腹 立 って る. の は 自分 に な ん で。(D)」 、「うわ 一 っ て な っ て る 時 も あ る。"切 らな き ゃ い け な い"み た い な 時 とか"あ. あ切 りた い な あ"み た い な。(中 略)や. ろ っ て 思 っ た ら、 や っ ち ゃ うん. で 。 っ て い うか 、 や ろ うっ て 思 っ た らっ て い うか 、 す ぐや っ ち ゃ うん で 。 あ ん ま り止 め. 29.

(32) れ な い 。(E)」 、 「あ と は な ん か 、 わ 一 っ て な っ た 時 に 、 衝 動 的 に 切 る み た い な ん と 。(中 略)そ. ん 時 は 、 お 母 さ ん の 目 の 前 で も 、 さす が に 切 っ て も うた し。 な ん か 、 止 め ら れ て. も 、 わ 一 っ て い う。(F)」. で あった。. b)《 落 ち込 み 》 こ の 概 念 は 、『対 象 者 が 自傷 行 為 をす る 前 の 気 持 ち で 、気 分 の 落 ち 込 み を 語 っ た も の で あ る。』 と定 義 す る。 具 体 例 と して は 、「な ん か 精 神 的 に ま い っ て る 時 とか に 、な ん か も う、 ど う し よ うみ た い にず っ と落 ち 込 ん で 。(A)」 、 「何 か し らが 起 こ る と、 死 に た く な っ て 、 私 が 全 部 悪 い ん だ っ て な っ て 、 で も 、 だ ん だ ん怒 っ て き て 、 な ん で 私 が 悪 い ん っ て な っ て 、 最 後 は ど うで もい い や 、 面倒 くせ え っ て な るん で す よ。 だ か ら、 そ の 流 れ に よ る 。 うわ 一 、 ご め ん な さ い の 時 に切 っ た り と か。 ど うで も い い や 面 倒 くせ っ て い う時 に 切 っ ち ゃ っ た りも しま す け ど ね 。 面 倒 く さい 、 な ん で 生 き て る ん や ろ う、 も う死 の う、 ガ シ ッ み た い な 。 (E)」、 「ず 一 っ と、 な ん か テ ン シ ョンが 落 ち て て 。(F)」 で あ っ た 。. c)《 思 考 停 止 》 こ の 概 念 は 、『対 象 者 が 自傷 行 為 をす る 前 の 気 持 ち で 、思 考 が 停 止 し て い る よ うな 、何 も 考 え られ な い よ うな 感 覚 を語 っ た も の で あ る。』 と定 義 す る。 具 体 例 と し て は 、 「何 考 え て る か わ か ら ん 。(B)」 、 「何 に も し た く な い み た い に 、 ポ ー ッ と し て 、 特 に な あ も 考 え ん と 。(F)」. で あ った。. d)《 自暴 自棄 》 こ の 概 念 は 、『対 象 者 が 自傷 行 為 をす る前 の 気 持 ち で 、自暴 自棄 に な っ て い る よ うな 感 覚 を 語 っ た も の で あ る。』 と定 義 す る。 具 体 例 と して は 、 「今 、 自分 が 何 や っ て も平 気 や な っ て 。 な ん か 、 今 こ こ で 、 包 丁 持 っ て き て 、 自 分 の お 腹 刺 して も平 気 や な っ て 。 た ぶ ん 、 そ うい う こ とす る 勇 気 は な い ん や と思 うん や け ど、 こ こ か ら飛 び 降 りて も平 気 や わ 、 み た い な。(A)」 、 「ど うで も い い や 面 倒 くせ っ て い う時 に切 っ ち ゃ っ た りも しま す け どね 。 面 倒 く さい 、 な ん で 生 き て る. 30.

(33) ん や ろ う、 も う死 の う、 ガ シ ッ(右 手 で 左 手 を 切 る動 作)み. た い な 。(E)」 で あ っ た 。. ⑤ 【自傷行為 中の気持ち】 【自傷 行 為 中 の 気 持 ち】カ テ ゴ リー は 、3つ. の概 念 か ら構 成 され て い て 、 対 象 者 が 自傷 行. 為 を して い る 途 中 の 気 持 ち に 関 す る も の で あ る。. a)《 思 考 停 止 》 こ の概 念 は 、『対 象 者 が 自傷 行 為 を し て い る 途 中 の 気 持 ち で 、思 考 が 停 止 して い る よ う な 感 覚 を 語 っ た も の で あ る。解 離 して い る可 能 性 の あ る も の や 、記 憶 に な い も の も含 む 』 と 定 義 す る。 具 体 例 と して は 、 「そ ん 時(自 傷 行 為 して い る 時)は. 自分 で あ ん ま りわ か っ て な い 。. 何 も考 え て な い 。(A)」 、 「自分 で は わ か らな い 。 頭 お か し く な っ て る。 そ ん 時 は痛 み が わ か らな い ん で す よ。(B)」 、「勝 手 に切 っ て る。(C)」 、 「そ ん 時 は 、 あ ん ま り も う覚 え て な い 。(F)」 で あ っ た 。. b)《. 自暴 自 棄 》. この 概 念 は 、『対 象 者 が 自傷 行 為 を して い る途 中 の 気 持 ち で 、 自暴 自棄 に な っ て い る よ うな 感 覚 を 語 っ た もの で あ る。』 と定 義 す る 。 具 体 例 と し て は 、「気 持 ち が 高 ぶ っ て る か ら、な ん か 、 ど うな っ て も い い や っ て 。(A)」 で あ った。. c)《 被 害 妄 想 》 こ の 概 念 は 、 『対 象 者 が 自傷 行 為 を して い る途 中 の 気 持 ち で 、 被 害 妄 想 して い る よ う な 感 覚 を 語 っ た もの で あ る。』 と定 義 す る 。 具 体 例 と して は 、 「被 害 妄 想 っ て い うか 、 自分 の こ とか わ い そ うっ て 思 う。(B)」 で あ っ た。. 31.

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